JP3104627B2 - 丸ビレットの未凝固圧下製造方法 - Google Patents

丸ビレットの未凝固圧下製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素鋼、ステンレ
ス鋼、高合金鋼等の丸ビレットの連続鋳造による製造方
法、特に丸ビレットとする鋳片の中心部に発生する中心
偏析やセンターポロシティを低減する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造工程から、圧延または鍛造工程
を経て、ユージンセジュルネ法またはマンネスマン法等
で、シームレスパイプを製造する方法において、最近、
連続鋳造工程以下の素圧延等の工程を一部省略し、プロ
セスの生産効率を高める方法として、ニアネットシェイ
プキャスティング法と呼ばれる、より最終成品形状に近
い大きさの丸ビレットを連続鋳造工程で製造する方法が
指向されている。
【0003】しかし、この丸ビレットとする鋳片には、
鋳造中に中心偏析やセンターポロシティが発生し、これ
が鋳片内部に残存し、その程度が大きい場合は、パイプ
成品を製造した後にパイプの内面疵を発生させるという
問題点が存在する。
【0004】そこで、上記の中心偏析やセンターポロシ
ティ発生の防止対策として、内部品質の向上を図る連続
鋳造鋳片の製造方法が提案されている (特開平3−1243
52号公報参照) 。この方法は、鋳片の厚さの2〜5倍の
直径を有するロールを用いて、鋳片内部の未凝固部を圧
下する技術であって、すでに凝固した鋳片を圧下する場
合に比べ弱い圧下力しか必要とせずに中心偏析やセンタ
ーポロシティの発生を低減させようとするものであり、
それらの一定の低減効果が期待できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の連続鋳
造による製造方法では、スラブやブルーム等の断面形状
が長方形である鋳片を対象としているので、断面形状が
円形である通常の丸ビレットの形状を有する鋳片 (以
下、丸ビレット鋳片という) にこの技術を適用すると、
次のような問題点が生じてしまう。
【0006】図1は、従来の未凝固圧下法を丸ビレット
鋳片にそのまま適用した場合の模式的断面図であり、図
中、上下ロール対10、12を丸ビレット鋳片14を白抜き矢
印方向から圧下し、中心部の斜線領域として示す未凝固
部16を圧着している。
【0007】しかしながら、このように丸ビレット鋳片
14を従来の未凝固圧下法を用いてインライン圧下した場
合、圧下量を大きくすると、左右向きに矢印で示す圧下
変形によって真円性が損なわれ、真円精度が悪くなり、
そのような全体が楕円形のビレットを用いては、そのま
までは製管ができない。
【0008】さらにこのように圧下方向と垂直な方向
へ、ビレットが延び変形すると、今度は丸ビレット鋳片
14の上下部分の凝固界面18に引張り応力が生じて、いわ
ゆる内部割れ20を発生させる危険性がある。この凝固界
面18に見られる内部割れ20は、割れ部に偏析溶鋼を吸引
しており、凝固後の鋳片の断面で観察するとC、P、
S、Mn等の成分の濃化した偏析線として残存している。
この偏析線が、一般に内部割れと呼ばれているものであ
り、製管時の管内面キズ発生の一因となるものである。
【0009】また、中心偏析やポロシティは、一般的に
凝固末期に生成するために圧下の時機によっては、これ
らの低減効果が大きく変化することが考えられ、適切な
圧下時期を選定することが重要である。また、この圧下
時期の選定は、内部割れの防止にとっても重要であり、
内部割れがなく、かつ中心偏析やポロシティを安定して
低減できる圧下時期を選定すべきである。特に、丸ビレ
ット鋳片においては、中心部の断面積が、中心点からの
半径方向の距離の2乗に比例して小さくなるために、前
