JPH09287553A - アキシャルピストン型油圧ポンプ - Google Patents

アキシャルピストン型油圧ポンプ

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Publication number
JPH09287553A
JPH09287553A JP8126523A JP12652396A JPH09287553A JP H09287553 A JPH09287553 A JP H09287553A JP 8126523 A JP8126523 A JP 8126523A JP 12652396 A JP12652396 A JP 12652396A JP H09287553 A JPH09287553 A JP H09287553A
Authority
JP
Japan
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cylinder
port
oil
oil hole
discharge
Prior art date
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Pending
Application number
JP8126523A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nakayama
中山  晃
Haruo Kokubu
晴雄 国分
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP8126523A priority Critical patent/JPH09287553A/ja
Publication of JPH09287553A publication Critical patent/JPH09287553A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脈動による振動や騒音等を低減でき、シリン
ダブロック等に浸食が発生するのを防止でき、ポンプ効
率や寿命を向上させる。 【解決手段】 各シリンダポート8Aの移動軌跡から離
れた位置で一側の切換弁部には一側の油穴18を設け、
他側の切換弁部には他側の油穴19を設ける。また、一
側の油穴18と他側の油穴19とを連通路20により互
いに連通させると共に、各シリンダポート8Aに沿って
延びるようにシリンダブロック7にそれぞれ複数のサブ
ポート9を形成し、各サブポート9の基端側を各シリン
ダ8内に直接開口させ、先端側を一側および他側の油穴
18,19と連通するように弁板15の摺動面15A側
に開口させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば斜板型ポン
プ、斜軸型ポンプ等として用いられるアキシャルピスト
ン型油圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の作業装置用油
圧シリンダや旋回用,走行用の油圧モータに圧油を供給
する油圧ポンプとしては、ケーシングと、該ケーシング
内に回転自在に設けられた回転軸と、前記ケーシング内
に位置して該回転軸と一体に回転するように設けられ、
周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形
成されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各
シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、該シリンダブロック
の回転に伴なって軸方向に移動して作動油を吸入,吐出
する複数のピストンと、前記ケーシングとシリンダブロ
ックの端面との間に設けられ、前記各シリンダと連通す
る吸入ポートと吐出ポートとが形成された弁板とからな
るアキシャルピストン型油圧ポンプが広く知られてい
る。
【0003】そして、この種の従来技術による油圧ポン
プは、エンジン等の駆動源で前記回転軸を回転駆動する
と、ケーシング内で該回転軸と共にシリンダブロックが
回転される。これにより、該シリンダブロックの各シリ
ンダ内でピストンが往復動され、吸入ポートからシリン
ダ内に吸込んだ作動油をピストンによって加圧して吐出
ポートに圧油として吐出するようになっている。
【0004】ここで、シリンダブロック、ピストンおよ
び弁板の作動について説明すると、各シリンダのシリン
ダポートが弁板の吸入ポートと連通するときには、該吸
入ポートの始端から終端にかけてピストンがシリンダか
ら突出する方向に移動して前記吸入ポートから該シリン
ダ内に作動油を吸込む吸入行程となる。一方、前記各シ
リンダのシリンダポートが吐出ポートと連通するときに
は、該吐出ポートの始端から終端にかけてピストンがシ
リンダ内に進入する方向に移動して該シリンダ内の作動
油を吐出ポート内に吐出する吐出行程となる。そして、
この動作(行程)を繰返すようにシリンダブロックを回
転することにより、吸入行程で吸入ポートからシリンダ
内に吸込んだ作動油を吐出行程で加圧して吐出ポートに
吐出し、この圧油を油圧シリンダや油圧モータに供給す
るようになっている。
【0005】また、他の従来技術として、例えば実開昭
58−120882号公報等に記載された油圧ポンプで
は、吸入ポートと吐出ポートとの間にそれぞれ小径のリ
ターンポートを設け、該各リターンポート間を連通路を
介して互いに連通させると共に、前記シリンダブロック
には前記各シリンダポートと各リターンポートとを間欠
的に連通、遮断させるノッチポートを設ける構成として
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるアキシャルピストン型油圧ポンプでは、吸
入行程で弁板の吸入ポートを介して作動油を吸込んだシ
リンダ内の圧力は吐出ポート内の圧力に比べて低圧にな
る。また、このシリンダ内の圧力は吸入行程を終えピス
