JP2786971B2 - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents
油圧式動力伝達継手Info
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- JP2786971B2 JP2786971B2 JP13845492A JP13845492A JP2786971B2 JP 2786971 B2 JP2786971 B2 JP 2786971B2 JP 13845492 A JP13845492 A JP 13845492A JP 13845492 A JP13845492 A JP 13845492A JP 2786971 B2 JP2786971 B2 JP 2786971B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の駆動力配分に使
用する油圧式動力伝達継手に関する。
用する油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特願昭63−204043
号において、下記のような油圧式動力伝達継手を提案し
ている。すなわち、この油圧式動力伝達継手は、相対回
転可能な入出力軸間に設けられ、前記両軸の回転速度差
に応じた量の流体を流動させる流量発生手段と、前記流
体の吐出路に流動抵抗を発生する手段を備え、前記流体
の流動抵抗により前記入出力軸間の伝達トルクが制御さ
れるトルク伝達継手において、前記吐出路の開口部に回
転自在に収納されオリフィスと突出部とフライホイール
と開放孔を有し車両の急加速時には継手の角加速度を検
知して前記吐出路を閉止し急減速時には吐出路を開放す
るロータリバルブと、該ロータリバルブの前記突出部に
係合するリターンスプリングと、該リターンスプリング
をその突起部を介して位置決めを行う蓋部材と、を備え
たものである。
号において、下記のような油圧式動力伝達継手を提案し
ている。すなわち、この油圧式動力伝達継手は、相対回
転可能な入出力軸間に設けられ、前記両軸の回転速度差
に応じた量の流体を流動させる流量発生手段と、前記流
体の吐出路に流動抵抗を発生する手段を備え、前記流体
の流動抵抗により前記入出力軸間の伝達トルクが制御さ
れるトルク伝達継手において、前記吐出路の開口部に回
転自在に収納されオリフィスと突出部とフライホイール
と開放孔を有し車両の急加速時には継手の角加速度を検
知して前記吐出路を閉止し急減速時には吐出路を開放す
るロータリバルブと、該ロータリバルブの前記突出部に
係合するリターンスプリングと、該リターンスプリング
をその突起部を介して位置決めを行う蓋部材と、を備え
たものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、ABS付の
車両で急ブレーキ状態のとき、ロックタイヤに継がる位
置にある油圧継手は、回転方向に大きな減速度が生じ、
慣性を有するロータリバルブはリターンスプリングの力
に打勝って、油圧回路を開き、トルクの伝達特性を下
げ、ブレーキ力の継手に伝達される干渉トルクを低くす
るが、ABSのシステムはタイヤのロック状態を回避す
るためブレーキをゆるめたり強めたりを繰り返す。
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、ABS付の
車両で急ブレーキ状態のとき、ロックタイヤに継がる位
置にある油圧継手は、回転方向に大きな減速度が生じ、
慣性を有するロータリバルブはリターンスプリングの力
に打勝って、油圧回路を開き、トルクの伝達特性を下
げ、ブレーキ力の継手に伝達される干渉トルクを低くす
るが、ABSのシステムはタイヤのロック状態を回避す
るためブレーキをゆるめたり強めたりを繰り返す。
【0004】このため、ゆるめた時は油圧継手の回転方
向の減速度も減じるため、ロータリバルブはスプリング
の力によりもとの位置にもどされる。このため、油圧継
手の伝達特性も強くなり、継手に伝達される干渉トルク
は上昇する。さらに、回転慣性重量とねじりスプリング
とにより、振動系が構成されるため、バルブのねじれ振
動が生ずる。
向の減速度も減じるため、ロータリバルブはスプリング
の力によりもとの位置にもどされる。このため、油圧継
