JPH0753256A - アルミナ質複合焼結体及びその製造方法 - Google Patents

アルミナ質複合焼結体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0753256A
JPH0753256A JP5217087A JP21708793A JPH0753256A JP H0753256 A JPH0753256 A JP H0753256A JP 5217087 A JP5217087 A JP 5217087A JP 21708793 A JP21708793 A JP 21708793A JP H0753256 A JPH0753256 A JP H0753256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina
powder
sintered body
based composite
silicon carbide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5217087A
Other languages
English (en)
Inventor
Kyoichi Ichinoseki
共一 一ノ関
Shunzo Shimai
駿蔵 島井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Ceramics Co Ltd filed Critical Toshiba Ceramics Co Ltd
Priority to JP5217087A priority Critical patent/JPH0753256A/ja
Publication of JPH0753256A publication Critical patent/JPH0753256A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化珪素を含有し、高強度を有し、且つ、耐
磨耗性に優れるアルミナ質複合焼結体及びその製造方法
の提供。 【構成】 アルミナを主成分とする組成物の焼結体であ
って、炭化珪素を0.5〜15重量%含有すると共に、
SiO2 、MgO、CaO、TiO2 、Y23及びC
23 からなる酸化物群から選ばれた少なくとも1つ
の酸化物とSi34 、AlN及びTiNからなる窒化
物群から選ばれた少なくとも1つの窒化物とから形成さ
れるサイアロン相を有することを特徴とするアルミナ質
複合焼結体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミナ質複合焼結体及
びその製造方法に関し、更に詳しくは、主成分アルミナ
に、炭化珪素、及び酸化物と窒化物とから形成されるサ
イアロン相を均質に含有する高強度で、耐摩耗性に優れ
るアルミナ質複合焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミナ質焼結体は、耐熱性、耐薬品
性、機械的性質に優れ、従来から機械部品等の構造材料
や耐摩耗材料として広く利用されている。一方、その機
械的強度や耐摩耗性は、窒化ケイ素焼結体に比較すると
十分でなく、耐久性に優れる等の高性能が要求される機
械部品には使用されていないのが現状である。一方、各
種セラミックスの中でも窒化ケイ素焼結体は、高温高強
度、耐蝕性、耐摩耗性、且つ、熱衝撃性に優れ、各種の
機械部品材料、特に、高性能を要求される場合のセラミ
ック材料としては最も重要視されているものといえる。
しかしながら、窒化ケイ素は、焼結しにくく機械部品材
料用の良好な焼結体を得るためには、窒化ケイ素原料粉
末の粒径等を厳密に制御したり、焼結助剤の種類や添加
量を種々選択する必要があり製造が煩雑となり、更にア
ルミナに比して高価である。
【0003】そのため、従来から、過酷な条件での使用
が余儀なくされるような機械部品を除いては、古くから
広く使われ入手も容易で、且つ、物性的に安定で、経費
的にも安価であり工業性に富むアルミナ焼結体の物性を
改良して使用しようとする試みが行われている。例え
ば、炭化珪素の繊維やウイスカーを添加して高温強度や
靭性を向上させたアルミナ複合材料が提案されたり、ま
た、特開昭61−21965号公報には、炭化珪素、更
に、要すれば無機酸化物を含有させ、熱伝導性を改良し