トンが下死点に達するまでの間にシリンダ内の容積が僅
かに拡張され負圧傾向になる。そして、各シリンダのシ
リンダポートが吐出ポートと連通し始めるときには、該
吐出ポート内の高圧な圧油がシリンダポートを介して低
圧のシリンダ内に急激に流入(逆流)して大きな圧力変
動が生じるから、この圧力変動によってピストンに脈動
が生じ、斜板等を介してケーシングから振動や騒音が発
生するという問題がある。また、吐出ポートに接続され
たホース配管等にも脈動が生じ、ホース配管側からも騒
音や振動が発生する。
【0007】一方、吐出行程で吐出ポートを介して作動
油を吐出したシリンダ内の圧力は吸入ポート内の圧力に
比べて高圧になる上に、この各シリンダの圧力は吐出行
程を終えピストンが上死点に達するまでの間にシリンダ
内の容積が僅かに縮小されることにより、さらに圧力上
昇することになる。そして、シリンダ内に残った高圧の
圧油は吸入ポートと連通し始めたときにシリンダポート
を介して吸入ポート内に逆流することがあるため、該吸
入ポートからの作動油をスムーズにシリンダ内に吸込む
ことができず、ポンプ効率が低下してしまうという問題
がある。
【0008】さらに、上述のように吐出ポートからシリ
ンダ内に逆流する圧油や、シリンダ内から吸入ポート内
に逆流する圧油は、シリンダ、吸入ポート内に急激に噴
出するジェット流となるから、このジェット流によって
各シリンダのシリンダポート、吸入ポートの内壁部に浸
食等を生じさせることがあり、ポンプ効率や寿命が大幅
に低下するという問題がある。
【0009】そこで、脈動や浸食の発生を防止するため
の対応策として、前述した他の従来技術では、吸入行程
により内部が低圧となったシリンダと吐出行程により内
部が高圧となったシリンダとを、ノッチポートと小径の
リターンポートとを介して連通路により一時的に連通さ
せ、高圧の作動油を低圧となったシリンダ内へと補給す
ることによって、脈動の発生や吸入ポート側での浸食の
発生等を抑えるようにしている。
【0010】しかし、他の従来技術では、シリンダブロ
ックの各シリンダポートに一定深さの切込みを入れるこ
とにより各ノッチポートを形成しているので、高圧側の
シリンダから前記連通路、リターンポートおよびノッチ
ポートを介して低圧側のシリンダ内に補給する圧油が高
速のジェット流となったときに、このジェット流がノッ
チポートの底面側に衝突し、これによって各ノッチポー
トの底面側でシリンダブロックが早期に浸食され、耐久
性や寿命が低下するという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、脈動による振動や騒音等を低減でき、シ
リンダブロック等に浸食が発生するのを防止できるとと
もに、ポンプ効率や寿命を確実に向上できるようにした
アキシャルピストン型油圧ポンプを提供することを目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、ケーシングと、該ケーシング内に回転
可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転する
ように前記ケーシング内に設けられ複数のシリンダが形
成されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各
シリンダ内に摺動可能に挿嵌され該シリンダブロックの
回転に伴なって各シリンダ内を往復動する複数のピスト
ンと、前記ケーシングとシリンダブロックとの間に設け
られ吸入ポートと吐出ポートとの間に前記回転軸を挟ん
で対向するように一側の切換弁部と他側の切換弁部とが
形成された弁板とからなり、前記シリンダブロックに
は、該弁板との摺動面側に開口しシリンダブロックの回
転時に予め決められた移動軌跡に沿って該弁板上を移動
することにより前記各シリンダを前記吸入ポート、吐出
ポートに連通、遮断させる複数のシリンダポートを形成
してなるアキシャルピストン型油圧ポンプに適用され
る。
【0013】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記各シリンダポートの移動軌跡から離れた位
置で前記一側の切換弁部に設けられた一側の油穴と、前
記各シリンダポートの移動軌跡から離れた位置で前記他
側の切換弁部に設けられた他側の油穴と、該一側の油穴
と他側の油穴とを互いに連通させる連通路と、前記シリ
ンダブロックの各シリンダポート側にそれぞれ形成さ
れ、基端側が前記各シリンダ内に直接開口すると共に先
端側が前記一側の油穴と他側の油穴とに連通可能に前記
弁板との摺動面側に開口した複数のサブポートとを備え
たことにある。
【0014】このように構成することにより、例えば吐
出行程を終え一側の切換弁部上に達したシリンダ内に高
圧の圧油が残っている場合でも、一側の切換弁部上では
このシリンダが一側の油穴と連通するから、該シリンダ
の内部に残った圧油を一側の油穴から連通路を介して他
側の油穴に向け排出できる。一方、吸入行程を終え他側
の切換弁部上に達したシリンダは、ピストンが下死点に
達するまでの間にシリンダ内の容積が僅かに拡張され負
圧傾向になる。しかし、このときに他側の切換弁部上の
シリンダが他側の油穴とサブポートを介して連通するこ
とにより、前記連通路を介した圧油が他側の油穴からシ
リンダ内に流入し、該シリンダ内が負圧になるのを防止
できる。
【0015】そして、このときの圧油が他側の油穴から
シリンダ内に噴出しても、該シリンダにサブポートが直
接開口しているから、このときの噴出油を低圧側のシリ
ンダ内へと直接流入させることができる。
【0016】また、請求項2に記載した発明では、前記
一側の切換弁部は前記各シリンダ内を往復動する各ピス
トンが吐出行程から吸入行程に切換わる上死点側に配設
し、前記他側の切換弁部は各ピストンが吸入行程から吐
出行程に切換わる下死点側に配設している。
【0017】このように構成することにより、上死点側
のシリンダ内から下死点側のシリンダ内へと高圧の圧油
