JP5097053B2 - 液圧制御ユニット用リザーバ - Google Patents
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図1は実施例1の液圧制御ユニット用リザーバが設けられた液圧ユニットの説明正面図である。図2は実施例1の液圧制御ユニット用リザーバが設けられた液圧ユニットの説明側面図である。
実施例1では、車両は軽自動車のように軽量小型で、これに伴いブレーキシステムのリザーバ容量が小さいものを例として示す。
以下の説明において、p系統、s系統にそれぞれ設けられる構成については、符号にp、sを付し、説明上、両系統で同様の場合は、概ねp、sを省略した符号で説明する。また、4輪(FR,FL,RR,RL)にそれぞれ設けられる構成については、符号にFR,FL,RR,RLを付し、説明上、4輪で同様の場合は、概ねFR,FL,RR,RLを省略した符号で説明する。
また、このハウジング2には、図1、図2では図示を省略するブレーキ液路、制御弁、チェック弁が後述するブレーキ液路回路となるように設けられる。
そして、図1、図2に示すようにハウジング2の下部にリザーバ6がそれぞれの系統ごとに設けられる(符号6p,6s)。
また、このハウジング2には、マスタシリンダ30からの2系統(p,s)のブレーキ液の入力ポート7(7p,7s)と4輪(FR,FL,RR,RL)への出力ポート26(26FR,26FL,26RR,26RL)が設けられる。
図3に示すのは、実施例1の液圧制御ユニット用リザーバが設けられた液圧ユニットの油圧回路図である。
液圧制御ユニット1は、モータ3、偏心カム4、ポンプ5(5p,5s)、リザーバ6(6p,6s)、入力ポート(7p,7s)、出力ポート26(26FR,26FL,26RR,26RL)、イン側ゲート弁9(9p,9s)、アウト側ゲート弁10(10p,10s)、増圧制御弁11(11FR,11FL,11RR,11RL)、減圧制御弁12(12FR,12FL,12RR,12RL)、チェック弁13(13p,13s)、14(14FR,14FL,14RR,14RL)、15(15p,15s)、16(16p,16s)、17(17p,17s)、ブレーキ液路18(18p,18s)、19(19p,19s)、20(20FR,20FL,20RR,20RL)、21(21FR,21FL,21RR,21RL)、22(22p,22s)、23(23p,23s)、24(24p,24s)、25(25p,25s)を備えている。
ポンプ5は各系統に設けられ、ブレーキ液路23から吸入したブレーキ液を、ブレーキ液路24へ圧送する。ポンプ5の内部には、ポンプシリンダ51(51p,51s)の内部で進退自在に摺動するポンププランジャ52(52p,52s)が設けられ、偏心カム4に向かってプランジャリターンばね53(53p,53s)で付勢されている。
そして、偏心カム4と当接したポンププランジャ52が、偏心カム4の動作とプランジャリターンばね53の付勢力により進退し、これによりブレーキ液を圧送する。
入力ポート7は各系統に設けられ、マスタシリンダ30からのブレーキ液を流入させる。
出力ポート26は各輪に設けられ、各輪のホイールシリンダ8(8FR,8FL,8RR,8RL)へブレーキ液を送出する。
アウト側ゲート弁10(10p,10s)は、非通電時に開の制御弁であり、自動制御及びアシスト制御時にブレーキ液路19(19p,19s)を、ポンプ5からのブレーキ液をホイールシリンダ8へ送るために閉弁する制御弁である。なお、その際に、ホイールシリンダ圧の目標圧の制御のために開閉が制御される。
チェック弁14(14FR,14FL,14RR,14RL)は、各輪に対応して設けられ、増圧制御弁11を迂回するバイパス路の途中に設けられ、ブレーキ液路20からホイールシリンダ8への液路の移動を許可し、ホイールシリンダ8からブレーキ液路20への液路の移動を禁止する逆止弁である。
チェック弁16(16p,16s)は、各系統に対応してポンプ5の内部に設けられ、ポンプ5の内部から吐出口への液路の移動を許可し、ポンプ5の吐出口から内部への液路の移動を禁止する逆止弁である。
チェック弁17(17p,17s)は、各系統に対応してポンプ5の内部に設けられ、ポンプ5の吸入口から内部への液路の移動を許可し、ポンプ5の内部から吸入口への液路の移動を禁止する逆止弁である。
図4は実施例1における液圧ユニットのリザーバ部分の断面図である。図5はリザーバの皿ばねの平面図である。
