JP3367332B2 - 難加工性継目無鋼管の製造方法 - Google Patents

難加工性継目無鋼管の製造方法

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JP3367332B2 JP12010096A JP12010096A JP3367332B2 JP 3367332 B2 JP3367332 B2 JP 3367332B2 JP 12010096 A JP12010096 A JP 12010096A JP 12010096 A JP12010096 A JP 12010096A JP 3367332 B2 JP3367332 B2 JP 3367332B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高Cr鋼のよう
な熱間加工性の悪い鋼片から継目無鋼管を製造する方法
に関し、特に、連続鋳造で丸ビレットを簡便に鋳造し、
次いで疵の発生を抑えつつ製管する継目無鋼管の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管は、一般に、連続鋳造機で大
断面角形状のブルーム鋳片を鋳造し、加熱後、分塊圧延
機、ブルーミングミルおよびビレッティングミル等で断
面丸形状のビレット(丸ビレット)に熱間圧延した後、
製管工場へ搬送するか、または、連続鋳造機で丸ビレッ
トを鋳造した後、製管工場へ搬送し、そして、マンネス
マン穿孔もしくはプレス穿孔、または、熱間押出等によ
り中空素管を製造し、エロンゲータ、プラグミルまたは
マンドレルミル等の圧延機で延伸し、最終的にサイザー
およびストレッチレデューサー等により定径して製品と
する。
【0003】一般の低炭素鋼のように連続鋳造で比較的
容易に鋳造することができ、そして熱間加工性も良好な
鋳片は、継目無鋼管用の素材として鋳造ままで供給され
るが、ステンレス鋼などのように連続鋳造では鋳片の軸
芯部にポロシティや偏析が発生し易く、そして熱間加工
性に劣る鋳片は、大きな加工を加えた後に供給されるこ
とが多い。熱間加工性に劣る鋳片の場合にこのような工
程を経る理由は、素材ビレットが先ずマンネスマン穿孔
という過酷な加工を受けるからであり、このような前加
工を省略すると、軸芯部のポロシティおよび偏析により
管内面に疵が発生するからである。従って、難加工性材
料と呼ばれる鋳片は勿論のこと、炭素含有量の多い鋳片
およびCrが添加された鋳片についても、穿孔前の加工
が必要であると言われている。
【0004】特に、鋳片の内部品質は圧延工程での圧延
成績に大きな影響を及ぼす。鋼中のCr含有量が多くな
ると、連鋳鋳片の軸芯部に偏析およびポロシティが発生
し、製管工程で継目無鋼管の内面にうろこ状の表面疵が
発生し、内面を手入れして疵を除去しなければならず、
製造コストの上昇を招く。
【0005】一般に、連鋳鋳片のポロシティの発生機構
は、鋳片の最終凝固段階において本来なら凝固収縮に伴
い溶鋼が供給されて空隙は生じないが、溶鋼の粘性が高
い等のために溶鋼が供給されない場合にポロシティが生
成するとされている。特に、鋼中Cr含有量の増加につ
れて溶鋼の粘性が増大し、図6に示すようにCr含有量
が13 wt.%前後で最大となる。
【0006】そこで、従来、製管用素材には、仮に鋳片
にポロシティが発生していても分塊圧延によりポロシテ
ィを圧着させ、しかる後にビレッティングミルで丸形状
に加工し供給していた。また、鋳片品質の向上を図り製
管時の欠陥発生を防止するために、連続鋳造機の鋳型に
電磁撹拌装置を設置し、鋳型内溶鋼を電磁撹拌し、核生
成を促進して最終凝固部に等軸晶を形成させることによ
り鋳片の中心偏析およびポロシティの生成を抑制してい
る。
【0007】鋳片の内部品質を向上させる手段として
は、連続鋳造ラインにおいて鋳片に軽圧下を施す方法が
ある。例えば、特公昭59−16862号公報は、鋳片
を凝固末期に凝固収縮量分だけロールで圧下し、凝固末
端領域(クレータエンド領域)の濃化溶鋼の流動を抑え
ることにより中心偏析を防止する技術(以下、「先行技
術1」という)を開示している。
【0008】「材料とプロセス」1994 vol.7
No.1 p.194〜197は、丸ブルーム鋳片を未
凝固状態で2段階で、ロールで軽圧下する方法をステン
レス鋼SUS410に適用する技術(以下、「先行技術
2」という)を開示している。しかしながら、先行技術
2では鋳片軸芯部の密度は7.7であり、ポロシティが
発生していないときの鋳片軸芯部の密度7.8に及ばず
完全にはポロシティを圧着させていず、また、マクロ腐
食試験結果でも若干のポロシティが残っている。
【0009】「材料とプロセス」1994 vol.7
No.1 p.179〜182は、C含有量0.4〜
0.6 wt.%の連鋳ブルームの中心偏析を改善するため
に、凝固末期の鋳片を金型に押し込み、連続的に大圧下
