JPH0819974B2 - 制御型回転差感応継手 - Google Patents
制御型回転差感応継手Info
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- JPH0819974B2 JPH0819974B2 JP17166389A JP17166389A JPH0819974B2 JP H0819974 B2 JPH0819974 B2 JP H0819974B2 JP 17166389 A JP17166389 A JP 17166389A JP 17166389 A JP17166389 A JP 17166389A JP H0819974 B2 JPH0819974 B2 JP H0819974B2
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- rotor
- rotating shaft
- sleeve
- rotating
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- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、四輪駆動車等の多輪駆動車の駆動力配分装
置や前後輪及び左右輪の差動装置や前後輪及び左右輪の
差動制限装置等として用いられる制御型回転差感応継手
の改良に関する。
置や前後輪及び左右輪の差動装置や前後輪及び左右輪の
差動制限装置等として用いられる制御型回転差感応継手
の改良に関する。
(従来の技術) 従来の制御型回転差感応継手としては、特開昭63−10
1567号の公報に記載されているような継手が知られてい
る。
1567号の公報に記載されているような継手が知られてい
る。
この従来継手には、同軸上に相対回転可能に配置され
た第1の回転軸及び第2の回転軸と、該第1,第2の回転
軸の相対回転速度差に応じて吐出される流体量をオリフ
ィスによる流出規制で流体圧に変換し、さらに、この流
体圧を両軸間の伝達トルクに変換する回転差感応継手
と、回転部に設けられたアクチュエータによりオリフィ
スの開口面積を変更するスプールが示されている。
た第1の回転軸及び第2の回転軸と、該第1,第2の回転
軸の相対回転速度差に応じて吐出される流体量をオリフ
ィスによる流出規制で流体圧に変換し、さらに、この流
体圧を両軸間の伝達トルクに変換する回転差感応継手
と、回転部に設けられたアクチュエータによりオリフィ
スの開口面積を変更するスプールが示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の制御型回転差感応継
手にあっては、互いに相対回転が可能な第1の回転軸と
第2の回転軸のみが存在する為、スプール及びアクチュ
エータを回転中心軸部に設けることができるが、例え
ば、この継手を後輪駆動ベースの四輪駆動車の駆動力配
分制御装置として適用した場合のように、第1,第2の回
転軸以外に軸心位置に第3の回転軸が貫通状態で存在す
る場合には、スプール及びアクチュエータを回転中心軸
部に設けることができない。
手にあっては、互いに相対回転が可能な第1の回転軸と
第2の回転軸のみが存在する為、スプール及びアクチュ
エータを回転中心軸部に設けることができるが、例え
ば、この継手を後輪駆動ベースの四輪駆動車の駆動力配
分制御装置として適用した場合のように、第1,第2の回
転軸以外に軸心位置に第3の回転軸が貫通状態で存在す
る場合には、スプール及びアクチュエータを回転中心軸
部に設けることができない。
そこで、第1,第2の回転軸以外に軸心位置に第3の回
転軸が貫通状態で存在する場合には、第6図に示すよう
に、非回転部に図外のアクチュエータを設け、該アクチ
ュエータに連結される複数のロッドを第3の回転軸を取
り囲むように回転軸心位置からオフセットした位置に配
置し、該複数のロッドの先端にスプールを設け、該スプ
ールのストローク位置によりオリフィスの開口面積を変
更可能とする案がある。
転軸が貫通状態で存在する場合には、第6図に示すよう
に、非回転部に図外のアクチュエータを設け、該アクチ
ュエータに連結される複数のロッドを第3の回転軸を取
り囲むように回転軸心位置からオフセットした位置に配
置し、該複数のロッドの先端にスプールを設け、該スプ
ールのストローク位置によりオリフィスの開口面積を変
更可能とする案がある。
しかしながら、第7図に示す制御型回転差感応継手に