リザーバ6は、ピストン61、皿ばね62、リザーバプラグ63、Oリング64、流路65,66を備え、アンチロックブレーキシステムに適用される蓄圧器として機能する。
リザーバ6は、ハウジング2の下部の外周面部分に設けられる。ハウジング2のこの部分は、外部に開口する所定径の開口部2aと、開口部2aより小径で高さのあるシリンダ孔2bを同心で開口部2aに接続して構成される。
そして、小径なシリンダ孔2bの端面部には、リターン路22、23に接続する流路65、66を接続するように設ける。
さらに、リザーバプラグ63に密閉された内部には、皿ばね62を配置する。
皿ばね62は、環状部分62a、舌片部分62b、スリット62cを備えている。
環状部分62aは、最も外周側の環状の部分であり、開口部2aとシリンダ孔2bの接続部分、つまり環状の段差として形成される部分に配置され、リザーバプラグ63により押し付けられるように固定される。
この舌片部分62bは、四方に配置されるように4つが設けられる。また、最も中央の部分は、環状部分62aに並行する平面を形成する。
そして、この4つの舌片部分62bの中央の平面部分がピストン61の下面に当接して、ピストン61を流路65,66が設けられる上方へ付勢する。
つまり、舌片部分62bが片持ちの皿ばねとなる構造である。
なお、舌片部分62bは、弾性部材に対して、十字形状のスリット62cを設け、所定角度に起立させることにより、形成される。
実施例1のリザーバ6では、ピストン61の軸方向の高さ、つまり、上面からストッパ部61bの下端までを高さh1とし、皿ばね62のセット長をh2とすると、皿ばね62による付勢力をピストン61へ付加する構成にすることで、h1>h2にしている。
実施例1の液圧制御ユニット1の動作をリザーバ6の動作とともに説明する。
例としてアンチロックブレーキシステムの場合について説明する。
ドライバによりブレーキペダルが操作されると、マスタシリンダ30からブレーキ液がp系統の入力ポート7p、s系統の入力ポート7sへ送出される。
以下2系統は同様の動作であるため、p,s系統等を省略した符号を用いて説明する。
そして、スリップ率等を制御するようにして、減圧制御弁12が制御されホイールシリンダ8からブレーキ液をリターン路21、22によりリザーバ6へ流入させる。
リザーバ6では、流入するブレーキ液によりピストン61が押圧され、皿ばね62を圧縮して、圧縮室を拡げ、その分流入する。
また、実施例1の液圧制御ユニット1では、自動制動制御等を行える油圧回路構成となっている。その場合、及び減圧したホイールシリンダ圧の再増圧の際は、リザーバ6に一時的に収容したブレーキ液は、ポンプ5から増圧制御弁11へ送られる。
実施例1では、リザーバ6が皿ばね62によりピストン61を付勢する構成にしているので、リザーバの全長が短くなる。これにより液圧制御ユニット1は小型化が可能になる。
これにより軽自動車や自動2輪車のように比較的軽量な車両への搭載性が向上することになる。
特開2006-1447に示すように、リザーバにコイルばねを用い、ピストン高さよりばねセット長が高いと、リザーバの容量が少なくて済む場合に要求される小型化を満たすことが困難である。
リザーバのためのスペースは、軽自動車や2輪車等において、液圧制御ユニットのハウジングに設けられることになる。リザーバは概ね、ピストンが摺動する圧縮室の形成に、ハウジングに設けるシリンダ孔を用いているため、縦長のリザーバは、液圧制御ユニットのハウジングに縦長なスペースを要求することになる。また、ハウジングに設けるシリンダ孔を用いているため、リザーバのみハウジングから突出する構成も困難となる。
実施例1では、リザーバ6が皿ばね62を用いてh1>h2の関係となり高さ方向に短くなることにより、これらの問題を解決し、軽自動車や2輪車における搭載性を向上させる。
実施例1の液圧制御ユニット用リザーバにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
図6は実施例2における液圧ユニットのリザーバ部分の断面図である。図7は実施例2におけるリザーバの皿ばねの平面図である。
実施例2の皿ばね67は、環状部分67a、舌片部分67b、スリット67cを備えている。
環状部分67aは、最も外周側の環状の部分であり、実施例2では、ピストン61の下面に当接する。そして、ピストン61を流路65,66が設けられる上方へ付勢する。