たアルミナ質焼結体が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案の炭化珪素の繊維やウイスカー添加のアルミナ質焼結
体は、炭化珪素繊維やウイスカーの均一な分散が難しく
強度や靭性の改良が不均一となる。また、炭化珪素の粉
末を添加したアルミナ質焼結体においては、焼結性が悪
くなり常圧焼結では緻密化が不十分になり、強度及び耐
磨耗性を向上することができない。更に、緻密化を促進
するため助剤として酸化物粉末を添加して易焼結化した
場合でも粒界相の硬度が低下するため、十分な強度と耐
磨耗性の向上を図ることは難しかった。本発明は、上記
従来法の現状に鑑み、十分な強度、特に高温強度を有
し、且つ、耐磨耗性に優れるアルミナ質複合焼結体及び
その製造方法を提供することを目的とする。発明者ら
は、上記目的のため、アルミナ粉末に炭化珪素粉末を添
加し均一に分散させると共に、原料混合粉末を易焼結性
化して焼結温度を低下させアルミナ結晶成長を抑制し強
度を向上させ、且つ、粒界相の高硬度化を図ることがで
きる焼結助剤について鋭意検討した結果、本発明を完成
した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、アルミ
ナを主成分とする組成物の焼結体であって、炭化珪素を
0.5〜15重量%含有すると共に、SiO2 、Mg
O、CaO、TiO2 、Y23 及びCr23 からな
る酸化物群から選ばれた少なくとも1つの酸化物とSi
34 、AlN及びTiNからなる窒化物群から選ばれ
た少なくとも1つの窒化物とから形成されるサイアロン
相を有することを特徴とするアルミナ質複合焼結体が提
供される。
【0006】また、主成分のアルミナ粉末、0.5〜1
5重量%の炭化珪素粉末、並びに、SiO2 、MgO、
CaO、TiO2 、Y23 及びCr23 からなる酸
化物群から選ばれた少なくとも1つの酸化物粉末とSi
34 、AlN及びTiNからなる窒化物群から選ばれ
た少なくとも1つの窒化物粉末との焼結助剤粉末からな
る混合組成物粉末を原料として成形体を形成し、該成形
体を1350〜1850℃、不活性ガス雰囲気、還元ガ
ス雰囲気または真空中、常圧下にて焼結することを特徴
とするアルミナ質複合焼結体の製造方法が提供される。
【0007】更に、好ましくは、前記酸化物及び窒化物
を組合せた焼結助剤の総含有量が1〜15重量%となる
ように配合することにより、嵩密度が理論密度の97.
5%以上のアルミナ質複合焼結体が提供される。また、
好ましくは、前記混合組成物粉末のアルミナ粉末の平均
粒径を0.05〜10μm、炭化珪素粉末の平均粒径を
1.0μm以下とすることにより、焼結体中のアルミナ
の平均結晶粒径が10μm以下に、且つ、炭化珪素の平
均結晶粒径が2.0μm以下であるアルミナ質複合焼結
体が提供される。更にまた、本発明のアルミナ質複合焼
結体の製造方法において、上記混合組成物粉末から成形
した成形体をアルミナ及び/または炭化珪素の粉末中に
埋設して常圧焼結する方法が提供される。
【0008】
【作用】本発明のアルミナ質複合焼結体は、上記のよう
に構成され原料アルミナ粉末に、炭化珪素を粉末状で添
加して均一分散混合を図り、マトリックスのアルミナの
結晶成長を均等に抑制して、アルミナ質焼結体全体が均
質化されると共に、曲げ強度にばらつきが生じることが
ない。また、酸化物及び窒化物との組合せからなる焼結
助剤を配合したことにより、炭化珪素を添加して分散さ
せるにも拘らず、低温焼結が可能となりアルミナ結晶成
長を抑制できると同時に、高硬度なサイアロン質の粒界
相を形成させることができるため、粒界相の低硬度化が
防止され、高強度を有し且つ耐磨耗性に優れるアルミナ
質複合焼結体を得ることができる。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のアルミナ質複合焼結体の主成分を構成するアルミ
ナは、高温での安定性に優れるα型結晶構造であり、そ
の平均粒径は10μm以下が好ましい。焼結体中のアル
ミナ粒子の平均粒径が10μmを超えると強度が著しく
低下するためである。一方、本発明において、上記主成
分アルミナに均一に分散される炭化珪素はα型でもβ型
でもよい。いずれの結晶構造でも高温安定で高硬度を有
するためである。また、その平均粒径は2.0μm以下
が好ましい。焼結体中の炭化珪素粒子の平均粒径が2.
