JPH0948995A - イミノジスクシネート類を含有する洗剤およびクリーナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 イミノジスクシネート類を含有する洗剤およ
びクリーナー。 【解決手段】 繰り返すこはく酸単位および／またはそ
れの可溶塩を含む少なくとも１種のポリマーと特に式 ［式中、Ｒ，Ｒ_１は、互いに独立して、ＨまたはＯＨを
表し、Ｒ_２，Ｒ_３，Ｒ_４，Ｒ_５は、互いに独立して、カ
チオン、水素またはアルカリもしくはアンモニウムイオ
ンを表す］で表されるイミノジスクシネート類の組み合
わせは洗剤またはクリーナーの特性を改良する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、繰り返すこはく酸単位を含むポ
リマー類とイミノジスクシネート誘導体の組み合わせお
よびこの組み合わせを含有する洗剤またはクリーナーに
関する。

【０００２】最近の数年に渡って、無燐洗剤の使用が増
えてきたことで新規な洗剤用混和剤の開発が影響を受け
た。実際に使用される燐酸塩代替物は特にゼオライト
類、層シリケート類、およびゼオライト類と、アルカリ
金属のケイ酸塩、アルカリ金属の炭酸塩および重合体ポ
リカルボン酸塩との混合物である。加うるにまた錯化
剤、例えばニトリロトリ酢酸（ＮＴＡ）、エチレンジア
ミンテトラ酢酸（ＥＤＴＡ）およびホスホン酸、例えば
ＨＥＤＰなどの塩も用いられる。上記錯化剤（これは多
くの場合選択的に働く）の目的は、洗濯過程に悪影響を
与える重金属イオンを除去すること（Ｕｌｌｍａｎｎ
１９８７、８／３巻（５１−３５４）参照）と、スケー
ルの付着および生地の灰色化（これはカルシウム塩が難
溶なことによる）に対抗することにある（Ｍ．Ｐａｌａ
ｄａｎｉｎｉ、Ｇ．Ｓｃｈｎｏｒｂｕｓ、「Ｓｅｉｆｅ
ｎ−ｏｅｌｅ−Ｆｅｔｔｅ−Ｗａｃｈｓｅ」、１１５、
５０８−５１１（１９８９））。

【０００３】ヨーロッパ特許出願公開第２９１，８６９
号には、重合体ポリカルボン酸塩、アミノアルカンポリ
ホスホン酸塩、１−ヒドロキシエタン−１，１−ジホス
ホン酸塩（ＨＥＤＰ）およびゼオライトを含有する無燐
混和剤組み合わせが記述されており、この最初の３つの
化合物を特定の重量比で用いると繊維へのスケール付着
を相乗的に防止することが可能になる。

【０００４】ドイツ特許出願公開第４，０２４，５５２
号には、３−ヒドロキシ−２，２’−イミノジこはく酸
またはそれの可溶塩類とゼオライト類の組み合わせを含
有する洗剤またはクリーナーが記述されており、これら
はアルカリ土類金属イオンおよび重金属イオンに対して
高い錯化力（ｃｏｍｐｌｅｘｉｎｇ ｐｏｗｅｒ）を示
すと述べられている。その組成物には３−ヒドロキシ−
２，２’−イミノジこはく酸が０．０１重量％から２０
重量％、ゼオライトが５から５０重量％および重合体ポ
リカルボン酸塩が３０％入っている。ドイツ特許出願公
開第３１１，４４０号にも同様に洗剤およびクリーナー
用の無燐混和剤系が開示されており、それにはゼオライ
トが１５から６０％入っているのとは別に、３−ヒドロ
キシ−２，２’−イミノジこはく酸またはそれの塩が１
から３０重量％および非晶質および／または結晶性ケイ
酸塩が１から２０重量％入っている。

【０００５】米国特許第３，６９７，４５３号には、イ
ミノこはく酸および／またはそれの水溶性塩が混和剤と
して入っている無燐洗剤およびクリーナーが記述されて
いる。その洗剤のイミノこはく酸含有量は１０から５０
重量％である。

【０００６】ドイツ特許出願公開第３，７３９，６１０
号には、３，３’−ジヒドロキシ−２，２’−イミノジ
こはく酸の製造およびこれをアルカリ土類金属に対する
錯化剤として洗剤およびクリーナーで用いることが開示
されている。

【０００７】更に、ヨーロッパ特許出願公開第２５６，
３６６号（＝米国特許第４，８３９，４６１号）には、
水硬化剤が原因となるスケール付着を除去および防止す
る目的でポリアスパラギン酸を用いることが開示されて
いる。

【０００８】ヨーロッパ特許出願公開第４５４，６５１
号およびヨーロッパ特許出願公開第６１２，８４２号に
は、無燐洗剤の混和剤系でゼオライトと組み合わせてポ
リアスパラギン酸を用いることが記述されている。ここ
では、重合体ポリカルボン酸塩の共混和剤代替物として
ポリアスパラギン酸が用いられる。

【０００９】洗剤およびクリーナーに関する要求が継続
して高まることを鑑み、本発明の目的は、改良された生
分解性および技術的性能を示す洗剤として用いるに適切
な洗剤および物質を提供することであった。

【００１０】本発明は、繰り返すこはく酸単位および／
またはそれの可溶塩を含む少なくとも１種のポリマーと
特に式

【００１１】

【化２】

【００１２】［式中、Ｒ、Ｒ₁は、互いに独立して、Ｈ
またはＯＨを表し、Ｒ₂、Ｒ₃、Ｒ₄、Ｒ₅は、互いに独立
して、カチオン、水素、アルカリ金属イオンおよびアン
モニウムイオンを表し、ここで、アンモニウムイオンは
一般式Ｒ₆Ｒ₇Ｒ₈Ｒ₉Ｎ⁺で表され、そしてここで、Ｒ₆、
Ｒ₇、Ｒ₈、Ｒ₉は互いに独立して水素、Ｃ原子を１から
１２個有するアルキル基、またはＣ原子を２から３個有
するヒドロキシル置換アルキル基を表す］で表されるイ
ミノジスクシネートを含有する組成物を提供する。

