JP2905802B2 - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

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JP2905802B2
JP2905802B2 JP10262194A JP10262194A JP2905802B2 JP 2905802 B2 JP2905802 B2 JP 2905802B2 JP 10262194 A JP10262194 A JP 10262194A JP 10262194 A JP10262194 A JP 10262194A JP 2905802 B2 JP2905802 B2 JP 2905802B2
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忠彦 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の駆動力配分に使
用する油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧式動力伝達継手としては、例
えば図14に示すようなものがある。図14において、
1はカム面2を有するカムであり、カム1はカムハウジ
ング3に固定され、また、カム1の図示しない出力軸に
連結されている。4はカムハウジング3内に回転自在に
収納されたロータであり、ロータ4は図示しない入力軸
に連結されている。
【0003】カム1とロータ4との間に回転差が生じる
と、吐出行程にあるプランジャー5はリターンスプリン
グ6に抗してカム1のカム面2により軸方向に押し込ま
れる。このためプランジャー室7の油は、吐出路8、吐
出弁9を通って油圧室10に押し出される。油圧室10
に押し出された油は、オリフィスピン11に形成された
切欠き12、プラグ13に形成した収納孔14、オリフ
ィスピン11とプラグ13の間に形成されるオリフィス
15を通り、プラグ13とアキュムレータピストン16
により画成される低圧室17に供給される。このとき、
オリフィス15の抵抗により、収納孔14、油圧室1
0、吐出路8、プランジャー室7の油圧が上昇し、プラ
ンジャー5に反力が発生する。このプランジャー反力に
逆ってカム1を回転させることにより、トルクが発生
し、カム1とロータ4との間でトルクが伝達される。
【0004】さらに、カム1が回転すると、吸入行程と
なり、低圧室17の油は、吸入路18、吸入弁19を介
してプランジャー室7に吸入され、プランジャー5はカ
ム1のカム面2に沿って戻る。このとき発生するトルク
Tは、図15のaに示され、差動回転数ΔNの2乗に比
例する。
【0005】次に、油圧室10の油圧が所定値以上にな
ると、オリフィスピン11はスプリング20に抗して図
中右方向に移動し、オリフィス15を閉止する。これに
より継手はロックされ、ロック特性は、図15中bで示
される。すなわち、継手がロックされると、差動回転数
ΔNはほとんどなくなり、トルクTは無限大となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、通常のトル
ク範囲内においては、図16に示すように、発生した油
圧反力に負けないようにオリフィスピン11を保持しな
ければならず、オリフィス径が大きければ大きい程スプ
リング20の荷重が必要となり、装置が大きくなるとい
う問題があった。
【0007】図16において、d1 はオリフィスピン1
1の突出部11Aの径、Pは油圧を示す。スプリング2
0の荷重SP1 は(π/4)d1 2 ×P以上必要とな
る。また、図17に示すように、ロック後解除するの
に、大きなスプリング20の荷重が必要となり、装置が
大きくなる。図17において、d2 はオリフィス15の
径を示す。解除に必要なスプリング20の荷重SP2
(π/4)d2 2 ×P以上必要となる。
【0008】また、油の流路中にスプリング20、オリ
フィスピン11が存在するため、流路抵抗が大きく、ト
ルク性能に影響をおよぼさないためには、十分な流路ス
ペースが必要であり、結果として装置が大型化する。本
発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもの
であって、スプリング荷重を小さくすることで装置の小
型化を図ることができる油圧式動力伝達継手を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、相対回転可能な入出力軸間に設けられ、
前記一方の軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有す
るカム面を形成したカムハウジングと;前記他方の軸に
連結されるとともに、前記カムハウジング内に回転自在
に収納され、複数のプランジャー室を軸方向に形成した
ロータと;前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リ
