JP2701448B2 - 回転差感応型差動制限装置 - Google Patents

回転差感応型差動制限装置

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JP2701448B2
JP2701448B2 JP10635489A JP10635489A JP2701448B2 JP 2701448 B2 JP2701448 B2 JP 2701448B2 JP 10635489 A JP10635489 A JP 10635489A JP 10635489 A JP10635489 A JP 10635489A JP 2701448 B2 JP2701448 B2 JP 2701448B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、左右輪や前後輪の回転差に応じて発生する
流体圧を差動制限トルクに変換して差動を制限する回転
差感応型差動制限装置に関する。
(先行の技術) 本出願人は、回転差感応型継手(略称;オリフィスカ
ップリング)を差動制限手段とし、差動装置に内蔵した
回転差感応型差動制限装置として、実願昭62−184485号
(未公開)の出願書類に記載されている装置を先に提案
した。
この先行技術には、第1実施例として、ディファレン
シャルケースに一体形成したハウジング部材と、一方の
サイドギヤに一体形成したロータ部材とを有し、ディフ
ァレンシャルケースと一方の出力軸との相対回転により
差動を制限する装置を示し、第2実施例として、一対の
サイドギヤのうち一方のサイドギヤに連結されるハウジ
ング部材と、他方のサイドギヤに連結されるロータ部材
とを有し、左右の出力軸で生じる相対回転をそのまま利
用して差動を制限する装置を示した。
即ち、第1実施例装置の場合は、左右輪の回転速度の
平均値と一方の車輪の回転速度との差が差動制限手段の
相対回転速度差となるのに対し、第2実施例装置の場合
は、左右輪の回転速度差がそのまま差動制限手段の相対
回転速度差となる。
この為、第1実施例に比べ第2実施例の場合が差動制
限手段の相対回転速度差が2倍となり、相対回転発生時
の応答性や良好な差動制限トルク特性部分を使用できる
点で好ましい。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、第2実施例で示した装置にあつては、
一対のサイドギヤのそれぞれに連結されるハウジング部
材とロータ部材とを有する構成であり、第1実施例の様
にカム面がディファレンシャルケースの内側に形成され
るのとは異なり、ディファレンシャルケースの内側配置
されるハウジング部材にカム面が形成される構成となっ
てしまう為、高相対回転速度差が継続して発生するよう
な場合には、このカム面への作動油供給が不足しがちと
なり、カム体の焼き付きを防止する上においても高いカ
ム面潤滑性能が要求される。
これに対し、カム面に外部から作動油を強制的に供給
する強制潤滑構造を付加した場合には、コスト的に不利
で故障原因となる部品点数の増大や装置の大型化を招い
てしまう。
本発明は、上記のような問題に着目してなされたもの
で、部品点数の増大や大型化を招くことなく、カム面の
潤滑性能向上を達成出来る回転差感応型差動制限装置の
開発を共通の課題とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために請求項1記載の回転差感応
型差動制限装置では、作動油が封入されるディファレン
シャルハウジング内に配置されると共に駆動入力側に連
結されるディファレンシャルケースと、該ディファレン
シャルケースに支持されるピニオンシャフトと、該ピニ
オンシャフトを介して回転自在に支持されるピニオン
と、該ピニオンに噛合する一対のサイドギヤとを有する
差動手段と、前記サイドギヤに連結される出力軸に至る
駆動力伝達経路の途中に、差動制限機能を発揮するべく
内蔵状態で組み付けられる差動制限手段とを備えた回転
差感応型差動制限装置において、前記差動制限手段は、
前記一対のサイドギヤのうち一方のサイドギヤに連結さ
れるハウジング部材と、他方のサイドギヤに連結される
ロータ部材と、前記ハウジング部材の内面に形成される
カム面と、前記ロータ部材に設けられ、相対回転により
カム面と周接しながら径方向に往復動する放射状配置の
カム体と、該カム体の往復動に伴ない体積変化する複数
の流体室と、各流体室とアキュムレータ室とを連結する
流体路に設けられるオリフィス部材と、前記ディファレ
ンシャルケース及びハウジング部材のカム体と対向する
