JP2989437B2 - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

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JP2989437B2
JP2989437B2 JP5198048A JP19804893A JP2989437B2 JP 2989437 B2 JP2989437 B2 JP 2989437B2 JP 5198048 A JP5198048 A JP 5198048A JP 19804893 A JP19804893 A JP 19804893A JP 2989437 B2 JP2989437 B2 JP 2989437B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の駆動力配分に使
用する油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特願平1−175051号
公報で、継手の差動方向が正転の場合にのみ油圧ロック
が働く油圧式動力伝達継手を提案している。すなわち、
この油圧式動力伝達継手は、相対回転可能な第1の回転
部材と第2の回転部材との間の回転速度差により駆動さ
れる油圧ポンプと、前記油圧ポンプの吐出路に流動抵抗
を発生する手段を備え、前記流動抵抗により前記第1,
第2の回転部材間の伝達トルクが制御される油圧式動力
伝達継手において、吐出流体を一つの集合室に集合させ
る集合手段と、集合室の圧力が所定の値を越えた場合に
オリフィスが閉止する可変オリフィス機構を設けるとと
もに、前記第1,第2の回転部材の相対回転の方向を判
別して前記可変オリフィス機構のオリフィス閉止動作を
制御する判別制御手段を設け、該判別制御手段は前記一
方の回転部材の摩擦力を受けるピン付ブレーキリング
と、前記他方の回転部材に前記ブレーキリングのピンに
より摺動可能に設けられ前記可変オリフィス機構の端部
が挿入可能な孔部を有するストッパ部材からなるように
したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、次のような
問題点があった。 (1)継手の軸中心部に油圧検出部を配置しているた
め、軸貫通形継手には使えない。 (2)油圧検出部には吐出圧のみでなく、粘性抵抗その
ものも作用するため、温度により油の粘度が変化する
と、ロックする油圧が変化する。このため、ロック特性
が不安定となる。 (3)機構が複雑でコストが高い。 (4)油圧検出部にリークがあるため、トルク特性も温
度により不安定となる。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、継手の差動方向が正転の場合
のみロックすることができ、軸貫通形継手に使用するこ
とができ、ロック特性、トルク特性も安定しており、構
成が簡単で、コストが安い油圧式動力伝達継手を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、相対回転可能な入出力軸間に設けられ、
前記一方の軸に連結され、内側面に複数の山を持ったカ
ム面を形成したカムハウジングと、前記他方の軸に連結
されるとともに、前記カムハウジング内に回転自在に収
納され、片側側面に開口する複数のプランジャー室を形
成したロータと、前記複数のプランジャー室の各々に、
リターンスプリングの押圧を受けて往復移動自在に収納
されるとともに、前記両軸の相対回転にともなって前記
カムハウジングによって駆動される複数のプランジャー
と、前記ロータのプランジャーを収納しない他の端面に
開口し、前記プランジャー室に通じる吸入吐出孔と、前
記ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記カ
ムハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前記
吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁、吐出弁の作用
をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成した
弁体と、前記弁体の内部に設けられ、前記吐出ポートか
らの吐出油を集合させる集合室と; 前記集合室の出口部に流動抵抗を発生する手段を備え; 前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式
動力伝達継手において; 前記ロータとの摺接によって前記弁体に作用するフリク
ショントルクを検出し、前記両軸の相対回転方向が一方
向の場合のみ荷重に変換する荷重変換機構と、前記荷重
変換機構からの押圧を受けて、前記流動抵抗発生手段を
閉止する閉止弁と、そのばね力が前記フリクショントル
クより強いとき前記閉止弁を開く方向に付勢するばね部
材を備えたことを特徴とする。
【0006】また、本発明は、前記流動抵抗発生手段と
