JP2000310246A - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

Info

Publication number
JP2000310246A
JP2000310246A JP11116421A JP11642199A JP2000310246A JP 2000310246 A JP2000310246 A JP 2000310246A JP 11116421 A JP11116421 A JP 11116421A JP 11642199 A JP11642199 A JP 11642199A JP 2000310246 A JP2000310246 A JP 2000310246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
drain hole
ball
cam
suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11116421A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadahiko Kato
忠彦 加藤
Kazuhisa Shimada
和寿 嶌田
Hiroyuki Nakano
裕幸 中野
Makoto Sato
佐藤  誠
Toshiharu Takasaki
俊治 高崎
Hirotaka Kusukawa
博隆 楠川
Shigeo Murata
茂雄 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Fuji Univance Corp
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Fuji Univance Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Fuji Univance Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP11116421A priority Critical patent/JP2000310246A/ja
Publication of JP2000310246A publication Critical patent/JP2000310246A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧式動力伝達継手において、温度スイッチ
を小さくして、継手の小型化を図る。 【解決手段】 吐出ポートに連通する高圧室28内に油
圧によってドレーン孔39を閉じる方向に設けられるチ
ェックボール40を設け、所定温度以上になると温度ス
イッチ41によりチェックボール40を押圧してドレー
ン孔39を開くようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の駆動力配分
に使用され、特に所定の温度以上になると油圧をリリー
フする油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧式動力伝達継手としては、例
えば下記のようなものがある。
【0003】この油圧式動力伝達継手は、相対回転可能
な入出力軸間に設けられ、前記一方の軸に連結され、内
側面に2つ以上の山を有するカム面に形成したカムハウ
ジングと;前記他方の軸に連結されるとともに、前記カ
ムハウジング内に回転自在に収納され、複数のプランジ
ャー室を軸方向に形成したロータと;前記複数のプラン
ジャー室のそれぞれに、リターンスプリングの押圧を受
けて往復移動自在に収納されるとともに、前記両軸の相
対回転時に前記カム面によって駆動される複数のプラン
ジャーと;前記ロータに形成され、前記プランジャー室
に通じる吸入吐出孔と;前記ロータの端面に回転自在に
摺接するとともに、前記カムハウジングとの間で所定の
関係に位置決めされ、前記吸入吐出孔との位置関係によ
って吸入弁および吐出弁の作用をする複数の吸入ポー
ト、吐出ポートを表面に形成したロータリバルブと、前
記プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動抵
抗を発生する流動抵抗発生手段を備え;前記両軸の回転
速度差に応じたトルクを伝達する。
【0004】このような油圧式動力伝達継手において、
前後軸に異径タイヤを装着した場合、車速の上昇に伴っ
て差動回転数が上昇し、トルクが上昇して、車両前後デ
ファレンシャルのトルクがこもると、走行抵抗が増加す
る。
【0005】このような問題を解決するために、高圧回
路中にリリーフ機構を設けて、一定圧力になると高圧を
リリーフしてトルクをカットするようにしたものがあ
る。
【0006】継手を保護するために、一定油温以上にな
ると、温度スイッチが作動し、強制的にリリーフバルブ
を開いて、トルクの発生を防止する温度感応式リリーフ