ターンスプリングの押圧を受けて往復移動自在に収納さ
れるとともに、前記両軸の相対回転時に前記カム面によ
って駆動される複数のプランジャーと;前記ロータに形
成され、前記プランジャー室と通じる吸入吐出孔と;前
記ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記カ
ムハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前記
吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁の
作用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成
したロータリバルブと、前記プランジャーの駆動による
吐出油の流動により流動抵抗を発生する流動抵抗発生手
段を備え;前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達
する油圧式動力伝達継手において、前記ロータリバルブ
に前記吐出ポートに連通する高圧室を形成し、通常時に
は弾性部材により付勢されるピン部材によりその位置が
保持され、前記高圧室の油圧が所定値以上になると、前
記ピン部材が移動するためフリーとなって前記流動抵抗
発生手段を閉止する弁体を前記高圧室内に設けたことを
特徴とする。
【0010】また、本発明は、前記弾性部材として一対
のスプリングを用い、一方のスプリングを所定の油温以
下で変態する形状記憶合金で形成したことを特徴とす
る。また、本発明は、前記ピン部材に係止部を形成し、
係止部の一方に前記一方のスプリングを係止し、係止部
の他方に他方のスプリングを係止したことを特徴とす
る。
【0011】また、本発明は、前記ピン部材の形状を丸
棒形状とし、該ピン部材の端部側にボールを設け、ボー
ルの一方側に前記一方のスプリングを介装し、ボールの
他方側に他方のスプリングを介装したことを特徴とす
る。
【0012】
【作用】このような構成を備えた本発明の油圧式動力伝
達継手によれば、弁体に吐出ポートと連通する高圧室を
形成し、高圧室内に移動可能に弁体(ボール)を設け、
通常時には弾性部材により付勢されるピン部材によりボ
ールを保持し、流動抵抗発生手段としてのオリフィスを
開放し、高圧室の油圧が所定値以上になると、ピン部材
が油圧により押圧され、ボールはフリーとなって、オリ
フィスを閉止してロックするようにしたため、通常時の
弾性部材の荷重はピン部材のピン受圧力に打ち勝つ荷重
のみで良く、オリフィス径には左右されない。
【0013】また、ロック解除時の弾性部材の荷重は、
ボールを横方向から押し、オリフィスから押しのけるモ
ーメント力とピン受圧力で良く、オリフィス径にほとん
ど左右されない。このように、弾性部材の荷重を下げる
ことができるので、装置の小型化を図ることができる。
また、ピン及び弾性部材が流路中にないので、小型化し
ても基本トルク特性に影響を与えない。
【0014】また、弾性部材として一対のスプリングを
用い、一方のスプリングを所定の油温以上で変態する形
状記憶合金で形成した場合にも、圧力に左右されずに、
ロック及び解除ポイントを決められ、弾性部材の荷重を
下げることができるので、装置の小型化を図ることがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図9は本発明の一実施例を示す図である。
図2は本発明の第1実施例に係る継手の横断面図であ
る。まず、構成を説明すると、図2において、31は内
側面に2つ以上の山を有するカム面32を形成したカム
であり、カム31は図示しない出力軸に連結され、出力
軸と一体で回転する。また、カム31は溶接部33でカ
ムハウジング34に固定され、カム31はカムハウジン
グ34と一体で回転する。
【0016】35はカムハウジング34内に回転自在に
収納されたロータであり、ロータ35は入力軸36に結
合され、入力軸36と一体で回転する。ロータ35に
は、軸方向に複数個のプランジャー室37が形成され、
プランジャー室37内は複数個のプランジャー38がリ
ターンスプリング39を介して摺動自在に収納されてい
る。また、ロータ35には複数の吸入吐出孔40が各プ
ランジャー室37に通じるように形成されている。
【0017】41は表面に吸入ポート42、吸入路43
および吐出ポート44が形成されたロータリバルブであ
り、このロータリバルブ41の裏面には吐出ポート44
のそれぞれに連通する連通溝45が形成されている。ま
た、前記裏面には密着して蓋部材46が設けられ、連通
溝45を閉止している。また、ロータリバルブ41はカ
ムハウジング34の内周に形成した切欠き47に係合す
る位置決め用の突起48を有する。
【0018】ロータリバルブ41は、吸入吐出孔40の
開閉タイミングを決定するタイミング部材を構成し、切
欠き47と突起48がカム31とロータリバルブ41の
位相関係を規制する位置決め機構を構成している。プラ
