JPH1182289A - 液圧回転機 - Google Patents

液圧回転機

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Publication number
JPH1182289A
JPH1182289A JP9249681A JP24968197A JPH1182289A JP H1182289 A JPH1182289 A JP H1182289A JP 9249681 A JP9249681 A JP 9249681A JP 24968197 A JP24968197 A JP 24968197A JP H1182289 A JPH1182289 A JP H1182289A
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JP
Japan
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cylinder
piston
cylinder block
casing
hollow portion
Prior art date
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Application number
JP9249681A
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English (en)
Inventor
Akira Nakayama
中山  晃
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンを軽量化し、かつシリンダ内のデッ
ドボリュームを減少させて吐出脈動を抑える。 【解決手段】 各ピストン11を中空部11Aを有する
中空状のピストンとして軽量化すると共に、シリンダブ
ロック8の各シリンダ9内に、先端側がピストン11の
中空部11A内に摺動可能に挿嵌される筒体21を設け
る。これにより、ピストン11に設けた中空部11Aの
容積分だけシリンダ9内のデッドボリュームが増大する
のを抑え、シリンダ9が高圧な吐出ポート20に連通し
たときに、吐出ポート20からシリンダ内に逆流する圧
油の流量を低減でき、このときの吐出脈動を抑えること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アキシャルピスト
ン型またはラジアルピストン型の油圧ポンプ、油圧モー
タ等として好適に用いられる液圧回転機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械に
は、油圧ポンプ、油圧モータ等の液圧回転機が装備され
ている。
【0003】ここで、この種の従来技術による液圧回転
機は、通常、ケーシングと、ケーシングに回転可能に支
持された回転軸と、ケーシング内に回転軸と一体的に回
転するように設けられ、複数のシリンダが穿設されたシ
リンダブロックと、シリンダブロックの各シリンダ内に
摺動可能に挿嵌され、シリンダブロックの回転に伴って
各シリンダ内を往復動する複数のピストンと、ケーシン
グとシリンダブロックとの間に設けられ、シリンダブロ
ックの各シリンダと間欠的に連通する一対の給排ポート
が形成された弁部材とから大略構成されている。
【0004】そして、上述の液圧回転機を油圧ポンプと
して用いる場合には、原動機等によって回転軸を回転駆
動し、シリンダブロックを回転軸と共にケーシング内で
回転させる。これにより、ピストンがシリンダブロック
のシリンダ内に最も進入した上死点位置と最も突出した
下死点位置との間を往復動し、ピストンが上死点位置か
ら下死点位置に移行する間に、弁部材の吸入ポートを通
じてシリンダ内に作動油を吸入する吸入行程と、ピスト
ンが下死点位置から上死点位置に移行する間にシリンダ
内の作動油を加圧し高圧の圧油として吐出ポートに吐出
する吐出行程とが繰返される。
【0005】ここで、シリンダ内を往復動するピストン
は、シリンダブロックが1回転する間に1往復を行うも
ので、シリンダブロックの回転数が増加するとピストン
に作用する慣性力、遠心力も増大してしまい、シリンダ
ブロックの回転時に大きな振動、騒音等が発生するとい
う問題がある。
【0006】このため、ピストンのシリンダ内に位置す
る側に中空部を設けることにより、ピストンを軽量化す
ることが知られているが、ピストンに中空部を設けた場
合には、ピストンが上死点位置に移行したときにシリン
ダ内に形成される油室の容積(デッドボリューム)が、
ピストンの中空部の容積分だけ増大することになる。こ
のため、例えば吸入行程から吐出行程への切換時にシリ
ンダが高圧な吐出ポートに連通したときに、吐出ポート
からシリンダ内に逆流する圧油の流量が増大してしま
い、これに伴う吐出脈動によって大きな騒音が発生する
という問題がある。
【0007】これに対し、他の従来技術として、例えば
実開昭58−12680号公報には、ピストンに中空部
を設けると共に、このピストンの中空部内に例えばアル
ミニウム合金、硬化樹脂材料等の軽量な充填物を充填す
ることにより、シリンダ内のデッドボリュームを増加さ
