JPH0531514B2 - - Google Patents

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JPH0531514B2
JPH0531514B2 JP61144569A JP14456986A JPH0531514B2 JP H0531514 B2 JPH0531514 B2 JP H0531514B2 JP 61144569 A JP61144569 A JP 61144569A JP 14456986 A JP14456986 A JP 14456986A JP H0531514 B2 JPH0531514 B2 JP H0531514B2
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titanium carbide
oxide
resistance
component
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JP61144569A
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Inventor
Michito Myahara
Takashi Kitahira
Yasumi Takano
Shigeki Mori
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Nippon Tungsten Co Ltd
Original Assignee
Nippon Tungsten Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Tungsten Co Ltd filed Critical Nippon Tungsten Co Ltd
Publication of JPS62153159A publication Critical patent/JPS62153159A/ja
Publication of JPH0531514B2 publication Critical patent/JPH0531514B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、高硬度、高靱性、非常に優れた工具
寿命をもち、且つ耐摩材料としても優れた性能を
示すアルミナー炭化チタン系セラミツクス材料に
関する。 〔従来の技術〕 セラミツクス工具材料は、常温において強度、
靱性及び硬度が高く、しかも高温域においても硬
度の低下が少なく、且つ機械的強度が大であり、
更には被削材との親和性が少なく耐摩耗性に優れ
長時間の使用に耐えることが要求されている。 また、耐摩材料や寸法等を測定するための測定
工具用の材料としては、耐摩耗性はもとより、熱
膨張係数ができる限り小さく、且つ欠損や破損し
難いものが要求されている。他方、熱間用耐摩材
料としては、耐熱衝撃性が大で熱間割れを起こさ
ないことが要求される。 耐摩材料として使用される場合に、従来のセラ
ミツクス材料では相手材との相性が悪い場合、相
手材との溶着現象或いは摩耗が発生する度合が大
きく、適用できない場合がある。すなわち、耐摩
材料としては、相手材との親和性が少なく、摺動
特性が良く、耐摩耗性に富み、且つ欠損や破損し
難いことが要求される。耐食材料としては、各種
薬品に侵され難く、耐酸化性に優れることが要求
される。また、装飾部材用としては、従来品が白
色系(アルミナ主成分)又は黒色系(アルミナ−
炭化チタン系)に限られているため、従来のセラ
ミツクス材料では微妙な色調に対応できない場合
があつた。すなわち、セラミツクスを装飾部品と
して使用するときには、好みの微妙な色調に対応
でき、且つ硬度が高く耐摩耗性及び耐食性に優れ
ていることが要求される。 また、セラミツクスを各種のヒータ材料として