あっても、下記に述べる問題を有する。
あっても、下記に述べる問題を有する。
ロータと共に回転するロッドのスライドストローク
は非回転部材に設けたアクチュエータにより行なう必要
がある為、アクチュエータに設けられるストローク部材
(例えばフオーク)と、ロッドとの間には回転摺動部分
が存在することになり、この回転摺動部において摩耗が
発生する。
は非回転部材に設けたアクチュエータにより行なう必要
がある為、アクチュエータに設けられるストローク部材
(例えばフオーク)と、ロッドとの間には回転摺動部分
が存在することになり、この回転摺動部において摩耗が
発生する。
オリフィスとスプールにより放射状に複数個のバル
ブが形成される為、オリフィス開口面積を均一に制御す
るのが困難であると共に部品点数が増す。
ブが形成される為、オリフィス開口面積を均一に制御す
るのが困難であると共に部品点数が増す。
高圧発生に対して油密状態を保つロッドシールが往
復動シールとなる為、シールの信頼性向上が難しい。
復動シールとなる為、シールの信頼性向上が難しい。
本発明は、上述のような問題に着目してなされたもの
で、外部アクチュエータによりオリフィスの開口面積を
変更可能な制御型回転差感応継手において、第1,第2の
回転軸以外に軸心位置に第3の回転軸が貫通状態で存在
する場合に適用できると共に、オリフィス開口面積変更
手段の耐久信頼性向上と、オリフィス開口面積の均一制
御容易性と、部品点数の低減と、シール信頼性向上とを
達成することを課題とする。
で、外部アクチュエータによりオリフィスの開口面積を
変更可能な制御型回転差感応継手において、第1,第2の
回転軸以外に軸心位置に第3の回転軸が貫通状態で存在
する場合に適用できると共に、オリフィス開口面積変更
手段の耐久信頼性向上と、オリフィス開口面積の均一制
御容易性と、部品点数の低減と、シール信頼性向上とを
達成することを課題とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために本発明の制御型回転差感応
継手では、スリーブの外周面とロータの内周面でオリフ
ィス開口面積を変更できるロータリバルブを構成し、ス
リーブとロータの相対回転を複列の遊星歯車機構により
与える手段とした。
継手では、スリーブの外周面とロータの内周面でオリフ
ィス開口面積を変更できるロータリバルブを構成し、ス
リーブとロータの相対回転を複列の遊星歯車機構により
与える手段とした。
即ち、同軸上に相対回転可能に配置された第1の回転
軸及び第2の回転軸と、前記第1,第2の回転軸と同軸上
の回転軸心位置に貫通状態で配置された第3の回転軸
と、前記第1,第2の回転軸の相対回転速度差に応じて吐
出される流量をオリフィスによる流出規制で流体圧に変
換し、さらに、この流体圧を両軸間の伝達トルクに変換
する回転差感応継手と、前記第1,第2の回転軸の一方に
連結され、内周面にオリフィスが形成されたロータと、
前記第3の回転軸の外周に配置され、外周面に流体溝が
形成されたスリーブと、非回転部に設けられたアクチュ
エータに連結され、互いに周面接触する前記スリーブと
ロータとの相対位置を変化させるべく両者に相対回転を
与える複列の遊星歯車機構とを有するオリフィス開口面
積変更手段と、を備えている事を特徴とする。
軸及び第2の回転軸と、前記第1,第2の回転軸と同軸上
の回転軸心位置に貫通状態で配置された第3の回転軸
と、前記第1,第2の回転軸の相対回転速度差に応じて吐
出される流量をオリフィスによる流出規制で流体圧に変
換し、さらに、この流体圧を両軸間の伝達トルクに変換
する回転差感応継手と、前記第1,第2の回転軸の一方に
連結され、内周面にオリフィスが形成されたロータと、
前記第3の回転軸の外周に配置され、外周面に流体溝が
形成されたスリーブと、非回転部に設けられたアクチュ
エータに連結され、互いに周面接触する前記スリーブと
ロータとの相対位置を変化させるべく両者に相対回転を
与える複列の遊星歯車機構とを有するオリフィス開口面
積変更手段と、を備えている事を特徴とする。
(作 用) 第1の回転軸と第2の回転軸との間に相対回転速度差
が生じた場合には、相対回転速度差に応じて吐出される
流量をオリフィスによる流出規制で流体圧に変換され、
さらに、この流体圧を両軸間の伝達トルクに変換され
る。
が生じた場合には、相対回転速度差に応じて吐出される
流量をオリフィスによる流出規制で流体圧に変換され、
さらに、この流体圧を両軸間の伝達トルクに変換され
る。
