JPH09207004A - 耐欠損性に優れたアルミナ基セラミックス切削工具およびその製造法 - Google Patents

耐欠損性に優れたアルミナ基セラミックス切削工具およびその製造法

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JPH09207004A
JPH09207004A JP8016506A JP1650696A JPH09207004A JP H09207004 A JPH09207004 A JP H09207004A JP 8016506 A JP8016506 A JP 8016506A JP 1650696 A JP1650696 A JP 1650696A JP H09207004 A JPH09207004 A JP H09207004A
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JP
Japan
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alumina
cutting tool
stabilizer
powder
based ceramics
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JP8016506A
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Susumu Uchida
晋 内田
Hisashi Yamada
尚志 山田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐欠損性に優れたアルミナ基セラミックス切
削工具およびその製造法を提供する。 【解決手段】 (1)ZrO2 :2〜40重量%を含有
し、さらに、安定化剤をZrO2 に対する割合が全体で
0.2〜12mol%を含有し、残りがアルミナおよび
不可避不純物からなる組成を有するアルミナ基セラミッ
クス切削工具において、前記安定化剤は、表層部でZr
2 に対する割合が0.5〜15mol%の範囲内にあ
り、中心部でZrO2 に対する割合が5mol%未満の
範囲内にあり、かつ表層部の安定化剤濃度>中心部の安
定化剤濃度であるアルミナ基セラミックス切削工具、
(2)ZrO2 粉末:2〜40重量%を含有し、残りが
アルミナ粉末からなる配合組成の圧粉体を、安定化剤粉
末中に埋め込み、焼結するアルミナ基セラミックス切削
工具の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、断続切削を行っ
ても、切削中に刃先のチッピングなどの欠損を生ずるこ
とのないアルミナ基セラミックス切削工具およびその製
造法に関するものである
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミナ中に酸化ジルコニウム
(以下、ZrO2 と記す)を分散させたアルミナ基セラ
ミックス切削工具は、主として鋳鉄などの高速切削に使
用することは知られている。このアルミナ基セラミック
ス切削工具に含まれるZrO2は、焼結後の冷却に伴
い、高温相であるt相からm相に変態するが、この時、
体積膨脹を伴うために内部からクラックが入る。そこ
で、通常、ZrO2 に酸化イットリウム(以下、Y2
3 と記す)、酸化セリウム(以下、CeO2 と記す)、
酸化マグネシウム(以下、MgOと記す)の内の1種ま
たは2種以上(以下、これらを安定化剤という)を少量
固溶させ、室温でもZrO2 の一部がt相のままである
ようにする。これを部分安定化と呼ぶが、部分安定化し
たZrO2 に外敵要因でクラックが入った場合、クラッ
クの先端のt相の部分がm相に変態するため、体積膨脹
によりクラックの進展を妨げる力が働く。この特性を変
態誘起靭性といい、酸化ジルコニウムの変態誘起靭性を
利用して切削工具の靭性を改善したAl2 3 −ZrO
2 系セラミックス切削工具も知られている(特開昭55
−158170号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】上記従来の部分安定化
ZrO2 含有アルミナ基セラミックス切削工具は、内部
まで安定化の度合いが一定であるために、内部でのm相
への変態が起こりにくく、変態誘起靭性の効果が小さ
く、表面から内部へのクラックの進展を妨げる力も不十
分である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
さらに優れた靭性を有するアルミナ基セラミックス切削
工具を開発すべく研究を行っていたところ、ZrO2
有アルミナ基セラミックス切削工具の内部から表面部に
向かって安定化剤の濃度勾配を持たせ、内部の安定化の
度合いを少なくすると、焼結体の表面に近い側の安定化
の度合いが大きいため、変態の体積膨脹による割れがな
く、しかも表面付近でクラックが発生した場合、内部に
