JP2699104B2 - A1▲下2▼O▲下3▼‐TiC系セラミック材料 - Google Patents
A1▲下2▼O▲下3▼‐TiC系セラミック材料Info
- Publication number
- JP2699104B2 JP2699104B2 JP1098498A JP9849889A JP2699104B2 JP 2699104 B2 JP2699104 B2 JP 2699104B2 JP 1098498 A JP1098498 A JP 1098498A JP 9849889 A JP9849889 A JP 9849889A JP 2699104 B2 JP2699104 B2 JP 2699104B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- tic
- oxide
- composite oxide
- ceramic material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はAl2O3−TiC系セラミック材料、特に薄膜磁気
ヘッド用基板等に有用なセラミック材料に関する。
ヘッド用基板等に有用なセラミック材料に関する。
近時、フェライトやセンダストを使用したヘッドに代
って薄膜磁気ヘッドが高密度記録用ヘッドとして注目さ
れており、この薄膜磁気ヘッド用の基板には、 (1)・・・耐摩耗性に優れている (2)・・・表面平滑性に優れている (3)・・・耐チッピング性に優れている (4)・・・機械加工性に優れている などの特性が要求されており、このような要求に対して
アルミナ(Al2O3)−炭化チタン(TiC)系のセラミック
焼結体が注目されている。
って薄膜磁気ヘッドが高密度記録用ヘッドとして注目さ
れており、この薄膜磁気ヘッド用の基板には、 (1)・・・耐摩耗性に優れている (2)・・・表面平滑性に優れている (3)・・・耐チッピング性に優れている (4)・・・機械加工性に優れている などの特性が要求されており、このような要求に対して
アルミナ(Al2O3)−炭化チタン(TiC)系のセラミック
焼結体が注目されている。
このセラミック焼結体を用いた場合には上記(1)の
耐摩耗性は容易に得られ易いが、その他の(2)(3)
(4)などの所要特性については得られ難い。
耐摩耗性は容易に得られ易いが、その他の(2)(3)
(4)などの所要特性については得られ難い。
そのためにMgO、NiO、Cr2O3などの焼結助剤を添加
し、そしてホットプレス法、ホットプレス法とHIP法、
又は雰囲気焼成法とHIP法等との組合わせにより焼結体
密度を理論密度にまで大きくし、その結果、上記(2)
の表面平滑性をある程度向上させることができたが、そ
の半面(3)の耐チッピング性や(4)の機械加工性に
ついては未だ満足し得るような所要特性が得られていな
い。よって、このような材料を用いて薄膜磁気ヘッド用
基板を製作する場合には、例えば円板状の焼結体をスラ
イス加工して基板を切り出しているが、その切り出しに
当たってチッピングが発生し易くなり、更には切削抵抗
が大きくなり、その結果、歩留りが低下するという問題
があった。
し、そしてホットプレス法、ホットプレス法とHIP法、
又は雰囲気焼成法とHIP法等との組合わせにより焼結体
密度を理論密度にまで大きくし、その結果、上記(2)
の表面平滑性をある程度向上させることができたが、そ
の半面(3)の耐チッピング性や(4)の機械加工性に
ついては未だ満足し得るような所要特性が得られていな
い。よって、このような材料を用いて薄膜磁気ヘッド用
基板を製作する場合には、例えば円板状の焼結体をスラ
イス加工して基板を切り出しているが、その切り出しに
当たってチッピングが発生し易くなり、更には切削抵抗
が大きくなり、その結果、歩留りが低下するという問題
があった。
従って、本発明は上記問題点を解決することを主たる
目的とし具体的にはAl2O3の硬度を劣化させることな
く、耐チッピング性に優れた材料を提供するにある。
目的とし具体的にはAl2O3の硬度を劣化させることな
く、耐チッピング性に優れた材料を提供するにある。
本発明者等は上記問題点に対し、研究を重ねた結果、
Al2O3−TiCの主成分に対し、Y、Ybの少なくとも1種、
Mg、Caの少なくとも1種、Zrを含む組成から成るセラミ
