JP2564878Y2 - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents
油圧式動力伝達継手Info
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- JP2564878Y2 JP2564878Y2 JP454992U JP454992U JP2564878Y2 JP 2564878 Y2 JP2564878 Y2 JP 2564878Y2 JP 454992 U JP454992 U JP 454992U JP 454992 U JP454992 U JP 454992U JP 2564878 Y2 JP2564878 Y2 JP 2564878Y2
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- suction
- cam
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、車両の駆動力配分に使
用する油圧式動力伝達継手に関する。
用する油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、例えば特願平02−379
21号(特開平3−239824号公報)において、次
のような油圧式動力伝達継手を提案している。すなわ
ち、この油圧式動力伝達継手は、相対回転可能な入出力
軸間に設けられ、前記一方の軸に連結され、内面に2つ
以上の山を有するカム面を形成したカムハウジングと、
前記他方の軸に連結されるとともに、前記カムハウジン
グ内に回転自在に収納され、複数のプランジャー室を形
成したロータ部材と、前記複数のプランジャー室の各々
に、リターンスプリングの押圧を受けて往復移動自在に
収納されるとともに、前記両軸の相対回転時に前記カム
面によって駆動される複数のプランジャーと、前記ロー
タ部材の表面に開口し、前記プランジャー室と通じる吸
入吐出孔と、前記ロータ部材の表面に回転自在に摺接す
るとともに、前記両軸の相対回転方向が切り替わる時
に、前記カムハウジングとの間で所定の角度だけ回転可
能に位置決めされ、前記吸入、吐出孔との位置関係によ
って吸入弁あるいは吐出弁の作用をする弁体と、前記プ
ランジャーの駆動による吐出圧を受けて流動抵抗を発生
する手段を備え、前記両軸の回転速度差に応じたトルク
を伝達するものである。
21号(特開平3−239824号公報)において、次
のような油圧式動力伝達継手を提案している。すなわ
ち、この油圧式動力伝達継手は、相対回転可能な入出力
軸間に設けられ、前記一方の軸に連結され、内面に2つ
以上の山を有するカム面を形成したカムハウジングと、
前記他方の軸に連結されるとともに、前記カムハウジン
グ内に回転自在に収納され、複数のプランジャー室を形
成したロータ部材と、前記複数のプランジャー室の各々
に、リターンスプリングの押圧を受けて往復移動自在に
収納されるとともに、前記両軸の相対回転時に前記カム
面によって駆動される複数のプランジャーと、前記ロー
タ部材の表面に開口し、前記プランジャー室と通じる吸
入吐出孔と、前記ロータ部材の表面に回転自在に摺接す
るとともに、前記両軸の相対回転方向が切り替わる時
に、前記カムハウジングとの間で所定の角度だけ回転可
能に位置決めされ、前記吸入、吐出孔との位置関係によ
って吸入弁あるいは吐出弁の作用をする弁体と、前記プ
ランジャーの駆動による吐出圧を受けて流動抵抗を発生
する手段を備え、前記両軸の回転速度差に応じたトルク
を伝達するものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、図7および
図8に示すように、ロータ51の吸入吐出孔52に連通
する吸入ポート53、吐出ポート54、吸入路55およ
び連通溝56を有する弁体57に1個のオリフィス58
が設けられており、回転方向が変っても、この継手の回
転差に対するトルクの伝達特性は変らない。このため、
ABS付4WD車両のエンジンからの動力を前軸または
後軸に伝える所に継手を適用すると、急ブレーキ時でA
BSが作動するような場合、前車輪、後車輪の間に大き
な回転差を許容することはむづかしく、ABS特性に干
渉を与えることになる。
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、図7および