ンジャー38が吸入行程にある場合は、ロータリバルブ
41の吸入ポート42とロータ35の吸入吐出孔40が
通じる位置関係となり、後述するオリフィス、吸入ポー
ト42、吸入路43、ロータ35の吸入吐出孔40を通
じて、プランジャー室37に油を吸入することができ
る。
【0019】また、プランジャー38が吐出行程にある
場合は、吸入行程と逆の関係となり、ロータ35の吸入
吐出孔40はロータリバルブ41の吐出ポート44を介
して連通溝45に通じる。49はカムハウジング34と
一体で回転するベアリングリテーナーであり、ベアリン
グ50を介して入力軸36を支持している。ベアリング
リテーナー49とロータリバルブ41との間にはスラス
トニードルベアリング51が介装され、このスラストニ
ードルベアリング51側のフリクショントルクはロータ
35とロータリバルブ41の間のフリクショントルクよ
り小さくなるように設定されている。したがって、差動
回転の方向が変わると、ロータリバルブ41はロータ3
5とともにつれ回りし、ロータリバルブ41の位置決め
用の突起48がカムハウジング34の切欠き47に当た
るまで回転した後、カムハウジング34と一体で回転す
る。これにより、正転時または逆転時にも所定のタイミ
ングで吸入吐出孔40は強制的に開閉する。
【0020】ベアリングリテーナー49と入力軸36の
間にはオイルシール52が設けられ、また、入力軸36
の内部には油の熱膨張を吸入するためのアキュムレータ
ピストン53が摺動自在に収納されている。54はアキ
ュムレータ室55への泥水の侵入を防止する蓋部材であ
る。アキュムレータ室55は油路56,57を介して継
手の内部に連通している。
【0021】ロータリバルブ41には前記吐出ポート4
4に連通する高圧室58が形成され、高圧室58の出口
部はプラグ59により閉止されている。なお、60は注
油孔、61はニードルベアリング、62はねじ孔、6
3,64はOリング、65,66はスナップリング、6
7は取付孔である。次に、図3(A)は継手の縦断面図
であり、図3(B)は図3(A)の要部断面図である。
【0022】図3(A),(B)において、34は前記
カムハウジングであり、カムハウジング34の内周に形
成された切欠き47にはロータリバルブ41の突起48
が周方向に移動可能に係合している。ロータリバルブ4
1の表面には周方向に複数個の吸入ポート42と複数個
の吐出ポート44が交互に形成され、吸入ポート42に
は吸入路43がそれぞれ連通している。
【0023】ロータリバルブ41には前記高圧室58が
形成され、高圧室58は吐出ポート44に連通してい
る。高圧室58内には弁体としてのボール68が移動可
能に収納され、ボール68は通常時にはピン部材69に
より押圧、保持される。ピン部材69はボール70を介
して弾性部材としてのスプリング71により付勢され、
スプリング71は、ロータリバルブ41に形成して収納
孔72内に収納されている。
【0024】図3の要部拡大図を図1(A),(B)に
示す。図1(A),(B)において、通常時、すなわ
ち、ロックトルク以下の回転差域では高圧室58の油圧
によるピン部材69を押す力よりスプリング71により
ボール70を介してピン部材69を押す力の方が大きい
ため、ピン部材69がボール68を押える。このため、
流動抵抗発生手段としてのオリフィス73は開放されて
おり、油がオリフィス73を通過する。通常時には矢印
cで示すように、スプリング71によるピン部材69を
押す力が大きい。矢印eはオリフィス73を通過する油
の流れを示す。
【0025】一方、ロックトルク以上の回転差域では高
圧室58の油圧によるピン部材69を押す力がスプリン
グ71によるピン部材69を押す力より大きくなるた
め、ピン部材69が移動し、スプリング71が圧縮さ
れ、ボール68がフリーとなって、オリフィス73を閉
止する。こうして継手はロックとなる。ピン部材69の
受圧面積を小さくしているため、スプリング71の荷重
を下げることができるようにしている。
【0026】なお、通常時においては、図4に示すよう
に、ボール68の位置が、図4(A)に示す下端にずれ
てもオリフィス73を閉止することがないようにしてい
る。同様に、図5に示すように、ボール68の位置が、
図5(A)に示す上端にずれてもオリフィス73を閉止
することがないようにしている。なお、74はストッパ
である。
【0027】次に、作用を説明する。まず、通常時の作
用を説明する。カム31とロータ35との間に回転差が
生じないときは、プランジャー38は作動せず、トルク
は伝達されない。なお、このとき、プランジャー38は
リターンスプリング39によりカム面32に押し付けら
れている。
【0028】次に、カム31とロータ35との間に回転
差が生じると、吐出行程にあるプランジャー38はカム
31のカム面32により軸方向に押し込まれる。この
時、吸入吐出孔40は吐出ポート44と通じているた
め、プランジャー38はプランジャー室37の油を吸入
吐出孔40からロータリバルブ41の吐出ポート44に
