JPH0570215A - 高強度および高靭性を有する酸化アルミニウム基セラミツクス - Google Patents

高強度および高靭性を有する酸化アルミニウム基セラミツクス

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JPH0570215A
JPH0570215A JP3260997A JP26099791A JPH0570215A JP H0570215 A JPH0570215 A JP H0570215A JP 3260997 A JP3260997 A JP 3260997A JP 26099791 A JP26099791 A JP 26099791A JP H0570215 A JPH0570215 A JP H0570215A
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JP
Japan
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crystal
based ceramics
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grains
less
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JP3260997A
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Inventor
Kenji Hiraga
▲けん▼二 平賀
Akio Nishiyama
昭雄 西山
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Al2 3 基セラミックスの強度と靭性を向
上させる。 【構成】 Al2 3 基セラミックスが、重量%で、 ZrO2 :2〜50%、 を含有し、残りがAl2 3 と0.1%以下のガラス相
形成不純物からなる組成、並びに、ZrO2 が素地を構
成するAl2 3 の結晶粒界および結晶粒内に分散分布
し、かつ前記結晶粒界に存在するZrO2 は、その結晶
系の主体が単斜晶からなり、また前記結晶粒内に存在す
るZrO2 は、その粒径が0.3μm以下にして、その
結晶系の主体が正方晶からなる組織を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高強度および高靭性
を有する酸化アルミニウム(以下、Al2 3 で示す)
基セラミックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、例えば特公昭59−62
74号公報に記載される通り、重量%で(以下、%は重
量%を示す)、 酸化マグネシウム(以下、MgOで示す)固溶の酸化ジ
ルコニウム(以下、ZrO2 で示す):10〜30%、 Mg−Al−Zr−O系ガラス相:0.5〜1%、 を含有し、残りが実質的にAl2 3 からなる組成、並
びに、Al2 3 の結晶粒界に、上記ガラス相が層状に
分布すると共に、結晶系の主体が正方晶(MgO固溶に
より単斜晶とはならない)からなるZrO2 が分散分布
した組織、を有するAl2 3 基セラミックスが知られ
ている。
【0003】また、上記の従来Al2 3 基セラミック
スが、原料粉末として、いずれも1μm以下の平均粒径
を有するAl2 3 粉末およびZrO2 粉末、さらに焼
結助剤としてのMgO粉末を用い、 ZrO2 :10〜30%、 MgO:0.1〜0.5%、 Al2 3 :残り、 からなる配合組成に配合し、混合し、圧粉体にプレス成
形し、ついでこの圧粉体に、大気中、1〜10℃/min
の速度で温度:1500〜1600℃に昇温し、3時間
以上保持後、1〜10℃/min の速度で冷却の条件での
焼結を施すことにより製造されることも知られている。
【0004】さらに、上記の従来Al2 3 基セラミッ
クスを含め、その他多くのAl2 3 基セラミックス
が、剪断刃や、ドリル、エンドミル、およびスローアウ
エイチップなどの切削工具、さらに各種のダイスや金
型、各種塑性加工工具の製造に適用されていることも知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の切削加
工はじめ各種の機械加工および塑性加工の省力化に対す
る要求は厳しく、これに伴ない、これらの加工に用いら
れる各種工具の使用環境は一段と苛酷さを増す状況にあ
るが、これらの工具を構成する上記の従来Al2 3
セラミックスはじめ、その他の多くのAl2 3 基セラ
ミックスは、強度および靭性の少なくともいずれかが不
足することが原因して、これらの状況に十分満足に対応
することができないのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来Al2 3 基セラミ
ックスに着目し、強度および靭性の一段とすぐれたAl
