JP4253792B2 - 油圧式動力伝達継手のドレーン機構 - Google Patents

油圧式動力伝達継手のドレーン機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、路面状況によって入力軸から出力軸に伝達されるトルクが変化する油圧式動力伝達継手のドレーン機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
4WD駆動機構を有する自動車であっても平坦路を走行する場合には常時4WDで走行するより、平坦路は通常の2WD駆動と同様に一方の駆動輪を駆動するのみでよいが、路面状況によって大きなトルクが要求されるようになったときには他方の駆動輪にも必要なトルクが伝わるようにしたほうが経済性良く走行できる。
【0003】
このため、本願出願人は例えば特開2000−320577号公報において油圧式動力伝達継手を提案している。図4はその原理説明図であり、入力軸200と出力軸201との間にトルク伝達部202と、安全装置203からなる動力伝達継手204があり、トルク伝達部202は図5の記号Aに示すように入力軸200と出力軸201の差動回転数の二乗に対応したロ付くが得られるようになっており、悪路あるいは坂道などで大きなトルクが必要となったときには所望のトルクを伝達するようにしている。
【0004】
しかし、高トルクが連続するとオイル温度が上昇して、所定温度以上にオイル温度が上昇すると継手保護のため、安全装置203によってオイルのドレン機構を動作させ、トルク伝達部202で伝達するトルクが少なくなるようにして、オイル温度が上昇しないようにしている。
【0005】
図6は従来装置に用いられている安全装置の断面図であり、所定温度に達する前の状態を示している。図6においてバルブブロック27は、出力軸201と一体に回転するロータの回転に応じて回転する。バルブブロック27には、収納室50が形成され、収納室50にはねじ部51が形成され、スイッチプラグ52がねじ込まれている。
【0006】
バルブブロック27の上端部には後述するニードルベアリングの受座53が形成され、受座53から収納室50を貫通して、固定ピン54が挿入され、後述するニードルベアリングが抜け止めとなり固定されている。収納室50には金属製のリミッタプラグ55が挿入され、リミッタプラグ55は軸方向に見た断面が略コの字形状に形成されている。
【0007】
リミッタプラグ55には高圧側に連通する連通孔56が形成されている。連通孔56は径が小さく形成され、高圧を設定できるようにしている。リミッタプラグ55内には、リミッタピン60が連通孔56に対し開閉可能に収納され、連通孔56を開閉するための突起61を有する。
【0008】
突起61は断面が略三角形状のコーン状に形成され、突起61のテーパ部が連通孔56の開口端部に当接する。リミッタピン60の突起61の反対側は開放され、図6のVIII−VIII断面となる図8のように、凹部63が形成されている。リミッタピン60の凹部63を貫通して固定ピン54が設けられ、リミッタピン60が移動して連通孔56を開いた状態では凹部63の底部が固定ピン54に当接して、リミッタピン60の移動が規制されるようになっている。
【0009】
再び図6を参照するに、リミッタピン60がリミッタプラグ55に収納されるドレーン室64には、リミッタプラグ55に形成した排出孔59(図8)が開口し、排出孔59はバルブブロック27に形成したドレーン通路65に連通している。連通孔56を通ったオイルは、ドレーン室64、排出孔59を経てドレーン通路65に入り、その後、低圧室にドレーンされる。
【0010】
スイッチプラグ52の右側には低圧室66が形成され、低圧室66にはサーモスイッチ67が移動自在に収納される。サーモスイッチ67の後部外周には段部68が形成され、段部68とスイッチプラグ52との間にはリターンスプリング69が介装され、また、サーモスイッチ67の底部とスイッチプラグ52との間にもリターンスプリング70が介装されている。
【0011】