機構も提案されている。
【0007】リリーフバルブは、例えば図10に示すよ
うに使用される。図10において、101は潤滑油(オ
イル)を貯留するオイルストレーナであり、オイルスト
レーナ101内のオイルはポンプ102により吸い上げ
られ、チェック弁103を介してピストン104を作動
させる。ピストン104はプレート105を押圧し、ク
ラッチ106を締結させる。油路107内の油温が一定
値以上になると、リリーフバルブ108が開き、オイル
はオイルストレーナ101に戻される。
【0008】このリリーフバルブ108は、図11に示
すように、油路107のリリーフ孔109を閉止するボ
ール110と、ボール110を付勢するスプリング11
1を有する。油路107には温度スイッチ112が挿入
され、温度スイッチ112は一定油温以上になると、ボ
ール110を押してドレーン孔109を開く。
【0009】ボール110は、図12に示すように、ド
レーン孔109の開口部に形成されたテーパ面の弁座1
13に着座し、スプリング111により弁座113に押
し付けられるように付勢されている。この状態において
は、ドレーン孔109は閉止されている。油温が一定値
以上になると、図11の温度スイッチ112が作動し、
ボール110は温度スイッチ112に押されて、ドレー
ン孔109を開く。油路107からのオイルは、ドレー
ン孔109を通ってドレーンし、油圧のリリーフが行わ
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
油圧式動力伝達継手にあっては、リリーフバルブをリリ
ーフ機構に設置するため、スプリングに抗してボールを
押さなければならないので、温度スイッチ自体が大きく
なり、継手も大型化するという問題があった。
【0011】また、車両に適用する際に、リリーフする
トルクが変化すると、スプリング力が変化し、それ毎に
温度スイッチを新たに設計しなければならないという問
題もあった。
【0012】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、継手の小型化を図ることがで
き、他の油圧制御系の変更に対して影響されず、設計変
更のない油圧式動力伝達継手を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、次のように構成する。
【0014】本発明は、相対回転可能な入出力軸間に設
けられ、前記一方の軸に連結され、内側面に2つ以上の
山を有するカム面に形成したカムハウジングと;前記他
方の軸に連結されるとともに、前記カムハウジング内に
回転自在に収納され、複数のプランジャー室を軸方向に
形成したロータと;前記複数のプランジャー室のそれぞ
れに、リターンスプリングの押圧を受けて往復移動自在
に収納されるとともに、前記両軸の相対回転時に前記カ
ム面によって駆動される複数のプランジャーと;前記ロ
ータに形成され、前記プランジャー室に通じる吸入吐出
孔と;前記ロータの端面に回転自在に摺接するととも
に、前記カムハウジングとの間で所定の関係に位置決め
され、前記吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁およ
び吐出弁の作用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを
表面に形成したロータリバルブと、前記プランジャーの
駆動による吐出油の流動により流動抵抗を発生する流動
抵抗発生手段を備え;前記両軸の回転速度差に応じたト
ルクを伝達する油圧式動力伝達継手において、前記吐出
ポートに連通する高圧室内に油圧によってドレーン孔を
閉じる方向に設けられるチェックボールと、所定温度以
上になると該チェックボールを押圧して前記ドレーン孔
を開く温度スイッチと、を備える。
【0015】前記温度スイッチの代りに、所定温度以上
になると変形して前記チェックボールを押圧するバイメ
タルよりなるアーム部材を設けても良い。
【0016】また、前記温度スイッチの代りに、前記チ
ェックボールを押圧して前記ドレーン孔を開くカム機構
と、所定温度以上になると変形して該カム機構を駆動す
る形状記憶合金よりなるスプリングを設けても良い。
【0017】また、所定温度を形状記憶合金の温度変態
点より高く設定したい時は、所定温度以上になると変形
して前記カム機構を駆動可能状態にするバイメタルより
なるアーム部材を設けても良い。
【0018】このような構成を備えた本発明によれば、
吐出ポートに連通する高圧室内に油圧によってドレーン
孔を閉じる方向にチェックボールを設け、所定温度以上
になると、温度スイッチによりチェックボールを押圧し
てドレーン孔を開くようにしたので、温度スイッチがボ
ールを押す力は小さくてすみ、温度スイッチが小さくな
り、継手の小型化を図ることができる。また、他の油圧
制御系の変更により影響される設計変更の必要がない。
【0019】また、温度スイッチの代りに、所定温度以
