JPS6257598B2 - - Google Patents
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- JPS6257598B2 JPS6257598B2 JP58083785A JP8378583A JPS6257598B2 JP S6257598 B2 JPS6257598 B2 JP S6257598B2 JP 58083785 A JP58083785 A JP 58083785A JP 8378583 A JP8378583 A JP 8378583A JP S6257598 B2 JPS6257598 B2 JP S6257598B2
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Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
この発明は、切削工具や耐摩耗工具などとして
用いた場合に著しくすぐれた耐摩耗性を示すサイ
アロン基セラミツクスに関するものである。 近年、切削工具用および耐摩耗工具用材料とし
て、窒化けい素(以下Si3N4で示す)基セラミツ
クスが注目されているが、このセラミツクスは、
Si3N4が共有結合性の強い化合物であることか
ら、焼結性が悪く、したがつてその製造に際して
はホツトプレス法を用いる場合が多く、この場合
複雑な形状のものを製造することは難しく、かつ
生産性の低いものとなる。 さらに、Si3N4よりも焼結性が高く、かつ耐熱
衝撃性および耐酸化性などにもすぐれた、β−
Si3N4格子のSiの一部をAlで、Nの一部をOで置
換した化合物、すなわち組成式: Si6−zAlzOzN8−z(ただし0<Z≦4.3)で
表わされるβ−サイアロンを主成分とするサイア
ロン基セラミツクスを、切削工具や耐摩耗工具と
して用いる試みをなされているが、このサイアロ
ン基セラミツクスは、靭性は高いものの、硬さが
ロツクウエル硬さAスケールで92程度とあまり高
くないため、所望の耐摩耗性を示さないのが現状
である。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、上記のβ−サイアロンを主成分とする従来サ
イアロン基セラミツクスに着目し、これに、これ
のもつ良好な焼結性を損なうことなく、高硬度を
付与し、もつてすぐれた耐摩耗性を確保すべく研
究を行なつた結果、 (a) 上記のβ−サイアロンと共に、α−Si3N4格
子のSiの一部をAlで、Nの一部をOで置換し、
さらに同格子間にLi,Na,Ca,Mg,Y,およ
び希土類元素のうちの1種または2種以上(以
下、これらの元素を総合してMで示す)が侵入
し固溶した構造をもつ化合物、すなわち組成
式: Mx(Si,Al)12(O,N)16(ただし0<X
≦2)、で表わされるα−サイアロンを共存さ
せると、この結果のセラミツクスは、硬さが向
上し、すぐれた耐摩耗性をもつようになるこ
と。 なお、、この場合α−サイアロンとβ−サイ
アロンの比率(α/β)は、容量比で、25/75
〜95/5とするのがよく、これは、α−サイア
ロンの割合が25未満では所望の硬さ向上効果が
少なく、一方95を越えた割合になると焼結性が
低下するようになるという理由にもとづくもの
であること。 また、β−サイアロンは、上記のように組成
式:Si6−zAlzOzN8−zで表わされ、0<Z≦
4.3の条件を満足する必要があり、これは、Z
の値が4.3を越えた組成は存在しないという理
由によるものであるが、この範囲内でもZが大
きくなると、セラミツクス中に粗大な巣が発生
しやすくなると共に、強度も低下するようにな
るので、望ましくは0<Z≦2.0が好ましいこ
と。 さらに、α−サイアロンは、上記のように、
組成式:Mx(Si,Al)12(O,N)16で表わさ
れ、0<x≦2の条件で存在するが、これはx
が2を越えた組成になると、Mを格子間隙に侵
入した状態で完全に固溶させることができない
という理由にもとづくものであること。なお、
α−サイアロンにおけるSi,Al,O、およびN
の比率は、Mの種類とxの値により変化し、正
負の価数が等しくなるように定まるものと推定
されること。 (b) 上記(a)のα−サイアロンとβ−サイアロンと
が共存するセラミツクスに、分散相形成成分と
して、炭化けい素(以下、SiCで示す)を含有
させると、SiCは、サイアロン相と結合相の粒
界に微細に分散して、サイアロン相の粒成長を