【００１３】繰り返すこはく酸単位を含む好適なポリマ
ーは、下記の任意に繰り返す構造単位：

【００１４】

【化３】

【００１５】［ここで、下記を適用する：Ｒ¹⁰は、Ｈま
たはカチオン、特にアルカリ金属またはアンモニウムで
あり、ｎ、ｍ、ｏは、０または１から３００の整数であ
り、ｐ、ｑは、０または１から１０の整数であり、ｒ
は、０または１または２の整数であり、ｓは、０または
１から１０の整数であり、ｎ＋ｍ＋ｏ＋ｐ＋ｑ≦３００
であり、ここで、指数ｎ、ｍ、ｏ、ｐ、ｑ、ｒおよびｓ
は、ランダムに分布しているか或はランダムに分布して
いない単位が該ポリマー中に何個存在するかを示す］の
少なくとも１つを有する。

【００１６】本発明に従って用いるポリマー類は相当す
る遊離酸およびそれらの塩類ばかりでなくまたこの酸の
誘導体、特に無水物、アミドおよびエステルを意味する
と理解する。

【００１７】特に好適な態様では、繰り返し単位Ｂ１を
単位Ｂ１とＡ１の合計を基準にして少なくとも５０％、
特に少なくとも７０％の量で存在させる。

【００１８】本発明に従うポリアスパラギン酸には、ま
た、相当する出発化合物を対照として、選択した反応条
件下で化学的改質を受けさせたものが含まれる。

【００１９】幅広い範囲に渡って平均分子量（Ｍｗ）を
変化させることができ、有用なポリアスパラギン酸は５
００から１００，０００ｇ／モルの範囲の分子量を有す
るものであり、１０００から５０，０００ｇ／モルが好
適であり、１０００から３０，０００ｇ／モルがより良
好である。

【００２０】Ｓｈｏｄｅｘ ＯＨ−ＰＡＫカラムを取り
付けたゲル浸透クロマトグラフィー（ＧＰＣ）で溶離液
として０．１５ＭのＮａＣｌ＋２００ｐｐｍのＮａＮ₃
を用いることにより、分子量を測定する。絶対的測定方
法、例えばＬＡＬＬＳなどで分子量を測定した高純度の
ポリアスパラギン酸、例えばＳｉｇｍａから得られるポ
リアスパラギン酸などを用いると最良に較正を実施する
ことができる。

【００２１】加うるに、適切な反応手順および適切な遊
離体を選択することで、さらなる繰り返し単位、例えば ａ）式

【００２２】

【化４】

【００２３】で表されるリンゴ酸単位、および ｂ）式

【００２４】

【化５】

【００２５】で表されるマレイン酸およびフマル酸単位
などを存在させることができる。

【００２６】更に、本発明は、繰り返すこはく酸単位を
含むポリマーとイミノジスクシネート誘導体から成る本
発明に従う組み合わせを特に混和剤として含有する洗剤
および／またはクリーナーも提供する。該繰り返すこは
く酸単位を含むポリマー類と該イミノジスクシネート誘
導体の重量比を好適には１：６から２：１の範囲にす
る。

【００２７】好適な態様において、本発明に従って用い
る、繰り返すこはく酸単位を含むポリマー類は、本質的
にポリアスパラギン酸である。このポリマー類は公知方
法、例えば米国特許第４，８３９，４６１号、米国特許
第５，３７１，１８０号、米国特許第５，２８８，７８
３号、Ｊ．Ｏｒｇ．Ｃｈｅｍ．、２４、１６６２−１６
６６頁（１９５９）およびＪ．Ｏｒｇ．Ｃｈｅｍ．、２
６、１０８４（１９６１）などに従って製造可能であ
る。

【００２８】本発明に従う混和剤系を含有する無燐洗剤
およびクリーナーは、良好な一次洗浄力（ｐｒｉｍａｒ
ｙ ｗａｓｈｉｎｇ ｐｏｗｅｒ）および改良された二
次洗浄力を示すことに加えて、スケールの付着量が低下
しかつ生地の白さが向上する。従って、本発明はまた無
燐洗剤およびクリーナーも提供し、これに混和剤として
構造Ａで表されるイミノジスクシネート誘導体を好適に
は０．５から４０重量％含有させそして該繰り返すこは
く酸単位を含むポリマーを好適には０．５から２５重量
％含有させる。

【００２９】望まれるならば、ゼオライトおよび／また
は非晶質および／または結晶性アルカリ金属ケイ酸塩を
更に１から４０重量％存在させてもよい。

【００３０】本発明に従う混和剤系は、洗濯過程の障害
になるアルカリ土類金属イオンおよび重金属イオンに対
して非常に良好な錯化力を示し、汚れ粒子に対して高い
分散力を示し、かつ既に生じたアルカリ土類金属塩の微
結晶子（種晶）に対して成長抑制効果を示す。このよう
な特性はまた漂白剤および酵素の安定化に対しても肯定
的な影響を与える。

【００３１】洗浄性能が良好なこととは別にまた本混和
剤系は易生分解性を示す、と言うのは、無機成分はさて
おき、これが含有するのは構造Ａで表されるイミノジス
クシネート誘導体とポリアスパラギン酸のみであり、こ
れらは、化学品を試験するためのＯＥＣＤガイドライン
（１９８１）に従い、良好な生分解性を示すからであ
る。

【００３２】本発明に従う洗剤およびクリーナーにさら
なる通常の混和剤および錯化剤、例えばホスホン酸塩お
よびポリカルボン酸塩、例えば好適にはナトリウム塩の
形態で用いられるアジピン酸、こはく酸、グルタル酸、
アミノカルボン酸、ニトリロ酢酸（ＮＴＡ）、エチレン
ジアミンテトラ酢酸（ＥＤＴＡ）など、および上記酸と
（共）重合ポリカルボン酸またはポリカルボン酸塩との
混合物などを追加的に含有させてもよいが（生態学的考
慮でこのような使用が不可能でない限り）、これらは必
ずしも二次洗浄力を改良する必要はない。従って、本発
明の目的で、これらを含有させる必要はない。

【００３３】ポリヒドロキシカルボン酸または塩、例え
ばクエン酸およびクエン酸塩などの添加は、漂白可能な
（ｂｌｅａｃｈａｂｌｅ）汚れを除去するに役立つ。従
って、望まれるならば、本発明に従う洗剤およびクリー
ナーにクエン酸ナトリウムを２０重量％以下、特にクエ
ン酸ナトリウムを０．５から１５重量％の量で含有させ
てもよい。

