JP2509331B2 - 制御型回転差感応継手 - Google Patents

制御型回転差感応継手

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JP2509331B2
JP2509331B2 JP1116636A JP11663689A JP2509331B2 JP 2509331 B2 JP2509331 B2 JP 2509331B2 JP 1116636 A JP1116636 A JP 1116636A JP 11663689 A JP11663689 A JP 11663689A JP 2509331 B2 JP2509331 B2 JP 2509331B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、四輪駆動車等の多輪駆動車の駆動力配分装
置や、左右輪の差動装置や、前後輪及び左右輪の差動制
限装置等として用いられる制御型回転差感応継手の改良
に関する。
(先行の技術) 本願出願人は、特願昭63−245232号の明細書及び図面
により、スプールを外部アクチュエータによりスプール
をストロークさせることで流体の流通を抑制するオリフ
ィスの開口面積を変更制御し、車両状態等に応じて最適
の伝達トルク特性を得ることが可能な制御型回転差感応
継手を提案した。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この先行出願の制御型回転差感応継手
にあっては、第17図に示すように、オリフィス01の開口
形状が丸穴形状となっていた為、第18図に示すように、
オリフィス開口面積変更部材であるスプールのストロー
ク量xに対するオリフィス開口面積Sの変化をみると、
ストローク初期は小さく、ストローク中期で大きく、ス
トローク終期の閉じ切り近くで急に小さくなる。この
為、伝達トルクが、同図Tで示すように、立ち上りが遅
く、かつ、オリフィス開度の閉じ切り付近での変化が急
激な特性となってしまい、アクチュエータの駆動精度が
低い場合には、スプールのストロークに基づいて精度良
く制御できる範囲が非常に狭くなる。
一方、スプールのストロークに基づいて精度良く制御
できる範囲を拡大しようとする場合には、アクチュエー
タの駆動精度を高く確保しないとならず、それだけコス
ト高になる。
本発明は、上述のような問題に着目してなされたもの
で、アクチュエータの駆動精度を高くすることなくコス
ト的に有利としながら、精度良い制御が保証されるトル
ク制御範囲の拡大を図ることが出来る制御型回転差感応
継手の開発を共通の課題とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために本発明の制御型回転差感応
継手では、オリフィス開口部の形状を長穴形状または全
開側の開口面積が大きく閉じ切り付近で開口面積変化の
小さい形状とした。
即ち、請求項1記載の制御型回転差感応継手では、同
軸上に配置された相対回転する第1回転部材及び第2回
転部材と、前記第1回転部材に設けられ、内面にカム面
を有するハウジング部材と、前記第2回転部材に設けら
れ、相対回転により前記カム面に摺接しながら径方向に
往復動する放射状配置のカム体を有するローター部材
と、該ローター部材に形成され、前記カム体の往復動に
伴い体積変化する流体室と、該流体室に連通され、開口
部形状を長径と短径を有し、長径方向が後述するオリフ
ィス開口面積変更部材のストローク方向に一致する長穴
形状としたオリフィスと、該オリフィスの開口部位置に
設けられ、外部からの指令により駆動制御されるアクチ
ュエータによりオリフィス長径方向の移動で開口面積を
変更させるオリフィス開口面積変更部材と、を備えてい
ることを特徴とする。
また、請求項2記載の制御型回転差感応継手では、同
軸上に配置された相対回転する第1回転部材及び第2回
転部材と、前記第1回転部材に設けられ、内面にカム面
を有するハウジング部材と、前記第2回転部材に設けら
れ、相対回転により前記カム面に摺接しながら径方向に
往復動する放射状配置のカム体を有するローター部材
と、該ローター部材に形成され、前記カム体の往復動に
伴い体積変化する流体室と、該流体室に連通され、開口