径方向位置に開穴される第1油穴及び第2油穴及び前記
ハウジング部材の第2油穴が設けられる円筒外周面に形
成される切欠面とディファレンシャルケースの円筒内面
で囲まれる作動油封入室により構成されるカム面潤滑構
造とを有する手段である事を特徴とする。
また、請求項2記載の回転差感応型差動制限装置で
は、差動制限手段に、ハウジング部材の側部にカム面に
向けて傾斜状態に開穴されるカム面潤滑油穴を有する事
を特徴とする。
(作 用) 回転差感応型差動制限装置の使用時において、両出力
軸に相対回転の発生がない時には、カム体の往復動が無
く流体室の体積変化も生じない為、原則として、差動制
限トルクの発生がない。
そして、この時には、ハウジング部材とロータ部材に
も相対回転が生じない為、カム体とカム面との摩擦圧接
による摩擦圧接熱の発生という問題は生じない。
両出力軸に相対回転が発生する時には、この相対回転
によりカム面に周接するカム体は径方向に往復動し、こ
の往復動のうち回転軸中心に向かうことで流体室の容積
を縮小させる時にオリフィス部材による流動抵抗で流体
室内の圧力が高まり、この発生流体圧とカム体の受圧面
積とを掛け合せた流体圧力がカム体をカム面に押し付け
る力となり、この押し付け力が差動制限トルクとなる。
そして、この相対回転発生時には、ハウジング部材と
ロータ部材にも相対回転が生じる為、カム面に摩擦圧接
熱が発生しようとする。
しかし、この相対回転発生時には、下記に述べるカム
面の潤滑作用が行なわれる。
まず、請求項1記載の回転差感応型差動制限装置で
は、ディファレンシャルケースとハウジング部材との相
対回転により、作動油封入室とディファレンシャルケー
スに開穴された第1油穴が連通する位置関係において
は、ディファレンシャルハウジングに封入されている作
動油が第1油穴から作動油封入室へと導入され、その
後、作動油封入室と第1油穴とが遮断される位置関係に
おいては、作動油封入室に封入されている作動油がハウ
ジング部材の第2油穴からハウジング部材の内面に形成
されたカム面に供給される。
即ち、相対回転発生時には、カム面潤滑構造により作
動油封入室への作動油導入と作動油封入室からの作動油
供給を繰り返し、遠心力により外周方向へ逃げようとす
る作動油をディファレンシャルケース内に封じ込める作
用を示し、カム面の潤滑性能が確保されると共に摩擦圧
接熱発生が抑えられる。
一方、請求項2記載の回転差感応型差動制限装置で
は、ディファレンシャルハウジングに封入されている作
動油が、回転遠心力の作用でハウジング部材の側部に開
穴されるカム面潤滑油穴からカム面に向けて放射される
作用を示し、カム面の潤滑性能が確保されると共に摩擦
圧接熱発生が抑えられる。
(実施例) 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。
まず、実施例の構成を説明する。
第1図は請求項1記載のカム面潤滑構造と請求項2記
載のカム面潤滑油穴とを併せて適応した実施例の回転差
感応型差動制限装置を示す図であり、差動機能を発揮す
る差動手段1内に、差動制限機能を発揮する回転差感応
型差動制限手段2が内蔵状態で組み付けられている。
前記差動手段1としては、作動油が封入されるディフ
ァレンシャルハウジング5内に配置されると共に、ドラ
イブピオニオン3及びリングギヤ4を介して駆動力が入
力されるディファレンシャルケース10と、該ディファレ
ンシャルケース10にピニオンシャフト11を介して回転自
在に支持されるピニオン12と、該ピニオン12に噛合する
一対のサイドギヤ13,14と、該サイドギヤ13,14に連結さ
れる2つの出力軸15,16とを備えている。
そして、前記出力軸15,16には、相対回転の発生が無
い時には等配分に駆動力が伝達され、相対回転の発生時
には回転差感応型差動制限手段2による差動制限トルク
分だけ駆動力が高回転側から低回転側へ伝達される。
前記回転差感応型差動制限手段2は、第1図及び第2
図に示すように、出力軸15,16のうち一方の出力軸15に
スプライン結合されると共にサイドギヤ14が形成された
カムハウジング20(ハウジング部材)と、該カムハウジ
ング20の内面に形成されたカム面21と、サイドギヤ13が
スプライン結合された他方の出力軸16にスプライン結合
されるロータ30(ロータ部材)と、該ロータ30に設けら
れ、相対回転によりカム面21に周接しながら径方向に往
復動する放射配置のドライビングピストン40(カム体)
と、該ドライビングピストン40の往復動に伴なって体積
変化するシリンダ室50(流体室)と、同相で体積変化す