【００３４】本発明に従う混和剤系で用いるイミノジこ
はく酸誘導体の中で好適には可溶塩類を用いる。これら
は、存在させるカチオンがアンモニウムイオンおよびア
ルカリ金属イオンから成る群から選択されるカチオンで
ある塩類である。このイミノジこはく酸に存在するカル
ボン酸基の１つ、２つ、３つまたは４つ全部を塩形態に
してもよい。

【００３５】本発明に従って用いるポリマー類の中で、
好適には、水溶性アルカリ金属塩を用いるか、或はアル
カリ金属を用いた部分加水分解をポリスクシニミドに受
けさせたものを用いるべきである。

【００３６】ゼオライトを用いる場合、通常の微結晶性
水和形態でこれを用いる。これの水含有量を好適には１
９から２２重量％の範囲にする。これらには本質的に３
０μｍ以上の粒子を含有させず、好適には粒子の少なく
とも８０％を１０μｍ未満の大きさにする。これらがカ
ルシウムに結合する力は、ドイツ特許出願第２，４１
２，８３７号の方法で測定して、１ｇ当たり１００から
２００ｍｇのＣａＯの範囲である。特に適切なゼオライ
トはゼオライトＮａＡであり、適切なさらなるゼオライ
トにはゼオライトＮａＸおよびＮａＡとＮａＸの混合物
が含まれる。混和剤ゼオライトに関して示す量および重
量比は、本発明で用いる場合、特に明記しない限り、活
性を示す無水物質を基準にした量および重量比である。

【００３７】固体状のケイ酸塩は非晶質および／または
結晶性であってもよい。これらは粉末としてか或は粒子
として使用可能である。好適なアルカリ金属のケイ酸塩
は、ケイ酸ナトリウム、特にＮａ₂Ｏ／ＳｉＯ₂のモル比
が１：２から１：２．８の非晶質ケイ酸ナトリウムであ
る。この種類の非晶質アルカリ金属ケイ酸塩は、例えば
Ｐｏｒｔｉｌ（Ｈｅｎｋｅｌ）の名称などで商業的に入
手可能である。使用する結晶性ケイ酸塩（これら自身と
してか或は非晶質ケイ酸塩との混合物として存在させて
もよい）は、好適には式（Ｉ）ＮａＭＳｉｘＯ₂＋１ｘ
ｙＨ₂Ｏ［式中、Ｍはナトリウムを表し、ｘは値２また
は３から選択され、そしてｙは０から２０である］で表
される結晶性層ケイ酸塩である。β形態ばかりでなくま
たδ形態の二ケイ酸ナトリウム（Ｎａ₂Ｓｉ₂Ｏ₅）が特
に好適である。ここでは、Ｈｏｅｃｈｓｔから得られる
層ケイ酸塩であるＳＫＳ ６およびＳＫＳ ７を例とし
て挙げるべきであろう。加うるに、本発明に従う混和剤
組み合わせに炭酸ナトリウムをアルカリの予備として含
有させることも可能である。しかしながら、本発明に従
う成分（ポリアスパラギン酸／イミノジこはく酸誘導
体）はそれ自身が緩衝効果を示し、従ってこれらはまた
間違いなくアルカリの予備をもたらすことから、通常の
無燐洗剤に比較して炭酸ナトリウム含有量を低くするの
が好適である。

【００３８】本発明に従う組み合わせにさらなる成分、
例えば無機塩、特に反応が中性の無機塩を追加的に含有
させてもよい。しかしながら、本組み合わせに液体から
ワックスの範囲の成分、例えばシリコン油およびパラフ
ィン油など、好適にはノニオン界面活性剤を噴霧したも
のが特に好適である。

【００３９】この上で述べた材料とは別に、洗剤および
クリーナーで通常用いられる公知添加剤、例えば界面活
性剤、漂白剤および漂白活性化剤、水に塩基性反応を起
こす塩、溶解性を改良する薬剤、例えば通常のヒドロト
ロープ（ｈｙｄｒｏｔｒｏｐｅｓ）またはポリアルキレ
ングリコール類、例えばポリエチレングリコール類な
ど、消泡剤、蛍光白色化剤、酵素、酵素安定化剤、少量
の中性塩充填材、着色剤および香料、乳白剤または真珠
光沢剤などを、本発明に従う組成物に含有させてもよ
い。

【００４０】本組成物に含めるアニオン界面活性剤およ
びノニオン界面活性剤（石鹸を含む）の含有量を、好適
には１０から３５重量％、有利には１２から２８重量
％、特に１５から２５重量％にする。

【００４１】。

【００４２】スルホン酸塩型の界面活性剤には、好適に
は、Ｃ₅−Ｃ₁₃−アルキルベンゼンスルホン酸塩、オレ
フィンスルホン酸塩、即ちアルケンスルホン酸塩とヒド
ロキシアルカンスルホン酸塩の混合物、並びにジスルホ
ン酸塩、例えば末端もしくは内部二重結合を有するＣ₁₂
−Ｃ₁₈−モノオレフィン類を三酸化硫黄ガスでスルホン
化した後、このスルホン化生成物にアルカリもしくは酸
加水分解を受けさせることなどで得られるジスルホン酸
塩などが含まれる。Ｃ₁₂−Ｃ₁₈−アルカン類に例えばス
ルホ塩素化またはスルホ酸化を受けさせた後、加水分解
または中和を受けさせることなどで得られるアルカンス
ルホン酸塩もまた適切である。このような生成物の場
合、炭素鎖全体に渡ってスルホン酸塩基がランダムに分
布しており、第二アルカンスルホン酸塩が主である。α
−スルホ脂肪酸エステル（エステルスルホン酸塩）、例
えば水添ココナッツ、パーム核または獣脂脂肪酸のメチ
ルエステルにα−スルホン化を受けさせたものもまた適
切である。適切な化合物は、特に、植物および／または
動物を源とする脂肪酸であって脂肪酸分子中にＣ原子を
８から２０個有する脂肪酸のメチルエステルをα−スル
ホン化したあと中和で水溶性一塩を生じさせることによ
って製造されるα−スルホ脂肪酸エステル（エステルス
ルホン酸塩）である。これらは好適には水添ココナッ
ツ、パーム核または獣脂脂肪酸のエステルにα−スルホ
ン化を受けさせたものであり、ここではまた不飽和脂肪
酸、例えばオレイン酸などのスルホン化生成物が少量、
好適には約２から３重量％以下の量で存在する可能性が
ある。エステル基中にＣ原子数が４以下のアルキル鎖を
含むα−スルホ脂肪酸アルキルエステル、例えばメチル
エステル、エチルエステル、プロピルエステルおよびブ
チルエステルなどが特に好適である。α−スルホ脂肪酸
メチルエステル（ＭＥＳ）を用いるのが特に有利であ
る。適切なさらなるアニオン界面活性剤はα−スルホ脂
肪酸またはそれの二塩であり、これはα−スルホ脂肪酸
アルキルエステルのエステル開裂で入手可能である。こ
のα−スルホ脂肪酸アルキルエステルの一塩は、大規模
製造中既に限定量で二塩が入っている水系混合物として
得られる。このような界面活性剤の二塩含有量は、この
アニオン界面活性剤混合物を基準にして通常５０重量％
以下、例えば約３０重量％以下である。一塩および二塩
と他の界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸
塩またはアルキルスルフェート類などとの混合物が好適
である。