サーモスイッチ67は、これらのリターンスプリング69,70に付勢されて、リミッタピン60を左方向に押圧して連通孔56を閉止している。サーモスイッチ67の先端中央にはヘッドピン71が突出しており、所定温度以内の作動前においては、ヘッドピン71と固定ピン54の間にはわずかな間隙が保持されている。所定温度になると、ヘッドピン71が伸びて固定ピン54に当り、その反力でサーモスイッチ67がリターンスプリング69,70に抗して右方向に後退移動し、高圧側からの高圧でリミッタピン60が右方向に移動して連通孔56を開くようになっている。
【0012】
また、所定トルク以上になると、連通孔56を通ってリミッタピン60に作用する高圧によって、リミッタピン60はリターンスプリング69,70に抗して右方向に移動し、徐々に連通孔56を開く。バルブブロック27に形成された収納室50の底部には、リミッタプラグ55に続いてドレーンプラグ72が配置され、ドレンーンプラグ72の先端にはドレーン孔73が形成されている。
【0013】
ドレーンプラグ72内にはドレーンスプリング74に付勢されたドレーンピン75が摺動自在に収納されている。ドレーンピン75の内部には第1の高圧室76が形成され、第1の高圧室76は連通孔56を介してリミッタプラグ55のドレーン室64に連通すると共に、先端部に形成された通し孔77を介してバルブブロック27に形成した第2の高圧室78に連通している。第1の高圧室76内にはドレーンスプリング74が介装され、ドレーンスプリング74の一端はドレーンピン75の通し孔77の内壁に、他端はリミッタプラグ55に係止されている。
【0014】
ドレーンピン75とドレーンプラグ72との間にはオイルシール79が装着され、また、ドレーンピン75にはオリフィス80が形成されている。オリフィス80は、ドレーンプラグ72とドレーンピン75との間に形成されたドレーン室81とドレーンピン75の内部の第1の高圧室76を連通し、オイルがオリフィス80を通過するときの流動抵抗により、後述するプランジャに反力を発生させ、ハウジングとロータとの間でトルクを伝達させる。ドレーン室81はドレーン通路82に連通し、ドレーン室81に入ったオイルはドレーン通路82から低圧室にドレーンされる。なお、87a,87bはリーク防止用のアルミワッシャーである。
【0015】
オイルが所定の温度に達すると、図7のように、サーモスイッチ67のヘッドピン71が伸びることで作動し、サーモスイッチ67が固定ピン54に対する押圧で右方向に移動してリミッタピン60をフリーとする。このためリミッタピン60が第1の高圧室76の油圧に抗して後退移動することで連通孔56を開く。このためドレーンピン75の第1の高圧室76の油圧は一気に低下し、ドレーンスプリング74のスプリング力より勝る第2の高圧室78の油圧により、ドレーンピン75が後退してドレーン孔73を開き、オイルをドレーンする。
【0016】
一方、サーモスイッチが作動しない状態で所定トルクに達したときは、第1の高圧室76の油圧がリターンスプリング69,70のスプリング力より大きくなり、リミッタピン60が連通孔56を開いて調圧するため、第1の高圧室76の油圧にドレーンスプリング74のスプリング力を加えた力と、第2の高圧室78の油圧のつり合いが変化し、ドレーンピン75自身が油圧で徐々にバランスしながら、ドレーン孔73を開き、第2の高圧室のオイルをドレーンして調圧する。
【0017】
第2の高圧室78には3本の高圧路83,84,85を介して高圧ポート86に連通している。オイルは高圧ポート86から矢印Dのように、高圧路83,84,85を通って第2の高圧室78に供給される。
【0018】
次に、作用を説明する。サーモスイッチ67に加わる温度が所定温度に達しない通常時においては、高圧ポート86から油圧は矢印Dのように高圧路83,84,85を通って第2の高圧室78に供給されている。第2の高圧室78のオイルはドレーンピン75の通孔77を通って第1の高圧室76に入り、さらにオリフィス80を通ってドレーン室81に開放される。したがって、第1の高圧室76と第2の高圧室78の油圧は同一になっている。
【0019】
