JP2001253767A - アルミナ基複合焼結体及び耐摩耗部材並びにアルミナ基複合焼結体の製造方法 - Google Patents

アルミナ基複合焼結体及び耐摩耗部材並びにアルミナ基複合焼結体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミナ基複合焼結体の欠点を改善し、優れ
た耐摩耗性のみでなく、耐チッピング性においても優れ
るアルミナ基複合焼結体及び耐摩耗部材並びアルミナ基
複合焼結体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 アルミナを主成分とし、周期律表のIV
a、Va、VIa族のうちの1種以上の炭窒化物、及び/
又は周期律表のIVa、Va、VIa族のうちの2種以上の
固溶体の炭窒化物を含むアルミナ基複合焼結体焼結体で
あり、このアルミナ基複合焼結体は、炭窒化物中の窒素
の固溶量が、焼結体の内部から表面に向かって増加し、
且つ焼結体表面のビッカース硬度が19.5GPa以上
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミナを主成分
とする焼結体であるアルミナ基複合焼結体に関し、特に
耐摩耗性や耐チッピング性に優れた切削工具等の耐摩耗
部材、並びにアルミナ基複合焼結体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミナ基複合焼結体は、優
れた機械的特性を有することから、切削工具を始め耐摩
耗部材(耐摩部材)として広く使用されている。また、
近年では、更なる性能向上のため、他成分と複合化する
ことによって、各種の改善が図られている。
【0003】例えば特開平9−104943号公報に
は、ジルコニア(ZrO2)を複合化することによっ
て、亀裂進展を抑制して高靭化し、耐チッピング性を向
上させようとする技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジルコ
ニアは、硬度が低く、また耐熱衝撃性に劣るため、耐摩
耗性、耐熱性の面において、十分ではない。また、特許
第2720093号公報には、針状のアルミナ(Al2
3)に高硬度な炭化チタン(TiC)を複合化するこ
とで、ある程度の硬度を維持しつつ高靭化して、優れた
耐摩耗性のみでなく、耐チッピング性を向上させようと
する技術が提案されている。
【0005】しかしながら、針状のアルミナは高価であ
るため、コスト面で問題があるばかりでなく、針状のア
ルミナの周囲に隙間ができ易く、針状のアルミナを含有
することで、かえってそれ自体が欠陥となってしまう恐
れがある。また、前記炭化チタンは、難焼結性であるた
め、高温にて焼成するか、或いはホットプレスを行うこ
とにより材料を緻密化する必要がある。しかし、高温に
て焼成すると、組織全体が粗粒化し低硬度となるため、
耐摩耗性が十分でなく、また、ホットプレスで焼成した
場合には、形状が限定されてしまうという問題がある。
【0006】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、アルミナ基複合焼結体の欠点
を改善し、優れた耐摩耗性のみでなく、耐チッピング性
においても優れるアルミナ基複合焼結体及び耐摩耗部材
並びアルミナ基複合焼結体の製造方法を得ることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点に対し鋭意研究を重ねた結果、下記の内容を見出し、
本発明を完成した。すなわち、アルミナを主成分とし、
周期律表のIVa、Va、VIa族の炭化物を複合化させた
粉末成形体に対して、その焼成時のAr/N2ガス混合
比と昇温速度とをある一定範囲とした。それにより、炭
化物中に窒素が固溶して炭窒化物となるとともに、焼結
体の内部から表面に向かって、炭窒化物中の窒素の固溶
量が増加する。この窒素の固溶量が増加すると、アルミ
ナ及び炭窒化物の粒界拡散が促進されると考えられる。
それによって、焼結性が改善され、低温で緻密化するた
め、組織が微細で高硬度・高強度を有する焼結体を得る
ことが可能となった。
【0008】より詳細には、炭化物原料の表面を窒化さ
せることによって、炭化物原料の硬度を維持しながら、
更に焼結体表面付近の焼結性を向上させて緻密化するこ
とで、微細な組織を有する高硬度・高強度を有する焼結
体が得られる。そして、これらを耐摩耗部材として使用
した結果、優れた耐摩耗性・耐チッピング性を発揮する
ことが分かった。