0μmを超えると緻密化を阻害し、アルミナ結晶の粒成
長抑制効果がない。本発明のアルミナ質複合焼結体は、
炭化珪素を0.5〜15重量%分散含有する。アルミナ
質複合焼結体中の炭化珪素含有量が15重量%を超える
と、十分な緻密質焼結体が得られない。また、0.5重
量%未満ではアルミナ結晶粒が成長し耐磨耗性が低いた
めである。
【0010】本発明のアルミナ質複合焼結体では、上記
アルミナと炭化珪素の他、酸化物及び窒化物の組合せか
らなる焼結助剤から形成されるサイアロン相を有する。
サイアロン相を形成する酸化物としては、SiO2 、M
gO、CaO、TiO2 、Y23 及びCr23 の1
種または2種以上を選択することができる。通常、Si
2 、MgOまたはCaOが使用される。一方、窒化物
としては、Si34、AlN及びTiNの窒化物の1
種または2種以上を選択することができる。通常、Si
34 が用いられる。本発明の上記2種類の化合物を組
合せた焼結助剤で形成されるサイアロン相は、アルミナ
質複合焼結体の粒界相に形成されるため、粒界相硬度が
増大し焼結体の耐磨耗性が向上する。従来法の窒化珪素
及び酸化物焼結助剤を添加して得たアルミナ質複合焼結
体に比し十分な強度と耐磨耗性を得ることができる。ま
た、本発明のアルミナ質複合焼結体は上記組成で構成さ
れ、嵩密度が理論密度の97.5%以上のものが好まし
い。嵩密度が97.5%未満では強度及び耐磨粍が適用
目的によって十分でなくなるおそれがある。
【0011】次に、本発明のアルミナ質複合焼結体の製
法を説明する。本発明において、先ず原料粉末のα型ア
ルミナ粉末、αまたはβ型の炭化珪素粉末、SiO2
MgO、CaO、TiO2 、Y23 及びCr23
1種または2種以上の酸化物と、Si34 、AlN及
びTiNの1種または2種以上の窒化物とからなる焼結
助剤の粉末をそれぞれ所定量秤量した後、混合粉砕し
て、混合組成物粉末を調合する。本発明で用いられるα
型アルミナ原料粉末は、その平均粒径が0.05〜10
の範囲のものが好ましい。平均粒径が0.05未満であ
ると十分な分散が難しく凝集する傾向があり、一方、1
0μmを超えると得られるアルミナ質複合焼結体でのア
ルミナ結晶粒子の平均粒径が10μmを超えるため、上
記したように強度が低下して好ましくない。また、炭化
珪素粉末粒子は、その平均粒径が1.0μm以下のもの
が好ましい。平均粒径が1.0μm以上であると緻密化
を阻害する上、アルミナ結晶の粒成長抑制効果がない。
【0012】本発明の焼結助剤は、上記のように酸化物
及び窒化物との組合せで用いる。焼結助剤に窒化物を含
まない場合には、粒界相にサイアロンを生成することが
できず粒界相硬度が不足し、得られる焼結体の耐磨耗性
が低下し好ましくない。また、焼結助剤の酸化物及び窒
化物粉末の平均粒径は1.0μm以下が好ましい。1.
0μmを超えるとサイアロンの分布が不均一となるため
である。上記各粉末の混合比率は、アルミナ、炭化珪
素、酸化物と窒化物とからなる組合せ焼結助剤の各成分
が、アルミナ質複合焼結体において上記比率となるよう
に調整する。即ち、混合粉砕後の調合混合粉末におい
て、炭化珪素粉末が0.5〜15重量%、焼結助剤粉末
が1〜15重量%含有されるように調整するのが好まし
い。炭化珪素粉末含有量が15重量%を超えると、得ら
れるアルミナ質複合焼結体が十分緻密化されないためで
ある。また、0.5重量%未満ではアルミナ結晶粒の成
長抑制の効果がなく耐磨耗性の向上が認められない。ま
た、焼結助剤総量が1重量%未満では易焼結化の効果が
少なく、15重量%を超えて添加しても15重量%添加
時の易焼結化より促進されず、却って焼結時のガス発生
や、ガラス相の増加によるアルミナ結晶粒成長等によ
り、焼結体の強度が低下する傾向があり好ましくない。
【0013】上記した各原料粉末の混合粉砕はボ−ルミ
ル、アトリッションミル等により乾式または湿式で行う
ことができる。湿式混合粉砕は、溶媒として水系及び有
機系溶媒のいずれもが使用可能である。湿式混合粉砕に
おいて、要すれば溶媒に相応するPVA(ポリビニルア
ルコール)、PVAc(ポリ酢酸ビニル)等のバインダ
−を使用することができる。次いで、調合した混合組成
物粉末を用い、加圧成形等公知の各種成形方法で目的と
するの成形体を形成することができる。この場合、湿式
混合粉砕でバインダ−を添加して得た調合混合粉末は、
特に、射出成形で、または造粒後、金型成形等により成
形するのが好ましい。得られた成形体は、脱脂後、不活
性ガス雰囲気、還元雰囲気または真空下で、約1350
〜1850℃、好ましくは1550〜1700℃で常圧