をする鍛圧法(以下、「先行技術3」という)を開示し
ている。
【0010】一方、製管プロセスにおける内面疵発生防
止技術も多数提案されている。例えば、特開平1−22
8603号公報は、内外面性状の良好な二相ステンレス
鋼継目無鋼管を丸ビレット連鋳鋳片から製造するため
に、連鋳丸ビレット鋳片を、1200〜1310℃に加
熱してから穿孔圧延機で、穿孔比を1.40以下、ドラ
フト率({(素材径−ゴージ径)/素材径}×100
%)を5.0%以下で圧延する方法(以下、「先行技術
4」という)を開示している。
【0011】また、特開平6−106209号公報は、
ねじれ変形を少なくし且つ外表面疵の発生を少なくする
ために、ステンレス鋼の穿孔圧延において、穿孔機およ
びプラグの各種形状諸元間の幾何学的関係を適正化した
条件下で穿孔圧延する方法(以下、「先行技術5」とい
う)を開示しており、圧延素材については特に限定して
いない。しかしながら、穿孔圧延のように過酷な条件の
加工を受ける場合には、内面疵発生原因となるビレット
軸芯部の内質は、素材の化学成分組成および製造方法に
よって大きく異なるので、鋳片の鋳造方法から穿孔圧延
まで一貫した適正な製造方法が望まれる。従って、難加
工性材料を穿孔圧延し、内面疵の発生しない継目無鋼管
を製造するには不十分である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した各先行技術に
は下記問題点がある。先行技術1は、鋳片の中心偏析改
善には効果的であるが、軽圧下ロールを鋳造ラインの長
い区間にわたって設置しなければならないので、設備費
および運転費がかさむという問題を有する。先行技術2
は、軸芯部の凝固組織改善には効果的であるが、前述し
たように、ポロシティ消滅が不十分であるという問題を
有する。また、先行技術3は、ポロシティの圧着には優
れたプロセスであるが、設備費が高いという欠点があり
現実的ではない。
【0013】先行技術4は、丸ビレット連鋳鋳片から直
接穿孔圧延機で圧延することができるので、内外面性状
の優れた継目無ステンレス鋼管を高能率で製造すること
ができる。しかしながら、ドラフト率が5%以下では、
噛込み性に問題があり、常時安定して操業可能な条件と
は言い難い。また、先行技術5では、前述したように、
難加工性継目無鋼管の製造において望まれる鋳片の鋳造
方法から穿孔圧延方法までの一貫した製造条件が不明で
ある。
【0014】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、既存の連続鋳造設備を用いて中心偏析および
ポロシティの改善された内質良好な丸ビレット鋳片を簡
便に製造し、次いで、特に穿孔圧延においてはミスロー
ルを起こすことなく、しかも所謂マンネスマン割れを発
生させることのない穿孔条件下で熱間圧延し、かくして
内面疵の発生しない難加工性継目無鋼管を製造する方法
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
実情に鑑み、安価な設備で難加工性継目無鋼管を製造す
る技術の研究を重ねた。その結果、次の方法を開発し
た。
【0016】請求項1記載の難加工性継目無鋼管の製造
方法は、0.5wt.%超えのCrを含有する高Cr合金
鋼を直径340mm以下の丸形状鋳型にて連続鋳造し、
得られた丸ビレット鋳片の凝固末期の部分にフラットロ
ールで軽圧下を加え、次いで、前記鋳片を加熱した後、
穿孔熱間圧延して製管する際に、前記鋳片の加熱および
熱間圧延を、1100℃以上1300℃以下の温度範囲
内で行ない、且つ、前記熱間圧延は穿孔圧延であって穿
孔機ロール傾斜角が6°以上12°以下の範囲内で且つ
穿孔プラグ先端でのロール間隔を、前記丸ビレット径の
93%となる値を基準とした場合に、下記(1)式を満
たす条件で行うことに特徴を有するものである。 0.973≦P/P 0 ≦1.027 --------- (1) 但し、(1)式において、P 0 およびPは、穿孔機のロ
ールによって与えられるビレット駆動力に関する係数で
あり、 P=f(β, D P , L P , γ P ,γ g ,θ 1 , θ 2 ,
b )、 0 :γ P =0.93としたときの上記P値、 P/P 0 :穿孔機ロール傾斜角をある値で一定としたと
きのPおよびP 0 により求められる数、 f:所定の関数、 β:穿孔機ロール傾斜角、 P :プラグ径、 P :プラグの有効長さ、 γ P :プラグ位置を示す値、 γ g :ゴージ部におけるロール間隔/ビレット径、 θ 1 :入側ロール面角、 θ 2 :出側ロール面角、 b :ビレット径。
【0017】請求項2記載の難加工性継目無鋼管の製造
方法は、請求項1記載の方法において、連続鋳造に際し
ては鋳型内で溶鋼を電磁撹拌し、そして、鋳片に対して
軸芯部固相率が0.3以上1未満の間においてC方向断