る対向配置のシリンダ室50,50を連通する傾斜バランス
油路60(流体路)と、アキュムレータ室70と各シリンダ
室50とをそれぞれ連通するレギュレータ油路80と、前記
傾斜バランス油路60からアキュムレータ室70に向かう軸
方向分岐油路61に設けられたオリフィス90(オリフィス
部材)とを備えている。
前記カムハウジング20は、出力軸15に対しスプライン
結合されるカムハウジングカバー22を介して設けられて
いて、内面にカム面21が形成されると共に、側面にはサ
イドギヤ14が形成されている。即ち、出力軸15とカムハ
ウジングカバー22とカムハウジング20とサイドギヤ14と
は一体回転部材となっている。
前記ロータ30は、出力軸16にスプライン結合されると
共に、カムハウジング20のカム面21内に挿入状態で配置
されていて、前記カム面21に対向する位置で放射半径方
向に等間隔で6個所にシリンダ穴31が形成されている。
前記ドライビングピストン40は、前記シリンダ穴31に
対しシールリング41により油密状態で6個設けられたカ
ム部材で、カム面21との周接面は滑らかな接触移動と高
いヘルツの接触応力を確保する為に球面に形成されてい
る。
前記シリンダ室50は、前記シリンダ穴31と前記ドライ
ビングピストン40との間に、該ピストン40のストローク
位置によって室容積が変化するように形成されている。
前記傾斜バランス油路60は、ドライビングピストン40
が設けられるシリンダ穴31の穴径の範囲内であって、こ
の穴径よりも狭いロータ軸方向間隔に設定された回転軸
に直交する2つの面A,Bに対し、対向するシリンダ室50
の一方の室底面と面Aが交差する位置をシリンダ室開口
部60aとし、他方の室底面と面Bが交差する位置をシリ
ンダ室開口部60bとして1本の傾斜バランス油路60が形
成され、且つ、ロータ軸方向幅Nに3本の傾斜バランス
油路60が互いに干渉しないで収まるように形成されてい
る。
前記アキュムレータ室70は、作動油の一時的貯留及び
放出により油量の増減吸収を行なう室で、ロータ30のシ
リンダ部32の内面に往復摺動可能に油密状態で設けられ
たアキュムレータピストン71と、該ピストン71とスプリ
ングリテーナ72との間に介装されたスプリング73とを有
する。
尚、前記アキュムレータピストン71には、ピストンシ
ール74が設けられ、このピストンシール74が設けられる
位置に対応するロータ30のシリンダ部32には、径方向に
複数のリリーフ穴75が開孔され、アキュムレータ室70が
設定圧を越え、アキュムレータピストン71が図面右方向
に移動した時にリリーフ穴75がアキュムレータ室70と連
通して作動油をカムハウジング20とロータ30とのインロ
ー部20aに排出するリリーフバルブ機能を発揮するよう
にしている。
前記レギュレータ油路80は、シリンダ室50の油圧調整
のために設けられた油路で、アキュムレータ室70と各シ
リンダ室50とをそれぞれワンウェイバルブ81を介して連
通させることで、ドライビングピストン40が外径方向に
ストロークし、シリンダ室圧がアキュムレータ室圧より
低圧となってワンウェイバルブ81が開く時に、アキュム
レータ室70から各シリンダ室50に加圧作動油を供給する
ようにしている。
前記オリフィス90は、傾斜バランス油路60からアキュ
ムレータ室70に向かう3つの軸方向分岐油路61にそれぞ
れ形成されていて、対向する2気筒のシリンダ室50,50
に対し流路断面積を大きくした1個のオリフィス90によ
り作動油に流動抵抗を与えるようにしている。
そして、カム面潤滑構造100は、第2図に示すよう
に、ディファレンシャルケース10及びカムハウジング20
のドライビングピストン40と対応する径方向等角位置に
4個開穴される第1油穴101及び第2油穴102と、前記カ
ムハウジング20の第2油穴102が設けられる円筒外周面
に形成される切欠面20bとディファレンシャルケース10
の円筒内面で囲まれる4室の作動油封入室103により構
成される。
また、カム面潤滑油穴200としては、第1カム面潤滑
油穴201と第2カム面潤滑油穴202とが開穴され、第1カ
ム面潤滑油穴201は、カムハウジングカバー22の側部で
あってディファレンシャルケース10に開穴された油穴10
aに臨む位置にカム面21に向けて傾斜状態に開穴され、
第2カム面潤滑油穴202は、カムハウジング20の側部で
あってサイドギヤ14の歯元位置にカム面21に向けて傾斜
状態に開穴されている。
次に、実施例の作用を説明する。
(イ)非相対回転時 乾燥アスファルト路等を低・中速で直進走行する場合