図8に示すように、ロータ51の吸入吐出孔52に連通
する吸入ポート53、吐出ポート54、吸入路55およ
び連通溝56を有する弁体57に1個のオリフィス58
が設けられており、回転方向が変っても、この継手の回
転差に対するトルクの伝達特性は変らない。このため、
ABS付4WD車両のエンジンからの動力を前軸または
後軸に伝える所に継手を適用すると、急ブレーキ時でA
BSが作動するような場合、前車輪、後車輪の間に大き
な回転差を許容することはむづかしく、ABS特性に干
渉を与えることになる。
【0004】一方、駆動側のみトルクの伝達特性を設
け、逆転側はトルク特性をなくしてしまうような継手も
提案されている。しかしながら、このような継手はAB
Sとの干渉は避けることは可能であるが、車両が後退す
る時に、2輪駆動車となってしまい、4WD車としての
特性を発揮することができない。
け、逆転側はトルク特性をなくしてしまうような継手も
提案されている。しかしながら、このような継手はAB
Sとの干渉は避けることは可能であるが、車両が後退す
る時に、2輪駆動車となってしまい、4WD車としての
特性を発揮することができない。
【0005】本考案は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、前進時の特性は従来必要として
いたものをそのまま発揮し、ABS作動時にはABSの
作動に大きく干渉しない所まで継手の特性を低下させる
ことにより、ABS特性を活用することができ、また、
4WDとしての特性も残すことのできる油圧式動力伝達
継手を提供することを目的としている。
てなされたものであり、前進時の特性は従来必要として
いたものをそのまま発揮し、ABS作動時にはABSの
作動に大きく干渉しない所まで継手の特性を低下させる
ことにより、ABS特性を活用することができ、また、
4WDとしての特性も残すことのできる油圧式動力伝達
継手を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本考案は、相対回転可能な入出力軸間に設けられ、
前記一方の軸に連結され、内面に2つ以上の山を有する
カム面を形成したカムハウジングと、前記他方の軸に連
結されるとともに、前記カムハウジング内に回転自在に
収納され、複数のプランジャー室を形成したロータと、
前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リターンスプ
リングの押圧を受けて往復移動自在に収納されるととも
に、前記両軸の相対回転時に前記カム面によって駆動さ
れる複数のプランジャーと、前記ロータに形成され、前
記プランジャー室と通じる吸入吐出孔と、前記ロータの
表面に回転自在に摺接するとともに、前記両軸の相対回
転方向が切り替わる時に、前記カムハウジングとの間で
所定の角度だけ回転可能に位置決めされ、前記ロータの
吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁あるいは吐出弁
の作用をする弁体と、を備え、前記両軸の回転速度差に
応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手において、
吐出油の出口側の通路に流動抵抗発生手段としての第1
オリフィスおよび第2オリフィスを設けるとともに、前
記ロータの正転時に前記第2オリフィスを閉止し、逆転
時に前記第2オリフィスを開放するスプールを前記弁体
に設けたものである。
に、本考案は、相対回転可能な入出力軸間に設けられ、
前記一方の軸に連結され、内面に2つ以上の山を有する
カム面を形成したカムハウジングと、前記他方の軸に連
結されるとともに、前記カムハウジング内に回転自在に
収納され、複数のプランジャー室を形成したロータと、
前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リターンスプ
リングの押圧を受けて往復移動自在に収納されるととも
に、前記両軸の相対回転時に前記カム面によって駆動さ
れる複数のプランジャーと、前記ロータに形成され、前
記プランジャー室と通じる吸入吐出孔と、前記ロータの
表面に回転自在に摺接するとともに、前記両軸の相対回
転方向が切り替わる時に、前記カムハウジングとの間で
所定の角度だけ回転可能に位置決めされ、前記ロータの
吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁あるいは吐出弁
の作用をする弁体と、を備え、前記両軸の回転速度差に
応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手において、
吐出油の出口側の通路に流動抵抗発生手段としての第1
オリフィスおよび第2オリフィスを設けるとともに、前
記ロータの正転時に前記第2オリフィスを閉止し、逆転
時に前記第2オリフィスを開放するスプールを前記弁体
に設けたものである。
【0007】
【作用】本考案は、例えば図6に示すようにABS付4
輪駆動車のEの箇所、すなわち、トランスミッション6
1のトランスファ装置62と後輪65側のデファレンシ
ャル装置66の間に、使用したときその機能を発揮す
る。このような車両が雪道などのスリップし易い所にお
いて、急ブレーキを踏むと、路面状況に応じタイヤの回
転がロックするものと、回転するものとに回転差が生じ
る。
輪駆動車のEの箇所、すなわち、トランスミッション6
1のトランスファ装置62と後輪65側のデファレンシ
ャル装置66の間に、使用したときその機能を発揮す
る。このような車両が雪道などのスリップし易い所にお
いて、急ブレーキを踏むと、路面状況に応じタイヤの回
転がロックするものと、回転するものとに回転差が生じ
る。
【0008】この回転差は左右輪の間で生じるものは、
デファレンシャル装置の所で逃げれるが、前二輪の平均
回転と後二輪の平均回転との差は、継手の所で逃す必要
がある。この際、各々の平均回転数の遅い方から早い方
にブレーキ力が継手を通して伝達される。これが干渉と
なって、各輪のABSシステムによって回転を制御する
ことを困難にするため、継手は急ブレーキ時に生ずる回
転差の範囲では、そのつながり特性が小さいことが望ま
しい。
デファレンシャル装置の所で逃げれるが、前二輪の平均
回転と後二輪の平均回転との差は、継手の所で逃す必要
がある。この際、各々の平均回転数の遅い方から早い方
にブレーキ力が継手を通して伝達される。これが干渉と
なって、各輪のABSシステムによって回転を制御する
ことを困難にするため、継手は急ブレーキ時に生ずる回
転差の範囲では、そのつながり特性が小さいことが望ま
しい。
【0009】このため、本考案は、普通の前進時にはそ
の継手の特性は4WD車として、タイトコーナーブレー
キ感がなく、又、雪道、泥ねい地などでスリップ感の生
じない特性に設定してあるが、ブレーキングの時には前
記干渉を避けるため、入力側の駆動力の伝達方向を検知
して、弁体が回転し、そのトルク伝達特性をゆるめてい
る。
の継手の特性は4WD車として、タイトコーナーブレー
キ感がなく、又、雪道、泥ねい地などでスリップ感の生
じない特性に設定してあるが、ブレーキングの時には前
記干渉を避けるため、入力側の駆動力の伝達方向を検知
して、弁体が回転し、そのトルク伝達特性をゆるめてい
る。
【0010】一方、ABSにより発生する回転差は限ら
れており、それほど大きなものとならないため、回転差
が大きな所ではトルクの伝達が可能な構造としておくこ
とにより、後退時にも4輪駆動車としての特性を生かす
ことができる。すなわち、ロータの正転時には、第1オ
リフィスが開孔した状態で、第2オリフィスがスプール
により閉孔する。このときのトルク特性は図5のAに示
されるように通常のトルク特性となる。
れており、それほど大きなものとならないため、回転差
が大きな所ではトルクの伝達が可能な構造としておくこ
とにより、後退時にも4輪駆動車としての特性を生かす
ことができる。すなわち、ロータの正転時には、第1オ
リフィスが開孔した状態で、第2オリフィスがスプール
により閉孔する。このときのトルク特性は図5のAに示
されるように通常のトルク特性となる。
【0011】一方、ロータの逆転時には、第1オリフィ
スが開孔した状態で、第2オリフィスがスプールの移動
により開孔する。このときのトルク特性は、図5のBで
示される。ABSの必要許容回転差C以下の回転差で
は、ABSへの干渉トルクD以下にトルクを低くするこ
とができ、ABSの必要許容回転差C以上の回転差で
は、ABSへの干渉トルクD以上のトルクを伝達する。
こうして、ABS作動時には、ABSとの干渉を避け、
ABSの特性を活用し、後退時には4WD車としてのト
ルク特性を生かすことができる。
スが開孔した状態で、第2オリフィスがスプールの移動
により開孔する。このときのトルク特性は、図5のBで
示される。ABSの必要許容回転差C以下の回転差で