ック材料において、Yおよび/またはYbとAlとの複合酸
化物とMg及び/またはCaとAlとの複合酸化物を生成させ
ることによって、Al2O3の粒成長を十分に抑制しなが
ら、焼結性を高めることができ、耐チッピング性を大き
く向上し得ることを知見した。
Al2O3−TiCの主成分に対し、Y、Ybの少なくとも1種、
Mg、Caの少なくとも1種、Zrを含む組成から成るセラミ
ック材料において、Yおよび/またはYbとAlとの複合酸
化物とMg及び/またはCaとAlとの複合酸化物を生成させ
ることによって、Al2O3の粒成長を十分に抑制しなが
ら、焼結性を高めることができ、耐チッピング性を大き
く向上し得ることを知見した。
即ち、本発明のAl2O3−TiC系セラミック材料は組成
上、Alを酸化物換算で60乃至80重量%と、炭化物換算で
20乃至40重量%とから成る主成分に対し、Y、Ybの少な
くとも1種を炭化物換算で0.5〜40重量%、Zrを酸化物
換算で2.0〜6.0重量%およびMg、Caの少なくとも1種を
酸化物換算で1.0〜5.0重量%の割合で含有してなるもの
であって、これらの組成のうちセラミック材料中にY、
Ybの少なくとも1種とAlとの複合酸化物を全量中0.2〜
4.6重量%、Mg、Caの少なくとも1種とAlとの複合化合
物を全量中0.7〜16.0重量%の割合で含有することを特
徴とするものである。
上、Alを酸化物換算で60乃至80重量%と、炭化物換算で
20乃至40重量%とから成る主成分に対し、Y、Ybの少な
くとも1種を炭化物換算で0.5〜40重量%、Zrを酸化物
換算で2.0〜6.0重量%およびMg、Caの少なくとも1種を
酸化物換算で1.0〜5.0重量%の割合で含有してなるもの
であって、これらの組成のうちセラミック材料中にY、
Ybの少なくとも1種とAlとの複合酸化物を全量中0.2〜
4.6重量%、Mg、Caの少なくとも1種とAlとの複合化合
物を全量中0.7〜16.0重量%の割合で含有することを特
徴とするものである。
本発明のセラミック材料の主成分においてY、Ybは主
としてAlと複合酸化物を形成することによって焼結性を
大きく向上させる効果を有する半面、同時に粒成長を促
進する効果も有する。
としてAlと複合酸化物を形成することによって焼結性を
大きく向上させる効果を有する半面、同時に粒成長を促
進する効果も有する。
粒成長は最終焼結体のアルミナ粒子の脱粒を起こさせ
たり、耐チッピング性を低下させるため、この粒成長は
十分に抑制する必要がある。そこで、Mg、Ca、Zrを添加
することによってこのY、Ybの焼結性向上効果を阻害す
ることなく粒成長を抑制することが可能となった。特
に、Mg、CaはAlと複合酸化物を形成することによってさ
らにその効果を助長する。これらの理由からY、Ybの添
加量が酸化物換算で0.5重量%を下回ると、焼結性が低
下し、高密度の焼結体が得られず3.0重量%を超えると
強度が低下し好ましくない。またMg、Caの少なくとも1
種が酸化物換算で1.0重量%を下回るかまたはZrが酸化
物換算で2.0重量%を下回ってもY、Ybの粒成長を抑制
することができず、耐チッピング性が低下する。これら
の好ましい範囲はY、Ybが酸化物換算で1.5〜2.5重量
%、Mg、Caの少なくとも1種が酸化物換算で2.0〜4.0重
量%、Zrが酸化物換算で3.0〜5.0重量%である。
たり、耐チッピング性を低下させるため、この粒成長は
十分に抑制する必要がある。そこで、Mg、Ca、Zrを添加
することによってこのY、Ybの焼結性向上効果を阻害す
ることなく粒成長を抑制することが可能となった。特
に、Mg、CaはAlと複合酸化物を形成することによってさ
らにその効果を助長する。これらの理由からY、Ybの添
加量が酸化物換算で0.5重量%を下回ると、焼結性が低
下し、高密度の焼結体が得られず3.0重量%を超えると
強度が低下し好ましくない。またMg、Caの少なくとも1
種が酸化物換算で1.0重量%を下回るかまたはZrが酸化
物換算で2.0重量%を下回ってもY、Ybの粒成長を抑制
することができず、耐チッピング性が低下する。これら
の好ましい範囲はY、Ybが酸化物換算で1.5〜2.5重量
%、Mg、Caの少なくとも1種が酸化物換算で2.0〜4.0重
量%、Zrが酸化物換算で3.0〜5.0重量%である。