述のような従来のブルームやスラブの連続鋳造の際の圧
下 (特開平3−124352号公報) とは大きく条件が異なる
と考えられる。
【0010】本発明の目的は、連続鋳造において、真円
性の良好な、かつ、内部割れのない、センターポロシテ
ィ、中心偏析の少ない内質の良好な製管向け丸ビレット
鋳片の未凝固圧下製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の課
題を解決するための手段について種々、実験、調査検討
を繰り返すことにより、未凝固圧下を垂直、水平の方向
から同時に行い、次いで凝固後の圧下によって真円成形
を行う方法において、未凝固圧下の段階で、未凝固部径
以上の圧下量を鋳片に与えてやることで、中心偏析、セ
ンターポロシティが、ほぼ完全に低減し、かつ内部割れ
の発生も起こらなくなり、上述の課題が効果的に達成で
きることを知り、本発明を完成した。ここに、本発明
は、次の通りである。
【0012】(1) 丸ビレットの連続鋳造において、同一
垂直断面に一対の水平ロールおよび一対の垂直ロールを
備えた少なくとも一個の未凝固圧下スタンドと、その下
流に設けた一対の垂直ロールからなる凝固後垂直圧下ス
タンドおよび一対の水平ロールからなる凝固後水平圧下
スタンドとを備えた圧下設備を使用して、鋳型から連続
的に引き出される鋳片の完全凝固以前の位置の前記未凝
固圧下スタンドにおいて鋳片に圧下を与え、次いで鋳片
の完全凝固後に前記凝固後垂直圧下スタンドおよび凝固
後水平圧下スタンドにおいて鋳片に圧下を与えて鋳片の
断面形状の真円性を整えながら、断面積の減少を図る方
法であって、前記未凝固圧下スタンドにおいて、鋳片の
中心固相率が0.1 〜0.5 の領域でその時の鋳片の未凝固
部径以上の圧下量を、当該鋳片に与えることを特徴とす
る連続鋳造による丸ビレットの製造方法。
【0013】(2) 鋳型内の溶鋼に電磁攪拌を行うことに
より鋳片の中心部に等軸晶を形成させることを特徴とす
る上記(1) に記載する連続鋳造による丸ビレットの製造
方法。
【0014】
【発明の実施の形態】中心偏析やセンターポロシティの
生成原因は、鋳片凝固末期における凝固収縮によるもの
であり、鋳造中に鋳片表面から、この内部収縮量を補う
程度、またはそれ以上に圧下を加えて鋳片の断面積の減
少を図ることにより、これらを低減あるいは防止するこ
とができる。
【0015】従来のように断面矩形の矩形ビレットの場
合には、上下方向から一対のロールで未凝固圧下を行う
が、断面丸形の丸ビレット鋳片においてもそのような従
来技術のように水平の二本のロールにより、インライン
で未凝固圧下を実施すると、図1に示すように、圧下方
向と垂直な方向への延び変形により内部割れが発生する
可能性が高くなる。また、圧下方向と垂直な方向への延
び変形により、楕円形状となり、このまま、凝固させて
しまうと、真円性が確保できず製管できなくなってしま
う。
【0016】そこで、本発明にあっては、図2に同じく
略式説明図で示すように、同一断面において中心部が未
凝固の丸ビレット鋳片14を上下ロール対22、24、左右ロ
ール対26、28によって、4方向より同時に未凝固圧下す
るのであって、これにより、図1のような延び変形を抑
制し、内部割れの発生の原因を少なくすることができる
とともに、真円性の阻害を小さくすることができる。図
示例では、各ロール対を構成するロールをカリバー形の
ものとして示すが、このときのロール表面は、完全なフ
ラットであってもよい。
【0017】しかし、いずれの場合にあっても、真円性
については、少なくとも1の未凝固圧下スタンドにおけ
るこれらの4ロールの同時圧下によって完全に保証でき
るものではなく、4ロールの同時圧下直後の鋳片が完全
凝固した後に、今度は、凝固後圧下スタンドとして一対
の垂直ロールからなる凝固後垂直圧下スタンドと、さら
に一対の水平ロールからなる凝固後水平圧下スタンドに
