JPH09201601A - 加工性の良い継目無鋼管製造用連続鋳造丸鋳片の製造方 法 - Google Patents

加工性の良い継目無鋼管製造用連続鋳造丸鋳片の製造方 法

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JPH09201601A
JPH09201601A JP982096A JP982096A JPH09201601A JP H09201601 A JPH09201601 A JP H09201601A JP 982096 A JP982096 A JP 982096A JP 982096 A JP982096 A JP 982096A JP H09201601 A JPH09201601 A JP H09201601A
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Takashi Ariizumi
孝 有泉
Tatsuro Katsumura
龍郎 勝村
Shinichi Nishioka
信一 西岡
Koichi Tsutsumi
康一 堤
Takashi Itakura
孝 板倉
Michio Nakagome
理欧 中込
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Crを0.5%以上含有する鋼の、マンネス
マン穿孔時に内面疵が発生しない加工性の良い継目無鋼
管製造用ビレットを、連続鋳造ままで再加熱・圧延工程
を経ることなく製造する。 【解決手段】 外径170〜340mmφの丸鋳片を連
続鋳造法により製造し、凝固完了後にフラットロールま
たは、フラットオーバルまたは、オーバル孔型を有する
ロールにより第1段の圧下を加え偏平化し、次いで、ラ
ウンド孔型を有するロールにより、最大径の方向に第2
段の圧下を加え、再び丸鋳片とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継目無鋼管製造用
素材として用いる、Cr含有の高合金鋼の丸鋳片を連続
鋳造法で製造する方法に関するものであり、特に、セン
ターポロシティ(以後、単にポロシティと記す。)およ
び、凝固組織を消滅させて内部品質を向上させることに
より、マンネスマン穿孔時における疵の発生の少ない、
加工性の良好な丸鋳片(丸ビレット。丸鋳片をマンネス
マン穿孔を行うために所定の長さに切断した鋼片を丸ビ
レットとする。)を連続鋳造法で製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管は一般的には、連続鋳造した
スラブやブルームを、分塊圧延工程を経て製造した丸ま
たは角ビレットを用いるか、あるいは連続鋳造法により
直接的(ビレットにする過程で再加熱を行わない。した
がって、再加熱のための切断工程がない。)に製造し
た、丸または角ビレットを素材として用いる。
【0003】このビレットにマンネスマン穿孔、プレス
穿孔または押し出し穿孔等を行い、中空の素管にし、そ
の後に、エロンゲーター、プラグミル等の圧延機により
延伸し、最終的には、サイザーやストレッチレデューサ
ーにより定径化する工程を経て製品とする。
【0004】一般的に、炭素鋼の様に連続鋳造が比較的
容易であり、かつ、その鋳造品の熱間加工性が良好なも
のは、鋳造ままのビレットを用いて穿孔を行うことによ
り、良好な内面性状の炭素鋼の素管が得られる。
【0005】一方、連続鋳造ままの場合には、軸芯部に
ポロシティや偏析が生じやすいCr含有鋼等の、熱間加
工性の劣る鋼の継目無鋼管の製造においては、連続鋳造
後に分塊圧延により大きな加工を与え、ポロシティや偏
析を無くした圧延ビレットを用いることが一般的であ
る。
【0006】合金元素の含有量の多い鋼の熱間加工性が
劣る主な原因は、溶鋼中のCrの含有量の増加に伴っ