部形状を後述するオリフィス開口面積変更部材による同
じストローク量に対し全開側での開口面積変化が大きく
閉じ切り側での開口面積変化が小さい形状としたオリフ
ィスと、該オリフィスの開口部位置に設けられ、外部か
らの指令により駆動制御されるアクチュエータによりオ
リフィスの全開側と閉じ切り側とを結ぶ方向の移動で開
口面積を変更させるオリフィス開口面積変更部材と、を
備えていることを特徴とする。
(作 用) 入出力軸間の相対回転により第1回転部材と第2回転
部材とに回転速度差が生じると、この相対回転に応じて
カム体の径方向往復動に伴って流体室で発生する流量
が、オリフィスの開口面積に基づく流動抵抗により流体
圧に変換され、この流体圧によりカム体をカム面に押し
つける圧接力で両回転部材の回転速度差に応じたトルク
が一方の回転部材から他方の回転部材へ伝達される。
そして、両回転部材の相対回転速度差に対する伝達ト
ルク特性を変更したい場合は、外部からの指令によりア
クチュエータを駆動させ、オリフィス開口面積変更部材
を移動させてオリフィスの開口面積を変更させて行なわ
れる。
例えば、相対回転速度差に対して低い伝達トルク特性
を得たい場合には、アクチュエータへの駆動指令によ
り、オリフィス開口面積を広げてオリフィス流動抵抗を
低減する方向にオリフィス開口面積変更部材を作動さ
せ、逆に、相対回転速度差に対して高い伝達トルク特性
を得たい場合には、アクチュエータへの駆動指令によ
り、オリフィス開口面積を狭めてオリフィス流動抵抗を
増大する方向にオリフィス開口面積変更部材を作動させ
る。
このようにオリフィス開口面積変更部材を移動させて
オリフィス開口面積を変更させるに際し、請求項1記載
の制御型回転差感応継手の場合、オリフィスの開口部形
状が、長径と短径を有する長穴形状であり、長径方向が
オリフィス開口面積変更部材のストローク方向に一致す
る為、オロフィス開口面積の全開から全閉までに要する
オリフィス開口面積変更部材のストローク量が増大す
る。
また、請求項2記載の制御型回転差感応継手では、オ
リフィスの開口部形状を同じストローク量に対し全開側
での開口面積変化が大きく閉じ切り側での開口面積変化
が小さい形状とした為、伝達トルク変化の大きな閉じ切
り付近でのオリフィス開口面積変更部材のストローク量
が増大する。
従って、請求項1記載の制御型回転差感応継手の場合
には全体的なストローク拡大により、また、請求項2記
載の制御型回転差感応継手の場合には閉じ切り付近での
ストローク拡大により、アクチュエータの駆動精度を高
くすることなくコスト的に有利としながら、精度良い制
御が保証されるトルク制御範囲の拡大を図ることが出来
る。
(第1実施例) まず、請求項1記載の制御型回転差感応継手に対応し
た第1実施例の構成を説明する。
第1実施例の制御型回転差感応継手Aは、第3図に示
すように、後輪駆動をベースにした四輪駆動車の前輪駆
動系の途中に、前輪への駆動トルク配分制御装置として
設けられている。
即ち、実施例継手Aが適用される四輪駆動車の駆動系
は、後輪駆動系として、エンジン1、トランスミッショ
ン2、リヤプロペラシャフト3、リヤディファレンシャ
ル4、リヤドライブシャフト5,6、後輪7,8を備えてい
て、前輪駆動系として、トランスファ9、制御型回転差
感応継手A、フロントプロペラシャフト10、フロントデ
ィファレンシャル11、フロントドライブシャフトジョイ
ント12,13、前輪14,15を備えている。
前記トランスファ9は、第4図に示すように、リヤプ
ロペラシャフト3に中間軸として直結されるトランスフ
ァ入力軸16と、該トランスファ入力軸16に2WD−4WD切換
クラッチ17を介して連結される入力プーリ18と、フロン
トプロペラシャフト10に制御型回転差感応継手Aを介し
て連結される出力プーリシャフト19と、前記入力プーリ
18と出力プーリシャフト19とに掛け渡されるベルト20と
がトランスファケース21に納められた構成となってい
る。
次に、制御型回転差感応継手Aの構成を説明する。
実施例継手Aは、第5図及び第6図に示すように、ピ
ストン式の油吐出手段によるもので、ドライブハウジン
グ30、ローター(ローター部材)40、ドライビングピス