面積減少率が0.1%以上3%以下の範囲内の軽圧下を
一段圧下施すことに特徴を有するものである。
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】この発明をさらに説明する。
【0021】連続鋳造によりCr含有量0.5 wt.%超
えで直径340mm以下の丸ビレット鋳片を鋳造し、鋳
片の凝固完了点近傍で鋳片をフラットロールで軽圧下
し、次いで、上記鋳片をマンネスマン穿孔機で圧延して
中空素管を製造し、エロンゲーターで延伸し、そしてサ
イザーで定径して継目無鋼管を製造する。
【0022】鋳片の直径が340mm以下の場合には、
軸芯部最終凝固部の凝固速度が速くなるため、ポロシテ
ィが生成し易く、更に熱応力による軸芯割れが誘発す
る。従って、直径340mm以下の鋳片を穿孔圧延後、
難加工性継目無鋼管を製造する場合には、本発明法によ
る製造プロセスが必須となる。以下、その理由を説明す
る。
【0023】所定の丸ビレットを連続鋳造する過程で、
鋳片を軽圧下してポロシティを穿孔圧延前に圧着させて
おくことが必要である。鋳片の軽圧下時期はポロシティ
を圧着させ得る液相を有する、鋳片軸芯部が凝固完了前
であればよい。また、鋳片の化学成分組成については、
Cr含有量が増加すると溶鋼の粘性が増大し、本発明者
等の試験結果によれば、特に、Cr含有量が0.5wt.%
を超えると継目無鋼管に内面疵が発生する。なお、本発
明法では、大断面連鋳鋳片を一旦丸ビレットに圧延する
ことなく、丸ビレット鋳片から中空素管を直接製造する
ので、コスト的にも効果的である。
【0024】また、連続鋳造の鋳型内で溶鋼を電磁撹拌
しつつ丸ビレットを鋳造し、鋳片軸芯部の固相率fS
0.3以上1未満においてC方向断面減少率が0.1%
以上3%以下の圧下を、連続鋳造ラインに設置された一
組のフラットロールを用いて一段圧下により行なうこと
により継目無鋼管用の鋳片を製造する。このようにして
製造された丸ビレット鋳片をマンネスマン穿孔機で圧延
して中空素管を製造し、エロンゲーターで延伸し、そし
てサイザーで定径して継目無鋼管を製造する。
【0025】鋳型内で溶鋼を電磁撹拌しつつ鋳造するこ
とは、鋳片軸芯部に等軸晶を形成させるのに効果があり
必須である。鋳片の軽圧下時期については、軸芯部が完
全凝固後ではポロシティは圧着しないので、固相線温度
未満(固相率1未満)で軽圧下することが必要である。
しかしながら、軸芯部の固相率が0.3以下では、一旦
軽圧下されてもこの軽圧下後再度クレーター内で溶鋼流
動が起こり、その結果、中心偏析およびポロシティが形
成される。
【0026】鋳片の軽圧下方法については、上述した固
相率条件に加え、C方向断面積減少率を限定することに
より軸芯部のポロシティの形成を抑制ないし圧着する効
果を発揮する。鋳片のC方向断面積減少率が0.1%以
下では偏析を抑制することはできるが、ポロシティを抑
制ないし圧着することはできない。一方、C方向断面積
減少率が3%を超えると、ポロシティを圧着することは
できるが、鋳片内部に割れが発生する。
【0027】図1は、本発明者等による実験結果の一例
であり、330mmφビレット鋳片の連続鋳造におい
て、鋳片軸芯部の固相率fs が0.52の位置でフラッ
トロールによる一段圧下をした場合、鋳片の内質に及ぼ
す鋳片のC方向断面積減少率(%)の影響を示すグラフ
である。同図において内質評点は小さいほど良好であ
り、1および2が合格範囲である。この実験結果から
も、C方向断面積減少率が0.1%以上3%以下の範囲
内の軽圧下をすることが必要であることがわかる。
【0028】以上により、鋳片の軽圧下はC方向断面積
減少率が0.1%3%以下の範囲内にすべきである。更
に、この軽圧下方法においては、ロールによる一段圧下
で行なうことを条件として付加すべきである。その理由
は多段圧下するより1段圧下する方がポロシティの圧下
に効果的だからである。
【0029】この発明の一実施態様について説明する。
直径340mm以下の連続鋳造鋳型内で、Cr含有量
0.5wt.%超えの溶鋼に、必要に応じて電磁撹拌を施し
つつ、丸ビレットを鋳造し、連続鋳造ラインの鋳片凝固
完了点近傍に設置された一組のフラットロールで、鋳片
軸芯部の固相率fS が0.3以上1未満において、C方
向断面積減少率が0.1%以上3%以下の圧下を一段圧
下で行ない、次いで、このようにして製造された丸ビレ
ット鋳片を1100℃〜1300℃以下の間の所定温度
に加熱し、マンネスマン穿孔機で圧延して中空素管を製
造し、エロンゲーターで延伸し、そしてサイザーで定径
して継目無鋼管を製造する。
【0030】加熱温度1100℃以上1300℃以下
は、一般的な穿孔圧延時の加熱温度であり、この温度範
囲内において内面疵の発生を抑えつつ難加工性鋳片を正
常に穿孔圧延するためには、穿孔条件を適正な範囲内に
特定する必要がある。本発明を完成するために特定した
