JPH0819972B2 - トルク伝達装置 - Google Patents

トルク伝達装置

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JPH0819972B2
JPH0819972B2 JP61232090A JP23209086A JPH0819972B2 JP H0819972 B2 JPH0819972 B2 JP H0819972B2 JP 61232090 A JP61232090 A JP 61232090A JP 23209086 A JP23209086 A JP 23209086A JP H0819972 B2 JPH0819972 B2 JP H0819972B2
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孝 大久保
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、四輪駆動車等の多輪駆動車の駆動力配分装
置や、左右輪の差動装置や、左右輪の差動を制限する差
動制限装置等として用いられるトルク伝達装置に関す
る。
(従来の技術) 従来のトルク伝達装置としては、例えば、特開昭60−
116529号公報に記載されているような装置が知られてい
る。
この従来装置は、前輪に駆動力を伝達する第1の回転
軸と、後輪に駆動力を伝達する第2の回転軸と、前記第
1と第2の回転軸の連結手段として使用され、かつ第1
と第2の回転軸の回転速度差によって駆動されると共に
回転速度差に応じた油量を吐出する油圧ポンプとからな
る四輪駆動用連結装置において、油圧ポンプの吐出口と
吸込口側油路間に油流通制御手段を有する副油路を設け
たことを特徴とする。
また、従来のトルク伝達装置としては、例えば、特公
昭54−4134号公報に記載されているような装置も知られ
ている。
この従来装置は、静止ハウジング内にジャーナルされ
た第1回転部材、前記ハウジング内に伸び前記第1回転
部材に回転可能に連結された入力回転部材、前記第1回
転部材に隣接して同軸に配置された第2回転部材、前記
ハウジング内に伸び前記第2回転部材に回転可能に連結
された第1出力回転部材、前記入力部材に回転可能に連
結された第2出力回転部材、前記回転部材間を連結し予
め決められた流体圧力条件下で入力部材からの入力トル
クを選択した割合で前記第1出力回転部材に伝達し入力
部材から伝達されたトルクの残りの量を第2出力回転部
材に伝達する流体手段、及び前記流体手段が前記出力部
材に伝達するトルクの割合を調整する作動を行なうため
の予め決められた流体圧力条件を調整する選択手段から
成る。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前者の従来装置(特開昭60−116529
号)にあっては、以下に述べるような問題点があった。
回転中心軸から半径方向に大きく離れた位置である
カムリング20b側の回転ハウジングに油圧制御回路21が
形成されている為、高車速時等で回転ハウジングが高回
転する時には、油路を流通する作動油やリリーフ弁に遠
心力が作用し、この遠心力作用で油圧ポンプでの発生油
圧レベルが所望する油圧レベルに達しなかったり、逆に
油圧レベルが高過ぎてしまったりして安定したトルク伝
達効果を望めない。
回転ハウジングに油圧制御回路21が形成されている
為、この油圧制御回路21が回転ハウジングのマスアンバ
ランスの原因となり、高車速時等で回転ハウジングが高
回転する時には、振れ回り振動が発生してしまう。
また、公報図面に示されるように、回転速度差に応
じた油量を吐出する油圧ポンプとしてベースポンプが用
いられている為、回転速度差が小さい領域では油のリー
ク(ベーンポンプは一般にシール性確保が困難である)
を考慮すると十分な油圧が発生せず、従って四輪駆動車
にこの従来装置を用いた場合には、極めて大きな車輪ス
リップが発生しないことにはトルク伝達効果が望めな
い。
また、後者の従来装置(特公昭54−4134号)にあって
は、以下に述べるような問題点がある。
流体手段のカム面114を内側の回転部材の外周面に