【0009】以下、各請求項毎に説明する。 (1)請求項1の発明は、アルミナを主成分とし、周期
律表のIVa、Va、VIa族のうちの1種以上の炭窒化
物、及び/又は周期律表のIVa、Va、VIa族のうちの
2種以上の固溶体の炭窒化物を含む焼結体であって、前
記炭窒化物中の窒素の固溶量が、前記焼結体の内部から
表面に向かって増加し、且つ前記焼結体表面のビッカー
ス硬度が19.5GPa以上であることを特徴とするア
ルミナ基複合焼結体を要旨とする。
【0010】例えば、図1(a)に模式的に示す様に、
本発明のアルミナ基複合焼結体としては、白色で示すア
ルミナの粒子の間に、灰色で示す炭化チタン(TiC)
の粒子が入り込んで複合化しているものが考えられる
が、その炭化チタンに炭素(C)が固溶して、炭窒化物
の固溶体(Ti(C、N))を形成している。尚、炭化
チタンにおける炭素の固溶量の多さを黒丸の大きさで示
している。
【0011】この図1(a)からも分かる様に、本発明
では、炭窒化物中の窒素の固溶量が、焼結体の内部から
表面に向かって増加している。一方、図1(b)に示す
従来品では、炭窒化物中の窒素の固溶量が、焼結体の内
部及び表面ともほぼ一定である。
【0012】この様に、本発明では、炭窒化物中の窒素
の固溶量が、焼結体の内部から表面に向かって増加して
いるので、即ち、焼結体の内部より表面の方が炭窒化物
中の窒素の固溶量が大きいので、焼結性が高く、低温で
緻密化する。よって、組織が微細で高硬度・高強度を有
する焼結体、即ち、優れた耐摩耗性・耐チッピング性を
有するアルミナ基複合焼結体が得られる。
【0013】更に、本発明では、上述した窒素の固溶量
の構成により、焼結体表面のビッカース硬度が19.5
GPa以上であるので、例えば切削工具等の耐摩耗部材
として十分な耐摩耗性を発揮することができる。ここ
で、前記アルミナ基複合焼結体とは、主成分であるアル
ミナ(例えば60重量%以上)に他の成分を加えて複合
化した焼結体であり、また、ビッカース硬度を測定する
際の荷重は、1.0kgwである。
【0014】尚、前記周期律表のIVa、Va、VIa族の
うちの1種以上の炭窒化物としては、例えばIVa族の、
Ti(C、N)、Zr(C、N)、Va族の、V(C、
N)、Nb(C,N)、Ta(C、N)、VIa族の、C
3(C、N)などが挙げられる。
【0015】また、周期律表のIVa、Va、VIa族のう
ちの少なくとも2種以上の固溶体の炭窒化物としては、
例えば、(Ti、W)(C,N)、(W、Ta、Nb)
(C、N)などが挙げられる。ここで、本発明のアルミ
ナ基複合焼結体は、上述した周期律表のIVa、Va、VI
a族のうちの1種以上の各種の炭窒化物、又は周期律表
のIVa、Va、VIa族のうちの少なくとも2種以上の固
溶体の各種の炭窒化物を含んでいるが、両方の炭窒化物
を含んでいてもよい。
【0016】(2)請求項2の発明は、前記周期律表の
IVa、Va、VIa族の元素が、Ti、V、Zrのうちの
1種以上であることを特徴とする前記請求項1に記載の
アルミナ基複合焼結体を要旨とする。
【0017】本発明は、周期律表のIVa、Va、VIa族
の炭窒化物又は固溶体の炭窒化物に含まれる金属元素を
例示したものである。この金属元素を使用することによ
り、上述した優れた性質を有するアルミナ基複合焼結体
を得ることができる。
【0018】尚、前記Ti、V、Zrうちの1種以上の
炭窒化物としては、例えば、Ti(C、N)、V(C、
N)、Zr(C、N)などが挙げられる。また、Ti、
V、Zrうちの2種以上の固溶体の炭窒化物としては、
例えば、(Ti、V)(C,N)、(Ti、Zr)
(C、N)などが挙げられる。
【0019】(3)請求項3の発明は、前記アルミナ基
複合焼結体における前記炭窒化物の含有量が、10〜4
0重量%であることを特徴とする前記請求項1又は2に
記載のアルミナ基複合焼結体を要旨とする。
【0020】ここで、前記炭窒化物の(焼結体全体に対
する)含有量を10〜40重量%としたのは、10重量
%以上であれば、主成分のアルミナの粒子が粗粒化せ
ず、焼結体の強度・硬度が低下しないからであり、40
重量%以下であれば、焼結性の低下がなく、組織全体が
微細となる低温での緻密化が可能であるからである。
【0021】そして、より好ましい効果が得られるの
は、25〜35重量%の範囲である。尚、前記炭窒化物
とは、周期律表のIVa、Va、VIa族のうちの1種以上
の炭窒化物、及び/又は周期律表のIVa、Va、VIa族
のうちの2種以上の固溶体の炭窒化物である。
【0022】(4)請求項4の発明は、前記炭窒化物に