リターンスプリング69,70は、サーモスイッチ67を介してリミッタピン60を押圧しており、リターンスプリング69,70のスプリング力は第1の高圧室76の油圧より勝っており、リミッタピン60は、連通孔56を閉止している。また、ドレーンピン75は、ドレーンスプリング74と第1高圧室76の油圧反力により左方向に付勢され、ドレーン孔73を閉止している。したがって、油圧はシールされている。
【0020】
一方、第1の高圧室76に入った油圧は、オリフィス80を通ってドレーン室81から矢印Cのように、ドレーン通路82を経て低圧室にドレーンされる。この通常時のトルク特性は、図5の特性Aに示すように、差動回転数ΔNの2乗に比例するトルクΔTが得られる。サーモスイッチ67に加わる温度が所定の温度に達すると、サーモスイッチ67のヘッドピン71は、図7のように、左方向に伸びて固定ピン54に当たり、その反力で図7のように、サーモスイッチ67はリターンスプリング69,70に抗して右方向に後退移動する。このため、リミッタピン60を押し付ける力がカットされ、リミッタピン60は強制的にリリーフされる。
【0021】
リミッタピン60が後退して連通孔56を開くと、ドレーン室64内の油圧はドレーン通路65から低圧室66にドレーンされ、ドレーンピン75の第1の高圧室76の油圧が一気に低下する。このため、ドレーンスプリング74のスプリング力に勝る第2の高圧室78の油圧によりドレーンピン75は後退してドレーン孔73を開き、オイルをドレーンする。このときのトルク特性は、図5の
特性Bのように、トルクはほとんどなくなり、差動回転数ΔNの増加に伴ってトルクΔTが増加することがない。
【0022】
次に、サーモスイッチが作動する前の状態で所定のトルクに達すると、第1の高圧室76の油圧とリターンスプリング69,70のスプリングのつり合いが変化し、リミッタピン60に作用する第1の高圧室76の油圧がリターンスプリング69,70のスプリング力に勝り、リミッタピン60は連通孔56を開き、バランスを取るように調圧する。このため、第1の高圧室76の油圧にドレーンスプリング74のスプリング力を加えた力と、第2の高圧室78の油圧のつり合いが変化する。この場合、第2の高圧室78の油圧が第1の高圧室76の油圧にドレーンスプリング74のスプリング力を加えたものに勝り、ドレーンピン75がドレーン孔73を徐々に開く。こうしてドレーンピン75自身が油圧で徐々にバランスをとりながら、オイルをドレーンする。このときのトルク特性は、図5の特性Cのように、所定のトルクΔT1以上ではトルク一定に保つことができる。このように、ドレーンピン75自身が油圧バランスで作動し、トルクΔTを一定に保持することができ、しかも温度による4WDから2WDへの移行機構と、トルクリミッタ機構を兼用し、トルクリミッタの機能も持つことができる。
【0023】
【特許文献】
特開2000−320577号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の装置はオイル温度が所定値以上に上昇したときは継手保護のため安全装置であるオイルのドレン機構が作動する。オイル温度が上昇するときはトルクが必要なときであるのに、安全装置が作動してしまうので必要なトルクが得られないという課題を有している。
【0025】
このため本願発明はオイル温度が上昇してもトルクが減少せず、しかも継手保護できるようにしたものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために本願発明は、相対回転自在な入力軸と出力軸の間に設けられ、前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手のドレーン機構を対象とする。
【0027】
このような装置において本願発明は、バルブブロック内の高圧室と低圧室との間に位置し回転速度差によって生じるオイル流速に対応した流動抵抗を発生するオリフィスと、バルブブロック内の低圧室内に第1のスプリングに付勢されて所定位置に設けられ所定温度になると第1のスプリングの付勢力より強い突出力で突出するヘッドピンを備えたサーモスイッチと、バルブブロック内のオリフィスとサーモスイッチの間で摺動自在に設けられ、第2のスプリングにより前記サーモスイッチ方向に付勢されて高圧室に通じるオリフィスを開放し、所定温度に達したときは突出するヘッドピンに押圧されオリフィスを閉鎖するプランジャとから構成され、サーモスイッチは、ヘッドピンがプランジャの押圧限界以上に突出したときは所定位置からヘッドピンの突出方向と反対方向に移動することを特徴とする。