焼結して、緻密質のアルミナ質複合焼結体を得る。焼結
温度1350℃未満では常圧焼結によって緻密化せず、
1850℃を超えた温度ではガス成分発生によるポアの
増加と結晶粒成長により強度が低下するため好ましくな
い。また、大気中焼結では炭化珪素が酸化されガス発生
が生じ、緻密化しない。また、本発明の焼結は、好まし
くは成形体を、アルミナ、炭化珪素またはアルミナ及び
炭化珪素混合物の粉末中に埋設して行うことができる。
特に、水素ガス雰囲気中や真空中での焼成の場合に好適
である。上記のようにして得られた焼結体は、α型アル
ミナ結晶質が主成分であって、炭化珪素結晶が均質に分
散され、且つ、粒界にサイアロン相が形成される。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるも
のでない。 実施例1〜3 平均粒径0.3μmのα型アルミナ粉末、焼結助剤とし
て平均粒径1.5μmのSiO2 粉末及び平均粒径0.
6μmのSi34 粉末、平均粒径0.3μmのα型S
iC(炭化珪素)を、表1に示した配合比率でそれぞれ
混合した。得られた混合粉末にアルコール溶媒とバイン
ダーを添加し、アルミナポット及びアルミナボールを用
いて混合粉砕した後、乾燥し、更に#60篩で整粒し
て、混合組成物粉末を得た。得られた各混合組成物粉末
を用い、1トン/cm2 で金型形成して、成形体をそれ
ぞれ得た。次いで各成形体を脱脂後、窒素雰囲気下、常
圧で1600℃で焼結し、焼結体をそれぞれ得た。各焼
結体について、嵩密度を水中法で、硬度をビッカース硬
度計で、曲げ強さを3点試験法でそれぞれ測定した。そ
の結果を、表1に示した。なお、表中の嵩密度は理論密
度に対する比率(%)で示した(以下、同じ)。また、
サンドブラスト試験機により磨粍試験を行った。即ち、
#200のダイヤモンドホイールにより平面研削した各
焼結体から切出した試料に#60のSiC砥粒を所定時
間吹きつけを磨粍体積を測定した。その結果を表1に示
した。更に、焼結助剤のSiO2 /Si34 比を実施
例1〜2及び比較例1〜2と同様にし、総量を30重量
%として別途試料を作製し、サイアロン相の標準試料と
し、X線回折で各焼結体のサイアロン相の有無を測定し
た。その結果を表1に示した。
【0015】比較例1〜2 焼結助剤を表1に示したようにSiO2 またはSi3
4 の単独で添加した以外は、実施例1と同様にして焼結
体を作製した。得られた各焼結体について、実施例1と
同様に、嵩密度、硬度、曲げ強さ、磨粍試験及びサイア
ロン相の有無をそれぞれ測定した。その結果を、表1に
示した。上記実施例及び比較例より明らかなように、酸
化物及び窒化物との組合せの焼結助剤を用いた場合に
は、酸化物または窒化物の単独の焼結助剤に比し、焼結
体の硬度、曲げ強さ及び耐磨粍性が著しく向上すること
が分かる。一方、特に、窒化物のみの焼結助剤では嵩密
度も低下し、曲げ強度及び耐磨粍性が極めて劣ってい
る。
【0016】
【表1】
【0017】実施例4〜7 実施例1で用いた粉末と同一のアルミナ粉末、焼結助剤
としてSiO2 粉末及びSi34 粉末、α型SiC
(炭化珪素)を、それぞれ用いて表2に示した配合比率
でそれぞれ混合し、表2に示したように焼結温度を変え
た以外は実施例1と同様にして焼結して、焼結体を得
た。得られた各焼結体について、実施例1と同様に、嵩
密度、硬度、曲げ強さ及び磨粍体積をそれぞれ測定し
た。その結果を、表2に示した。また、平均結晶粒径を
鏡面研磨面を熱燐酸によりエッチングして測定した結果
を、それぞれ表2に示した。表2、後記する比較例3〜
5及び表3から、本発明のアルミナ複合焼結体が窒化ケ
イ素に匹敵する嵩密度、硬度、曲げ強さ及び耐磨粍性を
有することが分る。一方、炭化珪素を含有しない場合
は、結晶粒径が大きく曲げ強さが低下することが分か
る。また、炭化珪素含有量が20重量%となると、結晶
成長は抑制されるが、硬度及び嵩密度が低く、曲げ強さ
及び耐磨粍性が著しく劣ることが分る。
【0018】
【表2】
【0019】比較例3〜5 SiCの添加量を表2に示したように、0及び20重量
%とした以外は、実施例4と同様にして焼結体を得た。
得られた各焼結体について、実施例1と同様に、嵩密
度、硬度、曲げ強さ、磨粍体積及び平均結晶粒径をそれ
ぞれ測定し、その結果を表3に示した。また、Si3
4 単独焼結体について、同様に、嵩密度、硬度、曲げ強
さ、磨粍体積及び平均結晶粒径をそれぞれ測定しその結
果を表3に示した。
【0020】
【表3】
【0021】実施例8〜10 焼結助剤として平均粒径1.5μmのSiO2 粉末と平