おける窒素の固溶量が、40原子%以下であることを特
徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のアルミナ
基複合焼結体を要旨とする。ここで、前記炭窒化物中の
窒素の固溶量が、40原子%以下(当然0原子%を超え
る)としたのは、40原子%以下では、炭窒化物の硬度
の低下がなく、主成分のアルミナの粒成長が促進されて
粗粒化することを抑制して、強度・硬度の低下を防止で
きるからである。
【0023】そして、より好ましい効果が得られるの
は、20〜30原子%の範囲である。また、この窒素の
固溶量の規定による効果が顕著に得られるのは、例えば
切削工具に使用する場合は、被加工物に接触するアルミ
ナ基複合焼結体の表面である。
【0024】尚、前記炭窒化物とは、周期律表のIVa、
Va、VIa族のうちの1種以上の炭窒化物、及び/又は
周期律表のIVa、Va、VIa族のうちの2種以上の固溶
体の炭窒化物である。 (5)請求項5の発明は、前記焼結体表面に、硬質材料
がコーティングされた硬質層を備えたことを特徴とする
前記請求項1〜4のいずれかに記載のアルミナ基複合焼
結体を要旨とする。
【0025】この硬質材料としては、例えばTiC、T
iN、TiCN、Al23を採用でき、これにより、一
層耐摩耗性を改善できる。尚、コーティング方法として
は、例えば、PVD(物理蒸着法)、CVD(化学蒸着
法)を採用できる。
【0026】(6)請求項6の発明は、前記請求項1〜
5のいずれかに記載のアルミナ基複合焼結体からなるこ
とを特徴とする耐摩耗部材を要旨とする。本発明の耐摩
耗部材は、上述したアルミナ基複合焼結体から構成され
ている。従って、耐摩耗性や耐チッピング性に優れてい
る。
【0027】(7)請求項7の発明は、前記耐摩耗部材
が切削工具であることを特徴とする前記請求項6に記載
の耐摩耗部材を要旨とする。本発明の耐摩耗部材を例示
したものであり、上述したアルミナ基複合焼結体から構
成されている。従って、この切削工具は、耐摩耗性や耐
チッピング性に優れている。
【0028】尚、耐摩耗部材としては、切削工具以外
に、例えば、ベアリング、ダイス、プレス金型、チェー
ンソーの刃、エンジンの摺動部材などが挙げられる。 (8)請求項7の発明は、アルミナを主成分とするアル
ミナ基複合焼結体の製造方法において、前記主成分のア
ルミナに、周期律表のIVa、Va、VIa族のうちの1種
以上の炭化物を複合化させた粉末成形体に対し、その焼
成時のAr/N2ガス混合比と昇温速度とを調節して、
前記炭化物中に窒素を固溶させて炭窒化物とするととも
に、前記焼結体の内部から表面に向かって、前記炭窒化
物中の窒素の固溶量を増加させることを特徴とするアル
ミナ基複合焼結体の製造方法を要旨とする。
【0029】本発明では、炭化物原料の表面を窒化させ
ることによって、炭化物原料の硬度を維持しながら、更
に焼結体表面付近の窒素の固溶量を増加させることによ
って、焼結性を改善して、低温で緻密化することができ
る。これにより、微細な組織を有する高硬度・高強度を
有する焼結体が得られる。
【0030】従って、これらを耐摩耗部材として使用す
ると、優れた耐摩耗性・耐チッピング性が得られる。
尚、必要に応じてHIP処理を施すことで緻密化させて
もよい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアルミナ基複合焼
結体及び耐摩耗部材並びにアルミナ基複合焼結体の製造
方法の実施の形態の例(実施例)を説明する。 (実施例) a)まず、本実施例のアルミナ基複合焼結体からなる切
削工具について説明する。
【0032】図2に示す様に、本実施例の切削工具1
は、略三角形の板状(例えばJIS規格のTNGN33
3形状)であり、ホルダーの先端に取り付けられて使用
されるいわゆるセラミックスチップである。この切削工
具1は、アルミナ(Al23)を主成分とする材料に、
例えば耐摩耗性や焼結性などを改善するために他の成分
を加えて焼結したアルミナ基複合焼結体から構成されて
いる。
【0033】前記アルミナに複合させる他の成分とは、
周期律表のIVa、Va、VIa族のうちの少なくとも1種
以上の炭窒化物(例えばTi、V、Zrの炭窒化物)、
又は周期律表のIVa、Va、VIa族のうちの少なくとも
2種以上の固溶体の炭窒化物(例えばTi、V、Zrの
固溶体の炭窒化物)である。或いはその両方の炭窒化物
でもよい。
【0034】特に本実施例では、アルミナ基複合体焼結
体において、炭窒化物中の窒素の固溶量が、焼結体の内