押し出す。
【0029】吐出ポート44に押し出された油は、連通
溝45、高圧室58、オリフィス73を通って吸入路4
3から吸入ポート42に供給される。このとき、オリフ
ィス73の抵抗により高圧室58、連通溝45、吐出ポ
ート44およびプランジャー室37の油圧が上昇し、プ
ランジャー38に反力が発生する。このプランジャー反
力に逆ってカム31を回転させることによりトルクが発
生し、カム31とロータ35との間でトルクが伝達され
る。なお、吐出ポート44は連通溝45で連通されてい
るため、吐出行程にあるすべてのプランジャー室37の
油圧は等しくなる。
【0030】さらに、カム31が回転すると、吸入行程
となり、吸入吐出孔40は吸入ポート42と通じるた
め、吸入路43の油は、吸入ポート42、吸入吐出孔4
0を介してプランジャー室37に吸入され、プランジャ
ー38はカム31のカム面32に沿って戻る。通常時、
すなわち、ロックトルク以下の回転差域では、図1に示
すように、高圧室58の油圧によるピン部材69を押す
力よりもスプリング71によるピン部材69を押す力c
が大きいため、ピン部材69によりボール68が保持さ
れ、油は矢印eに示すように、オリフィス73を通過す
る。
【0031】したがって、この通常時におけるトルク特
性は、図6のfで示される。なお、図中Tr はロックト
ルク、gはロックトルクTr 以下の回転差域を示す。次
に、図7に示すように、高圧室58の油圧が上昇し、ロ
ックトルクTr 以上の回転差域では、高圧室58の油圧
によるピン部材69を押す力hがスプリング71による
ピン部材69を押す力により大きくなるため、ピン部材
69が図7中右方向に移動し、スプリング71が縮み、
ボール68がフリーとなり、オリフィス73を閉止す
る。
【0032】このときのトルク特性は、図8のiに示す
ようなロック特性となる。解除時はボール68を押しの
ける力が必要となるため、高圧室58の油圧が若干低下
しないと解除することができない。すなわち、解除時に
はトルクTはロックトルクTr よりも低いトルクTk と
なる。この解除時のトルクを図9を参照しながら求め
る。
【0033】図9において、z0 はボール68のころが
り支点を示す。xはオリフィス73の半径を示し、ここ
では0.475mmとする。yはボール68のころがり
支点z0 からボール68の中心までの距離を示し、ここ
では1.154mmとする。zはボール68のころがり
支点z0 からピン部材69との接触点までの距離を示
し、ここでは0.769mmとする。Aはオリフィス7
3の断面積を示し、ここでは0.709mm2 となる。
Bはピン部材69の断面積を示し、ここでは0.785
mm2 とする。P1 はボール68がオリフィス73をふ
さぐ力を示す。P2 はピン部材69がボール68を押す
力を示す。μ2 ・P2 はピン部材69の摺動抵抗を示
す。μ・P2 はボール68とピン部材69の摺動抵抗を
示す。μは0.15とする。
【0034】ここで、z0 点を支点にモーメントの釣合
を考えると、 x・P1 +z・μ・P2 <y・P2 により、ピン部材69がボール68を押して、ロックを
解除する。 P1 =P×A P2 =SP−P×B−μ2 ・P2 Pは高圧室58の油圧、SPはスプリング71の荷重、
P×Bは油圧Pによりピン部材69を通す力を示す。μ
2 ・P2 は他項に比べて微小(μ2 2 ≒0)であるの
で P2 =SP−P×B したがって、次式により、ロック解除時の油圧Pを求め
ることができる。
【0035】x・P1 +zμP2 <y・P2 x・P・A+zμ(SP−P・B)<y・(SP−P・
B) x・P・A+zμ・SP−zμ・P・B<y・SP−y
・P・B (x・A−zμB+y・B)P<(y−zμ)SP 前記数値を代入すると、 (0.475×0.709 −0.769 ×0.15×0.785 +1.154 ×0.78
5)×P<(1.154−0.769 ×0.15)SP 1.152 P<1.039 SP P<0.9 SP たとえば、SP=0.236kgのときの油圧Pとトル
クTを求める。
【0036】 P=0.9×0.236=0.212kg/mm2 =21.2kg/cm2 油圧P/トルクT=一定(0.119)であり、初期ト
ルクを0.35kg・mとすると、 トルクT=21.2×0.119+0.35 =2.9kg・m となる。
【0037】以上のように、通常時には、ピン部材69
のピン受圧力に打ち勝つスプリング71の荷重のみで良
く、オリフィス径に左右されない。また、解除時のスプ
リング71の荷重は、ボール68を横方向から押し、オ
リフィス73から押しのけるモーメント力とピン受圧力
で良く、ピン径を小さくすることにより、オリフィス径
にほとんど左右されず、スプリング71の荷重を小さく
することができる。その結果、装置の小型化を図ること
ができる。
【0038】次に、図10〜図12は本発明の第2実施
例を示す図である。図10(A),(B)において、5
8は吐出ポート44に連通する高圧室であり、高圧室5