より真円成形することにより、真円性を高めることがで
きる。
【0018】完全凝固後に、このような凝固後圧下スタ
ンドを設置する理由は、すでに4ロールの未凝固圧下ス
タンドを、中心偏析、センターポロシティの低減に有効
な凝固末期の領域、つまり、鋳片の未凝固領域に設けて
おり、そのような領域にさらに凝固後圧下スタンドを設
置するには場所的な制約があることと、また未凝固圧下
で真円成形を行うと内部割れ発生のおそれがあることか
ら、そのような無用な未凝固圧下時の内部割れの発生を
避けるためとである。
【0019】凝固後圧下スタンドとしての垂直ロールと
水平ロールの設置の順は、特に限定するものではない
が、4ロールの未凝固圧下スタンドにおける水平ロール
と垂直ロールの圧下量の度合いによって、例えば縦偏平
となった場合には、凝固後水平圧下スタンドを先にする
というようにしてその順を決定すればよい。
【0020】図3にその連鋳機内での配置の一例を示
す。図3は、本発明にかかる連続鋳造鋳片の製造装置の
模式的説明図であり、図中、鋳型32から連続的に引き抜
かれた丸ビレット鋳片34は冷却ロール群36において水冷
により冷却を促進され、次いで、案内ロール群38を経て
から上下ロール対から成る未凝固圧下ロール群40に送ら
れ、順次、圧下を行ってから、最終的に本発明にかかる
未凝固圧下スタンド42において4方向からの未凝固圧下
を行い、未凝固圧下を完了する。図示例では、4方向か
らの同時圧下を行う本発明にかかる未凝固圧下スタンド
42を1段だけ設けているが、これは上流に向かって多段
に設けてもよい。場合によっては、上下ロール対から成
る未凝固圧下ロール群40をすべて本発明にかかる未凝固
圧下スタンドで構成してもよい。
【0021】このように未凝固圧下スタンドを多段に設
けることによって、圧下量をそれぞれ調整することによ
り、真円性の保持の効果を上げることができるが、設備
が複雑になることから、通常は1段だけ設けることが好
ましい。
【0022】このようにして未凝固圧下を完了した丸ビ
レット凝固鋳片43は、次いで、例えば対になった垂直ロ
ールから構成される凝固後垂直圧下スタンド44、対にな
った水平ロールから構成される凝固後水平圧下スタンド
46を経て、真円成形されて、シームレスパイプ製造用の
丸ビレット鋳片とする。このときの凝固後垂直圧下スタ
ンド44、凝固後水平圧下スタンド46の数は、必要により
さらに設けてもよく、またどちらを先にするかも特に制
限はない。符号48はピンチロールを示す。
【0023】本発明において、このように真円成形を水
平ロール、垂直ロールに分けて行うのは、未凝固圧下の
ように、延び変形による内部割れの問題がないためと、
水平ロールと垂直ロールを分割配置した方が、場所的に
制約がなくコストも安いからである。この場合にも使用
するロールはカリバー形であってもフラット形であって
も、いずれでもよい。
【0024】さらに、本発明によれば、図示例では、未
凝固圧下ロール群の最終スタンドにおいて、鋳片の中心
固相率が0.1 〜0.5 の領域で4ロールから構成される未
凝固圧下スタンドによりその時の鋳片の未凝固部径以上
の圧下量を当該鋳片に与える。このときの未凝固圧下の
量と圧下時機の限定理由について述べる。
【0025】センターポロシティ、中心偏析を低減する
ためには、前述したように鋳造中に鋳片表面から、この
内部収縮量を補う程度、またはそれ以上に圧下を加える
ことが有効であるが、鋳片の外部からの圧下が内部に浸
透せずに充分な断面減少が得られずに、これらの欠陥を
完全に防止できない場合が多い。また、圧下量の増大に
伴い、凝固界面の引張り変形が増大し、内部割れの危険
性が増すことになる。
【0026】しかし、上述のように、未凝固部径以上の
圧下量を鋳片に与えることで、中心偏析、センターポロ