穿孔条件の考え方を説明する。
【0031】内面疵の発生を抑制するためには、所謂マ
ンネスマン割れを防ぐことが必要となる。マンネスマン
割れは、傾斜穿孔機でビレットが圧延される過程におい
て、ビレットがプラグ先端に達するまでの歪みの蓄積に
よって発生するから、ビレット材質の熱間加工性が良好
であることが内面疵抑制の重要な条件となる。一方、マ
ンネスマン割れを防ぐため、機械的には、圧延方向にお
けるビレットがロールに噛み込んだ位置からプラグ先端
までの距離を短くすれば、ビレットに蓄えられる歪みが
小さくなり割れの抑制に効果的である。しかしながら、
この距離を小さくし過ぎると、ロールからビレットに与
えられる圧延方向の駆動力が不十分となりビレットがプ
ラグに噛み込まない、所謂ミスロールを起こす。従っ
て、ミスロールを起こすことなく、且つ内面疵を発生さ
せない穿孔条件は、特定の条件を満たす場合に制限され
る。更に付加して、ビレット材質、特に軸芯部近傍の内
質の良好な鋳片が要求される。
【0032】 上記観点から本発明者等が検討して得ら
れた難加工性材料のビレット鋳片のマンネスマン穿孔機
による穿孔条件は、Pが下記(1)式を満たす条件で穿
孔圧延を行なうことである。ここで、Pは、穿孔機のロ
ール荷重を穿孔材の変形抵抗値で除したもの(無次元)
であり、いわばロールによって与えられるビレット駆動
力に関する係数である。すなわち、本願発明は、プラグ
位置を如何にして噛み込みに問題を起こさない範囲で穿
孔入側(圧延機前面側)へ近づけるかを問題としてい
る。その代表値として、ロールを含めた幾何学的特徴の
ある、ロールゴージ部での応力値(面圧)をもって荷重
値の一要素、すなわち、ビレット駆動力として代表させ
ている。
【0033】 0.973≦P/P0 ≦1.027 --------- (1) 但し、P0 およびPは、穿孔機のロールによって与えら
れるビレット駆動力に関する係数であり、 P=f(β, DP , LP , γP ,γg ,θ12,Db ) P0 :γP =0.93としたときの上記P値 P/P0 :穿孔機ロール傾斜角をある値で一定としたと
きのPおよびP0 により求められる値 なお、ここでP/P0 のベース値としてγP =0.93
としたときのP値をP 0 として扱い、穿孔圧延条件P/
0 の範囲を上記(1)式の通り限定したが、ベース値
がγP =0.93のときに限るものではない。即ち、例
えば、γP =0.92あるいはγP =0.94等のとき
であっても、そのときのP値を用いて求めたP/P0
γP =0.93のときのP/P0 の換算値が上記(1)
式を満たせばよい。
【0034】f :所定の関数 β :穿孔機ロール傾斜角 DP :プラグ径 LP :プラグの有効長さ γP :プラグ位置を示す値 γg :ゴージ部におけるロール間隔/ビレット径 θ1 :入側ロール面角 θ2 :出側ロール面角 Db :ビレット径 図2に、丸ビレットの穿孔条件の各要素を説明する圧延
方向縦断面の概略穿孔状態図を示し、図3に、穿孔機ロ
ールの傾斜角度等のセッティング状態を説明する要部の
圧延方向縦断面図を示し、そして、図4に、丸ビレット
の穿孔圧延において、一圧延周期毎の管厚圧下量ΔHを
説明する圧延方向直角断面図を示す。
【0035】Pは、下記〜の仮定のもとで、簡易的
な方法によりロール荷重を算出して求めることができ
る。 圧延圧力はビレットの進行方向および回転方向のそれ
ぞれでの力の釣り合いにより求まる。
【0036】降伏条件として、Von−Misesの
条件が成立する。 圧延中の材料各部の圧下率は、主に前進角度および前
進効率により決定される。
【0037】接触長はロール、プラグおよびビレット
が半回転する間に減少した管厚量の関数で近似される。
上記仮定に基づき、ビレット径Db 、穿孔機ロール径D
R 、管厚、ロール面角θ1 ,θ2 、プラグ形状DP ,L
P 、および、プラグ先進量または下記(2)式で示され
るプラグ先端圧下率γP で代表されるプラグ位置を示す
値γP からPを求めることができる。
【0038】 γP =(GP /Db ) --------- (2) 但し、GP :プラグ先端でのロール間隔 以下、Pの求め方を説明する。
【0039】圧延方向に関するロールとビレットとの接
触長は、一般に、ロール入側の接触長については、ビレ
ットとロールとの接触開始点から穿孔機ロールの最大径
部(ゴージ)までのロール面角、ロール傾斜角、およ
び、ビレット径とゴージのロール間隔とから求められる
ゴージ圧下率によって決まり、また、ロール出側の接触
長についても素管径の違いはあるが、ほぼ同様に求めら
れる。ここではこれを更に単純化させて、ロール面角を
θ、ビレット径をDb 、ゴージ圧下率をγg とすると、
圧延方向のビレットとロールとの接触開始点からゴージ
までの投影長さである入側接触長Lxaは、下記(3)式
で表わされる。