2 3 基セラミックスを開発すべく研究を行なった結
果、 (a) 原料粉末として、焼結後のガラス相形成不純物
の含有量が0.1%以下、望ましくは0.05%以下
(従来のAl2 3 基セラミックスは上記の通り0.5
%以上のガラス相を含有する)となる純度の高いAl2
3 粉末およびZrO2 粉末を用いると、MgO粉末な
どの焼結助剤の必要なく、すぐれた焼結性を確保するこ
とができるようになり、したがって相対的に低温、すな
わち1300〜1480℃の温度で、かつ短かい保持時
間、すなわち1〜3時間で焼結が可能となるばかりでな
く、実質的に脆弱なガラス相が存在しないようになるの
で、靭性の著しい向上をはかることができること。
【0007】(b) 平均粒径を0.5μm以下とし
て、0.3μm以下の粒径の粉末を5%以上含有する調
整された粒度分布のZrO2 粉末(通常結晶系は単斜
晶)を原料粉末として用い急速昇温による焼結を行なう
と、このZrO2 粉末のうちの粒径:0.3μm以下の
粉末が、急速昇温過程および焼結温度保持過程で成長す
るAl2 3 粒の中に取り込まれるようになること。さ
らに詳述すると、20〜30℃/min の相対的に速い速
度で昇温すると、Al2 3 粒の急速な粒成長により粒
径が0.3μm以下の相対的に細粒なZrO2 がAl2
3 粒中に取り込まれ、冷却後も、結晶変態の起らない
状態、すなわち焼結温度で原料粉末の単斜晶から正方晶
に変態したままの状態で、Al2 3 の結晶粒内に分散
分布するようになり、一方Al2 3 の結晶粒界には、
0.3μmを越えた粒径の相対的に粗いZrO2 が分散
分布し、これは粒径が粗いことと相まって、冷却時に焼
結時の正方晶から単斜晶に変態するものであり、かかる
組織を有するAl2 3 基セラミックスは、Al2 3
の結晶粒内に分散分布する粒径:0.3μm以下の正方
晶を主体とするZrO2 粒がAl2 3 粒自体をサブグ
レイン化し、この細粒化効果によって一段と強度が向上
するようになり、一方Al2 3 の結晶粒界に分散分布
する相対的に粗い粒径の単斜晶を主体としたZrO2
おいては、これに内在する歪およびこれに形成されるプ
レクラックが応力吸収効果を発揮することから、脆弱な
ガラス相が存在しないことと相まって、すぐれた靭性を
具備するようになること。以上(a)および(b)の研
究結果を得たのである。
【0008】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、 ZrO2 :2〜50%、 を含有し、残りが実質的にAl2 3 と0.1%以下、
望ましくは0.05%以下のガラス相形成不純物からな
る組成、並びに、ZrO2 が素地を構成するAl2 3
の結晶粒界および結晶粒内に分散分布し、かつ前記結晶
粒界に存在するZrO2 は、その結晶系の主体が単斜晶
からなり、また前記結晶粒内に存在するZrO2 は、そ
の粒径が0.3μm以下にして、その結晶系の主体が正
方晶からなる組織、を有する高強度および高靭性を有す
るAl2 3 基セラミックスに特徴を有するものであ
る。
【0009】なお、この発明のAl2 3 基セラミック
スにおいて、ZrO2 の含有量を2〜50%と限定した
のは、その含有量が2%未満では所望の高強度および高
靭性を確保することができず、一方その含有量が50%
を越えると、耐摩耗性(硬さ)が低下するようになると
いう理由にもとづくものである。
【0010】また、ガラス相形成不純物の含有量を0.
1%以下としたのは、ガラス相形成不純物の含有量が
0.1%を越えた場合、焼結助剤なしでは良好な焼結性
を確保することができず、したがって焼結助剤の配合が
必要となるが、上記の通り原料粉末として高純度のAl
2 3 粉末およびZrO2 粉末を用いて、ガラス相形成
不純物の含有量が0.1%を越えないようにすると、焼
結助剤の配合なしで、かつ相対的に低温にして短時間で
の焼結が可能となり、この結果脆弱なガラス相の形成が
なくなることから、靭性の著しい向上がはかれるように
なるという理由によるものである。望ましくはガラス相
形成不純物の含有量は0.05%以下がよい。また、上
記ガラス相形成不純物は、SiO2 や、アルカリ金属お
よびアルカリ土類金属の酸化物、さらに希土類金属の酸
化物などで構成されるものである。
【0011】さらに、Al2 3 の結晶粒内のZrO2
の粒径を0.3μm以下としたのは、上記の通り焼結時
に成長するAl2 3 粒内に取り込まれるZrO2 の粒
径は0.3μmまでであり、0.3μmを越えた粒径の
ZrO2 粉末の前記Al2 3 粒内への取り込みは不可
能であり、したがって原料粉末としてのZrO2 粉末に
粒径が0.3μm以下のものを存在させて、焼結時の成
長Al2 3 の結晶粒内への取り込みを可能ならしめ、
もって強度向上をはかるようにするためである。
【0012】
【実施例】つぎに、この発明のAl2 3 基セラミック
