JPH0135007Y2 - - Google Patents
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- JPH0135007Y2 JPH0135007Y2 JP2541185U JP2541185U JPH0135007Y2 JP H0135007 Y2 JPH0135007 Y2 JP H0135007Y2 JP 2541185 U JP2541185 U JP 2541185U JP 2541185 U JP2541185 U JP 2541185U JP H0135007 Y2 JPH0135007 Y2 JP H0135007Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- differential
- transmitted
- rotation
- clutch member
- plate group
- Prior art date
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Links
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 claims description 35
- 230000000670 limiting effect Effects 0.000 claims description 22
- 239000012530 fluid Substances 0.000 claims description 11
- 238000000926 separation method Methods 0.000 claims description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 239000003566 sealing material Substances 0.000 description 3
- 229920002545 silicone oil Polymers 0.000 description 3
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 230000001050 lubricating effect Effects 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 238000010008 shearing Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
- Retarders (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
(イ) 産業上の利用分野
本考案は、四輪駆動車のセンターデフ等として
利用される差動装置に関する。
利用される差動装置に関する。
(ロ) 従来技術
例えばエンジン回転をトランスミツシヨンを介
して、フロントドライブシヤフトとリヤドライブ
シヤフトに差動回転可能に伝達する差動装置は周
知である。この差動装置は、車両のカーブ走行時
等に前輪と後輪との回転差を許し、これにより円
滑な走行を可能にする。
して、フロントドライブシヤフトとリヤドライブ
シヤフトに差動回転可能に伝達する差動装置は周
知である。この差動装置は、車両のカーブ走行時
等に前輪と後輪との回転差を許し、これにより円
滑な走行を可能にする。
しかし、この種の差動装置にあつては、前後輪
のうちの一方の車輪が泥地に落ち込んだ場合等に
は、負荷の小さい落ち込んだ方の車輪が空転する
のみである。このためエンジン動力は落ち込んだ
車輪の高速スリツプ回転に費やされ、車両の泥地
からの脱出が困難になつてしまうという問題があ
る。このような問題を解消するため、近年、差動
装置に、差動制限手段が設けられたものがある。
この差動制限手段は差動装置による差動回転が所
定値を越えたときにその差動を制限し、接地条件
のよい方の車輪に動力を伝達することで、車両の
泥地脱出を可能にするものである。
のうちの一方の車輪が泥地に落ち込んだ場合等に
は、負荷の小さい落ち込んだ方の車輪が空転する
のみである。このためエンジン動力は落ち込んだ