【0040】 Lxa=(Db ×(1−γg )/2)/tanθ --------- (3) また、ビレット半回転当たりの圧下後管厚は、ロール間
隔とプラグ径との差によって簡略的に求めることが可能
である。即ち、ある点xでのロール間隔をGx、プラグ
径をDPxとすれば、管厚Hx は、下記(4)式で表わさ
れる。
【0041】 Hx =(Gx −DPx)/2 --------- (4) 本来であれば回転方向応力をも考慮すべきであるが簡便
に計算を行なうために、これらを上記仮定の各応力の釣
り合い式より導出した圧延方向応力解にのみ代入するこ
とにより、例えば、本発明に適用した、プラグ先端近傍
でのロール荷重P’を、下記(5)式により求めること
が可能となる。
【0042】 P’={(m1 ×変形抵抗+m2 ×変形抵抗+圧延方向応力)}/2 ---------(5) 但し、m1 、m2 :Von−Misesの降伏条件式の
係数、m1 2+m2 2−m1 2 =1により求められる値 なお、ビレット駆動力に関する係数Pは、穿孔機のロー
ル荷重P’を穿孔材の変形抵抗値で除したものであるか
ら、ビレット材質による変動要素も組み込まれているこ
とになる。また、穿孔機の工具面角による特性を補正す
るため、P/P 0 値の幅にαを用いる。この場合は、P
/P0 値の1よりの偏差である2.7%にαを乗じてそ
の範囲とする。
【0043】〔Pの算出方法例〕次に、Pの算出方法の
一例として、モデル実験の条件である、ビレット径=5
0mmφ、ロール径=300mmφ、入側・出側面角=
3°、傾斜角β=9°、ゴージでの圧下率=10%、プ
ラグ先端での圧下率=5.5%でのP値の計算を行な
う。なお、ロールとの摩擦係数μ1 =0.5、プラグと
の摩擦係数μ2 =0.3、m1 =1.15、m2 =0.
5とする。プラグ形状は底部半径=20mm、長さ=6
6mmとする。
【0044】先ず、入側・出側面角からロールが傾斜し
ていることに起因する見掛け上の面角を本発明にて既に
書き下した長手方向接触長Lxaを用い、下記(6)式に
より求める。
【0045】 tanθ1’=(Ga−G0)/(LXacosβ) ---(6) 但し、θ1’:算出上の見かけの面角 また、プラグ長Lpから、プラス先進量sをひいた長さ
Xbおよび出側外径Gbを用いて(6)式と同様に出側
の見掛け上の面角を求める。出側外径Gbは、穿孔プラ
グの長さと出側面角から得られる穿孔プラグ底部での外
径である。このとき、 tanθ1’=0.0555、tanθ2’=0.06589 但し、 a :D b /2 θ2’:算出上の見かけの面角 となる。また、このときのプラグ先進量(ゴージより入
側へプラグ先端が突出している長さ:図2参照)は、上
記プラグ先端での圧下率の数字に基づき算出する。
【0046】 s=(10−5.5)/100×(50/2)/tan3° =21.5(mm) 更に、圧延中の肉厚は、単純にロール間隔とプラグ径に
よって決まるものとした。例えば、ゴージ部での肉厚
は、 ゴージ部での肉厚=(ゴージ間隔/2)−(ゴージ部でのプラグ半径) =16.4 となる。
【0047】これより、応力計算を行なうが、簡単のた
め、長手方向のみの応力分布をもって荷重Pを計算す
る。先ず、境界条件としては、プラグおよび穿孔された
ビレットがプラグおよびロールから離れる点で、応力が
0(零)となるよう、下記式群をもって計算する。
【0048】tf =プラグ底部半径/プラグ長さ a1 =μ1 sinβ−(tf +μ2 sinβ)/(1−
μ2 f ) g1 =tf −tanθ2 ’ b1 =m2 1 /(g1 +a1 ) b2 =出側肉厚/g13 =−(g1 +a1 )/g11 =b1 2 (-b3) これらを計算した後、(7)式により出側〜ゴージ部ま
での応力を求める。
【0049】 応力=c1 {(Lxb−x)+b2 b3−b1 --------------(7) 但し、x:長手方向位置(出側でLxb、ゴージで0) 次に、入側と出側とでは幾何学条件が異なるため、再度
上記係数を求める。但し、ゴージ部で応力値が連続とな
るようにゴージ部応力が既知のものとしてc1にあわせ
こむ。
【0050】g1 =tf +tanθ1' b1 =m2 1 /(g1 +a1 ) b2 =(ゴージ部での肉厚)/g13 =−(g1 +a1 )/g11 =(ゴージ部での応力+b1 )/(Lxb+b2 b3 これを用いて入側応力値を求めることが可能となる。
【0051】そこで、プラグ先端近傍、即ち、x=(−
s)近傍の応力値を(7)式により求めることが可能と
なる。この値を下記(8)式に入れ、荷重Pを算出す
る。 P=(m1 +m2 +応力値)/2 --------------(8) 本例においては、 P=1.241 を得る。実施例では、同様にP値を計算後、ある傾斜角
β、あるゴージ圧下率を設定したときのプラグ先端での
圧下率7%(表2〜3 中では、プラグ位置γpが0.