上になると、変形してチェックボールを押圧するバイメ
タルよりなるアーム部材を設けた場合も同様な効果が得
られる。
【0020】さらに、温度スイッチの代りに、チェック
ボールを押圧して前記ドレーン孔を開くカム機構と、所
定温度以上になると変形してカム機構を駆動する形状記
憶合金よりなるスプリングと、所定温度以上になると変
形してカム機構を駆動可能状態にするバイメタルよりな
るアーム部材を設けた場合も同様な効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態を示す
断面図である。
【0022】図1において、1は内側面に2つ以上の山
を有するカム面2を形成したカムであり、カム1は図示
しない出力軸に連結され、出力軸と一体で回転する。ま
た、カム1は溶接部3でカムハウジング4に固定され、
カム1はカムハウジング4と一体で回転する。
【0023】5はカムハウジング4内に回転自在に収納
されたロータであり、ロータ5は入力軸6に結合され、
入力軸6と一体で回転する。
【0024】ロータ5には、軸方向に複数個のプランジ
ャー室7が形成され、プランジャー室7内は複数個のプ
ランジャー8がリターンスプリング9を介して摺動自在
に収納されている。また、ロータ5には複数の吸入吐出
孔10が各プランジャー室7に通じるように形成されて
いる。
【0025】11は表面に吸入ポート12、吸入路13
および吐出ポート14が形成されたロータリバルブであ
り、このロータリバルブ11の裏面には吐出ポート14
のそれぞれに連通する連通溝15が形成されている。ま
た、前記裏面には密着して蓋部材16が設けられ、連通
溝15を閉止している。
【0026】また、ロータリバルブ11はカムハウジン
グ4の内周に形成した切欠き17に係合する位置決め用
の突起18を有する。
【0027】ロータリバルブ11は、吸入吐出孔10の
開閉タイミングを決定するタイミング部材を構成し、切
欠き17と突起18がカム1とロータリバルブ11の位
相関係を規制する位置決め機構を構成している。
【0028】プランジャー8が吸入工程にある場合は、
ロータリバルブ11の吸入ポート12とロータ5の吸入
吐出孔10が通じる位置関係となり、後述するオリフィ
ス、吸入ポート12、吸入路13、ロータ5の吸入吐出
孔10を通じて、プランジャー室7に油を吸入すること
ができる。
【0029】また、プランジャー8が吐出工程にある場
合は、吸入工程と逆の関係となり、ロータ5の吸入吐出
孔10はロータリバルブ11の吐出ポート14を介して
連通溝15に通じる。
【0030】19はカムハウジング4と一体で回転する
ベアリングリテーナーであり、ベアリング20を介して
入力軸6を支持している。ベアリングリテーナー19と
ロータリバルブ11との間にはスラストニードルベアリ
ング21が介装され、このスラストニードルベアリング
21側のフリクショントルクはロータ5とロータリバル
ブ11の間のフリクショントルクより小さくなるように
設定されている。
【0031】したがって、差動回転の方向が変わると、
ロータリバルブ11はロータ5とともにつれ回りし、ロ
ータリバルブ11の位置決め用の突起18がカムハウジ
ング4の切欠き17に当たるまで回転した後、カムハウ
ジング4と一体で回転する。これにより、正転時または
逆転時にも所定のタイミングで吸入吐出孔10は強制的
に切替わる。
【0032】ベアリングリテーナー19と入力軸6の間
にはオイルシール22が設けられ、また、入力軸6の内
部には油の熱膨張・収縮を吸収するためのアキュムレー
タピストン23が摺動自在に収納されている。24はア
キュムレータ室25のOリング摺動部への泥水の侵入を
防止する蓋部材である。
【0033】アキュムレータ室25は油路26,27を
介して継手の内部に連通している。ロータリバルブ11
には前記吐出ポート14に連通する高圧室28が形成さ
れ、高圧室28の出口部はプラグ29により閉止されて
いる。なお、30は注油孔、31はニードルベアリン
グ、32はねじ孔、33,34はOリング、35,36
はスナップリング、37は取付孔である。
【0034】図2および図3は本発明の要部説明図であ
る。
【0035】図2は所定温度未満の状態を示し、図3は
所定温度以上のときの状態を示す。
【0036】図2および図3において、11はロータリ
バルブであり、ロータリバルブ11には吐出ポート14
に連通する高圧室28が形成されている。高圧室28に
はテーパ状に形成された弁座38が設けられ、弁座38
に続いてドレーン孔39が形成されている。ドレーン孔
39は継手の低圧側に連通している。弁座38には矢印
aで示す吐出圧によってボール40が着座し、ドレーン
孔39を閉止する。Aはボール40がドレーン孔39に
接触する接触面積を示し、この接触面積Aは小さくなる
ように形成されている。41は温度スイッチであり、温
度スイッチ41は温度が所定値以上になると、ボール4
0を押して、ドレーン孔39を開く。