抑制すると共に、SiC自体も硬く、かつ高温強
度にもすぐれているので、セラミツクスの耐摩
耗性が一段と向上するようになること。 また、SiCの上記作用を十分に発揮させるた
めには、SiCの粒径をできるだけ微細、すなわ
ち平均粒径:2μm以下:望ましくは同1μm
以下にするのがよく、これは、SiCがあまり粗
粒になると、結合相とのぬれ性が悪し、この結
果焼結密度が低下し、強度低下の原因となると
いう理由によるものであること。 さらに、、この場合SiCの含有量は0.5〜10容
量%とするのがよく、これは、その含有量が
0.5容量%未満では上記作用に所望の効果が得
られず、一方10容量%を越えて含有させると焼
結性が低下し、強度低下をきたすようになると
いう理由によること。 (c) 上記(b)のα−サイアロンとβ−サイアロン、
およびSiCが共存するセラミツクスに、分散相
形成成分として、酸化ジルコニウム(以下、
ZrO2で示す)および酸化ハフニウム(以下、
HfO2で示す)のうちの1種または2種を含有
させること、焼結時におけるサイアロンの粒成
長が一層抑制されるようになると共に、焼結性
も向上するようになるので、セラミツクスの硬
さはさらに向上し、耐摩耗性も一段と改善され
るようになること。 なお、この場合ZrO2およびHfO2の含有量は
1〜40容量%とするのがよく、これは、その含
有量が1容量%未満では所望の硬さおよび耐摩
耗性向上効果が得られず、40容量%を越えて含
有させると、焼結性が低下するようになると共
に、サイアロンのもつすぐれた耐熱衝撃性が損
なわれるようになるという理由によるものであ
ること。 (d) 上記(b)および(c)のセラミツクスに、結合相形
成成分としての上記Mに含まれる元素、si、お
よびAlの複合酸・窒化物を含有させると、こ
れらの結合相形成成分は低融点を有し、したが
つて焼結時に液相を形成して焼結を促進し、か
つ焼結後はサイアロンの粒界部にガラス質また
は結晶質として存在するようになることから、
セラミツクスは十分に緻密化し、より高い強度
をもつようになること。 なお、この場合、上記結合相形成成分の含有
量は、1〜20容量%とするのがよく、これは、
その含有量が1容量%未満では所望の高密度化
をはかることができず、一方20容量%を越えて
含有させるとセラミツクスの強度が低下するよ
うになるという理由によるものであること。 以上(a)〜(c)に示される知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、 (1) 組成式:Si6−zAlzOzN8−z(ただし0<Z
≦4.3)で表わされるβ−サイアロンと、組成
式:Mx(Si,Al)12(O,N)16(ただし0<
X≦2)で表わされるα−サイアロンとを主成
分とし、このほかに、 分散相形成成分としてSiC:0.5〜10容量%、 結合相形成成分としての複合酸・窒化物:1
〜20容量%、 を含有し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分としてのZrO2およびHfO2の
うちの1種または2種:1〜40容量%、 を含有し、かつα−サイアロン/β−サイアロ
ンの容量比が25/75〜95/5の範囲内にある耐
摩耗性のすぐれたサイアロン基セラミツクスに
特徴を有するものである。 また、この発明のセラミツクスは、原料粉末
として、 Si3N4粉末+Al2O3粉末+AlN粉末、 Si3N4粉末−SiO2粉末+AlN粉末、 Si2ON2粉末+AlN粉末、 以上〜のいずれかに組合せたαおよびβ−
サイアロン形成化合物粉末(ただしSi3N4はα相
含有率の高いものが好ましい)、 α−サイアロンに固溶し、また結合相も形成し
得るMの酸化物および窒化物粉末、 分散相形成成分としてのSiC粉末、さらにZrO2
およびHfO2粉末を用意し、 これら原料粉末を、所定組成に配合し、この場
合β−サイアロンの組成式から計算されるものよ
りAlおよびNが多くなるように配合し、混合
し、 ついで、この混合粉末を、1550〜1800℃の範囲
内の温度でホツトプレスするか、あるいは前記混
合粉末より成形した圧粉体を前記温度で焼結する
ことによつて製造することができる。 なお、上記の焼結は、通常の状態で行なつても
よいが、この場合焼結後のセラミツクスの表面変
質層の厚みが厚くなるので、圧粉体をSi3N4粉末
中に埋め込んで焼結するのが好ましい。また焼結
は、焼結中にSi3N4が分解するのを抑制するため