93と示された条件)をベース値P0 として、P/P0
の範囲を限定した。
【0052】上述した方法により、穿孔時の一般的な加
熱温度である1100〜1300℃におけるビレット材
質に応じた材料の変形抵抗をも考慮し、ミスロールがな
く且つ内面疵が発生しない穿孔条件を特定することがで
きる。このようにして、難熱間加工性の高合金鋼継目無
鋼管を従来と全く変わらない製管設備を用いて、圧延能
率の向上や低コスト化を実現することができる。
【0053】この発明では、連続鋳造ラインにおいて軽
圧下された丸ビレット鋳片はその後圧下工程を経ること
なく熱間圧延により素管が製造されるので、一貫製造コ
ストも安価にすることができる。
【0054】
【実施例】次に、この発明を実施例により、更に詳細に
説明する。 (試験1)半径11.5mの湾曲型ビレット用連続鋳造
機において、鋳片断面170または330mmφの丸形
状鋳型にCr含有量が2.5または13.8wt.%の継目
無鋼管向け高Cr溶鋼を鋳造し、丸ビレット鋳片を製造
した。次いで、鋳片を1100℃以上1300℃以下の
間の所定温度に加熱し、マンネスマン穿孔機で圧延して
中空素管を製造し、エロンゲーターで延伸し、そしてサ
イザーで定径して継目無鋼管を製造した。
【0055】表1に、本発明の範囲内の製造方法である
実施例1〜8、および、本発明の範囲外の製造方法であ
る比較例1〜3を示す。なお、比較例1および3は、軽
圧下をしなかった場合であり、この場合の同表中固相率
s は軽圧下ロール位置における軸芯部固相率を示して
いる。
【0056】
【表1】
【0057】鋳造された溶鋼の化学成分組成はいずれも
鋳片軸芯部ポロシティおよび中心偏析を形成し易く、し
かも難加工性鋼種である。鋳型には電磁攪拌装置が設置
されている。鋳造温度は、溶鋼の化学成分組成に応じた
常法の温度とし、鋳造中電磁攪拌装置で鋳型内溶鋼を攪
拌した。また、鋳片冷却水量も溶鋼の化学成分組成に応
じて適正な量とした。
【0058】凝固末期の未凝固鋳片を圧下するために1
組の圧下ロールを有する軽圧下装置を、連続鋳造ライン
の所定の場所に設置した。圧下方式は油圧式で、ロール
径は380mm、タイプはフラットロールである。軽圧
下ロールの設置位置は、鋳型内溶鋼メニスカスから1
6.7mとし、溶鋼組成や鋳片径が鋳造No. 間で異なっ
ていても、鋳造速度等を調整することにより鋳片軸心部
の固相率fs を任意に選定することができるようにし
た。
【0059】鋳造終了後、丸ビレット鋳片から所定の試
験片を採取し、鋳片中心部の密度および内部割れについ
て試験した。次いで製管後、継目無鋼管の内面疵発生状
況を観察し、鋳片の内質を評価した。
【0060】〔軸芯密度測定試験〕鋳片の軸心を含みL
方向に、10mm角×40mm長さのブロックを切り出
し、レプリカ処理を施し、次いで、フタル酸に浸漬して
アルキメデス法により密度を測定した。また、上記と同
じ方法で当該鋳片の表面から半径1/4部の密度を測定
し、1/4部と軸芯部との密度差(ρ1/4 −ρ1/2 )の
1/4部密度(ρ1/ 4 )に対する比率(Δρ=((ρ
1/4 −ρ1/2 )/ρ1/4 )×100)により下記の評点
をつけた。
【0061】 評点1: Δρ<0.5% 評点2: 0.5≦Δρ<1 % 評点3: 1≦Δρ<5 % 評点4: 5≦Δρ<10% 〔内部割れ試験〕鋳片のC方向断面のマクロ腐食写真3
枚、および、長さ500mmのL方向断面のマクロ腐食
写真1枚の観察により内部割れの度合いを判定し、評点
をつけた。評点1は内部割れを発見することができなか
ったことを示し、評点が小さいほど優れていることを意
味する。
【0062】〔内質試験〕継目無鋼管の内面を検査し、
内面疵の発生状況を調査して、対応する鋳片の内質評価
試験とした。評点が小さいほど内質が優れており、評点
1および2は欠陥発生のないもの、3および4は欠陥の
発生したものである。
【0063】以上の試験結果を、表1に併記した。表1
から、下記事項がわかる。 軽圧下をしない比較例1および3は、軸芯密度指数お
よび内質評点において劣っている。
【0064】軽圧下はしたが、軸芯部が完全凝固後に
軽圧下をした比較例2は、未凝固相がないために改善さ
れず、軸芯密度指数および内質評点において劣ってい
る。このように、比較例は鋳片内質特性の少なくとも一
つにおいて劣っている。
【0065】これに対して、本発明法による実施例1
〜8は軸芯密度指数、内部割れおよび内質評点の内質特
性において優れている。 実施例1〜8において、軽圧下はしたがC方向断面積
減少率を本発明の範囲内で大き目(3.30)とした実施例
8、および、軸芯部固相率fs を本発明の範囲内で小さ
目とした実施例1(0.21)よりも、C方向断面積減少率