手の伝達特性も強くなり、継手に伝達される干渉トルク
は上昇する。さらに、回転慣性重量とねじりスプリング
とにより、振動系が構成されるため、バルブのねじれ振
動が生ずる。
【0005】また、車両のブレーキの減速度で、スプリ
ング力やロータリバルブの慣性による側面に生じるフリ
クション、スプリング力によって生じる各部の偏荷重に
よるフリクションなどに打勝って、高圧のロータリバル
ブを作動させるためには、大きな慣性重量が必要とな
り、蓋部材の中に入れると完成品は全体として非常に大
きな構造となる。
ング力やロータリバルブの慣性による側面に生じるフリ
クション、スプリング力によって生じる各部の偏荷重に
よるフリクションなどに打勝って、高圧のロータリバル
ブを作動させるためには、大きな慣性重量が必要とな
り、蓋部材の中に入れると完成品は全体として非常に大
きな構造となる。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、ABSとの干渉を確実に防止
し、継手全体としての重量を低減することができる油圧
式動力伝達継手を提供することを目的としている。
てなされたものであって、ABSとの干渉を確実に防止
し、継手全体としての重量を低減することができる油圧
式動力伝達継手を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、相対回転可能な入出力軸間に設けられ、
両軸の回転速度差に応じた量の流体を流動させ、流体の
流動抵抗により入出力軸間にトルクを伝達する油圧式動
力伝達継手において、前記入出力軸の一方に連結される
第1回転部材と、入出力軸の他方に連結される第2回転
部材と、該第2回転部材にスプリングにより回転方向の
移動が自在に設けられ、慣性と開放溝を有し、トルク伝
達時には継手内部の高圧路を閉止し、急減速時には、回
転方向慣性により高圧路を開放溝に連通する弁体と、該
弁体に設けられ、高圧路を開放方向に動くときは、抵抗
がなく、閉止方向に動くときは、作動を遅延させる機構
とを備えたものである。
に、本発明は、相対回転可能な入出力軸間に設けられ、
両軸の回転速度差に応じた量の流体を流動させ、流体の
流動抵抗により入出力軸間にトルクを伝達する油圧式動
力伝達継手において、前記入出力軸の一方に連結される
第1回転部材と、入出力軸の他方に連結される第2回転
部材と、該第2回転部材にスプリングにより回転方向の
移動が自在に設けられ、慣性と開放溝を有し、トルク伝
達時には継手内部の高圧路を閉止し、急減速時には、回
転方向慣性により高圧路を開放溝に連通する弁体と、該
弁体に設けられ、高圧路を開放方向に動くときは、抵抗
がなく、閉止方向に動くときは、作動を遅延させる機構
とを備えたものである。
【0008】
【作用】本発明においては、回転慣性を有する弁体をね
じりスプリングで第2回転部材に支持することにより、
ABSの作動時には、弁体はロックタイヤの回転方向の
減速度を感知し作動するようにした。しかし、ABSは
スリップしているタイヤにブレーキ力の強弱をかけて、
グリップ力を回復しようとするため、回転慣性方向の検
出では、ブレーキ力を弱くした時は弁体はねじりバネの
効果でもとの位置にもどろうとするため、継手のトルク
伝達特性は強くなってしまうが、本発明では弁体が高圧
路を開く方向に動く時は、抵抗を生じないが、高圧路を
閉じようとするときには油の流動抵抗を生じ、ゆっくり
と回復するような油圧による機構を設けたことにより、
ABSの作動時のタイムラグもなく、ABS作動中の干
渉もなくしたものである。
じりスプリングで第2回転部材に支持することにより、
ABSの作動時には、弁体はロックタイヤの回転方向の
減速度を感知し作動するようにした。しかし、ABSは
スリップしているタイヤにブレーキ力の強弱をかけて、
グリップ力を回復しようとするため、回転慣性方向の検
出では、ブレーキ力を弱くした時は弁体はねじりバネの
効果でもとの位置にもどろうとするため、継手のトルク
伝達特性は強くなってしまうが、本発明では弁体が高圧
路を開く方向に動く時は、抵抗を生じないが、高圧路を
閉じようとするときには油の流動抵抗を生じ、ゆっくり
と回復するような油圧による機構を設けたことにより、
ABSの作動時のタイムラグもなく、ABS作動中の干