そして、この伝達トルク特性を変更する場合は、非回
転部に設けられたアクチュエータを所定の制御指令によ
り駆動させると、アクチュエータに連結されている複列
の遊星歯車機構がスリーブとロータとに相対回転を与
え、内周面にオリフィスが形成されたロータと外周面に
流体溝が形成されたスリーブとの相対位置が変化するこ
とでオリフィスの開口面積が変更される。
転部に設けられたアクチュエータを所定の制御指令によ
り駆動させると、アクチュエータに連結されている複列
の遊星歯車機構がスリーブとロータとに相対回転を与
え、内周面にオリフィスが形成されたロータと外周面に
流体溝が形成されたスリーブとの相対位置が変化するこ
とでオリフィスの開口面積が変更される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
まず、構成を説明する。
第5図は実施例の制御型回転差感応継手Aが適用され
た四輪駆動車のパワートレーンを示すスケルトン図で、
制御型回転差感応継手Aは、エンジン横置きで後輪を直
接駆動する四輪駆動車の前輪駆動系への動力伝達経路の
途中にセンターディファレンシャルと前輪への駆動力配
分制御装置とを兼用する継手として設けられている。
た四輪駆動車のパワートレーンを示すスケルトン図で、
制御型回転差感応継手Aは、エンジン横置きで後輪を直
接駆動する四輪駆動車の前輪駆動系への動力伝達経路の
途中にセンターディファレンシャルと前輪への駆動力配
分制御装置とを兼用する継手として設けられている。
第5図において、後輪駆動系として、エンジン1、ト
ランスミッション(クラッチを含む)2、トランスミッ
ション2の最終段ギヤ21により駆動される第1回転メン
バ24(第1の回転軸)、トランスファギヤトレーン9、
プロペラシャフトジョイント13、プロペラシャフト10,1
1,12、リヤディファレンシャル15、リヤドライブシャフ
ト16,17、後輪19,20を備えており、前輪駆動系として、
トランスアクスルケース23内に、第1回転メンバ24、制
御型回転差感応継手A、フロントディファレンシャルケ
ースと一体の第2回転メンバ22(第2の回転軸)、フロ
ントディファレンシャル3、左フロントドライブシャフ
ト4(第3の回転軸)、右フロントドライブシャフト
5、ジョイント6、前輪7,8を備えている。
ランスミッション(クラッチを含む)2、トランスミッ
ション2の最終段ギヤ21により駆動される第1回転メン
バ24(第1の回転軸)、トランスファギヤトレーン9、
プロペラシャフトジョイント13、プロペラシャフト10,1
1,12、リヤディファレンシャル15、リヤドライブシャフ
ト16,17、後輪19,20を備えており、前輪駆動系として、
トランスアクスルケース23内に、第1回転メンバ24、制
御型回転差感応継手A、フロントディファレンシャルケ
ースと一体の第2回転メンバ22(第2の回転軸)、フロ
ントディファレンシャル3、左フロントドライブシャフ
ト4(第3の回転軸)、右フロントドライブシャフト
5、ジョイント6、前輪7,8を備えている。
第1図及び第2図は制御型回転差感応継手Aを示す断
面図である。
面図である。
この制御型回転差感応継手Aのうち、第1,第2回転メ
ンバ24,22の相対回転速度差(前後輪の回転速度差Δ
N)に応じて吐出される流量をオリフィスによる流出規
制で油圧に変換し、さらに、この油圧を両回転メンバ2
2,24間の伝達トルク(前輪側への伝達トルクΔT)に変
換する前後輪駆動力配分機能を示す回転差感応継手部の
構成を説明する。
ンバ24,22の相対回転速度差(前後輪の回転速度差Δ
N)に応じて吐出される流量をオリフィスによる流出規
制で油圧に変換し、さらに、この油圧を両回転メンバ2
2,24間の伝達トルク(前輪側への伝達トルクΔT)に変
換する前後輪駆動力配分機能を示す回転差感応継手部の
構成を説明する。
この回転差感応継手部は、第1回転メンバ24にスプラ
イン結合され、内面にカム面31が形成されたドライブハ
ウジング30と、第2回転メンバ22にスプライン結合され
るロータ40と、両回転メンバ22,24の相対回転によりカ
ム面31に摺接しながら径方向に往復動する放射配置のド
ライビングピストン50と、該ドライビングピストン50の
往復動に伴なって体積変化するシリンダ室60と、該シリ
ンダ室60に連絡通路70及びオリフィス71を介して連通さ
れた油溝室72と、該油溝室72からリターン穴73及び連絡
油路74を介して連通されたアキュムレータ室100と、ア