なお、ZrはZrO2単体では組織中に正方晶または立方晶
として室温で存在させる事は困難であるがCa、Mg、Y、
Ybの酸化物の共存によって正方晶あるは立方晶ZrO2とし
て共存させることができ、ZrO2粒子の分散によって強靭
性を高めることができる。この時の正方晶あるいは立方
晶ZrO2の量は全ZrO2量中30%以上であることが耐チッピ
ング性の点から望ましい。
として室温で存在させる事は困難であるがCa、Mg、Y、
Ybの酸化物の共存によって正方晶あるは立方晶ZrO2とし
て共存させることができ、ZrO2粒子の分散によって強靭
性を高めることができる。この時の正方晶あるいは立方
晶ZrO2の量は全ZrO2量中30%以上であることが耐チッピ
ング性の点から望ましい。
また、主成分であるAl2O3およびTiCに関してはAlが酸
化物換算で60重量%未満又はTiが炭化物換算で40重量%
を超えた場合には耐チッピング性が著しく低下し、そし
て、Tiが20重量%未満又はAlが80重量%を超えた場合に
は材料の硬度が小さくなり、耐摩耗性が劣化し、機械加
工性が著しく低下する。
化物換算で60重量%未満又はTiが炭化物換算で40重量%
を超えた場合には耐チッピング性が著しく低下し、そし
て、Tiが20重量%未満又はAlが80重量%を超えた場合に
は材料の硬度が小さくなり、耐摩耗性が劣化し、機械加
工性が著しく低下する。
本発明によれば、上述したようにY、YbとAl、あるい
はMg、CaとAlとの複合酸化物を形成させることが重要で
あって、Y、Ybの少なくとも1種とAlとの第1の複合酸
化物、例えば、Y3Al5O12、Yb3Al5O12の存在によって、A
l2O3とTiCのぬれ性を改善するとともに焼結性を向上さ
せることができる。一方、Ca、Mgの少なくとも1種とAl
との第2の複合酸化物、例えば、MgO・Al2O3、CaO・Al2
O3等のスピネルの存在によって、Al2O3の粒成長を抑制
し、微細なAl2O3結晶粒子からなる組織を得ることがで
きる。
はMg、CaとAlとの複合酸化物を形成させることが重要で
あって、Y、Ybの少なくとも1種とAlとの第1の複合酸
化物、例えば、Y3Al5O12、Yb3Al5O12の存在によって、A
l2O3とTiCのぬれ性を改善するとともに焼結性を向上さ
せることができる。一方、Ca、Mgの少なくとも1種とAl
との第2の複合酸化物、例えば、MgO・Al2O3、CaO・Al2
O3等のスピネルの存在によって、Al2O3の粒成長を抑制
し、微細なAl2O3結晶粒子からなる組織を得ることがで
きる。
本発明によればこのような複合酸化物が特定の割合で
存在することが重要で、前記第1の複合酸化物が全量中
0.2〜4.6重量%の割合で、また前記第2の複合酸化物が
全量中0.7〜16.0重量%の割合で存在することが望まし
い。
存在することが重要で、前記第1の複合酸化物が全量中
0.2〜4.6重量%の割合で、また前記第2の複合酸化物が
全量中0.7〜16.0重量%の割合で存在することが望まし
い。
これら複合酸化物の量の上記の割合に限定した理由
は、第1の複合酸化物が0.2重量%未満では焼結性改善
効果が得られず、4.6重量%を超えると、材料の強度が
低下する。
は、第1の複合酸化物が0.2重量%未満では焼結性改善
効果が得られず、4.6重量%を超えると、材料の強度が
低下する。
一方、第2の複合酸化物が0.7重量%を下回ると粒成
長抑制効果が小さく、Al2O3の粒成長が著しく起こり、
耐チッピング性が悪くなる。また16重量%を超えるとAl
2O3と複合酸化物との熱膨張差に起因すると思われるク
ラックが結晶内に発生する。
長抑制効果が小さく、Al2O3の粒成長が著しく起こり、
耐チッピング性が悪くなる。また16重量%を超えるとAl
2O3と複合酸化物との熱膨張差に起因すると思われるク
ラックが結晶内に発生する。
本発明のセラミック材料を製造するにあたっては、主
成分の1つであるTiC原料にTiO2を添加したTiC−TiO2原
料を用いることが望ましく、これによってTiC原料に付
着されている遊離炭素がTiO2と反応し、これにより、Ti
Cの結晶化度が向上して焼結性が高まり、その結果、均
質且つ緻密化された結晶状態が得られ、表面平滑性が向
上する。
成分の1つであるTiC原料にTiO2を添加したTiC−TiO2原