渉もなくしたものである。
【0009】なお、ABSシステムは未だ高価なシステ
ムであり、ユーザーにより付ける場合と付けない場合が
ある。本継手は弁体を除き、油圧回路の孔加工を中止す
ることにより、従来の普通の継手とすることができるた
め、バリエーション対応が極めて容易であり、生産ライ
ンの構成を単純にすることができる。
ムであり、ユーザーにより付ける場合と付けない場合が
ある。本継手は弁体を除き、油圧回路の孔加工を中止す
ることにより、従来の普通の継手とすることができるた
め、バリエーション対応が極めて容易であり、生産ライ
ンの構成を単純にすることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図12は本発明の一実施例を示す図であ
る。まず、構成を説明すると、図1〜図7において、1
はフロントディファレンシャルまたはトランスファのケ
ースであり、ケース1にはベアリング2を介して入力軸
3の一端が回転自在に支持される。入力軸3には雄のス
プライン部4が形成され、また、ねじ部5が形成されて
いる。
する。図1〜図12は本発明の一実施例を示す図であ
る。まず、構成を説明すると、図1〜図7において、1
はフロントディファレンシャルまたはトランスファのケ
ースであり、ケース1にはベアリング2を介して入力軸
3の一端が回転自在に支持される。入力軸3には雄のス
プライン部4が形成され、また、ねじ部5が形成されて
いる。
【0011】6は入力軸3に連結される継手7のロータ
ーシャフト(第2回転部材)であり、ローターシャフト
6には中空部8が形成されている。この中空部8には段
部9が形成され、段部9の右側の小径部10には前記入
力軸3のスプライン部4に嵌合する雌のスプライン部1
1が形成されている。ローターシャフト6と入力軸3を
スプライン部11,4により、スプライン嵌合し、ねじ
部5にワッシャー12を段部9に当接するまで挿入し、
ナット13で締結する。
ーシャフト(第2回転部材)であり、ローターシャフト
6には中空部8が形成されている。この中空部8には段
部9が形成され、段部9の右側の小径部10には前記入
力軸3のスプライン部4に嵌合する雌のスプライン部1
1が形成されている。ローターシャフト6と入力軸3を
スプライン部11,4により、スプライン嵌合し、ねじ
部5にワッシャー12を段部9に当接するまで挿入し、
ナット13で締結する。
【0012】ローターシャフト6の外径部14の円筒面
は精密加工仕上され、外径部14とケース1の間にはオ
イルシール15が介装される。16は図示しない出力軸
に連結されるエンドブロックであり、エンドブロック1
6はカム面17を有するハウジング18に溶接で一体に
結合され、エンドブロック16とハウジング18が第1
回転部材を構成している。
は精密加工仕上され、外径部14とケース1の間にはオ
イルシール15が介装される。16は図示しない出力軸
に連結されるエンドブロックであり、エンドブロック1
6はカム面17を有するハウジング18に溶接で一体に
結合され、エンドブロック16とハウジング18が第1
回転部材を構成している。
【0013】エンドブロック16には平面部19、イン
ロー部20およびボルト孔21がそれぞれ形成されてい
る。ローターシャフト6には、放射方向に複数個のプラ
ンジャー室22が形成され、プランジャー室22内は複
数個のプランジャー23がリターンスプリング24を介
して摺動自在に収納されている。
ロー部20およびボルト孔21がそれぞれ形成されてい
る。ローターシャフト6には、放射方向に複数個のプラ
ンジャー室22が形成され、プランジャー室22内は複
数個のプランジャー23がリターンスプリング24を介
して摺動自在に収納されている。
【0014】プランジャー23には吸入吐出孔25が形
成され、プランジャー23の内部であって吸入吐出孔2
5にはチェックバルブ26が設けられ、チェックバルブ
26はスプリング27を介してリテーナ28により保持
される。チェックバルブ26には流動抵抗発生手段とし
てのオリフィス29が形成されている。また、ローター
シャフト6にはプランジャー室22に連通する高圧路3
0と高圧路30に連通する高圧路31が形成されてい
る。
成され、プランジャー23の内部であって吸入吐出孔2