部から表面に向かって増加しており、更に、焼結体表面
のビッカース硬度が19.5GPa以上と高い硬度を有
している。また、実施例のより好ましい形態としては、
周期律表のIVa、Va、VIa族の炭窒化物の含有量が、
10〜40重量%の範囲であり、更に、前記周期律表の
IVa、Va、VIa族の炭窒化物中の窒素の固溶量が、4
0原子%以下である。
【0035】尚、切削工具1の表面、耐摩耗性等の向上
のために、例えばTiC等の硬質材料からなる硬質層を
設けてもよい。 b)次に、アルミナ基複合焼結体及びそれから構成され
た切削工具1の製造方法について説明する。
【0036】最初に、市販のアルミナ原料に、下記表1
(調合組成の表)に示す割合で、複合化する材料として
炭化物等を加えて原料を調合し、この原料を、アトライ
ターにてアセトンを媒体として30時間混合粉砕して、
スラリーとした。
【0037】
【表1】
【0038】次に、前記スラリーを乾燥し、得られた混
合粉末に、例えばパラフィン等のバインダーを添加し、
1軸プレスして成形体(三角形の板状の成形体)を得
た。次に、得られた成形体を、真空中にて800℃で脱
バインダー処理を行った後、下記表2に示す様に、Ar
/N2のガス混合気流中にて、1600〜1700℃
で、表面が緻密化する程度に予備焼結を行った。
【0039】次に、この予備焼結体を、Arガス加圧1
30〜160MPaの雰囲気中にて、1450〜150
0℃の焼成温度で、HIP処理を行って、ほぼ図2に示
す形状のアルミナ基複合焼結体を作成した。従って、こ
のアルミナ基複合焼結体の表面の全体を、約0.2mm
程度研磨することにより、前記図2に示す形状の切削工
具1が得られた。
【0040】また、同様にして、比較例の焼結体及び切
削工具も製造した。尚、前記表2において、試料No.2
〜4、8、9、11、13〜15、17〜19が本発明
の範囲内の実施例であり、それ以外は本発明の範囲外の
比較例である。また、試料No.14は、アルミナ基複合
焼結体の表面に、PVDによって、TiNコーティング
を施したものである。
【0041】c)次に、上述した製造方法によって得ら
れたアルミナ基複合焼結体及び切削工具に対する実験例
について説明する。 試料No.1〜21のアルミナ基複合焼結体に対して、
その表面と内部について、周期律表のIVa、Va、VIa
族の代表として、Ti(C、N)のNの固溶量を、XP
Sにより測定した。その結果を、同じく下記表2に記
す。
【0042】内部の測定位置は、三角柱形状の焼結体の
軸中心において、板厚方向に表面から2.5mmの深さ
の位置である。 また、試料No.1〜21のアルミナ基複合焼結体に対
して、表面から内部に向かって、Ti(C、N)のNの
固溶量を、XPSにより測定した。その結果を、表面か
らの距離とともに、図3に示す。
【0043】更に、焼結体の表面のビッカース硬度H
vを、1.0kgwの荷重にて測定した。その結果を、
同じく下記表2に記す。 また、焼結体の表面を0.2mm程度研磨加工して、
TNGN333形状とした切削工具を用い、下記条件に
て切削試験を行った。
【0044】<切削条件> 被削材 ;JIS SCM415 切削速度V;250m/min 送り速度f;0.16mm/rev 切り込みd;0.2mm 乾湿 ;DRY 切削試験は、図4に示す様に、円柱状の被削材に対し
て、所定間隔(22mm)毎に所定幅(6mm)及び所
定深さ(7mm)の切削を行った。切削寿命の判定は、
切削工具の逃げ面の磨耗量が0.05mm以上となった
時点、又はチッピングが発生した時点として評価した。
【0045】その結果を、同じく下記表2及び図5に示
す。
【0046】
【表2】
【0047】d)前記表2から明らかな様に、本発明の
範囲のアルミナ基複合焼結体(試料No.2〜4、8、
9、11、13〜15、17〜19)は、Ti(C、
N)における窒素の固溶量が焼結体の内部より表面の方
が多く(例えば図3に示す様に、表面に向かって徐々に
増加している)、また、焼結体表面のビッカース硬度
は、19MPa以上である。
【0048】従って、本発明例の切削工具は、耐摩耗性
に優れているので、加工距離が長く、長寿命である。ま
た、高強度であるので、切削加工の際に、チッピングが
生じにくく、好適である。また、本発明例では、調合組
成として、B、C、D、F、G、Hを使用しており、周
期律表のIVa、Va、VIa族の炭窒化物の含有量が、1
0〜40重量%である。更に、本発明例では、周期律表
のIVa、Va、VIa族の炭窒化物中の窒素の固溶量が、
40原子%以下である。