は、ABSへの干渉トルクD以下にトルクを低くするこ
とができ、ABSの必要許容回転差C以上の回転差で
は、ABSへの干渉トルクD以上のトルクを伝達する。
こうして、ABS作動時には、ABSとの干渉を避け、
ABSの特性を活用し、後退時には4WD車としてのト
ルク特性を生かすことができる。
【0012】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図6は本考案の一実施例を示す図である。
まず、構成を説明すると、図1および図2において、1
は内側面に2つ以上の山を有するカム面2を形成したカ
ムであり、カム1は出力軸3に連結され、出力軸3と一
体で回転する。また、カム1はカムハウジング4に固定
され、カムハウジング4はカム1と一体で回転する。
する。図1〜図6は本考案の一実施例を示す図である。
まず、構成を説明すると、図1および図2において、1
は内側面に2つ以上の山を有するカム面2を形成したカ
ムであり、カム1は出力軸3に連結され、出力軸3と一
体で回転する。また、カム1はカムハウジング4に固定
され、カムハウジング4はカム1と一体で回転する。
【0013】5はカムハウジング4内に回転自在に収納
されたロータであり、ロータ5は入力軸6に結合され、
入力軸6と一体で回転する。ロータ5には、軸方向に複
数個のプランジャー室7が形成され、プランジャー室7
内は複数個のプランジャー8がリターンスプリング9を
介して摺動自在に収納されている。また、ロータ5には
複数の吸入吐出孔10が各プランジャー室7に通じるよ
うに形成されている。
されたロータであり、ロータ5は入力軸6に結合され、
入力軸6と一体で回転する。ロータ5には、軸方向に複
数個のプランジャー室7が形成され、プランジャー室7
内は複数個のプランジャー8がリターンスプリング9を
介して摺動自在に収納されている。また、ロータ5には
複数の吸入吐出孔10が各プランジャー室7に通じるよ
うに形成されている。
【0014】11は表面に吸入ポート12、吸入路13
および吐出ポート14が形成されたロータリバルブ(弁
体)であり、ロータリバルブ11の裏面には連通溝15
が形成されている。連通溝15は吐出ポート14に連通
し、また、連通溝15に密着して蓋部材16が設けられ
ている。また、ロータリバルブ11はカムハウジング4
の内周に形成した切欠き18Aに係合する位置決め用の
突起19を有する。
および吐出ポート14が形成されたロータリバルブ(弁
体)であり、ロータリバルブ11の裏面には連通溝15
が形成されている。連通溝15は吐出ポート14に連通
し、また、連通溝15に密着して蓋部材16が設けられ
ている。また、ロータリバルブ11はカムハウジング4
の内周に形成した切欠き18Aに係合する位置決め用の
突起19を有する。
【0015】ロータリバルブ11には吐出ポート14に
連通する通路30が形成され、通路30の途中には流動
抵抗発生手段としての第1オリフィス31が形成されて
いる。32は通路31の出口部を閉止するプラグであ
る。33は突起19の端部に開口し、通路30に連通す
る通路であり、通路33の途中には流動抵抗発生手段と
しての第2オリフィス34が形成されている。
連通する通路30が形成され、通路30の途中には流動
抵抗発生手段としての第1オリフィス31が形成されて
いる。32は通路31の出口部を閉止するプラグであ
る。33は突起19の端部に開口し、通路30に連通す
る通路であり、通路33の途中には流動抵抗発生手段と
しての第2オリフィス34が形成されている。
【0016】通路34内にはスプール35が摺動自在に
収納されている。ロータリバルブ11の正転時には、ス
プール35はカムハウジング4の突起18Bに押圧され
て右方向に移動し、第2オリフィス34を閉止する。ロ
ータリバルブ11の逆転時には、スプール35は内圧に
押圧されてストッパ36に当接するまで左方向に移動
し、第2オリフィス34を開放する。
収納されている。ロータリバルブ11の正転時には、ス
プール35はカムハウジング4の突起18Bに押圧され
て右方向に移動し、第2オリフィス34を閉止する。ロ
ータリバルブ11の逆転時には、スプール35は内圧に
押圧されてストッパ36に当接するまで左方向に移動
し、第2オリフィス34を開放する。
【0017】なお、ロータリバルブ11は、吸入吐出孔
10の開閉タイミングを決定するタイミング部材を構成
し、切欠き18Aと突起19がカム1とロータリバルブ