【0037】温度が所定値未満のときは図2に示すよう
に、温度スイッチ41は作動せず、矢印aで示す吐出圧
(内圧)によりボール40は弁座38に押し付けられて
おり、ドレーン孔39を閉止している。このときのトル
クは、図4のcで示すよう通常のトルク特性を示す。
【0038】温度が所定値以上にあると図3に示すよう
に、温度スイッチ41が作動し、ボール40を押し上げ
て、ドレーン孔39を開く。このため、矢印bで示すオ
イルは、高圧室28からドレーン孔39を通って低圧側
に流れる。このときのトルク特性は、図5のdで示すよ
うなトルクの発生を防止するトルク特性となる。
【0039】ボール40のドレーン孔39に接触する接
触面積Aは、小さくなるように形成されており、温度ス
イッチ41がボール40を押す力は小さくてすむ。した
がって、温度スイッチ41が小さくなり、継手の小型化
を図ることができる。また、他の油圧制御系が変化して
もそれにより影響されず、温度スイッチ41の設計変更
の必要がない。
【0040】図6は本発明の第2の実施形態を示す図で
ある。
【0041】図6において、4はカムハウジングであ
り、カムハウジング4内にはロータリバルブ11が回動
自在に収納されている。ロータリバルブ11の外周には
突起18が形成され、突起18はカムハウジング4の内
周に形成した切欠き17に係合する。
【0042】ロータリバルブ11には周方向に吐出ポー
ト14と吸入ポート12が交互に形成され、吸入ポート
12にはロータリバルブ11の外周面まで延在して形成
された吸入路13が連通している。
【0043】ロータリバルブ11にはロック機構42が
設けられている。このロック機構42は、油圧が所定値
に達するまではオリフィスが開き、通常のトルク特性が
得られ、油圧が所定値以上になると、オリフィスを閉止
して、ロック状態にする。
【0044】また、ロータリバルブ11にはトルクリミ
ッタ機構44が設けられている。このトルクリミッタ機
構44は、車速が所定値以上になると、遠心力によりお
もり部材45が放射方向に移動し、ボール46がドレー
ン孔47を開いてトルクをリミットする。また、ロータ
リバルブ11にはリリーフ機構48が設けられている。
このリリーフ機構48は、吐出圧が所定値以上になる
と、ボール49が移動し、リリーフを行う。
【0045】また、ロータリバルブ11には温度感応式
のリリーフ機構50が設けられている。この温度感応式
のリリーフ機構50は、温度が所定値以上になると、ボ
ール51がドレーン孔52を開いてリリーフを行う。
【0046】図7は温度感応式のリリーフ機構50が拡
大図である。
【0047】図7において、11はロータリバルブであ
り、ロータリバルブ11には吐出ポート14が形成され
ている。また、ロータリバルブ11は吸入ポート12が
形成され、吸入ポート12にはロータリバルブ11の外
周まで延在して形成した吸入路13が連通している。
【0048】ロータリバルブ11には高圧室38が形成
され、高圧室38は高圧路53を介して吐出ポート14
に連通している。高圧室38にはボール51を収納する
収納部材54がねじ込みされている。収納部材54には
高圧室38に連通するチェックボール室55が形成さ
れ、チェックボール室55にはボール51が着座する弁
座56が形成されている。収納部材54にはドレーン孔
52が形成され、ドレーン孔52を介してチェックボー
ル室55はロータリバルブ11の外側の低圧側に連通し
ている。
【0049】57はバイメタルよりなるアーム部材であ
り、アーム部材57の一端部は折り曲げられた折曲部5
8を有し、他端部はビス59によりロータリバルブ11
に固定されている。アーム部材57の折曲部58はドレ
ーン孔52内に起動自在に挿入され、温度が所定値以上
になると、変形してボール51を押し、ドレーン孔52
を開放する。
【0050】ボール51がドレーン孔52に接触する接
触面積は小さくなるように形成されており、アーム部材
57の折曲部58がボール51を押す力は小さくなるよ
うにしている。
【0051】次に、作用を説明する。
【0052】図1において、カム1とロータ5との間に
回転差が生じないときは、プランジャー8は作動せず、
トルクは伝達されない。なお、このとき、プランジャー
8はリターンスプリング9によりカム面2に押し付けら
れている。
【0053】次に、カム1とロータ5との間に回転差が
生じると、吐出行程にあるプランジャー8はカム1のカ
ム面2により軸方向に押し込まれる。
【0054】この時、吸入吐出孔10は吐出ポート14
と通じているため、プランジャー8はプランジャー室7
の油を吸入吐出孔10からロータリバルブ11の吐出ポ
ート14に押し出す。
【0055】吐出ポート14に押し出された油は、オリ
フィスを通って吸入路13から吸入ポート12に供給さ
れる。このとき、オリフィスの抵抗により吐出ポート1
4、プランジャー室7などの油圧が上昇し、プランジャ
ー8に反力が発生する。