にN2を含有した雰囲気で行なう必要があり、こ
の場合N2とH2、またはN2とArなどの混合ガスで
もよいが、N2だけの雰囲気とした方が好まし
い。さらに、雰囲気圧力は、0.9気圧程度でもよ
いが、1気圧が好ましく、さらに1気圧以上なら
ば一層好ましいが、この場合には特別な焼結炉が
必要となる。また、焼結温度は、上記のように
1550〜1800℃でよいが、好ましくは1650〜1750℃
の範囲内の温度がよい。 さらに、焼結後のセラミツクスに必要に応じて
熱間静水圧焼結を施すと、より一段と緻密化が進
行するようになる。 つぎに、この発明のセラミツクスを実施例によ
り具体的に説明する。 実施例 原料粉末として、平均粒径:0.6μmのSi3N4
(α相含有率:94容量%)粉末、同0.8μmのCaO
粉末、同0.4μmのα−Al2O3粉末、同0.8μmの
MgO粉末、同0.9μmのAlN粉末、同1.5μmの
CeO2粉末、いずれも同1.1μmのLi2O粉末、同
0.8μmのNa2O粉末、同1.2μmのY2O3粉末、い
ずれも同1.5μmを有する各種の希土類酸化物粉
末、同0.4μmのSiC粉末、同0.4μmのZrO2粉
末、同0.5μmのHfO2粉末、を用意し、これらの
原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に
配合し、湿式ボールミルにて24時間混合した後、
乾燥し、ついでこの混合粉末を1ton/cm2の圧力で
圧粉体に成形し、この圧粉体をSi3N4製るつぼ中
に入れ、1気圧の窒素雰囲気中、温度:1725℃に
2時間保持の条件で焼結することによつて本発明
セラミツクス1〜15および比較セラミツクス1〜
3をそれぞれ製造した。 なお、比較セラミツクス1〜3は、いずれも構
用いた場合に著しくすぐれた耐摩耗性を示すサイ
アロン基セラミツクスに関するものである。 近年、切削工具用および耐摩耗工具用材料とし
て、窒化けい素(以下Si3N4で示す)基セラミツ
クスが注目されているが、このセラミツクスは、
Si3N4が共有結合性の強い化合物であることか
ら、焼結性が悪く、したがつてその製造に際して
はホツトプレス法を用いる場合が多く、この場合
複雑な形状のものを製造することは難しく、かつ
生産性の低いものとなる。 さらに、Si3N4よりも焼結性が高く、かつ耐熱
衝撃性および耐酸化性などにもすぐれた、β−
Si3N4格子のSiの一部をAlで、Nの一部をOで置
換した化合物、すなわち組成式: Si6−zAlzOzN8−z(ただし0<Z≦4.3)で
表わされるβ−サイアロンを主成分とするサイア
ロン基セラミツクスを、切削工具や耐摩耗工具と
して用いる試みをなされているが、このサイアロ
ン基セラミツクスは、靭性は高いものの、硬さが
ロツクウエル硬さAスケールで92程度とあまり高
くないため、所望の耐摩耗性を示さないのが現状
である。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、上記のβ−サイアロンを主成分とする従来サ
イアロン基セラミツクスに着目し、これに、これ
のもつ良好な焼結性を損なうことなく、高硬度を
付与し、もつてすぐれた耐摩耗性を確保すべく研
究を行なつた結果、 (a) 上記のβ−サイアロンと共に、α−Si3N4格
子のSiの一部をAlで、Nの一部をOで置換し、
さらに同格子間にLi,Na,Ca,Mg,Y,およ
び希土類元素のうちの1種または2種以上(以
下、これらの元素を総合してMで示す)が侵入
し固溶した構造をもつ化合物、すなわち組成
式: Mx(Si,Al)12(O,N)16(ただし0<X
≦2)、で表わされるα−サイアロンを共存さ
せると、この結果のセラミツクスは、硬さが向
上し、すぐれた耐摩耗性をもつようになるこ
と。 なお、、この場合α−サイアロンとβ−サイ
アロンの比率(α/β)は、容量比で、25/75
〜95/5とするのがよく、これは、α−サイア
ロンの割合が25未満では所望の硬さ向上効果が
少なく、一方95を越えた割合になると焼結性が
低下するようになるという理由にもとづくもの
であること。 また、β−サイアロンは、上記のように組成
式:Si6−zAlzOzN8−zで表わされ、0<Z≦
4.3の条件を満足する必要があり、これは、Z
の値が4.3を越えた組成は存在しないという理
由によるものであるが、この範囲内でもZが大
きくなると、セラミツクス中に粗大な巣が発生
しやすくなると共に、強度も低下するようにな