料を用いることが望ましく、これによってTiC原料に付
着されている遊離炭素がTiO2と反応し、これにより、Ti
Cの結晶化度が向上して焼結性が高まり、その結果、均
質且つ緻密化された結晶状態が得られ、表面平滑性が向
上する。
しかも、TiO2はTiC粒子及びAl2O3粒子のそれぞれの表
面で固溶化され、そのためにTiC結晶粒子とTiC結晶粒子
の間、又はTiC結晶粒子とAl2O3結晶粒子の間のそれぞれ
の粒子間結合が一層大きくなり、その結果、焼結体表面
を研摩しても粒脱落がなくなり、優れた表面平滑性が得
られる。
面で固溶化され、そのためにTiC結晶粒子とTiC結晶粒子
の間、又はTiC結晶粒子とAl2O3結晶粒子の間のそれぞれ
の粒子間結合が一層大きくなり、その結果、焼結体表面
を研摩しても粒脱落がなくなり、優れた表面平滑性が得
られる。
このようにTiC原料の一部をTiO2で置換すると、上記
2点の理由により表面平滑性が向上するが、そのための
TiO2原料配合率はAl2O3、TiCの合計量100重量部に対
し、2乃至8重量部の範囲内に設定すればよい。
2点の理由により表面平滑性が向上するが、そのための
TiO2原料配合率はAl2O3、TiCの合計量100重量部に対
し、2乃至8重量部の範囲内に設定すればよい。
このようなAl2O3粉末と、TiC粉末あるいはTiCとTiO2
とからなる粉末を主成分とし、これに副成分としてYあ
るいはYb、CaあるいはMgの化合物を前述した割合になる
ように添加し混合する。これらはいずれも酸化物として
添加させ、成形、焼成することによって前述した第1の
複合酸化物および第2の複合酸化物が形成されるが場合
によっては第1および第2の複合酸化物を予め調製して
おき、主成分に対し添加することも当然可能である。
とからなる粉末を主成分とし、これに副成分としてYあ
るいはYb、CaあるいはMgの化合物を前述した割合になる
ように添加し混合する。これらはいずれも酸化物として
添加させ、成形、焼成することによって前述した第1の
複合酸化物および第2の複合酸化物が形成されるが場合
によっては第1および第2の複合酸化物を予め調製して
おき、主成分に対し添加することも当然可能である。
一方、ZrをZrO2として主成分に添加されるが、ZrO2は
焼結体ではY2O3、Yb2O3、MgO、CaO等のZrO2に対する安
定化剤が存在することから焼成によって安定化剤がZrO2
中に固溶し正方晶ZrO2あるいは立方晶ZrO2に相変態する
が、この相変態を補償することを目的として、混合時に
予め安定化剤を固溶させたZrO2粉末を用いることもでき
る。
焼結体ではY2O3、Yb2O3、MgO、CaO等のZrO2に対する安
定化剤が存在することから焼成によって安定化剤がZrO2
中に固溶し正方晶ZrO2あるいは立方晶ZrO2に相変態する
が、この相変態を補償することを目的として、混合時に
予め安定化剤を固溶させたZrO2粉末を用いることもでき
る。
焼成は、具体的にはホットプレス法、あるいは熱間静
水圧焼成法(HIP法)が挙げられるが、特にHIP法が高密
度体を得る上で望ましい。このHIP法ではまず、ホット
プレス法あるいは真空焼成法によって1600〜1750℃で予
備焼成して理論密度95%以上の焼結体を得、さらに1400
〜1550℃で圧力1000〜2000atmの雰囲気下でHIP焼成す
る。
水圧焼成法(HIP法)が挙げられるが、特にHIP法が高密
度体を得る上で望ましい。このHIP法ではまず、ホット
プレス法あるいは真空焼成法によって1600〜1750℃で予
備焼成して理論密度95%以上の焼結体を得、さらに1400
〜1550℃で圧力1000〜2000atmの雰囲気下でHIP焼成す
る。
本発明では、複合酸化物の生成によって焼成温度を低
く設定できることからAl2O3の粒成長が十分に抑制され
微細な組織のセラミック材料を得ることができる。
く設定できることからAl2O3の粒成長が十分に抑制され
微細な組織のセラミック材料を得ることができる。
以下、本発明を次の例で説明する。
(実施例) Al2O3粉末(純度99.9%)、TiC原料(純度99.5%)、
ZrO2原料(MgOが10モル%固溶しており、主として立方
晶結晶である)、CaCO3、Mg(OH)2、Y2O3、YbO3の各
原料を第1表に示す配合比率で混合して出発原料と成