車輪の高速スリツプ回転に費やされ、車両の泥地
からの脱出が困難になつてしまうという問題があ
る。このような問題を解消するため、近年、差動
装置に、差動制限手段が設けられたものがある。
この差動制限手段は差動装置による差動回転が所
定値を越えたときにその差動を制限し、接地条件
のよい方の車輪に動力を伝達することで、車両の
泥地脱出を可能にするものである。
このような差動制限手段を備えた差動装置とし
て第6図に示すものが公知である。この装置は、
トランスミツシヨンの出力軸に連結され、エンジ
ン動力を伝達する伝達シヤフト1と、伝達シヤフ
ト1から動力伝達を受ける一体の被伝達シヤフト
3,5とを有している。伝達シヤフト1には基板
7が固定されており、この基板7に遊星歯車9が
回転自在に設けられている。被伝達シヤフト3に
はケース11が設けられており、このケース11
の内面には前記遊星歯車9とかみ合うインターナ
ルギヤ13が周設されている。
て第6図に示すものが公知である。この装置は、
トランスミツシヨンの出力軸に連結され、エンジ
ン動力を伝達する伝達シヤフト1と、伝達シヤフ
ト1から動力伝達を受ける一体の被伝達シヤフト
3,5とを有している。伝達シヤフト1には基板
7が固定されており、この基板7に遊星歯車9が
回転自在に設けられている。被伝達シヤフト3に
はケース11が設けられており、このケース11
の内面には前記遊星歯車9とかみ合うインターナ
ルギヤ13が周設されている。
一方、被伝達シヤフト5は伝達シヤフト1に嵌
め合わされており、この被伝達シヤフト5の先端
外周部には前記遊星歯車9とかみ合うサンギヤ1
5が配設されている。上記遊星歯車9とインター
ナルギヤ13およびサンギヤ15とによつて差動
装置17が構成され、伝達シヤフト1の回転は差
動回転自在に被伝達シヤフト3,5に伝達され
る。この場合、被伝達シヤフト3の回転は図外の
リヤデフに伝達され、被伝達シヤフト5の回転は
チエーン16およびドライブシヤフト18を介し
て図外のフロントデフに伝達されることになる。
め合わされており、この被伝達シヤフト5の先端
外周部には前記遊星歯車9とかみ合うサンギヤ1
5が配設されている。上記遊星歯車9とインター
ナルギヤ13およびサンギヤ15とによつて差動
装置17が構成され、伝達シヤフト1の回転は差
動回転自在に被伝達シヤフト3,5に伝達され
る。この場合、被伝達シヤフト3の回転は図外の
リヤデフに伝達され、被伝達シヤフト5の回転は
チエーン16およびドライブシヤフト18を介し
て図外のフロントデフに伝達されることになる。
前記差動装置17に付加される差動制限手段
は、被伝達シヤフト5に突設された複数の鍔板1
9と一定の間隙を介してはめ込まれたひれ板21
と、ケース19内に液密状態で充填されたシリコ
ンオイル23とからなる。したがつて、例えば、
車輪のうちいずれか一方の車輪が泥地に落ち込
み、被伝達シヤフト3,5間に相対回転、すなわ
ち、遊星歯車9の差動回転が生じたときには、鍔
板19とひれ板21のシリコンオイル23が粘性
による抵抗作用を行い、この差動回転を制限する
ものである。
は、被伝達シヤフト5に突設された複数の鍔板1
9と一定の間隙を介してはめ込まれたひれ板21
と、ケース19内に液密状態で充填されたシリコ
ンオイル23とからなる。したがつて、例えば、
車輪のうちいずれか一方の車輪が泥地に落ち込
み、被伝達シヤフト3,5間に相対回転、すなわ
ち、遊星歯車9の差動回転が生じたときには、鍔
板19とひれ板21のシリコンオイル23が粘性
による抵抗作用を行い、この差動回転を制限する
ものである。
しかしながら従来この種の装置においては、前
記差動制限をシリコンオイルの剪断作用のみで行
う構成のため、第2図に示すように、差動回転速
度に対する。剪断抵抗によつて発生する制限トル
クの立上がり特性が悪く、また発生する制限トル
クの値も小さいため、前記差動制限を効果的に行
うことができないという問題があつた。もちろん
鍔板19とひれ板21の数を多くすれば制限トル
クの間を多少とも大きくできるが、そのようにす
ると装置が大型化し装置コストも高価になつてし
まうという問題がある。
記差動制限をシリコンオイルの剪断作用のみで行
う構成のため、第2図に示すように、差動回転速