5にはチェックバルブ26が設けられ、チェックバルブ
26はスプリング27を介してリテーナ28により保持
される。チェックバルブ26には流動抵抗発生手段とし
てのオリフィス29が形成されている。また、ローター
シャフト6にはプランジャー室22に連通する高圧路3
0と高圧路30に連通する高圧路31が形成されてい
る。
【0015】32は弁体としてのロータリバルブであ
り、ロータリバルブ32はハウジング18とローターシ
ャフト6の間に回転方向の移動が自在に設けられる。ロ
ータリバルブ32は慣性力を有するいわゆる回転方向の
Gバルブとして構成されるとともに、高圧路31に連通
可能な開放溝33を有している。34は3本よりなるス
プリングであり、スプリング34の一方の各端部は、ロ
ータリバルブ32に、他方の各端部はローターシャフト
6に、それぞれ固定されている。スプリング34の形状
としては、うず巻き状のものを用いる(図5、参照)。
り、ロータリバルブ32はハウジング18とローターシ
ャフト6の間に回転方向の移動が自在に設けられる。ロ
ータリバルブ32は慣性力を有するいわゆる回転方向の
Gバルブとして構成されるとともに、高圧路31に連通
可能な開放溝33を有している。34は3本よりなるス
プリングであり、スプリング34の一方の各端部は、ロ
ータリバルブ32に、他方の各端部はローターシャフト
6に、それぞれ固定されている。スプリング34の形状
としては、うず巻き状のものを用いる(図5、参照)。
【0016】ロータリバルブ32は、ロックタイヤの回
転方向の減速度を検知して回転慣性によりスプリング3
4の力に抗して回動し、高圧路31を開放溝33に連通
させる。図2の101はローターシャフト6に設けられ
た油圧によるロータリバルブ32のリターン方向作動遅
延機構を構成するシリンダーの役目をする精密な孔であ
る。
転方向の減速度を検知して回転慣性によりスプリング3
4の力に抗して回動し、高圧路31を開放溝33に連通
させる。図2の101はローターシャフト6に設けられ
た油圧によるロータリバルブ32のリターン方向作動遅
延機構を構成するシリンダーの役目をする精密な孔であ
る。
【0017】この断面は、図6〜図7(a)(b)に示
すように、ボールピストン102がスプリング103に
より軽く、ロータリバルブ32に押し付けられている。
通常のロータリバルブ32の位置はこのスプリング10
3の力に打勝つうず巻状のスプリング34によって図3
のように高圧路31が閉の位置に保たれている。
すように、ボールピストン102がスプリング103に
より軽く、ロータリバルブ32に押し付けられている。
通常のロータリバルブ32の位置はこのスプリング10
3の力に打勝つうず巻状のスプリング34によって図3
のように高圧路31が閉の位置に保たれている。
【0018】この時、ボールピストン102は、図7
(a)の斜面の凹の高い位置にあり、図3のAの位置に
ある。ロータリバルブ32がABSの作動により慣性に
より回転すると、図7(b)のように、ボールピストン
102はとび出し、斜面凹みの低い位置、すなわち図4
におけるBの位置になる。
(a)の斜面の凹の高い位置にあり、図3のAの位置に
ある。ロータリバルブ32がABSの作動により慣性に
より回転すると、図7(b)のように、ボールピストン
102はとび出し、斜面凹みの低い位置、すなわち図4
におけるBの位置になる。
【0019】ボールピストン102が動く時はシリンダ
107内は負圧となるため、リテーナ104に支えられ
ているチェックスプリング105がたわみ、ワンウェイ
バルブ106は開いて、油がシリンダ107内に吸い込
まれる。ABSの作動により、ブレーキ力を弱めるとロ
ータリバルブ32は回転慣性力を失い、うず巻状のスプ
リング34の力により高圧路31を閉止すべくもどろう
とするが、シリンダ107に吸込まれた油のチェックバ
ルブ106の中央部にあるオリフィス108を通る流動
抵抗により、早くはもどれず、ゆっくりともどされる。
107内は負圧となるため、リテーナ104に支えられ
ているチェックスプリング105がたわみ、ワンウェイ
バルブ106は開いて、油がシリンダ107内に吸い込
まれる。ABSの作動により、ブレーキ力を弱めるとロ
ータリバルブ32は回転慣性力を失い、うず巻状のスプ
リング34の力により高圧路31を閉止すべくもどろう