形成している為、外側の回転部材の内周面にカム面を形
成する場合と比べて、カム面全体の径寸法が小さく、カ
ム面の加工精度を上げるのが困難であるし、十分な流量
を発生させる為にはカム面の凹凸段差を大きくしなくて
はならないが、カム面の全体径寸法が小さい為、凹凸段
差がなめらかにならず、回転時にピストン頭部との衝突
音が発生してしまう。
流動抵抗が回転速度差とは無関係にチェックバルブ
により決定される為、わずかに回転速度差が発生する高
摩擦係数路での旋回時にも4輪駆動状態(6輪駆動状
態)になってしまい、タイトコーナブレーキ現象が発生
してしまう。
また、カム面114に対し径方向外側から接触するよ
うにピストン124が配置されている為、高車速時等でピ
ストン124が設けられている第1回転部材90が高回転す
る時は、ピストン124に作用する遠心力がカム面114との
接触力を低下させる方向に働き、一般に車速が高ければ
高いほど4輪駆動側の駆動力配分が好ましいにもかかわ
らず、この従来装置でのトルク伝達特性は、高車速時で
あるほど伝達トルクが小さくなる特性を示す。
このような従来技術に対し、本出願人は上述の問題点
を解決する先願として、特願昭61−129424号の出願を行
なった。
しかし、この先行技術にあっては、一個のカム体によ
って形成される流体室当たり一個のオリフィスが設けら
れていた為、以下に述べるような問題点を残していた。
オリフィス径のバラツキにより、同位相同士の流体
室圧力にアンバランスが生じやすく、カム体の耐久性を
損なう。
一個のオリフィス当りの流量が少ない為、トルク容
量を確保するにはオリフィス径を絞り込まなくてはなら
なく、同じトルク容量で換算するとオリフィス径が小さ
くなってしまい、コンタミネーション(内部のゴミのこ
と)の影響を受けやすい。
オリフィス等部品点数が多く、コストが高く,信頼
性が低い。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上述のような問題点を解決することを目的
とし、この目的達成のために本発明では、相対回転可能
な入出力軸間に設けられ、前記両軸の回転速度差に応じ
た量の流体を流動させる流量発生手段を備え、前記流体
の流動抵抗により前記入出力軸間の伝達トルクが制御さ
れるトルク伝達装置において、前記流量発生手段は、入
出力軸の一方と一体的に形成され内周部にカム面を有す
る第1回転部材と、入出力軸の他方と一体的に形成され
前記カム面内に挿入される第2回転部材と、該第2回転
部材に支持されると共に前記カム面と周接し前記両回転
部材の相対回転時に径方向に往復動するカム体と、前記
第2回転部材に形成され、前記カム体の往復動に伴ない
体積変化する複数の流体室と、該各流体室間をオリフィ
スを介して連結する流体路と、前記カム体の往復動行程
で同位相の複数の流体室を互いに連通する連通路と、を
備えた手段であることを特徴とする。
(作 用) 従って、本発明のトルク伝達装置では、上述のような
手段としたため、第1回転部材と第2回転部材との間に
相対回転が生じると、カム面と周接しているカム体がカ
ム面の形状に応じて径方向に往復動し、カム体の往復動
に伴ない体積変化する流体室ではオリフィスによる流動
抵抗により流体圧が発生し、カム体がこの流体圧により
カム面に押し付けられることで、両回転部材の相対回転
速度差に応じたトルクが伝達される。
そして、カム体が設けられる第2回転部材の絶対回転
速度が大きい時、すなわち高車速時にはカム体に作用す
る遠心力がカム面への押し付ける力を増大させるように
働くため、トルク伝達特性としては、相対回転速度差に
応じて伝達トルクが高まると共に、車速が高車速である
程、遠心力により発生する伝達トルク分が付加される特
性を示す。
また、カム体の往復動行程で同位相の複数の流体室を
互いに連通する連通路を備えているため、同位相同士の
圧力バランスが保たれるし、少なくとも2個分の流体室
容積の流体量を一つのオリフィスで絞る構成となるた
め、同じ絞り作用を発揮させながらオリフィス面積を2
倍以上に設定でき、コンタミネーションの影響も防止で