て、連続鋳造時の軸芯部偏析やポロシティの発生が著し
くなることによるとされている。
【0007】連続鋳造鋳片においても、最終凝固段階に
おいては鋳片の内部に空隙が発生する。一般的な炭素鋼
の連続鋳造時においては、この空隙に溶鋼が容易に供給
され、ポロシティは大きくはならない。これに対して、
Crの含有量が多い鋼の場合は、溶鋼の粘度が高いため
にそれが供給されにくく、ポロシティが発生しやすくな
る。
【0008】図7は溶鋼中のCrの含有量と、溶鋼の粘
度との関係を示した図である。溶鋼中のCr量が増加す
ると共に粘度が増大して、13%前後でピーク値を示し
ている。なお、ポロシティの発生はCr量が0.5%以
上になると顕著になることが知られている。
【0009】この様な欠陥を内部に含む鋳造ままの鋳片
を、継目無鋼管製造用の素材として用いると、製管工程
の第一段階であるマンネスマン穿孔時において、圧縮
力、剪断力、引張り力が複雑に作用する過酷な加工を受
けるため、軸芯部のポロシティや偏析が起点となり、素
管の内面に疵が発生する。その結果、不良品となるため
の歩留りの低下、疵の手入れによる能率の低下や、製造
コストの増加をきたしている。
【0010】この様な事情にあるため、鋳造まま(熱間
加工工程を経ずに)のビレットを用いてマンネスマン穿
孔を行うと、疵の発生が懸念される、難加工性材料と言
われている材料はもちろん、Crを含有する鋼種の継目
無鋼管の製造においても、内部品質を向上させるために
再加熱し、圧延した素材よりなるビレットを用いること
が不可欠とされてきた。
【0011】すなわち、従来の製造方法はマンネスマン
穿孔用の素材として、分塊圧延でポロシティを機械的に
圧着させて、内部品質を改善した丸ビレットを用いるこ
とにより、製管時の疵の発生の問題を回避していた。
【0012】1例をあげると、高Cr鋼の継目無鋼管用
の素材の製造方法として、比較的大断面を持つ角形状の
ブルームを連続鋳造した後に、加熱・分塊圧延によって
丸ビレットを製造する方法が、特開平7−136702
号公報に示されている。
【0013】しかしながら、この連続鋳造後に熱間加工
を行う方法の場合は、まず加熱するために、鋳片を一定
の長さに切断する必要がある。この切断した鋳片を圧延
すると、圧延後の素材の端面が凹凸形状になる。この形
状のままで穿孔すると内面疵の発生の原因となるため、
切断、クロップの廃棄と言う工程が必要になり、もちろ
ん、歩留りも低下する。熱間加工を行うための加熱も製
造コストの増大につながる。
【0014】連続鋳造鋳片の内部品質を向上させるため
の技術も、もちろん相当数が開示されている。連続鋳造
機の鋳型外に電磁攪拌装置を設置し、鋳型の中の溶鋼を
攪拌する方法は広く実施されている。これは、鋳型内で
溶鋼を電磁力で攪拌することにより、凝固核を生成さ
せ、最終凝固部の鋳片の中心部分を等軸晶で満たし、ポ
ロシティの発生を抑制すると言うものである。しかし、
この技術のみではポロシティの発生を完全に防止するこ
とはできない。
【0015】また、特開昭59−16862号公報に示
されている様な、連続鋳造時に鋳片に圧下を加える、い
わゆる、軽圧下技術も鋳片の内部品質を向上させる手段
として知られている。この技術は、凝固末期の鋳片に凝
固収縮分だけ、ロールで圧下を与えて、濃化溶鋼の流動
を抑えて中心偏析を防止する技術である。
【0016】この技術の実施例としては、たとえば、
「材料とプロセス誌、第7巻、第1号、195頁、19
94年発行」に示されている、SUS410鋼の丸ブル
ームの例がある。この例では内部が未凝固の状態で、二
段で圧下するプロセスを適用しているが、圧下後の鋳片
の軸芯部の密度は7.7g/cm3 である。この値はポ
ロシティの無い場合の密度である7.8g/cm3 に対
して99%以下であり、ポロシティを十分に圧着できて
いないと考えられる。(掲載されているミクロ写真にも
