JPH09295113A - 連続鋳造による丸鋳片の製造方法 - Google Patents

連続鋳造による丸鋳片の製造方法

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JPH09295113A
JPH09295113A JP10981296A JP10981296A JPH09295113A JP H09295113 A JPH09295113 A JP H09295113A JP 10981296 A JP10981296 A JP 10981296A JP 10981296 A JP10981296 A JP 10981296A JP H09295113 A JPH09295113 A JP H09295113A
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Yutaka Tsuchida
裕 土田
Shinichi Nishioka
信一 西岡
Takashi Itakura
孝 板倉
Hiroshi Maeda
浩史 前田
Masao Nakagome
理欧 中込
Tatsuro Katsumura
龍郎 勝村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Cr含有量が0.5 wt.%超えの難熱間加工性継
目無鋼管用の340 mmφ以下の丸ビレット鋳片でマンネス
マン穿孔にも十分に耐えることができる内質に優れたも
のを、安価で簡便な設備で製造する。 【解決手段】 連鋳ラインで、丸ビレット鋳片の凝固末
期部分に静磁場を印加し、更にこの下流でロールで軽圧
下する。望ましくは、鋳型内溶鋼を電磁撹拌し、鋳片軸
心の固相率fs が 0<fs ≦0.5 を満たす時期に静磁場
を印加し、且つ、0.3 ≦fs <1 を満たす時期にC方向
断面積減少率が 0.1〜3%の範囲内の圧下を一組または複
数組のロールで加える。 【効果】 難加工性の高合金鋼、特に高Cr合金鋼の無
欠陥ビレットの製造が可能となり、その結果、従来と変
らない製管法を用いても管内面疵がなく、付加価値の高
い継目無鋼管を製造することができ、且つ製造コストも
低減し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、継目無鋼管用高
Cr鋼および軸受鋼等の素材鋳片を製造する方法に関
し、特に、連続鋳造において鋳片の軸心部に発生するポ
ロシティおよび偏析等を低減し、内部品質の健全な丸鋳
片を簡便に鋳造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管は、一般に、連続鋳造で大断
面角形状のブルーム鋳片を鋳造し、加熱後、分塊圧延、
ブルーミングミルおよびビレッティングミル等で断面丸
形状のビレット(丸ビレット)に熱間圧延した後に製管
工場へ搬送されるか、または、連続鋳造機で丸ビレット
を鋳造した後、製管工場へ搬送し、そして、マンネスマ
ン穿孔もしくはプレス穿孔、または熱間押出し等により
中空素管を製造し、その後のエロンゲータ、プラグミル
またはマンドレルミル等の圧延機で延伸し、最終的にサ
イザーおよびストレッチレジューサ等により定径して製
品とする。
【0003】一般の低炭素鋼のように連続鋳造で比較的
容易に鋳造することができ、そして熱間加工性の良好な
鋳片は、継目無鋼管用の素材として鋳造ままで供給され
るが、ステンレス鋼等のように連続鋳造では鋳片の軸心
部に偏析やポロシティが発生し易く、しかも熱間加工性
に劣る鋳片は、大きな加工を加えた後に供給されること
が多い。
【0004】熱間加工性に劣る鋳片の場合にこのような
工程を経る理由は、素材ビレットが先ずマンネスマン穿
孔という過酷な加工を受けるからであり、このような前
工程を省略すると、軸心部のポロシティおよび偏析によ
り管内面に疵が発生するからである。従って、難加工性
材料と呼ばれる鋳片は勿論のこと、炭素量の多い鋳片お
よびCrが添加された鋳片についても、穿孔前の加工が
必要であるといわれている。
【0005】特に、鋳片の内部品質は、その後の圧延過
程での製管成績に大きく影響を及ぼす。鋼中のCr含有
量が多くなると、連鋳鋳片の軸心部に偏析およびポロシ
ティが発生し易く、それが原因で製管工程において継目