とするが、シリンダ107に吸込まれた油のチェックバ
ルブ106の中央部にあるオリフィス108を通る流動
抵抗により、早くはもどれず、ゆっくりともどされる。
【0020】37はハウジング18とともに回転するア
キュムレータピストンであり、アキュムレータピストン
37は内圧に応じて移動し、封入油の熱膨張を吸収す
る。アキュムレータピストン37とリテーナ38との間
には、リターンスプリング39が介装され、アキュムレ
ータピストン37とローターシャフト6の間にはオイル
シール40が介装されている。
キュムレータピストンであり、アキュムレータピストン
37は内圧に応じて移動し、封入油の熱膨張を吸収す
る。アキュムレータピストン37とリテーナ38との間
には、リターンスプリング39が介装され、アキュムレ
ータピストン37とローターシャフト6の間にはオイル
シール40が介装されている。
【0021】なお、41はオイルシール、42はニード
ルベアリング、43はOリングである。次に、図8およ
び図9は本継手を搭載したときの位置を示す図である。
図8においては、本継手7はフロントディファレンシャ
ル51とフロントプロペラシャフト52の間に設けられ
る。
ルベアリング、43はOリングである。次に、図8およ
び図9は本継手を搭載したときの位置を示す図である。
図8においては、本継手7はフロントディファレンシャ
ル51とフロントプロペラシャフト52の間に設けられ
る。
【0022】また、図9においては、本継手7はトラン
スファ53とリヤープロペラシャフト54の間に設けら
れる。この位置は車両のコンセプトにより決定されるも
ので、どちらに搭載されても本継手7のABSとのマッ
チングには変化はない。次に、作用を説明する。
スファ53とリヤープロペラシャフト54の間に設けら
れる。この位置は車両のコンセプトにより決定されるも
ので、どちらに搭載されても本継手7のABSとのマッ
チングには変化はない。次に、作用を説明する。
【0023】まず、通常動作時について説明する。ハウ
ジング18とローターシャフト6との間に回転差が生じ
ると、吐出行程にあるプランジャー23はハウジング1
8のカム面17により放射方向に押し込まれる。プラン
ジャー室22のオイルは、オリフィス29を通って吸入
吐出孔25から低圧室に供給される。この時、オリフィ
ス29の抵抗によりプランジャー室22、高圧路30、
高圧路31の油圧が上昇し、プランジャー23に反力が
発生する。このプランジャー反力に逆ってハウジング1
8を回転させることによりトルクが発生し、ハウジング
18とローターシャフト6の間でトルクが伝達される。
ジング18とローターシャフト6との間に回転差が生じ
ると、吐出行程にあるプランジャー23はハウジング1
8のカム面17により放射方向に押し込まれる。プラン
ジャー室22のオイルは、オリフィス29を通って吸入
吐出孔25から低圧室に供給される。この時、オリフィ
ス29の抵抗によりプランジャー室22、高圧路30、
高圧路31の油圧が上昇し、プランジャー23に反力が
発生する。このプランジャー反力に逆ってハウジング1
8を回転させることによりトルクが発生し、ハウジング
18とローターシャフト6の間でトルクが伝達される。
【0024】すなわち、図10のAで示すように、ロー
ターシャフト6とハウジング18の相対回転の2乗に比
例したトルクが伝達される。この場合、図3に示すよう
に、ロータリバルブ32は回転方向の慣性が作用しない
ため、作動しないので、高圧路31はロータリバルブ3
2により閉止され、開放溝33とは連通しない。
ターシャフト6とハウジング18の相対回転の2乗に比
例したトルクが伝達される。この場合、図3に示すよう
に、ロータリバルブ32は回転方向の慣性が作用しない
ため、作動しないので、高圧路31はロータリバルブ3
2により閉止され、開放溝33とは連通しない。
【0025】次に、急減速時について説明する。車両に
ABSがはたらくような急ブレーキがかけられると、ロ
ータリバルブ32が回転慣性力でまわるため、高圧路3
1と開放溝33が連通する。このときのトルク特性は、
図10のBに示すようなものとなり、前後のブレーキ力
の干渉を避けることができる。
ABSがはたらくような急ブレーキがかけられると、ロ