均粒径0.6μmのSi34 粉末の組合せの代わり
に、平均粒径1.5μmのSiO2 と平均粒径0.9μ
mのAlN(実施例8)、平均粒径1.0μmのMgO
と平均粒径0.6μmのSi34 (実施例9)、及び
平均粒径2.0μmのCaOと平均粒径0.6μmのS
34 (実施例10)の組合せを用い、それぞれ酸化
物を3重量%と窒化物を1重量%添加した以外は、実施
例1と同様にして焼結体を得た。得られた各焼結体につ
いて、実施例1と同様に、嵩密度、硬度、曲げ強さをそ
れぞれ測定し、その結果を表4に示した。
【0022】
【表4】
【0023】実施例11〜12 実施例1で用いた粉末と同一のアルミナ粉末、焼結助剤
としてSiO2 粉末及びSi34 粉末、α型SiC
(炭化珪素)を、それぞれ用いて表5に示した配合比率
でそれぞれ混合した以外は実施例1と同様にして焼結し
て、焼結体を得た。得られた各焼結体について、実施例
1と同様に、嵩密度、硬度及び曲げ強さをそれぞれ測定
した。その結果を表5に示した。
【0024】比較例6〜7 焼結助剤のSiO2 及びSi34 を添加しない(比較
例6)か、総添加量が20重量%(比較例7)とした以
外は、実施例11と同様にして焼結体を得た。得られた
各焼結体について、実施例1と同様に、嵩密度、硬度及
び曲げ強さをそれぞれ測定した。その結果を表5に示し
た。下記表5から明らかなように、酸化物と窒化物との
組合せ焼結助剤を用いない場合及びその含有量が15重
量%を超える場合は、嵩密度、硬度及び曲げ強さが低い
ことが分る。
【0025】
【表5】
【0026】実施例13〜15及び比較例8〜9 実施例1で調製した混合組成物粉末を用い、表6に示し
たように焼結温度を1300〜1900℃に変化させた
以外は、実施例1と同様にして焼結体を得て、嵩密度、
硬度及び曲げ強さをそれぞれ測定した。その結果を表6
に示した。この結果、表6から明らかなように、焼結温
度が1350〜1850℃の範囲外であると、嵩密度、
硬度及び曲げ強さのいずれもが低下し、特に、曲げ強さ
は著しく低下することが分かる。
【0027】
【表6】
【0028】実施例16〜19及び比較例10 原料粉末のα型SiCの平均粒径を表7に示したように
変化させた以外は、実施例1と同様にして焼結体を得
て、嵩密度、硬度及び曲げ強さをそれぞれ測定した。ま
た、実施例4と同様にして結晶粒径を測定した。その結
果を、表7に示した。この結果、表7から明らかなよう
に、SiC粉末の平均粒径が0.1〜2μmであれば、
嵩密度、硬度及び曲げ強さが高いのに比し、平均粒径が
5μmのSiC粉末を用いた焼結体は、結晶粒径が大き
く、嵩密度及び硬度が低下し、特に、曲げ強さは著しく
低下することが分かる。
【0029】
【表7】
【0030】実施例20〜24及び比較例11 焼結雰囲気を表8に示したように変化させた以外は、実
施例1と同様にして焼結し、また、実施例22及び24
は、成形体をアルミナ及びSiC粉末をそれぞれ50重
量%ずつ配合した混合粉末中に埋設して焼結させ、それ
ぞれ焼結体を得た。得られた焼結体の嵩密度及び硬度を
それぞれ測定した。その結果を、表8に示した。この結
果、表8から明らかなように、大気中で焼結した場合
は、焼結体の嵩密度及び硬度が低下することが分かる。
【0031】
【表8】
【0032】
【発明の効果】本発明のアルミナ質複合焼結体は、従来
の酸化物焼結助剤を用いた炭化珪素添加のアルミナ質複
合焼結体に比し、炭化珪素が均一且つ均質に分散される
と共に粒界にサイアロン相が形成され、硬度及び曲げ強
さに優れ、特に耐磨粍性が著しく改善され、窒化珪素に
匹敵する耐磨粍性を有する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナを主成分とする組成物の焼結体
    であって、炭化珪素を0.5〜15重量%含有すると共
    に、SiO2 、MgO、CaO、TiO2 、Y23
    びCr23 からなる酸化物群から選ばれた少なくとも
    1つの酸化物とSi34 、AlN及びTiNからなる
    窒化物群から選ばれた少なくとも1つの窒化物とから形
    成されるサイアロン相を有することを特徴とするアルミ
    ナ質複合焼結体。
  2. 【請求項2】 前記焼結体の嵩密度が理論密度の97.
    5%以上である請求項1記載のアルミナ質複合焼結体。
  3. 【請求項3】 前記サイアロン相を形成する酸化物及び
    窒化物の総含有量が1〜15重量%である請求項1また
    は2記載のアルミナ質複合焼結体。