してのオリフィスを、前記カムハウジングの切欠きに係
合する位置決め用として形成された前記弁体の突起に横
向きに形成したことを特徴とする。また、本発明は、前
記閉止弁が、前記流動抵抗発生手段と同芯上に軸方向に
移動可能に配置され、先端が球面またはテーパ面の棒状
部材よりなることを特徴とする。
【0007】また、本発明は、前記ばね部材は、前記閉
止弁を押すためのプレート部を有し、ばね力より強いフ
リクショントルクが作用すると、前記閉止弁を押圧して
前記流動抵抗発生手段を閉止して継手をロックさせる
とを特徴とする。
【0008】
【作用】このような構成を備えた本発明の油圧式動力伝
達継手によれば、正転時のみ、ロータとの摺接によって
弁体に作用するフリクショントルクがばね部材のばね力
を越えるとき、荷重に変換して、ばね部材によって閉止
弁を押圧して、ロックの状態とし、逆転時には、ロック
しない方向にばね部材が荷重を受けることにより閉止弁
を押圧しないようにして、ロックしないようにしたた
め、前輪部に本継手を装着した車両ではタイトコーナ旋
回中にロックすることがなく、タイトコーナブレーキン
グ現象の発生を防止することができ、一方、砂地などの
低μ路で高トルクが発生する時には確実にロックするこ
とができ、走破性を向上させることができる。
【0009】また、従来のように、油圧検出部が軸中心
部に配置されるようになっていないため、軸貫通形継手
に使用することができる。また、油圧検出部がなく、フ
リクショントルクがばね部材のばね力を越えるとき、閉
止弁を押圧してロックするようにしたため、ロックする
トルクが変化することがなく、ロック特性が安定してい
る。
【0010】また、油圧検出部がなく、リークがないた
め、トルク特性も安定している。さらに、油圧検出部な
どが不要であるため、構成が簡単で、コストが安価であ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図11は本発明の一実施例を示す図であ
る。まず、構成を説明すると、図1において、1は内側
面に2つ以上の山を有するカム面2を形成したカムであ
り、カム1は図示しない出力軸に連結され、出力軸と一
体で回転する。また、カム1は溶接部3によりカムハウ
ジング4に固定され、カムハウジング4はカム1と一体
で回転する。
【0012】5はカムハウジング4内に回転自在に収納
されたロータであり、ロータ5は入力軸6に結合され、
入力軸6と一体で回転する。ロータ5には、軸方向に複
数個のプランジャー室7が形成され、プランジャー室7
内は複数個のプランジャー8がリターンスプリング9を
介して摺動自在に収納されている。また、ロータ5には
複数の吸入吐出孔10が各プランジャー室7に通じるよ
うに形成されている。
【0013】11は表面に吸入ポート12、吸入路13
および吐出ポート14が形成されたロータリーバルブ
(弁体)であり、このロータリーバルブ11の裏面には
吐出ポート14のそれぞれに連通する連通溝15が形成
されている。また、前記裏面には密着して蓋部材16が
設けられている。ここで、図2〜図4にカムハウジング
4とロータリーバルブ11の位置関係を示す。
【0014】図2〜図4において、カムハウジング4の
内周には周方向に複数個の突起17が形成され、突起1
7の間には切欠き18が形成されている。ロータリーバ
ルブ11は、カムハウジング4の切欠き18に係合する
位置決め用の突起19を有する。ロータリーバルブ11
の突起19には、高圧室としての集合室20が形成さ
れ、集合室20は各吐出ポート14に連通している。集
合室20は閉止部材21により閉止され、集合室20の
出口部には流動抵抗発生手段としてのオリフィス22が
横向きに形成されている。オリフィス22の出口側の突
起19にはオリフィス22を通った油が継手内低圧室に
吐き出される吐出油路23が形成されている。
【0015】また、オリフィス22と同芯上に突起19
には軸方向に移動可能に閉止弁としてのロック弁24が
設けられ、ロック弁24はその先端が球面またはテーパ
面の棒状部材よりなる。このロック弁24を外側から押
すと、その先端がオリフィス22を塞いで継手はロック
状態になる。このロック弁24を外側から押圧するばね
部材25を図5に示す。
【0016】図5において、26はロック弁24を押圧
するためのプレート部、27はプレート部26の戻り方
向の位置決めを行うためのストッパー部であり、これら
のプレート部26,ストッパー部27は連結部28に連
結される。プレート部26には湾曲部29が延在され、
湾曲部29の端部にはピン孔30が形成されている。プ
レート部26,ストッパー部27および連結部28は突
起19を取り巻くように配置され、湾曲部29はロータ
リーバルブ11の外周部に沿って設けられ、湾曲部29
の端部はピン31によりロータリーバルブ11に固定さ
れる。プレート部26,ストッパー部27は常時ロック
弁24を押さない方向にばね力により付勢されている。
【0017】ロータリーバルブ11に作用するフリクシ
ョントルクは、基本的には継手の伝達トルクTに比例す