【0028】
このように構成された装置は、通常動作時は入力軸と出力軸との差動回転数が大きくなるほどオイル流量が増え、オリフィスを通過するときのオイルの流動抵抗による反力がトルク伝達部に伝えられ反力の大きさに対応したトルクが伝えられる。オイル温度が所定値以上になるとサーモスイッチが動作しオリフィスを塞ぐので、入力軸と出力軸の回転差がほとんどゼロの状態になり、入力軸のトルクは全て出力軸に伝えられる。また、回転差がほとんどゼロとなるため、発熱エネルギが発生せず、カップリングオイルの温度上昇を防ぐことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のドレーン機構が用いられる油圧式動力伝達機構を示す断面図であり、コンパニオンフランジ1は前輪駆動軸となる図示しないプロペラシャフトに連結され、コンパニオンフランジ1にはカムハウジング軸部2が挿入され、スプライン結合されている。カムハウジング軸部2の右側にはカムハウジング軸部2と一体に回転する円板状のカム面9が設けられ、このカム面の中心から放射状に例えば4カ所の山が設けられ、それぞれの山にロータ12に収容されたプランジャ16が係合するようになっている。したがってプランジャ室15は軸部を中心としてこの例では9カ所に設けられている。プランジャ室15の右側にはバルブブロック27が設けられ、このバルブブロック27に継手保護装置である本願発明のドレン機構が収容されている。
【0030】
図2はドレン機構の断面図であり、図2(A)はオイルが所定温度に達する前、図2(B)はオイルが所定温度に達した状態の時の状態を示している。図2においてバルブブロック27の左端部は図3に示すように外側に凹部27aが設けられ、その凹部27aから中心方向に向けて孔が穿設され、その孔の一部が第1の収納室50aとなり、その孔が更に大径なるように途中まで穿設され第2の収納室50bとなっている。
【0031】
図2に戻り、第1の収納室50aの右側は円錐状に絞られた規制部51を形成し、規制部51の右端は小径のオリフィス52を介して高圧路53と連通している。高圧路53は高圧室54を介して図1の高圧室28に通じている。
【0032】
第1の収納室50aには右端先端が円錐状をしたプランジャ55がスプリング56に介挿されて実装され左方に付勢され、第2の収納室50bにはサーモスイッチ57がスプリング58に介挿されて実装され右方に付勢されている。プランジャ55の左端は凹部55aが穿設され、その凹部55aにサーモスイッチ57のヘッドピン71が当接している。スプリング58の左端はバルブブロック27に埋込まれたスプリング止め62に係合されている。更に第1の収納室50aにはドレン通路64が穿設されており、図1の低圧室19に通じている。
【0033】
再び図1について説明すると、カムハウジング軸部2の外周にはフロントベアリング3が設けられ、フロントベアリング3を介してカムハウジング軸部2はデフケース4に支持されている。デフケース4とコンパニオンフランジ1との間にはシール部材5およびカバー6が設けられ、シール部材5およびカバー6によりごみなどの異物の侵入およびデフオイルの流出を防止している。
【0034】
カムハウジング軸部2の右側は溶接部7でハウジング8が固定され、内側面にはカム面9が形成されている。また、カムハウジング軸部2にはオイルを継手内部に注入し、または排出するためのプラグ10、11が挿入されている。ハウジング8内には回転自在にロータ12が収納される。ロータ12はメインシャフト13に係合され、メインシャフト13と一体で回転する。
【0035】