度に対する。剪断抵抗によつて発生する制限トル
クの立上がり特性が悪く、また発生する制限トル
クの値も小さいため、前記差動制限を効果的に行
うことができないという問題があつた。もちろん
鍔板19とひれ板21の数を多くすれば制限トル
クの間を多少とも大きくできるが、そのようにす
ると装置が大型化し装置コストも高価になつてし
まうという問題がある。
(ハ) 考案の目的
本考案は上記問題点に鑑みなされたものであ
り、その目的は装置の小型化を図るとともに、流
体を用いた差動制限手段のトルク特性を改善し、
迅速かつ確実にその差動を制限することができる
差動装置を提供することにある。
り、その目的は装置の小型化を図るとともに、流
体を用いた差動制限手段のトルク特性を改善し、
迅速かつ確実にその差動を制限することができる
差動装置を提供することにある。
(ニ) 考案の構成
上記目的を達成するために、本考案は、動力を
入力する伝達シヤフトと、伝達シヤフトに対し相
対回転可能な一対の被伝達シヤフトと、前記一対
の被伝達シヤフトを連結すると共に相対回転を許
す作動機構と、前記作動回転の回転速度が所定値
を越えたときにその作動回転を制限する作動制限
手段とを備えてなる作動装置において、前記作動
制限手段は、一方の被伝達シヤフト側に設けられ
前記プレート群と所定の間隙を介してはめ合うプ
レート群を有するクラツチ部材と、クラツチ部材
を前記プレート群とを離反方向へ付勢する弾性体
と、前記プレート群との周囲に液密状態で満たさ
れた粘性流体の粘性抵抗を起因にして作動し前記
プレート群の締結方向へクラツチ部材を付勢する
カム機構とからなる構成とした。
入力する伝達シヤフトと、伝達シヤフトに対し相
対回転可能な一対の被伝達シヤフトと、前記一対
の被伝達シヤフトを連結すると共に相対回転を許
す作動機構と、前記作動回転の回転速度が所定値
を越えたときにその作動回転を制限する作動制限
手段とを備えてなる作動装置において、前記作動
制限手段は、一方の被伝達シヤフト側に設けられ
前記プレート群と所定の間隙を介してはめ合うプ
レート群を有するクラツチ部材と、クラツチ部材
を前記プレート群とを離反方向へ付勢する弾性体
と、前記プレート群との周囲に液密状態で満たさ
れた粘性流体の粘性抵抗を起因にして作動し前記
プレート群の締結方向へクラツチ部材を付勢する
カム機構とからなる構成とした。
(ホ) 実施例
以下、本考案の第1〜第4の各実施例を図面に
基づいて説明する。なお、各実施例において、同
一部材には同一符号を付し、先の実施例で説明し
た部材と同一部材については、後の実施例ではそ
の説明を省略する。
基づいて説明する。なお、各実施例において、同
一部材には同一符号を付し、先の実施例で説明し
た部材と同一部材については、後の実施例ではそ
の説明を省略する。
第1図には本考案の第1実施例の断面構成が示
され、トランスミツシヨンからの動力を伝達する
伝達シヤフト25にはパイプ状の第1の被伝達シ
ヤフト27がシール材29を介して回転自在に嵌
め込まれている。
され、トランスミツシヨンからの動力を伝達する
伝達シヤフト25にはパイプ状の第1の被伝達シ
ヤフト27がシール材29を介して回転自在に嵌
め込まれている。
また、第2の被伝達シヤフト31は軸受33で
回転自在に支持されており、この被伝達シヤフト
31の端部にはケース35が設けられている。
回転自在に支持されており、この被伝達シヤフト
31の端部にはケース35が設けられている。
前記伝達シヤフト25の先端部にはフランジ板
37が突設されており、このフランジ板の同一円
周上には回転軸39が固定されている。そして回
転軸39には遊星歯車41が回転自在にはめ込ま
れている。一方、前記第1の被伝達シヤフト27
の端部外周面にはサンギヤ43が、第2の被伝達
シヤフト31のケース内面にはインターナルギヤ
45がそれぞれ形成されており、これら両ギヤ4
3,45とこの両ギヤ43,45にかみ合う遊星
歯車41とによつて差動装置47が構成される。
37が突設されており、このフランジ板の同一円
周上には回転軸39が固定されている。そして回
転軸39には遊星歯車41が回転自在にはめ込ま
れている。一方、前記第1の被伝達シヤフト27
の端部外周面にはサンギヤ43が、第2の被伝達