  4. 【請求項4】 前記焼結体におけるアルミナの平均結晶
    粒径が10μm以下、且つ、炭化珪素の平均結晶粒径が
    2.0μm以下である請求項1、2または3記載のアル
    ミナ質複合焼結体。
  5. 【請求項5】 主成分のアルミナ粉末、0.5〜15重
    量%の炭化珪素粉末、並びに、SiO2 、MgO、Ca
    O、TiO2 、Y23 及びCr23 からなる酸化物
    群から選ばれた少なくとも1つの酸化物粉末とSi3
    4 、AlN及びTiNからなる窒化物群から選ばれた少
    なくとも1つの窒化物粉末との焼結助剤粉末からなる混
    合組成物粉末を原料として成形体を形成し、該成形体を
    1350〜1850℃、不活性ガス雰囲気、還元ガス雰
    囲気または真空中、常圧下にて焼結することを特徴とす
    るアルミナ質複合焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記混合組成物粉末におけるアルミナ粉
    末の平均粒径が0.05〜10μm、且つ、炭化珪素粉
    末の平均粒径が1.0μm以下である請求項5記載のア
    ルミナ質複合焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記焼結助剤の総含有量が1〜15重量
    %である請求項5または6記載のアルミナ質複合焼結体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 該成形体をアルミナ及び/または炭化珪
    素の粉末中に埋設して焼結する請求項5、6または7記
    載のアルミナ質複合焼結体の製造方法。
JP5217087A 1993-08-09 1993-08-09 アルミナ質複合焼結体及びその製造方法 Pending JPH0753256A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5217087A JPH0753256A (ja) 1993-08-09 1993-08-09 アルミナ質複合焼結体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5217087A JPH0753256A (ja) 1993-08-09 1993-08-09 アルミナ質複合焼結体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0753256A true JPH0753256A (ja) 1995-02-28

Family

ID=16698635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5217087A Pending JPH0753256A (ja) 1993-08-09 1993-08-09 アルミナ質複合焼結体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0753256A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008026641A1 (fr) * 2006-08-30 2008-03-06 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Matériau fritté composite à base d'oxyde d'aluminium et insert de découpage
CN104985312A (zh) * 2015-08-07 2015-10-21 江苏塞维斯数控科技有限公司 用于空气等离子切割机的刀具
KR20180120052A (ko) * 2017-04-25 2018-11-05 한국기계연구원 알루미나-실리콘카바이드 복합체의 상압 소결 방법
CN110294623A (zh) * 2019-05-09 2019-10-01 山东鲁铭高温材料股份有限公司 一种干熄焦焦罐用高抗热震耐磨预制件及其制备方法
CN110550923A (zh) * 2019-10-10 2019-12-10 马鞍山海华耐磨材料科技有限公司 一种用于提高铸件使用寿命的耐磨组合材料

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008026641A1 (fr) * 2006-08-30 2008-03-06 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Matériau fritté composite à base d'oxyde d'aluminium et insert de découpage