等であって、出力軸15,16に連結される左右輪に回転速
度差が発生しない時は、ケースカバー20とロータ30とに
相対回転がなく、ドライビングピストン40が径方向に往
復動しない為、ディファレンシャルケース10から入力さ
れるエンジン駆動力は出力軸15,16に対し等配分され
る。
そして、この時には、カムハウジング20とロータ30に
も相対回転が生じない為、カムハウジング20のカム面21
とロータ30のドライビングピストン40との間の摩擦圧接
による摩擦圧接熱の発生という問題は生じない。
一方、左右輪に相対回転が発生しない時であっても、
高速道路を高速直進走行する場合等では、出力軸15,16
の回転に伴なって高速回転するロータ30に設けられてい
るドライビングピストン40には遠心力が作用し、この遠
心力によってドライビングピストン40がカム面21に押し
付けられ、差動制限トルクが生じる。
従って、高速直進走行時には、幾分か差動制限機能が
発揮されることになり、高速道路等での高速直進走行安
定性を高めることができる。
(ロ)相対回転発生時 悪路走行時や片輪スタック時等で出力軸15,16に連結
される左右輪に回転速度差が発生する時は、ケースカバ
ー20とロータ30とにも相対回転が発生し、この相対回転
によりカム面21に周接するドライビングピストン40は径
方向に往復動し、この往復動のうち回転軸中心に向かう
ことでシリンダ室50の容積を縮小させようとする時に
は、オリフィス90による流出規制で生じる流動抵抗でシ
リンダ室50内の圧力が高まり、この発生油圧とピストン
40の受圧面積とを掛け合せた油圧力がドライビングピス
トン40をカム面21に押し付ける力となり、この押し付け
力が差動制限トルクとして作用し、駆動力の分配を高速
回転側を小さくし、低速回転側を大きくするように差動
が制限される。
即ち、実施例装置による差動制限トルク特性は、第6
図の実線特性に示すように、左右輪回転速度差△NRL
対し差動制限トルクTLSDが二次関数曲線で増大する特性
を示す。
尚、高速走行時等で車速Vが大きい場合には、車速V
の大きさに対応して、第6図の点線特性に示すように、
ドライビングピストン40に加わる遠心力による伝達トル
ク△Tが付加された特性を示す。
そして、この相対回転発生時には、カムハウジング20
のカム面21とロータ30のドライビングピストン40との間
に相対回転が生じる為、カム面21に摩擦圧接熱が発生し
ようとする。
しかし、この相対回転発生時には、下記に述べるカム
面21の潤滑作用が行なわれる。
まず、ディファレンシャルケース10とカムハウジング
20との相対回転により、第3図に示すように、作動油封
入室103とディファレンシャルケース10に開穴された第
1油穴101が連通する位置関係においては、ディファレ
ンシャルハウジング5に封入されている作動油が第1油
穴101から作動油封入室103へと導入され、その後、作動
油封入室103と第1油穴101とが遮断される位置関係にお
いて、作動油封入室103に封入されている作動油がカム
ハウジング20の第2油穴102からカムハウジング20の内
面に形成されたカム面21に供給される。
即ち、相対回転発生時には、カム面潤滑構造100によ
り作動油封入室103への作動油導入と作動油封入室103か
らの作動油供給を繰り返し、遠心力により外周方向へ逃
げようとする作動油をディファレンシャルケース10内に
封じ込める作用を示し、カム面21の潤滑性能が確保され
ると共に摩擦圧接熱発生が抑えられる。
一方、カム面潤滑油穴200に関しては、第5図に示す
ように、ディファレンシャルハウジング5に封入されて
いる作動油が、回転遠心力の作用でカムハウジング20の
側部に開穴される第1カム面潤滑油穴201及び第2カム
面潤滑油穴202からカム面21に向けて放射される作用を
示し、カム面21の潤滑性能が確保されると共に摩擦圧接
熱発生が抑えられる。
また、実施例のようにカム面潤滑構造100とカム面潤
滑油穴200とを併用した場合には、第1油穴101から導入
される作動油ばかりでなく、カム面潤滑油穴200から回
転遠心力の作用で放射される作動油もカム面潤滑構造10
0によりディファレンシャルケース10内に封じ込められ
るという相乗作用を示し、カム面21の高い潤滑性能の確
保と摩擦圧接熱発生を抑える高い冷却効果が発揮される
ことになる。
以上説明してきたように、実施例の回転差感応型差動
制限装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
カム面潤滑構造100とカム面潤滑油穴200とを設けて