シヤフト31のケース内面にはインターナルギヤ
45がそれぞれ形成されており、これら両ギヤ4
3,45とこの両ギヤ43,45にかみ合う遊星
歯車41とによつて差動装置47が構成される。
また第1の被伝達シヤフト27にはカム車51
がスプライン嵌合されている。カム車51の端面
にはカム面が形成され、このカム面は後述するプ
レート群がロツクするように圧力角が設定されて
いる。第1の被伝達シヤフト27にはさらにクラ
ツチ部材53が軸動自在に嵌合されている。この
クラツチ部材53はフランジ面を有する円筒体5
5と、この円筒体55の胴部から外方に突設され
た複数のプレート群57とからなる。クラツチ部
材53のフランジ面にはカム従動面が形成されて
おり、このカム従動面は前記カム車51のカム面
に当接されている。そして、このカム面とカム従
動面とによつてカム機構59が構成される。
がスプライン嵌合されている。カム車51の端面
にはカム面が形成され、このカム面は後述するプ
レート群がロツクするように圧力角が設定されて
いる。第1の被伝達シヤフト27にはさらにクラ
ツチ部材53が軸動自在に嵌合されている。この
クラツチ部材53はフランジ面を有する円筒体5
5と、この円筒体55の胴部から外方に突設され
た複数のプレート群57とからなる。クラツチ部
材53のフランジ面にはカム従動面が形成されて
おり、このカム従動面は前記カム車51のカム面
に当接されている。そして、このカム面とカム従
動面とによつてカム機構59が構成される。
他方、第2の被伝達シヤフト31のケース内面
には所定間隔へだてて複数のプレート群61が内
方に向けて突設されており、これらのプレート群
61は前記プレート群57と微小間隙を介して、
はまり合つている。ケース35の端部には、ケー
ス蓋65がシール66を介して嵌め込まれ、止め
リング67によつて止められ、また、ケース蓋6
5の軸部はシール材63を介して第1の被伝達シ
ヤフト27の回転自在にはめ込まれている。ケー
ス蓋65の軸部内端面には、第1の被伝達シヤフ
ト27にはめ込まれたリターンスプリング69の
基部が係止されており、またリターンスプリング
69の先端部はクラツチ部材53に圧接されてい
る。そして、これら各種部材を収容してなるケー
ス35の内部には潤滑性のある粘性摩擦流体71
によつて満たされている。上述のカム駆動ギヤ4
9、カム機構59、クラツチ部材53、プレート
群61、弾性体69、粘性流体71の各要素は、
その有機的な結合によつて差動機構47の差動を
制限する、差動制限手段を構成する。
には所定間隔へだてて複数のプレート群61が内
方に向けて突設されており、これらのプレート群
61は前記プレート群57と微小間隙を介して、
はまり合つている。ケース35の端部には、ケー
ス蓋65がシール66を介して嵌め込まれ、止め
リング67によつて止められ、また、ケース蓋6
5の軸部はシール材63を介して第1の被伝達シ
ヤフト27の回転自在にはめ込まれている。ケー
ス蓋65の軸部内端面には、第1の被伝達シヤフ
ト27にはめ込まれたリターンスプリング69の
基部が係止されており、またリターンスプリング
69の先端部はクラツチ部材53に圧接されてい
る。そして、これら各種部材を収容してなるケー
ス35の内部には潤滑性のある粘性摩擦流体71
によつて満たされている。上述のカム駆動ギヤ4
9、カム機構59、クラツチ部材53、プレート
群61、弾性体69、粘性流体71の各要素は、
その有機的な結合によつて差動機構47の差動を
制限する、差動制限手段を構成する。
なお、第1の被伝達シヤフト27には動力伝達
ギヤ73が固定されており、この動力伝達ギヤ7
3とのギヤ連結あるいはチエーン連結等によつ
て、第1の被伝達シヤフト27の回転が例えばフ
ロントデフ(図示せず)に伝達されるようになつ
ている。また第2の被伝達シヤフト31はリヤデ
フ(図示せず)に連動されるようになつている。
ギヤ73が固定されており、この動力伝達ギヤ7
3とのギヤ連結あるいはチエーン連結等によつ
て、第1の被伝達シヤフト27の回転が例えばフ
ロントデフ(図示せず)に伝達されるようになつ
ている。また第2の被伝達シヤフト31はリヤデ
フ(図示せず)に連動されるようになつている。
本考案の第1実施例は上述の構成からなり、以
下にその作用を説明する。