キュムレータ室100からシリンダ室60に連通されたレギ
ュレータ油路80を備えている。
イン結合され、内面にカム面31が形成されたドライブハ
ウジング30と、第2回転メンバ22にスプライン結合され
るロータ40と、両回転メンバ22,24の相対回転によりカ
ム面31に摺接しながら径方向に往復動する放射配置のド
ライビングピストン50と、該ドライビングピストン50の
往復動に伴なって体積変化するシリンダ室60と、該シリ
ンダ室60に連絡通路70及びオリフィス71を介して連通さ
れた油溝室72と、該油溝室72からリターン穴73及び連絡
油路74を介して連通されたアキュムレータ室100と、ア
キュムレータ室100からシリンダ室60に連通されたレギ
ュレータ油路80を備えている。
尚、第1図及び第2図において、42はシリンダー穴、
43はオイルシール、51はピストンシールリング、81はワ
ンウェイボールバルブ、101はピストンシールリング、1
02はアキュムレータピストン、103はスプリングリテー
ナ、104はリターンスプリング、110はリリーフ穴であ
る。
43はオイルシール、51はピストンシールリング、81はワ
ンウェイボールバルブ、101はピストンシールリング、1
02はアキュムレータピストン、103はスプリングリテー
ナ、104はリターンスプリング、110はリリーフ穴であ
る。
上記制御型回転差感応継手Aのうちオリフィス71の開
口面積を変更するオリフィス開口面積変更手段の構成を
説明する。
口面積を変更するオリフィス開口面積変更手段の構成を
説明する。
このオリフィス開口面積変更手段は、第2回転メンバ
22に連結されたロータ40の内周面に一体的に圧入固定さ
れ、径方向にオリフィス71が形成されたロータパーツ91
と、前記左フロントドライブシャフト4の外周に配置さ
れ、外周面に油溝92aが形成されたスリーブ92と、トラ
ンスアクスルケース23(非回転部)に設けられたモータ
アクチュエータ93に連結され、互いに周面接触する前記
スリーブ92とロータパーツ91との相対位置を変化させる
べく両者に相対回転を与える複列の遊星歯車機構94とを
有する。
22に連結されたロータ40の内周面に一体的に圧入固定さ
れ、径方向にオリフィス71が形成されたロータパーツ91
と、前記左フロントドライブシャフト4の外周に配置さ
れ、外周面に油溝92aが形成されたスリーブ92と、トラ
ンスアクスルケース23(非回転部)に設けられたモータ
アクチュエータ93に連結され、互いに周面接触する前記
スリーブ92とロータパーツ91との相対位置を変化させる
べく両者に相対回転を与える複列の遊星歯車機構94とを
有する。
前記ロータパーツ91には、第3a図及び第3b図に示すよ
うに、ドライビングピストン50の数に対応する等間隔の
6個所位置にスリット状のオリフィス71が形成されてい
ると共に、該オリフィス71に等間隔で隣接して丸穴によ
るリターン穴73が形成されている。
うに、ドライビングピストン50の数に対応する等間隔の
6個所位置にスリット状のオリフィス71が形成されてい
ると共に、該オリフィス71に等間隔で隣接して丸穴によ
るリターン穴73が形成されている。
前記スリーブ92には、第3a図及び第3b図に示すよう
に、前記1組のオリフィス71及びリターン穴73に対応す
る外周面の6個所位置に油溝92aが形成されている。
に、前記1組のオリフィス71及びリターン穴73に対応す
る外周面の6個所位置に油溝92aが形成されている。
尚、前記スリーブ92とロータパーツ91とは、回転摺動
部に設けられたシール95により油密状態とされている。
部に設けられたシール95により油密状態とされている。
そして、互いに周面接触する前記スリーブ92とロータ
パーツ91との相対位置を変化させることで、オリフィス
71の開口面積を変更することができるロータリバルブが
構成される。
パーツ91との相対位置を変化させることで、オリフィス
71の開口面積を変更することができるロータリバルブが
構成される。
前記複列の遊星歯車機構94は、第4図に示すように、
サンギヤ94a、第1リンクギヤ94b、第1ピニオン94c、
第1ピニオンキャリヤ94d、第2リンクギヤ94e、第2ピ
ニオン94f、第2ピニオンキャリヤ94gにより構成されて
いる。
サンギヤ94a、第1リンクギヤ94b、第1ピニオン94c、
第1ピニオンキャリヤ94d、第2リンクギヤ94e、第2ピ
ニオン94f、第2ピニオンキャリヤ94gにより構成されて