メインシャフト13内には右側よりリアデフのドライブピニオンギア14が挿入固定され、リアデフを介して後輪に駆動トルクを伝える。ロータ12にはプランジャ室15が形成され、プランジャ室15内はプランジャ16がリターンスプリング17を介して摺動自在に収納されている。なお、ロータ12には前述したようにプランジャ室15が軸回りにこの例では9個設けられている。
【0036】
プランジャ室15内はプランジャ16がリターンスプリング17を介して摺動自在に収納されている。プランジャ16の頭部側には吸入路18が形成され、吸入路18は低圧室19に連通している。吸入路18とプランジャ室15は連通孔20により連通し、連通孔20はボールよりなる吸入用のワンウェイバルブ21により開閉される。プランジャ室15の内部には弁座22が形成され、弁座22にはワンウェイバルブ21が着座する。弁座22の段部にはチェックプラグ23が設けられ、チェックプラグ23とワンウェイバルブ21との間には、ワンウェイバルブ21を押圧し、位置決めためのチェックスプリング(図示しない)が介装されている。
【0037】
チェックプラグ23とロータ12の底部との間にはリターンスプリング17が介装されている。ロータ12には吐出孔24が形成され、吐出孔24はプランジャ室15に連通している。吐出孔24にはボールよりなる吐出用のワンウェイバルブ25が設けられている。すなわち、吐出孔24には弁座26が形成され、弁座26にはワンウェイバルブ25が着座する。
【0038】
ロータ12に続いてはバルブブロック27が設けられる。バルブブロック27にはロータ12の吐出孔24に連通する高圧室28が形成されている。高圧室28に規制部材29が突出し、規制部材29はワンウェイバルブ25を所定の位置に位置決めする。バルブブロック27にはオリフィスを備えたオリフィス部材31が設けられ、高圧室28は図2の高圧室54に接続され、図2のドレン通路64は図1のオリフィス部材31の排出路に通じている。バルブブロック27とロータ12はピン32により位置決めされ、ボルト33で固定されている。
【0039】
プランジャ16が吸入行程にあるときは、プランジャ16の頭部に設けた吸入用のワンウェイバルブ21が開き、低圧室19、吸入路18、連通孔20を通じてプランジャ室15にオイルを吸入する。このとき、ロータ12の吐出孔24に設けた吐出用のワンウェイバル25は閉じ、高圧室28からのオイルの逆流を阻止する。また、プランジャ16が吐出行程にあるときは、吐出側のワンウェイバルブ25が開き、プランジャ室15のオイルは、吐出孔24、高圧室28からバルブブロック27に設けた高圧室54に供給される。
【0040】
このとき、吸入用のワンウェイバルブ21は閉じて連通孔20、吸入路18から低圧室19にオイルがリークするのを防止する。バルブブロック27に続いてはベアリングリテーナ34が設けられる。ベアリングリテーナ34は、ハウジング8に圧入固定され、スナップリング35により位置決めされている。ベアリングリテーナ34はハウジング8と一体で回転する。ベアリングリテーナ34には通孔36が形成され、通孔36は低圧室19に連通している。
【0041】
また、ベアリングリテーナ34とバルブブロック27およびベアリングリテーナ34とメインシャフト13との間には、ニードルベアリング37,38がそれぞれ介装される。またベアリングリテーナ34とメインシャフト13との間にはオイルシール39が設けられ、オイルシール39によりオイルの流出を防止している。ベアリングリテーナ34の外側にはオイルの熱膨張、収縮を吸収するためのアキュムレータピストン40が摺動自在に設けられ、アキュムレータピストン40によりアキュムレータ室41が画成されている。
【0042】
アキュムレータ室41はベアリングリテーナ34の通孔36を介して低圧室19に連通している。アキュムレータピストン40とハウジング8との間およびアキュムレータピストン40とベアリングリテーナ34との間にはオイルのもれを防止するOリング42,43がそれぞれ介装されている。アキュームリテーナ44は、その外周端をハウジング8に固定している。
【0043】