および軸芯部固相率fs 共に本発明の請求項2記載の範
囲内で軽圧下をした実施例2〜7の方が軸芯密度指数、
内部割れ、内質評点ともに同等ないし一層優れている。
【0066】(試験2)表1中の実施例1、3および
7、並びに、比較例1および3に示した化学成分組成を
有し、且つ各々の鋳造条件下で製造された各丸ビレット
鋳片を1100℃以上1300℃以下の間の所定温度に
加熱し、マンネスマン穿孔機で圧延して中空素管を製造
し、延伸し定径して継目無鋼管を製造した。マンネスマ
ン穿孔機での圧延条件は、前記係数P/P0 が前記
(1)式の条件を満たす場合および満たさない場合と
し、丸ビレット鋳片の製造条件と適宜組み合わせて穿孔
圧延した。
【0067】このようにして構成された、本発明の範囲
内の方法である実施例11〜34および本発明の範囲外
の方法である比較例11〜13で製造された継目無鋼管
の、穿孔性(特に、ミスロール)および内面疵発生状況
を調査し、これに基づき継目無鋼管の圧延性を評価し
た。
【0068】表2および3に、丸ビレット鋳片の製造条
件(化学成分組成および鋳造条件)、並びに、マンネス
マン穿孔機の圧延条件(各要素およびパラメータP/P
0 の値)を示し、これに対する継目無鋼管の圧延性の評
点を併記した。
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】圧延性の評価方法は、下記の通りである。 穿孔性=主としてミスロール発生の有無 良:◎、可:○、不可:× 管内面疵=内面疵発生の状況 良:◎、可:○、不可:×、全く不可:×× 圧延性総合評価 最良:評点1 良:評点2 可:評点3 不可:
評点4 また、図5には、穿孔条件を表わすパラメータP/P0
と継目無鋼管の圧延性総合評点との関係を示す。
【0072】表1〜3および図5の結果から下記事項が
わかる。 本発明の範囲外である比較例11〜13は圧延性に劣
っている。即ち、丸ビレット鋳片の製造条件が本発明の
範囲外の場合には、穿孔条件を表わすパラメータP/P
0 が本発明の範囲内であっても、(イ)ミスロールが発
生しない条件で穿孔すると、管内面疵が発生し(比較例
11、12)、一方、(ロ)管内面疵を可能な限り発生
させないように穿孔条件を設定し穿孔を実施しても、ミ
スロールが発生する(比較例13)。なお、比較例13
において、これ以上P/P0 を大きくすると、即ち内面
疵を更に発生させないような条件を設定すると、全てミ
スロールとなるため、全く素材の加工性とは無関係にな
るため意味をなさない。
【0073】これに対して、丸ビレット製造条件が本
発明の範囲内である実施例11〜34ではすべて、圧延
性に優れている。これらの内でも、軸芯部固相率fs
0.3以上1未満の範囲内において0.1%以上3%以
下の範囲内のC方向断面積減少率で鋳片を軽圧下し、且
つ、穿孔圧延のP/P0 を0.973〜1.027の範
囲内としたもの(実施例12、13、16、18、1
9、21、22、24、25、29〜31、33および
34)は、穿孔性および管内面疵ともに安定してより一
層優れ工業上適している。
【0074】本発明においては、P/P0 のベース値と
して、γP =0.93としたときのP値をP0 として扱
い、穿孔圧延条件P/P0 の範囲を限定したが、前述し
た通り、ベース値がγP =0.93のときに限るもので
はなく、γP が0.93以外のときであっても、そのと
きのP/P0 をγP =0.93としたときのP/P0
換算したときに本発明の範囲内にあればよく、本発明に
よる穿孔性についての効果は十分に発揮される。
【0075】従来行なわれている穿孔条件では、難加工
性ビレット鋳片の内質が優れていないために穿孔圧延に
より内面疵の発生を無くすことが困難であり、その発生
を抑制しようとすると、かなりの頻度でミスロールが発
生するので、工業的に問題のない操業条件を得ることが
困難であった。ところが、本発明法により、従来内面疵
を発生させていた圧延条件でもほぼ内面疵なしで穿孔圧
延をすることが可能となり、更に、プラグの位置を適正
な位置に変えることによりミスロールも発生することな
く品質の良好な継目無鋼管を製造することができるよう
になった。
【0076】
【発明の効果】この発明は上述したように構成したの
で、鋳造から製管に至る従来より簡便な一貫プロセス
で、内面疵のない難加工性継目無鋼管をより安価に製造
することができる。即ち、本発明法によれば、難熱間加
工性の高合金鋼、特に、従来困難とされていた高Cr合
金鋼の無欠陥ビレットの連続鋳造化を、設備に変更を加
えることなく達成し、且つ穿孔圧延を含む製管プロセス
により管内面疵のない継目無鋼管を製造することがで
き、更にまた、穿孔条件を適正化することにより管内面
疵がなく付加価値の高い継目無鋼管を一層有利に製管