いる。
そして、前記サンギヤ94aは、両ピニオン94c,94fに共
通であり、スリーブ92が外周面上に回転可能に設けられ
ている。
通であり、スリーブ92が外周面上に回転可能に設けられ
ている。
前記第1リングギヤ94bは、外周にウォームホイール9
4hが形成され、モータアクチュエータ93のモータ軸に設
けられたウォーム94iと噛み合っている。
4hが形成され、モータアクチュエータ93のモータ軸に設
けられたウォーム94iと噛み合っている。
前記第2リンクギヤ94eは、スプライン結合等により
トランスアクスルケース23に固定されている。
トランスアクスルケース23に固定されている。
前記第1ピニオンキャリヤ94dには、スリーブ92が連
結されている。
結されている。
前記第2ピニオンキャリヤ94dには、ロータ40及びロ
ータパーツ91が連結されている。
ータパーツ91が連結されている。
次に、作用を説明する。
雨路や氷雪路等の低摩擦係数路走行時等で、エンジン
直結駆動輪である後輪がスリップする前後輪回転速度差
発生時には、後輪駆動系の第1回転メンバ24と前輪駆動
系の第2回転メンバ22との間に相対回転が発生し、この
相対回転の発生に伴なって回転差感応継手部のドライブ
ハウジング30とロータ40とが相対回転する。
直結駆動輪である後輪がスリップする前後輪回転速度差
発生時には、後輪駆動系の第1回転メンバ24と前輪駆動
系の第2回転メンバ22との間に相対回転が発生し、この
相対回転の発生に伴なって回転差感応継手部のドライブ
ハウジング30とロータ40とが相対回転する。
そして、この相対回転によりカム面31に摺接するドラ
イビングピストン50が径方向に往復動するが、この往復
動のうち回転軸中心に向かうピストンストローク時に
は、シリンダ室60の容積を縮小させることによる吐出流
量が環状オリフィス71による流出規制で油圧に変換さ
れ、シリンダ室60内の圧力が高まり、この発生油圧とピ
ストン50の受圧面積とを掛け合せた油圧力がドライビン
グピストン50をカム面31に押し付ける力となり、この押
し付け力が前輪側への伝達トルクΔTとして作用する。
イビングピストン50が径方向に往復動するが、この往復
動のうち回転軸中心に向かうピストンストローク時に
は、シリンダ室60の容積を縮小させることによる吐出流
量が環状オリフィス71による流出規制で油圧に変換さ
れ、シリンダ室60内の圧力が高まり、この発生油圧とピ
ストン50の受圧面積とを掛け合せた油圧力がドライビン
グピストン50をカム面31に押し付ける力となり、この押
し付け力が前輪側への伝達トルクΔTとして作用する。
そして、本実施例では、オリフィス71の開口面積を変
化させることにより前輪側への伝達トルクΔTの特性を
任意に変更することができる。
化させることにより前輪側への伝達トルクΔTの特性を
任意に変更することができる。
即ち、トランスアクスルケース23に設けられたモータ
クチュエータ93を所定の制御指令により駆動させると、
モータアクチュエータ93に連結されている複列の遊星歯
車機構94がスリーブ92とロータパーツ91とに相対回転を
与え、オリフィス71が形成されたロータパーツ91と外周
面に油溝92aが形成されたスリーブ92との相対位置が変
化することでオリフィスの開口面積が変更される。
クチュエータ93を所定の制御指令により駆動させると、
モータアクチュエータ93に連結されている複列の遊星歯
車機構94がスリーブ92とロータパーツ91とに相対回転を
与え、オリフィス71が形成されたロータパーツ91と外周
面に油溝92aが形成されたスリーブ92との相対位置が変
化することでオリフィスの開口面積が変更される。
つまり、モータアクチュエータ93を停止していると、
遊星歯車機構94の両リンクギヤ94b,94eが共に固定状態
であり、しかもサンギヤが両ピニオン94c,94fに共通で
ある為、両キヤリヤ94c,94fにそれぞれ一体連結されて
いるスリーブ92とロータパーツ91とは同位相で回転す
る。
遊星歯車機構94の両リンクギヤ94b,94eが共に固定状態
であり、しかもサンギヤが両ピニオン94c,94fに共通で
ある為、両キヤリヤ94c,94fにそれぞれ一体連結されて
いるスリーブ92とロータパーツ91とは同位相で回転す
る。
そして、モータアクチュエータ93を回転させると、ウ
ォーム94i及びウォームホイール94hを介しての回転入力
により第1リンクギヤ94bが回転変位し、第1ピニオン