使用する場合には、比抵抗値を種々変更できるも
のであることが必要であり、熱間割れを起こし難
く、耐酸化性に優れていることが要求される。そ
して、そのヒータが摺動摩擦条件下で使用される
場合には、相手材との親和性が少なく、耐摩耗性
が良く、且つ摩擦係数の小さいことが要求され
る。 また切削工具以外の各種工具すなわち各種刃物
類、金型、ダイス及びプラグ等の用途に対して従
来のアルミナ主成分又はアルミナ−炭化チタン系
のセラミツクス材料は、強度、靱性、刃立て性が
劣り、且つ材料構成成分が限られているために、
各種用途に適用できない場合があり、その都度最
適と思われる配合素材の材料を試作する必要があ
つた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このような種々の用途に従来から使用されてき
たものに、アルミナ系セラミツクスがある。 たとえば、特開昭57−160959号公報では、アル
ミナ−炭化チタン−酸化チタン系にMo,ZrO2
配合し、更にNi,Co,Cr,Mg,Y,Mn等の酸
化物を添加することが提案されている。Mo添加
により構成結晶粒子が微細化され、その結果とし
て硬度および強度が著しく改善される。酸化ジル
コニウムは、構成結晶粒を微細化する作用も幾分
あるが、耐摩耗性を著しく改善する。その他の添
加成分としてのNi,Cr,Mg,Y,Mnの各酸化
物は、粒成長抑制剤兼焼結促進剤としての効果が
あると報告されている。しかし、この改良された
材料も、より広範囲の切削条件及び各種工具用途
条件で使用するには、靱性、硬度及び相手材との
耐溶着性の点で改善の必要がある。 また特開昭58−217463号公報では、Al2O3
TiB2−AlN系にMgO,NiO,Cr2O3,TiO2,Y2
O3から選ばれた一種以上の酸化物を添加するこ
とが提案されている。当該公報によると、TiB2
は、粒成長を阻止し、靱性を高めるとともに微小
なクラツクの成長を抑える役割を果たしている。
しかも、TiB2の硬度がTiCよりも高く、熱膨張
係数もTiCより小さいことから、耐摩耗性に優れ
るとともに高硬度材の切削時に生じる境界摩耗と
境界部での欠損を防ぐ効果がある。一方、AlN
の添加は、焼結性を向上させるとともに、粒径の
成長を抑える効果がある。またMgOを添加する
ことにより、焼結性を向上し、粒径の成長を抑え
ることができる。NiO,Cr2O3,TiO2,Y2O3
の添加物は、焼結助剤として効果があると報告さ
れている。しかし、この改良された材料も、より
広範囲の切削条件及び各種工具用途条件で使用す
るには、靱性及び被削材との耐溶着性の点で改善
の必要がある。 更に特開昭59−102864号公報では、Al2O3
TiC−TiO2系にTb4O7,Ho2O3,Er2O3及びGd2
O3から選ばれた一種以上の酸化物、並びに任意
添加成分としてのMgO,Y2O3,ZrO2,NiO,
Dy2O3から選ばれた一種以上の酸化物を添加する
ことが提案されている。当該公報によると、Tb4
O7,Ho2O3,Er2O3及びGd2O3の添加により、焼
結温度が低下するので粒成長が防がれる。また、
MgO,Y2O3,ZrO2,NiO及びDy2O3の添加は、
より強固な粒子の結合層が得られるので好ましい
とされている。しかし、この改良された材料も、
靱性、硬度及び被削材との耐溶着性の点で改善の
必要がある。 そこで本発明は、このような靱性及び被削材と
の耐溶着性等、種々の要求に応じることができる
セラミツクスを提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、その目的を達成すべく、Al2O3
TiC成分系あるいはTiC成分置換系複合材の原料
粉末成分の調整及び配合から焼結過程における分
散性の改善策及び気孔発生のメカニズムを見出
