JPH05194024A - アルミナ基複合焼結体 - Google Patents

アルミナ基複合焼結体

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JPH05194024A
JPH05194024A JP4031501A JP3150192A JPH05194024A JP H05194024 A JPH05194024 A JP H05194024A JP 4031501 A JP4031501 A JP 4031501A JP 3150192 A JP3150192 A JP 3150192A JP H05194024 A JPH05194024 A JP H05194024A
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JP
Japan
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alumina
particles
silicon carbide
grain boundaries
sintered body
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Pending
Application number
JP4031501A
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English (en)
Inventor
Masamoto Ishizuka
雅元 石塚
Masumi Tamai
ます美 玉井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緻密な構造と高い硬度、強度及び破壊靱性値
を有するアルミナ基複合焼結体。 【効果】 80〜97体積%のアルミナ粒子および粒界
と3〜20体積%の炭化珪素粒子から本質的になる焼結
体であって、前記アルミナ粒子の中の20〜80体積%
の粒子の内部及び粒界に前記炭化珪素粒子が全て分散せ
しめられ、残りの80〜20体積%のアルミナ粒子は粒
子内部に炭化珪素粒子を含まず、かつ全体として気孔率
が2%以下であるアルミナ基複合焼結体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミナ基複合焼結体に
関し、さらに詳しくは、緻密な構造と高い硬度、強度、
破壊靱性値を有するアルミナ基複合焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミナセラミックスは、多く
のセラミックスの中でも特に熱的、化学的に安定であ
り、しかも比較的高い硬度及び機械的性質を有している
ため、近年その用途は拡がりつつある。例えば、電子回
路の基板やパッケージ、粉体機器等のような耐摩耗部
品、あるいは切削工具等に使われている。しかしなが
ら、強度、破壊靱性値においては、部分安定化ジルコニ
アセラミックスに比べて低く、また硬度においても、ほ
う化物や炭化物セラミックスに比べて低く、機械部品と
しての利用が制限されている。
【0003】アルミナセラミックスの強度の改善を目的
として炭化珪素をアルミナ粒子内部に分散することが最
近行われている。この方法は、約0.1〜0.5μmの
粒子径をもった炭化珪素を加えて、ホットプレスを用い
てアルミナ粒子を加圧焼結するものであり、粒内破壊が
支配的になるため硬度、強度の改善は見られるが、破壊
靱性値の充分な改善には至っていない。また、加圧焼結
であるため複雑な形状の製品が焼結できず、従って、複
雑な形状をもつ製品は単純な形状の焼結体から切削加工
などによってせざるを得ないためその製造コストが高
く、工業的には有利な方法ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、充分
に緻密な構造と高い硬度、強度及び破壊靱性値を有する
アルミナ基複合焼結体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究をした結果、粒子内部に炭化
珪素の微細粒子を分散したアルミナ粒子と炭化珪素を含
まないアルミナ粒子を組み合わせた焼結体を作製し、粒
内破壊と粒界破壊との組み合わせが有効なことを見いだ
し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、上記の目的は、80〜97体積
%のアルミナ粒子およびその粒界と3〜20体積%の炭
化珪素粒子から本質的になる焼結体であって、前記アル
ミナ粒子の20〜80体積%の粒内及び粒界に前記炭化
珪素粒子が全て分散せしめられ、残りの80〜20体積
%のアルミナ粒子は粒子内部およびその粒界に炭化珪素
粒子を含まず、かつ全体として気孔率が2%以下である
ことを特徴とするアルミナ基複合焼結体によって達成さ
れる。
【0007】以下、本発明のアルミナ基複合焼結体を詳
しく説明する。本発明のアルミナ基複合焼結体は、炭化
珪素粒子が粒内に分散せしめられたアルミナ粒子および
炭化珪素粒子を含まないアルミナ粒子とからなり、ま
た、粒界には炭化珪素粒子が分散せしめられた粒界と炭