【００４３】適切なさらなるアニオン界面活性剤は脂肪
酸のグリセロールエステルにスルホン化を受けさせたも
のである。脂肪酸のグリセロールエステルはモノエステ
ル、ジエステル、トリエステルおよびそれらの混合物を
意味するとして理解し、例えばモノグリセロールで１か
ら３モルの脂肪酸をエステル化するか或はトリグリセリ
ドを０．３から２モノのグリセロールと反応させること
による合成で得られる。これらの中で好適なスルホン化
脂肪酸グリセロールエステルは、炭素原子を６から２２
個有する飽和脂肪酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、
カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸またはベヘン酸などのスルホン化生成
物である。出発材料が油脂、即ちいろいろな脂肪酸グリ
セロールエステルの天然混合物である場合、スルホン化
を受けさせる前に本質的に知られている様式でその供給
材料を水素で実質的に飽和させる必要がある、即ちヨウ
素価が５未満、有利には２未満になるまでそれらの水添
を行う必要がある。適切な供給材料の典型的な例は、パ
ーム油、パーム核油、パームステアリン、オリーブ油、
菜種油、コエンドロ油、紅花油、綿実油、ピーナッツ
油、あまに油、ラード油または豚脂肪などである。しか
しながら、天然の飽和脂肪酸含有量が高いことからヤシ
油、パーム核油または牛脂を出発材料として用いるのが
特に有利であることを確認した。炭素原子を６から２２
個有する飽和脂肪酸のスルホン化、或はヨウ素価が５未
満の脂肪酸グリセロールエステル混合物（脂肪酸が炭素
原子を６から２２個有する）のスルホン化を、好適に
は、国際特許出願ＷＯ ９１／９００９に記述されてい
るように、三酸化硫黄ガスとの反応に続いて塩基水溶液
を用いた中和を行うことで実施する。

【００４４】このスルホン化生成物は、α位および／ま
たは内部位にスルホ部分を有するモノ−、ジ−およびト
リ−グリセリドスルホン酸塩を含有する複雑な混合物を
構成する。生じる副生成物はスルホン化脂肪酸塩、グリ
セリドスルフェート、グリセロールスルフェート、グリ
セロールおよび石鹸である。飽和脂肪酸または水添脂肪
酸グリセロールエステル混合物を用いてスルホン化を始
める場合、この過程をどのように進行させるかに応じて
極めて容易にα−スルホン化脂肪酸二塩の比率を約６０
重量％の如く高くすることができる。

【００４５】スルフェート型の適切な界面活性剤は、天
然および合成を源とする第一アルコールの硫酸モノエス
テルである。好適なアルキル（アルケニル）スルフェー
トは、Ｃ₁₂−Ｃ₁₈脂肪アルコール、例えばココナッツ脂
肪アルコール、獣脂アルコール、ラウリルアルコール、
ミリスチルアルコール、セチルアルコールおよびステア
リルアルコールなどまたはＣ₁₀−Ｃ₂₀−オキソアルコー
ル類の硫酸モノエステル、並びにこのような鎖長を有す
る第二アルコール類の硫酸モノエステルである。更に、
石油化学を基にして製造された合成直鎖アルキル基（上
述した鎖長の）を有するアルキル（アルケニル）スルフ
ェートも好適であり、このスルフェート類は、脂肪化学
原料を基とする相当する化合物に類似した分解挙動を示
す。洗濯用途ではＣ₁₆−Ｃ₁₈−アルキル（アルケニル）
スルフェートが特に好適である。また、Ｃ₁₆−Ｃ₁₈−ア
ルキル（アルケニル）スルフェート類を低融点のアニオ
ン界面活性剤、特にクラフト点がより低くそして比較的
低い洗濯温度、例えば４０℃以下の室温で結晶化する傾
向が低いアニオン界面活性剤と組み合わせて用いるのも
特に有利である可能性があり、特に機械用洗剤で用いる
に有利である。従って、本発明の好適な態様では、本組
成物に、短鎖脂肪アルキルスルフェートと長鎖脂肪アル
キルスルフェートの混合物、好適にはＣ₁₂−Ｃ₁₄脂肪ア
ルキルスルフェートまたはＣ₁₂−Ｃ₁₆脂肪アルキルスル
フェートとＣ₁₆−Ｃ₁₈脂肪アルキルスルフェートの混合
物を含有させる。しかしながら、本発明の好適なさらな
る態様では、飽和アルキルスルフェートばかりでなく、
アルケニル鎖長が好適にはＣ₁₆−Ｃ₂₂である不飽和アル
ケニルスルフェートも用いる。これらの中で、主にＣ₁₆
脂肪アルコールから成る飽和脂肪アルコール類をスルホ
ン化したものと、主にＣ₁₈脂肪アルコールから成る不飽
和脂肪アルコール類をスルホン化したものとの混合物が
特に好適である。アルケニルスルフェート／アルキルス
ルフェートの重量比を好適には１０：１から１：２、特
に約５：１から１：１にする。