し、さらに各種成分の結合力を強固にするととも
に、靱性及び硬度を高め、被削材との耐溶着性を
改善したものである。 すなわち、本発明は、メタルオキサイドの酸素
の一部を炭化チタンに固溶せしめた炭化チタンと
メタルオキサイドとの化合物である炭化チタン成
分20〜45重量%と、酸化ジルコニウム0.1〜15重
量%と、Y2O3換算値が0.05〜1.25重量%である
Al2O3とY2O3との複合酸化物と窒化アルミニウム
0.2〜5重量%と、残部がMg,B,Ni,Crの酸
化物の中から選択した少なくとも1種又はそれら
の複合酸化物0.05〜1.5重量%で置換されたAl2O3
とから構成することによつて各種成分の結合力を
高めて上記目的を達成したものである。 また、上記材料の炭化チタン成分の10〜50重量
%をa,a,a族金属の炭化物、窒化物、
硼化物及びそれぞれの複合化合物(炭窒化物、炭
硼化物、窒硼化物、炭窒化硼化物)の少なくとも
1種で置換した材料も上記目的を達成する。そし
てこの材料は、所定の置換処理を行つた原料粉末
を混合調整して、熱間加圧焼結法により製造され
るが、TiC成分の原料粉末調整法としては、Ti,
TaおよびNbの酸化物の少なくとも一種以上また
はTi,Ta,Nbの少なくとも2元素を含む複合酸
化物(これらの酸化物をM.Oと略記する)と炭
化チタンとを粉末混合して炭化チタン成分とす
る。より好ましくはそれぞれを粉末混合した後、
非酸化性雰囲気で500〜1500℃の温度で熱処理す
ることにより炭化チタンにM.Oの酸素を一部固
溶させ炭化チタン成分とする。ここでM.Oと炭
化チタンの配合割合はM.O/(TiC+M.O)=15
重量%以下(ゼロを含まず)、より好ましくは5
〜15重量%としておくのが本発明材料の特性改善
に効果を発揮する。すなわち、Ti,Ta,Nbの少
なくとも一種の酸化物又はそれらの複合酸化物
(M.O)は、炭化チタンと固溶するとともに、ア
ルミナ成分とも焼結過程で反応結合する結果、炭
化チタン成分とアルミナ成分との強力な結合剤と
して作用し、焼結体の靱性及び耐ピツチング性を
高める作用効果を呈する。 次に、残部の酸化アルミニウム成分について
は、Al2O3の0.05〜1.5重量%を前述のMg,B,
Ni,Crの酸化物で粉末混合置換するか、より好
ましくはそれらの塩をAl2O3にドープした粉末又
はそれら酸化物とAl2O3の所定量混合粉末を650
〜1300℃の温度で焼成し反応結合させておくのが
良い。 Mg,B,Ni,Crの酸化物は、本発明材料にと
つて粒成長抑制剤の役割を果たすとともに、焼結
促進剤としても大きな役割をなし、微細な結晶粒
子でしかも強靱な焼結体を得る効果を呈するもの
である。これら酸化物の配合方法としては、上述
したごとく単なる粉末混合法でもよいが、焼成反
応結合処理を行うことにより、材料組織面で非常
に均一に分散した材料が得られ、その結果工具性
能における信頼性が非常に高いものとなる効果を
与える。なお、それら酸化物を粉末混合するのみ
で、本発明材料にあつては従来の材料にない粒成
長抑制兼焼結促進の効果を発揮するが、粉末混合
法の場合において次行程での湿式粉末混合段階で
酸化物が水酸化物〔たとえば、MgO→Mg(OH)
2〕となり、水酸化物が若干の凝集性を有する性
質があり、均一分散性の点で焼成反応結合処理に
比べ僅かに劣る面がある。更に、それら酸化物の
うち、酸化硼素は炭化チタン成分の10〜50重量%
を硼化物系で置換した材料においては、酸化アル
ミニウムと硼化物系との強力な結合剤として作用
し、靱性、耐ピツチング性、耐摩耗性を向上させ
る効果を発揮する。 また、イツトリウム酸化物については、Al2O3
とY2O3とを熱処理した複合酸化物であるガーネ
ツトY3(Al,Y)2・(AlO43、又は(Y,Al)3Al2
(AlO43をY2O3に換算して0.05〜1.25重量%配合
する。また同様に、Y3Al2(AlO43組成のガーネ