下にその作用を説明する。
まず、車両が直進走行状態にあるときには、伝
達シヤフト25の動力は遊星歯車41を介して第
1および第2の被伝達シヤフト27,31に伝達
される。なお、この場合は前輪と後輪との回転速
度が同一なので差動機構47の差動作用は行われ
ない。
達シヤフト25の動力は遊星歯車41を介して第
1および第2の被伝達シヤフト27,31に伝達
される。なお、この場合は前輪と後輪との回転速
度が同一なので差動機構47の差動作用は行われ
ない。
次に、車両がカーブ走行を行う場合には、前輪
と後輪とに回転速度差が生じ、この回転速度差が
小さい場合は、弾性体69の付勢により差動制限
は行われないか、あるいは小さなものとなつてい
る。
と後輪とに回転速度差が生じ、この回転速度差が
小さい場合は、弾性体69の付勢により差動制限
は行われないか、あるいは小さなものとなつてい
る。
ところで車両走行時に、前輪と後輪のうちのい
ずれか一方が泥地に落ち込んだ場合には、その落
ち込んだ方の車輪が空転するので、第1および第
2の被伝達シヤフト27,31に高速な相対回転
が発生する。そのため、この高速な相対回転を許
す遊星歯車41も高速差動回転を行う。このと
き、差動制限手段は車輪落ち込みを脱出させるた
めに次のように差動制限作用を行う。まず、第1
および第2の被伝達シヤフト27,31の相対回
転によつて、プレート群61とプレート群57と
の間に相対的な回転差が生じ、この回転差によつ
て両板57,61は粘性流体71によつて抵抗を
受ける。この抵抗は遊星歯車41の差動を制限す
る制限トルクとして作用する。
ずれか一方が泥地に落ち込んだ場合には、その落
ち込んだ方の車輪が空転するので、第1および第
2の被伝達シヤフト27,31に高速な相対回転
が発生する。そのため、この高速な相対回転を許
す遊星歯車41も高速差動回転を行う。このと
き、差動制限手段は車輪落ち込みを脱出させるた
めに次のように差動制限作用を行う。まず、第1
および第2の被伝達シヤフト27,31の相対回
転によつて、プレート群61とプレート群57と
の間に相対的な回転差が生じ、この回転差によつ
て両板57,61は粘性流体71によつて抵抗を
受ける。この抵抗は遊星歯車41の差動を制限す
る制限トルクとして作用する。
一方、遊星歯車41の差動回転は、被伝達シヤ
フト27を介してカム車51に伝達される。この
カム車51の回転によつて、クラツチ部材53の
カム従動面がカム車51のカム面に当接し、その
カム作用によりクラツチ部材53は第3図におい
て左方向に移動する。このクラツチ部材53の移
動に伴つて、クラツチ部材53は弾性体69から
付勢力を受け、この付勢力はカム面とカム従動面
との圧接力に対する反力となつて作用し、一定の
相対回転差まではプレート群57とプレート群6
1との締結ロツクを規制し、第2図(O−A)の
ような差動制限を行う。差動回転によりさらにカ
ム機構59のカム作用が進行されると、プレート
群61,57との摩擦結合のロツクが第2図のよ
うに行なわれる結果、遊星歯車41の差動が停止
され、伝達シヤフト25の動力は泥地に落ち込ま
ない方の車輪にも効果的に伝わり、車輪の泥地脱
出が達成される。
フト27を介してカム車51に伝達される。この
カム車51の回転によつて、クラツチ部材53の
カム従動面がカム車51のカム面に当接し、その
カム作用によりクラツチ部材53は第3図におい
て左方向に移動する。このクラツチ部材53の移
動に伴つて、クラツチ部材53は弾性体69から
付勢力を受け、この付勢力はカム面とカム従動面
との圧接力に対する反力となつて作用し、一定の
相対回転差まではプレート群57とプレート群6
1との締結ロツクを規制し、第2図(O−A)の
ような差動制限を行う。差動回転によりさらにカ
ム機構59のカム作用が進行されると、プレート
群61,57との摩擦結合のロツクが第2図のよ
うに行なわれる結果、遊星歯車41の差動が停止
され、伝達シヤフト25の動力は泥地に落ち込ま
ない方の車輪にも効果的に伝わり、車輪の泥地脱
出が達成される。
このように、本第1実施例によれば、差動制限
は、その初期段階、すなわち第2図のOからAま
での期間においては、弾性体69の作用によつて
摩擦締結がある程度制限されつつ流体抵抗ととも