る。図2の矢印Aに示す方向にロータリーバルブ11が
回転する正転時であって、カムハウジング4の突起17
にプレート部26が当たることで、フリクショントルク
に比例した力でロック弁24を押すが、ばね部材25の
ばね力の方がフリクショントルクより強いときは、ロッ
ク弁24がオリフィス22を開く方向に付勢されてお
り、通常のトルク特性となる。
【0018】また、図3に示すように、正転時であっ
て、フリクショントルクがばね部材25のばね力を越え
るときは、ロック弁24が押圧されて、オリフィス22
を閉止する。これにより、ロック特性となる。一方、図
4の矢印Bで示す方向にロータリーバルブ11が回転す
る逆転時には、プレート部26はロック弁24を押すこ
とがなく、常時通常のトルク特性となる。
【0019】ロータリーバルブ11、カムハウジング4
の突起17および蓋部材16は、全体として荷重変換機
構を構成しており、荷重変換機構は、ロータリーバルブ
11に作用するフリクショントルクを検出し、回転方向
が正転方向の場合のみフリクショントルクをロック弁2
4を閉止するための荷重に変換する。すなわち、ばね部
材25のばね力よりもロック弁24を押圧するフリクシ
ョントルクが強くなると、継手はロック状態となる。
【0020】再び図1において、ロータリーバルブ11
は、吸入吐出孔10の開閉タイミングを決定するタイミ
ング部材を構成し、切欠き18と突起19がカム1とロ
ータリーバルブ11の位相関係を規制する位置決め機構
を構成している。プランジャー8が吸入行程にある場合
は、ロータリーバルブ11の吸入ポート12とロータ5
の吸入吐出孔10が通じる位置関係となり、オリフィス
22、吐出油路23、吸入路13、吸入ポート12、ロ
ータ5の吸入吐出孔10を通じて、プランジャー室7に
油を吸入することができる。
【0021】また、プランジャー8が吐出行程にある場
合は、吸入行程と逆の関係となり、ロータ5の吸入吐出
孔10はロータリーバルブ11の吐出ポート14を介し
て集合室20に通じる。32はカムハウジング4と一体
で回転するリテーナであり、リテーナ32はベアリング
33を介して入力軸6を支持している。リテーナ32と
ロータリーバルブ11との間には蓋部材16および焼入
れプレート34を介してスラストニードルベアリング3
5が介装され、このスラストニードルベアリング35側
のフリクショントルクはロータ5とロータリーバルブ1
1の間のフリクショントルクより小さくなるように設定
されている。したがって、差動回転の方向が変わると、
ロータリーバルブ11はロータ5とともにつれ回りし、
ロータリーバルブ11の位置決め用の突起19がカムハ
ウジング4の切欠き18に当たるまで回転した後、カム
ハウジング4と一体で回転する。これにより、正転時ま
たは逆転時にも所定のタイミングで吸入吐出孔10を強
制的に開閉する。
【0022】リテーナ32と入力軸6の間にはカバー3
6が設けられ、カバー36の内部であって、リテーナ3
2と入力軸6との間にはオイルシール37が介装されて
いる。オイルシール37は油が継手の外部にリークする
のを防止する。38,39は入力軸6に形成された連通
路であり、連通路38,39を介して継手の内部とアキ
ュムレータ室40が連通している。アキュムレータ室4
0内は、アキュムレータピストン41が移動自在に収納
され、アキュムレータピストン41は継手の内圧に応じ
て移動する。すなわち、アキュムレータピストン41は
継手内に封入された封入油の熱膨張を吸収する。
【0023】42は入力軸6に設けられた蓋であり、蓋
42はアキュムレータピストン41のストッパとしての
機能も有する。アキュムレータピストン41内には空気
43が封入されている。なお、44は注油孔、45はね
じ孔、46はニードルベアリング、47,48はストッ
パリング、49,50はOリングである。
【0024】次に、作用を説明する。カム1とロータ5
との間に回転差が生じないときは、プランジャー8は作
動せず、トルクは伝達されない。なお、このとき、プラ
ンジャー8はリターンスプリング9によりカム面2に押
しつけられている。次に、カム1とロータ5との間に回
転差が生じると、吐出行程にあるプランジャー8はカム
1のカム面2により軸方向に押し込まれる。
【0025】この時、吸入吐出孔10は吐出ポート14
と通じているため、プランジャー8はプランジャー室7
の油を吸入吐出孔10からロータリーバルブ11の吐出
ポート14に押し出す。吐出ポート14に押し出された
油は、連通溝15、集合室20、オリフィス22を通っ
て吐出油路23から吸入路13に供給される。この時、
オリフィス22の抵抗により連通溝15、集合室20、
吐出ポート14およびプランジャー室7の油圧が上昇
し、プランジャー8に反力が発生する。このプランジャ
ー反力に逆ってカム1を回転させることによりトルクが
発生し、カム1とロータ5との間でトルクが伝達され
る。なお、各吐出ポート14は集合室20で連通されて
いるため、吐出行程にあるすべてのプランジャー室7の
油圧は等しくなる。