を排出することができ、下死点側のシリンダ内を昇圧し
て該シリンダ内と吐出ポート内との圧力差を減少でき
る。
【0018】一方、請求項3に記載した発明では、前記
弁板には、前記各シリンダポートの移動軌跡から離れた
位置で前記他側の油穴から周方向に離間して形成され前
記下死点の近傍部位から前記吐出ポート側に向けて周方
向に延びる高圧側の円弧状切欠きを設け、該高圧側の円
弧状切欠きは、前記各ピストンが吸入行程から吐出行程
に切換わるときに対応する各シリンダ内を前記各サブポ
ートを介して吐出ポートに連通させる構成としている。
【0019】このように構成することにより、吐出行程
の初期段階でシリンダ内が吐出ポートに連通する前のと
き、または僅かに連通し始めたときにシリンダ内が過剰
圧傾向になったとしても、このときには高圧側の円弧状
切欠きがサブポートと吐出ポートとに連通することによ
って、シリンダ内が過剰圧となるのを防止できる。
【0020】さらに、請求項4に記載した発明では、前
記弁板には、前記各シリンダポートの移動軌跡から離れ
た位置で前記一側の油穴から周方向に離間して形成され
前記上死点の近傍部位から前記吸入ポート側に向けて周
方向に延びる低圧側の円弧状切欠きを設け、該低圧側の
円弧状切欠きは、前記各ピストンが吐出行程から吸入行
程に切換わるときに対応する各シリンダ内を前記各サブ
ポートを介してタンクに連通させる構成としている。
【0021】このように構成することにより、吸入行程
の初期段階でシリンダ内が吸入ポートに連通する前のと
き、または僅かに連通し始めたときにシリンダ内が負圧
傾向になったとしても、このときには低圧側の円弧状切
欠きがサブポートとタンクに連通することによって、タ
ンクから油液を補給でき、シリンダ内が負圧となるのを
防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0023】ここで、図1ないし図3は本発明の第1の
実施例によるアキシャルピストン型油圧ポンプとして可
変容量式の斜板型油圧ポンプを例に挙げて示している。
【0024】図において、1は斜板型油圧ポンプの外殻
をなすケーシングを示し、該ケーシング1は、筒状のケ
ーシング本体2と、該ケーシング本体2の一端側開口部
を閉塞するフロントケーシング3と、前記ケーシング本
体2の他端側開口部を閉塞するリヤケーシング4とから
構成されている。また、前記フロントケーシング3に
は、後述の回転軸5が挿通される挿通穴3Aが軸方向に
形成されている。
【0025】5はケーシング1に軸受6を介して回転自
在に支持された回転軸で、該回転軸5は例えばフロント
ケーシング3の挿通穴3Aを介して外部に突出し、エン
ジン等の原動機(図示せず)によって回転駆動される。
【0026】7はケーシング1内に位置して回転軸5と
スプライン結合によって一体回転するように設けられた
シリンダブロックを示し、該シリンダブロック7には、
周方向に離間して複数(例えば8個)のシリンダ8,
8,…が軸方向に穿設されると共に、該各シリンダ8に
連通し、前記シリンダブロック7の摺動面7A側に長円
形状に開口するシリンダポート8Aが図2に示す如く形
成されている。
【0027】ここで、シリンダブロック7は摺動面7A
が後述の弁板15に対して図2に示す矢示A方向で摺動
し、このときに各シリンダポート8Aが後述の吸入ポー
ト16および吐出ポート17に沿って延びる移動軌跡R
を描くように吸入ポート16および吐出ポート17に順
次連通、遮断される。そして、各シリンダポート8Aは
図2に示す如くシリンダブロック7の周方向に一定角度
θ1 をもって延びている。
【0028】9,9,…は各シリンダポート8Aの径方
向外側に離間してシリンダブロック7に設けられたサブ
ポートを示し、該各サブポート9はシリンダポート8A
に沿って軸方向に延びる小径の貫通穴として形成されて
いる。そして、該各サブポート9は基端側が各シリンダ
8内に直接開口し、先端側が後述する一側,他側の油穴
18,19と連通するように弁板15との摺動面7A側
に開口している。
【0029】10,10,…は各シリンダ8内に摺動可
能に挿嵌された複数のピストンを示し、該各ピストン1
0はシリンダブロック7の回転に伴って各シリンダ8内
を往復動し、各シリンダ8内で吸入行程と吐出行程とを
繰返すものである。また、該各ピストン10のシリンダ
ブロック7から突出した先端部には球形部10Aが形成
されている。
【0030】11,11,…は各ピストン10の球形部
10A外周側にそれぞれ設けられた複数個のシューで、
該各シュー11は球形部10Aに揺動自在に嵌合され、
後述の斜板12上で円運動を行うように斜板12上を摺
動するものである。
【0031】12はフロントケーシング3とシリンダブ
ロック7との間に設けられた斜板を示し、該斜板12の
表面側(シリンダブロック7側)は各シュー11が摺接
しつつ回転する摺動面12Aとなり、裏面側はフロント
ケーシング3に形成された凹湾曲状のガイド溝13に摺
動自在に嵌合する半円柱状の傾転摺動部12Bとなって
いる。また、該斜板12には、中央部側に穿設され表面
側から裏面側に向け拡径された挿通穴12Cと、前記傾
転摺動部12Bの側面に形成され、図示しない傾転駆動
機構の一部が挿着される傾転機構挿着穴12Dとが形成
されている。そして、該斜板12は前記傾転駆動機構で
傾転角が変更されることにより、各ピストン10のスト
ローク量を適宜調整して油圧ポンプの容量(吐出量)を
可変に制御するものである。
【0032】14は斜板12の摺動面12Aに固着さ
れ、各シュー11の外周側に係合する環状のシュー押え
で、該シュー押え14は斜板12の摺動面12A上で各
シュー11が円運動を行うのを許し、シリンダブロック
7の回転に伴って各ピストン10が各シリンダ8内を往
復動するのを補償するものである。
【0033】15はケーシング1のリヤケーシング4の
平坦面4A上に固定され、一側面が摺動面15Aとなっ
た弁板を示し、該弁板15には図3に示す如く、眉形状
の吸入ポート16と吐出ポート17とが略対称位置とな
