JPH0662339B2 - 窒化珪素質焼結体及びその製造方法 - Google Patents
窒化珪素質焼結体及びその製造方法Info
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- JPH0662339B2 JPH0662339B2 JP2314273A JP31427390A JPH0662339B2 JP H0662339 B2 JPH0662339 B2 JP H0662339B2 JP 2314273 A JP2314273 A JP 2314273A JP 31427390 A JP31427390 A JP 31427390A JP H0662339 B2 JPH0662339 B2 JP H0662339B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 高温強度・耐酸化性に優れた高温高強度材料として用い
られる窒化珪素質焼結体及び耐摩耗性が要求される切削
工具部材に関する。
られる窒化珪素質焼結体及び耐摩耗性が要求される切削
工具部材に関する。
[従来の技術] 窒化珪素質焼結体は高温においても高い機械的強度を有
するため自動車用エンジン部品やガスタービンエンジン
等の高温構造材料への応用が試みられている。また,硬
度・靱性が高く,耐摩耗性に優れていることから,切削
工具への応用も試みられている。
するため自動車用エンジン部品やガスタービンエンジン
等の高温構造材料への応用が試みられている。また,硬
度・靱性が高く,耐摩耗性に優れていることから,切削
工具への応用も試みられている。
この窒化珪素は単独では焼結が困難であるため,従来M
gO,Al2O3,ZrO2及び希土類酸化物等の焼結助
剤を添加して焼結を行う方法が用いられてきた。しか
し,MgO,Al2O3,ZrO2等を助剤として用いた場
合,粒界には低融点のガラス質相が析出するため,これ
が高温における強度低下あるいは耐酸化性の劣化を引き
起こしていた。また,希土類酸化物を用いた場合はこれ
だけでは焼結が困難であり,緻密化させるためにはホッ
トプレスが必要であった。さらに,希土類酸化物とVa
・VIa族元素化合物を添加物として用いる例としては,
特開昭61-155262(W),62-3077(Mo),62-41764
(Cr),62-153169(Nb,Ta),63-248773(C
r,Mo,W)等があり,より低温で緻密化可能な窒化
珪素質焼結体の開発が望まれていた。さらに,現在切削
工具においては,切削寿命となる摩耗量のなお一層の低
減が必要となってきた。耐欠損性については窒化珪素の
強度・靱性の向上により優れた焼結体を得ることができ
るが,耐摩耗性は機械的特性との関連性が明かではな
く,耐摩耗性向上の手段は明確ではなかった。
gO,Al2O3,ZrO2及び希土類酸化物等の焼結助
剤を添加して焼結を行う方法が用いられてきた。しか
し,MgO,Al2O3,ZrO2等を助剤として用いた場
合,粒界には低融点のガラス質相が析出するため,これ
が高温における強度低下あるいは耐酸化性の劣化を引き
起こしていた。また,希土類酸化物を用いた場合はこれ
だけでは焼結が困難であり,緻密化させるためにはホッ
トプレスが必要であった。さらに,希土類酸化物とVa
・VIa族元素化合物を添加物として用いる例としては,
特開昭61-155262(W),62-3077(Mo),62-41764
(Cr),62-153169(Nb,Ta),63-248773(C
r,Mo,W)等があり,より低温で緻密化可能な窒化
珪素質焼結体の開発が望まれていた。さらに,現在切削
工具においては,切削寿命となる摩耗量のなお一層の低
減が必要となってきた。耐欠損性については窒化珪素の
強度・靱性の向上により優れた焼結体を得ることができ
るが,耐摩耗性は機械的特性との関連性が明かではな
く,耐摩耗性向上の手段は明確ではなかった。
[発明が解決しようとする課題] このようなことから,本発明においては焼結助剤につい
て種々の検討を行なうことによって,焼結性に優れ(よ
り低温で完全緻密化可能),かつ高温強度及び耐酸化性
の優れた窒化珪素質焼結体の開発を目的とした。さら
に,この優れた高温特性が耐摩耗性の向上に有効である