【0026】さらに、カム1が回転すると、吸入行程と
なり、吸入吐出孔10は吸入ポート12と通じるため、
吸入路13の油は、吸入ポート12、吸入吐出孔10を
介してプランジャー室7に吸入され、プランジャー8は
カム1のカム面2に沿って戻る。このような正転非ロッ
ク時のロック弁24の状態を図6に示す。
【0027】図6において、ロータリーバルブ11は、
矢印Aで示す方向にロータ5からのフリクショントルク
を受けており、その反力がカムハウジング4の突起17
からロック弁24を閉じる方向にプレート部26に作用
している。また、プレート部26にはばね部材25から
の付勢力がロック弁24を押さない方向に作用し、スト
ッパー部27によりロータリーバルブ11の突起19に
対して位置決めされている。
【0028】この場合、ばね部材25のばね力の方がフ
リクショントルクより強いため、ロック弁24はオリフ
ィス22を閉止しない。したがって、図7のCに示すよ
うなトルク特性を示す。すなわち、正転非ロック時に
は、回転速度差ΔNの2乗に比例するトルク特性Cとな
る。
【0029】次に、砂地などの低μ路で高トルクが発生
すると、ロータリーバルブ11に作用するフリクション
トルクが大きくなり、ばね部材25のばね力を越える
と、図8,図9に示すように、ロック弁24がオリフィ
ス22を閉止する。図8の矢印Dで示すように、プラン
ジャー室7からの油は、吸入吐出孔10、吐出ポート1
4を通って、集合室20に集合するが、オリフィス22
がロック弁24により閉止されているため、オリフィス
22を通ることができない。こうして、ロックの状態に
なる。矢印Eは回転方向(正転)を示す。
【0030】すなわち、図9に示すように、継手の高差
動回転で、フリクショントルクがばね部材25のばね力
を越えると、ロック弁24はプレート部26に押圧され
てオリフィス22を閉じる。このような正転ロック時に
は、トルク特性は、図7のF点からGへ移動し、ロック
特性となる。
【0031】次に、継手の逆転時の油の流れを図10に
示す。図10において、矢印Hはロータ5の回転方向が
逆転したことを示す。この逆転時にあっては、吐出行程
によるプランジャー8のプランジャー室7の油は、吸入
吐出孔10、吐出ポート14、集合室20を通ってオリ
フィス22を通過する。この逆転時のトルク特性は回転
速度差ΔNの2乗に比例した特性となる。
【0032】この逆転時には、ロック弁24は作動せ
ず、オリフィス22を開放している。すなわち、図11
に示すように、逆転時においては、矢印Bで示す方向
に、ロータリーバルブ11が回転し、突起19はカムハ
ウジング4の切欠き18に沿って矢印Bで示す方向に移
動し、ストッパー部27をはさんでカムハウジング4の
突起17に当たる。
【0033】フリクショントルクはロック弁24を押さ
ない方向に付勢し、ばね部材25もロック弁24を押さ
ない方向に付勢する。したがって、ロック弁24は作動
せず、オリフィス22は開いたままである。このよう
に、逆転時にはロックしないようにしたため、図12に
示すように、前輪51側であって、前輪側デファレンシ
ャル装置52の近傍に本継手53を装着した車両では、
通常の前進運転状態であれば、タイトコーナ旋回中にロ
ックすることがなく、タイトコーナブレーキング現象の
発生を防止することができる。
【0034】なお、図12中、54はエンジン、55は
トランスミッション、56はトランスファ、57は後
輪、58は後輪側デファレンシャル装置、59は後輪側
プロペラシャフト、60は前輪側プロペラシャフトであ
る。また、前進時であって、砂地などの低μ路で高トル
クが発生する場合には、確実にロックすることができ、
走破性を向上させることができる。
【0035】また、継手の軸中心部にロック弁24など
を配置していないため、軸貫通形継手にも使うことがで
きる。また、従来の油圧検出部が必要でなく、カムハウ
ジング4の突起17にプレート部26を当て、フリクシ
ョントルクに比例した力でロック弁24を押し、ばね部
材25のばね力よりフリクショントルクが強くなったと
き、ロックし、逆転時にはロックしないようにしたた
め、ロックするトルクは変化がなく、安定したロック特
性を得ることができる。
【0036】また、油圧検出部が不要であるため、油圧
検出部のリークがなくなり、トルク特性を安定化するこ
とができる。さらに、油圧検出部などが不要となるた
め、構成が簡単となり、コストが安価となる。
【0037】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、正転時に、弁体に作用するフリクショントルクがば
ね部材のばね力を越えたとき、閉止弁を閉止してロック
とし、逆転時にはロックしないようにしたため、前輪部
に本継手を装着した車両ではタイトコーナ旋回中にロッ
クすることがなく、タイトコーナブレーキング現象の発
生を防止し、砂地などの低μ路ではロックして走破性を
向上させることができる。
【0038】また、油圧検出部が軸中心にないため、軸
貫通形継手に使うことができ、ロックする油圧も変化し