るように周方向に伸長して設けられている。そして、吐
出ポート17には、弁板15に対してシリンダブロック
7が矢示A方向に回転するときに、回転方向上流側とな
る始端側にノッチ17Aが配設され、該ノッチ17A
は、各シリンダ8のシリンダポート8Aと吐出ポート1
7とを徐々に連通させるべく略三角形状に形成されてい
る。
【0034】さらに、弁板15の吸入ポート16と吐出
ポート17との間には、各ピストン10が吐出行程から
吸入行程に切換わる上死点側に一側の切換弁部15Bが
設けられると共に、該一側の切換弁部15Bと回転軸5
を挟んで対向し各ピストン10が吸入行程から吐出行程
に切換わる下死点側には他側の切換弁部15Cが設けら
れている。そして、シリンダブロック7が弁板15上を
摺動するときに、各シリンダ8は一側の切換弁部15B
上に達すると、吐出ポート17に対する連通が断たれ、
他側の切換弁部15C上に達すると、吸入ポート16に
対する連通が断たれるようになっている。
【0035】ここで、ピストン10が上死点位置から下
死点位置へとストロークする吸入行程では、各シリンダ
ポート8Aが吸入ポート16と連通し、吸入ポート16
を介してシリンダ8内に作動油が吸込まれる。そして、
ピストン10が下死点位置から上死点位置へとストロー
クする吐出行程では、各シリンダポート8Aが吐出ポー
ト17と連通し、吐出ポート17を介してシリンダ8内
の作動油を高圧の圧油として吐出する。
【0036】また、前記吸入ポート16、吐出ポート1
7はリヤケーシング4に形成された吸入通路、吐出通路
(いずれも図示せず)に常時連通し、吐出通路はホース
配管等を介して油圧シリンダや油圧モータ(いずれも図
示せず)等に接続される。
【0037】そして、前記吸入ポート16、吐出ポート
17は、弁板15に対してシリンダブロック7が回転さ
れることにより、各シリンダ8のシリンダポート8Aと
間欠的に連通し、吸入通路からの油液を各シリンダ8内
に吸入させつつ、該各シリンダ8から吐出された圧油を
吐出通路を介して油圧シリンダや油圧モータ等の油圧ア
クチュエータに供給するものである。
【0038】18は弁板15の一側の切換弁部15Bに
形成された一側の油穴を示し、該油穴18は図3に示す
ように、弁板15の板厚方向に対して斜めに穿設された
小径孔となっており、一端側が各シリンダポート8Aの
移動軌跡Rよりも径方向外側に開口し、他端側が移動軌
跡Rよりも径方向内側に開口している。そして、油穴1
8の一端側は各シリンダ8のシリンダポート8Aが吐出
ポート17から遮断されたときにサブポート9と連通す
るように配設され、油穴18の他端側は後述する連通路
20を介して他側の油穴19と連通する。
【0039】19は弁板15の他側の切換弁部15Cに
形成された他側の油穴を示し、該油穴19は図3に示す
ように、弁板15の板厚方向に対して斜めに穿設された
小径孔となっており、一端側が各シリンダポート8Aの
移動軌跡Rよりも径方向外側に開口し、他端側が移動軌
跡Rよりも径方向内側に開口している。そして、油穴1
9の一端側は各シリンダ8のシリンダポート8Aが吸入
ポート16から遮断されたときにサブポート9と連通す
るように配設され、油穴19の他端側は連通路20を介
して前記一側の油穴18と連通する。
【0040】20はリヤケーシング4の平坦面4A側に
形成された連通路を示し、該連通路20は、吐出ポート
17よりも径方向内側の位置を円弧状に延びている細長
の油溝として形成され、リヤケーシング4の平坦面4A
側では図1に示す如く弁板15の端面により閉塞されて
いる。そして、該連通路20はその両端側が油穴18,
19に接続され、一側の油穴18と他側の油穴19とは
連通路20を介して常時連通されている。
【0041】本実施例による斜板型油圧ポンプは、上述
の如き構成を有するもので、まず、原動機によって回転
軸5を回転させると、該回転軸5にスプライン結合され
たシリンダブロック7が一体に回転される。これによ
り、各シリンダ8内に挿嵌されたピストン10はシリン
ダブロック7と共に回転し、その球形部10Aがシュー
11を介してシュー押え14に案内されつつ、斜板12
の摺動面12A上を回転する。この際、斜板12の摺動
面12Aは所定の傾転角を有しているから、シリンダブ
ロック7が1回転する間に、ピストン10はシリンダ8
内に最も進入(縮小)した上死点位置とシリンダ8から
最も伸長した下死点位置との間をストロークするように
なる。
【0042】ここで、前記各ピストン10が上死点位置
から下死点位置までストロークする半回転のうちシリン
ダポート8Aが吸入ポート16と連通する間は、該吸入
ポート16を介して吸入通路(図示せず)からシリンダ
8内に油液を吸込む吸入行程となる。一方、ピストン1
0の下死点位置から上死点位置までストロークする半回
転のうちシリンダポート8Aが吐出ポート17と連通す
る間は、シリンダ8内に吸込んだ油液を加圧しつつ吐出
ポート17を介して吐出通路(図示せず)から吐出する
吐出行程となる。このように、回転軸5を回転駆動して
ピストン10をシリンダ8内で往復動させることによ
り、吸込行程と吐出行程とが繰り返され、ポンプ作用が
行われる。
【0043】一方、ポンプの吐出容量を可変制御するに
は、傾転駆動機構によって斜板12をガイド溝13に沿
って適宜に傾転させることにより、シリンダ8内の押除
け容量を変更して制御するようになっている。
【0044】次に、一側の油穴18、他側の油穴19お
よび連通路20を介した圧油の補給動作について、図3
を参照しつつ詳述する。
【0045】まず、各シリンダ8はシリンダブロック7
と共に矢示A方向に回転し続けるが、このときに上死点
側に位置するシリンダ8はシリンダポート8Aが吐出ポ
ート17から遮断され、サブポート9が一側の油穴18
と連通される。そして、このシリンダ8内ではこれまで
の吐出行程により高圧となった圧油が一側の油穴18か
ら連通路20を介して他側の油穴19に向け排出され
る。
【0046】一方、下死点側に位置するシリンダ8は、