ツトやガーネツト以外のYxAl(1-x)O3(ここでx<
1)で表される組成でも使用可能である。この
Al2O3とY2O3との複合酸化物は、本発明材料のい
かなる組成上の組み合わせにおいても、顕著な焼
結促進効果を与え、更には、微細空孔の大幅な低
減効果を与えるとともに、他の必須成分である酸
化ジルコニウムを酸化アルミニウムと強固に結合
させる効果を発揮する。 酸化ジルコニウムについては、純ZrO2または
Y2O3,MgO,CaO,CeOの少なくとも一種で部
分安定化された酸化ジルコニウムを用い、より好
ましくは粒度0.3μm以下の純ジルコニア又は2〜
5モル%のY2O3で部分安定化されたジルコニア
を原料粉末とする。酸化ジルコニウム又は部分安
定化酸化ジルコニウムは、本発明材料の全組成に
対して粒成長抑制効果を与えるとともに、靱性向
上による耐ピツチング性、耐摩耗性、耐食性等の
改善をするものである。また、酸化ジルコニウム
又は部分安定化酸化ジルコニウムは、被削材又は
相手材との摩擦係数を小さくする効果があり、耐
摩耗性の特性改善に大きな効果を与え、更には焼
結反応を促進させる効果ももつ。このことは、特
に本発明材料で糸面幅が小さい切削工具を製作す
る場合に顕著に現れる。すなわち、靱性があまり
ない従来の材料では、糸面部に欠けが発生しやす
く製造歩留まりも満足のいくものではなかつた
が、本発明材料の場合にはZrO2添加に起因する
靱性向上により、大幅な歩留まり向上の効果があ
る。窒化アルミニウムについては、これを配合す
ることにより、粒成長抑制剤として作用し、また
窒化物系又は窒化物との複合化合物と酸化アルミ
ニウム成分との強力な結合剤として作用する結
果、焼結促進効果と靱性改善効果が得られ、耐ピ
ツチング性、耐摩耗性、耐食性の改善が図られ
る。より好ましくは、平均粒径1μm以下の窒化
アルミニウムが効果的である。また、窒化アルミ
ニウムは、金属との濡れ性が悪く、且つ熱伝導率
が高い性質があるので、これを添加したセラミツ
クスを工具材料として用いた場合には、耐摩耗
性、耐熱衝撃性、耐溶着性等に優れたものが得ら
れる。 炭化チタン成分の10〜50重量%をa,a,
a族の窒化物、硼化物、炭化物及びそれらの複
合化合物の中から選ばれた少なくとも1種で置換
した場合は、アルミナ−炭化チタン系複合材料の
特徴を残し、かつ炭化チタン成分の結晶粒子の成
長を抑制する結果、均一微細な組織を有する材料
が得られるとともに、耐摩耗性、耐熱衝撃性、耐
食性等の改善が図られる。 最後に、微細空孔の残存量を非常に少なくする
ことも、本発明材料の特徴の一つである。従来品
の空孔残存量が比較的多い理由としては、Al2
O3,TiC以外の成分であるTiO2,MgO及びY2O3
等が単独酸化物として配合されていたためによる
と推考される。すなわち、TiO2はTiC成分のフ
リーカーボン或いは焼結雰囲気から発生するCO
ガスなどと反応し、発生した反応ガス(CO,
CO2)が材料の組織内に残存する要因と、TiO2
がTiCに固溶する際に空孔を作る要因となる。ま
た、MgOは湿式混合時にMg(OH)2となりやす
く、これが焼結過程で脱水するため空孔残存要因
となり、Y2O3はフリーカーボンとの反応および
Al2O3との反応等により空孔を発生させる要因と
なる。これに対して、本発明材料を固溶処理した
炭化チタン成分、ガーネツト類およびAl2O3
Mg,B,Ni,Crの酸化物との化合粉末から製造
した場合には、上記空孔残存要因が軽減されるた
め、微細空孔の非常に少ない材料が得られる。 このような材料は、各種成分を配合調整して得
られた焼結用原料粉末を熱間加圧焼結することに
より製造される。その熱間加圧焼結としては、焼
結用原料粉末を成形した素体を非酸化性雰囲気の
1〜100Kgf/cm2ガス圧の下で温度1550〜1800℃
で焼結することも可能であるが、好ましくはホツ