キャリヤ94dに連結されているスリーブ92は、第2ピニ
オンキャリヤ94gに連結されているロータパーツ91に対
して第1リンクギヤ94bが回転変位に対応して位相の遅
れあるいは位相の進みが生じ、オリフィス71の開口面積
を、第3a図に示す最大開口面積状態から第3b図に示す全
閉状態までの適宜の面積に制御することができる この結果、第6図に示すように、オリフィス71の開口
面積の変更による前輪側への伝達トルクΔTの特性を変
更することができ、伝達トルク特性変更制御を様々な車
両条件に対応して行なうことで、下記に列挙するような
優れた性能等が併せて発揮される。
ォーム94i及びウォームホイール94hを介しての回転入力
により第1リンクギヤ94bが回転変位し、第1ピニオン
キャリヤ94dに連結されているスリーブ92は、第2ピニ
オンキャリヤ94gに連結されているロータパーツ91に対
して第1リンクギヤ94bが回転変位に対応して位相の遅
れあるいは位相の進みが生じ、オリフィス71の開口面積
を、第3a図に示す最大開口面積状態から第3b図に示す全
閉状態までの適宜の面積に制御することができる この結果、第6図に示すように、オリフィス71の開口
面積の変更による前輪側への伝達トルクΔTの特性を変
更することができ、伝達トルク特性変更制御を様々な車
両条件に対応して行なうことで、下記に列挙するような
優れた性能等が併せて発揮される。
a) 乾燥路での小半径旋回走行時にオリフィス71の開
口面積を大きく設定し、前後輪回転速度差ΔNに対し前
輪への駆動力配分が小さい特性することで、タイトコー
ナブレーキが防止される。
口面積を大きく設定し、前後輪回転速度差ΔNに対し前
輪への駆動力配分が小さい特性することで、タイトコー
ナブレーキが防止される。
b) 低摩擦係数路での走行時にオリフィス71の開口面
積を小さく設定し、前後輪回転速度差ΔNに対し前輪へ
の駆動力配分が大きい特性することで、低摩擦係数路で
高い走破性が得られる。
積を小さく設定し、前後輪回転速度差ΔNに対し前輪へ
の駆動力配分が大きい特性することで、低摩擦係数路で
高い走破性が得られる。
c) 発進時や中間加速時にオリフィス71の開口面積を
小さく設定し、前後輪回転速度差ΔNに対し前輪への駆
動力配分が大きい特性することで、高い発進性能や加速
性能が得られる。
小さく設定し、前後輪回転速度差ΔNに対し前輪への駆
動力配分が大きい特性することで、高い発進性能や加速
性能が得られる。
d) 高速走行時にオリフィス71の開口面積を小さく設
定し、前後輪回転速度差ΔNに対し前輪への駆動力配分
が大きい特性することで、高速走行安定性が得られると
共に高い旋回限界性能が得られる。
定し、前後輪回転速度差ΔNに対し前輪への駆動力配分
が大きい特性することで、高速走行安定性が得られると
共に高い旋回限界性能が得られる。
e) スタック時にオリフィス71を全閉とし、リジット
4WDに近い駆動力配分特性することで、スタック脱出性
が向上する。
4WDに近い駆動力配分特性することで、スタック脱出性
が向上する。
f) 砂地や泥ねい地での長時間走行時等で、大きな前
後輪の回転速度差ΔNが継続するような場合に、オリフ
ィス71を全閉とすることで油の発熱を抑制し、熱に弱い
部品の保護,製品寿命低下の防止を実現することができ
る。
後輪の回転速度差ΔNが継続するような場合に、オリフ
ィス71を全閉とすることで油の発熱を抑制し、熱に弱い
部品の保護,製品寿命低下の防止を実現することができ
る。
以上説明したように、実施例の制御型回転差感応継手
Aにあっては、下記に列挙する特徴を併せて有する。
Aにあっては、下記に列挙する特徴を併せて有する。
スリーブ99を左フロントドライブシャフト4の外周
位置に配置した為、第1,第2回転メンバ24,22以外に軸
心位置に第3の回転軸である左フロントドライブシャフ
ト4が貫通状態で存在するにもかかわらず、外部アクチ
ュエータによりオリフィス71の開口面積を変更可能とす
るオリフィス開口面積変更手段を適用することができ
る。
位置に配置した為、第1,第2回転メンバ24,22以外に軸
心位置に第3の回転軸である左フロントドライブシャフ
ト4が貫通状態で存在するにもかかわらず、外部アクチ
ュエータによりオリフィス71の開口面積を変更可能とす
るオリフィス開口面積変更手段を適用することができ
る。
この結果、上記a)〜f)に記載したような優れた性
能を有する駆動力配分制御装置を提供できる。
能を有する駆動力配分制御装置を提供できる。