シリンダポート8Aが吸入ポート16から遮断され、サ
ブポート9が他側の油穴19と連通される。そして、こ
のシリンダ8は吸入行程を終え、ピストン10が下死点
に達するまでの間にシリンダ8内の容積が僅かに拡張さ
れることにより負圧傾向になる。
【0047】しかし、一側の油穴18と上死点側のシリ
ンダ8とがサブポート9を介して連通するときには、こ
のシリンダ8内の圧油が連通路20内に排出され、他側
の油穴19と下死点側のシリンダ8とがサブポート9を
介して連通するときには、連通路20内の圧油が他側の
油穴19を介して下死点側のシリンダ8内に補給される
ようになり、この下死点側のシリンダ8内が負圧傾向と
なるのが防止され、このシリンダ8は予め僅かに昇圧さ
れた状態となる。
【0048】ここで、他側の油穴19とサブポート9と
が連通したときに他側の油穴19からサブポート9を介
してシリンダ8内へと圧油が噴出し、この噴出油により
ジェット流が発生する可能性がある。しかし、サブポー
ト9はシリンダ8内に直接開口しているから、このとき
のジェット流はシリンダ8内に直接流入し、シリンダ8
内で拡散、減衰する。
【0049】次に、各シリンダ8がさらに矢示A方向に
移動すると、下死点側にあるシリンダ8のサブポート9
は一側の油穴18に対して遮断され、吐出ポート17の
ノッチ17Aの先端へと連通するようになる。このと
き、下死点側のシリンダ8内は上死点側のシリンダ8か
ら補給された圧油によって予め昇圧され、吐出ポート1
7との圧力差が小さくなっているから、吐出行程に達し
始めたシリンダ8内に吐出ポート17のノッチ17A等
を介して流入(逆流)する圧油の量は大幅に低減される
と共に、ピストン10とホース配管(図示せず)等の脈
動が低減され、該吐出ポート17内の急激な圧力変動が
防止される。
【0050】かくして、本実施例では各シリンダポート
8Aの移動軌跡Rの外側に位置して一側の切換弁部15
Bに油穴18を形成し、他側の切換弁部15Cに油穴1
9を形成し、油穴18,19を連通路20を介して連通
すると共に、油穴18,19と各シリンダ8とをサブポ
ート9を介して連通したから、一側の切換弁部15B上
に達したシリンダ8内に高圧の圧油が残っている場合で
も、一側の切換弁部15B上ではこのシリンダ8のシリ
ンダポート8Aが一側の油穴18と連通し、連通路20
および他側の油穴19等を通って他側の切換弁部15C
上のシリンダ8内に連通路20からの圧油を補給でき
る。また、他側の油穴19から噴出する圧油(ジェット
流)はサブポート9を介して下死点側のシリンダ8内に
直接流入しシリンダ8内で拡散、減衰するから、シリン
ダブロック7やピストン10等が浸食、損傷されること
はない。
【0051】これにより、他側の切換弁部15C上では
シリンダ8内を予備的に加圧できるから、吐出ポート1
7内からシリンダ8内へと圧油が逆流するのを抑制で
き、シリンダ8内の急激な圧力変動を防止し、シリンダ
8やホース配管(図示せず)内の圧油等に脈動が発生す
るのを防止できる。そして、圧油の脈動によるケーシン
グ1等の振動や騒音を大幅に低減することができる上
に、吐出ポート17からシリンダ8内への圧油の逆流を
実質的に零とすることができ、吐出ポート17内の圧力
損失を小さくしてポンプ効率の向上を図ることができ
る。
【0052】また、上死点側のシリンダ8内に残った圧
油を下死点側のシリンダ8に補給することにより、上死
点側のシリンダ8内を減圧することができるから、上死
点を通過したシリンダ8内から吸入ポート16内に圧油
が流出(逆流)するのを防止でき、該吸入ポート16か
らこのシリンダ8内にスムーズに油液を吸入させ、ポン
プ効率を向上させることができる。
【0053】さらに、下死点を通過したシリンダ8内に
吐出ポート17から流入する圧油や、上死点を通過した
シリンダ8内から吸入ポート16内に流出する圧油を大
幅に減少させることができるから、これらの圧油による
ジェット流の発生がなくなり、各シリンダ8のシリンダ
ポート8A、吸入ポート16の内壁部がジェット流等で
浸食されるのを確実に防止でき、当該油圧ポンプの寿命
を大幅に向上させることができる。
【0054】次に、図4は本発明の第2の実施例を示
し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、一端側が各サブポート9と連
通可能となる一側の油穴31と他側の油穴32とを弁板
15の板厚方向にそれぞれ小径孔として穿設し、該各油
穴31,32の他端側と連通路20とを弁板15のリヤ
ケーシング4側に設けた径方向溝33,34によって連
通させる構成とすると共に、一側の油穴31の延長上に
位置するリヤケーシング4の平坦面4A側には油穴31
の他端側と常時連通する緩衝用の凹所35を設ける構成
としたことにある。
【0055】ここで、径方向溝33,34はリヤケーシ
ング4の平坦面4Aで閉塞されることにより、連通路2
0の一部を構成する油通路となっている。また、緩衝用
の凹所35は図4に示すように、油穴31と径方向溝3
3との合流部分に連通し、弁板15の板厚に対し半分程
度の深さをもって一定の容積を有するように凹設されて
いる。そして、凹所35は油穴31から径方向溝33側
に噴出してくる圧油のうち、少なくともその一部を凹所
35内に流入させることにより、この噴出油に緩衝作用
を与えつつ径方向溝33側に流通する圧油の速度を確実
に低減させるようになっている。
【0056】かくして、このように構成される本実施例
においても、前記第1の実施例と同様の作用効果を得る
ことができるが、特に本実施例では、各油穴31,32
を弁板15の板厚方向に穿設すると共に、油穴31の他
端側には一定の容積をもつ凹所35を設けたから、他側
の油穴31から下死点側のシリンダ8のサブポート9へ
と滑らかに圧油を流出させることができる。また、各油
穴31,32や連通路20内の圧力が低いときに上死点
側のシリンダ8から圧油が一側の油穴31内に流入しジ
ェット流が発生しても、このジェット流は凹所35内で