スを実施例により具体的に説明する。原料粉末として、
表1に示されるAl23 粉末およびZrO2 粉末を用
い、これら原料粉末を同じく表1に示される配合組成に
配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した
後、平面:30mm×30mm、厚さ:10mmの寸法をもっ
た圧粉体、並びにISO・SNGN120408の切削
チップ形状の圧粉体に1ton /cm2 の圧力にてプレス成
形し、これらの圧粉体を、大気中、26℃/minの速度
で1300〜1480℃の範囲内の所定温度に昇温し、
2時間保持後冷却の条件で焼結することにより実質的に
配合組成と同一の成分組成をもった本発明Al2 3
セラミックス1〜7をそれぞれ製造した。
【0013】
【表1】
【0014】また、比較の目的で、表1に示される原料
粉末を用い、同じく表1に示される配合組成とし、かつ
焼結条件を、大気中、5℃/min の速度で1500〜1
600℃の範囲内の所定温度に昇温し、5時間保持後冷
却とする以外は、同一の条件で従来Al2 3 基セラミ
ックス1〜3をそれぞれ製造した。
【0015】ついで、この結果得られた各種のAl2
3 基セラミックスについて、透過型電子顕微鏡を用い
て、50000倍で組織を観察し、適宜個所:10個所
におけるAl2 3 の結晶粒内に分散分布するZrO2
粒の個数並びにその中の最大粒径、同結晶粒界に分散分
布するZrO2 粒の個数並びにその中の最小粒径を測定
し、個数については10個所の平均値を求めた。
【0016】また、これらのAl2 3 基セラミックス
について、強度および靭性を評価する目的で、抗折力お
よびインデンテーション法による破壊靭性値を測定し、
さらにロックウェル硬さ(Aスケール)を測定し、加え
て、 被削剤:SNCM440の丸棒、 切削速度:380m/min 、 送り:0.30mm/rev.、 切込み:1.5mm、 切削時間:20分、 の条件で鋼の湿式高速連続切削試験を行ない、切刃の逃
げ面摩耗幅を測定した。これらの測定結果をガラス相形
成不純物(ガラス相)の含有量測定結果と共に表2に示
した。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】表1,2に示される結果から、本発明A
2 3基セラミックス1〜7は、いずれもガラス相の
含有量が0.5%以上で、焼結助剤を必要とする従来A
2 3 基セラミックス1〜3に比して、一段と高い強
度と靭性を示すことが明らかであり、これは、本発明A
2 3 基セラミックスのガラス相形成不純物の含有量
が0.1%以下を示す通り、高純度の原料粉末の作用で
焼結助剤の必要なく、すぐれた焼結性を確保することが
できることを示すと共に、Al2 3 の結晶粒内にZr
2 が分散分布すれば、その割合がZrO2 粒に占める
個数割合で少なくとも15%あれば顕著な強度および靭
性の向上がはかれることを示すものであり、したがって
これらの特性が要求される苛酷な条件での切削で、本発
明Al2 3 基セラミックス1〜7は、すぐれた切削性
能を発揮し、一方従来Al2 3 基セラミックス1〜3
は、強度および靭性不足が原因で切削開始後、比較的短
時間で切刃に欠損が発生し、使用寿命に至るものであ
る。
【0019】上述のように、この発明のAl2 3 基セ
ラミックスは、高強度と高靭性を有するので、これを各
種の切削工具や塑性加工などとして適用した場合に、苛
酷な条件下での実用に際しても著しく長期に亘ってすぐ
れた性能を発揮するなど工業上有用な特性を有するので
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 酸化ジルコニウム:2〜50%、を含有し、残りが実質
    的に酸化アルミニウムと0.1%以下のガラス相形成不
    純物からなる組成、 並びに、酸化ジルコニウムが素地を構成する酸化アルミ
    ニウムの結晶粒界および結晶粒内に分散分布し、かつ前
    記結晶粒界に存在する酸化ジルコニウムは、その結晶系
    の主体が単斜晶からなり、また前記結晶粒内に存在する
    酸化ジルコニウムは、その粒径が0.3μm以下にし
    て、その結晶系の主体が正方晶からなる組織、を有する
    高強度および高靭性を有する酸化アルミニウム基セラミ
    ックス。
JP3260997A 1991-09-12 1991-09-12 高強度および高靭性を有する酸化アルミニウム基セラミツクス Pending JPH0570215A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100966091B1 (ko) * 2008-09-11 2010-06-28 창원대학교 산학협력단 임펠러 주조용 세라믹 코어 조성 공정

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