きる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。尚、こ
の実施例を述べるにあたって、四輪駆動車のエンジン駆
動力伝達系に設けられるトルク伝達装置を例にとる。
まず、実施例のトルク伝達装置Aを第1図〜第4図に
示す図面に基づいて説明する。
実施例のトルク伝達装置Aは、第4図に示すように、
前輪駆動をベースにした四輪駆動車の後輪駆動系の途中
に、センターディファレンシャルと、後輪への駆動力配
分制御装置を兼用する装置として設けられている。
実施例装置Aが適用される四輪駆動車の駆動系は、前
輪駆動系として、エンジン1、トランスミッション(ク
ラッチを含む)2、フロントディファレンシャル3、フ
ロントドライブシャフト4,5、フロントドライブシャフ
トジョイント6…、前輪7,8を備えていて、後輪駆動系
として、トランスファギヤトレーン9、フロントプロペ
ラシャフト10、センタプロペラシャフト(入力軸)11、
トルク伝達装置A1、リヤプロペラシャフト(出力軸)1
2、プロペラシャフトジョイント13…、センターベアリ
ング14、リヤディファレンシャル15、リヤドライブシャ
フト16,17、リヤドライブシャフトジョイント18…、後
輪19,20を備えている。
前記フロントディファレンシャル3は、トランスミッ
ション2の最終段ギヤ21と、前記フロントドライブシャ
フト4,5との間に介装された前輪7,8の差動装置である。
前記トランスファギヤトレーン9は、前記フロントデ
ィファレンシャル3のデフケース22からエンジン駆動力
を後輪19,20側へ取り出す駆動力分割装置で、このトラ
ンスファギヤトレーン9と前記フロントディファレンシ
ャル3と共にトランスアクスルケース23に納められてい
る。
前記リヤディファレンシャル15は、前記リヤプロペラ
シャフト12と、リヤドライブシャフト16,17との間に介
装された後輪19,20の差動装置である。
実施例のトルク伝達装置Aの構成を説明する。
実施例装置Aは、第1図及び第2図に示すように、ド
ライブハウジング(第1回転部材)30、カム面31、ロー
ター(第2回転部材)40、ドライビングピストン(カム
体)50、油室(流体室)60、油路(流体路)61、オリフ
ィス62、連通路63を主要な構成としている。
前記ドライブハウジング30は、入力軸であるセンタプ
ロペラシャフト11に対し、ボルト止め等により一体に設
けられる部材で、その内周部には略正方形によるカム面
31が形成されている。
前記ローター40は、前記ドライブハウジング30のカム
面31内に挿入状態で配置され、出力軸であるリヤプロペ
ラシャフト12がボルト止め等によって一体に設けられる
と共に、前記ドライブハウジング30に対しビス止めされ
たストッパプレート41によって相対回転を許容しながら
軸方向に固定状態で設けられている。
尚、このローター40には、前記カム面31に対向する位
置で放射半径方向に等間隔で4個所にシリンダ穴42…が
形成されている。
前記ドライビングピストン50は、前記シリンダ穴42に
対しシールリング51により油密状態で設けられたカム部
材で、カム面31との周接面は滑らかな接触移動を確保す
る為、球面50aに形成されていて、周方向に45度ズレた
位置でカム面31に周接し、前記ドライブハウジング30と
ローター40との相対回転時に往復動する。
尚、前記球面50aの曲率半径は、カム面31より小さい
が、シリンダ穴42の径に合うドライビングボールよりも
大きく設定されていて、ヘルツの接触応力が高く、高容
量(高トルク)に耐えられるようにしている。
前記油室60は、前記シリンダ穴42と前記ドライビング
ピストン50との間に形成された室で、ドライビングピス
トン50の往復動に伴なって体積変化する。
前記油路61は、各油室60…間を連結するように前記ロ
ーター40に形成された路で、対向する1対のシリンダ穴
42に対応してオリフィス62及び逆止弁64が設けられる。
尚、油路61は、各シリンダ穴42…の底部に孔設された
径方向油路61aと、ローター40の軸心に孔設された軸方
向油路61bとで構成され、対向する油室60,60を結ぶ油路
61にそれぞれ一組のオリフィス62及び逆止弁64が設けら