拡散、減速するから、リヤケーシング4等の浸食や損傷
を効果的に防止できる。
【0057】次に、図5は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、リヤケーシング4の平坦面4
A側に凹所41を設け、該凹所41を介して一側の油穴
18と連通路20とを連通させる構成としたことにあ
る。
【0058】ここで、凹所41は前記第2の実施例で述
べた凹所35と同様にリヤケーシング4に凹設され、そ
の開口部が油穴18の他端側に接続されると共に、その
側面には連通路20の一端側が開口している。
【0059】かくして、このように構成される本実施例
においても、前記第2の実施例と同様の作用効果を得る
ことができるが、特に本実施例では、凹所41や各油穴
18,19の加工を容易に行うことができる。
【0060】次に、図6および図7は本発明の第4の実
施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。しかし、本実施例の特徴は、弁板15の摺動面1
5A側にシリンダポート8Aの移動軌跡Rから離れた位
置で他側の油穴19から周方向に離間して高圧側の円弧
状切欠きとなる排出溝51を形成し、該排出溝51は吐
出ポート17側に向け所定の角度θ2 に亘って周方向に
延びる構成としたことにある。
【0061】ここで、排出溝51は下死点の近傍部位か
ら吐出ポート17の外周側に沿って角度θ2 分だけ円弧
状に延びるように形成され、弁板15の摺動面15A側
に開口している。また、該排出溝51の底部側には略L
字状に延びる油通路52の一端側が接続され、該油通路
52の他端側は吐出ポート17内に開口している。そし
て、排出溝51は各ピストン10が吸入行程から吐出行
程に切換わるときに対応する各シリンダ8内をサブポー
ト9を介して吐出ポート17に連通する。
【0062】かくして、このように構成される本実施例
においても、前記第1の実施例と同様の作用効果を得る
ことができるが、特に本実施例では、上死点側のシリン
ダ8が他側の油穴19との連通を断って該シリンダ8内
が吐出ポート17に連通する前のとき、またはノッチ1
7Aと僅かに連通し始めたときに、このシリンダ8内の
容積が吐出行程にあるピストン10で縮小され、シリン
ダ8内の圧力が吐出ポート17内の圧力よりも高い過剰
圧傾向になったとしても、このときには当該シリンダ8
のサブポート9が排出溝51を介して吐出ポート17に
連通するから、下死点位置を通過したシリンダ8内の圧
油を吐出ポート17内に排出することができ、シリンダ
8内が過剰圧となるのを防止できると共に、油液の脈動
による振動や騒音等の問題を確実に防止することができ
る。
【0063】次に、図8および図9は本発明の第5の実
施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。しかし、本実施例の特徴は、弁板15の摺動面1
5A側にシリンダポート8Aの移動軌跡Rから離れた位
置で一側の油穴18から周方向に離間して低圧側の円弧
状切欠きとなる給油溝61を形成し、該給油溝61は吸
入ポート16に向けて所定の角度θ3 に亘って周方向に
延びる構成としたことにある。
【0064】ここで、給油溝61は上死点の近傍付近か
ら吸入ポート16側に向けて角度θ3 分だけ円弧状に延
びるように形成され、弁板15の摺動面15A側に開口
している。また、該給油溝61の底部側には略L字状に
形成された油通路62の一端側が接続され、該油通路6
2の他端側はケーシング1内に位置するタンク63内に
開口している。そして、給油溝61は各ピストン10が
吐出行程から吸入行程に切換わるときに対応する各シリ
ンダ8内をサブポート9を介してタンク63に連通す
る。また、ケーシング1内にはシリンダブロック7等を
円滑に摺動するための油液が少なくとも一側の切換弁部
15Bに達するレベルまでは収容されている。
【0065】かくして、このように構成された本実施例
においても、前記第1の実施例と同様の作用効果を得る
ことができるが、特に本実施例では、上死点側のシリン
ダ8が一側の油穴18との連通を断って該シリンダ8内
が吸入ポート16に連通する前のとき、または吸入ポー
ト17と僅かに連通し始めたときに、このシリンダ8内
の容積が吸入行程にあるピストン10で拡張され、シリ
ンダ8内が負圧傾向になったとしても、このときには当
該シリンダ8のサブポート9が給油溝61を介してタン
ク63に連通するから、上死点位置を通過したシリンダ
8内にタンク63から油液を供給でき、シリンダ8内が
負圧となるのを防止できると共に、シリンダ8内での気
泡の発生や圧力の低下等を防ぎ、ポンプ効率を向上でき
る。
【0066】次に、図10は本発明の第6の実施例を示
し、本実施例では前記第5の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、弁板15の摺動面15A側に
シリンダポート8Aの移動軌跡Rから離れた位置で他側
の油穴19から周方向に離間して高圧側の円弧状切欠き
となる給油溝61を形成すると共に、一側の油穴18か
ら周方向に離間して低圧側の円弧状切欠きとなる排出溝
71を形成したことにある。
【0067】ここで、給油溝61は上死点の近傍付近か
ら吸入ポート16側に向けて角度θ3 分だけ円弧状に延
びるように形成され、弁板15の摺動面15A側に開口
している。また、該給油溝61の底部側には略L字状に
形成された油通路62の一端側が接続され、該油通路6
2の他端側はケーシング1内に位置するタンク63内に
開口している。
【0068】一方、排出溝71は下死点の近傍部位から
吐出ポート17の外周側に沿って角度θ2 分だけ円弧状
に延びるように形成され、弁板15の摺動面15A側に
開口している。また、該排出溝71の底部側には略L字
状に延びる油通路72の一端側が接続され、該油通路7
2の他端側は吐出ポート17内に開口している。
【0069】そして、給油溝61は各ピストン10が吐