EP2058287A1 (en) * 2006-08-30 2009-05-13 NGK Sparkplug Co., Ltd. Aluminum oxide-based composite sintered material and cutting insert
EP2058287A4 (en) * 2006-08-30 2011-01-19 Ngk Spark Plug Co COMPOSITE INTERMEDIATE BASED ON ALUMINUM OXIDE AND CUTTING INSERT
US7951737B2 (en) 2006-08-30 2011-05-31 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Aluminum oxide-based composite sintered body and cutting insert
CN104985312A (zh) * 2015-08-07 2015-10-21 江苏塞维斯数控科技有限公司 用于空气等离子切割机的刀具
KR20180120052A (ko) * 2017-04-25 2018-11-05 한국기계연구원 알루미나-실리콘카바이드 복합체의 상압 소결 방법
CN110294623A (zh) * 2019-05-09 2019-10-01 山东鲁铭高温材料股份有限公司 一种干熄焦焦罐用高抗热震耐磨预制件及其制备方法
CN110550923A (zh) * 2019-10-10 2019-12-10 马鞍山海华耐磨材料科技有限公司 一种用于提高铸件使用寿命的耐磨组合材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0699174B1 (en) Sintered self-reinforced silicon nitride
Zhou et al. Tailoring the mechanical properties of silicon carbide ceramics by modification of the intergranular phase chemistry and microstructure
JP2507479B2 (ja) SiC−Al▲下2▼O▲下3▼複合焼結体及びその製造法
JPH0753256A (ja) アルミナ質複合焼結体及びその製造方法
JP2690571B2 (ja) ジルコニア系切削工具とその製造法
JP2997320B2 (ja) 繊維強化セラミックス
JPH09165264A (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
JPH08319168A (ja) サイアロンセラミックスの製造方法
JPH10279360A (ja) 窒化珪素質構造部品およびその製造方法
JPH066512B2 (ja) 高靭性窒化ケイ素焼結体及びその製造方法
JPH07291722A (ja) セラミックス焼結体の製造方法
JP2794121B2 (ja) 繊維強化セラミックス
JP2794122B2 (ja) 繊維強化セラミックス
JPH0517210A (ja) アルミナ基複合焼結体の製造方法及びアルミナ基複合焼結体
JPH0840776A (ja) Si3N4/BNを基にした焼結された物質及びそれらの製造方法
JPH1017365A (ja) 炭化珪素質焼結体およびその製造方法
JPH04104944A (ja) Al↓2O↓3―SiC―ZrO↓2複合焼結体
JPH05178669A (ja) 窒化ケイ素焼結体の製造方法
KR910002077B1 (ko) Si_3N_4- Al_2O_3 복합소결체 및 그 제조방법
JP2671539B2 (ja) 窒化珪素焼結体の製造方法
JP4385122B2 (ja) α−サイアロン焼結体の製造方法およびα−サイアロン焼結体
JPH05339061A (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製造方法
JPH01157466A (ja) 切削工具用窒化ケイ素焼結体
JPH07172925A (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製造方法
JPH0523921A (ja) 切削工具用窒化珪素質焼結体