【0056】このプランジャー反力に逆ってカム1を回
転させることによりトルクが発生し、カム1とロータ5
との間でトルクが伝達される。なお、吐出ポート14は
連通溝15で連通されているため、吐出行程にあるすべ
てのプランジャー室7の油圧は等しくなる。
【0057】さらに、カム1が回転すると、吸入行程と
なり、吸入吐出孔10は吸入ポート12と通じるため、
吸入路13の油は、吸入ポート12、吸入吐出孔10を
介してプランジャー室7に吸入され、プランジャー8は
カム1のカム面2に沿って戻る。
【0058】図7において、温度が所定値に達するまで
は、吐出ポート14から高圧路53、高圧室28、チェ
ックボール室55を通過した吐出圧(内圧)によりボー
ル51は弁座56に押し付けられており、ボール51は
ドレーン孔52を閉止している。この状態においては、
図4のcに示すように通常のトルク特性が得られる。
【0059】温度が所定値以上になると、バイメタルよ
りなるアーム部材57が変形し、折曲部58がボール5
1を押して、ドレーン孔52を開く。このため、吐出ポ
ート14からの吐出圧は、高圧路53、高圧室28、チ
ェックボール室55、ドレーン孔52を通過してロータ
リバルブ11の外側の低圧側にリリーフし、トルクの発
生を防止し、温度上昇を抑制する。このときのトルク特
性は、図5のdで示すようなトルク特性となる。
【0060】本実施形態においても、ボール51がドレ
ーン孔52に接触する接触面積を小さくしており、アー
ム部材57でボール52を押す力は小さくてすみ、アー
ム部材57が小さくて良く、継手の小型化を図ることが
できる。また、他の油圧制御系の変更に対して影響を受
けることがなく、設計変更が必要でない。
【0061】図8は本発明の第3実施形態を示す図であ
る。
【0062】図8において、ロータリバルブ11には図
6の温度感応式のリリーフ機構50とは別の温度感応式
のリリーフ機構60が設けられている。この温度感応式
のリリーフ機構60は、温度が設定値以上になると、カ
ム機構によりボール61を押してドレーン孔62を開
き、リリーフさせる。
【0063】図9は温度感応式のリリーフ機構60の拡
大図である。
【0064】図9において、ロータリバルブ11には吐
出ポート14が形成され、吐出ポート14の出口部には
ドレーン孔62が形成されている。ドレーン孔62の入
口部には弁座63が形成され、弁座63にはボール61
が着座してドレーン孔62を閉止する。ドレーン孔62
内にはピン64が移動自在に収納され、ピン64がボー
ル61を押すと、ドレーン孔62が開くようになってい
る。ボール61がドレーン孔62に接触する接触面積は
小さくなるように形成され、ピン64でボール61を押
す力は小さくすむようにしている。
【0065】ドレーン孔62に連通する収納孔65がロ
ータリバルブ11に形成され、収納孔65に連通するリ
リーフ孔66がロータリバルブ11に形成されている。
収納孔65内にはロッド部材67が移動自在に収納され
ている。ロッド部材67の外周に形成した支持部68と
収納孔65の内壁との間には形状記憶合金よりなるスプ
リング69が介装され、ロッド部材67の外周の形成し
た支持部70と収納孔65の内壁との間には通常のスプ
リング71が介装され、ロッド部材67は収納孔65内
において移動自在にスプリング69,71により支持さ
れる。形状記憶合金のスプリング69は温度が所定値以
上になると、変形して矢印eで示す方向にロッド部材6
7を移動させる。
【0066】ロッド部材67の中央部にはテーパ状のカ
ム面72が形成され、カム面72はドレーン孔62内に
移動自在に収納されたピン64に当接し、ロッド部材6
7が矢印eで示す方向に移動すると、カム面72はピン
64を押してボール61を弁座63から離してドレーン
孔62を開く。カム面72を有するロッド部材67およ
びピン64がボール61を押圧するカム機構を構成して
いる。
【0067】ロッド部材67の外周には凹部73が形成
され、凹部73にはバイメタルよりなるアーム部材74
の折曲部75が嵌合している。アーム部材74の端部
は、ビス76によりロータリバルブ11に固定されてい
る。バイメタルよりなるアーム部材74は温度が所定値
以上になると、変形して折曲部75、ロッド部材67の
凹部73からはずれて、ロッド部材67がフリー状態に
なる。この状態において、スプリング69が変形する
と、ロッド部材67は矢印eで示す方向に移動する。ま
た、温度が所定値未満に戻ると、形状記憶合金のスプリ
ング69は元の状態に戻り、ロッド部材67はスプリン
グ71の付勢力により元の位置に戻り、バイメタルのア
ーム部材74も元の状態に戻って凹部73に嵌合する。
【0068】図9の作用を説明すると、温度が形状記憶
合金の温度変態点未満のときは、バイメタルよりなるア
ーム部材74は変形せず、ロッド部材67の凹部73に
嵌合し、また、形状記憶合金よりなるスプリング69も
変形しないので、ロッド部材67は移動しない。吐出ポ