無鋼管の内面にうろこ状の表面疵が発生するため、管内
面を手入れして疵を除去しなければならず、製造コスト
の上昇を招く。
【0006】一般に、連鋳鋳片軸心部の鋳造欠陥の発生
は、鋳片の最終凝固段階における凝固界面形状と凝固収
縮に起因しており、結晶による溶鋼流路の閉塞や溶鋼の
粘性が高い等のために、溶鋼の流動抵抗が大きくなり、
デンドライト樹間の濃化溶鋼が優先的に流動すると偏析
となり、また、溶鋼が十分に供給されない場合にはポロ
シティになるとされている。
【0007】特に、Crを含有する溶鋼では、Cr含有
量の増大につれて溶鋼の粘性が増大し、図1に示すよう
にCr含有量が13wt.%前後で最大となる。そこで、従
来は、仮に鋳片にポロシティが発生していても分塊圧延
によりこれを圧着させ、しかる後にビレッティングミル
で丸形状に加工して、製管用素材に供給していた。更
に、この加工と加熱を繰り返す工程で生ずる成分元素の
拡散により中心偏析も低減されていた。また、鋳片品質
の向上を図り製管時の欠陥発生を防止するために、連続
鋳造機の鋳型に電磁撹拌装置を設置して溶鋼を撹拌する
ことにより結晶の核生成を促進し、最終凝固部に十分な
領域の等軸晶帯を形成させることにより、鋳片の中心偏
析およびセンターポロシティの生成を抑制している。
【0008】鋳片の内部品質を向上させる手段として
は、連続鋳造ラインにおいて鋳片に軽圧下を施す方法が
ある。例えば、特公昭59−16862号公報は、凝固
末期に鋳片を凝固収縮量分だけロールで圧下し、凝固末
端領域(クレータエンド領域)の濃化溶鋼の流動を抑え
ることにより中心偏析を防止する技術(以下、「先行技
術1」という)を開示している。しかしながら、先行技
術1では、鋳片の軸心が固液共存状態にある相当長い区
間に、多数の圧下ロールを配置しなければならない。
【0009】「材料とプロセス」vol.7(199
4)No.1.p194〜197は、丸ブルーム鋳片を
未凝固状態で2段で圧下する方法を、ステンレス鋼SU
S410に適用する技術(以下、「先行技術2」とい
う)について開示している。しかしながら、先行技術2
では、マクロ腐食試験結果において若干のポロシティの
残存が認められる。また、鋳片軸心の密度は7.7 であ
り、ポロシティの発生していないときの密度7.8 に達し
ていず、完全にはポロシティを圧着するに至っていな
い。
【0010】「材料とプロセス」vol.7(199
4)No.1.p179〜182は、C含有量0.4 〜0.
6 wt.%の連鋳ブルームの中心偏析を改善するために、凝
固末期の鋳片を金型に押し込み、連続的に大圧下をする
鍛圧法(以下、「先行技術3」という)を開示してい
る。しかしながら、先行技術3では、1段で一気に、且
つ未凝固液相を絞り出すほど過剰に圧下することを特徴
としているため、センターポロシティの消滅には優れて
いるが、鋳片の軸心部は負偏析になっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した各先行技術に
は、それぞれ下記の問題点がある。先行技術1は、鋳片
の中心偏析改善には効果的であるが、軽圧下ロールを鋳
造ラインの長い区間にわたって設置しなければならない
ので、設備費および運転費がかさむ。
【0012】先行技術2は、軸心部の凝固組織の改善に
は有効であるが、前述したように、センターポロシティ
の消滅には不十分である。先行技術3は、ポロシティの
圧着には優れたプロセスであるが、成分の均一性が厳し
く問われ、管の内面腐食が問題となる継目無鋼管用素材
としては適用できない。
【0013】従って、この発明の目的は、上述した問題
点解決することにより、内面疵の発生しない継目無鋼管
用素材として、鋳片軸心部の品質に優れた丸ビレット鋳
片を、連続鋳造により製造する方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
実情に鑑み、安価で簡便な設備により、内質の健全な鋳
片を製造する技術の研究を重ねた。その結果次の発明を
完成した。
【0015】請求項1記載の連続鋳造による丸鋳片の製
造方法は、0.5 wt.%超えのCrを含有する高Cr合金鋼
を、直径340 mm以下の丸形状鋳型で連続鋳造し、得られ
た丸ビレット鋳片の凝固末期の部分に静磁場を印加し、
次いで、その連続鋳造の下流において丸ビレット鋳片に