れている。すなわち、2個のドライビングピストン50に
一組のオリフィス62及び逆止弁64が設けられている。
また、前記軸方向油路61bの開口端部はアキュムレー
タ室74に導かれていて、急なドライビングピストン50の
往復動等に伴なう油量変動を吸収するようにしている。
これは、それぞれの油室60に容積の変動があってもあら
ゆる相対回転位置でほぼ総容積が一定となるように設定
されているが、急な相対回転時や大きな相対回転時等で
は部分的な容積変動が生じる為である。
尚、第1図及び第2図に示すアキュムレータ室74は、
ローター40に往復動可能に油密状態で設けられたアキュ
ムレータピストン65と、該ピストン65とスプリングリテ
ーナ66との間に介装されたコイルスプリング67と、によ
って構成されていて、前記アキュムレータピストン65に
は、その中央部(中心軸上)にエアー及び油抜き用のシ
ールプラグ68が設けられていて、このシールプラグ68に
よって回転アンバランスを防止しながらエアーや油抜き
作業を短時間で効果的に出来るようにしている。
他例である第3図に示すアキュムレータ室64は、ロー
ター40に往復動可能に油密状態で設けられたアキュムレ
ータピストン69と、該ピストン69とワッシャ70との間に
介装された皿バネ71と、によって構成されていて、前記
アキュムレータピストン69には、その中央部に前例と同
様のエアー及び油抜き用のシールプラグ72が設けられて
いる。
前記連通路63は、前記ドライビングピストン50の往復
動行程で同位相の複数の油室60,60(実施例では対向す
る2室)を互いに連通する油路で、3つの連通路63,63,
63は互いに干渉しないように形成されている。
次に、実施例の作用を説明する。
(イ)回転速度差ΔNの発生がない時 乾燥アスファル路等を低・中速で直線走行する場合等
であって、前後輪に回転速度差ΔNが発生しない時は、
ドライブハウジング30とローター40とに相対回転がな
く、ドライビングピストン50が径方向に往復動しない
為、トルク伝達装置Aによる後輪19,20側への伝達トル
クΔTの発生がなく、エンジン駆動力は前輪7,8のみに
伝達される前輪駆動状態となる。
しかしながら、前後輪に回転速度差ΔNが発生しない
時であっても、高速道路を高速直進走行する場合には、
後輪19,20の回転に伴なって高速回転するローター40に
設けられているドライビングピストン50には遠心力Fcが
作用し、この遠心力Fcによってドライビングピストン50
がカム面31に押し付けられることになり、この遠心力Fc
により、第5図に示すように、伝達トルクΔTcoが発生
することになる。尚、遠心力Fcは、 m;質量(ドライビンクピストン) r;回転中心軸から質量重心までの距離 v;ローター回転速度 であり、回転速度v、すなわち車速Vの2乗に比例して
発生する。
従って、高速道路等での高速直進走行時には、後輪1
9,20側への伝達トルクΔTcoが発生して4輪駆動状態と
なり、高速直進安定性を高めることができる。
(ロ)回転速度差ΔNの発生時 アクセルペダルを急踏みしての発進時や加速時、ある
いは雨路や雪路や泥ねい地等での走行時であって、駆動
輪である前輪7,8がスリップし、前後輪に回転速度差Δ
Nを生じた場合には、ドライブハウジング30とローター
40とに相対回転が発生し、この相対回転によりカム面3
1,32に周接するドライビングピストン50は径方向に往復
動し、この往復動のうち回転軸中心に向かうことで油室
60の容積を縮小させようとする時には、オリフィス62に
よる流動抵抗で油室60内の圧力が高まり、この発生油圧
とピストン50の受圧面積とを掛け合せた油圧力がドライ
ビングピストン50をカム面31に押し付ける力となり、こ
の押し付け力によって後輪19,20側への伝達トルクΔT
が発生する。
尚、後輪19,20側への伝達トルクΔTは、回転速度差
ΔNが大きければ大きい程、オリフィス62の前後圧力差
も大きくなることから、第5図の実線に示すように、2
次関数曲線であらわされる伝達トルク特性を示し、車速
Vが高い程、遠心力による伝達トルクΔTcが付加された
特性を示す。