【００４６】直鎖もしくは分枝Ｃ₇−Ｃ₂₁−アルコール
の硫酸モノエステルを１から９モルのエチレンオキサイ
ドでエトキシル化したもの、例えばエチレンオキサイド
（ＥＯ）を平均で３．５モル有する分枝２−メチル−Ｃ
₉−Ｃ₁₁−アルコール類またはＥＯを２から４モル有す
るＣ₁₂−Ｃ₁₈脂肪アルコール類などもまた適切である。
これらを洗剤で用いると激しく泡立つことから、使用量
を比較的少量のみ、例えば１から５重量％の量にする。

【００４７】好適なアニオン界面活性剤にはまたアルキ
ルスルホこはく酸の塩が含まれるが、これらはまたスル
ホスクシネート類またはスルホこはく酸エステルとも呼
ばれ、これらは、スルホこはく酸とアルコール類、好適
には脂肪アルコール類、特にエトキシル化脂肪アルコー
ル類とのモノエステル類および／またはジエステル類で
ある。好適なスルホスクシネート類はＣ₈−Ｃ₁₈脂肪ア
ルコール基またはそれの混合物を有する。特に好適なス
ルホスクシネート類は、エトキシル化脂肪アルコール
［これら自身ノニオン界面活性剤を構成する（この記述
に関しては以下を参照）］から誘導される脂肪アルコー
ル基を有する。これらの中で、再び、同族体の分布が狭
いエトキシル化脂肪アルコールから誘導される脂肪アル
コール基を有するスルホスクシネート類が特に好適であ
る。同様に、アルキル（アルケニル）鎖中に好適には炭
素原子を８から１８個有するアルキル（アルケニル）こ
はく酸またはそれの塩を用いることも可能である。

【００４８】好適な粒子状洗剤またはクリーナーはアニ
オン界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩お
よび／またはアルキルスルフェート、好適には脂肪アル
キルスルフェートおよび／またはスルホン化脂肪酸グリ
セロールエステルを含有し、ここでは、このスルホン化
脂肪酸グリセロールエステルとアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩および／またはアルキルスルフェートの重量比を
１：９から４：１、特に２：５から２：１にする。

【００４９】さらなるアニオン界面活性剤には特に石鹸
が含まれ、この量は好適には０．２から８、特に０．５
から５重量％である。適切な石鹸には脂肪酸石鹸、例え
ばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸またはステ
アリン酸の塩、特に天然脂肪酸、例えばココナッツ、パ
ーム核または獣脂脂肪酸などから誘導される石鹸混合物
が含まれる。飽和Ｃ₁₂−Ｃ₁₈脂肪酸の石鹸を５０から１
００重量％およびオレイン酸の石鹸を０から５０重量％
含有する石鹸混合物が特に好適である。

【００５０】このアニオン界面活性剤は、ナトリウム
塩、カリウム塩またはアンモニウム塩の形態で、そして
有機塩基、例えばモノ−、ジ−もしくはトリ−エタノー
ルアミンなどの可溶塩として存在し得る。好適には、ナ
トリウム塩またはカリウム塩の形態、特にナトリウム塩
の形態でアニオン界面活性剤を存在させる。

【００５１】好適なさらなる態様では、粒子状の洗剤ま
たはクリーナーに、アニオン界面活性剤に加えてまたノ
ニオン界面活性剤を好適には１から１５重量％の量、特
に２から１２重量％の量で含有させる。

【００５２】この使用するノニオン界面活性剤は、好適
にはアルコキシル化した、有利にはエトキシル化した液
状の、特にＣ原子を好適には９から１８個有する第一ア
ルコール類であり、ここでは、このアルコール１モル当
たり平均で１から１２モルのエチレンオキサイド（Ｅ
Ｏ）が存在しており、ここで、このアルコール基は線状
であるか、或は好適には２位がメチル分枝していてもよ
いか、或は線状基とメチル分枝基が混ざった状態（オキ
ソアルコール基内に通常存在する如き）で含有していて
もよい。しかしながら、天然源、例えばココナッツ、獣
脂またはオレイルアルコールなどから得られるＣ原子数
が１２から１８個のアルコール類の線状基とこのアルコ
ール１モル当たり平均でＥＯを２から８個有するアルコ
ールエトキシレート類が特に好適である。好適なエトキ
シル化アルコール類には、ＥＯを３個またはＥＯを４個
有するＣ₁₂−Ｃ₁₄−アルコール類、ＥＯを７個有するＣ
₉−Ｃ₁₁−アルコール類、ＥＯを３個、ＥＯを５個、Ｅ
Ｏを７個またはＥＯを８個有するＣ₁₃−Ｃ₁₅−アルコー
ル類、ＥＯを３個、ＥＯを５個またはＥＯを７個有する
Ｃ₁₂−Ｃ₁₈−アルコール類およびそれらの混合物、例え
ばＥＯを３個有するＣ₁₂−Ｃ₁₄−アルコールとＥＯを５
個有するＣ₁₂−Ｃ₁₈−アルコールの混合物などが含まれ
る。上述したエトキシル化の度合は統計学的平均値であ
り、特定生成物に関する値は整数または分数であっても
よい。好適なアルコールエトキシレート類は狭い同族体
分布を示す。

【００５３】加うるに、アルキルグリコシド類もまたさ
らなるノニオン界面活性剤として使用可能である。

【００５４】漂白剤として働きそして水中でＨ₂Ｏ₂を供
与する化合物の中で特に重要な化合物には、過ホウ酸ナ
トリウム三水化物および過ホウ酸ナトリウム一水化物が
含まれる。有用なさらなる漂白剤の例には過炭酸ナトリ
ウム、パーオキシピロホスフェート類、クエン酸塩の過
酸化水素化物、および過酸の塩またはＨ₂Ｏ₂を供与する
過酸、例えば過安息香酸塩、パーオキソフタル酸塩、ジ
過アゼライン酸またはジ過ドデカン二酸などである。本
組成物の漂白剤含有量を好適には５から２５重量％、特
に１０から２０重量％にし、有利に用いる漂白剤は過ホ
ウ酸塩の一水化物である。