いる為、カム面潤滑構造100の場合には外側からのカム
面21に対する作動油の供給作用により、また、カム面潤
滑油穴200の場合には内側からカム面21に対する作動油
供給作用により、部品点数の増大や大型化を招くことな
く、カム面21の潤滑性能向上が達成される。
さらに、カム面潤滑構造100とカム面潤滑油穴200とを
併用している為、第1油穴101から導入される作動油ば
かりでなく、カム面潤滑油穴200から回転遠心力の作用
で放射される作動油もカム面潤滑構造100によりディフ
ァレンシャルケース10内に封じ込められるという相乗作
用を示し、カム面21の高い潤滑性能の確保と摩擦圧接熱
発生を抑える高い冷却効果が発揮される。
アキュムレータピストン71のピストンシール74が設
けられる位置に対応するロータ30のシリンダ部32には、
径方向に複数のリリーフ穴75が開孔するだけで、アキュ
ムレータピストン71のストローク動作を利用したリリー
フバルブ機能により作動油をインロー部20aに排出する
ようにした為、部品点数の増大や大型化を招くことな
く、カムハウジング20とロータ30とのインロー部20aの
潤滑性能向上を達成出来るし、しかも、発生しようとす
る摩擦接触熱とは対応関係で潤滑性能が発揮され、高い
相対回転速度差△NRLが長時間継続するような場合であ
っても摩擦接触熱によるカムハウジング20とロータ30と
の焼き付きが防止される。
同相で体積変化するシリンダ室50,50を連通する流
体路を傾斜バランス油路60とし、回転軸に直交する2つ
の面A,Bと交差する位置をシリンダ室開口部60a,60bとし
て、ロータ軸方向幅Nに3本の傾斜バランス油路60が互
いに干渉しないで収まる構成とした為、ロータ30のうち
油路が形成される内側部分が2本の平行油路を形成する
軸方向幅程度のロータ軸方向幅Nとなり、回転差感応型
差動制限装置の小型コンパクト化を達成出来る。
そして、例えば、設計変更によりドライビングピスト
ン40の数を増大し、これに伴なって傾斜バランス油路60
の数の増大があっても、ロータ軸方向幅を拡大すること
なく、そのままの幅で対応出来る。
レギュレータ油路80は、面Bと重なる位置に形成し
ているにもかかわらず、傾斜バランス油路60に対し回転
軸直交方向にオフセットを持たせて形成した為、傾斜バ
ランス油路60と回転軸方向のオーバラップが避けられ、
レギュレータ油路80によるロータ軸方向幅Nの拡大が防
止出来る。
即ち、前記の効果との相乗効果により、ロータ軸方
向幅Nを狭く設定することができ、回転差感応型差動制
限装置の小型コンパクト化を達成出来る。
対向する2気筒のシリンダ室50,50を連通する傾斜
バランス油路60に対し1個のオリフィス90を設けた為、
1気筒のシリンダ室に対し1個のオリフィスを設ける場
合と同じ差動制限トルク特性を得る場合のオリフィス流
路断面積に比較してオリフィス90の流路断面積を大きく
することが出来、この結果、コンタミ(ゴミ等)による
影響を回避することが出来る。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
例えば、左右輪ではなく前後輪の差動を許容するセン
ターディファレンシャルにも適応できる。
また、実施例では、カム面潤滑構造とカム面潤滑油穴
とを併用した好ましい例を示したが、いずれか一方を有
する場合にも充分にカム面の潤滑性能向上が達成できる
し、言うまでもなく、本発明に含まれる。
また、実施例ではオリフィス部材として固定オリフィ
スを示したが、例えば、高相対回転が長時間継続する時
には作動油温度を感知してオリフィス開度を全閉とする
ようなものであっても良いし、また、相対回転速度や流
体室圧等に応じてオリフィス開度が徐々に変更される可
変オリフィス等であっても良い。
(発明の効果) 以上説明してきたように、請求項1記載の回転差感応
型差動制限装置にあっては、差動制限手段として、ディ
ファレンシャルケース及びハウジング部材のカム体と対
応する径方向位置に開穴される第1油穴及び第2油穴及
び前記ハウジング部材の第2油穴が設けられる円筒外周
面に形成される切欠面とディファレンシャルケースの円
筒内面で囲まれる作動油封入室により構成されるカム面
潤滑構造とを有する手段とした為、外側からのカム面に
対する作動油の供給作用により、部品点数の増大や大型
化を招くことなく、カム面の潤滑性能向上が達成出来る
という効果が得られる。
また、請求項2記載の回転差感応型差動制限装置にあ
っては、差動制限手段として、ハウジング部材の側部に
カム面に向けて傾斜状態に開穴されるカム面潤滑油穴と
を有する手段とした為、内側からのカム面に対する作動