軸芯部に若干のポロシティが認められる。)
【0017】この軽圧下プロセスを採用した場合の大き
な問題点は、2つのロールによる圧下で引き起こされる
鋳片形状の悪化と、圧下量が増加した場合に発生する可
能性のある凝固界面近傍の割れである。
【0018】単純に丸鋳片を1対の平ロールにより圧下
すると、当然圧下部の断面形状は偏平化するが、偏平断
面は製品の偏肉化につながる。ポロシティの圧着効果を
高めるために圧下量を増加させると、形状はさらに真円
から遠ざかり、丸ビレットを転がせて搬送することも難
しくなる。また、穿孔時の噛み込みが不安定になると言
う重要な問題も生じる。穿孔時の割れの発生率も当然高
くなる。
【0019】これらの問題を解決するため、たとえば特
開平7−108358号公報には、楕円形の断面のモー
ルドを用い、楕円形の断面のビレットを製造し、楕円の
長軸方向に圧下する技術が提案されている。この方法は
圧下を行った後に、断面形状が真円に近いビレットを得
られると言う点においては、上記の問題点を解決してい
る。
【0020】しかしながら、楕円形のモールドは真円の
モールドに比較して、鋳造時の湯流れが不均一に成りや
すく、それに起因する湯面の変動や、パウダーの巻き込
みにより、新たな欠陥が発生しがちである。さらに、本
来はこの形状の鋳型を必要としない鋼においても、鋳型
を交換しない場合には、圧下を行うと言う不必要なプロ
セスが加わることになる。
【0021】連続鋳造鋳片に対して大圧下を行い、鋳片
の内部品質の向上を目的としたプロセスが「材料とプロ
セス誌、第7巻、第1号、179頁、1994」や、特
開平63−183765号公報に開示されている。この
プロセスは連続鋳造時に一対の金型により大きな圧下を
するものである。連続鋳造中に圧下を加えるため加熱が
不要であり、またポロシティの圧下消滅の効果も大きい
が、設備費が高いと言う欠点がある。
【0022】なお、「鉄と鋼誌、第60巻、第7号、8
75頁、1974」には、インラインリダクション法と
して、同様の技術が示されているが、この方法は矩形断
面のブルームやビレットを対象とした技術であり、本発
明が目指すところの、Cr等の合金元素の含有量が多い
鋼の丸ビレットに適用するには問題が多い。
【0023】以上に述べた様な事情により、マンネスマ
ン穿孔に用いる丸ビレットの内部品質を向上させるため
の方法は、連続鋳造時に塑性変形を与える様な、大きな
圧下を行う方法を採用するか、従来の方法である加熱−
分塊圧延工程を採用するかの二者に絞られるが、前者は
設備費が、後者は運転費が高いと言う欠点を持ってい
る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた様に、C
r等の合金元素の含有量の多い鋼の、継目無鋼管を製造
するためのマンネスマン穿孔時に、内面疵の発生のな
い、または少ない丸ビレットを得るために、連続鋳造丸
鋳片中のポロシティや凝固組織を消滅させて、丸鋳片の
内部品質を向上させるための従来の技術は、いずれも、
技術的、または経済的に種々の問題点を内包している。
【0025】したがって、鋳造ままの丸鋳片(丸ビレッ
ト)を用いて、マンネスマン穿孔法により継目無鋼管の
素管を製造した場合も、内面傷の発生の少ない連続鋳造
法による丸鋳片の、簡便かつ経済的な製造方法が求めら
れていた。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は連続鋳造丸鋳片
のポロシティおよび凝固組織を、比較的簡単かつ経済的
な方法により効果的に消滅させ、その内部品質を向上さ
せ、マンネスマン穿孔時に内面疵の発生が少ない、加工
性の良好な連続鋳造丸鋳片(以後、単に鋳片と記す。し
たがって、以後の記述はすべて連続鋳造丸鋳片を対象と
している。)を得ることを目的としている。
【0027】本発明の特徴は、図1に示す様に鋳片の凝