ことに着目し,耐摩耗性に優れた切削工具部材を開発す
ることを第二の目的とした。
て種々の検討を行なうことによって,焼結性に優れ(よ
り低温で完全緻密化可能),かつ高温強度及び耐酸化性
の優れた窒化珪素質焼結体の開発を目的とした。さら
に,この優れた高温特性が耐摩耗性の向上に有効である
ことに着目し,耐摩耗性に優れた切削工具部材を開発す
ることを第二の目的とした。
[課題を解決するための手段] そこで,本発明はかかる課題を下記手段によって解決し
た。
た。
(1)希土類元素1種以上を酸化物換算で1〜20wt%, VをV2O5換算で0.5〜8wt%,Nb,Ta,Cr,M
o,Wの中から1種以上を酸化物換算で0.5〜8wt%
(Va・VIa族元素の合計が酸化物換算で1〜10wt
%), 残部が窒化珪素, からなる窒化珪素質焼結体。
o,Wの中から1種以上を酸化物換算で0.5〜8wt%
(Va・VIa族元素の合計が酸化物換算で1〜10wt
%), 残部が窒化珪素, からなる窒化珪素質焼結体。
(2)希土類元素酸化物(「酸化物」は熱的に酸化物に変
換し得るものを包含する。以下同じ)1種以上を1〜20
wt%(熱的に酸化物に変換し得るものについては酸化物
換算。以下同じ),酸化バナジウムを0.5〜8wt%,及
びNb,Ta,Cr,Mo,Wの各酸化物の中から1種
以上を0.5〜8wt%(Va・VIa族元素の合計が酸化物
換算で1〜10wt%),残部が窒化珪素からなる原料を配
合,成形し, 窒素雰囲気圧力10atm以下,温度1700〜1900℃で一次焼
成し,その後同雰囲気圧力50atm以上,温度1600℃以上
で二次焼成する, ことを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。
換し得るものを包含する。以下同じ)1種以上を1〜20
wt%(熱的に酸化物に変換し得るものについては酸化物
換算。以下同じ),酸化バナジウムを0.5〜8wt%,及
びNb,Ta,Cr,Mo,Wの各酸化物の中から1種
以上を0.5〜8wt%(Va・VIa族元素の合計が酸化物
換算で1〜10wt%),残部が窒化珪素からなる原料を配
合,成形し, 窒素雰囲気圧力10atm以下,温度1700〜1900℃で一次焼
成し,その後同雰囲気圧力50atm以上,温度1600℃以上
で二次焼成する, ことを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。
(3)上記窒化珪素質焼結体を用いてなる切削工具部材。
添加成分のうち希土類元素は焼結を促進させるため酸化
物換算で1〜20wt%の範囲で加える。1wt%未満では焼
結助剤としての効果がなく,20wt%を越えると焼結体の
機械的強度が低下する。また,希土類酸化物の添加量を
増加させると700℃〜1000℃の低温酸化に対して有害な
メリライト型化合物(R2Si3O3N4 R:希土類元
素)が多く生成し耐酸化性が低下するため,添加量は15
wt%以下が好ましい。
物換算で1〜20wt%の範囲で加える。1wt%未満では焼
結助剤としての効果がなく,20wt%を越えると焼結体の
機械的強度が低下する。また,希土類酸化物の添加量を
増加させると700℃〜1000℃の低温酸化に対して有害な
メリライト型化合物(R2Si3O3N4 R:希土類元
素)が多く生成し耐酸化性が低下するため,添加量は15
wt%以下が好ましい。
V及びVa・VIa族元素であるNb,Ta,Cr,M
o,Wを添加するのは,第一にこれらの酸化物が焼結助
剤として有効であり,特に酸化バナジウム(V2O5)は
融点が690℃と低く,これを添加することにより低温で
焼結を促進させることができるためである。さらに上記
Va・VIa族元素酸化物(Nb2O5,Ta2O5,Cr2
O3,MoO3,WO3)を酸化バナジウムと複合添加す
ることによりその相乗効果によってさらに焼結性が向上
し,複雑形状品の作成が困難なホットプレスあるいは高
コストのHIP以外の焼結法,例えばガス圧焼結等でも
緻密焼結体を容易に得ることが可能となる。第二に,上
記の焼結性の向上とも関連して,材料的特性(特に室温
及び高温強度)に優れた焼結体が得られるためである。
V及びVa・VIa族元素であるNb,Ta,Cr,M
