JPH09508094A - シリコンカーバイトホィスカーで強化した切削工具材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明によれば、セラミック酸化物基マトリックスと５〜５０ｖｏｌ％の均質に分散したシリコンカーバイドのホィスカーであって、ホィスカーが平均長さ４〜７μｍで標準偏差３〜５μｍ、好ましくは４μｍを有する耐熱合金のチップフォーミング機械加工のための酸化物基セラミック切削インサートを提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 シリコンカーバイトホィスカーで強化した切削工具材 本発明は、耐熱合金の機械加工に特に有用なセラミック製切削工具材に関し、 特にアルミナマトリックス中に単結晶のシリコンカーバイトホィスカーが均一に 分散した切削工具材に関するものである。 米国特許４，５４３，３４５（Ｗｅｉ）は、均質に分散した５〜６０ｖｏｌ％ のシリコンカーバイトホィスカーを有するアルミナ、ムライトおよびＢ₄Ｃから なるグループから選択されたマトリックスを含む材料を開示しており、このシリ コンホィスカーは微細結晶構造を有し、直径０．６μｍの範囲のサイズで平均縦 横比（長さ／直径）が７５で長さ１０〜８０μｍを有している。類似の値が米国 特許４，９６１，７５７（Ｒｈｏｄｅｓ）に見られる。 一般的に、高い縦横比は強靭化機構、亀裂橋渡し、および引き抜け現象を促進 すると理解されている。（ベック アンド キム、アルミナ−シリコンカーバイ ト−ホィスカー複合物の機械的性質に及ぼすホィスカー長さの効果、ジャーナル オブ マテリアル サイエンス ２４（１９８９），ｐ１５８９−１５９３およ びワーズワース アンド テイ−ブンス、コーデリレイト／シリコンカーバイト ホィスカー複合材の機械的性質に及ぼすホィスカー寸法の影響、ジャーナル オ ブ ザ ユーロピアン サーメット協会 ９（１９９２）、ｐ１５３−１６３（ Baeck and Kim，The effect of whisker length on the mechanical properties of alumina-SiC-whisker composites，J of Mat Sci 24(1989)，p1589-1593 an d Wadsworth and Stevens，The influence of whisker dimensions on the me-c h anical properties of Cordierete/SiC whisker Composites，J of The Europea n Cer Soc ９(1992)，p153-163）。 実質的に１０台にあるより小さい縦横比が、耐熱合金の機械加工のための切削 工具としての複合材料を使用した場合、有利な挙動をもたらすという驚くべきこ とが発見された。 本発明によるセラミック切削工具は、１０〜５０％、好ましくは１５〜４５％ のシリコンカーバイト基の均質に分散したホィスカーを有するアルミナ基を含む マトリックスを含む。アルミナのグレインサイズは５μｍ以下で典型的には２μ ｍ台にある。 このホィスカーの直径は１μｍ以下、好ましくは０．４〜０．７μｍで、それ らの平均長さは好ましくは４〜７μｍ（平均縦横比約１０）で平均偏差３〜５μ ｍ、好ましくは約４μｍを有している。 選択的に、アルミナマトリックスは更に２０ｖｏｌ％までのＺｒＯ₂（酸化ジ ルコニウム）を含む。このジルコミアの添加は米国特許４，６５７，８７７に記 載されたように材料を更に強靭化する。 本発明によれば、セラミック複合物は、何らかの適切な混合技術によりアルミ ナ粉と従来の焼結添加物および粒成長抑止剤と、単結晶シリコンカーバイド（Ｓ ｉＣ）ホィスカーとを混合することによって準備される。 乾燥後、この混合物は、理論密度で少なくとも９９％の密度に熱間プレスされ 、或いは熱間静水圧プレスされる。 ホィスカーの縦横比が混合技術および熱間プレス操作によっては余り多くは影 響されないが、少なくとも長いホィスカーは折れるので、望ましいホィスカーの 縦横比はアルミナの混合前のホィスカーの予備粉砕によって調整されなければな らない。