従って、前輪7,8がスリップした場合には、前輪7,8の
スリップ度合に応じて、自動的に前輪駆動状態から4輪
駆動状態へと駆動力配分が制御されることになり、発進
性や加速性の向上、雨路や雪路での走破性向上、及び泥
ねい地での脱出性向上を図ることができる。
また、低速での小旋回時にも前後輪の旋回走行軌跡の
差で、前後輪にわずかの回転速度差ΔNが生じるが、こ
の時には後輪19,20側への伝達トルクΔTが小さな状態
である為、前後輪の回転速度差ΔNはトルク伝達装置A
で吸収され(センタディファレンシャル機能)、タイト
コーナブレーキ現象の発生が防止される。
また、高速旋回時においては、前後輪に大きな回転速
度差ΔNが生じ、後輪19,20側への伝達トルクΔTが高
い4輪駆動状態となる為、駆動力とコーナリングフォー
スとの関係から限界旋回性能(コーナリング時の限界速
度)が高まる。
以上説明してきたように、実施例のトルク伝達装置A
にあっては、以下に述べるような効果が得られる。
カム面31に対し径方向内側からドライビングピスト
ン50が接触するように配置されている為、ローター40が
高回転する時に前記ドライビングピストン50に作用する
遠心力Fcで、前後輪に回転速度差ΔNの発生がない時で
も高車速時には所定の伝達トルクΔTcoが発生して高速
走行安定性が高まるし、回転速度差ΔNの発生時には伝
達トルクΔTcが付加されたトルク伝達特性、すなわち回
転速度差ΔNと車速Vとに対応したトルク伝達特性(第
5図)を得ることができる。
相対回転する回転部材のうち、内側に配置されるロ
ーター40に油室60及び油路61が形成されている為、ロー
ター40が高回転する時に油室60及び油路61を流通する作
動油に対する遠心力影響がほとんど発生せず、安定した
トルク伝達特性が得られると共に、振れ回りの原因とな
ることもなく、油路61がコンパクトにローター40の回転
軸部に形成される。
構造的にショックアブソーバタイプであり油室60の
シール性は、シールリング51だけで油のリークを防止す
る高いシール性が確保される為、低い回転速度差ΔNの
領域でもトルク伝達特性に従って伝達トルクΔTを発生
させることができる。
カム面31をドライブハウジング30の内周部に形成さ
せている為、カム面31の全体の径を大きくとることがで
き、これによってカム面31の精度良く加工できると共
に、カム面31の凹凸がなめらかになるので、回転速度差
ΔNが大であってもカム面31とドライビングピストン50
の衝突音発生を防止できる。
油路61の端部は、アキュムレータ室64に導かれてい
る為、油量変動吸収と共に、トルク伝達系に生じる衝撃
的なトルクのダンパーとなるし、ドライビングピストン
50その他各部の摺動部分の耐久による摩耗等の補正手段
としても作用する。
対向する同位相同士の油室60,60は、連通路63で連
通されている為、相互の圧力バランス、すなわち、トル
ク反力バランスが保され、耐久性が向上する。
連通路63による連通に伴なって、2個分のシリンダ
容積(油量)を1個のオリフィス62絞る為、オリフィス
面積は2倍に設定できる。換言すれば、オリフィス径は
1シリンダ1個のオリフィスに比べ の大きさとなり、コンタミネーション(内部のゴミのこ
と)の影響は激減する。
1シリンダ1個のオリフィス及び逆止弁を設ける場
合に比べ、部品点数的に半減し、コストが低くく,信頼
性も高まる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
例えば、本発明のトルク伝達装置は、実施例で示した
適用例に限られるものではなく、後輪駆動ベースの四輪
駆動車の前輪側プロペラシャフトの途中に設けたり、前
輪駆動ベースの四輪駆動車のリヤディファレンシャルの
代りに設けたり、左右輪や前後輪の差動制限装置として
差動装置とは別に設けることもできる。
また、本実施例は、連通したシリンダ群に付、1個の
オリフィスと1個の逆止弁とを設けた例を示したが、こ
れに限定されるものではなく、例えば、第6図にモデル
的に示すように、互いに同相なシリンダ群を連通する連
通路a,b間をオリフィスcを有する油路dのみで連通す
る様にしても良い。