【００５５】洗濯を６０℃以下の温度で行う時に改良さ
れた漂白を得る目的でこの調合物に漂白活性化剤を組み
込むことができる。この例はＮ−アシルまたはＯ−アシ
ル化合物、好適にはＮ，Ｎ’−テトラアシル化ジアミン
類であり、これらがＨ₂Ｏ₂と反応すると、有機過酸に加
えて更に無水カルボン酸およびポリオールのエステル、
例えばグルコースペンタアセテートが生じる。この漂白
剤含有組成物に含める漂白活性化剤含有量は通常の範
囲、好適には１から１０重量％、特に３から８重量％の
範囲である。特に好適な漂白活性化剤はＮ，Ｎ，Ｎ’，
Ｎ’−テトラアセチルエチレンジアミンおよび１，５−
ジアセチル−２，４−ジオキソ−ヘキサヒドロ−１，
３，５−トリアジンである。

【００５６】灰色化抑制剤（ｇｒｅｙｉｎｇ ｉｎｈｉ
ｂｉｔｏｒｓ）の目的は、繊維から取り出された汚れを
その液の中に懸濁させたままにしておくことでその繊維
が灰色にならないようにすることである。この目的で用
いるに適切なものは、大部分が有機的性質を示す水溶性
コロイド、例えば重合体カルボン酸の水溶性塩類、糊、
ゼラチン、エーテルカルボン酸または澱粉もしくはセル
ロースのエーテルスルホン酸の塩類、或はセルロースモ
ノスルフェートまたは澱粉モノスルフェートの塩類など
である。酸基を有する水溶性ポリアミド類もまたこの目
的で用いるに適切である。更に、この上で述べた以外の
可溶澱粉調合物および澱粉生成物、例えば澱粉を分解さ
せたもの、アルデヒド澱粉などもまた使用可能である。
ポリビニルピロリドンもまた有用である。しかしなが
ら、セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロ
ースなど、および混合エーテル類、例えばメチルヒドロ
キシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセル
ロース、メチルカルボキシメチルセルロースおよびそれ
らの混合物などを本組成物を基準にして例えば０．１か
ら５重量％の量で用いるのが好適である。

【００５７】適切な種類の界面活性剤を別の種類の界面
活性剤と組み合わせることで界面活性剤の泡形成力（ｆ
ｏａｍｉｎｇ ｐｏｗｅｒ）を低くするか或は高くする
ことができ、また、界面活性剤でない物質を添加するこ
とでも低くすることができる。機械洗浄過程で用いる場
合、本組成物に通常の消泡剤を添加するのが有利であり
得る。適切な消泡剤の例には、天然または合成を源とす
る石鹸であってＣ₁₈−Ｃ₂₄脂肪酸を高い比率で含有する
石鹸が含まれる。界面活性剤でない適切な消泡剤の例に
は、有機ポリシロキサン類およびこれらと微細シリカ
（シラン処理（ｓｉｌａｎａｔｅｄ）されていてもよ
い）の混合物、並びにパラフィン類、ワックス類、微結
晶性ワックス類、およびこれらとシラン処理シリカまた
はＮ，Ｎ’−エチレン−ビス（ステアラミド）（ｓｔｅ
ａｒａｍｉｄｅ）の混合物が含まれる。いろいろな消泡
剤の混合物、例えばシリコン類、パラフィン類またはワ
ックス類から成る混合物などを用いるのも有利である。
この消泡剤、特にシリコンまたはパラフィンを含有する
消泡剤の場合、これを好適には水溶性または水分散性担
体物質に付着させる。

【００５８】適切な酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、
アミラーゼ、セルラーゼの種類の酵素およびそれらの混
合物である。細菌株または菌・カビ、例えば枯草菌、バ
チルス・リケニフォルミス（Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｌｉｃ
ｈｅｎｉｆｏｒｍｉｓ）およびストレプトミセス・グリ
セウス（Ｓｔｒｅｐｔｏｍｙｃｅｓ ｇｒｉｓｅｕｓ）
などから得られる酵素活性物質が特に適切である。好適
には、サブチリシン型のプロテアーゼ、特にバチルス・
レンツス（Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｌｅｎｔｕｓ）から得ら
れるプロテアーゼを用いる。酵素の混合物、例えばプロ
テアーゼとアミラーゼ、プロテアーゼとリパーゼ、プロ
テアーゼとセルラーゼ、プロテアーゼとアミラーゼとリ
パーゼ、またはプロテアーゼとリパーゼとセルラーゼの
混合物に特に興味が持たれる。ある場合にはオキシダー
ゼもまた適切であることを確認した。この酵素があまり
にも早い時期に劣化しないようにする目的で、これを担
体物質に吸着させるか或はコーティング物質の中に埋め
込んでおいてもよい。この酵素、酵素混合物または酵素
粒子の割合は例えば約０．２から約２重量％であっても
よい。

【００５９】加うるに、本組成物に酵素安定化剤を含有
させてもよい。例えば蟻酸ナトリウムを０．５から１重
量％の量で用いることができる。また、可溶カルシウム
塩でプロテアーゼの安定化を行うことができ、使用可能
なカルシウム含有量は上記酵素を基準にして好適には約
１．２重量％である。しかしながら、ホウ素化合物、例
えばホウ酸、酸化ホウ素、ボラックスおよび他のアルカ
リ金属ホウ酸塩、例えばオルトホウ酸（Ｈ₃ＢＯ₃）、メ
タホウ酸（ＨＢＯ₂）およびピロホウ酸（テトラホウ酸
Ｈ₂Ｂ₄Ｏ₇）の塩などを用いるのが特に有利である。

【００６０】本組成物にジアミノスチルベンジスルホン
酸の誘導体またはそれのアルカリ金属塩を蛍光白色化剤
として含有させてもよい。適切な化合物の例は、４，
４’−ビス−（２−アニリノ−４−モルホリノ−１，
３，５−トリアジニル−６−アミノ）スチルベン−２，
２’−ジスルホン酸の塩類、或はモルホリノ基の代わり
にジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基
または２−メトキシエチルアミノ基を持つ同様な構造を
有する化合物である。置換ジフェニルスチリル型のさら
なる白色化剤、例えば４，４’−ビス−（２−スルホス
チリル）−ジフェニル、４，４’−ビス−（４−クロロ
−３−スルホスチリル）−ジフェニルまたは４−（４−
クロロスチリル）−４’−（２−スルホスチリル）−ジ
フェニルのアルカリ金属塩などを存在させることも可能
である。上述した白色化剤の混合物もまた使用可能であ
る。