商業的なＳｉＣの縦横比は、通常１０よりも遥に高い。 実施例１． アルミナとＳｉＣ：３０ｖｏｌ％を含むホィスカー複合材で異なる長さのホィ スカーが以下の方法で製造された。表１にリストされた原料が使用された。 異なる粉砕工程後の原料のホィスカーの長さが、アンモニア溶液中での低濃度 でのホィスカーの分散後そして引き続き試験片ホルダー上で乾燥後に測定された 。次いで、ＳＥＭ顕微鏡写真がケンブリッジ インスツルメンツ（Ｃａｍｂｒｉ ｄｇｅ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ）からのＱｕａｎｔｉｍｅｔ ５７０画像分析 により手動で分析された。 全ての変形について組成は、２５重量％のＳｉＣ_wおよびＭｇＯとＹ₂Ｏ₃それ ぞれ０．１重量％に一定に保たれた。全ての組成は、１８２５℃で１００分、デ イスク直径８０ｍｍに８０ｍＭＰａで熱間プレスされた。 表２に、切削性能および対応するホィスカー長さに及ぼす様々な 縦横比の評価に使用された予備粉砕時間を示す。 焼結材料が密度、硬度、破壊靭性および破壊強度に関して評価された。硬度と 靭性は１０Ｋｇ荷重でビッカースの押込みを使って測定された。全ての測定は熱 間プレス方向に垂直な平面で行われた。破壊靭性は、以下の式に従って計算され た。 ただし、ＰはＮにおける力（Ｐ＝the force in N），およびＣは押込み後の割 れ長さ（Ｃ＝the crack length after indentation） 破壊強度は、３点曲げで測定された。平均破壊歪みは、１３．３×３．５×２ ．０ｍｍ、スパン９ｍｍ、荷重割合 ５０Ｎ／ｓの１３の試験片から計算された 。測定された値は、表３に見ることができる。 実施例２． 材料が金属切削作業で試験された。この目的のために、ＩＳＯ銘柄のＲＮＧＮ Ｔ１２０４００Ｔ０１０２０の挿入材（ｉｎｓｅｒｔｓ）が熱間でプレスされた デイスクから製造された。 ２種類の回転試験が行われた；一つはＤＯＣ（Ｄｅｐｔｈ ｏｆ ｃｕｔ）ノ ッチ抵抗試験で、もう一つは靭性試験である。 ＤＯＣノッチ抵抗試験は、以下のデータを使用して筒状のインコネル７１８棒 材（Ｉｎｃｏｎｅｌ ７１８）の湿式回転によって実施された。 供給速度＝０．１５ｍｍ／ｒｅｖ 切削速度＝２５０ｍ／ｍｉｎ 切削深さ＝１．５ｍｍ 靭性試験は、鋼（ＳＳ ２２４２）板状試験片を使用して乾式で行われた。供 給速度の増加と共同して形状が破壊の原因となる。破壊までの時間が、切削工具 材の靭性の尺度である。回転データは以下の通りである。 供給速度＝０．１ｍｍ／ｒｅｖ、毎分０．１ｍｍ／ｒｅｖ増加した。 切削速度＝９０ｍ／ｍｉｎ 切削深さ＝１．５ｍｍ 切削試験の結果は表４に見ることができる。 上記試験から、変形Ｂは、変形Ａの未粉砕のホィスカーよりも僅か耐磨耗性を 備えしかもより良い靭性挙動を示していると結論ずけることができる。余りにも 多くの粉砕は耐磨耗性および靭性挙動を減少させる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．アルミナ基のマトリックスと５〜５０ｖｏｌ％の均質に分散したシリコン カーバイドのホィスカーとを含む、耐熱合金のチップフォーミング機械加工のた めの酸化物基のセラミック切削インサートにおいて、前記ホィスカーが平均長さ ４〜７μｍで標準偏差３〜５μｍ、好ましくは４μｍを有することを特徴とする 酸化物基のセラミック切削インサート。 ２．前記マトリックスが、更に２０ｖｏｌ％までのＺｒＯ₂を含むことを特徴 とする請求項１記載の酸化物基のセラミック切削インサート。 ３．アルミナと、従来の焼結添加物および粒成長抑止剤と、５〜５０ｖｏｌ％ のシリコンカーバイドのホィスカーとを含む混合物を形成し、加圧成形し、焼結 すすることによってアルミナ基マトリックスと５〜５０ｖｏｌ％の均質に分散し たシリコンカーバイドからなる、耐熱合金のチップフォーミング機械加工のため の酸化物基セラミック切削インサートを製造する方法において、前記混合物中に おけるシリコンカーバイドホィスカーが平均長さ４〜７μｍで標準偏差３〜５μ ｍ、好ましくは４μｍを有することを特徴とする酸化物基セラミック切削インサ ートの製造方法。