また、カム面やカム体の形状及び油路構成についても
実施例に限られるものではない。
また、伝達トルク容量の設定は、オリフィスの変更、
カム体への受圧面積の変更、カム体の数、カム面による
ストローク幅の変更等により適宜行なうことができる。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明のトルク伝達装置に
あっては、流量発生手段が、入出力軸の一方と一体的に
形成され内周部にカム面を有する第1回転部材と、入出
力軸の他方と一体的に形成され前記カム面内に挿入され
る第2回転部材と、該第2回転部材に支持されると共に
前記カム面と周接し前記両回転部材の相対回転時に径方
向に往復動するカム体と、前記第2回転部材に形成さ
れ、前記カム体の往復動に伴ない体積変化する複数の流
体室と、該各流体室間をオリフィスを介して連結する流
体路と、前記カム体の往復動行程で同位相の複数の流体
室を互いに連通する連通路と、を備えた手段であるた
め、以下に列挙する効果が得られる。
第1回転部材と第2回転部材との相対回転時の回転
速度差に応じて高まると共に、車速が高車速である程、
遠心力により発生する伝達トルク分が付加されるトルク
伝達特性が得られる。
相対回転する両回転部材のうち、内側に配置される
第2回転部材に流体室及び流体路が形成される為、第2
回転部材が高回転する時の流体に体する遠心力影響がほ
とんどなく、安定したトルク伝達特性が得られると共
に、振れ回りの原因になることがなく、さらに流体路が
第2回転部材の回転軸部にコンパクトに形成される。
構造的にショックアブソーバタイプであり、流体室
のシール性が容易に確保される為、流体のリークにより
伝達トルクの発生がなかったり、伝達トルクが低下する
のが抑えられる。
カム面を第1回転部材の内面部に形成させているた
め、カム径を大きくとることができ、これによって、カ
ム面を精度良く加工できると共に、カム面の凹凸がなめ
らかになるので相対回転の回転速度差が大きい時でもカ
ム体による衝突音の発生を防止できる。
カム体の往復動行程で同位相の複数の流体室を互い
に連通する連通路を備えている為、相互の圧力バランス
を保てるし、オリフィス面積の拡大によりコンタミネー
ションの影響を減じることが出来るし、さらに、部品点
数の減少でコストが低く、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明実施例のトルク伝達装置を示す縦断正面
図、第2図は第1図I−I線による断面図、第3図はア
キュムレータ室部分の他例を示す断面図、第4図は実施
例装置を適用したエンジン駆動系を示す概略図、第5図
は実施例装置でのトルク伝達特性図、第6図はトルク伝
達装置のローター部の他例を示す斜視図である。 30……ドライブハウジング(第1回転部材) 31……カム面 40……ローター(第2回転部材) 50……ドライブピストン(カム体) 60……油室(流体室) 61……油路(流体路) 62……オリフィス 63……連通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
    記両軸の回転速度差に応じた量の流体を流動させる流量
    発生手段を備え、前記流体の流動抵抗により前記入出力
    軸間の伝達トルクが制御されるトルク伝達装置におい
    て、 前記流量発生手段は、 入出力軸の一方と一体的に形成され内周部にカム面を有
    する第1回転部材と、 入出力軸の他方と一体的に形成され前記カム面内に挿入
    される第2回転部材と、 該第2回転部材に支持されると共に前記カム面と周接し
    前記両回転部材の相対回転時に径方向に往復動するカム
    体と、 前記第2回転部材に形成され、前記カム体の往復動に伴
    ない体積変化する複数の流体室と、 該各流体室間をオリフィスを介して連結する流体路と、 前記カム体の往復動行程で同位相の複数の流体室を互い
    に連通する連通路と、 を備えた手段であることを特徴とするトルク伝達装置。
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