固完了以降(したがってピンチロール以降に)に、2ス
タンド(2つのミル)の連続圧延機を設置して、凝固後
の鋳片を圧下するものである。(なお、本発明において
は、圧延設備の総称を連続圧延機とする。また、個々の
スタンドをミルと仮称する。)
【0028】第1発明は、以下に示す工程を備えてい
る、加工性の良い鋳片の製造方法である。 イ)Crを0.5%以上含有する鋼の、外径170〜3
40mmφの丸鋳片を連続鋳造法により製造する工程。 ロ)前記丸鋳片が凝固完了後に、フラットロールにより
圧下を加える工程。 ハ)前記圧下を加えた丸鋳片に、ラウンド孔型を有する
ロールにより、最大径の方向に圧下を加え再び丸鋳片と
する工程。
【0029】第2発明は、以下に示す工程を備えてい
る、加工性の良い鋳片の製造方法である。 イ)Crを0.5%以上含有する鋼の、外径170〜3
40mmφの丸鋳片を連続鋳造法により製造する工程。 ロ)前記丸鋳片が凝固完了後に、フラットオーバルまた
は、オーバル孔型を有するロールにより圧下を加える工
程。 ハ)前記圧下を加えた丸鋳片に、ラウンド孔型を有する
ロールにより、最大径の方向に圧下を加え再び丸鋳片と
する工程。
【0030】本発明は、Crを0.5%以上含有する鋼
の、外径170〜340mmφの鋳片を対象としてい
る。Cr量が0.5%未満の鋼の場合は、その溶鋼の粘
度が低くポロシティが発生しにくい。また、偏析も小さ
いため本発明の方法を用いることの効果は少ない。
【0031】本発明にかかる鋳片の製造方法は、従来よ
り行われてきた鋳片を再加熱して、加工することなくビ
レットとし、それを用いてマンネスマン穿孔法により、
継目無鋼管の素管を製造していた、すべての0.5%以
上のCrを含有する鋼種に適用可能である。
【0032】また、従来は鋳片を再加熱−圧延してビレ
ットとし、マンネスマン穿孔を行っていたCr含有鋼種
にも適用可能なことは言うまでもなく、むしろ、これら
の鋼種の継目無鋼管を製造する場合において本発明の効
果は著しい。
【0033】なお、本発明の実施においては、原則とし
て溶鋼に対して鋳型1の中で、電磁攪拌処理(必須では
ない)を行うこととする。この電磁攪拌処理は従来の装
置を用い、従来と同様の方法により行う。
【0034】図1に示す様に本発明においては、2つの
ミルを持つ連続圧延機4により、比較的容易に鋳片2に
効果的な圧下を加えることができる。連続圧延機の設置
位置は凝固完了点以降、ピンチロール以降である。な
お、第1ミルのROミル(ラウンドオーバルミル)5
と、第2のORミル(オーバルラウンドミル)6はユニ
バーサル式(2組のロールのロール軸が互いに垂直)に
配置している。
【0035】鋳片にまず圧下を加える第1のミル(RO
ミル)に組み込むロールの形状は、1)フラット、2)
フラットオーバル、あるいは、3)オーバルとする。こ
れらのロールにより鋳片を圧下し、真円断面に鋳造され
た鋳片の断面形状を、円を押しつぶした形状とする。図
2、図3、図4にロールおよび、それらにより圧下され
た鋳片断面の概略図を示す。
【0036】ついで、ラウンド形状の孔型ロールを持つ
第2のミル(ORミル)において、断面がROミルの圧
下により、真円から外れた形となった鋳片に対して、最
大径の方向に圧下を加え、縮径して再度、真円断面の鋳
片とする。図5にロールおよび、それらにより圧下され
た鋳片断面の概略図を示す。
【0037】ROミルに、フラットオーバルやオーバル
の孔型を有するロールを用いる場合は、圧下が鋳片の中
心に向ってかかるため、鋳片の軸芯部において圧縮応力
場が形成されやすくなり、内部品質の向上が可能とな
る。この効果は、ラウンドの孔型を有するロールのOR
ミルによる圧下により、更に大きくなる。
【0038】また、ROミルにフラットロールを用いる
場合も、次いでラウンド孔型のロールのORミルで圧下