化珪素粒子を含まない粒界とがある。焼結体の組成とし
ては、アルミナ粒子およびその粒界が全体の80〜97
体積%、炭化珪素微粒子が全体の3〜20体積%をそれ
ぞれ占めている。さらに、アルミナ粒子の20〜80体
積%の粒子内部及び粒界に炭化珪素粒子の実質的に全て
が分散せしめられ、残りの80〜20体積%のアルミナ
粒子は粒子内部およびその粒界に実質的に炭化珪素を含
まない。ここで、「実質的に」という用語を用いたの
は、炭化珪素を含むアルミナ粒子の極く一部がその粒界
に炭化珪素粒子を含まず、また、炭化珪素を含まないア
ルミナ粒子の極く一部がその粒界に炭化珪素粒子を含む
ことがあるからである。また、本発明のアルミナ基複合
焼結体は、焼結体全体の気孔率が2%以下である。
【0008】このようなアルミナ基複合焼結体を作製す
る代表的方法として次のような方法が採られる。まず、
アルミナ粒子および炭化珪素粒子としてそれぞれ平均粒
子径が極めて小さく、比表面積が大きく、従って表面活
性に優れたものを用意する。ここで用意するアルミナ粒
子は、平均粒径が0.05μm以下、BET比表面積が
40m2 /g以上でγ型の結晶体であり、また、炭化珪
素粒子は平均粒径が0.05μm以下でBET比表面積
が40m2 /g以上でβ型の結晶体であることが好まし
い。
【0009】次に、これらの粉末をアルミナ粒子が全体
の60〜96体積%、炭化珪素微粒子が全体の4〜40
体積%となるような割合で配合することが好ましい。こ
こで、このような割合に混合したのは、焼結体内の炭化
珪素の比率が4体積%未満であると、最終的な焼結体に
おいて炭化珪素の含有量が少なくなりすぎるため、強度
改善の効果が期待できず、また、40体積%を越える
と、アルミナの粒子内部に入りきらずに粒界に多く存在
するようになり焼結を阻害するばかりでなく破壊源とな
りやすくなるからである。
【0010】次いで前記の混合粉末を熱処理すると、ア
ルミナは焼結中にα型の結晶形に転移するとともに粒成
長するが、炭化珪素は難焼結性のためあまり粒成長せ
ず、それによってアルミナの粒子内に取り込まれて、ア
ルミナの粉末粒子内に炭化珪素粒子を含有した複合粉末
となる。このアルミナ−炭化珪素複合粉末20〜80体
積%とα−アルミナ粉末80〜20体積%とを混配合し
て、公知の方法で成形したうえ、焼結して、全体として
の気孔率が2%以下の焼結体とする。ここで炭化珪素を
含有するアルミナ粒子の割合が20体積%未満では粒界
破壊を起こす部分が支配的となり粒子内を破壊源とする
粒内破壊による強化が期待できず、また、80体積%を
越えると粒内破壊が殆どとなり粒界と亀裂の相互作用に
よる破壊靱性値の向上が期待できないためである。
【0011】焼結に際しては、アルミナの焼結助剤とし
て公知であるMgO、Y2 3 、CaO等をアルミナに
対して1重量%以下添加してもかまわない。また、焼結
方法としては、常圧焼結、加圧焼結等いずれの公知の方
法でもかまわない。焼結は、焼結体全体としての気孔率
が2%以下となるように行う。焼結体の気孔率が2%よ
り大きいと強度劣化の原因となる大きな破壊源を気孔と
して含有するからである。
【0012】焼結によって、2〜8割のアルミナ粒子の
粒子内に取り込まれた炭化珪素粒子は、アルミナの粒界
に向かって応力を発生して、粒界を強化する。そのため
粒内破壊が支配的となり破壊源が粒子内になるため、破
壊源の大きさは粒子径以下となり強度の向上につなが
る。さらに、本発明の焼結体では、炭化珪素を含有する
アルミナ粒子および粒界に炭化珪素粒子を含まないアル
ミナ粒子および粒界が分散しているため、破壊源から発
生した亀裂は、直線的に成長せず、炭化珪素粒子を含ま
ないアルミナ粒子の部分で粒界破壊を起こして粒界に沿
って偏向する。そのため亀裂の成長を妨げるのである。
【0013】
【作用】本発明のアルミナ基複合焼結体は、粒子の内部
及び粒界に炭化珪素粒子が分散せしめられたアルミナ粒
子と粒子内部に炭化珪素粒子を含まないアルミナ粒子か
ら構成されている。アルミナ粒子の粒界には炭化珪素粒
子を含むものと含まないものが存する。焼結体中に硬度
の高い炭化珪素が分散しているためアルミナの硬度は向
上し、粒子内分散によって粒界に向かって応力を発生し
て粒界を強化するため強度が向上し、さらに粒内破壊を
して進んできた亀裂が、炭化珪素を含まないアルミナ粒
子および粒界の部分で粒界破壊を起こして粒界に沿って
亀裂の偏向や枝別れを起こすため破壊に要するエネルギ
ーは大きくなり、その結果として破壊靱性値は向上す
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例および比較例について本発明の
アルミナ基複合焼結体を具体的に説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1〜3及び比較例1〜3)80体積%のγ−ア
ルミナ粉末(平均粒径:0.004μm)と20体積%
のβ−炭化珪素粉末(平均粒径:0.02μm)とを調
合し、超音波で振動させたメタノール中で10時間湿式
混合した後、乾燥し、熱処理し、粉砕して炭化珪素を含
有するアルミナ粉末を得た。この複合粉末と粒子径0.