に差動制限を行ない、また差動回転が一定以上と
なると、プレート群61,57とのロツクが行な
われるので、プレート群61,57の数を多くす
ることなく装置を小型化することができる。従つ
て、第2図に示されるように、差動制限トルクの
立上り特性が改善されるとともに、一定以上では
トルク値の急激な増大が図られ、前記差動制限を
確実に図ることができる。
は、その初期段階、すなわち第2図のOからAま
での期間においては、弾性体69の作用によつて
摩擦締結がある程度制限されつつ流体抵抗ととも
に差動制限を行ない、また差動回転が一定以上と
なると、プレート群61,57とのロツクが行な
われるので、プレート群61,57の数を多くす
ることなく装置を小型化することができる。従つ
て、第2図に示されるように、差動制限トルクの
立上り特性が改善されるとともに、一定以上では
トルク値の急激な増大が図られ、前記差動制限を
確実に図ることができる。
第3図には本考案の第2実施例が示されてい
る。この第2実施例が第1実施例と異なる点は、
クラツチ部材53がケース35側に軸動自在に挿
入され、プレート群57とはまり合うプレート群
61が第1の被伝達シヤフト27側に設けられて
いることと、カム駆動板49がケース35のイン
ターナルギヤ45にかみ合わされ、このカム駆動
板49の端面にカム面が、クラツチ部材53の端
面にカム従動面が形成されていることである。
る。この第2実施例が第1実施例と異なる点は、
クラツチ部材53がケース35側に軸動自在に挿
入され、プレート群57とはまり合うプレート群
61が第1の被伝達シヤフト27側に設けられて
いることと、カム駆動板49がケース35のイン
ターナルギヤ45にかみ合わされ、このカム駆動
板49の端面にカム面が、クラツチ部材53の端
面にカム従動面が形成されていることである。
したがつて、本第2実施例も第1実施例と略同
様の効果が得られる。
様の効果が得られる。
第4図には本考案の第3実施例が示されてい
る。この第3実施例は、伝達シヤフト25の先端
部にケース35をボルト75によつて固定し、一
方、第2の被伝達シヤフト31の端部にフランジ
面31aを突設し、このフランジ面31aをイン
ターナルギヤ5とかみ合い結合又はカム結合させ
たものであり、その他の構成は前記第1実施例の
場合と同様である。
る。この第3実施例は、伝達シヤフト25の先端
部にケース35をボルト75によつて固定し、一
方、第2の被伝達シヤフト31の端部にフランジ
面31aを突設し、このフランジ面31aをイン
ターナルギヤ5とかみ合い結合又はカム結合させ
たものであり、その他の構成は前記第1実施例の
場合と同様である。
したがつて、本第3実施例の場合も、前記第
1、第2実施例と略同様の効果が得られる。
1、第2実施例と略同様の効果が得られる。
第5図には本考案の第4実施例が示されてい
る。この第4実施例は車両のリヤデフ等に本考案
を適用したものである。
る。この第4実施例は車両のリヤデフ等に本考案
を適用したものである。
第5図において、伝達シヤフト(図示せず)に
はドライブピニオン(図示せず)が設けられてお
り、このドライブピニオンはデフケース77のリ
ングギヤ(図示せず)にかみ合わされている。サ
イドギヤ81にはプレート群61が係合されてい
る。一方、デフケース77の内面にはプレート群
57が係合されると共にプレツシヤーリング85
が軸動自在にはめ込まれている。そして、クラツ
チ部材53にはプレート群57が係合されてい
る。
はドライブピニオン(図示せず)が設けられてお
り、このドライブピニオンはデフケース77のリ
ングギヤ(図示せず)にかみ合わされている。サ
イドギヤ81にはプレート群61が係合されてい
る。一方、デフケース77の内面にはプレート群
57が係合されると共にプレツシヤーリング85
が軸動自在にはめ込まれている。そして、クラツ
チ部材53にはプレート群57が係合されてい
る。
ところで、デフケース77には回転自在にピニ
オンシヤフト87が設けられており、このピニオ
ンシヤフト87にはサイドギヤ81,83とかみ
合うピニオンギヤ88が固定されている。ピニオ
ンシヤフト87にはカム面が形成されており、ま
た、このカム面に対向するプレツシヤーリング8
5の端面には従動面が形成され、前記カム面と従