オリフィス71の開口面積の変更を、非回転部材に設
けたモータアクチュエータ93の回転をそのまま遊星歯車
機構94を介してスリーブ92に回転変位を与えることによ
り行なう手段とした為、軸方向ストロークによりオリフ
ィス開口面積変更を行なう場合のような回転部材と非回
転部材との回転摺動部分が存在することがなくなり、オ
リフィス開口面積変更手段の耐久信頼性が向上する。
けたモータアクチュエータ93の回転をそのまま遊星歯車
機構94を介してスリーブ92に回転変位を与えることによ
り行なう手段とした為、軸方向ストロークによりオリフ
ィス開口面積変更を行なう場合のような回転部材と非回
転部材との回転摺動部分が存在することがなくなり、オ
リフィス開口面積変更手段の耐久信頼性が向上する。
ロータパーツ91とスリーブ92によりただ1つのロー
タリバルブが構成される為、放射状に複数個のバルブが
形成される場合に比べて、オリフィス開口面積を均一に
制御するのが容易であると共に部品点数の低減が図れ
る。
タリバルブが構成される為、放射状に複数個のバルブが
形成される場合に比べて、オリフィス開口面積を均一に
制御するのが容易であると共に部品点数の低減が図れ
る。
高圧発生に対して油密状態をシールがスリーブ92と
ロータパーツ91との回転摺動部に設けられたシール95に
より行なわれる為、往復動シールにより油密状態を保つ
場合に比べてシールの信頼性が向上する。
ロータパーツ91との回転摺動部に設けられたシール95に
より行なわれる為、往復動シールにより油密状態を保つ
場合に比べてシールの信頼性が向上する。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、本発明の制御型回転差感応継手
を四輪駆動車の駆動力配分装置として適用した例を示し
たが、左右輪及び前後輪の差動制限装置や左右輪及び前
後輪の差動装置等として適用してもよい。また、オリフ
ィスの開口形状は、実施例に限られず要求性能に応じて
様々な形状とすることができる。
を四輪駆動車の駆動力配分装置として適用した例を示し
たが、左右輪及び前後輪の差動制限装置や左右輪及び前
後輪の差動装置等として適用してもよい。また、オリフ
ィスの開口形状は、実施例に限られず要求性能に応じて
様々な形状とすることができる。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明にあっては、外部ア
クチュエータによりオリフィスの開口面積を変更可能な
制御型回転差感応継手において、スリーブの外周面とロ
ータの内周面でオリフィス開口面積を変更できるロータ
リバルブを構成し、スリーブとロータの相対回転を複列
の遊星歯車機構により与える手段とした為、第1,第2の
回転軸以外に軸心位置に第3の回転軸が貫通状態で存在
する場合に適用できると共に、オリフィス開口面積変更
手段の耐久信頼性向上と、オリフィス開口面積の均一制
御容易性と、部品点数の低減と、シール信頼性向上とを
達成することが出来るという効果が得られる。
クチュエータによりオリフィスの開口面積を変更可能な
制御型回転差感応継手において、スリーブの外周面とロ
ータの内周面でオリフィス開口面積を変更できるロータ
リバルブを構成し、スリーブとロータの相対回転を複列
の遊星歯車機構により与える手段とした為、第1,第2の
回転軸以外に軸心位置に第3の回転軸が貫通状態で存在
する場合に適用できると共に、オリフィス開口面積変更
手段の耐久信頼性向上と、オリフィス開口面積の均一制
御容易性と、部品点数の低減と、シール信頼性向上とを
達成することが出来るという効果が得られる。
第1図は本発明実施例の制御型回転差感応継手を示す縦
断側面図(第2図I−I線断面図)、第2図は第1図II
−II線による縦断正面図、第3a図は実施例継手の最大オ
リフィス開口面積状態のロータリバルブ部を示す拡大断
面図、第3b図は実施例継手のオリフィス全閉状態のロー
タリバルブ部を示す拡大断面図、第4図は実施例継手の
アクチュエータ駆動部を示すスケルトン図、第5図は実
施例継手を適用した四輪駆動車のエンジン駆動系を示す
スケルトン図、第6図は実施例継手による前後輪の回転
速度差に対する前輪側へのトルク伝達特性図、第7図は
第1,第2の回転軸以外の軸心位置に第3の回転軸が貫通
状態で存在する場合の制御型回転差感応継手の一例を示