し、且つ製造コストも低減することができるという、難
加工性継目無鋼管の製造方法を提供することができ、工
業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳片の内質に及ぼす鋳片凝固末期部分に対する
軽圧下の影響を示すグラフである。
【図2】穿孔条件の各要素を説明する圧延方向縦断面の
概略穿孔状態図である。
【図3】穿孔機ロールのセッティング状態を説明する要
部の圧延方向縦断面図である。
【図4】丸ビレットの穿孔圧延において、一圧延周期毎
の管厚圧下量ΔHを説明する圧延方向直角断面図であ
る。
【図5】穿孔条件を表わすパラメータP/P0 と管の圧
延性総合評点との関係を示すグラフである。
【図6】鋼中Cr含有量と溶鋼の粘性との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 ビレット 2 管厚 3 穿孔機ロール 4 プラグ 5 穿孔機ロール軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B22D 11/20 B22D 11/20 C C21D 8/10 C21D 8/10 A D C22C 38/00 301 C22C 38/00 301Z 302 302Z 38/18 38/18 (72)発明者 有泉 孝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 中込 理欧 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 板倉 孝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−108358(JP,A) 特開 平7−185763(JP,A) 特開 平7−204812(JP,A) 特開 平7−299550(JP,A) 特開 平3−198964(JP,A) 特開 平9−300053(JP,A) 特開 平9−295113(JP,A) 特開 平9−253798(JP,A) 特開 平9−99349(JP,A) 特開 平8−19843(JP,A) 特開 平8−52555(JP,A) 特開 平7−164020(JP,A) 特開 昭61−180603(JP,A) 特開 昭61−3605(JP,A) 特開 昭55−106611(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 19/04 B21B 37/00 B22D 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.5 wt.%超えのCrを含有する高C
    r合金鋼を直径340mm以下の丸形状鋳型にて連続鋳
    造し、得られた丸ビレット鋳片の凝固末期の部分にフラ
    ットロールで軽圧下を加え、次いで、前記鋳片を加熱し
    た後、穿孔熱間圧延して製管する際に、前記鋳片の加熱
    および熱間圧延を、1100℃以上1300℃以下の温
    度範囲内で行ない、且つ、前記熱間圧延は穿孔圧延であ
    って穿孔機ロール傾斜角が6°以上12°以下の範囲内
    で且つ穿孔プラグ先端でのロール間隔を、前記丸ビレッ
    ト径の93%となる値を基準とした場合に、下記(1)
    式を満たす条件で行うことを特徴とする、難加工性継目
    無鋼管の製造方法。 0.973≦P/P 0 ≦1.027 --------- (1) 但し、(1)式において、P 0 およびPは、穿孔機のロ
    ールによって与えられるビレット駆動力に関する係数で
    あり、 P=f(β, D P , L P , γ P ,γ g ,θ 1 , θ 2 ,
    b )、 0 :γ P =0.93としたときの上記P値、 P/P 0 :穿孔機ロール傾斜角をある値で一定としたと
    きのPおよびP 0 により求められる数、 f:所定の関数、 β:穿孔機ロール傾斜角、 P :プラグ径、 P :プラグの有効長さ、 γ P :プラグ位置を示す値、 γ g :ゴージ部におけるロール間隔/ビレット径、 θ 1 :入側ロール面角、 θ 2 :出側ロール面角、 b :ビレット径。
  2. 【請求項2】 前記連続鋳造において鋳型内での溶鋼の
    電磁撹拌処理を付加し、そして、前記鋳片の軽圧下は、
    軸芯部固相率が0.3以上1未満の間において、C方向
    断面積減少率が0.1%以上3%以下の範囲内の圧下を
    一段圧下で行なうことを特徴とする、請求項1記載の難
    加工性継目無鋼管の製造方法。
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