ないため、ロック特性を安定化することができ、また、
リークがないため、トルク特性も安定化することができ
る。さらに、構成が簡単でコストが安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図
【図2】正転非ロック時の状態を示す図
【図3】正転ロック時の状態を示す図
【図4】逆転時の状態を示す図
【図5】ばね部材の斜視図
【図6】正転非ロック時の動作説明図
【図7】トルク特性を示すグラフ
【図8】正転ロック時の油の流れを示す図
【図9】正転ロック時の動作説明図
【図10】逆転時の油の流れを示す図
【図11】逆転時の動作説明図
【図12】継手の配置を示す図
【符号の説明】
1:カム 2:カム面 3:溶接部 4:カムハウジング 5:ロータ 6:入力軸 7:プランジャー室 8:プランジャー 9:リターンスプリング 10:吸入吐出孔 11:ロータリーバルブ(弁体) 12:吸入ポート 13:吸入路 14:吐出ポート 15:連通溝 16:蓋部材 17,19:突起 18:切欠き 20:集合室 21:閉止部材 22:オリフィス(流動抵抗発生手段) 23:吐出油路 24:ロック弁(閉止弁) 25:ばね部材 26:プレート部 27:ストッパー部 28:連結部 29:湾曲部 30:ピン孔 31:ピン 32:リテーナ 33:ベアリング 34:焼入れプレート 35:スラストニードルベアリング 36:カバー 37:オイルシール 38,39:連通路 40:アキュムレータ室 41:アキュムレータピストン 42:蓋 43:空気 44:注油孔 45:ねじ孔 46:ニードルベアリング 47,48:ストッパリング 49,50:Oリング 51:前輪 52:前輪側デファレンシャル装置 53:継手 54:エンジン 55:トランスミッション 56:トランスファ 57:後輪 58:後輪側デファレンシャル装置 59:後輪側プロペラシャフト 60:前輪側プロペラシャフト

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
    記一方の軸に連結され、内側面に複数の山を持ったカム
    面を形成したカムハウジングと、 前記他方の軸に連結されるとともに、前記カムハウジン
    グ内に回転自在に収納され、片側側面に開口する複数の
    プランジャー室を形成したロータと、 前記複数のプランジャー室の各々に、リターンスプリン
    グの押圧を受けて往復移動自在に収納されるとともに、
    前記両軸の相対回転にともなって前記カムハウジングに
    よって駆動される複数のプランジャーと、 前記ロータのプランジャーを収納しない他の端面に開口
    し、前記プランジャー室に通じる吸入吐出孔と、 前記ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記
    カムハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前
    記吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁、吐出弁の作
    用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成し
    た弁体と、 前記弁体の内部に設けられ、前記吐出ポートからの吐出
    油を集合させる集合室と; 前記集合室の出口部の流動抵抗を発生する手段を備え; 前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式
    動力伝達継手において; 前記ロータとの摺接によって前記弁体に作用するフリク
    ショントルクを検出し、前記両軸の相対回転方向が一方
    向の場合のみ荷重に変換する荷重変換機構と、 前記荷重変換機構からの押圧を受けて、前記流動抵抗発
    生手段を閉止する閉止弁と、そのばね力が前記フリクショントルクより強いとき前記
    閉止弁を開く方向に 付勢するばね部材を備えたことを特
    徴とする油圧式動力伝達継手。
  2. 【請求項2】前記流動抵抗発生手段としてのオリフィス
    を、前記カムハウジングの切欠きに係合する位置決め用
    として形成された前記弁体の突起に横向きに形成したこ
    とを特徴とする請求項1の油圧式動力伝達継手。
  3. 【請求項3】前記閉止弁は、前記流動抵抗発生手段と同
    芯上に軸方向に移動可能に配置され、先端が球面または
    テーパ面の棒状部材よりなることを特徴とする請求項1
    の油圧式動力伝達継手。
  4. 【請求項4】前記ばね部材は、前記閉止弁を押すための
    プレート部を有し、ばね力より強いフリクショントルク
    が作用すると、前記閉止弁を押圧して前記流動抵抗発生
    手段を閉止して継手をロックさせることを特徴とする請
    求項1の油圧式動力伝達継手。
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