シティが、ほぼ完全に低減し、かつ内部割れの発生も起
こらないことになる。
【0027】つまり、未凝固部径以上の圧下を与えるこ
とは、内部の溶鋼の収縮量をはるかに越える圧下であ
り、むしろ、内部の溶鋼を上流側に絞り出してやること
により、センターポロシティ、中心偏析の原因を事前に
取り去ったことになる。さらに、未凝固部径以上の圧下
により、凝固界面が内部で圧着し、凝固界面の引張り応
力が、その時点で圧縮力に転じてしまう。その結果、一
旦、引張り力により凝固界面に割れが生じるが、その後
の圧縮力の作用によって割れが圧着し、内部に吸引して
いた偏析溶鋼も絞り出してしまうことにより、“内部割
れ”は結果的に存在しなくなる。
【0028】このときの圧下量は未凝固部径以上であれ
ば特に制限はないが、目的寸法などからその上限は規定
される。内部圧着という観点から言えば、未凝固部径の
1.05〜1.3 倍程度の圧下量とすることが好ましい。
【0029】ところで、このような作用がいつの時点で
も起こるわけでもなく、鋳片の中心固相率が0.5 を越え
た時点で圧下をすると残溶鋼の流動性が低く、上流側へ
の残溶鋼絞り出しができずに偏析が残存してしまう。こ
れは、丸鋳片において中心固相率が0.5 となった時の残
溶鋼の断面に占める空間が極めて小さくなるためで、い
わば細管の中を溶鋼が上流側に流動しなければならず、
粘性抵抗が著しく増大することを意味する。一方、中心
固相率が0.1 より小さな時点では、未だ中心偏析、セン
ターポロシティの原因となる。凝固収縮は大きくなく、
不必要に大きな圧下で界面を圧着することは鋳片の真円
度確保にとって不利である。
【0030】好ましくは、そのような未凝固圧下を行う
ときの中心固相率は、0.2 〜0.4 である。ここに、中心
固相率(fs)は、中心部が液相と固相の共存する相に達し
ている場合の、その共存相における固相の体積分率を示
す。
【0031】かかる未凝固圧下は、図2に示す4ロール
によって行うのが好ましいが、特に本発明の場合には未
凝固部径以上の圧下量を採用することから、単なる未凝
固圧下と異なり、圧延の圧下機構を備えたものであって
も良い。
【0032】さらに、C:0.5%以上の高炭材のように鋳
片の中心部の組織が柱状晶化しやすい場合、未凝固部の
界面圧着過程で柱状晶の先端同志が最初に当たって、閉
空間をつくってしまい、残溶鋼の絞り出しがうまく行か
なくなることがある。そこで、そのような絞り出し効果
をより確実にするために鋳型内の溶鋼電磁攪拌を行うこ
とにより、等軸晶化を図り、中心部が等軸晶の状態で本
発明にかかる未凝固圧下を施すことが望ましい。なお、
鋳型内の溶鋼の電磁攪拌それ自体はすでに公知であり、
本発明にあってもそのような公知の手段を採用すればよ
い。次に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明
する。
【0033】
【実施例】図3に示す構造に実質等しい配置をもった、
図2の4ロールから構成された1の未凝固圧下スタンド
42とそれに続く、凝固後垂直圧下スタンド44、凝固後水
平圧下スタンド46を備えた連続鋳造装置を用い、0.2 %
C鋼と0.8 %C鋼の直径250 mmの丸ビレット鋳片43を鋳
造した。4ロールの未凝固圧下スタンド42の位置は溶湯
メニスカスより20m、凝固後垂直圧下スタンド44および
凝固後水平圧下スタンド46の位置は溶湯メニスカスよ
り、それぞれ23mと25mの位置に配置した。凝固後水平
圧下スタンド46の下流にはピンチロール48が設けられて
いる。未凝固圧下スタンド42のロールは引抜きを考えて
駆動ロールとしてもよい。
【0034】鋳造速度は1.7 〜2.3 m/min で、二次冷却
スプレーによる冷却力は、鋳型直下より6mの間で比水
量0.2 l/kg・steel とした。このときの完全凝固位置
は、溶湯メニスカスよりいずれも31m下流の地点とな