動面とによつて、カム機構59が形成されてい
る。なお、デフケース77の端面とクラツチ部材
53との間にはリターンスプリング69が配設さ
れており、このリターンスプリングの付勢力によ
つてプレート群61,57とが離反方向の力を受
けるように構成されている。なおまた、デフケー
ス77とサイドギヤ81,83との間はシール材
91によつて気密化され、デフケース77の内部
は粘性流体71によつて満たされている。
オンシヤフト87が設けられており、このピニオ
ンシヤフト87にはサイドギヤ81,83とかみ
合うピニオンギヤ88が固定されている。ピニオ
ンシヤフト87にはカム面が形成されており、ま
た、このカム面に対向するプレツシヤーリング8
5の端面には従動面が形成され、前記カム面と従
動面とによつて、カム機構59が形成されてい
る。なお、デフケース77の端面とクラツチ部材
53との間にはリターンスプリング69が配設さ
れており、このリターンスプリングの付勢力によ
つてプレート群61,57とが離反方向の力を受
けるように構成されている。なおまた、デフケー
ス77とサイドギヤ81,83との間はシール材
91によつて気密化され、デフケース77の内部
は粘性流体71によつて満たされている。
本第4実施例は上記のように構成されているの
で、左右の車輪に所定値を越えた回転速度差が生
じたときには、デフケース77とサイドギヤ81
の相対回転、すなわち、プレート群61,57と
の相対回転による粘性流体71の抵抗が生じる一
方において、ピニオンギヤ41の差動回転、カム
機構59のカム作用、カム作用によるプレツシヤ
ーリング85の左方向への軸動、プレート群6
1,57との摩擦圧接、カム機構59によるセル
フロツク等の差動が順次行なわれ、前述した他の
各実施例の場合と同様に、差動回転の制限が迅速
に行なわれる。
で、左右の車輪に所定値を越えた回転速度差が生
じたときには、デフケース77とサイドギヤ81
の相対回転、すなわち、プレート群61,57と
の相対回転による粘性流体71の抵抗が生じる一
方において、ピニオンギヤ41の差動回転、カム
機構59のカム作用、カム作用によるプレツシヤ
ーリング85の左方向への軸動、プレート群6
1,57との摩擦圧接、カム機構59によるセル
フロツク等の差動が順次行なわれ、前述した他の
各実施例の場合と同様に、差動回転の制限が迅速
に行なわれる。
(ヘ) 考案の効果
本考案は上述したように構成されているので、
装置の小型化を図るにもかかわらず流体を利用し
た差動制限手段の特性向上、すなわち差動回転に
対する制限トルクの立上り特性を高めることが可
能であり、またその制限トルクの値を充分大きく
することができ、一方の車輪が泥地に落ち込んで
差動回転速度が所定値を越えるような場合には、
極めて迅速にその差動制限しさらに確実にロツク
させることができる。しかも、通性体の反力によ
りプレート群間の摩擦締結力がある程度おさえら
れ、コーナリング等に対しても円滑に対処でき
る。
装置の小型化を図るにもかかわらず流体を利用し
た差動制限手段の特性向上、すなわち差動回転に
対する制限トルクの立上り特性を高めることが可
能であり、またその制限トルクの値を充分大きく
することができ、一方の車輪が泥地に落ち込んで
差動回転速度が所定値を越えるような場合には、
極めて迅速にその差動制限しさらに確実にロツク
させることができる。しかも、通性体の反力によ
りプレート群間の摩擦締結力がある程度おさえら
れ、コーナリング等に対しても円滑に対処でき
る。
第1図は本考案の第1実施例を示す断面図、第
2図は遊星歯車の差動回転速度と差動制限トルク
との関係を示す特性図、第3図は本考案の第2実
施例を示す断面図、第4図は本考案の第3実施例
を示す断面図、第5図は本考案の第4図実施例を
示す断面図、第6図は従来の差動装置を示す斜視
図である。 1,25……伝達シヤフト、3,5,27,3
1……被伝達シヤフト、17,47……差動機
構、53……クラツチ部材、57……プレート
群、59……カム機構、61……プレート群、6
9……リターンスプリング、71……粘性流体。
2図は遊星歯車の差動回転速度と差動制限トルク
との関係を示す特性図、第3図は本考案の第2実
施例を示す断面図、第4図は本考案の第3実施例