トン50(カム体)、シリンダー室60(流体室)、バラン
ス油路70、レギュレータ・リリーフ油路80、スプール室
90、アキュムレータ室100、アキュムレータ・リリーフ
油路110を主要な構成としている。
前記ドライブハウジング30は、入力軸としての出力プ
ーリシャフト19(第1回転部材)に対しボルト止め等に
より一体に設けられる部材で、その内周部には、相対回
転により発生する伝達トルクの合計値があらゆる相対回
転角の位置でほぼ一致する形状設定によるカム面31が形
成されている。
前記ローター40は、前記ドライブハウジング30のカム
面31内に挿入状態で配置され、出力軸としてのフロント
プロペラシャフト10(第2回転部材)がボルト止め等に
よって一体に設けられると共に、前記ドライブハウジン
グ30に対しビス止めされたストッパプレート41によって
相対回転を許容しながら軸方向に固定状態で設けられて
いる。
尚、このローター40には、前記カム面31に対向する位
置で放射半径方向に等間隔で6個所にシリンダー穴42が
形成されている。
また、前記ストッパプレート41が設けられるローター
40とドライブハウジング30との相対回転部には、第5図
に示すように、外側にリップを配置したリップシール43
が設けられると共に、該リップシール43の内側圧入径
を、ローター40にボルト44により固定されるフランジ45
の外径よりも小さくしている。
前記ドライビングピストン50は、前記シリンダー穴42
に対しシールリング51により油密状態で設けられたカム
部材で、周方向に60度ズレた位置でそれぞれがカム面31
に摺接し、前記ドライブハウジング30とローター40との
相対回転時に往復動する。
尚、カム面31との摺接面は滑らかな接触移動を確保す
ると共に、ヘルツの接触応力を高くして高容量(高トル
ク)に耐えられるようにする為、球面50aに形成されて
いる。
前記シリンダー室60は、前記シリンダー穴42と前記ド
ライビングピストン50との間に形成された室で、ドライ
ビングピストン50の往復動に伴なって体積変化する。
前記バランス油路70は、前記シリンダー室60からの吐
出油を可変オリフィス71による流通抑制で油圧に変換す
る油流通抑制機能を持つ油路で、前記ローター40にシリ
ンダー室60とスプール室90とを連結するべく同相のシリ
ンダー室60からの油路がスプール室90に対して対向位置
関係となるように夫々6本の油路が連通配置されてい
る。
前記可変オリフィス1は、第5図の要部拡大図である
第1図に示すように、バランス油路70のスプール室90に
対する開口端に形成されたオリフィス70aと、該オリフ
ィス70aの開口面積を変更すべく、オリフィス70aに符合
する位置のスプール室90に摺動可能であると共にスプリ
ング72により付勢されたオリフィススプール(オリフィ
ス開口面積変更部材)73とで構成している。
そして、前記オリフィス70aは、第1図のD矢視図で
ある第2図に示すように、オリフィススプール73のスト
ローク方向xに長径l1を有すると共に、この長径l1(4m
m)の直交方向に長径l1よりも短い短径l2(3.14mm)を
有する長方形の長穴形状としている。
ちなみに、このオリフィス70aの長穴形状は、特性比
較のために第17図に示す丸穴01と同じ面積で、かつ、長
径l1を丸穴01の直径(4mm)と同じにしている。
また、前記オリフィススプール73には、ロッド74が一
体に形成され、このロッド74はローター40の回転中心部
より外部に取り出され、トランスファケース21に取付け
たソレノイドアクチュエータ75(外部アクチュエータ)
に連結されている。
尚、ソレノイドアクチュエータ75には、第4図に示す
ように、ソレノイド駆動回路76が電線77を介して直接接
続され、且つ、ソレノイド駆動回路76には、フルオート
4WDモード,4WD固定モードを切換えるモードスイッチ78
が接続されている。
また、前記オリフィススプール73には連通孔73aが形
成され、且つ、ロッド74は、O−リング79により出力プ
ーリシャフト19,ドライブハウジング30及びローター40
に対して油密状態とされている。
前記レギュレータ・リリーフ油路80は、前記ドライビ
ングピストン50が外径方向にストロークする吸込行程時