り、4ロールの未凝固圧下スタンド42で未凝固圧下を、
凝固後垂直圧下スタンド (以下、「Vスタンド」と称す
る) 、凝固後水平圧下スタンド (以下、「Hスタンド」
と称する) で完全凝固後の鋳片の圧下成形を行うことが
できる。水平ロールと垂直ロールの径は、いずれも400
mmとし、形状はフラットとしたが、場合によってはカリ
バー形状としてもよい。
【0035】鋳型内電磁攪拌は、移動磁場方式の装置を
鋳型メニスカスから下方、200 mmの間で800 ガウス、60
0 rpm の条件となるよう設置し、運転した。表1、2に
実施例と比較例の圧下条件を示す。
【0036】実施例1〜4、比較例1〜6は、0.2 %C
鋼の丸ビレット鋳片を製造する場合の例で、鋳造速度は
1.7 〜2.3 m/min の間で変化し、メニスカスより20mの
4ロール圧下スタンドの位置で所定の未凝固部径、中心
固相率 (fs)となるように調整した。
【0037】実施例5、6は0.8 %鋼の丸ビレット鋳片
を製造する場合の例で、鋳造速度を1.7 m/min とした。
未凝固部径と中心固相率は、半径方向一次元の非定常伝
熱解析、鋳造中のFe−S 添加による凝固シェル厚、調査
等により求めた。
【0038】実施例1〜4は電磁攪拌を設けなかった場
合の例であり、0.2 %C鋼においては、通常でも等軸晶
は出易く、特に電磁攪拌の必要はなかった。実施例5
は、0.8 %C鋼を対象とするものであり、通常では等軸
晶化しにくく電磁攪拌を実施した。
【0039】比較例1では鋳造速度を2.3 m/min まで上
昇させ、未凝固部径を70mm、4ロールの未凝固圧下スタ
ンド42での圧下時の中心固相率を0.05とした。比較例2
では鋳造速度を1.5 m/min まで下げ、未凝固部径を30m
m、未凝固圧下時の中心固相率を0.6 とした。
【0040】比較例3では、実施例2と同一の未凝固部
径、中心固相率であるが、未凝固部径50mmに対し、圧下
量を45mmとした。比較例4では、実施例2とほぼ同じ条
件であるが凝固後の真円成形時の垂直ロールの圧下を実
施しなかった。
【0041】比較例5では、実施例2とほぼ同じ条件で
あるが、凝固後の真円成形の水平ロールの圧下を実施し
なかった。比較例6では、実施例2と同じ未凝固部径、
中心固相率であるが、4ロールの未凝固圧下スタンドに
おいて水平ロールのみの圧下とした。
【0042】以上のような各例において、鋳片鋳造後、
冷鋳片より、定常鋳造部の2m長のサンプルを切り出
し、そのサンプルから100 mm長さピッチで21個の横断面
板を採取した。
【0043】この横断面板の断面のサルファプリントよ
り内部割れの有無を確認した。さらに中心部 (変形が大
きい時は重心) より5mm径の切り粉を取り出し、炭素濃
度Cを分析して、それを鋳片の平均濃度Coとの比、C/Co
として中心偏析の評価指標、さらに横断面でみられるポ
ロシティの総面積を求め、鋳片断面積との比より、ポロ
シティ面積率(%) を求め、ポロシティを評価した。
【0044】また、横断面の重心を求め、重心から周方
向への距離を周角30°ピッチで測定し、得られるべき真
円の半径との差 (縦断面) を真円の半径で除したものを
真円偏差率(%) と定義し、真円度の評価を行った。製管
工程に供与されるべき丸ビレット鋳片の真円偏差率は3
%以内である。表3に各例についての試験結果をまとめ
て示す。各パラメーターの値は21個の横断面板サンプル
の平均値を示す。
【0045】実施例1〜4においては、ポロシティ、中
心偏析、内部割れ、真円偏差率とも著しく良好なものが
得られた。また実施例5においては、電磁攪拌の適用効
果が明らかである。
【0046】比較例1においては、未凝固圧下時の中心
固相率が1より小さく、大きな圧下量となり、真円偏差
率が悪くなった。比較例2においては、中心固相率が0.