トプレス法や熱間静水圧加圧焼結法で製造するの
が特性の優れた成品を得る上で有利である。ホツ
トプレス法による場合は、非酸化性雰囲気中で加
圧力50〜350Kgf/cm2、焼結温度と1350〜1700℃
の下で緻密化するに要する時間だけ保持すること
により特性の良い材料が得られ、緻密化後長時間
保持した場合は粒成長のおそれがあり好ましくな
い。次に熱間静水圧加圧焼結法による場合は、普
通焼結(コールドプレス)法又はホツトプレス法
により製造した相対密度94〜98%の予備焼結体を
不活性ガス雰囲気(Ar,N2)で加圧力500Kg
f/cm2以上、温度1000〜1600℃の条件下で0.5〜
2時間保持することにより、緻密化処理して本発
明材料を得ることができる。 なお、熱間静水圧加圧焼結法又はホツトプレス
法により焼結した材料を、非酸化性雰囲気におい
て加圧力0〜10Kgf/cm2、温度1000〜(焼結温度
+100)℃の範囲で熱処理することにより、歪み
を除去することができる。したがつて、熱処理し
た材料は、研削加工時にチツピングを発生し難
く、且つ工具材料として使用中に残留応力に起因
する異常摩耗および異常チツピングの発生をみる
ことなく優れた工具材料として使用される。 なお、セラミツクスヒータ材料用としては、導
電性のある炭化物、窒化物、硼化物及びそれらの
複合物を必要に応じて選択し、配合量を調整する
ことにより、比抵抗値を種々変化させる必要があ
る。更に、耐酸化性を要求する場合には、上記の
TiC置換物質の耐酸化性のある粉末をアルミナ−
炭化チタン系に配合することにより目的が達成さ
れ、導電性付与成分が材料中でネツト構造をつく
る範囲(少なくとも10容量%)にすることにより
好みのヒータ材料を得ることができる。 〔成分範囲限定理由〕 本発明材料において、炭化チタン成分は、酸化
アルミニウム成分とともに主成分を形成してお
り、炭化チタン成分が20重量%未満ではその添加
効果が小さく、耐熱衝撃性及び物理的耐衝撃性の
面で十分とはいえずかつAl2O3の粒成長に伴う低
硬度のために耐摩耗性等が劣る。また、機械加工
性も悪く、耐摩耗及び工具材料製造過程で研削時
間が多くかかり、ひいては歩留まりも低下する。
また、炭化チタン成分が45重量%を超えると機械
加工性は向上するが焼結温度を高くする必要があ
り、また炭化チタン成分及び酸化アルミニウム成
分の結晶粒子の成長が進行する結果、靱性が劣下
し、ひいては耐チツピング性及び耐摩耗性が低下
することになり、好ましくない。 また、炭化チタンにTi,Ta,Nbなどの酸化物
を熱処理して固溶させた炭化チタン成分中のM.
Oは、混合調整粉末(焼結用原料粉末)段階で
は、M.O/(TiC+M.O)=15重量%以下(ゼロ
を含まず)、より好ましくは5〜15重量%に調整
しておくことが酸化アルミニウムと炭化チタン成
分との結合強化及び焼結促進効果を与える点で必
要である。 上記15重量%以下(ゼロを含まず)のM.Oは、
焼結過程で焼結用原料粉末中のフリーカーボンや
焼結雰囲気から発生するCOガスにより還元また
は炭化される場合があり、炭化チタン成分中の
M.Oは高々15%(15%以下)となり、焼結過程
でその作用効果を発揮すれば焼結材料に炭化物及
び低級酸化物の形で残存してもよい。 従つて、炭化チタンに熱処理して固溶させる
M.Oの量が15重量%を越えるとホツトプレス法
では黒鉛モールドと反応接着割れ原因となる他、
材料中の微細空孔の増加及び炭化チタンが酸素を
固溶し過ぎることによる脆さがひどくなるため、
材料の要求特性を満足しなくなる。 Mg,B,Ni,Crの酸化物又はこれら酸化物の
複合物はいずれも同様の効果を有し、少なくとも
1種で0.05〜1.5重量%を置換した酸化アルミニ
ウムを使用するのが粒成長抑制剤の役割を果たす
とともに、焼結促進剤および粒子結合剤としても