るので、望ましくは0<Z≦2.0が好ましいこ
と。 さらに、α−サイアロンは、上記のように、
組成式:Mx(Si,Al)12(O,N)16で表わさ
れ、0<x≦2の条件で存在するが、これはx
が2を越えた組成になると、Mを格子間隙に侵
入した状態で完全に固溶させることができない
という理由にもとづくものであること。なお、
α−サイアロンにおけるSi,Al,O、およびN
の比率は、Mの種類とxの値により変化し、正
負の価数が等しくなるように定まるものと推定
されること。 (b) 上記(a)のα−サイアロンとβ−サイアロンと
が共存するセラミツクスに、分散相形成成分と
して、炭化けい素(以下、SiCで示す)を含有
させると、SiCは、サイアロン相と結合相の粒
界に微細に分散して、サイアロン相の粒成長を
抑制すると共に、SiC自体も硬く、かつ高温強
度にもすぐれているので、セラミツクスの耐摩
耗性が一段と向上するようになること。 また、SiCの上記作用を十分に発揮させるた
めには、SiCの粒径をできるだけ微細、すなわ
ち平均粒径:2μm以下:望ましくは同1μm
以下にするのがよく、これは、SiCがあまり粗
粒になると、結合相とのぬれ性が悪し、この結
果焼結密度が低下し、強度低下の原因となると
いう理由によるものであること。 さらに、、この場合SiCの含有量は0.5〜10容
量%とするのがよく、これは、その含有量が
0.5容量%未満では上記作用に所望の効果が得
られず、一方10容量%を越えて含有させると焼
結性が低下し、強度低下をきたすようになると
いう理由によること。 (c) 上記(b)のα−サイアロンとβ−サイアロン、
およびSiCが共存するセラミツクスに、分散相
形成成分として、酸化ジルコニウム(以下、
ZrO2で示す)および酸化ハフニウム(以下、
HfO2で示す)のうちの1種または2種を含有
させること、焼結時におけるサイアロンの粒成
長が一層抑制されるようになると共に、焼結性
も向上するようになるので、セラミツクスの硬
さはさらに向上し、耐摩耗性も一段と改善され
るようになること。 なお、この場合ZrO2およびHfO2の含有量は
1〜40容量%とするのがよく、これは、その含
有量が1容量%未満では所望の硬さおよび耐摩
耗性向上効果が得られず、40容量%を越えて含
有させると、焼結性が低下するようになると共
に、サイアロンのもつすぐれた耐熱衝撃性が損
なわれるようになるという理由によるものであ
ること。 (d) 上記(b)および(c)のセラミツクスに、結合相形
成成分としての上記Mに含まれる元素、si、お
よびAlの複合酸・窒化物を含有させると、こ
れらの結合相形成成分は低融点を有し、したが
つて焼結時に液相を形成して焼結を促進し、か
つ焼結後はサイアロンの粒界部にガラス質また
は結晶質として存在するようになることから、
セラミツクスは十分に緻密化し、より高い強度
をもつようになること。 なお、この場合、上記結合相形成成分の含有
量は、1〜20容量%とするのがよく、これは、
その含有量が1容量%未満では所望の高密度化
をはかることができず、一方20容量%を越えて
含有させるとセラミツクスの強度が低下するよ
うになるという理由によるものであること。 以上(a)〜(c)に示される知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、 (1) 組成式:Si6−zAlzOzN8−z(ただし0<Z
≦4.3)で表わされるβ−サイアロンと、組成
式:Mx(Si,Al)12(O,N)16(ただし0<
X≦2)で表わされるα−サイアロンとを主成
分とし、このほかに、 分散相形成成分としてSiC:0.5〜10容量%、 結合相形成成分としての複合酸・窒化物:1
〜20容量%、 を含有し、さらに必要に応じて、 分散相形成成分としてのZrO2およびHfO2の
うちの1種または2種:1〜40容量%、 を含有し、かつα−サイアロン/β−サイアロ
ンの容量比が25/75〜95/5の範囲内にある耐
摩耗性のすぐれたサイアロン基セラミツクスに
特徴を有するものである。 また、この発明のセラミツクスは、原料粉末
として、 Si3N4粉末+Al2O3粉末+AlN粉末、 Si3N4粉末−SiO2粉末+AlN粉末、 Si2ON2粉末+AlN粉末、 以上〜のいずれかに組合せたαおよびβ−
サイアロン形成化合物粉末(ただしSi3N4はα相
含有率の高いものが好ましい)、 α−サイアロンに固溶し、また結合相も形成し