アキュームリテーナ44とアキュムレータピストン40の底部との間にはリターンスプリング45が介装されている。ベアリングリテーナ34の延在部の外周にはリアベアリング47が設けられ、リアベアリング47を介してベアリングリテーナ34はデフケース4に支持されている。更に、メインシャフト13の左側の開口部には、潤滑用油溝48とシール部材49が設けられる。
【0044】
次に動作を説明する。平坦路を走行中は入力軸200と出力軸201の差動回転が少ないので、プランジャ室15におけるオイルの吸入、排出は緩慢なものとなる。すなわち、図1のカム面9に設けた山とプランジャ16が当接しているが、入力軸200と出力軸201の差回転が少ないので、プランジャ16がカム面9の山を乗り越える回数も少ないため、プランジャ16の往復動回数は少なく、オイルの吸入、排出が緩慢なものになる。
【0045】
プランジャ室15に吸入されたオイルはワンウェイバルブブロック25、高圧室28、図2の高圧室54、オリフィス52、規制部51、ドレン通路64、図1の低圧室19の経路で流れる。オイル温度が所定値に達していないとき、サーモスイッチ57は動作していないので図2(A)の状態にある。
【0046】
このときオイルは前述の経路で流れるが、オリフィス52の部分が狭くなっているので流動抵抗が生ずる。差動回転数が少ない場合はオイルの流れる速度が小さいので流動抵抗は小さいが、差動回転数が大きくなりオイルの流れる速度が大きくなるとオリフィス52での流動抵抗が大きくなる。このため、図5の記号Aに示すように差動回転数の二乗に比例したトルクが伝達される。なお、図2の例では後述するようにオイル温度が所定以上に上昇しないので、温度2WD機能は設けていない。
【0047】
差動回転数が大きくなるに従い、図1のカム面9とプランジャ16との摩擦によりオイル温度が上昇し、所定温度以上になると図2(B)に示すようにサーモスイッチ57が動作し、ヘッドピン71が突出し、プランジャ55を図において右方向に移動させるので、プランジャ55の先頭部55bが規制部51に当接し、オリフィス52を塞ぐので、オイル通路が断たれる。
【0048】
スプリング56はオイル温度が所定値以下の時にプランジャ55を図2(A)の位置に戻すため、スプリング58はサーモスイッチ57のヘッドピンが所定以上に伸びたときサーモスイッチ57本体を左側に移動させサーモスイッチ57の内部破損を防止している。
【0049】
この結果、流動抵抗が最大となり、図1のプランジャ室15のオイルは排出されなくなることから、プランジャ16の移動も停止し、プランジャ16はカム面9に押しつけられたままとなる。この状態になるとカムハウジング軸部2の回転はそのままドライブピニオンギヤ14に伝えられるので、プランジャ16とカム面9との摩擦は発生せず、これ以上のオイル温度の上昇は発生しない。
【0050】
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損うことのない適宜の変形を含む。また本発明は、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、通常時はオリフィスを介してオイル流路を確保しているので、オリフィスでのオイルの流動抵抗により入力軸と出力軸の差動回転数に対応したトルクが発生してそれが伝達されるが、差動回転数が大きくなるに従いオイル温度が上昇するので、オイル温度が所定値以上になったときにサーモスイッチが動作してオリフィスを塞ぎ、オイル流路が断つことから流動抵抗が最大になり、入力軸の回転はそまま出力軸に伝達されるので、差動回転がなくなることからオイル温度は上昇が停止する。この結果、オイル温度が上昇した場合に従来はオイルがドレンされ、急にトルクが小さくなり走行に支障を来していたが、本願発明のものはオイル温度が所定値に達してもオイルをドレンしないのでトルクが小さくなることがなく、悪路を走行中での必要なトルクが得られる。
【0052】
また、オイル温度が所定値になったときにオリフィスを塞ぐ構造であることから従来のものに比べて構造が簡単になり、構造が簡単になることから部品点数も減少し、従来のものはコンタミ詰まりに対応するため各部品の精度も厳密に管理していたが、本願発明は部品点数が少なくなることから部品精度の管理も容易になるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドレーン機構が用いられる油圧式動力伝達継手の断面図