11の位相関係を規制する位置決め機構を構成してい
る。プランジャー8が吸入行程にある場合は、ロータリ
バルブ11の吸入ポート12とロータ5の吸入吐出孔1
0が通じる位置関係となり、吸入路13、吸入ポート1
2、ロータ5の吸入吐出孔10を通じて、プランジャー
室7にオイルを吸入することができる。
10の開閉タイミングを決定するタイミング部材を構成
し、切欠き18Aと突起19がカム1とロータリバルブ
11の位相関係を規制する位置決め機構を構成してい
る。プランジャー8が吸入行程にある場合は、ロータリ
バルブ11の吸入ポート12とロータ5の吸入吐出孔1
0が通じる位置関係となり、吸入路13、吸入ポート1
2、ロータ5の吸入吐出孔10を通じて、プランジャー
室7にオイルを吸入することができる。
【0018】また、プランジャー8が吐出行程にある場
合は、吸入行程と逆の関係となり、ロータ5の吸入吐出
孔10はロータリバルブ11の吐出ポート14を介して
連通溝15に通じ、吸入ポート12は閉じた状態とな
る。20はカムハウジング4と一体で回転するスラスト
ブロックであり、ベアリング21を介して入力軸6を支
持している。スラストブロック20とロータリバルブ1
1との間にはニードルベアリング22が介装され、この
ニードルベアリング22側のフリクショントルクはロー
タ5とロータリバルブ11の間のフリクショントルクよ
り小さくなるように設定されている。したがって、差動
回転の方向が変わると、ロータリバルブ11はロータ5
とともにつれ回りし、ロータリバルブ11の位置決め用
の突起19がカムハウジング4の切欠き18Aに当たる
まで回転した後、カムハウジング4と一体で回転する。
これにより、正転時または逆転時にも所定のタイミング
で吸入吐出孔10を強制的に開閉する。
合は、吸入行程と逆の関係となり、ロータ5の吸入吐出
孔10はロータリバルブ11の吐出ポート14を介して
連通溝15に通じ、吸入ポート12は閉じた状態とな
る。20はカムハウジング4と一体で回転するスラスト
ブロックであり、ベアリング21を介して入力軸6を支
持している。スラストブロック20とロータリバルブ1
1との間にはニードルベアリング22が介装され、この
ニードルベアリング22側のフリクショントルクはロー
タ5とロータリバルブ11の間のフリクショントルクよ
り小さくなるように設定されている。したがって、差動
回転の方向が変わると、ロータリバルブ11はロータ5
とともにつれ回りし、ロータリバルブ11の位置決め用
の突起19がカムハウジング4の切欠き18Aに当たる
まで回転した後、カムハウジング4と一体で回転する。
これにより、正転時または逆転時にも所定のタイミング
で吸入吐出孔10を強制的に開閉する。
【0019】23はカムハウジング4と一体で回転する
アキュムレータピストンであり、アキュムレータピスト
ン23は内圧に応じて移動する。アキュムレータピスト
ン23とリテーナ24との間には、リターンスプリング
25が介装されている。なお、26はオイルシール、2
7はストッパリング、28はボルト、29は注油孔であ
る。
アキュムレータピストンであり、アキュムレータピスト
ン23は内圧に応じて移動する。アキュムレータピスト
ン23とリテーナ24との間には、リターンスプリング
25が介装されている。なお、26はオイルシール、2
7はストッパリング、28はボルト、29は注油孔であ
る。
【0020】次に、作用を説明する。まず、正転時につ
いて説明する。カム1を有する出力軸3に対しロータ5
を有する入力軸6の回転が速く回転し、入出力軸間に回
転差が生じると、吐出行程にあるプランジャー8はカム
1のカム面2により軸方向に押し込まれる。
いて説明する。カム1を有する出力軸3に対しロータ5
を有する入力軸6の回転が速く回転し、入出力軸間に回
転差が生じると、吐出行程にあるプランジャー8はカム
1のカム面2により軸方向に押し込まれる。
【0021】このため、プランジャー8はプランジャー
室7のオイルを吸入吐出孔10からロータリバルブ11
の吐出ポート14に押し出す。吐出ポート14に押し出
されたオイルは、連通溝15、第1オリフィス31を通
って吸入路13に供給される。この時、第1オリフィス
31の抵抗により連通溝15、吐出ポート14およびプ
ランジャー室7の油圧が上昇し、プランジャー8に反力
が発生する。このプランジャー反力に逆ってカム1を回
転させることによりトルクが発生し、カム1とロータ5