【0049】特に、焼結体表面に硬質材料がコーティン
グされた硬質層を備えた試料No.14は、図5にも示す
様に、加工距離が715mと最も長く、耐摩耗性が最も
優れている。それに対して、比較例のものは、窒素の固
溶量の変化及びビッカース硬度の両条件を満たしていな
いので、加工距離が144mm以下と短く、耐摩耗性が
十分でない。特に、焼結体表面の窒素の固溶量が40原
子%を超えるものは、耐摩耗性が低い。更に、比較例で
は、加工途中でチッピングが生じるもの(試料No.5)
や寿命が不安定なもの(試料No.12)があり、強度の
点でも十分でない。
【0050】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。例え
ば前記実施例では、耐摩耗部材として切削工具を例に挙
げたが、本発明のアルミナ基複合焼結体は、この様な切
削工具に限らず、例えば、ベアリング、ダイス、プレス
金型、チェーンソーの刃、エンジンの摺動部材などの各
種の耐摩耗部材として使用することができる。また、耐
摩耗部材以外にも、例えば高温下での構造材の用途に使
用可能である。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明によれば、従
来のアルミナ基複合焼結体と比べて、高い硬度・強度が
得られ、それを切削工具などの耐摩耗部材として使用し
た場合、優れた耐摩耗性・耐チッピング性を発揮し、そ
の寿命を著しく延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 焼結体の構造を模式的に示し、(a)は本発
明品を例示する説明図、(b)は従来品を例示する説明
図である。
【図2】 切削工具を示し、(a)は平面図、(b)は
正面図である。
【図3】 XPSによる窒素の固溶量の分析結果を示す
グラフである。
【図4】 被削材を示す平面図である。
【図5】 切削試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…切削工具

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナを主成分とし、周期律表のIV
    a、Va、VIa族のうちの1種以上の炭窒化物、及び/
    又は周期律表のIVa、Va、VIa族のうちの2種以上の
    固溶体の炭窒化物を含む焼結体であって、 前記炭窒化物中の窒素の固溶量が、前記焼結体の内部か
    ら表面に向かって増加し、且つ前記焼結体表面のビッカ
    ース硬度が19.5GPa以上であることを特徴とする
    アルミナ基複合焼結体。
  2. 【請求項2】 前記周期律表のIVa、Va、VIa族の元
    素が、Ti、V、Zrのうちの1種以上であることを特
    徴とする前記請求項1に記載のアルミナ基複合焼結体。
  3. 【請求項3】 前記アルミナ基複合焼結体における前記
    炭窒化物の含有量が、10〜40重量%であることを特
    徴とする前記請求項1又は2に記載のアルミナ基複合焼
    結体。
  4. 【請求項4】 前記炭窒化物における窒素の固溶量が、
    40原子%以下であることを特徴とする前記請求項1〜
    3のいずれかに記載のアルミナ基複合焼結体。
  5. 【請求項5】 前記焼結体表面に、硬質材料がコーティ
    ングされた硬質層を備えたことを特徴とする前記請求項
    1〜4のいずれかに記載のアルミナ基複合焼結体。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5のいずれかに記載のア
    ルミナ基複合焼結体からなることを特徴とする耐摩耗部
    材。
  7. 【請求項7】 前記耐摩耗部材が切削工具であることを
    特徴とする前記請求項6に記載の耐摩耗部材。
  8. 【請求項8】 アルミナを主成分とするアルミナ基複合
    焼結体の製造方法において、 前記主成分のアルミナに、周期律表のIVa、Va、VIa
    族のうちの1種以上の炭化物を複合化させた粉末成形体
    に対し、その焼成時のAr/N2ガス混合比と昇温速度
    とを調節して、前記炭化物中に窒素を固溶させて炭窒化
    物とするとともに、前記焼結体の内部から表面に向かっ
    て、前記炭窒化物中の窒素の固溶量を増加させることを
    特徴とするアルミナ基複合焼結体の製造方法。
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