【図2】本発明の一実施形態を示す断面図
【図3】図2の凹部27の部分の詳細を示す斜視図
【図4】動力伝達の原理を示す図
【図5】トルク特性を示すグラフ
【図6】従来例のドレーン機構でオイル温度が所定温度に達する前の動作状態を示す断面図
【図7】従来例のドレーン機構でオイル温度が所定温度に達した後の動作状態を示す断面図
【図8】図5のVIII−VIII断面図
【符号の説明】
1:コンパニオンフランジ
2:カムハウジング軸部
3:フロントベアリング
4:デフケース
5,49:シール部材
6:カバー
7:溶接部
8:ハウジング
9:カム面
10,11:フラグ
12:ロータ
13:メインシャフト
14:ドライブピニオンギア
15:プランジャ室
16:プランジャ
17:リターンスプリング
18:吸入路
19:低圧室
20:連通孔
21:吸入用のワンウェイバルブ
22,26:弁座
23:チェックプラグ
24:吐出孔
25:吐出用のワンウェイバルブ
27:バルブ
28:高圧室
29:規制部材
30:オリフィス
31:オリフィス部材
32:ピン
33:ボルト
34:ベアリングリテーナ
35:スナップリング
36:通孔
37,38:ニードルベアリング
39:オイルシール
40:アキュムレータピストン
41:アキュムレータ室
42,43:Oリング
44:アキュームリテーナ
45,46:リターンスプリング
47:リアベアリング
48:潤滑用油溝
50,50a,50b:収納室
51:規制部
52:オリフィス
53:高圧路
54:高圧室
55:プランジャ
55a:凹部
55b:先端部
56,58:スプリング
57:サーモスイッチ
59:排出孔
60:リミッタピン
62:スプリング止め
64:ドレーン通路

Claims (2)

  1. 相対回転自在な入力軸と出力軸の間に設けられ、前記両軸の回転速度差に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手のドレーン機構に於いて、
    バルブブロック内の高圧室と低圧室との間に位置し前記回転速度差によって生じるオイル流速に対応した流動抵抗を発生するオリフィスと、
    前記バルブブロック内の低圧室内に第1のスプリングに付勢されて所定位置に設けられ所定温度になると前記第1のスプリングの付勢力より強い突出力で突出するヘッドピンを備えたサーモスイッチと、
    前記バルブブロック内のオリフィスとサーモスイッチの間で摺動自在に設けられ、第2のスプリングにより前記サーモスイッチ方向に付勢されて前記オリフィスを開放し、前記所定温度に達したときは前記突出するヘッドピンに押圧され前記オリフィスを閉鎖するプランジャと
    から構成され、前記サーモスイッチは、前記ヘッドピンが前記プランジャの押圧限界以上に突出したときは前記所定位置から前記ヘッドピンの突出方向と反対方向に移動することを特徴とする油圧式動力伝達継手のドレーン機構。
  2. 請求項1記載の油圧式動力伝達継手のドレーン機構に於いて、
    油圧式動力伝達継手は、
    前記入力軸に連結され内面側にカム面を形成したハウジングと、
    前記出力軸に連結されると共に前記ハウジング内に回転自在に収納され複数のプランジャ室を軸方向に形成したロータと、
    前記複数のプランジャ室のそれぞれにリターンスプリングの押圧を受けて往復移動自在に摺動されると共に前記両軸の相対回転時に前記カム面によって駆動される複数のプランジャと、
    前記ロータに形成され前記プランジャ室に通じる吐出孔と、
    を備え、
    前記バルブブロックを前記ロータに連結し、前記プランジャの駆動による吐出油が前記バルブブロックに設けたオリフィスを通る際の流動抵抗によって前記プランジャに反力を発生させて前記ハウジングとロータとの間でトルクを伝達させることを特徴する油圧式動力伝達継手のドレーン機構。
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