す縦断側面図である。 A……制御型回転差感応継手 4……左フロントドライブシャフト(第3の回転軸) 22……第2回転メンバ(第2の回転軸) 23……トランスアクスルケース(非回転部材) 24……第1回転メンバ(第1の回転軸) 40……ロータ 71……オリフィス 72……油溝室 91……ロータパーツ 92……スリーブ 93……モータアクチュエータ 94……遊星歯車機構
断側面図(第2図I−I線断面図)、第2図は第1図II
−II線による縦断正面図、第3a図は実施例継手の最大オ
リフィス開口面積状態のロータリバルブ部を示す拡大断
面図、第3b図は実施例継手のオリフィス全閉状態のロー
タリバルブ部を示す拡大断面図、第4図は実施例継手の
アクチュエータ駆動部を示すスケルトン図、第5図は実
施例継手を適用した四輪駆動車のエンジン駆動系を示す
スケルトン図、第6図は実施例継手による前後輪の回転
速度差に対する前輪側へのトルク伝達特性図、第7図は
第1,第2の回転軸以外の軸心位置に第3の回転軸が貫通
状態で存在する場合の制御型回転差感応継手の一例を示
す縦断側面図である。 A……制御型回転差感応継手 4……左フロントドライブシャフト(第3の回転軸) 22……第2回転メンバ(第2の回転軸) 23……トランスアクスルケース(非回転部材) 24……第1回転メンバ(第1の回転軸) 40……ロータ 71……オリフィス 72……油溝室 91……ロータパーツ 92……スリーブ 93……モータアクチュエータ 94……遊星歯車機構
Claims (1)
- 【請求項1】同軸上に相対回転可能に配置された第1の
回転軸及び第2の回転軸と、 前記第1,第2の回転軸と同軸上の回転軸心位置に貫通状
態で配置された第3の回転軸と、 前記第1,第2の回転軸の相対回転速度差に応じて吐出さ
れる流量をオリフィスによる流出規制で流体圧に変換
し、さらに、この流体圧を両軸間の伝達トルクに変換す
る回転差感応継手と、 前記第1,第2の回転軸の一方に連結され、内周面にオリ
フィスが形成されたロータと、前記第3の回転軸の外周
に配置され、外周面に流体溝が形成されたスリーブと、
非回転部に設けられたアクチュエータに連結され、互い
に周面接触する前記スリーブとロータとの相対位置を変
化させるべく両者に相対回転を与える複列の遊星歯車機
構とを有するオリフィス開口面積変更手段と、 を備えている事を特徴とする制御型回転差感応継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17166389A JPH0819974B2 (ja) | 1989-07-03 | 1989-07-03 | 制御型回転差感応継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17166389A JPH0819974B2 (ja) | 1989-07-03 | 1989-07-03 | 制御型回転差感応継手 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0337427A JPH0337427A (ja) | 1991-02-18 |
JPH0819974B2 true JPH0819974B2 (ja) | 1996-03-04 |
Family
ID=15927392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17166389A Expired - Lifetime JPH0819974B2 (ja) | 1989-07-03 | 1989-07-03 | 制御型回転差感応継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819974B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2570184Y2 (ja) * | 1992-04-14 | 1998-05-06 | 株式会社フジユニバンス | 油圧式動力伝達継手 |
JP4228945B2 (ja) | 2004-03-11 | 2009-02-25 | トヨタ自動車株式会社 | 動力伝達装置 |
-
1989
- 1989-07-03 JP JP17166389A patent/JPH0819974B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0337427A (ja) | 1991-02-18 |
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