大きな役割をなし、微細な結晶粒子でしかも強靱
な焼結体を得る効果を与える。0.05重量%未満で
はこれら両者の作用効果がなく、逆に1.5重量%
を超えると酸化アルミニウム成分又は炭化チタン
成分と反応し、工具材料の大部分を占める構成粒
子間を脆化し靱性が低下する傾向が強くなるので
好ましくない。 周期律表a,a,a族の炭化物、窒化
物、硼化物及びそれぞれの複合化合物の少なくと
も1種で炭化チタン成分の一部を置換する範囲が
10重量%未満では、材料特性の改善効果があまり
現れず、50重量%を超えると焼結温度が高くな
り、粒成長を生じやすくなる。その結果、靱性、
耐チツピング性及び耐摩耗性が劣るとともに、研
削加工段階で欠けが発生し易く製造歩留まりも悪
化することになる。このことから、材料特性の優
れたものが得られる範囲が10〜50重量%である。 酸化ジルコニウムまたは部分安定化ジルコニア
の量が0.1重量%未満では粒成長抑制効果、靱性
向上効果等の材料特性の改善効果があまり現れ
ず、また15重量%を越すと硬さが低下して、耐摩
耗性が劣るようになるとともに、研削加工性が悪
くなる傾向にある。したがつて、酸化ジルコニウ
ムまたは部分安定化ジルコニアの量を0.1〜15重
量%とする。 Al2O3とY2O3との複合酸化物に含まれるイツト
リウム酸化物は、焼結用原料粉末に対する量が
0.05重量%未満では焼結促進剤としての効果すな
わち低温焼結性が少なく、逆に1.25重量%を越え
ると結晶粒子の成長を引き起こしたり、微細空孔
が多数発生する傾向があるため好ましくない。こ
のことから、イツトリウム酸化物の量を0.05〜
1.25重量%の範囲とした。 窒化アルミニウムについては、0.2重量%未満
ではその作用効果が現れず、5重量%を越すと機
械加工性が低下する傾向が強くなるため、その量
的範囲を0.2〜5重量%とした。 〔実施例〕 本発明材料を切削工具用セラミツクス材料とし
て用いた場合の特性について、実施例により説明
する。 A 出発原材料粉末 ・ α−Al2O3:平均粒子径0.3μm、純度99.9% ・ 炭化チタン:平均粒子径1μm、不純物量
(Ti,C,O以外)=0.1% ・ Ti,Ta,Nbの酸化物:平均粒子径1μm以
下、不純物=0.1% ・ 周期律表a,a,a族の炭化物、窒化
物、硼化物及びそれらの複合化合物:平均粒子
径1μm以下、それぞれの構成元素以外の不純
物(酸素を除く)=0.3%以下 ・ Mg,B,Ni,Crの各酸化物:単独酸化物の
平均粒子径0.5μm、純度99.9% なお、ドープ法に使用する場合それぞれの塩
の純度は99.9%以上 ・ 酸化ジルコニウム:平均粒子径0.3μm以下、
純度99.9%以上(部分安定化剤を含めた純度) ・ イツトリウム酸化物:平均粒子径1μm、純
度99.9% ・ 窒化アルミニウム:平均粒子径1μm、不純
物(酸素を除く)=0.1% 上記の各種出発原料により、それぞれ置換粉
末、複合粉末を作り第1〜3表に示す材料組成と
なした。 表中、No.2,3,4,7,9,13,16,17,
18,20,21,22,24,25,29,30,31,34,35,
38,40,41,42,43,46,47,48,49,50,52,
53,54,58,61は、炭化チタンとTi,Ta,Nbの
酸化物とを熱処理した炭化チタン成分及びAl2O3
とY2O3との複合酸化物を用いた本願発明の材料
であり、その他のNo.は炭化チタン、Al2O3とY2O3
を単に粉末混合した比較例である。 ホツトプレス法は最適の焼結温度(1350〜1700
℃)、加圧力200Kgf/cm2の条件下で60分間保持
し、50×50×5.5mmの焼結体を得た。各種組成の
焼結体をダイヤモンド砥石で49×49×5.0mmに研
削して比重測定を行つた後、更にダイヤモンド砥
石で切断あるいは研削して試験片を作成し、各種
試験に供した。その結果を、第4表に資料No.毎の