に、ボール弁構造のワンウェイバルブ81を介してシリン
ダー室60内に作動油を供給する油路で、前記ローター40
にシリンダー室60とスプール室90とを連結するべく形成
されている。
前記スプール室90は、前記オリフィススプール73が設
けられると共に、ローター40の回転中心部に軸方向穴と
して開孔されたアキュムレータ室100に連通する穴であ
る。
前記アキュムレータ室100は、作動油の一時的貯留及
び放出により油量の増減吸収を行なう室で、ローター40
に往復動可能にピストンシール101により油密状態で設
けられたアキュムレータピストン102と、該ピストン102
とスプリングリテーナ103との間に介装されたコイルス
プリング104とによって形成されている。
前記アキュムレータ・リリーフ油路110は、アキュム
レータ室100の上限圧、即ち、最大伝達トルクを規定す
る油路で、前記ローター40にアキュムレータ室100とド
レーン室120とを連結するべく形成されている。
そして、このアキュムレータ・リリーフ油路110は、
アキュムレータ室100側の油路開口部をアキュムレータ
圧が低圧領域ではピストンシール101上に配置されるよ
うにしている。
次に、実施例の作用を説明する。
(イ)フルオート4WDモード時 2WD−4WD切換クラッチ17を4WD側に切換えた時であっ
て、モードスイッチ78をフルオート4WDモード側に選択
した時には、トランスファケース21に設けられたソレノ
イドアクチュエータ75に対し、モードスイッチ78からの
スッチ信号に応じてソレノイド駆動回路76から電線77の
みを介してロッド74を第4図左方向に押し込む電気指令
が出力される。
そして、このフルオート4WDモードの選択によりオリ
フィススプール73は、第1,5図の下半分に示す位置に配
置され、バランス油路70は設定オリフィス開度を介して
スプール室90に連通する状態となる。
・ΔN=0の時 乾燥アスファルト路等を低・中速で直線走行する場合
等であって、前後輪に回転速度差ΔNが発生しない時
は、ドライブハウジング30とローター40とに相対回転が
なく、ドライビングピストン50が径方向に往復動しない
為、制御型回転差感応継手Aによる前輪14,15側への伝
達トルクΔTの発生がなく、エンジン駆動トルクは後輪
7,8のみに伝達される後輪駆動状態となる。但し、高速
道路を高速直進走行する場合には、前輪14,15の回転に
伴なって高速回転するローター40に設けられているドラ
イビングピストン50に遠心力が作用し、この遠心力によ
ってドライビングピストン50がカム面31に押し付けられ
ることになり、この遠心力に応じた前輪伝達トルクが発
生し、高速直進安定性を高めることができる。
・ΔN>0の時 アクセルペダルを急踏みしての発信時や加速時、ある
いは雨路や雪路や泥ねい地等での走行時であって、常時
駆動輪である後輪7,8がスリップし、前後輪に回転速度
差ΔNを生じた場合は、ドライブハウジング30とロータ
ー40とに相対回転が発生し、この相対回転によりカム面
31に周接するドライビングピストン50は径方向に往復動
し、この往復動のうち回転軸中心に向かうことでシリン
ダー室60の容積を縮小させようとする時には、可変オリ
フィス71による流動抵抗でシリンダー室60内の圧力が高
まり、この発生油圧とピストン50の受圧面積とを掛け合
せた油圧力がドライビングピストン50をカム面31に押し
付ける力となり、この押し付け力によって前輪14,15側
への伝達トルクΔTが発生する。
即ち、前輪14,15側への伝達トルクΔTは、回転速度
差ΔNが大きければ大きい程、可変オリフィス71の前後
圧力差も大きくなることから、第7図の1点鎖線に示す
ように、2次関数曲線であらわされる伝達トルク特性を
示す。
尚、第7図の点線特性に示すように、設定オリフィス
開度によるオリフィス開口面積を小〜大にすることで、
伝達トルク特性は様々な特性に設定できる。
従って、後輪7,8がスリップした場合には、後輪7,8の
スリップ度合に応じて、自動的に前輪駆動状態から4輪
駆動状態へと駆動トルク配分が制御されて後輪7,8のス
リップが抑制されることになり、発進性や加速性の向
上,雨路や雪路での走破性向上及び泥ねい地での脱出性
向上を図ることができる。