ータリバルブ32が回転慣性力でまわるため、高圧路3
1と開放溝33が連通する。このときのトルク特性は、
図10のBに示すようなものとなり、前後のブレーキ力
の干渉を避けることができる。
【0026】ABSの作動時には抵抗なくロータリバル
ブ32が慣性で廻るが、もどる時には油圧の抵抗により
ゆっくりとさせるように、すなわちABSの作動は1秒
間にオン、オフを数回作動させるが、これよりも長い間
隔でもどるように、オリフィス108を設定する。この
ようにすることにより、バルブの振動も合せて防止する
ことができる。車が走り初めて、4WDとして継手が動
力を伝達する必要がある時までは少くとも数秒の間隔が
あるため、充分ロータリバルブ32を高圧路31の閉回
路設定位置にもどすことができる。
ブ32が慣性で廻るが、もどる時には油圧の抵抗により
ゆっくりとさせるように、すなわちABSの作動は1秒
間にオン、オフを数回作動させるが、これよりも長い間
隔でもどるように、オリフィス108を設定する。この
ようにすることにより、バルブの振動も合せて防止する
ことができる。車が走り初めて、4WDとして継手が動
力を伝達する必要がある時までは少くとも数秒の間隔が
あるため、充分ロータリバルブ32を高圧路31の閉回
路設定位置にもどすことができる。
【0027】次に、図11はABS作動時の状況を示し
た図である。図11において、Cは車両速度、Dは擬似
速度、Eは前輪車速、Fは後輪車速を、それぞれ示す。
ABS作動時のようにタイヤがスリップしている時には
車両速度Cの検出がむずかしいため、一般には擬似車速
Dを設定し、これを越えた時にはタイヤがスリップして
いると判断しブレーキ力を減じている。
た図である。図11において、Cは車両速度、Dは擬似
速度、Eは前輪車速、Fは後輪車速を、それぞれ示す。
ABS作動時のようにタイヤがスリップしている時には
車両速度Cの検出がむずかしいため、一般には擬似車速
Dを設定し、これを越えた時にはタイヤがスリップして
いると判断しブレーキ力を減じている。
【0028】図11はこのようにして制御されている前
輪及び後輪の状況を示したが、継手のロータリバルブ3
2の付いている前輪車速Eが回転方向の減速度を有して
いるときは、ロータリバルブ32はスプリング34の力
に抗して開いているため、干渉が生じないが、減速度が
なくなると、スプリング34の力により回転方向はもど
される。ロータリバルブ32のもどり遅延機構がないと
図11に示すようにこの条件の時間Gだけは干渉が出
る。
輪及び後輪の状況を示したが、継手のロータリバルブ3
2の付いている前輪車速Eが回転方向の減速度を有して
いるときは、ロータリバルブ32はスプリング34の力
に抗して開いているため、干渉が生じないが、減速度が
なくなると、スプリング34の力により回転方向はもど
される。ロータリバルブ32のもどり遅延機構がないと
図11に示すようにこの条件の時間Gだけは干渉が出
る。
【0029】しかしながら、ロータリバルブ32の回転
方向の慣性によりバルブを開き、バルブの迅速作動、遅
延もどり機構を付加したため、ABSとの干渉を確実に
防止することができる。また、ロータリバルブ32を非
常に低い抵抗で動かすことができるので、軽量化を図る
ことができ、重量を軽減することができる。
方向の慣性によりバルブを開き、バルブの迅速作動、遅
延もどり機構を付加したため、ABSとの干渉を確実に
防止することができる。また、ロータリバルブ32を非
常に低い抵抗で動かすことができるので、軽量化を図る
ことができ、重量を軽減することができる。
【0030】なお、本実施例においては、チェックバル
ブ26にオリフィス29を設けたが、代りにロータリバ
ルブ32にオリフィス29Aを設けることもできる(図
12、参照)。次に、図13〜図18は、他の実施例を
示し、軸方向のシリンダーを有する継手のロータリーバ
ルブ方式の油圧式継手の例である。
ブ26にオリフィス29を設けたが、代りにロータリバ
ルブ32にオリフィス29Aを設けることもできる(図
12、参照)。次に、図13〜図18は、他の実施例を
示し、軸方向のシリンダーを有する継手のロータリーバ
ルブ方式の油圧式継手の例である。
【0031】図13において、61はロータリGバルブ
62の慣性重量部分であり、円筒形になっている。ロー