【００６１】本発明に従う粒状洗剤およびクリーナーに
約３００から１１００ｇ／Ｌの範囲のかさ密度を持たせ
ることができる。４５０ｇ／Ｌ以上、特に５００から１
１００ｇ／Ｌの範囲のかさ密度を有する粒子が好適であ
る。

【００６２】本発明に従う組み合わせばかりでなくまた
本発明に従う洗剤およびクリーナーも、本質的に通常様
式で製造可能であり、例えば水系スラリーを混合し、顆
粒状にし、押出し加工および／またはスプレー乾燥を行
った後、望まれるならば温度に敏感な成分を混合するこ
となどで製造可能である。洗剤およびクリーナーの場
合、個別に製造した混和剤組み合わせを、洗剤またはク
リーナーに入れる他の粒子状成分と混ぜ合わせるべき成
分としてスプレー乾燥または顆粒コンパンドの形態で用
いることも可能である。また、本組成物に該混和剤およ
び錯化剤を本質的に通常様式で個別に混合してもよく、
そしてこれらは望まれる如何なる順でも混合可能であ
る。

【００６３】

【実施例】 洗浄力の比較 洗剤の組成 重量％ 本発明に 比較 従う洗剤 Ｃ₅−Ｃ₁₁−アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム ７.５ ７.５ 獣脂アルコールのスルフェート ４ ４ エトキシル化Ｃ₁₃−Ｃ₁₅脂肪アルコール類（７ＥＯ） ４ ４ Ｃ₁₄−Ｃ₁₈脂肪酸のナトリウム塩 ２.８ ２.８ 顆粒状消泡剤 ０.４ ０.４ ゼオライトＡ − ２５ ケイ酸ナトリウム（ＳｉＯ₂：Ｎａ₂Ｏ＝３．３：１） ２.６ ２.６ 炭酸ナトリウム ９.１ ９.１ アクリル酸／マレイン酸のコポリマー − ５.５ カルボキシメチルセルロース １ １ ＥＤＴＡの四ナトリウム塩 − ０.４ ホスホネート（ＨＥＤＰ） − ０.５ 蛍光白色化剤（Ｔｒｉｍｏｐａｌ ＤＭＳＸ） ０.２ ０.２ 硫酸ナトリウム ５.７ ５.７ 過ホウ酸ナトリウム四水化物 ２０ ２０ テトラアセチルエチレンジアミン ３ ３ 顆粒状酵素 ０.５ ０.５ イミノジこはく酸テトラナトリウム ２３ − ポリアスパラギン酸ナトリウム（Ｍｗ ３０００） ６ − 水 １００％ １００％ にする残り にする残り試験条件 洗濯機 Ｍｉｅｌｅ Ｗ ８１１ 洗濯方法 単一液方法 仕込み 試験生地を含むバラストランドリー（ｂ
ａｌａｓｔ ｌａｕｎｄｒｙ）を３．５ｋｇ 仕込み：液 １：５．７ 温度 沸騰プログラムで９０℃洗濯 水の硬度 １８°ｄ（＝５：１のＣａ／Ｍｇで３２
０ｐｐｍのＣａＣＯ₃） 用量 １０５ｇ／機械 液状成分からストック溶液を調製する。各洗濯試験で成
分を粉末形態で重量測定した後、洗濯過程の開始時に上
記ストック溶液に加える。

【００６４】以下に示す種類の生地＊はＷａｓｃｈｍｉ
ｔｔｅｌｆｏｒｓｃｈｕｎｇｓｉｎｓｔｉｔｕｔ Ｋｒ
ｅｆｅｌｄ（ＷＦＫ）から入手可能であり、これの説明
をＷＦＫが行っている。生地の種類の隣に記述する製品
番号は、ＷＦＫにおけるその種類の生地の登録番号であ
る。

【００６５】上記生成物が示す洗浄効率では、下記の判
断基準を測定すべきである： − いろいろな汚れ度を示す試験生地で得られる一次洗
浄効果、 − 洗濯サイクルを２５回受けさせることで白色になっ
た試験生地で観察される灰色化、 − 洗濯を２５回受けさせた後のＣＯ １１ Ａ＊への
汚れ再付着 − 洗濯サイクルを２５回受けさせた後のＣＯ １１
Ａ＊への無機物および有機物の付着、 − 洗濯を２５回受けさせた後のＣＯ １１ Ａ＊に関
する損傷ファクター（ＤＩＮ ５３ ９１９、ＩＥＣ
２２６７に従う標準綿）。

【００６６】汚れが通常である家庭の洗濯物と一緒に洗
濯した後の試験生地に関して洗浄効果を測定した。下記
の試験生地を用いた： − ＤＩＮ ５３ ９１９−Ｔ２に従うウォッシュサイ
クルコントロールリボン（Ｗａｓｈ ｃｙｃｌｅ ｃｏ
ｎｔｒｏｌ ｒｉｂｂｏｎ）生地５３ ９１９Ｇ（製品
番号１１Ａ）。

【００６７】上記生地に関する灰色化（汚れの再付着を
含む）および無機物と有機物の付着量を、洗濯を２５回
受けさせた後に測定する。

【００６８】灰色化の測定では下記の試験生地を追加的
に用いた： − ＷＦＫのＣＯテリ織生地（製品番号１２Ａ） − ＷＦＫのＰＥＳ／ＣＯ生地（製品番号２０Ａ）。

【００６９】上記種類の生地を２５回の洗濯に入れた
後、ＤＩＮ ４４ ９８３−Ｔ２１と同様に、それらの
反射率を測定することでそれの評価を行った。

【００７０】洗濯を２５回受けさせた後の試験生地が漂
白されることに関する漂白度ＢＩを、ＤＩＮ ４４ ９
８３−Ｔ２１のセクション４．２に従って測定すること
により、漂白効果を測定する。