尚、アキュムレータ室100の油を制御型回転差感応継
手A及び該継手Aを介して前輪14,15に駆動トルクを伝
える駆動伝達系の破壊強度より小さな油圧でリリーフし
て上限圧を規定するアキュムレータ・リリーフ油路110
を設けた為、最大駆動トルクΔTMAXまでのトルクが前輪
14,15へ入力される。
(ロ)4WD固定モード時 2WD−4WD切換クラッチ17を4WD側に切換えた時であっ
て、モードスイッチ78を4WD固定モード側に選択した時
には、トランスファケース21に設けられたソレノイドア
クチュエータ75に対し、モードスイッチ78からのスッチ
信号に応じてソレノイド駆動回路76から電線77のみを介
してロッド74を第4図右方向に引き出す電気指令が出力
される。
そして、この4WD固定モードの選択によりオリフィス
スプール73は、第1,5図の上半分に示す位置に配置さ
れ、バランス油路70とスプール室90とは連通が遮断され
る状態となる。
この場合、シリンダー室60には作動油が封入されたま
まで、わずかに前後輪回転速度差ΔNが発生するだけで
ドライビングピストン50とカム面31とは圧接してトルク
を伝達する。
即ち、第7図の実線に示すような伝達トルク特性を示
すことになり、リヤプロペラシャフト3とフロントプロ
ペラシャフト10とを直結する継手として作用し、前後輪
駆動力伝達系が直結の4輪駆動状態となる。
但し、前述のように、最大駆動トルクΔTMAXまでのト
ルクが前輪14,15へ入力される。
従って、4WD固定モード時にはフルオート4WDモード時
のように動力の損失もなく、前輪14,15への伝達トルク
ΔTが大きく、しかも発熱がない為に連続して発揮させ
ることができ、オフロードや雪路や氷結路等の過酷な走
行条件に対応させることができる。
ところで、上述のようにオリフィススプール73を移動
させオリフィス開度を調節するに当り、オリフィススプ
ール73のストローク量xに対するオリフィス開口面積S
及び伝達トルクTの関係は、第8図に示すようになる。
即ち、第8図は横軸にオリフィススプール73のストロ
ーク量x、縦軸にオリフィス開口面積S及び伝達トルク
Tをとったもので、この図に示すように、オリフィス開
口面積Sの変化率は一定となっていて、1次特性で変化
する。
そこで、実施例の伝達トルクTの特性と第18図に示す
丸穴の伝達トルクTの特性と比較すると、伝達トルクT
が100Kgmまで変化する時のストローク量xが、丸穴では
0〜1.7mmであるのに対して、本実施例では0〜1.9mmと
なっている。
従って、第1実施例では、全体的なオリフィススプー
ル73のストローク拡大により、ソレノイドアクチュエー
タ75の駆動精度を高くすることなくコスト的に有利とし
ながら、精度良い制御が保証されるトルク制御範囲の拡
大を図ることが出来る。
次に、第9図は第1実施例の変形例のオリフィス170a
を示すもので、この変形例は第1実施例に比較して長径
l3を長く(6mm)、短径l4を短く(2.1mm)形成してい
る。尚、オリフィス開口面積は、第1実施例及び丸穴01
と同様に設定している。
従って、第10図に示すように、第1実施例よりもさら
にオリフィス開口面積Sの変化率が小さくなると共に、
伝達トルクTの変化率が小さくなり、精度良い制御が保
証されるトルク制御範囲が拡大する。
即ち、長径l3の寸法を長くすればする程、オリフィス
開口面積Sの変化率及び伝達トルクTの変化率が小さく
なり、精度良い制御が保証されるトルク制御範囲が拡大
する。
(第2実施例) 次に、本発明請求項2に対応する第2実施例について
説明する。尚、この第2実施例を説明するに当り、第1
実施例と同様の説明は省略し、相違点のみを説明する。
この第2実施例は、オリフィスの形状が第1実施例と
異なる。
即ち、この第2実施例では、オリフィス270aを、第11
図に示すように、オリフィススプール73の開ストローク
側(−x側)に底辺bを有し、閉ストローク側(+x
側)に頂点cを有した三角形状に形成しており、第12図
に示すように、オリフィススプール73のストローク量x
に対するオリフィス開口面積Sの変化は、始め大きく閉
じ切りに近付くにつれ小さくなるような、2次曲線特性
となる。
従って、第2実施例では、トルク変化率の大きな閉じ