し、振動ミルにより粉砕ならびに混合を行い、平均粒子
径0.8μmの混合粉末を作製した。
ZrO2原料(MgOが10モル%固溶しており、主として立方
晶結晶である)、CaCO3、Mg(OH)2、Y2O3、YbO3の各
原料を第1表に示す配合比率で混合して出発原料と成
し、振動ミルにより粉砕ならびに混合を行い、平均粒子
径0.8μmの混合粉末を作製した。
これを0.5t/cm2の圧力で成形し、アルゴンガス雰囲気
中、1600℃で予備焼成した。次に、これを1450℃の温度
で2000Kg/cm2の圧力の不活性ガス中で熱間静水圧焼成
し、500℃/hrの速度で室温まで冷却した。
中、1600℃で予備焼成した。次に、これを1450℃の温度
で2000Kg/cm2の圧力の不活性ガス中で熱間静水圧焼成
し、500℃/hrの速度で室温まで冷却した。
得られた焼結体に対し、X線回折により、Al2O3に対
する複合酸化物のX線強度比を求め、予め作成したAl2O
3と複合酸化物との量比を変えてX線強度比を求めた検
量線から、焼結体中の複合酸化物の含有量を求めた。
する複合酸化物のX線強度比を求め、予め作成したAl2O
3と複合酸化物との量比を変えてX線強度比を求めた検
量線から、焼結体中の複合酸化物の含有量を求めた。
また、各試料に対して、鏡面加工性、ビッカース強
度、耐チッピング性を評価した。
度、耐チッピング性を評価した。
鏡面加工性はスズのラップ盤を用い、ダイヤモンド砥
粒(0.5〜3.0μm)により鏡面加工し、その鏡面を400
倍の金属顕微鏡で調べ、気孔、脱粒の確認されたものを
×、確認されないものを○とした。
粒(0.5〜3.0μm)により鏡面加工し、その鏡面を400
倍の金属顕微鏡で調べ、気孔、脱粒の確認されたものを
×、確認されないものを○とした。
また、耐チッピング性は500のメタルボルトのホイー
ルを用いて、角板を切断し、加工部に発生したチッピン
グの大きさを大きい方から10点選びその平均サイズを測
定し、平均サイズが20μm以下のものを○,20μmを超
えるものを×とした。この時の切削条件はホイール回転
数3500rpm,送り60mm/minであった。
ルを用いて、角板を切断し、加工部に発生したチッピン
グの大きさを大きい方から10点選びその平均サイズを測
定し、平均サイズが20μm以下のものを○,20μmを超
えるものを×とした。この時の切削条件はホイール回転
数3500rpm,送り60mm/minであった。
結果は第1表に示す。
第1表の結果からも明らかな通り、本発明の範囲内の
試料では、いずれもビッカース硬度1850以上が達成され
るとともに、鏡面加工性においても、気孔や脱粒が確認
され、また耐チッピング性においてもチッピングサイズ
20μm以下の良好な特性を示した。なお、本発明の範囲
外の試料であるNo.16〜26の試料はいずれも満足し得る
ものでなかった。
試料では、いずれもビッカース硬度1850以上が達成され
るとともに、鏡面加工性においても、気孔や脱粒が確認
され、また耐チッピング性においてもチッピングサイズ
20μm以下の良好な特性を示した。なお、本発明の範囲
外の試料であるNo.16〜26の試料はいずれも満足し得る
ものでなかった。
(発明の効果) 以上、詳述した通り、本発明のセラミック材料は複合
酸化物の生成によって、焼結性を改善し、低温焼成が可
能となり、Al2O3の粒成長を十分に抑制し、微細な組織
の材料が得られる。これにより、鏡面加工性、耐チッピ
ング性、表面硬度に優れることから、スライシング加工
等に際し、製造歩留りを著しく高めることができる。
酸化物の生成によって、焼結性を改善し、低温焼成が可
能となり、Al2O3の粒成長を十分に抑制し、微細な組織
の材料が得られる。これにより、鏡面加工性、耐チッピ
ング性、表面硬度に優れることから、スライシング加工
等に際し、製造歩留りを著しく高めることができる。
本発明のセラミック材料は、上記の利点から薄膜磁気
ヘッド用基板、磁気ディスク用基板、精密加工用治具の
構成材料等として利用できる。
ヘッド用基板、磁気ディスク用基板、精密加工用治具の
構成材料等として利用できる。
Claims (1)
- 【請求項1】酸化物換算で60乃至80重量%のAl、および
炭化物換算で20乃至40重量%のTiから成る主成分100重
量部に対し、Y、Ybの少なくとも1種を酸化物換算で0.