5 より大きく、充分な残溶鋼の絞り出しができず、ポロ
シティ、中心偏析、内部割れの結果はよくない。
【0047】比較例3においては、未凝固部径より小さ
な圧下量であったため、充分な残溶鋼の絞り出しができ
ず、ポロシティ、中心偏析、内部割れの結果は悪い。比
較例4においては、凝固後圧下の垂直ロールの圧下を実
施しなかったため、真円偏差率が悪くなった。
【0048】比較例5においては、凝固後圧下の水平ロ
ールの圧下を実施しなかったため、同じく真円偏差率が
悪くなった。比較例6においては、4ロールの未凝固圧
下において、水平ロールのみ圧下したため、ポロシテ
ィ、中心偏析、内部割れおよび真円偏差率ともに悪くな
った。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】本発明により、連続鋳造に続く製管工程
に内質が良好で真円性の高い、丸ビレット鋳片を供給す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸ビレット鋳片の未凝固圧下による内部割れ発
生状況を示す模式的説明図である。
【図2】同一断面4方向の未凝固圧下を示す模式的説明
図である。
【図3】本発明にかかる丸ビレット鋳片のインライン圧
下設備の概要説明図である。
【符号の説明】
32:鋳型 34:丸ビレット鋳片 36:冷却ロール群 38:案内ロール群 40:未凝固圧下ロール群 42:未凝固圧下スタンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−275259(JP,A) 特開 平7−40019(JP,A) 特開 平8−206804(JP,A) 特開 平8−174001(JP,A) 特開 平5−237616(JP,A) 特開 昭63−215353(JP,A) 特開 平1−180762(JP,A) 特開 平10−146651(JP,A) 特開 平10−128512(JP,A) 特開 平10−52744(JP,A) 特開 平7−204812(JP,A) 特開 平9−295113(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/00 B22D 11/115 B22D 11/128 350 B22D 11/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丸ビレットの連続鋳造において、同一垂
    直断面に一対の水平ロールおよび一対の垂直ロールを備
    えた少なくとも一個の未凝固圧下スタンドと、その下流
    に設けた一対の垂直ロールからなる凝固後垂直圧下スタ
    ンドおよび一対の水平ロールからなる凝固後水平圧下ス
    タンドとを備えた圧下設備を使用して、鋳型から連続的
    に引き出される鋳片の完全凝固以前の位置の前記未凝固
    圧下スタンドにおいて鋳片に圧下を与え、次いで鋳片の
    完全凝固後に前記凝固後垂直圧下スタンドおよび凝固後
    水平圧下スタンドにおいて鋳片に圧下を与えて鋳片の断
    面形状の真円性を整えながら、断面積の減少を図る方法
    であって、 前記未凝固圧下スタンドにおいて、鋳片の中心固相率が
    0.1 〜0.5 の領域でその時の鋳片の未凝固部径以上の圧
    下量を、当該鋳片に与えることを特徴とする連続鋳造に
    よる丸ビレットの製造方法。
  2. 【請求項2】 鋳型内の溶鋼に電磁攪拌を行うことによ
    り鋳片の中心部に等軸晶を形成させることを特徴とする
    請求項1に記載する連続鋳造による丸ビレットの製造方
    法。
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