切り付近のオリフィススプール73のストローク拡大によ
り、ソレノイドアクチュエータ75の駆動精度を高くする
ことなくコスト的に有利としながら、精度良い制御が保
証されるトルク制御範囲の拡大を図ることが出来る。
尚、オリフィスを、第13図に示すようにオリフィスス
プール73のストローク方向に長い三角形形状のオリフィ
ス370aとすると、さらに、トルク制御範囲が拡大するも
ので、このように、長くするにあたり、隣のバランス油
路70と干渉することはない。
次に、第14図〜第16図は、第2実施例の変形例のオリ
フィス470a,570a,670aを示すもので、いずれも開口部形
状を、一方の開口面積が大きく他方の開口面積が小さい
形状に形成している。尚、これらの場合オリフィス開口
面積の変化特性は2次曲線となるとは限らない。
これらの第2実施例の変形例のオリフィス470a,570a,
670aの場合、オリフィススプール73の閉ストロークの初
期はオリフィス開口面積Sの変化率が大きく、閉じ切り
付近ではオリフィス開口面積Sの変化率が小さい為、閉
じ切り付近での制御精度を高く保ちながら、例えば、油
温が低い場合やアンチロックブレーキシステム(ABS)
との干渉を避ける場合には、オリフィス面積の変化率が
大きい範囲を利用することで応答性を高く保つことがで
きる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、本発明の制御型回転差感応継手
を四輪駆動車の駆動力配分装置に適用した例を示した
が、左右輪の差動装置や、前後輪及び左右輪の差動制限
装置として用いてもよい。
また、第1実施例では、長穴に形成したオリフィスと
して長方形形状の長穴を示したが、オリフィス開口面積
変更部材のストローク方向に長径を有しその直交方向に
短径を有した長穴であれば、長円や楕円形等、他の形状
であってもよいし、また、第1実施例と第2実施例を組
合わせた例としてもよい。
また、実施例として、外部アクチュエータとしてソレ
ノイドアクチュエータ75を示したが、モータアクチュエ
ータや流体圧アクチュエータ等のような他のアクチュエ
ータを用いてもよい。
また、実施例では、ドライバーによる手動操作でオリ
フィス開度を切換える例を示したが、車速センサや車輪
速センサやアクセル開度センサや操舵角センサ等からの
信号により、路面状態や車両状態や走行状態等に応じて
自動的に最適なオリフィス開度に制御するような例であ
っても良く、例えば、前後輪回転速度差検出値を目標値
にするべくオリフィス開度をきめ細かく変更制御するよ
うな例としても良い。
(発明の効果) 以上説明してきたように、請求項1記載の制御型回転
差感応継手の場合、オリフィスの開口部形状が、長径と
短径を有する長穴形状にした為、全体的なストローク拡
大により、アクチュエータの駆動精度を高くすることな
くコスト的に有利としながら、精度良い制御が保証され
るトルク制御範囲の拡大を図ることが出来るという効果
が得られる。
請求項2記載の制御型回転差感応継手では、オリフィ
スの開口部形状を同じストローク量に対し全開側での開
口面積変化が大きく閉じ切り側での開口面積変化が小さ
い形状とした為、閉じ切り付近でのストローク拡大によ
り、アクチュエータの駆動精度を高くすることなくコス
ト的に有利としながら、精度良い制御が保証されるトル
ク制御範囲の拡大を図ることが出来るという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明第1実施例の制御型回転差感応継手の要
部を示す断面図、第2図は第1実施例継手の要部を示す
第1図D矢視図、第3図は第1実施例継手を適用したエ
ンジン駆動系を示す概略図、第4図は制御型回転差感応
継手を適応したトランスファを示す断面図、第5図は実
施例の制御型回転差感応継手を示す縦断側面図(第6図
I−I線)、第6図は第5図II−II線による縦断正面
図、第7図は第1実施例継手でのフルオート4WDモード
及び4WD固定モードでのトルク伝達特性図、第8図は第
1実施例継手の可変オリフィスにおけるオリフィススプ
ールのストローク量に対するオリフィス開口面積及び伝
達トルク特性図、第9図は第1実施例の他例のオリフィ