o,Wを添加することにより,粒界には上記元素の珪化
物例えばVSi2,V5Si3,NbSi2,TaSi2,
CrSi2,MoSi2,WSi2等あるいはVとVa・V
Ia族元素が固溶した例えば(V−Mo)Si2等が生成
するが,これが均一に分散することにより特性が向上す
るものと考えられる。また,これらの珪化物は融点が15
00〜2500℃と非常に高いため焼結体の高温強度(〜1400
℃)を劣化させることはない。
o,Wを添加するのは,第一にこれらの酸化物が焼結助
剤として有効であり,特に酸化バナジウム(V2O5)は
融点が690℃と低く,これを添加することにより低温で
焼結を促進させることができるためである。さらに上記
Va・VIa族元素酸化物(Nb2O5,Ta2O5,Cr2
O3,MoO3,WO3)を酸化バナジウムと複合添加す
ることによりその相乗効果によってさらに焼結性が向上
し,複雑形状品の作成が困難なホットプレスあるいは高
コストのHIP以外の焼結法,例えばガス圧焼結等でも
緻密焼結体を容易に得ることが可能となる。第二に,上
記の焼結性の向上とも関連して,材料的特性(特に室温
及び高温強度)に優れた焼結体が得られるためである。
V及びVa・VIa族元素であるNb,Ta,Cr,M
o,Wを添加することにより,粒界には上記元素の珪化
物例えばVSi2,V5Si3,NbSi2,TaSi2,
CrSi2,MoSi2,WSi2等あるいはVとVa・V
Ia族元素が固溶した例えば(V−Mo)Si2等が生成
するが,これが均一に分散することにより特性が向上す
るものと考えられる。また,これらの珪化物は融点が15
00〜2500℃と非常に高いため焼結体の高温強度(〜1400
℃)を劣化させることはない。
一方,耐摩耗性を向上させるためには,切削中の工具の
刃先温度が800〜1300℃の高温になるため(相手材や切
削条件によって異なる),焼結体の耐熱性及び化学安定
性が優れていることが重要である。一般に,窒化珪素質
焼結体中の粒界相は,助剤成分と,Si,N,Oからな
る非晶質ガラス相あるいは結晶相として存在するが,窒
化珪素に比べると耐熱性・耐食性が劣り,この粒界相の
量及び組成が耐摩耗性に影響を及ぼすと考えられる。本
発明の窒化珪素質焼結体は上述したように,添加したV
a・VIa族元素は高融点の珪化物として粒界に分散して
おり,希土類元素は高融点ガラスまたは結晶相として存
在する。このため,粒界相の耐熱性・耐食性が向上して
おり,耐摩耗性が優れているのである。特に,切削工具
部材として本焼結体を用いる場合,Va・VIa族元素と
してはW,Crが好ましい。
刃先温度が800〜1300℃の高温になるため(相手材や切
削条件によって異なる),焼結体の耐熱性及び化学安定
性が優れていることが重要である。一般に,窒化珪素質
焼結体中の粒界相は,助剤成分と,Si,N,Oからな
る非晶質ガラス相あるいは結晶相として存在するが,窒
化珪素に比べると耐熱性・耐食性が劣り,この粒界相の
量及び組成が耐摩耗性に影響を及ぼすと考えられる。本
発明の窒化珪素質焼結体は上述したように,添加したV
a・VIa族元素は高融点の珪化物として粒界に分散して
おり,希土類元素は高融点ガラスまたは結晶相として存
在する。このため,粒界相の耐熱性・耐食性が向上して
おり,耐摩耗性が優れているのである。特に,切削工具
部材として本焼結体を用いる場合,Va・VIa族元素と
してはW,Crが好ましい。
V成分とVa・VIa族元素を酸化物換算で合計1wt%〜
10wt%加えるのは,合計1wt%未満では助剤としての効
果がなく,合計10wt%を超えると粒界相が過剰となり,
又分散相(珪化物等)が均一分散せず凝集して高温強度
が低下するためである。好ましくは2〜6wt%である。
10wt%加えるのは,合計1wt%未満では助剤としての効
果がなく,合計10wt%を超えると粒界相が過剰となり,
又分散相(珪化物等)が均一分散せず凝集して高温強度
が低下するためである。好ましくは2〜6wt%である。
また,V成分及びVa・VIa族元素を酸化物換算で各々
0.5wt%〜8wt%としたのは,0.5wt%未満あるいは8wt
%を超える場合は,焼結助剤として複合添加することに
よる相乗効果が出現しないためである。好ましくは1〜
5wt%である。