ート14の吐出圧(内圧)によりボール61は弁座63
に押し付けられており、ボール61はドレーン孔62を
閉止している。このときのトルク特性は、図4のcで示
すようなトルク特性になる。温度が、形状記憶合金の温
度変態点以上となると、スプリング69は変形してロッ
ド部材67をe方向に押す。
【0069】目標とする特性切換えの所定値温度が、こ
の形状記憶合金の温度変態点の範囲であれば、バイメタ
ル74、溝73は必要なく、矢印e方向の力でロッド部
材67は移動し、カム72の作用によってボール61は
動き、高圧ポート14のオイルをリリーフして、図5の
dに示すトルク特性となる。次に、目標特性切換えの所
定値温度が、形状記憶合金の温度変態点範囲以外の場合
は、バイメタル74、溝73を設定することにより温度
が所定値以上になると、バイメタルよりなるアーム部材
74が変形し、折曲部75がロッド部材67の凹部73
からはずれてロッド部材67はフリー状態になり、既
に、温度変態点を過ぎて変形し、矢印eで示す力が発生
しているため、形状記憶合金よりなるスプリング69が
ロッド部材67のカム圧72がピン64を押し、ピン6
4がボール61を押して、ドレーン孔62を開く。この
ため、吐出ポート14の吐出圧(内圧)は、ドレーン孔
61、収納孔65、リリーフ孔66を通って、ロータリ
バルブ11の外側の低圧側にリリーフする。こうして、
トルクの発生を防止し、温度上昇を抑制する。このとき
のトルク特性は、図5のdで示すようなトルク特性とな
る。
【0070】本実施形態においても、ボール61がドレ
ーン孔62に接触する接触面積を小さくしており、ボー
ル61を押す力は小さくてすみ、カム機構は小さくて良
い。したがって、継手の小型化を図ることができる。ま
た、他の油圧制御系が変化してもそれに影響されず、設
計変更の必要がない。
【0071】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、吐出ポートに連通する高圧室内に油圧によってドレ
ーン孔を閉じる方向にチェックボールを設け、所定温度
以上になると、温度スイッチによりチェックボールを押
圧してドレーン孔を開くようにしたため、温度スイッチ
がボールを押す力は小さくてすみ、温度スイッチが小さ
くなり、継手の小型化を図ることができる。また、他の
油圧制御系の変更により影響される設計変更の必要がな
い。
【0072】また、温度スイッチの代りに、所定温度以
上になると、変形してチェックボールを押圧するバイメ
タルよりなるアーム部材を設けた場合も同様な効果が得
られる。
【0073】さらに、温度スイッチの代りに、チェック
ボールを押圧して前記ドレーン孔を開くカム機構と、所
定温度以上になると変形してカム機構を駆動する形状記
憶合金よりなるスプリングと、所定温度以上になると変
形してカム機構を駆動可能状態にするバイメタルよりな
るアーム部材を設けた場合も同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図
【図2】温度が所定値未満のときの状態を示す要部断面
【図3】温度が所定値以上のときの元の状態を示す要部
断面図
【図4】通常時のトルク特性を示すグラフ
【図5】リリーフ時のトルク特性を示すグラフ
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図
【図7】図6の要部断面図
【図8】本発明の第3の実施形態を示す図
【図9】図8の要部断面図
【図10】従来のリリーフバルブの使用例を示す図
【図11】従来の温度スイッチとリリーフバルブを示す
【図12】従来のリリーフバルブの断面図
【符号の説明】
1:カム 2:カム面 3:溶接部 4:カムハウジング 5:ロータ 6:入力軸 7:プランジャー室 8:プランジャー 9:リターンスプリング 10:吸入吐出孔 11:ロータリバルブ 12:吸入ポート 13:吸入路 14:吐出ポート 15:連通溝 16:蓋部材 17:切欠き 18:突起 19:ベアリングリテーナー 20:ベアリング 21:スラストニードルベアリング 22:オイルシール 23:アキュムレータピストン 24:蓋部材 25:アキュムレータ室 26,27:油路 28:高圧室 29:プラグ 30:注油孔 31:ニードルベアリング 32:ねじ孔 33,34:Oリング 35,36:スナップリング 37:取付孔 38,56,63:弁座 39,47,52,62:ドレーン孔 40,46,49,51,61:ボール 41:温度スイッチ 42:ロック機構 43:オリフィス 44:トルクリミッタ機構 45:おもり部材 48,50,60:リリーフ機構 53:高圧路 54:収納部材 55:チェックボール室 57,74:アーム部材 58,75:折曲部 59,76:ビス 64:ピン 65:収納孔 66:リリーフ孔 67:ロッド部材 68,70:支持部 69,71:スプリング 72:カム面 73:凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶌田 和寿 静岡県湖西市鷲津2418番地 株式会社フジ ユニバンス内 (72)発明者 中野 裕幸 静岡県湖西市鷲津2418番地 株式会社フジ ユニバンス内 (72)発明者 佐藤 誠 静岡県湖西市鷲津2418番地 株式会社フジ ユニバンス内 (72)発明者 高崎 俊治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 楠川 博隆 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 村田 茂雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