5乃至4.0重量部、Zrを酸化物換算で2.0〜6.0重量部およ
びMg、Caの少なくとも1種を酸化物換算で1.0乃至5.0重
量部の割合で含有して成るセラミック材料において、
Y、Ybの少なくとも1種とAlとの複合酸化物を全量中0.
2乃至4.6重量%、またMg、Caの少なくとも1種とAlとの
複合酸化物を0.7乃至16重量%の割合で含有することを
特徴とするAl2O3−TiC系セラミック材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1098498A JP2699104B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | A1▲下2▼O▲下3▼‐TiC系セラミック材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1098498A JP2699104B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | A1▲下2▼O▲下3▼‐TiC系セラミック材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02279558A JPH02279558A (ja) | 1990-11-15 |
JP2699104B2 true JP2699104B2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=14221307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1098498A Expired - Lifetime JP2699104B2 (ja) | 1989-04-18 | 1989-04-18 | A1▲下2▼O▲下3▼‐TiC系セラミック材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2699104B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5425909A (en) * | 1992-07-20 | 1995-06-20 | Industrial Technology Research Institute | Heat treatment for particle reinforced alumina ceramic composite |
JP2005272291A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-10-06 | Kyocera Corp | 酸化アルミニウム窒化チタニウム系焼結体とこれを用いた磁気ヘッド用基板と超音波モータと動圧軸受およびその製造方法 |
-
1989
- 1989-04-18 JP JP1098498A patent/JP2699104B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02279558A (ja) | 1990-11-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2500332B1 (en) | Cubic boron nitride sintered compact, coated cubic boron nitride sintered compact, method for producing cubic boron nitride sintered compact, and method for producing coated cubic boron nitride sintered compact | |
EP0279102A2 (en) | Transformation toughened zirconia-titania-yttria ceramic alloys | |
US4650774A (en) | Magnetic head slider material | |
JPH0359027B2 (ja) | ||
JPS6323643B2 (ja) | ||
EP0589997B1 (en) | High toughness-high strength sintered silicon nitride | |
KR0124366B1 (ko) | 질화규소기재 소결체(Silicon Nitride Base Sintered Body) | |
CN113563074B (zh) | 一种两相钽酸钙陶瓷及其制备方法 | |
US4902651A (en) | Material for magnetic head substrate member | |
JP2699104B2 (ja) | A1▲下2▼O▲下3▼‐TiC系セラミック材料 | |
JP3145470B2 (ja) | 炭化タングステン−アルミナ質焼結体およびその製法 | |
JP3550420B2 (ja) | 耐摩耗性窒化珪素質焼結体及びその製造方法、並びに切削工具 | |
JPS5833187B2 (ja) | 工具用セラミック材料の製造法 | |
JP2851721B2 (ja) | 切削工具用窒化珪素質焼結体 | |
JP2513260B2 (ja) | アルミナ基セラミックス製薄膜ヘッド基板 | |
JP2699093B2 (ja) | 薄膜磁気ヘッド用セラミック材料 | |
JP2968736B2 (ja) | 磁気ヘッドスライダ用セラミック材料 | |
JP2931917B2 (ja) | セラミックス焼結体の製造方法 | |
JP2006193353A (ja) | アルミナ焼結体、切削インサートおよび切削工具 | |
JPS6222949B2 (ja) | ||
JPH03126659A (ja) | 超硬質セラミックス | |
JPS6197163A (ja) | 刃物工具用酸化ジルコニウム基セラミツクスの製造方法 | |
JPH08112705A (ja) | 窒化ケイ素質焼結体製切削工具およびその製造方法 | |
JPS63100054A (ja) | 磁気ヘツド基板用材料 | |
KR910005427B1 (ko) | 고-인성 ZrO₂소결체 및 이의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070926 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080926 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080926 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090926 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090926 Year of fee payment: 12 |