特性として示す。 また、各種組成の試験片を精密ラツプ仕上げし
た後、顕微鏡写真により炭化チタン成分の結晶粒
子を調べる一方、別途曲げ強度測定に供した試片
の破断面の走査型電子顕微鏡組織写真を観察し、
結晶粒子径と微細空孔の調査を行つた。 研削加工性は、糸面幅が0.05より小さい研削工
具を製造する際に糸面部に発生する微小欠けの度
合により製造歩留まり上好ましくないものをC
印、欠け発生が殆どなく使用上問題ないものをB
印、特に優れているものをA印で示す。硬さは、
ロツクウエルAスケールで測定し、94.3以上をA
印、94.0以上から94.3迄をB印、94.0未満をC印
で示した。 破壊靱性に関しては、マイクロインデンテーシ
ヨン法により測定し、その値が5.0MN/m3/2以上
のものをA印、4.5MN/m3/2以上5.0MN/m3/2
満のものをB印、4.5MN/m3/2未満のものをC印
で示した。 切削テストとしては、SNGN432、糸面寸法0.1
×30°の切削工具を得てテストを行つた。まず、
耐摩耗性評価として、被削材SKD−11(HRC60)
を旋盤により切削速度(V)×切り込み(d)×送
り(f)=90m/min×0.5mm×0.2mm/revの条件
で10分間切削した後、逃げ面摩耗幅(VB)を測
定し、VB=0.06m未満をA印で、VB=0.065mmか
らVB=0.100mm未満をB印で、VB=0.100mm以上を
C印で示した。 また、耐欠損性を調べるため、鋳鉄(FC25)
をV×d=250m/min×1.5mmの条件にて各送り
f(mm/tooth)を徐々に大きくしていき、寸法が
幅90×長さ252mmのFC25を長手方向に一回切削す
る途中で欠損した場合を寿命とし、同じ送り速度
で2回の繰り返しテストを行い、2回テスト中少
なくとも1回欠損した送りを耐欠損限界とした。
その送りfが1.0mm/tooth以上をA印で、f=0.7
mm/tooth以上から1.0mm/tooth未満をB印で、
f=0.7mm/tooth未満をC印で示す。 耐溶着性については、上記2通りの切削テスト
において、溶着がほとんど認められないものをA
印で、わずかに溶着現象が認められるが性能面で
ほとんど問題とならないものをB印で、明らかに
溶着が認められるものをC印で示した。 結晶粒径については、焼結体の平均結晶粒子径
が1.2μm未満のものをA印、1.2〜1.5μmのものを
B印、1.5μm以上のものをC印で示した。 組織に残存する空孔については、1μm以上の
空孔の存在するものをC印、空孔径が1μm未満
であるが若干認められ従来品と同等のものをB
印、1μm未満の空孔が特に少ないものをA印で
示した。 靱性については、曲げ強度が60Kgf/mm2未満の
ものをC印、60〜80Kgf/mm2のものをB印、80Kg
f/mm2以上のものをA印で示した。 相対密度については、99.4%以上をA印、99.0
〜99.4%未満をB印、99.0%未満をC印で示し
た。 なお、第1表〜第3表に示した組成以外の材料
について別途調査した結果、各種成分の特許請求
の範囲内外の材料特性が成分範囲限定理由の項で
述べた通りであることが確認された。 また、熱間静水圧加圧焼結法による効果ついて
も各種成分の材料を製造して得られた成品を調査
した結果、平均して結晶粒径がホツトプレス法よ
りも約0.2μm大きい以外は第4表に示した特性と
殆ど同じであつた。 第1表〜第3表のTi,Ta,Nb酸化物は、TiC
成分及び/又は特許請求の範囲第3項のTiCと
TiC置換成分中に含まれる重量%を(%)で、ま
たMg,B,Ni,Crの酸化物は酸化アルミニウム
を置換した重量%(Al2O3成分中の割合)を
(%)で示した。 また装飾部材用としては、前記精密ラツプ仕上
げしたものを観察した結果、配合成分により差は
あるものの、黒色系や黄褐色系など各種色調のも