を行うため、フラットロールにより圧延時に微細な欠陥
が発生しても、圧着されて同様に優れた内質を持つ鋳片
(丸ビレット)が得られる。
【0039】
【発明の実施の形態】図1に示した様に、本発明におい
ては、鋳型1に注入された溶鋼は鋳片2になる。鋳片は
図示した様に、凝固しつつある状態で垂直方向から曲げ
られ、水平方向に移行する。鋳片の流れる速度(引抜き
速度)はピンチロール3により一定速度に制御される。
【0040】なお、図1においては、鋳片が水平方向に
移動中に連続圧延を行っているが、もちろん、これに限
定されるものではない。鋳片を垂直または斜め方向に移
動中に圧下をかけることも可能である。
【0041】従来の連続鋳造方法の場合は、鋳片は連続
鋳造後にそのままカッターにより切断され丸ビレットに
なるか、先に述べた様にピンチロールにより、その効果
が必ずしも十分でない圧下が加えられた後に、切断され
て丸ビレットとされる。または、大きな設備投資を必要
とする連続鍛圧機により、圧下された後に切断されて丸
ビレットとされていた。
【0042】ROミルの標準的な減面率は、5〜25
%、ORミルのそれは5〜20%であり、鋳片には丸ビ
レットになる前に、2つのミルの2組のロールにより合
計で、10〜40%程度の減面率の圧下が与えられる。
この工程の合計の減面率(Ar)は以下に示す(1)式
で表すものとする。
【0043】 減面率(Ar)={(連続圧延前の鋳片径)2 −(連続圧延後の鋳片径 )2 }/(連続圧延前の鋳片径)2 ・・・・・(1) 本発明においては、マンネスマン穿孔時において疵の発
生が、3%以下と実質的に無視できる程度となる減面率
を、必要減面率(Ar* )と定義する。この場合は、疵
手入れのための生産能率の低下はほとんど問題とならな
い。
【0044】また、一般的には、マンネスマン穿孔後の
素管の内面の疵の発生率が10%以下の場合は、疵の手
入れは必要であるが問題は少ない。(もちろん、疵手入
れにための生産能率の低下は若干は存在する。)この状
態が得られる減面率を有効減面率と定義する。なお、有
効減面率以下の圧下を行った場合も、それなりの効果が
あることはもちろんである。
【0045】必要減面率(Ar* )以上の圧下を行うこ
とは、ポロシティや鋳造組織をほぼ完全に消滅させるこ
とと対応しているため、内面疵の発生も抑えられると考
えられる。したがって、 減面率(Ar)≧必要減面率(Ar* ) となる様な、圧下を連続圧延時に行えば、極めて優れた
内質の鋳片が得られる。この必要減面率(Ar* )は鋼
中のCr量と、連続圧延前の鋳片の径の関数であるが、
Cr量が0.5〜15%、鋳片の径が170〜340m
mφの範囲においては、大きくは変化はせず20〜30
%程度であり、この連続圧延機を用いることにより、鋳
片のポロシティや凝固組織を十分に消滅させることがで
きる。
【0046】疵の発生率が10%以下になる有効減面率
は10%程度であるが、これも、Cr量が0.5〜15
%の鋼で、鋳片の径が170〜340mmφの場合は、
ほぼ同程度である。
【0047】本発明の圧延方法は、そのロールの形状か
らも明らかな様に、圧延時に鋳片に加える歪みが、他の
方法に比較して均一であると言う特徴がある。また。鋳
片の内部にマンネスマン穿孔の際に、割れの発生の原因
となる内部欠陥や変形を生じさせないと言う長所も有し
ている。
【0048】
【実施例】図6に13%Crを含有する鋼の、マンネス
マン穿孔用の170mmφビレットを製造する場合の減
面率(Ar)と、マンネスマン穿孔後の管の内面の疵の
発生率との関係を示す。
【0049】疵の発生率が10%以下になる有効減面率
は10%である。この値は、上記したように、Cr量が
0.5〜15%の鋼で、鋳片の径が170〜340mm
φの場合も大差はない。マンネスマン穿孔後に、実質的
に疵の手入れのための生産能率の低下が問題とならな