ロールで軽圧下を加えることに特徴を有するものであ
る。
【0016】請求項2記載の連続鋳造による丸鋳片の製
造方法は、請求項1記載の丸鋳片の製造方法において、
これに更に鋳型内における溶鋼の電磁撹拌処理を付加
し、そして、鋳片に対して軸心の固相率fs が 0<fs
≦0.5 を満たす時期に静磁場を印加し、更に、0.3 ≦f
s <1 を満たす時期に、一組または複数組のロールでC
方向断面積減少率が 0.1〜3%の範囲内の圧下を加えるこ
とに特徴を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態につ
いて説明する。先ず、請求項1記載の発明の一実施態様
について説明する。
【0018】連続鋳造によりCr含有量0.5 wt.%超えで
直径340 mm以下の丸ビレットを鋳造する場合には、鋳片
軸心の最終凝固部近傍では冷却速度が急激に大きくなる
ため、凝固が加速的に進行してポロシティが生成し易
く、更には、熱応力による放射状の割れを誘発する。従
って、内部の鋳造欠陥の無い直径340 mm以下の鋳片を製
造する際には、本発明の製造方法が必須となる。以下に
その理由を説明する。
【0019】穿孔圧延の前には、所定の丸ビレットを連
続鋳造する過程で、鋳片に静磁場を印加して中心偏析を
低減し、且つ、鋳片に軽圧下を付与してセンターポロシ
ティを消滅させておく必要がある。静磁場を印加するの
は、鋳片内部でデンドライト樹間の濃化溶鋼が流動し
て、V偏析の形成から成長に至る時期が適切である。ま
た、軽圧下の時期は、鋳片軸心部が固液共存の状態でポ
ロシティの形成を抑制し得る時期、もしくは形成したポ
ロシティを圧着し得る液相を有する凝固完了前であれば
よい。
【0020】また、鋳片の化学成分組成については、C
r含有量が増加すると溶鋼の粘性が増大し、本発明者等
の試験結果によれば、特に、Cr含有量が0.5 wt.%を超
えるとセンターポロシティが発生し易く、それがもとで
継目無鋼管の内面疵の発生頻度が高くなる。なお、本発
明法では、大断面の連鋳鋳片を一旦丸ビレットに圧延す
ることなく、丸ビレット鋳片から中空素管を直接製造す
るので、コスト低下にも効果的である。
【0021】請求項2記載の発明の一実施態様について
説明する。連続鋳造の鋳型内で溶鋼に電磁撹拌を付与し
つつ丸ビレットを鋳造し、これを鋳片軸心部の固相率f
s が0 <fs ≦0.5 を満たす時期に印加し、更にその下
流でfs が0.3 ≦fs <1 を満たす時期にロールで軽圧
下を付与する。
【0022】鋳型内の電磁撹拌は鋳片軸心部に等軸晶を
生成させる効果があり、次いで、軸心部固相率が上記範
囲内にある時期に行なえば、静磁場印加はV偏析の抑制
効果に、また、軽圧下はセンターポロシティの消滅に一
層の効果を発揮する。
【0023】また、鋳片軸心の固相率fs は、本発明の
適用に当たっては最も重要な要素である。V偏析の発生
から成長に至るのは、0.1 ≦fs ≦0.5 を満たす時期で
あり、この間に静磁場を印加して濃化溶鋼の流動を抑え
て偏析チャンネルの形成を防止することが必要であり、
この範囲外での磁場印加は効果が小さい。一方、ロール
圧下を付与する鋳片軸心の固相率fs を0.3 ≦fs <1
としたのは、固相率が0.3 未満では、一旦軽圧下しても
その後の凝固収縮で再び溶鋼流動が起こり、偏析やポロ
シティが形成され易い。また、鋳片軸心部の固相率が1
未満、即ち、完全凝固せずに液相の存在する時期であれ
ば、ポロシティの発生を抑制、あるいは圧着が可能な熱
間延性を有するので問題はない。静磁場の印加時期とロ
ール軽圧下の時期はfs が0.3 ≦fs ≦0.5 において見
かけ上重複しているが、溶鋼のある化学成分組成が与え
られると、これに応じて静磁場の印加および軽圧下の望
ましい時期がそれぞれ決まり、同じ時期に両方の処理を
することを意味するものではない。
【0024】鋳片の軽圧下法においては、上述した鋳片
軸心の固相率条件に加え、鋳片C方向断面積の減少率を
限定することにより、軸心のV偏析の抑制、およびポロ
シティの形成を抑制ないし圧着する効果を発揮する。鋳
片C方向断面積減少率が0.1%未満では、偏析の発生を抑
制することは可能であるが、ポロシティの発生を抑制な
いし圧着することはできない。一方、C方向断面積減少