8内には弁体としてのボール68が移動可能に収納され
る。ボール68は通常時には、ピン部材76により保持
され、オリフィス73を開放している。
【0039】ピン部材76には係止部77が一体に形成
され、係止部77と収納孔72の内壁との間には弾性部
材としての第1のスプリング78が介装され、係止部7
7と収納孔72を閉止するプラグ79との間には第2の
スプリング80が介装されている。第1のスプリング7
8は形状記憶合金で形成され、所定の油温、例えば50
度または80度で変態し、伸長する。第1のスプリング
78の伸長により、第1のスプリング78のたわみは小
さくなり、ピン部材76を右方向に移動させる。ピン部
材76の移動により、ボール68はフリーとなり、オリ
フィス73を閉止する。
【0040】第1スプリング78の変態前の状態を図1
1(A)に示し、第1のスプリング78の変態後の状態
を図11(B)に示す。第1のスプリング78の変態前
の荷重は、図12のSP1 で示され、第2のスプリング
80の変態前の荷重は図12のSP2 で示される。SP
2 >SP1 であり、このときの荷重方向は図11(A)
の矢印jで示され、ピン部材76はボール68を保持し
ており、オリフィス73は開放されている。なお、この
ときのSP1 におけるたわみは約7.2mmである。
【0041】油温が例えば50度または80度になる
と、図11(B)に示すように、第1のスプリング78
が変態し、この第1のスプリング78の変態後の荷重
は、図12のSP3 で示される。また、第2のスプリン
グ80の変態後の荷重は、図12のSP4 で示される。
このときのSP3 での第1のスプリング78のたわみは
約5.8mmになる。SP3 >SP4 であるため、荷重
方向は、図11(B)の矢印kで示され、ピン部材76
は右方向に移動し、ボール68はフリーとなり、オリフ
ィス73を閉止する。
【0042】次に、図9に基づいてロック解除時のP2
を求める。 x・P1 +z・μ・P2 <y・P2 x・P・A<(y−z・μ)P22 >(x・P・A)/(y−z・μ) x=0.475mm、y=1.154mm、z=0.7
69mm、A=0.709mm2 、μ=0.15を代入
すると、 P2 >(0.475×P×0.709)/(1.154−0.769 ×0.15) P2 >0.324×P(kg/mm2 ) P2 >0.324/102 ×P(kg/cm2 ) 本実施例においても、ピン部材76の受圧面積を小さく
して、第1,第2のスプリング78,80の荷重を下げ
るようにしたため、装置の小型化を図ることができる。
【0043】次に、図13は本発明の第3実施例を示す
図である。本実施例においては、ピン部材81の形状を
丸棒形状としている。図13(A),(B)において、
吐出ポート44に連通する高圧室58内にはボール68
が移動可能に収納され、通常時には、ボール68はピン
部材81により保持され、オリフィス73は開放されて
いる。
【0044】ピン部材81は丸棒形状に形成され、ピン
部材81とプラグ79との間にはボール82が介装され
る。収納孔72の内壁とボール82の間には第1のスプ
リング78が介装され、ボール82とプラグ79の間に
は第2のスプリング80が介装される。第1のスプリン
グ78は形状記憶合金で形成され、所定の油温、例えば
50度または80度で変態する。第1のスプリング78
が変態すると、ピン部材81は図13中右方向に移動
し、ボール68はフリーとなって、オリフィス73をふ
さぐ。
【0045】本実施例においても、ピン部材81の受圧
面積を小さくして、第1,第2のスプリング78,80
の荷重を下げるようにしたため、装置の小型化を図るこ
とができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように、高圧室に移動
可能に弁体を収納し、通常時には弾性部材により付勢さ
れるピン部材により弁体を保持して、流動抵抗発生手段
としてのオリフィスを開放し、高圧室の油圧が所定値以
上になると、弁体がピン部材を押圧して移動し、オリフ
ィスを閉止するようにしたため、弾性部材の荷重を下げ
ることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0047】また、弾性部材として一対のスプリングを
用い、一方のスプリングを所定の油温以上で変態する形
状記憶合金で形成したため、同様にスプリング荷重を下
げることができ、装置の小型化を図ることができる。ま
た、油の流路中にピン及び弾性部材が無いので、小型化
しても基本トルク特性に影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部断面図
【図2】継手の横断面図
【図3】継手の縦断面図
【図4】ボールの位置を示す図
【図5】他のボールの位置を示す図
【図6】トルク特性を示すグラフ
【図7】ロック時の説明図
【図8】ロック時のトルク特性を示すグラフ
【図9】ロック解除時のトルクを求める説明図