得るMの酸化物および窒化物粉末、 分散相形成成分としてのSiC粉末、さらにZrO2
およびHfO2粉末を用意し、 これら原料粉末を、所定組成に配合し、この場
合β−サイアロンの組成式から計算されるものよ
りAlおよびNが多くなるように配合し、混合
し、 ついで、この混合粉末を、1550〜1800℃の範囲
内の温度でホツトプレスするか、あるいは前記混
合粉末より成形した圧粉体を前記温度で焼結する
ことによつて製造することができる。 なお、上記の焼結は、通常の状態で行なつても
よいが、この場合焼結後のセラミツクスの表面変
質層の厚みが厚くなるので、圧粉体をSi3N4粉末
中に埋め込んで焼結するのが好ましい。また焼結
は、焼結中にSi3N4が分解するのを抑制するため
にN2を含有した雰囲気で行なう必要があり、こ
の場合N2とH2、またはN2とArなどの混合ガスで
もよいが、N2だけの雰囲気とした方が好まし
い。さらに、雰囲気圧力は、0.9気圧程度でもよ
いが、1気圧が好ましく、さらに1気圧以上なら
ば一層好ましいが、この場合には特別な焼結炉が
必要となる。また、焼結温度は、上記のように
1550〜1800℃でよいが、好ましくは1650〜1750℃
の範囲内の温度がよい。 さらに、焼結後のセラミツクスに必要に応じて
熱間静水圧焼結を施すと、より一段と緻密化が進
行するようになる。 つぎに、この発明のセラミツクスを実施例によ
り具体的に説明する。 実施例 原料粉末として、平均粒径:0.6μmのSi3N4
(α相含有率:94容量%)粉末、同0.8μmのCaO
粉末、同0.4μmのα−Al2O3粉末、同0.8μmの
MgO粉末、同0.9μmのAlN粉末、同1.5μmの
CeO2粉末、いずれも同1.1μmのLi2O粉末、同
0.8μmのNa2O粉末、同1.2μmのY2O3粉末、い
ずれも同1.5μmを有する各種の希土類酸化物粉
末、同0.4μmのSiC粉末、同0.4μmのZrO2粉
末、同0.5μmのHfO2粉末、を用意し、これらの
原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に
配合し、湿式ボールミルにて24時間混合した後、
乾燥し、ついでこの混合粉末を1ton/cm2の圧力で
圧粉体に成形し、この圧粉体をSi3N4製るつぼ中
に入れ、1気圧の窒素雰囲気中、温度:1725℃に
2時間保持の条件で焼結することによつて本発明
セラミツクス1〜15および比較セラミツクス1〜
3をそれぞれ製造した。 なお、比較セラミツクス1〜3は、いずれも構
【表】
【表】
成成分のうちのいずれかの成含含有量(第1表に
※印を付したもの)がこの発明の範囲から外れた
組成をもつものである。 この結果得られた本発明セラミツクス1〜15お
よび比較セラミツクス1〜3について、顕微鏡観
察およびX線回析などにより組成を調べると共
に、硬さ(ロツクウエル硬さAスケール)を測定
し、さらに、これよりSNG432に則した切削チツ
プを切り出し、 被削材:FC25の丸棒、 切削速度:350m/min、 切込み:2mm、 送り:0.25mm/rev.、 切削時間:5min、 の条件で鋳鉄高速切削試験を行ない、切刃の逃げ
面摩耗幅を測定した。これらの結果を第1表に示
した。 第1表に示される結果から、本発明セラミツク
ス1〜15は、いずれも高い硬さと、すぐれた耐摩
耗性を示すのに対して、比較セラミツクス1〜3
に見られるように、構成成分のうちのいずれかの
成分含有量がこの発明の範囲から外れると、硬さ
および耐摩耗性の劣つたものになることが明らか
である。 上述のように、この発明のセラミツクスは、高
硬度を有し、かつ実用に際してはすぐれた耐摩耗
性を示すので、これを切削工具や耐摩耗工具など
として用いた場合には著しく長期に亘つてすぐれ
た性能を安定的に発揮するのである。
※印を付したもの)がこの発明の範囲から外れた
組成をもつものである。 この結果得られた本発明セラミツクス1〜15お
よび比較セラミツクス1〜3について、顕微鏡観
察およびX線回析などにより組成を調べると共
に、硬さ(ロツクウエル硬さAスケール)を測定
し、さらに、これよりSNG432に則した切削チツ
プを切り出し、 被削材:FC25の丸棒、 切削速度:350m/min、 切込み:2mm、 送り:0.25mm/rev.、 切削時間:5min、 の条件で鋳鉄高速切削試験を行ない、切刃の逃げ
面摩耗幅を測定した。これらの結果を第1表に示
した。 第1表に示される結果から、本発明セラミツク