出行程から吸入行程に切換わるときに対応する各シリン
ダ8内をサブポート9を介してタンク63に連通し、排
出溝71は各ピストン10が吸入行程から吐出行程に切
換わるときに対応する各シリンダ8内をサブポート9を
介して吐出ポート17に連通する。
【0070】かくして、このように構成された本実施例
においても、前記第5の実施例と同様の作用効果を得る
ことができるが、特に本実施例では、上死点側のシリン
ダ8のサブポート9が給油溝61を介してタンク63に
連通すると共に、下死点側のシリンダ8のサブポート9
が排出溝71を介して吐出ポート17に連通するから、
上死点側のシリンダ8が吸入ポート16と連通する前の
とき、または僅かに連通し始めたときに該シリンダ8内
が負圧となるのが防止できると共に、下死点側のシリン
ダ8が吐出ポート17のノッチ17Aと連通する前のと
き、または僅かに連通し始めたときに該シリンダ8内が
過剰圧となるのを防止でき、振動や騒音の発生を確実に
防ぐことができる。
【0071】なお、前記各実施例では、アキシャルピス
トン型ポンプとして可変容量式の斜板型油圧ポンプを用
いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、固定容量式の斜板型油圧ポンプに適用してもよく、
斜軸型油圧ポンプに適用してもよい。
【0072】また、前記各実施例では、シリンダブロッ
ク7に8個のシリンダ8およびシリンダポート8Aを形
成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限
るものではなく、例えばシリンダ8等を7個以下として
もよく、また10個以上としてもよい。
【0073】さらに、前記各実施例では、各シリンダ8
のシリンダポート8Aを長円形状に形成した場合を例に
挙げて図示したが、シリンダポート8Aの形状は楕円形
状または円形等としてもよい。
【0074】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、各シリンダポートの移動軌跡から離れた位置で一
側の切換弁部には一側の油穴を設け、他側の切換弁部に
は他側の油穴を設け、該一側の油穴と他側の油穴とを互
いに連通させると共に、前記シリンダブロックの各シリ
ンダポート側にそれぞれ複数のサブポートを形成し、該
各サブポートの基端側を前記各シリンダ内に直接開口さ
せ、先端側を前記一側の油穴と他側の油穴とに連通可能
に前記弁板との摺動面側に開口させる構成としたから、
例えば吐出行程を終え一側の切換弁部上に達したシリン
ダ内に高圧の圧油が残っている場合に該シリンダの内部
に残った圧油を一側の油穴から連通路を介して他側の油
穴に向け排出できると共に、吸入行程を終え他側の切換
弁部上に達したシリンダが負圧傾向になったとしても、
このシリンダ内に前記連通路からの圧油を補給でき、該
シリンダ内が負圧になるのを確実に防止できる。
【0075】そして、他側の切換弁部上でシリンダ内の
圧力を予め高めておくことにより、他側の切換弁部上か
ら吐出ポート上に達したシリンダ内に吐出ポートからの
圧油が流入するのを抑制でき、吐出ポートやシリンダ内
の急激な圧力変化を防止できると共に、シリンダやホー
ス配管内の圧油等に脈動が発生するのを効果的に低減で
き、圧力損失を小さくしてポンプ効率の向上を図ること
ができる。
【0076】さらに、各シリンダが吐出ポートや吸入ポ
ートに連通し始めるときに各シリンダ内や吸入ポートへ
と圧油が噴出するのを抑えることができ、これらの圧油
によるジェット流の発生を防ぐことによって、各シリン
ダのシリンダポートや吸入ポートの内壁部が浸食される
のを確実に防止でき、寿命を大幅に延ばすことができ
る。さらにまた、他側の油穴からシリンダ内に圧油がジ
ェット流となって噴出しても、該シリンダにサブポート
が直接開口しているから、このときの噴出油を低圧側の
シリンダ内へと直接流入させることができ、各シリンダ
のシリンダポートや吸入ポートの内壁部が浸食されるの
を防止でき、耐久性や寿命を確実に延ばすことができ
る。
【0077】そして、請求項2に記載の発明によれば、
前記一側の切換弁部は前記各シリンダ内を往復動する各
ピストンが吐出行程から吸入行程に切換わる上死点側に
配設し、前記他側の切換弁部は各ピストンが吸入行程か
ら吐出行程に切換わる下死点側に配設したから、上死点
側のシリンダ内から下死点側のシリンダ内へと各油穴お
よび連通路を介して高圧の圧油を排出することができ、
下死点側のシリンダ内を予め昇圧して該シリンダ内と吐
出ポート内との圧力差を減少できる。
【0078】また、請求項3に記載の発明によれば、前
記弁板には、前記各シリンダポートの移動軌跡から離れ
た位置で前記他側の油穴から周方向に離間して形成され
前記下死点の近傍部位から前記吐出ポート側に向けて周
方向に延びる高圧側の円弧状切欠きを設け、該高圧側の
円弧状切欠きは、前記各ピストンが吸入行程から吐出行
程に切換わるときに対応する各シリンダ内を前記各サブ
ポートを介して吐出ポートに連通させる構成としたか
ら、吐出行程の初期段階でシリンダ内が吐出ポートに連
通する前のとき、または僅かに連通し始めたときに圧油
が吐出ポートからシリンダ内へと流入すると共にシリン
ダ内の容積が縮小され、シリンダ内が過剰圧傾向になっ
たとしても、このときには高圧側の円弧状切欠きがサブ
ポートと吐出ポートとに連通することによって、シリン
ダ内の圧油を油通路を介して吐出ポートへと排出でき、
シリンダ内が過剰圧となるのを防止できると共に、振動
や騒音の発生を確実に防ぐことができる。
【0079】そして、請求項4に記載の発明によれば、
前記弁板には、前記各シリンダポートの移動軌跡から離
れた位置で前記一側の油穴から周方向に離間して形成さ
れ前記上死点の近傍部位から前記吸入ポート側に向けて
周方向に延びる低圧側の円弧状切欠きを設け、該低圧側
の円弧状切欠きは、前記各ピストンが吐出行程から吸入
行程に切換わるときに対応する各シリンダ内を前記各サ
ブポートを介してタンクに連通させる構成としたから、