スを示す図、第10図は該他例のオリフィススプールのス
トローク量に対するオリフィス開口面積及び伝達トルク
特性図、第11図は第2実施例の制御型回転差感応継手の
オリフィスを示す図、第12図は第2実施例継手のオリフ
ィススプールのストローク量に対するオリフィス開口面
積及び伝達トルク特性図、第13図〜第16図は第2実施例
の他例のオリフィスを示す図、第17図は先行技術のオリ
フィスを示す図、第18図は先行技術のオリフィススプー
ルのストローク量に対するオリフィス開口面積及び伝達
トルク特性図である。 A……制御型回転差感応継手 10……フロントプロペラシャフト(第2回転部材) 19……出力プーリシャフト(第1回転部材) 30……ドライブハウジング 31……カム面 40……ローター(ローター部材) 50……ドライビングピストン(カム体) 60……シリンダー室(流体室) 70……バランス油路 70a……オリフィス 71……可変オリフィス 73……オリフィススプール(オリフィス開口面積変更部
材) 75……ソレノイドアクチュエータ(外部アクチュエー
タ) 170a……オリフィス 270a……オリフィス 370a……オリフィス 470a……オリフィス 570a……オリフィス 670a……オリフィス

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸上に配置された相対回転する第1回転
    部材及び第2回転部材と、 前記第1回転部材に設けられ、内面にカム面を有するハ
    ウジング部材と、 前記第2回転部材に設けられ、相対回転により前記カム
    面に摺接しながら径方向に往復動する放射状配置のカム
    体を有するローター部材と、 該ローター部材に形成され、前記カム体の往復動に伴い
    体積変化する流体室と、 該流体室に連通され、開口部形状を長径と短径を有し、
    長径方向が後述するオリフィス開口面積変更部材のスト
    ローク方向に一致する長穴形状としたオリフィスと、 該オリフィスの開口部位置に設けられ、外部からの指令
    により駆動制御されるアクチュエータによりオリフィス
    長径方向の移動で開口面積を変更させるオリフィス開口
    面積変更部材と、 を備えていることを特徴とする制御型回転差感応継手。
  2. 【請求項2】同軸上に配置された相対回転する第1回転
    部材及び第2回転部材と、 前記第1回転部材に設けられ、内面にカム面を有するハ
    ウジング部材と、 前記第2回転部材に設けられ、相対回転により前記カム
    面に摺接しながら径方向に往復動する放射状配置のカム
    体を有するローター部材と、 該ローター部材に形成され、前記カム体の往復動に伴い
    体積変化する流体室と、 該流体室に連通され、開口部形状を後述するオリフィス
    開口面積変更部材による同じストローク量に対し全開側
    での開口面積変化が大きく閉じ切り側での開口面積変化
    が小さい形状としたオリフィスと、 該オリフィスの開口部位置に設けられ、外部からの指令
    により駆動制御されるアクチュエータによりオリフィス
    の全開側と閉じ切り側とを結ぶ方向の移動で開口面積を
    変更させるオリフィス開口面積変更部材と、 を備えていることを特徴とする制御型回転差感応継手。
JP1116636A 1989-05-10 1989-05-10 制御型回転差感応継手 Expired - Lifetime JP2509331B2 (ja)

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EP90108600A EP0398124B1 (en) 1989-05-10 1990-05-07 Controlled type rotation speed difference sensitive coupling
DE69011944T DE69011944T2 (de) 1989-05-10 1990-05-07 Regelbare drehzahldifferenzabhängige Kupplung.

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