との間でトルクが伝達される。
室7のオイルを吸入吐出孔10からロータリバルブ11
の吐出ポート14に押し出す。吐出ポート14に押し出
されたオイルは、連通溝15、第1オリフィス31を通
って吸入路13に供給される。この時、第1オリフィス
31の抵抗により連通溝15、吐出ポート14およびプ
ランジャー室7の油圧が上昇し、プランジャー8に反力
が発生する。このプランジャー反力に逆ってカム1を回
転させることによりトルクが発生し、カム1とロータ5
との間でトルクが伝達される。
【0022】この正転時には、図3に示すように、第1
オリフィス31は開孔しているが、第2オリフィス34
はカムハウジング4の突起18Bによりスプール35が
右方向に移動し、閉孔する。このため、そのトルク特性
は、図5に示されるような回転差が小さくても、大きな
トルクの伝達できるA曲線の特性となる。さらに、カム
1が回転すると、吸入行程となり、吸入吐出孔10と吸
入ポート12が通じるため、吸入路13のオイルは、吸
入ポート12、吸入吐出孔10を介してプランジャー室
7に吸入され、プランジャー8はカム1のカム面2に沿
って戻る。
オリフィス31は開孔しているが、第2オリフィス34
はカムハウジング4の突起18Bによりスプール35が
右方向に移動し、閉孔する。このため、そのトルク特性
は、図5に示されるような回転差が小さくても、大きな
トルクの伝達できるA曲線の特性となる。さらに、カム
1が回転すると、吸入行程となり、吸入吐出孔10と吸
入ポート12が通じるため、吸入路13のオイルは、吸
入ポート12、吸入吐出孔10を介してプランジャー室
7に吸入され、プランジャー8はカム1のカム面2に沿
って戻る。
【0023】次に、逆転時について説明する。制動時に
入出力軸間の相対回転方向が変わると、ロータリバルブ
11がカムハウジング4に対して回転する。このためカ
ムハウジング4とロータリバルブ11との相対関係が変
化する。これにより、図4に示すように第1オリフィス
31は開孔したままであり、第2オリフィス34は内圧
によるスプール35の左方向の移動により、開孔する。
入出力軸間の相対回転方向が変わると、ロータリバルブ
11がカムハウジング4に対して回転する。このためカ
ムハウジング4とロータリバルブ11との相対関係が変
化する。これにより、図4に示すように第1オリフィス
31は開孔したままであり、第2オリフィス34は内圧
によるスプール35の左方向の移動により、開孔する。
【0024】第1オリフィス31と第2オリフィス34
が開孔するため、そのトルク特性は図5のB曲線のよう
になり、ABSの特性を得るための必要許容回転差
(C、参照)における干渉トルク(D、参照)以下にな
るように、曲線Aに対し大幅に小さくすることができ
る。これによりABS特性を活用することができる。し
かしながら、曲線Bの特性でも、後退発進時に、4輪駆
動トルクを必要とする場合には、回転差を設けることに
より、実用上の必要トルクは確保することができる。な
お、図6に本継手の配置場所(例)を示す。
が開孔するため、そのトルク特性は図5のB曲線のよう
になり、ABSの特性を得るための必要許容回転差
(C、参照)における干渉トルク(D、参照)以下にな
るように、曲線Aに対し大幅に小さくすることができ
る。これによりABS特性を活用することができる。し
かしながら、曲線Bの特性でも、後退発進時に、4輪駆
動トルクを必要とする場合には、回転差を設けることに
より、実用上の必要トルクは確保することができる。な
お、図6に本継手の配置場所(例)を示す。
【0025】
【考案の効果】以上説明してきたように、本考案によれ
ば、車両の前進時には、通常のトルク特性を得ることが
でき、ABS作動時には、ABS作動に大きく干渉しな
いところまでトルクを低下させて、ABS作動を成立さ
せることができ、また、後退時にも4WD車としてのト
ルク特性を残すことができる。
ば、車両の前進時には、通常のトルク特性を得ることが
でき、ABS作動時には、ABS作動に大きく干渉しな
いところまでトルクを低下させて、ABS作動を成立さ
せることができ、また、後退時にも4WD車としてのト
ルク特性を残すことができる。
【図1】本考案の一実施例を示す図
【図2】全体の断面図
【図3】正転時の動作説明図
【図4】逆転時の動作説明図
【図5】トルク特性を示すグラフ
【図6】本考案を車両に適用した例を示す図
【図7】従来例を示す図