い、必要減面率(Ar* )は30%であるが、この値も
Cr量が0.5〜15%の鋼で、ビレット径が170〜
340mmφの場合においてはほぼ同様である。なお、
図において、●印は本発明の圧下を行っていない比較例
であり、疵の発生率は100%に近い。
【0050】
【発明の効果】本発明の完成により、Cr含有鋼の連続
鋳造鋳片を、従来は必須であった切断・再加熱による熱
間圧延を行うことなくビレットとする、鋳造−製管一貫
プロセス(ビレットの直鋳造化)による継目無鋼管の製
造が可能となった。特に、丸ビレットの内質を著しく改
善することが可能となったことによる、付加価値の高い
高合金鋼管の、内面疵の少ない低コストかつ高能率の製
造が、従来の装置を大きく改造することなく、可能とな
ったことの意義は大きい。
【0051】もちろん、炭素鋼鋼管の製造においても、
品質の向上や疵取り工程の大幅省略による製造能率の向
上の効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための連続鋳造装置(連続圧
延機を含む)の概略図である。
【図2】本発明を実施するための第1ミル(ROミル)
に使用するフラットロールによる、丸鋳片の圧下の状態
である。
【図3】本発明を実施するための第1ミル(ROミル)
に使用するフラットオーバル孔型ロールによる、丸鋳片
の圧下の状態である。
【図4】本発明を実施するための第1ミル(ROミル)
に使用するオーバル孔型ロールによる、丸鋳片の圧下の
状態である。
【図5】本発明を実施するための第2ミル(ORミル)
に使用するラウンド孔型ロールによる、丸鋳片の圧下の
状態である。
【図6】本発明の実施例および比較例を示す図である。
【図7】Cr含有量と溶鋼の粘性の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1・・・ 連続鋳造機の鋳型 2・・・ 鋳片 3・・・ ピンチロール 4・・・ 連続圧延機 5・・・ ROミル 51・・ フラットロール 52・・ フラットオーバル孔型ロール 53・・ オーバル孔型ロール 6・・・ ORミル 61・・ ラウンド孔型ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 康一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 板倉 孝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中込 理欧 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下に示す工程を備えていることを特徴と
    する、加工性の良い継目無鋼管製造用連続鋳造丸鋳片の
    製造方法。 イ)Crを0.5%以上含有する鋼の、外径170〜3
    40mmφの丸鋳片を連続鋳造法により製造する工程。 ロ)前記丸鋳片が凝固完了後に、フラットロールにより
    圧下を加える工程。 ハ)前記圧下を加えた丸鋳片に、ラウンド孔型を有する
    ロールにより、最大径の方向に圧下を加え再び丸鋳片と
    する工程。
  2. 【請求項2】以下に示す工程を備えていることを特徴と
    する、加工性の良い継目無鋼管製造用連続鋳造丸鋳片の
    製造方法。 イ)Crを0.5%以上含有する鋼の、外径170〜3
    40mmφの丸鋳片を連続鋳造法により製造する工程。 ロ)前記丸鋳片が凝固完了後に、フラットオーバルまた
    は、オーバル孔型を有するロールにより圧下を加える工
    程。 ハ)前記圧下を加えた丸鋳片に、ラウンド孔型を有する
    ロールにより、最大径の方向に圧下を加え再び丸鋳片と
    する工程。
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