この舌片部分67bは、四方に配置されるように4つが設けられる。また、最も中央の部分は、環状部分67aに並行する平面を形成する。
そして、この4つの舌片部分67bの中央の平面部分が、リザーバプラグ63の上面に当接する構造である。つまり、舌片部分67bが片持ちの皿ばねとなる構造である。
また、実施例2では、ピストン61の下面中央に下方に突出したストッパ部61cを設ける。そして、ストッパ部61cが、皿ばね67の舌片部分67bの中央の部分に当接した状態をピストン61の下方限界位置とし、皿ばね67の最大圧縮状態にすることで、良好な弾性範囲内で使用されるようにする。
実施例2のリザーバ6でも、ピストン61の軸方向の高さ、つまり、上面からストッパ部61cの下端までを高さh1とし、皿ばね67のセット長をh2とすると、皿ばね67による付勢力をピストン61へ付加する構成にすることで、h1>h2にしている。
その他構成、作用効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
図8は実施例3における液圧ユニットのリザーバ部分の断面図である。図9は実施例3におけるリザーバの皿ばねの平面図である。図10は実施例3におけるリザーバの皿ばねの斜視図である。
実施例3の皿ばね68は、環状部分68a、伸長部分68b、折曲部分68c、係合孔68d、スリット68eを備えている。
環状部分68aは、内部に所定径の孔を係合孔68dとして備え、最も内側に設けられる部分である。実施例3では、ピストン61の下面から下方に突出させるストッパ部61cを円柱状にし、係合孔68dと係合させる。
そして、伸長部分68bの外周側の端部から、両回転方向の円周状に伸び、且つ斜め下方に伸長する折曲部分68cを設ける。
これにより実施例3の皿ばね68では、片持ち構造の板ばねとして作用する8つの折曲部分68cが、リザーバプラグ63の上面に当接する構造である。
また、ストッパ部61cは、下端がリザーバプラグ63の上面に当接する状態をピストン61の下方限界位置とし、皿ばね68の最大圧縮状態にすることで、良好な弾性範囲内で使用されるようにする。
実施例3のリザーバ6でも、ピストン61の軸方向の高さ、つまり、上面からストッパ部61cの下端までを高さh1とし、皿ばね68のセット長をh2とすると、皿ばね68による付勢力をピストン61へ付加する構成にすることで、h1>h2にしている。
実施例3の液圧制御ユニット用リザーバにあっては、上記(1)〜(4),(6)に加えて、以下の効果を有する。
(5)上記(4)において、付勢部材は皿ばね68であり、皿ばね68はピストン61のストッパ部61cに環状部分68aを係合させているため、より安定してばねの伸縮を行い、よりピストン61への付勢力を偏りなく伝達することができ、Oリング64の偏磨耗などを防止することができる。
その他構成、作用効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
図11は実施例4における液圧ユニットのリザーバ部分の断面図である。図12は実施例4におけるリザーバの皿ばねの斜視図である。
実施例4の皿ばね69は、環状部分69a、内孔69bを備えている。
環状部分69aは、内部に所定径の孔を内孔69bとして備える環状の部分である。
そして、所定のセット長となるように波型となっている。
また、ピストン61のストッパ部61cは、下端がリザーバプラグ63の上面に当接する状態をピストン61の下方限界位置とし、皿ばね69の最大圧縮状態にすることで、良好な弾性範囲内で使用されるようにする。
実施例4のリザーバ6でも、ピストン61の軸方向の高さ、つまり、上面からストッパ部61cの下端までを高さh1とし、皿ばね69のセット長をh2とすると、皿ばね69による付勢力をピストン61へ付加する構成にすることで、h1>h2にしている。
皿ばね69は、形状が複雑でなく、コストが非常に抑制される。
その他構成、作用効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
図13は、実施例5の液圧制御ユニット用リザーバが設けられた2輪の液圧ユニットの油圧回路図である。
図13に示す2輪の液圧ユニットの油圧回路図では、増圧制御弁11と減圧制御弁12によりアンチロック制御を2輪の車両において行うようにしている。
この2輪のブレーキシステムにおいても、減圧制御弁12により逃がされたホイールシリンダ8のブレーキ液は、リザーバ6へ一時的に収容され、ポンプ5によりマスタシリンダ30の側へ圧送される。