行くにしたがって変態誘起靭性の効果が大きくなるた
め、一層クラックが内部に進展しにくくなり、その結
果、強度および靭性に優れ、耐欠損性に優れたZrO2
含有アルミナ基セラミックス切削工具が得られる、とい
う知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見にもとずいて成さ
れたものであって、(1) ZrO2 :2〜40重量%
を含有し、さらに、安定化剤をZrO2 に対する割合が
全体で0.2〜12mol%を含有し、残りがアルミナ
および不可避不純物からなる組成を有するアルミナ基セ
ラミックス切削工具において、前記安定化剤は、アルミ
ナ基セラミックス切削工具表面から深さ:0.5mmの
点(以下、表層部という)でZrO2 に対する割合が
0.5〜15mol%の範囲内にあり、アルミナ基セラ
ミックス切削工具表面から深さ:1.5mm以上の部分
(以下、中心部という)でZrO2 に対する割合が5m
ol%未満の範囲内にあり、かつ表層部の安定化剤濃度
>中心部の安定化剤濃度であるアルミナ基セラミックス
切削工具、(2) ZrO2 粉末:2〜40重量%を含
有し、残りがアルミナ粉末からなる配合組成の圧粉体
を、安定化剤粉末中に埋め込み、焼結する、アルミナ基
セラミックス切削工具の製造法に特徴を有するものであ
る。
【0006】この発明のアルミナ基セラミックス切削工
具のZrO2 を前記のごとく限定したのは、ZrO
2 は、アルミナの粒成長を抑制し、焼結体強度を向上さ
せる作用を有するが、2重量%未満では所望の効果が得
られず、一方、40重量%を越えて含有しても耐摩耗性
が低下するので好ましくないことによるものである。
【0007】この発明のアルミナ基セラミックス切削工
具の安定化剤を前記のごとく限定したのは、安定化剤
は、ZrO2 のm相への変態によるクラックの発生を抑
制する作用を有するが、ZrO2 に対し全体で0.2m
ol%未満では所望の効果が得られず、一方、12mo
l%を越えて含有しても中心部での変態誘起靭性の効果
が得られないことによるものである。
【0008】その場合、表層部でZrO2 に対する割合
が0.5mol%未満ではクラックの発生を抑制する効
果がなく、一方、ZrO2 に対する割合が15mol%
を越えるとZrO2 の強度低下につながるので好ましく
なく、さらに、中心部でZrO2 に対する割合が5mo
l%以上では変態誘起靭性の効果が得られないことによ
るものであり、さらにその場合、表層部と中心部とは、
表層部の安定化剤濃度>中心部の安定化剤濃度の関係に
あることが必要である。
【0009】この発明のアルミナ基セラミックス切削工
具の一層好ましい範囲は、ZrO2:8〜20重量%を
含有し、さらに、安定化剤をZrO2 に対する割合が全
体で1〜8mol%を含有し、残りがアルミナおよび不
可避不純物からなる組成を有するアルミナ基セラミック
ス切削工具において、前記安定化剤は、表層部でZrO
2 に対する割合が2〜10mol%の範囲内にあり、中
心部でZrO2 に対する割合が0.1〜2mol%の範
囲内にあり、かつ表層部の安定化剤濃度>中心部の安定
化剤濃度の関係にあることである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施例1 原料粉末として、いずれも平均粒径:0.5〜1.0μ
mの範囲内のAl2 3 粉末およびZrO2 粉末を表1
〜表2に示される割合いで配合し、ボールミルにより7
2時間湿式混合したのち、バインダーを添加し、乾燥、
造粒し、次いで金型プレスによりISO規格(SNGN
432)形状に成形して成形体を作製し、この成形体を
表1〜表2に示されるY2 3 粉末、CeO2 粉末、お
よびMgO粉末の内の1種または2種以上からなる安定
化剤粉末中に埋め込み、大気中、1500〜1800℃
で2〜10時間保持の表1〜表2に示される条件で焼結
して焼結体を作製し、さらに、この焼結体を表1〜表2
に示される温度:1300〜1600℃、圧力:50M
Pa、1時間保持の条件にてHIP処理を行い、本発明
アルミナ基セラミックス切削工具(以下、本発明切削工
具という)1〜10および比較アルミナ基セラミックス
切削工具(以下、比較切削工具という)1〜7を作製し
た。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】このようにして得られた本発明切削工具1
〜10および比較切削工具1〜7の表面から0.5mm
の点(以下、表層部という)および表面から1.5mm
離れた点(以下、中心部という)のZrO2 に拡散した
2 3 、CeO2 、およびMgOの量を分析測定し、
その結果を表3〜表4に示した。
【0014】さらに、これら本発明切削工具1〜10お
よび比較切削工具1〜7を用い、 被削材:SNCM440(硬さ:H250)の長さ方向