率が3%を超えるような過剰の圧下を加えると、ポロシテ
ィの発生を防止、あるいはポロシティを圧着するするこ
とはできるが、鋳片内部に割れが発生し、製管時に内面
疵発生の原因となる。
【0025】上述した本発明の鋳造法により、従来より
も簡便な方法で内質の健全な鋳片が得られ、また、これ
を素材として、従来と全く変わらない製管法を用いても
製造コストが低く、且つ、内面疵の発生しない高級継目
無鋼管を製造することが可能となる。
【0026】
【実施例】次に、この発明の丸鋳片の製造方法を、実施
例によって更に詳細に説明する。図2は、この発明の実
施例および比較例に用いた連続鋳造設備の概念図であ
る。図2に示した鋳型内電磁撹拌装置3 、静磁場印加装
置5 、および、1段の軽圧下ロール6 を配設した、半径
11.5m の湾曲型ビレット用連続鋳造機により、鋳片断面
が170 mmφまたは330 mmφの丸形状鋳型2 に、Cr含有
量が2.5 wt.%または13.8wt.%の継目無鋼管向け高Cr溶
鋼1 を鋳造し、丸ビレット鋳片4 を製造した。次いで、
鋳片4 を所定温度に加熱し、マンネスマン穿孔機で圧延
して中空素管を製造し、エロンゲーターで延伸後、サイ
ザーで定径して継目無鋼管を製造した。
【0027】表1に、本発明の範囲内の製造方法である
実施例1〜10、および、本発明の範囲外の製造方法で
ある比較例1〜3を示す。なお、比較例1および3は、
静磁場を印加せず、軽圧下も付与しなかった場合であ
る。同表中、静磁場印加条件および軽圧下条件中のfs
は、それぞれ静磁場印加装置5 および軽圧下ロール6 の
設置位置における鋳片4 軸心の固相率を示す。
【0028】
【表1】
【0029】鋳造された化学成分組成の溶鋼1 は、いず
れも鋳片4 軸心の偏析およびポロシティを形成し易く、
しかも難加工性鋼種である。注湯温度は溶鋼の化学成分
組成に応じた常法の温度とし、設置した鋳型内電磁撹拌
装置3 により鋳型2 内で溶鋼1 を撹拌しつつ鋳造した。
また、鋳片4 の冷却水量も溶鋼1 の化学成分組成や鋳片
サイズに応じた適正な量に調節した。
【0030】凝固末期の未凝固鋳片に対し、静磁場を印
加するための1組の磁石と、鋳片に圧下を付与するため
の1組の圧下ロール6 を有する軽圧下装置を、連続鋳造
ラインの所定の場所に設置した。磁石は、電磁コイルに
よる静磁場発生方式である。圧下方式は、油圧式で、ロ
ール径は380 mmφで、V型のカリバーロールである。静
磁場印加装置および軽圧下装置の設置位置はそれぞれ、
鋳型内溶鋼メニスカスから14.5m および16.7m とし、溶
鋼組成や鋳片径等が鋳造No.間で異なっていても、鋳造
速度を調整することにより鋳片軸心部の固相率fs を任
意に選定することができるようにした。
【0031】鋳造終了後、丸ビレット鋳片から所定の試
験片を採取し、鋳片軸心部の密度および内部割れについ
て試験した。次いで製管した後、継目無鋼管の内面疵発
生状況を観察し、鋳片内質を評価した。
【0032】〔鋳片軸心部の密度測定試験〕鋳片の軸心
を含みL方向に、10mm角×40mm長さのブロックを切
り出し、表面に露出したポロシティを塞ぐ薄膜処理を実
施後、フタル酸に浸漬してアルキメデス法により密度を
測定した。また、上記と同じ方法で当該鋳片の表面から
半径1/4部位に相当する健全部の密度を測定し、1/
4部の密度(ρ1/4 )に対する1/4部と軸心部との密
度差(ρ1/4 −ρ1/2 )の比率(Δρ=((ρ1/4 −ρ
1/2 )/ρ1/4 )×100)により、下記の評点をつけ
た。
【0033】 評点1: Δρ<0.5% 評点2: 0.5≦Δρ<1 % 評点3: 1≦Δρ<5 % 評点4: 5≦Δρ<10% 〔鋳片内V偏析検出試験〕鋳片のC方向断面3枚および
L方向断面長さ500mmの試験片1枚につき、塩酸マク
ロ腐食試験によりV偏析を顕出し、目視にてV偏析の程
度(幅および深さ)を判定し、評点をつけた。評点1は
良、評点2は可、そして評点3は不可である。
【0034】〔総合評価試験〕鋳造された丸ビレット鋳
片を1100〜1300℃の間の所定温度に加熱し、マンネスマ
ン穿孔機で圧延して中空素管を製造し、エロンゲータで
延伸後、サイザーで定径して継目無鋼管を製造した。そ
の後、鋼管の内面疵の発生状況と程度を検査し、総合評