    記一方の軸に連結され、内側面に2つ以上の山を有する
    カム面に形成したカムハウジングと;前記他方の軸に連
    結されるとともに、前記カムハウジング内に回転自在に
    収納され、複数のプランジャー室を軸方向に形成したロ
    ータと;前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リタ
    ーンスプリングの押圧を受けて往復移動自在に収納され
    るとともに、前記両軸の相対回転時に前記カム面によっ
    て駆動される複数のプランジャーと;前記ロータに形成
    され、前記プランジャー室に通じる吸入吐出孔と;前記
    ロータの端面に回転自在に摺接するとともに、前記カム
    ハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ、前記吸
    入吐出孔との位置関係によって吸入弁および吐出弁の作
    用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成し
    たロータリバルブと、 前記プランジャーの駆動による吐出油の流動により流動
    抵抗を発生する流動抵抗発生手段を備え;前記両軸の回
    転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手
    において、 前記吐出ポートに連通する高圧室内に油圧によってドレ
    ーン孔を閉じる方向に設けられるチェックボールと、 所定温度以上になると該チェックボールを押圧して前記
    ドレーン孔を開く温度スイッチと、を備えたことを油圧
    式動力伝達継手。
  2. 【請求項2】請求項1記載の油圧式動力伝達継手におい
    て、 前記温度スイッチの代りに、所定温度以上になると変形
    して前記チェックボールを押圧するバイメタルよりなる
    アーム部材を設けたことを特徴とする油圧式動力伝達継
    手。
  3. 【請求項3】請求項1記載の油圧式動力伝達継手におい
    て、 前記温度スイッチの代りに、 前記チェックボールを押圧して前記ドレーン孔を開くカ
    ム機構と、 所定温度以上になると変形して該カム機構を駆動する形
    状記憶合金よりなるスプリングと、 所定温度以上になると変形して前記カム機構を駆動可能
    状態にするバイメタルよりなるアーム部材を設けたこと
    を特徴とする油圧式動力伝達継手。
JP11116421A 1999-04-23 1999-04-23 油圧式動力伝達継手 Pending JP2000310246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116421A JP2000310246A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 油圧式動力伝達継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116421A JP2000310246A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 油圧式動力伝達継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000310246A true JP2000310246A (ja) 2000-11-07

Family

ID=14686679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11116421A Pending JP2000310246A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 油圧式動力伝達継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000310246A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6336539B1 (en) 1999-05-17 2002-01-08 Fujiunivance Co. Drain mechanism for hydraulic power transmission joint
US6422368B1 (en) * 1999-05-28 2002-07-23 Fujiunivance Co. Hydraulic power transmission joint
US6454070B1 (en) * 1999-05-17 2002-09-24 Fujiunivance Co. Drain mechanism for hydraulic power transmission joint

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6336539B1 (en) 1999-05-17 2002-01-08 Fujiunivance Co. Drain mechanism for hydraulic power transmission joint
US6454070B1 (en) * 1999-05-17 2002-09-24 Fujiunivance Co. Drain mechanism for hydraulic power transmission joint
US6422368B1 (en) * 1999-05-28 2002-07-23 Fujiunivance Co. Hydraulic power transmission joint

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000310246A (ja) 油圧式動力伝達継手
KR0151500B1 (ko) 유압식 동력전달 커플러
JP3807585B2 (ja) 油圧式動力伝達継手のドレーン機構
JP3401392B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886796B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3807586B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3326134B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3069257B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3486510B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886795B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886794B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3207903B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2886816B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2905802B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731466B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3224600B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2695559B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2584286Y2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731468B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2931705B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3486509B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP3246758B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731465B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731470B2 (ja) 油圧式動力伝達継手
JP2731469B2 (ja) 油圧式動力伝達継手

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050719

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060404