【図8】従来のロータリバルブの一部分を示す図
1:カム 2:カム面 3:出力軸 4:カムハウジング 5:ロータ 6:入力軸 7:プランジャー室 8:プランジャー 9:リターンスプリング 10:吸入吐出孔 11:ロータリバルブ 12:吸入ポート 13:吸入路 14:吐出ポート 15:連通溝 16:蓋部材 18A:切欠き 18B:突起 19:突起 20:スラストブロック 21:ベアリング 22:ニードルベアリング 23:アキュムレータピストン 24:リテーナ 25:リターンスプリング 26:オイルシール 27:ストッパリング 28:ボルト 29:注油孔 30:通路 31:第1オリフィス(流動抵抗発生手段) 32:プラグ 33:通路 34:第2オリフィス(流動抵抗発生手段) 35:スプール 36:ストッパ
Claims (2)
- 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
記一方の軸に連結され、内面に2つ以上の山を有するカ
ム面を形成したカムハウジングと、 前記他方の軸に連結されるとともに、前記カムハウジン
グ内に回転自在に収納され、複数のプランジャー室を形
成したロータと、 前記複数のプランジャー室のそれぞれに、リターンスプ
リングの押圧を受けて往復移動自在に収納されるととも
に、前記両軸の相対回転時に前記カム面によって駆動さ
れる複数のプランジャーと、 前記ロータに形成され、前記プランジャー室と通じる吸
入吐出孔と、 前記ロータの表面に回転自在に摺接するとともに、前記
両軸の相対回転方向が切り替わる時に、前記カムハウジ
ングとの間で所定の角度だけ回転可能に位置決めされ、
前記ロータの吸入吐出孔との位置関係によって吸入弁あ
るいは吐出弁の作用をする弁体と、を備え、 前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式
動力伝達継手において、 吐出油の出口側の通路に流動抵抗発生手段としての第1
オリフィスおよび第2オリフィスを設けるとともに、前
記ロータの正転時に前記第2オリフィスを閉止し、逆転
時に前記第2オリフィスを開放するスプールを前記弁体
に設けたことを特徴とする油圧式動力伝達継手。 - 【請求項2】前記スプールは、前記ロータの逆転時に内
圧に押圧されて前記第2オリフィスを開放し、前記ロー
タの正転時には前記カムハウジングの突起に押圧されて
前記第2オリフィスを閉止することを特徴とする前記請
求項1の油圧式動力伝達継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP454992U JP2564878Y2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 油圧式動力伝達継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP454992U JP2564878Y2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 油圧式動力伝達継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0564539U JPH0564539U (ja) | 1993-08-27 |
JP2564878Y2 true JP2564878Y2 (ja) | 1998-03-11 |
Family
ID=11587136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP454992U Expired - Lifetime JP2564878Y2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 油圧式動力伝達継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2564878Y2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-07 JP JP454992U patent/JP2564878Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0564539U (ja) | 1993-08-27 |
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