価試験とした。素材となる鋳片の内質を総合的に評価し
得る指標でもあり、評点が小さいほど内質が優れてお
り、評点1は良で欠陥が発生しなかったもの、評点2は
可で欠陥が軽微なもの、そして評点3は不可で大きな欠
陥が発生したものである。
【0035】以上の試験結果を、表1に併記した。表1
から、下記事項がわかる。 静磁場印加および軽圧下の両方共に付与しなかった比
較例1および2においては、軸心密度評点、V偏析評
点、および総合評点の全てにおいて劣っている鋳片しか
得られなかった。
【0036】また、軽圧下を付与しなかった比較例3
は、軸心密度評点において劣り、その結果総合評点にお
いても劣り、静磁場印加を付与しなかった比較例4は、
V偏析評点において劣り、その結果総合評点においても
劣った鋳片しか得られなかった。
【0037】これに対して、本発明の範囲内にある実
施例1〜9は全てが、総合評点において優れた鋳片が得
られた。 実施例を詳細にみると、請求項1の技術的範囲内には
あるが、軽圧下時のfs が最適範囲よりは小さかった
(fs =0.21)実施例1、軽圧下時のfs が1.00であっ
て最適範囲より大きかった実施例5、および、軽圧下量
が最適範囲よりも大きかった(C方向断面減少率=3.30
%)実施例5においてはいずれも、鋳片段階における軸
心密度評点において必ずしも望ましい水準には達してい
ないが、総合評点において可のものであり、実用上問題
のない鋳片が得られた。
【0038】更に、実施例の内、請求項2の技術的範
囲内にある実施例2〜4、および、6〜8においてはい
ずれも、軸心密度評点、V偏析評点および総合評点の全
てにおいて優れた鋳片が得られた。
【0039】
【発明の効果】この発明は上述したように構成したの
で、従来よりも簡便なプロセスで内質の健全な鋳片素材
を提供することができ、内面疵のない難加工性の高合金
鋼、特に困難とされていた高Cr合金鋼の無欠陥ビレッ
トの連続鋳造化を達成し、その結果、従来と変らない製
管法を用いても管内面疵がなく、付加価値の高い継目無
鋼管を製造することができ、且つ製造コストも低減し得
るという、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶鋼中のCr含有量と粘性との関係を示すグラ
フである。
【図2】この発明の実施例および比較例に用いた連続鋳
造設備の概念図である。
【符号の説明】
1 溶鋼 2 鋳型 3 鋳型内電磁撹拌装置 4 鋳片 5 静磁場印加装置 6 圧下ロール 7 ピンチロール 8 固液共存相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 27/02 B22D 27/02 W (72)発明者 前田 浩史 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中込 理欧 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 勝村 龍郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.5 wt.%超えのCrを含有する高Cr合
    金鋼を直径340 mm以下の丸形状鋳型で連続鋳造し、得ら
    れた丸ビレット鋳片の凝固末期の部分に静磁場を印加
    し、次いで、前記連続鋳造の下流において前記丸ビレッ
    ト鋳片にロールで軽圧下を加えることを特徴とする、連
    続鋳造による丸鋳片の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の丸鋳片の製造方法に更
    に、前記丸形状鋳型内における溶鋼の電磁撹拌処理を付
    加し、そして、前記静磁場を前記丸ビレット鋳片軸心の
    固相率fs が 0<fs ≦0.5 を満たす時期に印加し、且
    つ、前記軽圧下を一組または複数組のロールで前記丸ビ
    レット鋳片軸心の固相率fs が0.3 ≦fs <1 を満たす
    時期にC方向断面積減少率が 0.1〜3%の範囲内の圧下を
    加えることを特徴とする、請求項1記載の連続鋳造によ
    る丸鋳片の製造方法。
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