【００７１】− 漂白試験用のＷＦＫ生地（製品番号１
０Ｅ）。

【００７２】下記の式を用いて漂白効果を測定した：

【００７３】

【数１】

【００７４】ａ＝染色していない白色の出発生地が示す
反射率値。

【００７５】ｂ＝洗濯前の漂白試験用ＷＦＫ生地を４回
測定することで得られた平均値。

【００７６】ｃ＝洗濯を２５回受けさせた漂白試験用Ｗ
ＦＫ生地を４回測定することで得られた平均値。

【００７７】ＤＩＮ ５３ ９１９−Ｔ０１に従う標準
綿生地に洗濯サイクルを２５回受けさせた生地の灰分
（これは洗濯中の生地に付着することの指示である）を
ＤＩＮ４４ ９８３ Ｅ−Ｔ２１（＝無機物の付着）に
従って測定する。加うるに、メタノールを用いた抽出で
有機物の付着量を測定する。

【００７８】更に、汚れ除去を評価する目的で、下記の
１０ｘ１０ｃｍ²生地片を縫い付けた４０ｘ５０ｃｍ²の
ＰＥＳ／ＣＯ支持生地４枚を各洗濯に含めた： − ＷＦＫ ＣＯ顔料／Ｂｅｙ皮膚脂肪（製品番号１０
Ｃ） − ＷＦＫ ＰＥＳ／ＣＯ顔料／Ｂｅｙ皮膚脂肪（製品
番号２０Ｃ） − ＣＦＴ ＣＯ顔料／油（製品番号ＡＳ−８） − ＷＦＫ ＣＯココア（製品番号１０−Ｆ） − ＣＦＴ ＣＯ紅茶（製品番号ＢＣ−１） − ＣＦＴ ＣＯ血液（製品番号ＣＳ−１） − ＣＦＴ ＣＯ顔料／油／牛乳（製品番号ＡＳ−１
０） この汚れ試験用生地片を一度洗濯し、乾かした後、それ
らが滑らかになるまで、測定を行う予定のない左側を注
意深くアイロン掛けした。この汚れたものを洗濯した生
地に関して反射率をＤＩＮ ４４ ９８３−Ｔ２１、セ
クション４．１と同様に測定することにより、クリーニ
ング効果を決定した。この実験全体に渡って測定した個
々の反射率値全部を用いて平均値を計算し、そして相当
する信頼区間の統計学的確実性は各生地型で９５％であ
った。

【００７９】４． 試験結果 ４．１ 水の硬度が３．２ミリモル／Ｌ（１８°ｄ）の
時の結果 水の硬度が３．２ミリモル／Ｌ（１８°ｄ）の時の洗浄
効果の結果を表１および２に示す。

【００８０】

【表１】

【００８１】

【表２】

【００８２】本発明に従う洗剤には漂白安定化の目的で
ＥＤＴＡの四ナトリウム塩もホスホネートも用いていな
いが、得られた一次洗浄効果の結果は、標準洗剤に比べ
て同じでありそしてある場合には良好であった。同じこ
とが漂白度および汚れ再付着にも当てはまる。

【００８３】本発明の特徴および態様は以下のとおりで
ある。

【００８４】１． 繰り返すこはく酸単位および／また
はそれの可溶塩を含む少なくとも１種のポリマーと特に
式

【００８５】

【化６】

【００８６】［式中、Ｒ、Ｒ₁は、互いに独立して、Ｈ
またはＯＨを表し、Ｒ₂、Ｒ₃、Ｒ₄、Ｒ₅は、互いに独立
して、カチオン、水素またはアルカリもしくはアンモニ
ウムイオンを表す］で表されるイミノジスクシネートを
含有する組成物。

【００８７】２． 該イミノジスクシネートが下記の式

【００８８】

【化７】

【００８９】［式中、Ｒ、Ｒ₁は、ＨまたはＯＨを表
し、Ｒ₂、Ｒ₃、Ｒ₄、Ｒ₅は、互いに独立して、カチオ
ン、水素、アルカリ金属イオンおよびアンモニウムイオ
ンを表し、ここで、アンモニウムイオンは一般式Ｒ₆Ｒ₇
Ｒ₈Ｒ₉Ｎ⁺で表され、そしてここで、Ｒ₆、Ｒ₇、Ｒ₈、Ｒ
₉は互いに独立して水素、Ｃ原子を１から１２個有する
アルキル基、またはＣ原子を２から３個有するヒドロキ
シル置換アルキル基を表す］で表されそして該ポリマー
が下記の任意に繰り返す構造単位：

【００９０】

【化８】

【００９１】［ここで、下記を適用する：Ｒ¹⁰は、Ｈま
たはカチオンであり、ｎ、ｍ、ｏは、０または１から３
００の整数であり、ｐ、ｑは、０または１から１０の整
数であり、ｒは、０または１または２の整数であり、ｓ
は、０または１から１０の整数であり、ｎ＋ｍ＋ｏ＋ｐ
＋ｑ≦３００であり、ここで、指数ｎ、ｍ、ｏ、ｐ、
ｑ、ｒおよびｓは、ランダムに分布しているか或はラン
ダムに分布していない単位が該ポリマー中に何個存在す
るかを示す］の少なくとも１つを含む第１項記載の組成
物。

【００９２】３． 該ポリマーが式

【００９３】

【化９】

【００９４】で表される繰り返し単位Ａ１とＢ１で本質
的に構成されている第２項記載の組成物。

【００９５】４． 単位Ｂ１が単位Ａ１とＢ１の合計を
基準にして少なくとも５０％存在している第３項記載の
組成物。

【００９６】５． 第１項記載の組成物を含有する洗剤
またはクリーナー。

【００９７】６． 存在する全成分を基準にして該イミ
ノジスクシネート誘導体を０．５から４０重量％および
該繰り返すこはく酸単位を含むポリマーを０．５から２
５重量％含有する第５項記載の洗剤またはクリーナー。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハンス−ヨアヒム・トレンクナー ドイツ51375レーフエルクーゼン・アンデ アシユタインリユツチユ30

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繰り返すこはく酸単位および／またはそ
   れの可溶塩を含む少なくとも１種のポリマーと特に式 【化１】 ［式中、Ｒ、Ｒ₁は、互いに独立して、ＨまたはＯＨを
   表し、Ｒ₂、Ｒ₃、Ｒ₄、Ｒ₅は、互いに独立して、カチオ
   ン、水素またはアルカリもしくはアンモニウムイオンを
   表す］で表されるイミノジスクシネートを含有する組成
   物。
2. 【請求項２】 請求項１記載の組成物を含有する洗剤ま
   たはクリーナー。