0.5wt%〜8wt%としたのは,0.5wt%未満あるいは8wt
%を超える場合は,焼結助剤として複合添加することに
よる相乗効果が出現しないためである。好ましくは1〜
5wt%である。
尚,他の成分(第三成分ないしは不純物)例えばAl2
O3,Fe2O3,MgO,CaOは高温強度を低下させ
る等,支障をきたす。従って,不可避の不純物としても
1000ppmを上限とする。
O3,Fe2O3,MgO,CaOは高温強度を低下させ
る等,支障をきたす。従って,不可避の不純物としても
1000ppmを上限とする。
本発明の窒化珪素質焼結体の製造にあたり,希土類元
素,Va・VIa族元素の添加成分は,酸化物粉末として
配合される。但し,焼成時に酸化物に変化し得るもの,
たとえばそれらの塩,水酸化物であっても差支えない。
原料粉末としては窒化珪素は平均粒径1μm以下,添加
成分は平均粒径3μm以下,純度99%以上のものを用
い,特に窒化珪素粉末のα率は90%以上であることが好
ましい。又,焼結法としては,ホットプレス,熱間静水
圧プレス(HIP),雰囲気加圧焼結等を広く適用で
き,特にN2加圧雰囲気を用いた二段階焼結によって低
温で緻密化でき,かつ高温強度等に優れた窒化珪素質焼
結体を容易に製造できる。この場合,一次焼成は雰囲気
圧力10atm以下,温度1700〜1900℃(2〜6hr)の条件
下,全体に亘って開気孔が存在しなくなるまで(例えば
相対密度85%以上)行なうとよい。二次焼成は雰囲気圧
力50atm以上,温度1600℃以上(2〜4hr)の条件下で
行なうとよい。
素,Va・VIa族元素の添加成分は,酸化物粉末として
配合される。但し,焼成時に酸化物に変化し得るもの,
たとえばそれらの塩,水酸化物であっても差支えない。
原料粉末としては窒化珪素は平均粒径1μm以下,添加
成分は平均粒径3μm以下,純度99%以上のものを用
い,特に窒化珪素粉末のα率は90%以上であることが好
ましい。又,焼結法としては,ホットプレス,熱間静水
圧プレス(HIP),雰囲気加圧焼結等を広く適用で
き,特にN2加圧雰囲気を用いた二段階焼結によって低
温で緻密化でき,かつ高温強度等に優れた窒化珪素質焼
結体を容易に製造できる。この場合,一次焼成は雰囲気
圧力10atm以下,温度1700〜1900℃(2〜6hr)の条件
下,全体に亘って開気孔が存在しなくなるまで(例えば
相対密度85%以上)行なうとよい。二次焼成は雰囲気圧
力50atm以上,温度1600℃以上(2〜4hr)の条件下で
行なうとよい。
[実施例] 実施例1(焼結性) 平均粒径0.7μm,α率95%のSi3N4粉末に,平均粒
径1〜2μm,純度99.9%の希土類酸化物及び各平均粒
径1μm以下,純度99%以上のV2O5,Nb2O5,Ta
2O5,Cr2O3,MoO3,WO3の各粉末を第1表に示
す割合で配合した。乾燥した配合粉末を2ton/cm2の圧
力で10×10×50mmに静水圧プレスで成形し,下記に示す
条件で焼結を行ない窒化珪素質焼結体を得た。焼結体の
密度をアルキメデス法で測定し,相対密度を第1表に示
した。
径1〜2μm,純度99.9%の希土類酸化物及び各平均粒
径1μm以下,純度99%以上のV2O5,Nb2O5,Ta
2O5,Cr2O3,MoO3,WO3の各粉末を第1表に示
す割合で配合した。乾燥した配合粉末を2ton/cm2の圧
力で10×10×50mmに静水圧プレスで成形し,下記に示す
条件で焼結を行ない窒化珪素質焼結体を得た。焼結体の
密度をアルキメデス法で測定し,相対密度を第1表に示
した。
焼結:ガス圧焼結(二段焼結) 一次焼成:N2中 2atm−1750℃−4hr 二次焼成:N2中 100atm−1700℃−2hr 第1表に示すように焼結助剤として希土類酸化物に加
え,V2O5とVa・VIa族元素酸化物を複合添加するこ
とにより,比較例No.11〜16に示す単独添加系に対して
焼結性が向上し,1800℃以下の比較的低い焼成温度でガ
ス圧焼結(二段焼結)することにより完全な緻密焼結体
を得ることができる。また,V2O5が0.5wt%未満ある
いは8wt%を越えるとNo.17,18に示すように複合添加の
効果が現われず焼結性の向上は認められない。
え,V2O5とVa・VIa族元素酸化物を複合添加するこ
とにより,比較例No.11〜16に示す単独添加系に対して
焼結性が向上し,1800℃以下の比較的低い焼成温度でガ
ス圧焼結(二段焼結)することにより完全な緻密焼結体
を得ることができる。また,V2O5が0.5wt%未満ある
いは8wt%を越えるとNo.17,18に示すように複合添加の
効果が現われず焼結性の向上は認められない。
実施例2(特性) 実施例1と同じ原料粉末を用い,第2表に示す割合で配
合,乾燥した粉末を2ton/cm2の圧力で50×50×10mmに
静水圧プレスで成形し,以下の条件でガス圧焼結を行な
い焼結体を得た。焼結体の特性を以下の方法により測定
し,結果を第2表に示した。
合,乾燥した粉末を2ton/cm2の圧力で50×50×10mmに
静水圧プレスで成形し,以下の条件でガス圧焼結を行な
い焼結体を得た。焼結体の特性を以下の方法により測定
し,結果を第2表に示した。
(1)抗折強度:室温及び1350℃にてJIS−R1601及びJIS
−R1604に従う3点曲げ強度 (2)酸化増量:1000℃及び1350℃にて大気中各100時間酸
化後,重量増加を測定(3×4×35mm試片) 焼結:ガス圧焼結(二段焼結) 一次焼成:N2中 2atm−1750℃−4hr 二次焼成:N2中 100atm−1700℃−2hr 第2表に示すように,本発明により得られた焼結体(N
o.19〜31)は室温から1350℃にかけての強度低下が極め
て小さく,1350℃においても70kg/mm2以上の高強度を
示す。また酸化特性においても,酸化増量が1000℃,13
50℃共に0.2mg/cm2以下と非常に小さく耐酸化性に優れ
ている。一方比較例として示したNo.32〜36はV2O5と
Va・VIa族元素酸化物の複合添加の効果が無いため18
00℃以下の焼成温度では緻密化せず,強度・耐酸化性共
に本発明品に比べて劣る。一方No.37はV2O5とNb2O
5の合計が12wt%と本発明範囲の10wt%を超えるため粒
界相が過剰となり,1350℃での強度が著しく低下する。
またNo.38は希土類酸化物の添加量が多いためメリライ
ト型化合物が多く生成し,1000℃の耐酸化性が著しく劣
化し,室温・高温強度も実施例に対して劣る。
−R1604に従う3点曲げ強度 (2)酸化増量:1000℃及び1350℃にて大気中各100時間酸
化後,重量増加を測定(3×4×35mm試片) 焼結:ガス圧焼結(二段焼結) 一次焼成:N2中 2atm−1750℃−4hr 二次焼成:N2中 100atm−1700℃−2hr 第2表に示すように,本発明により得られた焼結体(N
o.19〜31)は室温から1350℃にかけての強度低下が極め
て小さく,1350℃においても70kg/mm2以上の高強度を
示す。また酸化特性においても,酸化増量が1000℃,13
50℃共に0.2mg/cm2以下と非常に小さく耐酸化性に優れ
ている。一方比較例として示したNo.32〜36はV2O5と
Va・VIa族元素酸化物の複合添加の効果が無いため18
00℃以下の焼成温度では緻密化せず,強度・耐酸化性共
に本発明品に比べて劣る。一方No.37はV2O5とNb2O
5の合計が12wt%と本発明範囲の10wt%を超えるため粒
界相が過剰となり,1350℃での強度が著しく低下する。
またNo.38は希土類酸化物の添加量が多いためメリライ
ト型化合物が多く生成し,1000℃の耐酸化性が著しく劣
化し,室温・高温強度も実施例に対して劣る。
尚,SEMによる組織観察及びX線回析を行なったとこ
ろ,添加成分のうち希土類元素は高有限ガラス又はH相
(R20N4Si12O48 R:希土類元素)として粒界に
存在し,Va族・VIa族元素は珪化物として分散して存
在していた。この珪化物はV及びVa・VIa族元素単独
の珪化物又は二種以上の元素からなる複合珪化物であっ
た。特に,Va・VIa族元素は珪化物として検出され,
他の相例えば酸化物,窒化物及びそれらの固溶体につい
ては全く認められなかった(酸化物が全て珪化物に変
換)。又,窒化珪素は,例えば短手方向1μm以下,長
手方向10μm以下の柱状結晶(β型)として存在し,粒
成長が抑制されていた。
ろ,添加成分のうち希土類元素は高有限ガラス又はH相
(R20N4Si12O48 R:希土類元素)として粒界に
存在し,Va族・VIa族元素は珪化物として分散して存
在していた。この珪化物はV及びVa・VIa族元素単独
の珪化物又は二種以上の元素からなる複合珪化物であっ
た。特に,Va・VIa族元素は珪化物として検出され,
他の相例えば酸化物,窒化物及びそれらの固溶体につい
ては全く認められなかった(酸化物が全て珪化物に変
換)。又,窒化珪素は,例えば短手方向1μm以下,長
手方向10μm以下の柱状結晶(β型)として存在し,粒
成長が抑制されていた。
実施例3(耐摩耗性) 実施例1と同じ原料粉末を用い,第3表に示す割合で配
合,乾燥した粉末を2ton/cm2の圧力で金型プレスし,
以下の条件で一次・二次焼成を行ない焼結体を作製し
た。
合,乾燥した粉末を2ton/cm2の圧力で金型プレスし,
以下の条件で一次・二次焼成を行ない焼結体を作製し
た。
得られた焼結体について,切削特性として耐摩耗性及び
耐欠損性を測定し,結果を第3表に示した。
耐欠損性を測定し,結果を第3表に示した。
以下に焼成条件及び各特性の測定方法を示す。
焼成条件 一次焼成:N2中 2atm−1750℃−4hr 二次焼成: GSP−−N2中 100atm−1700℃−2hr HIP−−N2中2000atm−1700℃−2hr ここでGPSとはガス圧焼結,HIPとは熱間静水圧焼
結を示す。
結を示す。
測定方法 (1)耐摩耗性:SNGN432,チャンファ−0.15のチップを用
い,被削材としてFC23 240mmφ×100mmLを選び,切削
速度300m/min,切込み1.5mm,送り速度0.30mm/rev,
切削長さ400mmの条件でフランク摩耗幅VBを測定 (2)耐欠損性:SNGN432,チャンファ−0.07のチップを用
い,被削材としてFC23を選び,切削速度150m/min,切
込み2.0mm,送り速度0.8mm/revの条件で,外形200mm,
厚さ11mmの円板の外側面を軸方向に切削し,欠損が生じ
るまでの円板の枚数を測定 第3表の結果から実施例(No.39〜43)の焼結体は,耐
摩耗性についてはVBが2.0mm以下,耐欠損性については
欠損が生じるまでの円板の枚数が8枚以上と切削特性に
優れたものである。これに対してNo.44はV2O5とVa
・VIa族元素酸化物の複合添加効果がないため,1800℃
以下の焼成温度では相対密度97%と緻密化せず,焼結体
中に気孔が残留しているため耐摩耗性・耐欠損性共に劣
る。また,No.45は希土類酸化物の添加量が多いため,N
o.46,47はそれぞれAl2O3,MgOが添加されている
ため、1000℃以上の耐摩耗性・耐熱が著しく劣化し、十
分緻密化しているにもかかわらず耐欠損性に劣る。
い,被削材としてFC23 240mmφ×100mmLを選び,切削
速度300m/min,切込み1.5mm,送り速度0.30mm/rev,
切削長さ400mmの条件でフランク摩耗幅VBを測定 (2)耐欠損性:SNGN432,チャンファ−0.07のチップを用
い,被削材としてFC23を選び,切削速度150m/min,切
込み2.0mm,送り速度0.8mm/revの条件で,外形200mm,
厚さ11mmの円板の外側面を軸方向に切削し,欠損が生じ
るまでの円板の枚数を測定 第3表の結果から実施例(No.39〜43)の焼結体は,耐
摩耗性についてはVBが2.0mm以下,耐欠損性については
欠損が生じるまでの円板の枚数が8枚以上と切削特性に
優れたものである。これに対してNo.44はV2O5とVa
・VIa族元素酸化物の複合添加効果がないため,1800℃
以下の焼成温度では相対密度97%と緻密化せず,焼結体
中に気孔が残留しているため耐摩耗性・耐欠損性共に劣
る。また,No.45は希土類酸化物の添加量が多いため,N
o.46,47はそれぞれAl2O3,MgOが添加されている
ため、1000℃以上の耐摩耗性・耐熱が著しく劣化し、十
分緻密化しているにもかかわらず耐欠損性に劣る。
[発明の効果] 本発明によれば,希土類酸化物と,V(バナジウム)及
びVa・VIa族元素(Nb,Ta,Cr,Mo,W)の
酸化物を適量複合添加することにより,1800℃以下の比
較的低温で緻密化可能な高温強度・耐酸化性,さらに切
削工具としての耐摩耗性の優れた窒化珪素質焼結体を提
供することができる。
びVa・VIa族元素(Nb,Ta,Cr,Mo,W)の
酸化物を適量複合添加することにより,1800℃以下の比
較的低温で緻密化可能な高温強度・耐酸化性,さらに切
削工具としての耐摩耗性の優れた窒化珪素質焼結体を提
供することができる。
特に,雰囲気加圧焼結によっても相対密度100%であっ
て,しかも1350℃の高温下においてさえ抗折強度70kg/
mm2以上,酸化増量が0.2mg/cm2以下という高水準のも
のを提供できる。
て,しかも1350℃の高温下においてさえ抗折強度70kg/
mm2以上,酸化増量が0.2mg/cm2以下という高水準のも
のを提供できる。
Claims (3)
- 【請求項1】希土類元素1種以上を酸化物換算で1〜20
wt%, VをV2O5換算で0.5〜8wt%,Nb,Ta,Cr,M
o,Wの中から1種以上を酸化物換算で0.5〜8wt%
(Va・VIa族元素の合計が酸化物換算で1〜10wt
%), 残部が窒化珪素, からなる窒化珪素質焼結体。 - 【請求項2】希土類元素酸化物(「酸化物」は熱的に酸
化物に変換し得るものを包含する。以下同じ)1種以上
を1〜20wt%(熱的に酸化物に変換し得るものについて
は酸化物換算。以下同じ),酸化バナジウムを0.5〜8w
t%,及びNb,Ta,Cr,Mo,Wの各酸化物の中
から1種以上を0.5〜8wt%(Va・VIa族元素の合計
が酸化物換算で1〜10wt%),残部が窒化珪素からなる
原料を配合,成形し, 窒素雰囲気圧力10atm以下,温度1700〜1900℃で一次焼
成し,その後同雰囲気圧力50atm以上,温度1600℃以上
で二次焼成する, ことを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。 - 【請求項3】請求項1記載の窒化珪素質焼結体を用いて
なる切削工具部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2314273A JPH0662339B2 (ja) | 1989-11-21 | 1990-11-21 | 窒化珪素質焼結体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30085189 | 1989-11-21 | ||
JP1-300851 | 1989-11-21 | ||
JP2314273A JPH0662339B2 (ja) | 1989-11-21 | 1990-11-21 | 窒化珪素質焼結体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03218973A JPH03218973A (ja) | 1991-09-26 |
JPH0662339B2 true JPH0662339B2 (ja) | 1994-08-17 |
Family
ID=26562480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2314273A Expired - Fee Related JPH0662339B2 (ja) | 1989-11-21 | 1990-11-21 | 窒化珪素質焼結体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0662339B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3933345B2 (ja) | 1999-05-21 | 2007-06-20 | 日本特殊陶業株式会社 | 発熱抵抗体及びセラミックヒータ用発熱抵抗体並びにその製造方法、及びセラミックヒータ |
JP5481137B2 (ja) * | 2008-11-21 | 2014-04-23 | 日本特殊陶業株式会社 | 窒化珪素・メリライト複合焼結体 |
-
1990
- 1990-11-21 JP JP2314273A patent/JPH0662339B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03218973A (ja) | 1991-09-26 |
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