のが得られ、内部に空孔の少ない材料(第4表中
のB,A印)はいずれも良好な光沢面を有し、装
飾部材として有効であることが判明した。 更に、ヒータ材料としては、炭化物、窒化物、
硼化物及びこれらの複合粉末成分が材料に対して
10体積%以上配合されるとネツト構造を形成する
状態となり、導電性が現れる。400℃以上で使用
されるヒータ材料としては、TiC成分の置換物質
である他の炭化物、窒化物、硼化物およびそれら
の複合物で置換する量が50重量%に近づく程、耐
酸化性が改善されることが判明した。すなわち、
TiCは酸素を固溶する性質が強いので、耐酸化性
の強い物質で置換することが好ましい。 以上の実施例に示した如く、本願発明材料はい
ずれも空孔度がAランクで、各種用途において優
れた性能を発揮することが判明した。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
〔発明の効果〕
本発明の酸化アルミニウム−炭化チタンを主成
分系とする各種材料は、機械加工性に優れる他、
強度、靱性が高く、緻密で組織が均一微細で硬度
が高く、また金属材料、非鉄金属材料その他の相
手材料との親和性が少なく、且つ摩擦係数が小さ
いため、切削工具及び各種工具材料や耐摩、耐蝕
材料、装飾部材料、各種ヒータ材料として優れた
性能を発揮する。また、本発明材料は、各種組成
物の材料に調整可能であるため、用途からくる各
種特性を成分系の適宜な選択により満足させるこ
とができる。特に、炭化チタン成分の配合量を調
整することにより、適度の比抵抗値をもつ材料と
なるので、種々の用途に応じた電気抵抗部品とし
て使用することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 メタルオキサイドの酸素の一部を炭化チタン
    に固溶せしめた炭化チタンとメタルオキサイドと
    の化合物である炭化チタン成分が20〜45重量%、 酸化ジルコニウム0.1〜15重量%と、 Y2O3換算値が0.05〜1.25重量%であるAl2O3
    Y2O3との複合酸化物と、 窒化アルミニウム0.2〜5重量%と、 残部がMg,B,Ni,Crの酸化物の中から選択
    した少なくとも1種又はそれらの複合酸化物0.05
    〜1.5重量%で置換されたAl2O3とからなる耐摩耗
    性に優れたセラミツクス材料。 2 メタルオキサイドが、Ti,TaおよびNbの酸
    化物中の1種あるいは複数の酸化物の複合酸化物
    からなり、メタルオキサイドをMOとしたとき、
    MO/(TiC+MO)が15重量%以下である特許
    請求の範囲第1項に記載の耐摩耗性に優れたセラ
    ミツクス材料。 3 炭化チタン成分の10〜50重量%をa,
    a,a族金属の炭化物、窒化物、硼化物及びそ
    れぞれの複合化合物の少なくとも1種で置換した
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2
    項記載の耐摩耗性に優れたセラミツクス材料。 4 酸化ジルコニウムがY2O3,MgO,CaO,
    CeOの少なくとも1種で部分安定化されたZrO2
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項か
    ら第3項のいずれかに記載の耐摩耗性に優れたセ
    ラミツクス材料。 5 特許請求の範囲第1項乃至第4項記載の材料
    が電気抵抗部品として使用されることを特徴とす
    る耐摩耗性に優れたセラミツクス材料。
JP61144569A 1985-09-06 1986-06-20 耐摩耗性に優れたセラミツクス材料 Granted JPS62153159A (ja)

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