を示す断面図、第5図は本考案の第4図実施例を
示す断面図、第6図は従来の差動装置を示す斜視
図である。 1,25……伝達シヤフト、3,5,27,3
1……被伝達シヤフト、17,47……差動機
構、53……クラツチ部材、57……プレート
群、59……カム機構、61……プレート群、6
9……リターンスプリング、71……粘性流体。
Claims (1)
- 動力を入力伝達する伝達シヤフトと、伝達シヤ
フトに対し相対回転可能な一対の被伝達シヤフト
と、前記一対の被伝達シヤフトを連結すると共に
相対回転を許す差動機構と、前記差動回転の回転
速度が所定値を越えたときにその差動回転を制限
する差動制限手段とを備えてなる差動装置におい
て、前記差動制限手段は、一方の被伝達シヤフト
側に固定された複数のプレート群と、他方の被伝
達シヤフト側に設けられ前記プレート群と所定の
間隙を介してはめ合うプレート群を有するクラツ
チ部材と、クラツチ部材を前記プレート群間とを
離反方向へ付勢する弾性体と、前記プレート群と
の周囲に液密状態で満たされた粘性流体と、被伝
達シヤフト間の相対回転時に粘性流体の粘性抵抗
を起因にして作動し前記プレート群の締結方向へ
クラツチ部材を付勢するカム機構とからなること
を特徴とする差動装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2541185U JPH0135007Y2 (ja) | 1985-02-26 | 1985-02-26 | |
US06/832,984 US4757727A (en) | 1985-02-25 | 1986-02-25 | Differential device for a power transmission apparatus |
EP86102406A EP0193160B1 (en) | 1985-02-25 | 1986-02-25 | Power transmission apparatus |
CA000502624A CA1257106A (en) | 1985-02-25 | 1986-02-25 | Power transmission apparatus |
AU54057/86A AU565108B2 (en) | 1985-02-25 | 1986-02-25 | Power transmission apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2541185U JPH0135007Y2 (ja) | 1985-02-26 | 1985-02-26 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61142945U JPS61142945U (ja) | 1986-09-03 |
JPH0135007Y2 true JPH0135007Y2 (ja) | 1989-10-25 |
Family
ID=30520452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2541185U Expired JPH0135007Y2 (ja) | 1985-02-25 | 1985-02-26 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0135007Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2652378B2 (ja) * | 1987-06-23 | 1997-09-10 | 富士重工業株式会社 | センターデフ付4輪駆動装置 |
JP5922529B2 (ja) * | 2012-08-22 | 2016-05-24 | 本田技研工業株式会社 | 四輪駆動車両のトルク伝達装置 |
-
1985
- 1985-02-26 JP JP2541185U patent/JPH0135007Y2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61142945U (ja) | 1986-09-03 |
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