4μmのα−アルミナ粉末を表1記載の割合で調合し、
ボールミルで48時間混合した後、乾燥、解砕し、さら
に45×35×5mmの板状に成形した。比較例とし
て、炭化珪素−アルミナ複合体のみの板状成形物(比較
例2,3)およびα−アルミナ粉末のみの板状成形物
(比較例1)を作成した。
【0015】その後、これらの板状成形物を常圧の窒素
ガス雰囲気下にて1850℃、1時間で焼結して、アル
ミナ基焼結体を得た。焼結体全体としての炭化珪素含有
率は表1記載のとおりである。実施例1〜3及び比較例
1〜3の各焼結体について水置換によるアルキメデス法
によりその密度を測定し、理論密度と前記実測値とから
相対密度を算出した。また、室温における3点曲げ強度
をJIS−R1601により測定し、また、硬度と破壊
靱性値をビッカース硬度計とインデンテーション法によ
りそれぞれ測定した。得られた結果を表1に示す。
【0016】まず、破壊面の電子顕微鏡観察と特性X線
の分析により、実施例1〜3の焼結体においては、粒子
内部と粒界に炭化珪素を含むアルミナ粒子と炭化珪素を
含まないアルミナ粒子が、特許請求範囲に記載される割
合で存在して、その割合に対応して粒内破壊と粒界破壊
を起こしていることが確認された。さらに、比較例1
は、粒界破壊のみであり、比較例2と3は全てのアルミ
ナ粒子が炭化珪素を含有しており粒内破壊のみであるこ
とが確認された。表1より、本発明に係る焼結体が、比
較例の焼結体に比べて、密度が高く構造が緻密であり、
優れた強度、硬度、破壊靱性値を有することが確認され
た。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明のアルミナ基
複合焼結体は、粒子の内部及び粒界に炭化珪素粒子が分
散せしめられたアルミナ粒子および粒界と、粒子内部に
炭化珪素粒子を含まないアルミナ粒子から構成されてい
るので、アルミナ本来の高い熱的化学的安定性を有し、
さらに炭化珪素粒子が分散包含されているアルミナ粒子
および粒界と炭化珪素粒子を含まないアルミナ粒子およ
び粒界との破壊機構の違いによって優れた硬度、強度及
び破壊靱性値を有するものとなり、従って優れた機械部
品として有用なセラミックス材料となるものであり、工
業上極めて有用である。
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 80〜97体積%のアルミナ粒子および
    その粒界と、3〜20体積%の炭化珪素粒子から本質的
    になる焼結体であって、前記アルミナ粒子の中の20〜
    80体積%の粒子の内部及び粒界に前記炭化珪素粒子が
    全て分散せしめられ、残りの80〜20体積%のアルミ
    ナ粒子は粒子内部およびその粒界に炭化珪素粒子を含ま
    ず、かつ全体として気孔率が2%以下であることを特徴
    とするアルミナ基複合焼結体。
  2. 【請求項2】 焼結助剤としてMgO,Y2 3 ,Ca
    Oの中から選ばれた少くとも1種をアルミナに対して1
    重量%以下含有することを特徴とする請求項1記載のア
    ルミナ基複合焼結体。
JP4031501A 1992-01-22 1992-01-22 アルミナ基複合焼結体 Pending JPH05194024A (ja)

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JP (1) JPH05194024A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006206376A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミック焼結体、切削インサート及び切削工具
JP2024017328A (ja) * 2022-07-27 2024-02-08 黒崎播磨株式会社 アルミナ焼結体及び静電チャック

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