【図10】本発明の第2実施例を示す図
【図11】変態前と変態後の状態を示す図
【図12】たわみと荷重の関係を示すグラフ
【図13】本発明の第3実施例を示す図
【図14】従来例を示す図
【図15】トルク特性を示す図
【図16】通常時のオリフィスピンの状態を示す図
【図17】ロック時のオリフィスピンの状態を示す図
【符号の説明】
31:カム 32:カム面 33:溶接部 34:カムハウジング 35:ロータ 36:入力軸 37:プランジャー室 38:プランジャー 39:リターンスプリング 40:吸入吐出孔 41:ロータリバルブ 42:吸入ポート 43:吸入路 44:吐出ポート 45:連通溝 46:蓋部材 47:切欠き 48:突起 49:ベアリングリテーナ 50:ベアリング 51:スラストニードルベアリング 52:オイルシール 53:アキュムレータピストン 54:蓋部材 55:アキュムレータ室 56,57:油路 58:高圧室 59:プラグ 60:注油孔 61:ニードルベアリング 62:ねじ孔 63,64:Oリング 65,66:スナップリング 67:取付孔 68:ボール(弁体) 69:ピン部材 70:ボール 71:スプリング(弾性部材) 72:収納孔 73:オリフィス(流動抵抗発生手段) 74:ストッパ 76:ピン部材 77:係止部 78:第1スプリング(弾性部材) 79:プラグ 80:第2スプリング(弾性部材) 81:ピン部材 82:ボール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−244835(JP,A) 実開 平2−44125(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 31/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
    記一方の軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有する
    カム面を形成したカムハウジングと;前記他方の軸に連
    結されるとともに、前記カムハウジング内に回転自在に
    収納され、複数のプランジャー室を軸方向に形成したロ
    ータと;前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リタ
    ーンスプリングの押圧を受けて往復移動自在に収納され
    るとともに、前記両軸の相対回転時に前記カム面によっ
    て駆動される複数のプランジャーと;前記ロータに形成
    され、前記プランジャー室と通じる吸入吐出孔と;前記
    ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記カム
    ハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前記吸
    入吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁の作
    用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成し
    たロータリバルブと、 前記プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動
    抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え;前記両軸の回
    転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手
    において、 前記ロータリバルブに前記吐出ポートに連通する高圧室
    を形成し、通常時には弾性部材により付勢されるピン部
    材によりその位置が保持され、前記高圧室の油圧が所定
    値以上になると、前記ピン部材が移動するためフリーと
    なって前記流動抵抗発生手段を閉止する弁体を前記高圧
    室内に設けたことを特徴とする油圧式動力伝達継手。
  2. 【請求項2】前記弾性部材として一対のスプリングを用
    い、一方のスプリングを所定の油温以下で変態する形状
    記憶合金で形成したことを特徴とする請求項1記載の油
    圧式動力伝達継手。
  3. 【請求項3】前記ピン部材に係止部を形成し、係止部の
    一方に前記一方のスプリングを係止し、係止部の他方に
    他方のスプリングを係止したことを特徴とする請求項
    1,2記載の油圧式動力伝達継手。
  4. 【請求項4】前記ピン部材の形状を丸棒形状とし、該ピ
    ン部材の端部側にボールを設け、ボールの一方側に前記
    一方のスプリングを介装し、ボールの他方側に他方のス
    プリングを介装したことを特徴とする請求項1,2記載
    の油圧式動力伝達継手。
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