リザーバの構成は、実施例1〜実施例4で説明したものを用いることとし、説明を省略する。
その他構成、作用効果は実施例1と同様であるので説明を省略する。
例えば、実施例では、リザーバを液圧制御ユニットのハウジングの下部に設けたが、他の位置であってもよく、また、ハウジングのさらに内部位置に設けるようにしてもよい。
また例えば、実施例の皿ばねは、環状部分のない薄板ばねであってもよい。つまり、平面部分と起立部分からなり、平面部分は環状でなくともよい。
また例えば、実施例2〜実施例4の皿ばねは、表裏が逆であってもよい。このように表裏を問わない構成にすると、組付け作業が容易となり結果的にコストが抑制できる。
2 ハウジング
2a 開口部
2b シリンダ孔
3 モータ
4 偏心カム
5(5p,5s) ポンプ
6(6p,6s) リザーバ
7(7p,7s) 入力ポート
8(8FL,8RR,8FR,8RL) ホイールシリンダ
9(9p,9s) イン側ゲート弁
10(10p,10s) アウト側ゲート弁
11(11FL,11RR,11FR,11RL) 増圧制御弁
12(12FL,12RR,12FR,12RL) 減圧制御弁
13(13p,13s) チェック弁
14(14p,14s) チェック弁
15(15p,15s) チェック弁
16(16p,16s) チェック弁
17(17p,17s) チェック弁
18(18p,18s) ブレーキ液路
19(19p,19s) ブレーキ液路
20(20FL,20RR,20FR,20RL) ブレーキ液路
21(21FL,21RR,21FR,21RL) リターン路
22(22p,22s) リターン路
23(23p,23s) ブレーキ液路
24(24p,24s) ブレーキ液路
25(25p,25s) ブレーキ液路
26(26p,26s) 出力ポート
30 マスタシリンダ
51 ポンプシリンダ
52 ポンププランジャ
61 ピストン
61a 溝
61b ストッパ部
61c ストッパ部
62 皿ばね
62a 環状部分
62b 舌片部分
62c スリット
63 リザーバプラグ
64 Oリング
65,66 流路
67 皿ばね
67a 環状部分
67b 舌片部分
67c スリット
68 皿ばね
68a 環状部分
68b 伸長部分
68c 折曲部分
68d 係合孔
68e スリット
69 皿ばね
69a 環状部分
69b 内孔
Claims (6)
- ハウジングに形成された収容穴と、
前記収容穴内を軸方向に摺動自在に設けられたピストンと、
前記収容穴を閉塞する蓋部材と、
前記収容穴で前記蓋部材と前記ピストンの下面との間に縮設された付勢部材を有し、
車輪に設けられた制動機構からブレーキ液が流入することで前記ピストンが押圧されて前記付勢部材を圧縮し、前記ピストンの上面側の圧縮室にブレーキ液を貯留するリザーバであって、
縮設された状態における前記付勢部材の長さが前記ピストンの軸方向の寸法より短い、
ことを特徴とする液圧制御ユニット用リザーバ。 - 請求項1に記載の液圧制御ユニット用サーバにおいて、
前記付勢部材は皿ばねである、ことを特徴とする液圧制御ユニット用リザーバ。 - 請求項2に記載の液圧制御ユニット用サーバにおいて、
前記皿ばねは変形用スリットを有する、ことを特徴とする液圧制御ユニット用リザーバ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液圧制御ユニット用サーバにおいて、
前記ピストンと前記蓋部材の対向面の少なくとも一方には前記ピストンの摺動量を規制する規制部が設けられている、
ことを特徴とする液圧制御ユニット用リザーバ。 - 請求項4に記載の液圧制御ユニット用サーバにおいて、
前記付勢部材は皿ばねであり、該皿ばねは前記規制部に係合している、
ことを特徴とする液圧制御ユニット用リザーバ。 - ハウジングに形成された収容穴と、
前記収容穴内を軸方向に摺動自在に設けられたピストンと、
前記収容穴を閉塞する蓋部材と、
前記収容穴で前記蓋部材と前記ピストンの下面との間に縮設された薄板ばねを有し、
車輪に設けられた制動機構からブレーキ液が流入することで前記ピストンが押圧されて前記薄板ばねを圧縮し、前記ピストンの上面側の圧縮室にブレーキ液を貯留するリザーバであって、
縮設された状態における前記薄板ばねの長さが前記ピストンの軸方向の寸法より短い、
ことを特徴とする液圧制御ユニット用リザーバ。
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