タリGバルブ62は、ロータリバルブ63の突起64が
回動自在に挿入される切欠き65を有する(図18、参
照)。普通使用条件においては開放路66がロータリG
バルブ62のランド67で閉止状態にある(図14、参
照)。
62の慣性重量部分であり、円筒形になっている。ロー
タリGバルブ62は、ロータリバルブ63の突起64が
回動自在に挿入される切欠き65を有する(図18、参
照)。普通使用条件においては開放路66がロータリG
バルブ62のランド67で閉止状態にある(図14、参
照)。
【0032】この時は図16に示すように、ロータリバ
ルブ63の中にあるショックアブソーバピストン68は
ひっこんだ状態となっている。69はロータリGバルブ
62に切られた、ドレーン回路用の溝で図13の69に
示すようにそれほど深いものではない。70は高圧の逃
がし溝である。71は4ケ所に形成された吐出ポートで
あり、背面で連通溝72でつながっている。
ルブ63の中にあるショックアブソーバピストン68は
ひっこんだ状態となっている。69はロータリGバルブ
62に切られた、ドレーン回路用の溝で図13の69に
示すようにそれほど深いものではない。70は高圧の逃
がし溝である。71は4ケ所に形成された吐出ポートで
あり、背面で連通溝72でつながっている。
【0033】図17はABSが作動した時の状態で開放
路66は逃がし溝70に連通し、ショックアブソーバピ
ストン68がとびだして、油はチェックバルブ73が開
いて吸込み口79より油を吸入している(図15、参
照)。74はリテーナーであり、星形をしており、まわ
りのスキマから油が流れるようになっており、外形部が
シリンダー内径に圧入されている。
路66は逃がし溝70に連通し、ショックアブソーバピ
ストン68がとびだして、油はチェックバルブ73が開
いて吸込み口79より油を吸入している(図15、参
照)。74はリテーナーであり、星形をしており、まわ
りのスキマから油が流れるようになっており、外形部が
シリンダー内径に圧入されている。
【0034】吸入された油はリターンスプリング75の
力より、ショックアブソーバスプリング76に打勝って
おしもどされる。この際、油はオリフィス77より外部
に流出する。78は普通状態に使われているオリフィス
である。
力より、ショックアブソーバスプリング76に打勝って
おしもどされる。この際、油はオリフィス77より外部
に流出する。78は普通状態に使われているオリフィス
である。
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、急減速時に回転方向の慣性を利用して、トルクを伝
達しないようにし、バルブの迅速作動・遅延もどり機構
を設けたため、ABSとの干渉を確実に防止することが
できる。また、低い抵抗で弁体を動かせるため、全重量
を小さくすることができる。
ば、急減速時に回転方向の慣性を利用して、トルクを伝
達しないようにし、バルブの迅速作動・遅延もどり機構
を設けたため、ABSとの干渉を確実に防止することが
できる。また、低い抵抗で弁体を動かせるため、全重量
を小さくすることができる。
【図1】本発明の一実施例を示す図
【図2】図1のA−A断面矢視図
【図3】図1のB−B断面矢視図
【図4】図3のロータリバルブの作動時を示す図
【図5】図1のC−C断面矢視図
【図6】図2のD−D断面矢視図
【図7】図2の円Eの円周方向への展開図
【図8】継手の配置位置を示す図
【図9】継手の他の配置位置を示す図
【図10】トルク特性を示すグラフ
【図11】ABS作動時の状況を示す図
【図12】オリフィスをロータリバルブに設けた図
【図13】本発明の他の実施例を示す図
【図14】図13のA−A断面矢視図
【図15】図14のABS作動時を示す図
【図16】図14の拡大断面図
【図17】図15の拡大断面図
【図18】ロータリGバルブの斜視図