ス1〜15は、いずれも高い硬さと、すぐれた耐摩
耗性を示すのに対して、比較セラミツクス1〜3
に見られるように、構成成分のうちのいずれかの
成分含有量がこの発明の範囲から外れると、硬さ
および耐摩耗性の劣つたものになることが明らか
である。 上述のように、この発明のセラミツクスは、高
硬度を有し、かつ実用に際してはすぐれた耐摩耗
性を示すので、これを切削工具や耐摩耗工具など
として用いた場合には著しく長期に亘つてすぐれ
た性能を安定的に発揮するのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 組成式:Si6−zAlzOzN8−z(ただしO<z
≦4.3)で表わされるβ−サイアロンと、組成
式:Mx(Si,Al)12(O,N)16(ただしO<x
≦2,M:Li,Na,Ca,Mg,Y,希土類元素の
うちの1種または2種以上を示す)で表わされる
α−サイアロンとを主成分とし、このほかに、 分散相形成成分としての炭化けい素:0.5〜10
容量%、 結合相形成成分としての上記Mに含まれる元
素、Si、およびAlの複合酸・窒化物:1〜20容量
%、を含有し、かつ上記α−サイアロン/β−サ
イアロンの容量比が25/75〜95/5の範囲内にあ
ることを特徴とする耐摩耗性のすぐれたサイアロ
ン基セラミツクス。 2 組成式:Si6zAlzOzN8z(ただしO<z≦
4.3)で表わされるβ−サイアロンと、組成式:
Mx(Si,Al)12(O,N)16(ただしO<x≦
2,M:Li,Na,Ca,Mg,Y,希土類元素のう
ちの1種または2種以上を示す)で表わされるα
−サイアロンとを主成分とし、このほかに、 分散相形成成分としての炭化けい素:0.5〜10
容量%、 分散相形成成分としての酸化ジルコニウムおよ
び酸化ハフニウムのうちの1種または2種:1〜
40容量%、 結合相形成成分としての上記Mに含まれる元
素、Si,およびAlの複合酸・窒化物:1〜20容量
%、を含有し、かつ上記α−サイアロン/β−サ
イアロンの容量比が25/75〜95/5の範囲内にあ
ることを特徴とする耐摩耗性のすぐれたサイアロ
ン基セラミツクス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58083785A JPS59232972A (ja) | 1983-05-13 | 1983-05-13 | 耐摩耗性のすぐれたサイアロン基セラミツクス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58083785A JPS59232972A (ja) | 1983-05-13 | 1983-05-13 | 耐摩耗性のすぐれたサイアロン基セラミツクス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59232972A JPS59232972A (ja) | 1984-12-27 |
JPS6257598B2 true JPS6257598B2 (ja) | 1987-12-01 |
Family
ID=13812287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58083785A Granted JPS59232972A (ja) | 1983-05-13 | 1983-05-13 | 耐摩耗性のすぐれたサイアロン基セラミツクス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59232972A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61186268A (ja) * | 1985-02-14 | 1986-08-19 | 工業技術院長 | 高強度β−サイアロン・炭化ケイ素複合体の製造方法 |
WO2015097856A1 (ja) * | 2013-12-27 | 2015-07-02 | 日本特殊陶業株式会社 | サイアロン焼結体及び切削インサート |
-
1983
- 1983-05-13 JP JP58083785A patent/JPS59232972A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59232972A (ja) | 1984-12-27 |
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