吸入行程の初期段階でシリンダ内が吸入ポートに連通す
る前のとき、または僅かに連通し始めたときにシリンダ
内が負圧傾向になったとしても、このときには低圧側の
円弧状切欠きがサブポートとタンクに連通することによ
って、タンクから油液を補給でき、シリンダ内が負圧と
なるのを防止できると共に、シリンダ内での気泡の発生
や圧力の低下等を防ぎ、ポンプ効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による斜板型油圧ポンプ
を示す縦断面図である。
【図2】シリンダブロックの各シリンダポート等を示す
図1中の矢示II−II方向拡大断面図である。
【図3】弁板の吸入ポートおよび吐出ポート等を示す図
1中の矢示 III−III 方向拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例による斜板型油圧ポンプ
を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例による斜板型油圧ポンプ
を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例による斜板型油圧ポンプ
を示す縦断面図である。
【図7】弁板の吸入ポートおよび吐出ポート等を示す図
6中の矢示 VII−VII 方向拡大断面図である。
【図8】本発明の第5の実施例による斜板型油圧ポンプ
を示す縦断面図である。
【図9】弁板の吸入ポートおよび吐出ポート等を示す図
8中の矢示IX−IX方向拡大断面図である。
【図10】本発明の第6の実施例による斜板型油圧ポン
プの弁板の吸入ポートおよび吐出ポート等を示す図9と
同様の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 5 回転軸 7 シリンダブロック 8 シリンダ 8A シリンダポート 9 サブポート 10 ピストン 15 弁板 15B 一側の切換弁部 15C 他側の切換弁部 16 吸入ポート 17 吐出ポート 18,31 一側の油穴 19,32 他側の油穴 20 連通路 35,41 凹所 51,71 排出溝(高圧側の円弧状切欠き) 61 給油溝(低圧側の円弧状切欠き) 63 タンク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシング内に回転可
    能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するよ
    うに前記ケーシング内に設けられ複数のシリンダが形成
    されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シ
    リンダ内に摺動可能に挿嵌され該シリンダブロックの回
    転に伴なって各シリンダ内を往復動する複数のピストン
    と、前記ケーシングとシリンダブロックとの間に設けら
    れ吸入ポートと吐出ポートとの間に前記回転軸を挟んで
    対向するように一側の切換弁部と他側の切換弁部とが形
    成された弁板とからなり、前記シリンダブロックには、
    該弁板との摺動面側に開口しシリンダブロックの回転時
    に予め決められた移動軌跡に沿って該弁板上を移動する
    ことにより前記各シリンダを前記吸入ポート、吐出ポー
    トに連通、遮断させる複数のシリンダポートを形成して
    なるアキシャルピストン型油圧ポンプにおいて、 前記各シリンダポートの移動軌跡から離れた位置で前記
    一側の切換弁部に設けられた一側の油穴と、前記各シリ
    ンダポートの移動軌跡から離れた位置で前記他側の切換
    弁部に設けられた他側の油穴と、該一側の油穴と他側の
    油穴とを互いに連通させる連通路と、前記シリンダブロ
    ックの各シリンダポート側にそれぞれ形成され、基端側
    が前記各シリンダ内に直接開口すると共に先端側が前記
    一側の油穴と他側の油穴とに連通可能に前記弁板との摺
    動面側に開口した複数のサブポートとを備える構成とし
    たことを特徴とするアキシャルピストン型油圧ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記一側の切換弁部は前記各シリンダ内
    を往復動する各ピストンが吐出行程から吸入行程に切換
    わる上死点側に配設し、前記他側の切換弁部は各ピスト
    ンが吸入行程から吐出行程に切換わる下死点側に配設し
    てなる請求項1に記載のアキシャルピストン型油圧ポン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記弁板には、前記各シリンダポートの
    移動軌跡から離れた位置で前記他側の油穴から周方向に
    離間して形成され前記下死点の近傍部位から前記吐出ポ
    ート側に向けて周方向に延びる高圧側の円弧状切欠きを
    設け、該高圧側の円弧状切欠きは、前記各ピストンが吸
    入行程から吐出行程に切換わるときに対応する各シリン
    ダ内を前記各サブポートを介して吐出ポートに連通させ
    る構成としてなる請求項2に記載のアキシャルピストン
    形油圧ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記弁板には、前記各シリンダポートの
    移動軌跡から離れた位置で前記一側の油穴から周方向に
    離間して形成され前記上死点の近傍部位から前記吸入ポ
    ート側に向けて周方向に延びる低圧側の円弧状切欠きを
    設け、該低圧側の円弧状切欠きは、前記各ピストンが吐
    出行程から吸入行程に切換わるときに対応する各シリン
    ダ内を前記各サブポートを介してタンクに連通させる構
    成としてなる請求項2または3に記載のアキシャルピス
    トン型油圧ポンプ。
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