JP2006206376A - セラミック焼結体、切削インサート及び切削工具 - Google Patents

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裕子 中山
Yuuki Hatano
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Abstract

【課題】高硬度であると共に、優れた化学安定性と耐熱性とを維持しつつ、高い緻密度を有し、良好な耐摩耗性を発揮する、高温構造材料として好適なセラミック焼結体、このセラミック焼結体により形成されて成り、特に高速切削時に優れた耐欠損性と耐摩耗性とを発揮することのできる切削インサート及びこの切削インサートを備えて成る切削工具を提供すること。
【解決手段】1.炭化珪素と酸化アルミニウムとを含むセラミック焼結体であって、前記炭化珪素の含有量が10〜30質量%であり、かつ、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子との粒界に存在する希土類元素を含む粒界相の厚さが0.5〜10nmであることを特徴とするセラミック焼結体。2.前記セラミック焼結体により形成されてなることを特徴とする切削インサート。3.前記切削インサートをホルダーに備えてなることを特徴とする切削工具。
【選択図】 図2

Description

この発明は、セラミック焼結体、切削インサート及び切削工具に関し、さらに詳しくは、優れた耐熱性と耐摩耗性とを有するセラミック焼結体、このセラミック焼結体により形成されて成り、特に高速切削時に優れた耐欠損性と耐摩耗性とを発揮することのできる切削インサート及びこの切削インサートを備えて成る切削工具に関する。
炭化珪素と酸化アルミニウムとを複合化させて成るセラミック焼結体は、高硬度であると共に、優れた化学安定性と耐熱性とを有していることから、高温構造材料として汎用されている。前記炭化珪素と酸化アルミニウムとを複合化させて成るセラミック焼結体のうち、前記炭化珪素として、炭化珪素ウィスカーを用いたセラミック焼結体は、靭性が良好で、窒化珪素系セラミック焼結体に比較して鉄との親和性が低いため、優れた耐欠損性と耐摩耗性とを有する切削工具として知られている。
しかし、炭化珪素ウィスカーはきわめて高価であり、しかも、酸化アルミニウムに分散させると、酸化アルミニウムの緻密化を阻害して焼結性を低下させることから、ホットプレスによる焼結を余儀なくされ、ニアネットシェイプによる製造が困難となり、製造コストが高騰するという問題があった。
このため、各種の焼結助剤を添加して常圧焼結すること、また、より安価な炭化珪素粒子を用いることが提案されている。例えば、ホットプレスによる焼結を採用することなく、常圧焼結によって酸化アルミニウムの緻密化を可能とするため、2〜10質量%の粒状の炭化珪素と酸化アルミニウムとを複合化させることが提案されている(特許文献1参照)。
特許第2981689号公報
前記特許文献1には、「希土類酸化物を0.1〜5wt%、SiCを2〜10wt%含有し、残部がAlからなる混合物を常圧焼結することにより得られる高強度Al−SiC複合焼結体。」が開示されている(請求項1)。
しかしながら、前記特許文献1に記載のAl−SiC複合焼結体は、炭化珪素(SiC)の含有量が少ないため、近年、特に要求の高い過酷な使用条件下では、十分な性能を発揮し得ないという問題があった。また、前記特許文献1には、炭化珪素粒子と酸化アルミニウム(Al)との粒界に存在する希土類元素を含む粒界相についていは、なんらの記載もない。
また、3〜20体積%の炭化珪素粒子と酸化アルミニウム粒子とを複合化させ、MgO、Y、CaOなどを焼結助剤として添加して焼結して成るアルミナ基複合焼結体が提案されている(特許文献2参照)。
特開平5−194024号公報
前記特許文献2には、「80〜97体積%のアルミナ粒子およびその粒界と、3〜20体積%の炭化珪素粒子から本質的になる焼結体であって、前記アルミナ粒子の中の20〜80体積%の粒子の内部及び粒界に前記炭化珪素粒子が全て分散せしめられ、残りの80〜20体積%のアルミナ粒子は粒子内部およびその粒界に炭化珪素粒子を含まず、かつ全体として気孔率が2%以下であることを特徴とするアルミナ基複合焼結体。」が開示され(請求項1)、「焼結助剤としてMgO,Y23 ,CaOの中から選ばれた少くとも1種をアルミナに対して1重量%以下含有することを特徴とする請求項1記載のアルミナ基複合焼結体。」が開示されている(請求項2)。
しかしながら、前記アルミナ基複合焼結体を製造するに当っては、含有される焼結助剤の量が少ないため、焼結時に炭化珪素粒子が移動する自由度が制限されて、酸化アルミニウム(アルミナ)を完全に緻密化させることが困難となると考えられる。また、2族元素の酸化物などを焼結助剤として用いると、炭化珪素の粒子と酸化アルミニウムの粒子との粒界に存在する粒界相が、薄く均一に形成されることがなく、粒界に偏析されてしまうと考えられる。このため、高温下では、急激に強度が低下して、高温構造材料として使用すると、欠損が生じ易くなるという問題があった。
また、前記特許文献2には、アルミナ基複合焼結体の気孔率についての記載はあるものの、炭化珪素粒子と酸化アルミニウムとの粒界に存在する希土類元素を含む粒界相についていは、一切、記載はない。
近年、より過酷な使用条件に耐え、しかも、高性能化及び低コスト化が求められているセラミック焼結体において、高硬度であると共に、優れた化学安定性と耐熱性とを有する炭化珪素と酸化アルミニウムとを含む複合セラミック焼結体に対する期待は大きく、そのの実用化の要望は、きわめて高い現状にある。
この発明は、このような従来の問題を解消し、高硬度であると共に、優れた化学安定性と耐熱性とを維持しつつ、高い緻密度を有し、良好な耐摩耗性を発揮する、高温構造材料として好適なセラミック焼結体、このセラミック焼結体により形成されて成り、特に高速切削時に優れた耐欠損性と耐摩耗性とを発揮することのできる切削インサート及びこの切削インサートを備えて成る切削工具を提供することをその課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意、研究を重ねた結果、酸化アルミニウムを主成分とするマトリックス中に、特定の量の炭化珪素を分散させ、焼結助剤の種類と量とを調整することにより、炭化珪素粒子と酸化アルミニウム粒子との粒界に存在する希土類元素を含む粒界相の厚さを薄く均一に制御することにより、焼結助剤に由来する成分の偏析を抑制することができるということを見出し、この知見に基づいてこの発明を完成するに到った。
すなわち、この発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
1.炭化珪素と酸化アルミニウムとを含むセラミック焼結体であって、前記炭化珪素の含有量が10〜30質量%であり、かつ、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子との粒界に存在する希土類元素を含む粒界相の厚さが0.5〜10nmであることを特徴とするセラミック焼結体
である。
この発明の前記第1の手段における好ましい態様としては、下記(1)〜(3)のセラミック焼結体を挙げることができる。
(1)前記炭化珪素の粒子の平均粒径が、0.5〜5μmであるセラミック焼結体。
(2)前記酸化アルミニウムの粒子の平均粒径が、0.5〜5μmであるセラミック焼結体。
(3)前記希土類元素の含有量が、酸化物に換算して多くとも4質量%であるセラミック焼結体。
また、この発明の前記課題を解決するための第2の手段は、
2.前記セラミック焼結体により形成されてなることを特徴とする切削インサート
である。
さらに、この発明の前記課題を解決するための第3の手段は、
3.前記切削インサートをホルダーに備えてなることを特徴とする切削工具
である。
この発明のセラミック焼結体は、炭化珪素の含有量が比較的多く、しかも、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子との粒界に存在する希土類元素を含む粒界相が粒界に偏析することなく、前記粒界相が比較的薄く、均一であることから、高硬度であると共に、優れた化学安定性と耐熱性とを維持しつつ、高い緻密度を有し、良好な耐摩耗性を発揮し得るという効果を奏する。
前記炭化珪素の粒子及び前記酸化アルミニウムの粒子の平均粒径が、共に、0.5〜5μmであるとき、または、前記希土類元素の含有量が、酸化物に換算して多くとも4質量%であるときは、前記の効果は、さらに顕著なものととなる。
また、この発明の切削インサートは、前記のような特性を有するセラミック焼結体により形成されてなることから、特に高速切削時に優れた耐欠損性と耐摩耗性とを発揮することができる。
さらに、この発明の切削工具は、前記のような特性を有する切削インサートをホルダーに備えてなる工具であるから、欠損やチッピングがなく、優れた耐摩耗性を有する工具となる。
よって、この発明が、ますます過酷な使用条件に耐えることが要求される、各種高温構造材料として有用なセラミック焼結体及び切削工具の製造分野に寄与するところはきわめて大きい。
1.セラミック焼結体
この発明のセラミック焼結体は、炭化珪素と酸化アルミニウムとを含むセラミック焼結体であって、前記炭化珪素の含有量が10〜30質量%であり、かつ、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子との粒界に存在する希土類元素を含む粒界相の厚さが0.5〜10nmであることを特徴とする。
この発明のセラミック焼結体を構成する成分である炭化珪素(SiC)は、代表的な非酸化物セラミックであって、高い硬度を有し、熱伝導率の良好なセラミックである。
また、この発明のセラミック焼結体を構成する主成分である酸化アルミニウム(Al)は、通常、主結晶がα−アルミナ(コランダム)から成るセラミックであって、高い融点と高い硬度とを有し、化学的に安定なセラミックである。
この発明のセラミック焼結体は、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子との粒界に存在する粒界相によって、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子とが相互に固着されている複合セラミック焼結体(以下、「SiC−Al複合セラミック焼結体」ということがある。)である。前記粒界相は、セラミック焼結体を製造する際の焼結時に用いた焼結助剤に由来する希土類元素を含む。
このようなこの発明のセラミック焼結体においては、前記炭化珪素の含有量が10〜30質量%であることを要する。炭化珪素の含有量が10質量%未満では、強度の低下したセラミック焼結体となるからである。この強度の低下は、セラミック焼結体を製造する際の焼結時に、酸化アルミニウムの粒成長を抑制する効果が十分に達せられないことに起因するものと考えられる。
また、前記炭化珪素の含有量が30質量%を越えるときも、セラミック焼結体の強度は低下する。セラミック焼結体を製造する際の焼結性が低下して、セラミック焼結体の緻密化が全うされないからである。
この発明のセラミック焼結体は、10〜30質量%の炭化珪素を含有し、酸化アルミニウムを主成分とする限り、少量の他の成分を含有していてもよい。この他の成分としては、炭化珪素−酸化アルミニウム複合セラミック焼結体の特性を損なうことのない成分である限り、特に制限はなく、例えば、4、5又は6族元素の酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物又は硼化物などを挙げることができる。
この発明のセラミック焼結体にあっては、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子との粒界に、希土類元素を含む粒界相が存在し、この粒界相の厚さは、0.5〜10nmであることを要する。
前記粒界相の厚さが0.5nm未満では、セラミック焼結体の緻密度が低下するからである。この緻密度の低下は、セラミック焼結体を製造する際の焼結時に、粒界相が形成される熔融状態にある領域内を、炭化珪素の粒子が自在に移動することのできる自由度が制限されることに起因するものと考えられる。
また、前記粒界相の厚さが10nmを越えると、高温下では粒界相が軟化し、セラミック焼結体中に含まれる炭化珪素粒子及び酸化アルミニウム粒子が移動し変形し易くなり、強度が低下するからである。好ましい粒界相の厚さは、1〜3nmである。又、この粒界相の厚みは、希土類元素などの焼結助剤の種類と量とにより調節することができる。
図1は、この発明のセラミック焼結体における複合状態の一例を示す透過型電子顕微鏡写真である。→で示す部位が粒界相であり、この粒界相は、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子との粒界に存在する。また、図2は、この発明のセラミック焼結体における前記粒界相を示す透過型電子顕微鏡拡大写真である。白く細帯状に表されている部位が粒界相である。
この発明のセラミック焼結体を構成する成分である炭化珪素の粒子の平均粒径は、0.5〜5μmであることが好ましい。この平均粒径が0.5μm未満では、セラミック焼結体を製造する際の焼結時に、前記炭化珪素の粒子が酸化アルミニウムの粒子内部に取り込まれて、酸化アルミニウムの粒成長抑制効果が阻害され、酸化アルミニウムの粒子の粗大化を招き、その結果、セラミック焼結体の強度低下を来たすことがあるからである。
また、前記炭化珪素の粒子の平均粒径が5μmを越えると、その粗大な粒子自身が破壊の起点となって、セラミック焼結体の強度低下を来たし易くなることがあり、また、チッピングを生じ易くなることがある。
この発明のセラミック焼結体を構成する主成分である酸化アルミニウムの粒子の平均粒径も、0.5〜5μmであることが好ましい。この平均粒径が0.5μm未満では、セラミック焼結体にクラック、特に湾曲したクラックが生じ易く、また、酸化アルミニウムの粒子内部に取り込まれた炭化珪素の粒子の引き抜きによる破壊エネルギーの吸収効果が悪化することから、セラミック焼結体の靭性の向上が期待できないことがあるからである。
また、前記酸化アルミニウムの粒子の平均粒径が5μmを越えると、その粗大な粒子自身が破壊の起点となって、セラミック焼結体の欠損又はチッピングを生じ易くなることがある。
さらに、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子との粒界に存在する希土類元素を含む粒界相における前記希土類元素の含有量が、酸化物に換算して、セラミック焼結体に対し、多くとも4質量%であることが好ましく、1〜3質量%であることがより好ましい。
前記希土類元素の含有量が4質量%を越えると、セラミック焼結体の高温強度を低下させることがあるからである。この高温強度の低下は、セラミック焼結体を製造する際の焼結時に、焼結助剤として用いた希土類元素の酸化物などが粒界相に薄く均一に形成されることがなく、粒界に偏析されて、緻密度が低下すること及び焼結性の悪化に起因するものと考えられる。
この発明のセラミック焼結体は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、製造原料として、炭化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末及び焼結助剤を用い、これらの配合物を調製する。このとき、配合される前記炭化珪素粉末の量は、最終的に得られるセラミック焼結体に対し、10〜30質量%とされる。製造原料粉末を焼結してセラミック焼結体を製造する場合、前記配合物中の各製造原料粉末の配合比とセラミック焼結体中の構成成分比とは、焼結にもかかわらずほとんど変化することはないので、前記炭化珪素粉末の配合量は、前記配合物に対し、10〜30質量%として差し支えない。
前記配合物における成分残量は、大部分が酸化アルミニウム粉末である。前記配合物には、所望により、MgO、CaO、SiOなどが少量、含まれていてもよい。
前記焼結助剤としては、希土類元素の酸化物などが用いられ、具体的には、Dy、Yなどを挙げることができる。配合される前記焼結助剤の量は、最終的に得られるセラミック焼結体に対し、酸化物に換算して多くとも4質量%であることが好ましく、1〜3質量%であることがより好ましい。
前記炭化珪素粉末及び前記酸化アルミニウム粉末の平均粒径としては、最終的に得られるセラミック焼結体において、共に、0.5〜5μm、好ましく、3〜5μmとなるような平均粒径を採用することが望ましい。もっとも、製造原料粉末を焼結してセラミック焼結体を製造する場合、製造原料粉末の平均粒径とセラミック焼結体における平均粒径とは、が焼結することによってもほとんど変化することはないので、製造原料粉末としての前記炭化珪素粉末及び前記酸化アルミニウム粉末の平均粒径は、0.5〜5μmとして差し支えない。
前記配合物は、通常、前記各製造原料を、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール又は水などの媒体と共に混合することによって調製される。このときの混合条件に特に制限はないが、例えば、1Kgの製造原料粉末が均一に混合されるまでには、20〜30分間を要する。
次いで、調製された前記配合物を成形することによって成形体を得る。成形方法としては、例えば、加圧成形法、射出成形法、押出成形法などを挙げることができ、これら成形法の中でも、加圧成形法が好ましい。この得られた成形体を0.05〜1MPa下のAr、N、Hなどの不活性ガス中で1500〜1900℃に、0.5〜5時間、加熱処理(この加熱処理を「一次焼結処理」と称することがある。)し、さらに100〜150MPaの前記不活性ガス中で1400〜1600℃に、0.5〜3時間、加熱処理(この加熱処理を「二次焼結処理」と称することがある。)する。このようにして、セラミック焼結体を製造することができる。
2.切削インサート
この発明の切削インサートは、前記セラミック焼結体により形成されてなることを特徴とする。
この発明の切削インサートの形状に制限はないが、例えば、図3に示す略直方体形状である切削インサート1を挙げることができる。この切削インサート1が、この発明の前記セラミック焼結体によって形成されている。2はすくい面、3は逃げ面である。切削インサート1は、前記セラミック焼結体を研磨加工することによって作製することができる。
3.切削工具
この発明の切削工具は、前記切削インサートをホルダーに備えてなることを特徴とする。
この発明の切削工具の形状に制限はないが、例えば、図4に示す切削工具4を挙げることができる。この切削工具4は、前記切削インサート1を備えると共に、この切削インサート1を支持するホルダー5とを備えて成っている。ホルダー5は、切削インサート1を支持することのできる構造を有している限り、その構造に特に制限はない。
前記ホルダー5を形成する材料にも制限はないが、例えば、金属、合金、セラミック、サーメットなどを挙げることができる。
以下、実施例及び比較例となる例を挙げてこの発明をさらに具体的に説明するが、これらの例によって、この発明はなんら限定されることはない。
(例1〜12)
酸化アルミニウムの粉末と炭化珪素の粉末と希土類酸化物の粉末とを種々の割合で調合し、高純度酸化アルミニウムボールと樹脂容器とを用い、エタノールを媒体として混合することにより混合粉末を得た。得られた調合粉末を金型プレス成形することにより成形体を得た。これを0.1MPaのArガス雰囲気中で、温度1600℃〜1800℃で1時間熱処理し、さらに100MPaのArガス雰囲気中、温度1500℃で1時間HIP処理して燒結体を得た。この燒結体をISOに規定されるSNGN120408形状に加工し、切削インサートを作製した。
表1に焼結体の組成及び粒径を示した。表1に示されるセラミック焼結体における粒界相の厚さは、TEM(透過型電子顕微鏡)写真から算出した。表1に示される粒界相成分は、TEMに取り付けたEDX分析装置により同定した。表1に示される粒界相成分の含有量は、酸化物に換算して蛍光X線分析装置により定量した。炭化珪素及び酸化アルミニウムの含有量は、蛍光X線分析装置により分析を行って、定量した。なお、表1に示される炭化珪素及び酸化アルミニウムの粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)写真から算出した。なお、原料である炭化珪素及び酸化アルミニウムの粒径と配合量とは、焼結体中の粒径と含有量と実質的に同じである。
切削インサートの切削試験は下記条件にて行い、逃げ面摩耗量で評価した。
切削試験条件
速度:500m/min、送り:f=0.4mm/rev、切り込み:d=0.5mm、切削油:あり
被削材:普通鋳鉄(FC200)、加工距離:8km、
チップ形状:SNGN120408、刃先処理:0.1mm×25°
Figure 2006206376
表1に示されるように、この発明の範囲内にある例においては切削性能が良好であり、具体的には8kmの切削距離であっても僅かに摩耗する程度である。このことは、この発明の範囲内にある焼結体及び切削インサートは、耐熱性及び耐摩耗性に優れると結論することができる。
図1は、この発明のセラミック焼結体における複合状態の一例を示す透過型電子顕微鏡写真である。 図2は、この発明のセラミック焼結体における粒界相を示す透過型電子顕微鏡拡大写真である。 図3は、この発明の切削インサートの一例を示す概略図である。 図4は、この発明の切削工具の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 切削インサート
2 すくい面
3 逃げ面
4 切削工具
5 ホルダー

Claims (6)

  1. 炭化珪素と酸化アルミニウムとを含むセラミック焼結体であって、前記炭化珪素の含有量が10〜30質量%であり、かつ、前記炭化珪素の粒子と前記酸化アルミニウムの粒子との粒界に存在する希土類元素を含む粒界相の厚さが0.5〜10nmであることを特徴とするセラミック焼結体。
  2. 前記炭化珪素の粒子の平均粒径が、0.5〜5μmである請求項1に記載のセラミック焼結体。
  3. 前記酸化アルミニウムの粒子の平均粒径が、0.5〜5μmである請求項1又は2に記載のセラミック焼結体。
  4. 前記希土類元素の含有量が、酸化物に換算して多くとも4質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミック焼結体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミック焼結体により形成されてなることを特徴とする切削インサート。
  6. 請求項5に記載の切削インサートをホルダーに備えてなることを特徴とする切削工具。
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