油の供給作用により、部品点数の増大や大型化を招くこ
となく、カム面の潤滑性能向上が達成出来るという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の回転差感応型差動制限装置を示
す縦断平面図、第2図は第1図I−I線線による回転差
感応型差動制限装置を示す縦断正面図、第3図及び第4
図はカム面潤滑構造によるカム面潤滑作用説明図、第5
図はカム面潤滑油穴によるカム面潤滑作用説明図、第6
図は差動制限トルク特性図である。 1……差動手段 2……回転差感応型差動制限手段 5……ディファレンシャルハウジング 10……ディファレンシャルケース 11……ピニオンシャフト 12……ピニオン 13,14……サイドギヤ 15,16……出力軸 20……カムハウジング(ハウジング部材) 21……カム面 30……ロータ(ロータ部材) 32……シリンダ部 40……ドライビングピストン(カム体) 50……シリンダ室(流体室) 60……傾斜バランス油路(流体路) 70……アキュムレータ室 80……レギュレータ油路 90……オリフィス(オリフィス部材) 100……カム面潤滑構造 101……第1油穴 102……第2油穴 103……作動油封入室 200……カム面潤滑油穴 201……第1カム面潤滑油穴 202……第2カム面潤滑油穴

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動油が封入されるディファレンシャルハ
    ウジング内に配置されると共に駆動入力側に連結される
    ディファレンシャルケースと、該ディファレンシャルケ
    ースに支持されるピニオンシャフトと、該ピニオンシャ
    フトを介して回転自在に支持されるピニオンと、該ピニ
    オンに噛合する一対のサイドギヤとを有する差動手段
    と、 前記サイドギヤに連結される出力軸に至る駆動力伝達経
    路の途中に、差動制限機能を発揮するべく内蔵状態で組
    み付けられる差動制限手段とを備えた回転差感応型差動
    制限装置において、 前記差動制限手段は、前記一対のサイドギヤのうち一方
    のサイドギヤに連結されるハウジング部材と、他方のサ
    イドギヤに連結されるロータ部材と、前記ハウジング部
    材の内面に形成されるカム面と、前記ロータ部材に設け
    られ、相対回転によりカム面と周接しながら径方向に往
    復動する放射状配置のカム体と、該カム体の往復動に伴
    ない体積変化する複数の流体室と、各流体室とアキュム
    レータ室とを連結する流体路に設けられるオリフィス部
    材と、前記ディファレンシャルケース及びハウジング部
    材のカム体と対向する径方向位置に開穴される第1油穴
    及び第2油穴及び前記ハウジング部材の第2油穴が設け
    られる円筒外周面に形成される切欠面とディファレンシ
    ャルケースの円筒内面で囲まれる作動油封入室により構
    成されるカム面潤滑構造とを有する事を特徴とする回転
    差感応型差動制限装置。
  2. 【請求項2】作動油が封入されるディファレンシャルハ
    ウジング内に配置されると共に駆動入力側に連結される
    ディファレンシャルケースと、該ディファレンシャルケ
    ースに支持されるピニオンシャフトと、該ピニオンシャ
    フトを介して回転自在に支持されるピニオンと、該ピニ
    オンに噛合する一対のサイドギヤとを有する差動手段
    と、 前記サイドギヤに連結される出力軸に至る駆動力伝達経
    路の途中に、差動制限機能を発揮するべく内蔵状態で組
    み付けられる差動制限手段とを備えた回転差感応型差動
    制限装置において、 前記差動制限手段は、前記一対のサイドギヤのうち一方
    のサイドギヤに連結されるハウジング部材と、他方のサ
    イドギヤに連結されるロータ部材と、前記ハウジング部
    材の内面に形成されるカム面と、前記ロータ部材に設け
    られ、相対回転によりカム面と周接しながら径方向に往
    復動する放射状配置のカム体と、該カム体の往復動に伴
    ない体積変化する複数の流体室と、各流体室とアキュム
    レータ室とを連結する流体路に設けられるオリフィス部
    材と、前記ハウジング部材の側部にカム面に向けて傾斜
    状態に開穴されるカム面潤滑油穴とを有する事を特徴と
    する回転差感応型差動制限装置。
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