JP3082432B2 - 靭性のすぐれた酸化アルミニウム基セラミックス製切削工具の製造法 - Google Patents
靭性のすぐれた酸化アルミニウム基セラミックス製切削工具の製造法Info
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- JP3082432B2 JP3082432B2 JP04134273A JP13427392A JP3082432B2 JP 3082432 B2 JP3082432 B2 JP 3082432B2 JP 04134273 A JP04134273 A JP 04134273A JP 13427392 A JP13427392 A JP 13427392A JP 3082432 B2 JP3082432 B2 JP 3082432B2
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- cutting
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、すぐれた靭性を有
し、鋳鉄の切削は勿論のこと、特に高靭性が要求される
鋼の切削に用いた場合に切刃に欠損やチッピングの発生
なく、すぐれた切削性能を発揮する酸化アルミニウム
（以下、Ａｌ2 Ｏ3 で示す）基セラミックス製切削工具
の製造法に関するものである。
し、鋳鉄の切削は勿論のこと、特に高靭性が要求される
鋼の切削に用いた場合に切刃に欠損やチッピングの発生
なく、すぐれた切削性能を発揮する酸化アルミニウム
（以下、Ａｌ2 Ｏ3 で示す）基セラミックス製切削工具
の製造法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、例えば特開昭６１−５３１５４号
公報に記載される通り、原料粉末として、Ａｌ2 Ｏ3 粉
末、酸化ジルコニウム（以下、ＺｒＯ2 で示す）粉末、
ＭｇＯやＹ2 Ｏ3 、さらにＣｅＯ2 などの安定化助剤を
０．１〜１２モル％の割合で含有させてなる部分安定化
ＺｒＯ2 粉末、炭化チタン（以下、ＴｉＣで示す）粉
末、窒化チタン（以下、ＴｉＮで示す）粉末、炭窒化チ
タン（以下、ＴｉＣＮで示す）粉末、および炭化けい素
（以下、ＳｉＣで示す）粉末を用い、これら原料粉末
を、重量％で（以下、％は重量％を示す）、 ＺｒＯ2 および部分安定化ＺｒＯ2 のうちの１種以上：
３〜３０％、 ＴｉＣ，ＴｉＮ，ＴｉＣＮ、およびＳｉＣのうちの１種
以上：３〜３０％、 Ａｌ2 Ｏ3 ：残り、 の配合組成に配合し、混合した後、所定形状の圧粉体に
プレス成形し、この成形体を、酸化性雰囲気中、１４０
０〜１８００℃の範囲内の所定温度に所定時間保持の条
件で焼結し、さらに必要に応じて熱間静水圧プレス（Ｈ
ＩＰ）処理を施すことにより、ＺｒＯ2 によるＡｌ2 Ｏ
3 結晶の粒成長抑制効果で微細組織とし、これによって
高強度を具備せしめたＡｌ2 Ｏ3 基セラミックスで構成
された切削工具を製造する方法が知られており、かつこ
の結果得られたＡｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削工具が
一般に鋳鉄の切削に用いられていることも知られてい
る。
公報に記載される通り、原料粉末として、Ａｌ2 Ｏ3 粉
末、酸化ジルコニウム（以下、ＺｒＯ2 で示す）粉末、
ＭｇＯやＹ2 Ｏ3 、さらにＣｅＯ2 などの安定化助剤を
０．１〜１２モル％の割合で含有させてなる部分安定化
ＺｒＯ2 粉末、炭化チタン（以下、ＴｉＣで示す）粉
末、窒化チタン（以下、ＴｉＮで示す）粉末、炭窒化チ
タン（以下、ＴｉＣＮで示す）粉末、および炭化けい素
（以下、ＳｉＣで示す）粉末を用い、これら原料粉末
を、重量％で（以下、％は重量％を示す）、 ＺｒＯ2 および部分安定化ＺｒＯ2 のうちの１種以上：
３〜３０％、 ＴｉＣ，ＴｉＮ，ＴｉＣＮ、およびＳｉＣのうちの１種
以上：３〜３０％、 Ａｌ2 Ｏ3 ：残り、 の配合組成に配合し、混合した後、所定形状の圧粉体に
プレス成形し、この成形体を、酸化性雰囲気中、１４０
０〜１８００℃の範囲内の所定温度に所定時間保持の条
件で焼結し、さらに必要に応じて熱間静水圧プレス（Ｈ
ＩＰ）処理を施すことにより、ＺｒＯ2 によるＡｌ2 Ｏ
3 結晶の粒成長抑制効果で微細組織とし、これによって
高強度を具備せしめたＡｌ2 Ｏ3 基セラミックスで構成
された切削工具を製造する方法が知られており、かつこ
の結果得られたＡｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削工具が
一般に鋳鉄の切削に用いられていることも知られてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方近年の切削加工の
多様化に対する要求は強く、これに伴ない鋳鉄ばかりで
なく鋼の切削も可能なＡｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削
工具が求められる傾向にあるが、上記の従来Ａｌ2 Ｏ3
基セラミックス製切削工具を鋼の切削に用いた場合、靭
性不足が原因で切刃に欠損やチッピングが発生し易く、
実用に供することができないのが現状である。
多様化に対する要求は強く、これに伴ない鋳鉄ばかりで
なく鋼の切削も可能なＡｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削
工具が求められる傾向にあるが、上記の従来Ａｌ2 Ｏ3
基セラミックス製切削工具を鋼の切削に用いた場合、靭
性不足が原因で切刃に欠損やチッピングが発生し易く、
実用に供することができないのが現状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、靭性のすぐれたＡｌ2 Ｏ3 基セ
ラミックス製切削工具を開発すべく研究を行なった結
果、Ａｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削工具を製造するに
際して、原料粉末として用いられるＡｌ2 Ｏ3 粉末に、
あらかじめＣａ，Ｂａ，およびＳｒの炭酸塩、硝酸塩、
塩化物、および酸化物（以下、それぞれＣａＣＯ3 ，Ｂ
ａＣＯ3 ，ＳｒＣＯ3 ，Ｃａ（ＮＯ3 ）2 ，Ｂａ（ＮＯ
3 ）2 ，Ｓｒ（ＮＯ3 ）2 ，ＣａＣｌ2 ，ＢａＣｌ2 ，
ＳｒＣｌ2 ，ＣａＯ，ＢａＯ、およびＳｒＯで示す）の
うちの１種以上の粉末と、酸化けい素（以下、ＳｉＯ2
で示す）粉末およびアルコキシドのうちの１種以上と
を、以下いずれも全体に占める割合で、それぞれ０．０
２〜１％づつ配合し、混合した後、酸化性雰囲気中、６
００〜１０５０℃の範囲内の所定温度に所定時間保持の
加熱処理を施した状態で（この場合、前記炭酸塩、硝酸
塩、および塩化物はいずれも酸化物となり、またアルコ
キシドもＳｉＯ2 となる）、これに同じく原料粉末とし
てのＺｒＯ2 粉末および部分安定化ＺｒＯ2 粉末のうち
の１種以上：３〜３０％と、ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、
ＴｉＣＮ粉末、およびＳｉＣ粉末のうちの１種以上：３
〜３０％を配合し、混合し、プレス成形により圧粉体な
どの成形体とし、この成形体を通常の条件で焼結する
と、焼結時に上記Ｃａ，Ｂａ，およびＳｒの酸化物とＳ
ｉＯ2 の共存作用でＡｌ2 Ｏ3 結晶が板状に成長し、こ
の結果得られたＡｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削工具は
板状成長したＡｌ2 Ｏ3 結晶によってすぐれた靭性を具
備するようになり、鋳鉄は勿論のこと、鋼の切削に用い
た場合にも切刃に欠損やチッピングの発生なく、すぐれ
た切削性能を長期に亘って発揮するという研究結果を得
たのである。
上述のような観点から、靭性のすぐれたＡｌ2 Ｏ3 基セ
ラミックス製切削工具を開発すべく研究を行なった結
果、Ａｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削工具を製造するに
際して、原料粉末として用いられるＡｌ2 Ｏ3 粉末に、
あらかじめＣａ，Ｂａ，およびＳｒの炭酸塩、硝酸塩、
塩化物、および酸化物（以下、それぞれＣａＣＯ3 ，Ｂ
ａＣＯ3 ，ＳｒＣＯ3 ，Ｃａ（ＮＯ3 ）2 ，Ｂａ（ＮＯ
3 ）2 ，Ｓｒ（ＮＯ3 ）2 ，ＣａＣｌ2 ，ＢａＣｌ2 ，
ＳｒＣｌ2 ，ＣａＯ，ＢａＯ、およびＳｒＯで示す）の
うちの１種以上の粉末と、酸化けい素（以下、ＳｉＯ2
で示す）粉末およびアルコキシドのうちの１種以上と
を、以下いずれも全体に占める割合で、それぞれ０．０
２〜１％づつ配合し、混合した後、酸化性雰囲気中、６
００〜１０５０℃の範囲内の所定温度に所定時間保持の
加熱処理を施した状態で（この場合、前記炭酸塩、硝酸
塩、および塩化物はいずれも酸化物となり、またアルコ
キシドもＳｉＯ2 となる）、これに同じく原料粉末とし
てのＺｒＯ2 粉末および部分安定化ＺｒＯ2 粉末のうち
の１種以上：３〜３０％と、ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、
ＴｉＣＮ粉末、およびＳｉＣ粉末のうちの１種以上：３
〜３０％を配合し、混合し、プレス成形により圧粉体な
どの成形体とし、この成形体を通常の条件で焼結する
と、焼結時に上記Ｃａ，Ｂａ，およびＳｒの酸化物とＳ
ｉＯ2 の共存作用でＡｌ2 Ｏ3 結晶が板状に成長し、こ
の結果得られたＡｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削工具は
板状成長したＡｌ2 Ｏ3 結晶によってすぐれた靭性を具
備するようになり、鋳鉄は勿論のこと、鋼の切削に用い
た場合にも切刃に欠損やチッピングの発生なく、すぐれ
た切削性能を長期に亘って発揮するという研究結果を得
たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、（ａ） Ａｌ2 Ｏ3 粉末に、以
下いずれも全体に占める割合で、焼結時のＡｌ2 Ｏ3 結
晶の板状成長促進助剤として、ＣａＣＯ3 ，ＢａＣ
Ｏ3 ，ＳｒＣＯ3 ，Ｃａ（ＮＯ3 ）2 ，Ｂａ（ＮＯ3 ）
2，Ｓｒ（ＮＯ3 ）2 ，ＣａＣｌ2 ，ＢａＣｌ2 ，Ｓｒ
Ｃｌ2 ，ＣａＯ，ＢａＯ，およびＳｒＯ（これらのうち
の炭酸塩、硝酸塩、および塩化物は後工程の加熱処理で
酸化物となるので、以下前記酸化物を含め、これらを総
称して金属酸化物系化合物という）のうちの１種以上の
粉末：０．０２〜１％と、ＳｉＯ2 粉末およびアルコキ
シド（このアルコキシドも上記加熱処理でＳｉＯ2 とな
るので、以下ＳｉＯ2 を含め、これらを総称してＳｉＯ
2 系化合物という）のうちの１種以上：０．０２〜１
％、を配合し、混合した後、（ｂ） 上記混合粉末に、
酸化性雰囲気中、６００〜１０５０℃の範囲内の所定温
度に所定時間保持の加熱処理を施し、（ｃ） ついで、
上記加熱処理後の混合粉末に、ＺｒＯ2 粉末および部分
安定化ＺｒＯ2 粉末のうちの１種以上：３〜３０％と、
ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、ＴｉＣＮ粉末、およびＳｉＣ
粉末のうちの１種以上：３〜３０％、を配合し、混合し
た後、プレス成形などにより所定形状を有する圧粉体な
どの成形体とし、、（ｄ） 上記成形体に通常の条件で
焼結して、Ａｌ2 Ｏ3 結晶が板状成長した組織を有する
Ａｌ2 Ｏ3 基セラミックスで構成された切削工具を製造
する方法に特徴を有するものである。
なされたものであって、（ａ） Ａｌ2 Ｏ3 粉末に、以
下いずれも全体に占める割合で、焼結時のＡｌ2 Ｏ3 結
晶の板状成長促進助剤として、ＣａＣＯ3 ，ＢａＣ
Ｏ3 ，ＳｒＣＯ3 ，Ｃａ（ＮＯ3 ）2 ，Ｂａ（ＮＯ3 ）
2，Ｓｒ（ＮＯ3 ）2 ，ＣａＣｌ2 ，ＢａＣｌ2 ，Ｓｒ
Ｃｌ2 ，ＣａＯ，ＢａＯ，およびＳｒＯ（これらのうち
の炭酸塩、硝酸塩、および塩化物は後工程の加熱処理で
酸化物となるので、以下前記酸化物を含め、これらを総
称して金属酸化物系化合物という）のうちの１種以上の
粉末：０．０２〜１％と、ＳｉＯ2 粉末およびアルコキ
シド（このアルコキシドも上記加熱処理でＳｉＯ2 とな
るので、以下ＳｉＯ2 を含め、これらを総称してＳｉＯ
2 系化合物という）のうちの１種以上：０．０２〜１
％、を配合し、混合した後、（ｂ） 上記混合粉末に、
酸化性雰囲気中、６００〜１０５０℃の範囲内の所定温
度に所定時間保持の加熱処理を施し、（ｃ） ついで、
上記加熱処理後の混合粉末に、ＺｒＯ2 粉末および部分
安定化ＺｒＯ2 粉末のうちの１種以上：３〜３０％と、
ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、ＴｉＣＮ粉末、およびＳｉＣ
粉末のうちの１種以上：３〜３０％、を配合し、混合し
た後、プレス成形などにより所定形状を有する圧粉体な
どの成形体とし、、（ｄ） 上記成形体に通常の条件で
焼結して、Ａｌ2 Ｏ3 結晶が板状成長した組織を有する
Ａｌ2 Ｏ3 基セラミックスで構成された切削工具を製造
する方法に特徴を有するものである。
【０００６】つぎに、この発明の方法において、配合割
合および加熱処理温度を上記の通りに限定した理由を説
明する。 （ａ） Ａｌ2 Ｏ3 結晶の板状成長促進助剤の配合割合 上記の通り金属酸化物系化合物粉末とＳｉＯ2 系化合物
粉末には、共存した状態で焼結時にＡｌ2 Ｏ3 結晶を板
状に成長させ、もって靭性を向上させる作用があり、し
たがって金属酸化物系化合物粉末およびＳｉＯ2 系化合
物粉末のいずれかでも、その配合割合が０．０２％未満
になると、所望のＡｌ2 Ｏ3 結晶の板状成長促進効果が
得られず、一方その配合割合が、いずれかでも１％を越
えると、Ａｌ2 Ｏ3 結晶に全方位型成長が起るようにな
って板状Ａｌ2 Ｏ3 結晶の形成が困難になり、すぐれた
靭性を確保することができなくなることから、その配合
割合をそれぞれ０．０２〜１％と定めた。
合および加熱処理温度を上記の通りに限定した理由を説
明する。 （ａ） Ａｌ2 Ｏ3 結晶の板状成長促進助剤の配合割合 上記の通り金属酸化物系化合物粉末とＳｉＯ2 系化合物
粉末には、共存した状態で焼結時にＡｌ2 Ｏ3 結晶を板
状に成長させ、もって靭性を向上させる作用があり、し
たがって金属酸化物系化合物粉末およびＳｉＯ2 系化合
物粉末のいずれかでも、その配合割合が０．０２％未満
になると、所望のＡｌ2 Ｏ3 結晶の板状成長促進効果が
得られず、一方その配合割合が、いずれかでも１％を越
えると、Ａｌ2 Ｏ3 結晶に全方位型成長が起るようにな
って板状Ａｌ2 Ｏ3 結晶の形成が困難になり、すぐれた
靭性を確保することができなくなることから、その配合
割合をそれぞれ０．０２〜１％と定めた。
【０００７】（ｂ） ＺｒＯ2 および部分安定化ＺｒＯ
2 の配合割合 これらの成分には、強度を向上させる作用があるが、そ
の配合割合が３％未満では所望の強度を確保することが
できず、一方その配合割合が３０％を越えると硬さが急
激に低下するようになることから、その配合割合を３〜
３０％と定めた。
2 の配合割合 これらの成分には、強度を向上させる作用があるが、そ
の配合割合が３％未満では所望の強度を確保することが
できず、一方その配合割合が３０％を越えると硬さが急
激に低下するようになることから、その配合割合を３〜
３０％と定めた。
【０００８】（ｃ） ＴｉＣ，ＴｉＮ，ＴｉＣＮ、およ
びＳｉＣ これらの成分には強度と硬さを向上させる作用がある
が、その配合割合が３％未満では前記作用に所望の向上
効果が得られず、一方その配合割合が３０％を越えると
靭性が損なわれるようになることから、その配合割合を
３〜３０％と定めた。
びＳｉＣ これらの成分には強度と硬さを向上させる作用がある
が、その配合割合が３％未満では前記作用に所望の向上
効果が得られず、一方その配合割合が３０％を越えると
靭性が損なわれるようになることから、その配合割合を
３〜３０％と定めた。
【０００９】（ｄ） 加熱処理温度 その温度が６００℃未満では、板状成長促進助剤の分解
が不十分なので、焼結時におけるＡｌ2 Ｏ3 結晶の板状
成長が十分に行なわれず、一方その温度が１０５０℃を
越えると、Ａｌ2 Ｏ3 粉末間に凝集が起こるようになる
ことから、その温度を６００〜１０５０℃と定めた。
が不十分なので、焼結時におけるＡｌ2 Ｏ3 結晶の板状
成長が十分に行なわれず、一方その温度が１０５０℃を
越えると、Ａｌ2 Ｏ3 粉末間に凝集が起こるようになる
ことから、その温度を６００〜１０５０℃と定めた。
【００１０】
【実施例】つぎに、この発明の方法を実施例により具体
的に説明する。原料粉末として、いずれも０．１〜５μ
ｍの範囲内の平均粒径を有する、各種の金属酸化物系化
合物粉末およびＳｉＯ2 系化合物粉末、ＺｒＯ2 粉末、
部分安定化ＺｒＯ2 粉末、ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、Ｔ
ｉＣＮ粉末、ＳｉＣ粉末、およびＡｌ2 Ｏ3 粉末を用意
し、まず、これらの原料粉末のうちの金属酸化物系化合
物粉末とＳｉＯ2 系化合物粉末とを、Ａｌ2 Ｏ3 粉末に
表１〜３に示される割合（全体に占める割合で示す）で
配合し、ボールミルで７２時間混合した後、大気中、表
４〜６に示される条件で加熱処理を施し、ついでこれに
同じく表１〜３に示される割合（これも全体に占める割
合）でＺｒＯ2 粉末および部分安定化ＺｒＯ2 粉末のう
ちの１種以上と、ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、ＴｉＣＮ粉
末、およびＳｉＣ粉末のうちの１種以上を配合し、ボー
ルミルで７２時間湿式混合し、乾燥した後、１ton ／cm
2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を不活性
雰囲気中、表４〜６に示される温度に１時間保持の条件
で焼結し、さらに温度１５００℃、圧力：１５０ＭＰ
ａ、保持時間：１時間の条件でＨＩＰ処理を施すことに
より本発明法１〜１８を実施し、ＪＩＳ・ＳＮＧＮ１２
０４０８のスローアウエイチップ形状をもったＡｌ2 Ｏ
3 基セラミックス製切削工具を製造した。また、曲げ強
度および破壊靭性値測定用試験片も合せて製造した。
的に説明する。原料粉末として、いずれも０．１〜５μ
ｍの範囲内の平均粒径を有する、各種の金属酸化物系化
合物粉末およびＳｉＯ2 系化合物粉末、ＺｒＯ2 粉末、
部分安定化ＺｒＯ2 粉末、ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、Ｔ
ｉＣＮ粉末、ＳｉＣ粉末、およびＡｌ2 Ｏ3 粉末を用意
し、まず、これらの原料粉末のうちの金属酸化物系化合
物粉末とＳｉＯ2 系化合物粉末とを、Ａｌ2 Ｏ3 粉末に
表１〜３に示される割合（全体に占める割合で示す）で
配合し、ボールミルで７２時間混合した後、大気中、表
４〜６に示される条件で加熱処理を施し、ついでこれに
同じく表１〜３に示される割合（これも全体に占める割
合）でＺｒＯ2 粉末および部分安定化ＺｒＯ2 粉末のう
ちの１種以上と、ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、ＴｉＣＮ粉
末、およびＳｉＣ粉末のうちの１種以上を配合し、ボー
ルミルで７２時間湿式混合し、乾燥した後、１ton ／cm
2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を不活性
雰囲気中、表４〜６に示される温度に１時間保持の条件
で焼結し、さらに温度１５００℃、圧力：１５０ＭＰ
ａ、保持時間：１時間の条件でＨＩＰ処理を施すことに
より本発明法１〜１８を実施し、ＪＩＳ・ＳＮＧＮ１２
０４０８のスローアウエイチップ形状をもったＡｌ2 Ｏ
3 基セラミックス製切削工具を製造した。また、曲げ強
度および破壊靭性値測定用試験片も合せて製造した。
【００１１】さらに、比較の目的で、原料粉末として、
上記のＡｌ2 Ｏ3 粉末、ＺｒＯ2 粉末、部分安定化Ｚｒ
Ｏ2 粉末、ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、ＴｉＣＮ粉末、お
よびＳｉＣ粉末を用い、表３に示される配合組成に配合
し、かつ加熱処理を行なわず、直接表６に示される温度
で焼結する以外は同じ条件で従来法１〜５を行ない、Ａ
ｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削工具と、同じく強度およ
び靭性を評価するための曲げ強度および破壊靭性値測定
用試験片をそれぞれ製造した。
上記のＡｌ2 Ｏ3 粉末、ＺｒＯ2 粉末、部分安定化Ｚｒ
Ｏ2 粉末、ＴｉＣ粉末、ＴｉＮ粉末、ＴｉＣＮ粉末、お
よびＳｉＣ粉末を用い、表３に示される配合組成に配合
し、かつ加熱処理を行なわず、直接表６に示される温度
で焼結する以外は同じ条件で従来法１〜５を行ない、Ａ
ｌ2 Ｏ3 基セラミックス製切削工具と、同じく強度およ
び靭性を評価するための曲げ強度および破壊靭性値測定
用試験片をそれぞれ製造した。
【００１２】
【表１】
【００１３】
【表２】
【００１４】
【表３】
【００１５】
【表４】
【００１６】
【表５】
【００１７】
【表６】
【００１８】ついで、この結果得られた各種の切削工具
について、 被削材：ＳＮＣＭ４４０（硬さ：ＨR Ｂ２００）の丸
棒、 切削速度：３５０ｍ／min 切込み：１mm 送り：０．２mm／rev 、 切削時間：１０分、 の条件で鋼の連続切削試験を行ない、切刃の逃げ面摩耗
幅を測定した。その測定結果を、表４〜６に示した。な
お、表４〜６には曲げ強度および破壊靭性値の測定結果
も合せて示した。
について、 被削材：ＳＮＣＭ４４０（硬さ：ＨR Ｂ２００）の丸
棒、 切削速度：３５０ｍ／min 切込み：１mm 送り：０．２mm／rev 、 切削時間：１０分、 の条件で鋼の連続切削試験を行ない、切刃の逃げ面摩耗
幅を測定した。その測定結果を、表４〜６に示した。な
お、表４〜６には曲げ強度および破壊靭性値の測定結果
も合せて示した。
【００１９】
【発明の効果】表１〜６に示される結果から、本発明法
１〜１８により製造されたＡｌ2 Ｏ3基セラミックス製
切削工具は、Ａｌ2 Ｏ3 結晶が板状に成長した組織を有
するので、従来法１〜５で製造されたＡｌ2 Ｏ3 基セラ
ミックス製切削工具と同等の高強度を具備した上で、こ
れより一段とすぐれた靭性を有し、この結果鋼の切削で
も切刃に欠損やチッピングの発生なく、すぐれた耐摩耗
性を長期に亘って発揮することが明らかである。
１〜１８により製造されたＡｌ2 Ｏ3基セラミックス製
切削工具は、Ａｌ2 Ｏ3 結晶が板状に成長した組織を有
するので、従来法１〜５で製造されたＡｌ2 Ｏ3 基セラ
ミックス製切削工具と同等の高強度を具備した上で、こ
れより一段とすぐれた靭性を有し、この結果鋼の切削で
も切刃に欠損やチッピングの発生なく、すぐれた耐摩耗
性を長期に亘って発揮することが明らかである。
【００２０】上述のように、この発明の方法によれば、
鋳鉄の切削は勿論のこと、高靭性が要求される鋼の切削
にも切刃に欠損やチッピングの発生なく、長期に亘って
すぐれた切削性能を発揮するＡｌ2 Ｏ3 基セラミックス
製切削工具を製造することができるのである。
鋳鉄の切削は勿論のこと、高靭性が要求される鋼の切削
にも切刃に欠損やチッピングの発生なく、長期に亘って
すぐれた切削性能を発揮するＡｌ2 Ｏ3 基セラミックス
製切削工具を製造することができるのである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平５−301764（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−262560（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−301762（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−301763（ＪＰ，Ａ) 特許2910020（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C04B 35/10 C04B 35/00
Claims (1)
- 【請求項１】 （ａ） 酸化アルミニウム粉末に、以下
いずれも全体に占める重量割合で、焼結時の酸化アルミ
ニウム結晶の板状成長促進助剤として、 Ｃａ，Ｂａ，およびＳｒの炭酸塩粉末、硝酸塩粉末、塩
化物粉末、および酸化物粉末のうちの１種以上：０．０
２〜１％と、 酸化けい素粉末およびアルコキシドのうちの１種以上：
０．０２〜１％、を配合し、混合した後、 （ｂ） 上記混合粉末に、酸化性雰囲気中、６００〜１
０５０℃に加熱保持の条件で加熱処理を施し、 （ｃ） ついで、上記加熱処理後の混合粉末に、 酸化ジルコニウム粉末および部分安定化酸化ジルコニウ
ム粉末のうちの１種以上：３〜３０％と、 Ｔｉの炭化物粉末、窒化物粉末、および炭窒化物粉末、
並びに炭化けい素粉末のうちの１種以上：３〜３０％、
を配合し、混合した後、成形体とし、 （ｄ） 上記成形体を焼結して、酸化アルミニウム結晶
が板状成長した組織を有するセラミックスで構成された
切削工具を形成する、以上（ａ）〜（ｄ）の基本工程か
らなることを特徴とする靭性のすぐれた酸化アルミニウ
ム基セラミックス製切削工具の製造法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04134273A JP3082432B2 (ja) | 1992-04-27 | 1992-04-27 | 靭性のすぐれた酸化アルミニウム基セラミックス製切削工具の製造法 |
| US08/049,204 US5403795A (en) | 1992-04-23 | 1993-04-19 | Platelet α-Al2 O3 based ceramic composite |
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