1:ケース 2:ベアリング 3:入力軸 4:スプライン部 5:ねじ部 6:ローターシャフト 7:継手 8:中空部 9:段部 10:小径部 11:スプライン部 12:ワッシャー 13:ナット 14:外径部 15:オイルシール 16:エンドブロック 17:カム面 18:ハウジング 19:平面部 20:インロー部 21:ボルト孔 22:プランジャー室 23:プランジャー 24:リターンスプリング 25:吸入吐出孔 26:チェックバルブ 27:スプリング 28:リテーナ 29,29A:オリフィス 30:高圧路 31:高圧路 32:ロータリバルブ(弁体) 33:開放溝 34:スプリング 37:アキュムレータピストン 38:リテーナ 39:リターンスプリング 40:オイルシール 41:オイルシール 42:ニードルベアリング 43:Oリング 51:フロントディファレンシャル 52:フロントプロペラシャフト 53:トランスファ 54:リヤープロペラシャフト 61:慣性重量部分 62:ロータリGバルブ 63:ロータリバルブ 64:突起 65:切欠き 66:開放路 67:ランド 68:ショックアブソーバーピストン 69:ドレーン回路用の溝 70:逃がし溝 71:吐出ポート 72:連通溝 73:チェックバルブ 74:リテーナ 75:リターンスプリング 76:ショックアブソーバスプリング 77,78:オリフィス 79:吸込み口 101:孔 102:ボールピストン 103:スプリング 104:リテーナ 105:チェックスプリング 106:ワンウェイバルブ 107:シリンダ 108:オリフィス
Claims (1)
- 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、両
軸の回転速度差に応じた量の流体を流動させ、流体の流
動抵抗により入出力軸間にトルクを伝達する油圧式動力
伝達継手において、 前記入出力軸の一方に連結される第1回転部材と、入出
力軸の他方に連結される第2回転部材と、該第2の回転
部材にスプリングにより回転方向が自在に設けられ、慣
性と開放溝を有し、トルク伝達時には継手内部の高圧路
を閉止し、急減速時には、回転方向慣性により高圧路を
開放溝に連通する弁体と、該弁体に設けられ高圧路を開
放方向に動くときは、抵抗がなく、閉止方向に動くとき
は、作動を遅延させる機構とを備えたことを特徴とする
油圧式動力伝達継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13845492A JP2786971B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 油圧式動力伝達継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13845492A JP2786971B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 油圧式動力伝達継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05332375A JPH05332375A (ja) | 1993-12-14 |
JP2786971B2 true JP2786971B2 (ja) | 1998-08-13 |
Family
ID=15222393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13845492A Expired - Fee Related JP2786971B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 油圧式動力伝達継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2786971B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61252495A (ja) * | 1985-05-01 | 1986-11-10 | Showa Alum Corp | 横式積層型熱交換器 |
JP4900108B2 (ja) * | 2007-07-20 | 2012-03-21 | トヨタ自動車株式会社 | ピストン型の流体装置 |
-
1992
- 1992-05-29 JP JP13845492A patent/JP2786971B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05332375A (ja) | 1993-12-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |