JPH08337476A - 窒化珪素と炭化珪素の複合焼結体及びその製造方法 - Google Patents

窒化珪素と炭化珪素の複合焼結体及びその製造方法

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JPH08337476A
JPH08337476A JP8113270A JP11327096A JPH08337476A JP H08337476 A JPH08337476 A JP H08337476A JP 8113270 A JP8113270 A JP 8113270A JP 11327096 A JP11327096 A JP 11327096A JP H08337476 A JPH08337476 A JP H08337476A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた高温強度とクリープ特性とを有する窒化
珪素と炭化珪素の複合焼結体及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】窒化珪素と、炭化珪素と、窒化アルミニウ
ムとの混合粉末に、Ce2 3 、Pr2 3 、Nd2
3 、Ho2 3 、Er2 3 、Tm2 3 、Yb2 3
及びLu2 3 からなる群より選ばれる一種以上の希土
類酸化物を添加し、焼成されてなる炭化珪素と窒化珪素
の複合焼結体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化珪素と炭化珪素の複
合焼結体及びその製造方法に関し、特に優れた高温強度
を有する緻密なHIP複合焼結体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】窒化珪
素系セラミック焼結体は、高強度、高耐熱衝撃性、高耐
摩耗性等の観点から、また炭化珪素セラミック焼結体
は、高強度、高耐酸化性、 高耐摩耗性、 高硬度等の観点
から、いずれも苛酷な高温条件で使用される構造用セラ
ミックスに好適である。また最近は窒化珪素焼結体や炭
化珪素焼結体のようなモノリシック焼結体に対して、両
者の利点を合わせ持ついわゆる複合焼結体(例えば窒化
珪素粒子内に微細な炭化珪素粒子が分散したナノコンポ
ジット構造を有する複合焼結体)を得るための検討が種
々試みられている。
【0003】特開平2-160669号は、気相反応法で得られ
た非晶質の窒化珪素−炭化珪素複合粉末から、平均粒径
1μm以下の炭化珪素が粒界に分散し、かつ数ナノメー
ターから数百ナノメーターの大きさの炭化珪素の微細粒
子が窒化珪素粒子内に分散した微細構造を有する窒化珪
素−炭化珪素複合焼結体を開示している。しかし、非晶
質窒化珪素−炭化珪素複合粉末は、焼結中に分解成分が
生成され、液相焼結が進行しにくく、かつ非常に嵩高い
ため、成形性が悪い。そのため、焼結方法として実質的
にホットプレスを用いる必要があり、複雑形状の焼結体
を製造することができなかった。
【0004】特開平2-255572号は、窒化珪素粉末、炭化
珪素粉末、窒化アルミニウム粉末とイットリア粉末を混
合して、焼結することにより形成される窒化珪素/炭化
珪素焼結体を開示している。この焼結体は、β−窒化珪
素相、β−炭化珪素相、α−サイアロン相を有し、通常
の温度では高い強度を有する。しかし、この焼結体は焼
結助剤としてイットリアを使用しており1300℃以上の温
度での高温強度はまだ不十分である。また、特開平2-25
5572号はイットリア以外の希土類酸化物系の焼結助剤の
使用に関しては何も考慮していない。
【0005】特開平3-205363号は、窒化珪素粉末、炭化
珪素粉末、希土類元素化合物粉末を混合して、焼結する
ことにより形成される窒化珪素と炭化珪素の焼結体を開
示している。この焼結体の窒化珪素粒子の粒界相は実質
的に結晶相よりなっており、室温とほぼ同等の高い高温
強度を実現している。しかしながら、この焼結体は窒化
アルミニウムを含んでおらず、焼結中の僅かな温度の変
動により焼結体が緻密化しないことがあり、また緻密化
を達成するために炭化珪素の添加量を低く抑えているの
で、窒化珪素と炭化珪素との複合効果が小さいという問
題がある。
【0006】したがって本発明の目的は、優れた高温強
度を有する窒化珪素と炭化珪素の緻密な複合焼結体及び
その製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的に鑑み鋭意研
究の結果、本発明者等は、窒化珪素と炭化珪素と窒化ア
ルミニウムとの混合粉末に特定の希土類元素の酸化物を
添加し、HIP焼結すれば、優れた高温強度とクリープ
特性とを有する窒化珪素と炭化珪素の複合焼結体が得ら
れることを発見し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の窒化珪素と炭化珪素の
複合焼結体は、窒化珪素と、炭化珪素と、窒化アルミニ
ウムと、Ce2 3 、 Pr2 3 、Nd2 3 、Ho2
3、Er2 3 、Tm2 3 、Yb2 3 及びLu2
3 からなる群より選ばれた一種以上の希土類元素の酸
化物との混合物を焼結してなることを特徴とする。
【0009】また、窒化珪素と炭化珪素の複合焼結体を
製造する本発明の方法は、窒化珪素粉末と、炭化珪素粉
末と、窒化アルミニウム粉末と、Ce2 3 、 Pr2
3 、Nd2 3 、Ho2 3 、Er2 3 、Tm
2 3 、Yb2 3 及びLu2 3からなる群より選ば
れた一種以上の希土類元素の酸化物粉末とを混合し、焼
結することを特徴とする方法。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。 [1] 出発原料 (1) 窒化珪素(Si3 4 )粉末 本発明で用いる窒化珪素粉末としては、0.01〜3μm、
特に0.1 〜1.0 μmの平均粒径を有するものが好まし
い。窒化珪素粉末の添加量は、窒化珪素と炭化珪素との
合計重量を100 重量%として、60〜95重量%とするのが
好ましく、より好ましくは65〜85重量%とする。窒化珪
素粉末の添加量が95重量%を超えると(炭化珪素に対す
る窒化珪素粉末の割合が高すぎると)、炭化珪素の複合
効果がなくなるので高温強度、靱性及びクリープ特性の
向上が見られず好ましくない。窒化珪素粉末の添加量が
60重量%未満であると焼結性が低下し、緻密化が困難と
なるので好ましくない。
【0011】(2) 炭化珪素(SiC)粉末 炭化珪素粉末としては、0.01〜1μm、特に0.03〜0.8
μmの平均粒径を有するものが好ましい。好ましい炭化
珪素粉末の添加量は、窒化珪素と炭化珪素との合計重量
を100 重量%として、5〜40重量%であり、より好まし
くは15〜35重量%である。炭化珪素粉末の添加量が5重
量%未満であると、炭化珪素の複合化の効果が発揮され
ず、高温強度、靱性及びクリープ特性の向上が見られな
い。一方添加量が40重量%を超えると、焼結性が低下
し、緻密化が困難となるので好ましくない。なお、窒化
珪素粉末と炭化珪素粉末の合計の添加量は、焼結体を構
成する全粉末の量に対して70〜97.5重量%が好ましく、
より好ましくは80〜94重量%である。
【0012】(3) 窒化アルミニウム(AlN)粉末 窒化アルミニウム粉末としては、0.1 〜5μm、特に0.
5 〜3μmの平均粒径を有するものが好ましい。好まし
い窒化アルミニウムの添加量は、全粉末中の0.5 〜10重
量%であり、より好ましくは1〜5重量%である。窒化
アルミニウムの含有量が10重量%を超えると、アルミニ
ウム元素を窒化アルミニウムの形で添加したとしても、
高温強度が低下するので好ましくない。
【0013】(4) 希土類元素の酸化物 希土類元素の酸化物はCe2 3 、Pr2 3 、Nd2
3 、Ho2 3 、Er2 3 、Tm2 3 、Yb2
3 及びLu2 3 からなる群より選ばれ、好ましくはT
2 3 、Yb2 3 及びLu2 3 である。これらの
希土類元素の酸化物は単独でも二種以上を併用してもよ
い。希土類元素の酸化物の添加量(併用の場合には合計
量)は全粉末中の2〜20重量%であり、より好ましくは
5〜15重量%である。希土類元素の酸化物の含有量が20
重量%を超えると焼結体の強度が低下し、また2重量%
未満であると焼結性が低下する。希土類元素の酸化物の
平均粒径は好ましくは0.01〜5 μm、さらに好ましくは
0.5 〜2 μmである。
【0014】[2] 複合焼結体の製造方法 (1) 成形体の作製 まず、各成分を上記配合比となるように配合し、ボール
ミル、ニーダー等で十分に混合する。混合は乾式でも湿
式でも良い。湿式混合の場合には、粉末混合物に水、エ
タノール、ブタノール等、好ましくはエタノールを分散
媒体として加える。成形体の作製方法としては金型成
形、スリップキャスティング成形、射出成形等が好まし
い。射出成形の場合には適当な有機又は無機バインダー
を添加する。有機バインダーとしては、例えばエチルシ
リケート、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコ
ール(PVA)、アクリルエマルジョン、ポリウレタン
エマルジョン等が挙げられる。複雑な形状の成形体を作
製するにはスリップキャスティング成形や射出成形が好
ましい。
【0015】(2) 焼結 本発明では、ガス圧焼結やHIP等複雑な形状の部品に
対応できる焼結方法を用いることができるが、特にHI
Pで成形体を焼結するのが好ましい。HIP焼結によ
り、良好な焼結体密度を達成することができる。焼結温
度は1600〜2200℃で、好ましくは1750〜2000℃である。
焼結温度が1600℃未満であると、焼結体の緻密化が十分
ではないため強度及び靭性が低い。また焼結温度が2200
℃を超えると窒化珪素の分解が始まるので好ましくな
い。焼結は非酸化性雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲
気下で行う。このとき、雰囲気ガス圧は1〜2000kgf/cm
2 程度とするのが好ましく、焼結時間は1〜5時間程度
とするのが好ましい。また、成形体は伴粉、好ましくは
BNあるいはBNと窒化珪素との混合伴粉とともに、ル
ツボに入れて焼結するのが好ましい。ルツボはBNルツ
ボ、カーボンルツボ等、好ましくはBNルツボ、特に好
ましくはカーボンルツボと、その内部に設けられるBN
ルツボとからなる複合ルツボを用いるのが好ましい。
【0016】上記方法で得られた窒化珪素/炭化珪素複
合焼結体の結晶相は、β−窒化珪素相と、β−炭化珪素
相と、α−サイアロン相と、Ce、Pr、Nd、Ho、
Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれた一種
以上の希土類元素を含む粒界相とからなる。このうち、
各結晶相の割合(面積率)は、β−窒化珪素相が40〜93
%、β−炭化珪素相が5〜40%、α−サイアロン相が1
〜50%、粒界相が0.5〜10%であるのが好ましい。α−
サイアロン相の割合が50%を超えると、焼結体の靱性、
耐酸化性等が低下する。粒界相の割合が10%を超える
と、焼結体の高温強度が低下する。
【0017】また、この窒化珪素/炭化珪素複合焼結体
は、窒化珪素粒子内及び粒界に微細な炭化珪素粒子が分
散したいわゆるナノコンポジット構造を有する。なお、
炭化珪素粒子内に微細な窒化珪素粒子が分散しているこ
ともある。炭化珪素粒子は窒化珪素粒子より熱膨張率が
大きいため、焼結体を高温下に保持した際、窒化珪素粒
子及び粒界に圧縮応力が働くと考えられる。この圧縮応
力により高温強度が改善される。この効果は微細な炭化
珪素粒子が窒化珪素粒子の粒内及び粒界に分散している
場合に顕著である。また、窒化珪素の粒界に分散した微
細な炭化珪素粒子は、窒化珪素の粒界すべりを抑制する
くさびのような作用をすると考えられ、これにより高温
強度とクリープ特性が改善される。
【0018】上記した方法により得られた本発明の窒化
珪素/炭化珪素複合焼結体の1400℃における曲げ強度
(3 点曲げ強度)は、400 〜1200MPa、好ましくは70
0 〜1000MPaである。
【0019】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例によりさらに詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0020】実施例1〜8及び比較例1〜5 平均粒径が0.1 μmの窒化珪素粉末と、平均粒径が0.2
μmの炭化珪素粉末と、平均粒径が1μmの窒化アルミ
ニウム粉末と、平均粒径が1μmの希土類元素の酸化物
とを、表1に示す割合で秤量し、この粉末混合物300 g
をエタノール300 gと窒化珪素ボール600 gとともに2
リットルのエンジニアリングプラスチック製ポットに入
れ、エタノールを溶媒としてボールミルにより16時間混
合し、溶媒を乾燥除去して試料粉末とした。
【0021】 表1 各成分の添加量(重量%)(1) 例No. 窒化珪素 炭化珪素 窒化アルミニウム 希土類元素の酸化物 実施例1 60.8 26.0 3.0 Ce2 3 10.2 実施例2 60.8 26.0 3.0 Pr2 3 10.2 実施例3 60.6 26.0 3.0 Nd2 3 10.4 実施例4 59.7 25.6 3.0 Ho2 3 11.7 実施例5 59.6 25.6 3.0 Er2 3 11.8 実施例6 59.5 25.5 3.0 Tm2 3 12.0 実施例7 59.5 25.5 3.0 Yb2 3 12.0 実施例8 59.1 25.4 3.0 Lu2 3 12.5 比較例1 60.8 26.1 3.0 La2 3 10.1 比較例2 60.3 25.9 3.0 Sm2 3 10.8 比較例3 60.1 25.7 3.0 Gd2 3 11.2 比較例4 60.0 25.7 3.0 Tb2 3 11.3 比較例5 63.0 27.0 3.0 Y2 3 7.0 注(1) : 全粉末の合計重量に対する重量%である。
【0022】各種試料粉末を金型プレス(200 kg/c
2 )で予備成形した後、CIPで4トン/平方センチ
の等方圧を加え、30mm×50mm×6mmの成形体を作
製した。成形体4を図1に示すように伴粉3(窒化珪素
と窒化ホウ素の1:1(重量比)混合物)に埋め込むよ
うにBNルツボ2に入れ、これをさらにカーボンルツボ
1に入れて、窒素ガス中1000気圧の雰囲気下、1750℃で
HIP焼結を行い、窒化珪素/炭化珪素複合焼結体を得
た。
【0023】JIS R-1601に従って、得られた焼結体を3
mm×4mm×40mmの大きさに切断して試験片とし、
スパン30mm及びクロスヘッドスピード0.5 mm/分の
条件で、室温(25℃)、1200℃及び1400℃で3点曲げ強
度試験を行った。結果を表2に示した。破壊靱性はSE
NB(Single Edge Notched Beam)法に従って、ノッチ
深さ0.5 mm、ノッチ幅0.1 mmの条件で室温にて測定
した。クリープテストは、JIS R-1601に従った3点曲げ
によって、400 MPaの破断応力下で試験片が破断する
までの時間を1300℃で測定した。200 時間経過後におい
ても破断しなかった場合には、破断応力を600 MPaに
増加させて試験を繰り返し破断するまでの時間を測定し
た。結果はまとめて表3に示した。
【0024】 表2 3点曲げ強度(MPa) 例No. 室温 1200℃ 1400℃ 実施例1 683 526 458 実施例2 1166 921 444 実施例3 1326 985 572 実施例4 880 625 441 実施例5 937 701 478 実施例6 683 718 720 実施例7 694 740 751 実施例8 765 868 896 比較例1 (成形不可) − − 比較例2 743 496 317 比較例3 812 485 348 比較例4 804 390 293 比較例5 940 584 356
【0025】表2に示すように、本発明の範囲外の希土
類元素の酸化物を用いた比較例1〜5の試料の3点曲げ
強度は1400℃において400 Mpa未満であり、いずれも
実施例1〜8の試料より低かった。
【0026】 表3 クリープテスト(1300℃) 破壊靱性(室温) 破壊するまでの時間(hr) 例No. (MPa・m1/2 400 MPa 600 MPa 実施例1 6.5 3 − 実施例2 8.7 非破断 2 実施例3 8.9 非破断 6 実施例4 8.5 112 − 実施例5 5.0 86 − 実施例6 6.8 非破断 79 実施例7 8.0 非破断 118 実施例8 8.2 非破断 168 比較例1 (成形不可) − − 比較例2 8.3 即時破断 − 比較例3 8.0 即時破断 − 比較例4 8.2 即時破断 − 比較例5 8.6 即時破断 −
【0027】表3に示すように、本発明の範囲外の希土
類元素の酸化物を用いた比較例1〜5の試料は成形でき
ないか、成形できても1300℃におけるクリープテストで
即時破断し、いずれも実施例1〜8の試料より著しく劣
るものであった。
【0028】また、実施例8の焼結体の結晶相をXRD
解析及び電子顕微鏡で観察した結果、面積率で、β−窒
化珪素相が46%、β−炭化珪素相が29%、α−サイ
アロン相が23%、粒界相が2%であった。
【0029】次に、炭化珪素の添加量が曲げ強度及びク
リープ特性に及ぼす影響を調べるために炭化珪素の添加
量が異なる数種の焼結体について、3 点曲げ試験(1400
℃)及びクリープテスト(1300℃/600 MPa)を上記
と同様にして行った。結果を表4に示した。
【0030】 表4 3点曲げ強度 クリープテスト Si3 4 SiC Lu2 3 AlN (MPa) (hr) 84.5 0(0) (1) 12.5 3 832.0 108 80.3 4.2(5) (1) 12.5 3 870.0 127 71.8 12.7(15)(1) 12.5 3 882.0 152 59.1 25.4(30)(1) 12.5 3 896.0 168 54.9 29.6(35)(1) 12.5 3 863.0 130 50.7 33.8(40)(1) 12.5 3 792.0 110 42.3 42.2(50)(1) 12.5 3 緻密化不良 − 注(1) : 窒化珪素粉末と炭化珪素粉末の合計重量に対する重量%である。
【0031】表4から明らかなように、炭化珪素の添加
量が本発明の範囲の上限(窒化珪素粉末と炭化珪素粉末
の合計重量に対して40重量%)を超えると、焼結性が
低下し緻密化しなかった。一方、炭化珪素の添加量が本
発明の範囲の下限(窒化珪素粉末と炭化珪素粉末の合計
重量に対して5重量%)より少ないと、炭化珪素の添加
による効果が得られず、高温強度は炭化珪素を添加しな
い場合と比べて改善されなかった。また、クリープテス
トの結果から明らかなように、炭化珪素を窒化珪素粉末
と炭化珪素粉末の合計重量に対して5〜40重量%添加
すると、得られた複合焼結体のクリープ特性が顕著に改
善された。
【0032】
【発明の効果】上記の通り、本発明の窒化珪素/炭化珪
素複合焼結体は、窒化珪素と炭化珪素と窒化アルミニウ
ムと特定の希土類元素の酸化物からなり、HIP焼結に
よって窒化珪素粒子内及び粒界に微細な炭化珪素粒子が
分散し、場合によっては、炭化珪素粒子内に微細な窒化
珪素粒子が分散することもあるナノコンポジット構造を
有し、β−窒化珪素相、β−炭化珪素相、α−サイアロ
ン相、及び特定の希土類元素を含む粒界相からなる結晶
相を有する。このため、本発明の複合焼結体は優れた高
温強度とクリープ特性とを有する。さらに、炭化珪素粒
子が結晶粒の成長を抑制するので本発明の複合焼結体の
クリープ強度が向上する。このような特性を有する窒化
珪素/炭化珪素複合焼結体は、高温下で使用する自動車
のエンジン部材、ローター、シュラウドノズル等のガス
タービン部材、各種の工具及び摺動部材等に好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒化珪素/炭化珪素複合焼結体の製造
に用いるHIP焼結用ルツボを概略的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・カーボンルツボ 2・・・BNルツボ 3・・・伴粉 4・・・成形体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素と炭化珪素の複合焼結体におい
    て、窒化珪素と、炭化珪素と、窒化アルミニウムと、C
    2 3 、 Pr2 3 、Nd2 3 、Ho2 3 、Er
    2 3 、Tm2 3 、Yb2 3 及びLu2 3 からな
    る群より選ばれた一種以上の希土類元素の酸化物とを焼
    成してなることを特徴とする複合焼結体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の窒化珪素と炭化珪素の
    複合焼結体において、前記複合焼結体の結晶相はβ−窒
    化珪素相と、β−炭化珪素相と、α−サイアロン相と、
    Ce、Pr、Nd、Ho、Er、Tm、Yb及びLuか
    らなる群より選ばれた一種以上の希土類元素を含む粒界
    相とからなることを特徴とする複合焼結体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の窒化珪素と炭化珪素の
    複合焼結体において、前記各結晶相の割合が面積率でβ
    −窒化珪素相が40〜93%、β−炭化珪素相が5〜4
    0%、α−サイアロン相が1〜50%、粒界相が0.5
    〜10%であるることを特徴とする複合焼結体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の窒化珪
    素と炭化珪素の複合焼結体において、前記複合焼結体の
    1400℃における曲げ強度が少なくとも400 MPaである
    ことを特徴とする複合焼結体。
  5. 【請求項5】 窒化珪素と炭化珪素の複合焼結体の製造
    方法において、窒化珪素粉末と、炭化珪素粉末と、窒化
    アルミニウム粉末と、Ce2 3 、 Pr2 3、Nd2
    3 、Ho2 3 、Er2 3 、Tm2 3 、Yb2
    3 及びLu2 3 からなる群より選ばれた一種以上の希
    土類元素の酸化物の粉末とを混合し、焼結することを特
    徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の窒化珪素と炭化珪素の
    複合焼結体の製造方法において、窒化珪素と炭化珪素と
    の合計を100 重量%として、前記炭化珪素の含有量を5
    〜40重量%とし、全粉末中の前記窒化アルミニウムの含
    有量を0.1 〜10重量%とし、全粉末中の前記希土類元素
    の酸化物の含有量を2〜20重量%とすることを特徴とす
    る方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の窒化珪素と炭化
    珪素の複合焼結体の製造方法において、1600〜2200℃で
    HIP焼結することを特徴とする方法。
JP11327096A 1995-04-12 1996-04-10 窒化珪素と炭化珪素の複合焼結体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4070254B2 (ja)

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