2本縦溝入り丸棒、 切削速度:350m/min、 切込み:1.5mm、 送り :0.2mm/rev、 切削時間:10min、 の条件にて湿式断続切削試験を行い、その結果を表3〜
表4に示した。
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】従来例1比較の目的で、原料粉末として、
Al2 3 粉末および部分安定化ZrO2 粉末を表5に
示される割合いで配合し、ボールミルにより72時間湿
式混合したのち、バインダーを添加し、乾燥、造粒し、
次いで金型プレスによりISOきかく(SNGN43
2)形状に成形して成形体を作製し、この成形体を通常
の焼結炉に装入し、実施例1と同一条件で焼結して焼結
体を作製し、さらに、この焼結体を実施例1と同一条件
でHIP処理を行い、安定化剤濃度勾配のない従来アル
ミナ基セラミックス切削工具(以下、従来切削工具とい
う)1〜5を作製し、これら従来切削工具1〜5を用い
て、実施例1と同一条件の切削試験を行い、その結果を
表5に示した。
【0018】
【表5】
【0019】
【発明の効果】表1〜表5に示される結果から、本発明
切削工具1〜10は従来切削工具1〜5に比べて、耐欠
損性に優れ、したがって長期に亘って使用可能であるこ
とが分かる。しかし、この発明の条件から外れた条件
(表2および表4において、この発明の条件から外れた
値に*印を付して示した)で作製した比較切削工具1〜
7は、いずれも欠損が発生し使用寿命が短いことが分か
る。上述のように、この発明のアルミナ基セラミックス
切削工具は寿命が大幅に向上するので切削効率を大幅に
向上させることができるなどの優れた効果を奏するもの
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化ジルコニウム:2〜40重量%を含
    有し、さらに酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化マ
    グネシウムの内の1種または2種以上(以下、安定化剤
    という)を酸化ジルコニウムに対する割合が全体で0.
    2〜12mol%を含有し、残りがアルミナおよび不可
    避不純物からなる組成を有するアルミナ基セラミックス
    切削工具において、 アルミナ基セラミックス切削工具に含まれる前記安定化
    剤の濃度は、表面から内部に向かって薄くなる濃度勾配
    を有していることを特徴とするアルミナ基セラミックス
    切削工具。
  2. 【請求項2】 酸化ジルコニウム:2〜40重量%を含
    有し、さらに酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化マ
    グネシウムの内の1種または2種以上を酸化ジルコニウ
    ムに対する割合が全体で0.2〜12mol%を含有
    し、残りがアルミナおよび不可避不純物からなる組成を
    有するアルミナ基セラミックス切削工具において、 前記安定化剤は、アルミナ基セラミックス切削工具表面
    から深さ:0.5mmの点(以下、表層部という)で酸
    化ジルコニウムに対する割合が0.5〜15mol%の
    範囲内にあり、アルミナ基セラミックス切削工具表面か
    ら深さ:1.5mm以上の部分(以下、中心部という)
    で酸化ジルコニウムに対する割合が5mol%未満の範
    囲内にあり、かつ表層部の安定化剤濃度>中心部の安定
    化剤濃度であることを特徴とするアルミナ基セラミック
    ス切削工具。
  3. 【請求項3】 酸化ジルコニウム粉末:2〜40重量%
    を含有し、残りがアルミナ粉末からなる配合組成の圧粉
    体を、安定化剤粉末中に埋め込み、焼結することを特徴
    とするアルミナ基セラミックス切削工具の製造法。
JP8016506A 1996-02-01 1996-02-01 耐欠損性に優れたアルミナ基セラミックス切削工具およびその製造法 Withdrawn JPH09207004A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006199581A (ja) * 2004-12-01 2006-08-03 National Univ Of Singapore ドープド・セラミック材とその形成方法
US8012897B2 (en) * 2004-09-13 2011-09-06 Michael Cohen Alumina ceramic products

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8012897B2 (en) * 2004-09-13 2011-09-06 Michael Cohen Alumina ceramic products
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Effective date: 20030401