せずにピストンを軽量化した液圧回転機が提案されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した他の
従来技術による液圧回転機では、ピストンの中空部内に
アルミニウム合金、硬化樹脂材料等を充填するために、
充填材を溶解させる工程、溶解した充填材をピストンの
中空部内に充填した後に硬化させる工程等の複数の工程
を経るために、製造コストの上昇を招くという問題があ
る。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、製造コストの上昇を招くことなくピスト
ンの軽量化を図り、かつシリンダ内のデッドボリューム
を減少させて吐出脈動等を抑えることにより、作動時の
騒音を低減することができるようにした液圧回転機を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、ケーシングと、前記ケーシングに回転
可能に支持された回転軸と、前記ケーシング内に前記回
転軸と一体的に回転するように設けられ、複数のシリン
ダが穿設されたシリンダブロックと、前記シリンダブロ
ックの各シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、前記シリン
ダブロックの回転に伴って各シリンダ内を往復動する複
数のピストンと、前記ケーシングとシリンダブロックと
の間に設けられ、前記シリンダブロックの各シリンダと
間欠的に連通する一対の給排ポートが形成された弁部材
とからなる液圧回転機に適用される。
【0011】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、各ピストンはシリンダ内に位置する側が中空部
となった中空状のピストンにより構成し、シリンダブロ
ックの各シリンダ内には、ピストンとシリンダとの間に
画成される液室の容積を調整するため、先端側がピスト
ンの中空部内に挿入され、基端側がシリンダブロックに
固着された容積調整部材を設けたことにある。
【0012】このように構成したことにより、ピストン
の中空部内には容積調整部材の先端側が挿入されるた
め、ピストンの中空部内に形成されるデッドボリューム
を小さくすることができる。また、各ピストンは中空部
を設けることにより軽量化されているから、シリンダブ
ロックの回転時に各ピストンに作用する慣性力、遠心力
を小さくでき、シリンダブロックの回転時における振
動、騒音を抑えることができる。
【0013】また、請求項2の発明は、容積調整部材に
は、シリンダ内の液室を弁部材の給排ポートに対して連
通させる通液路を設ける構成としたことにある。
【0014】このように構成したことにより、ピストン
がシリンダ内で往復動する間に、シリンダ内の液室を通
液路を介して弁部材の給排ポートに対して連通させるこ
とができる。
【0015】さらに、請求項3の発明は、シリンダブロ
ックの各シリンダ内には弁部材の近傍に位置して雌ねじ
部を設け、容積調整部材の基端側には雌ねじ部に螺合す
る雄ねじ部を設ける構成としたことにある。
【0016】このように構成したことにより、容積調整
部材の雄ねじ部を各シリンダの雌ねじ部に螺合するだけ
で容易にシリンダ内に容積調整部材を固定し、この容積
調整部材の先端側をピストンの中空部内に挿入すること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による液圧回転機の
実施の形態を、斜板式油圧ポンプに適用した場合を例に
挙げ図1ないし図3を参照しつつ説明する。
【0018】図1において、1は斜板式油圧ポンプのケ
ーシングを示し、ケーシング1は、有底筒状に形成され
たケーシング本体2と、ケーシング本体2の開口端側を
閉塞するフロントケーシング3とからなっている。そし
て、ケーシング本体2の底部2Aには吸入通路4と吐出
通路5とが形成され、吸入通路4は油圧配管等を介して
作動油タンク(いずれも図示せず)に接続され、吐出通
路5は油圧配管等を介して油圧モータ等の油圧アクチュ
エータ(いずれも図示せず)に接続される。
【0019】6はケーシング1内に回転可能に設けられ
た回転軸で、この回転軸6は、ケーシング本体2の底部
2Aとフロントケーシング3とに設けられた軸受7,7
によって回転可能に支持されている。そして、回転軸6
の一端側はフロントケーシング3から外部に突出し、そ
の突出端側は、例えば減速装置を介して原動機(いずれ
も図示せず)に連結されている。
【0020】8はケーシング1内に回転可能に設けられ
たシリンダブロックを示し、シリンダブロック8は回転
軸6にスプライン結合され、ケーシング1内で回転軸6
と一体的に回転するものである。
【0021】ここで、シリンダブロック8には、回転軸
6を中心として周方向に一定の間隔をもって複数のシリ
ンダ9,9…が軸方向に穿設され、これら各シリンダ9
は、シリンダブロック8の底部側に形成された複数(シ
リンダ9と同数)の長円形状のシリンダポート10,1
0,…に連通している。また、各シリンダ9の底部側
(シリンダポート10側)には、後述する筒体21が螺
着される雌ねじ部9Aが形成されている(図2参照)。
【0022】11,11,…は基端側がシリンダブロッ
ク8の各シリンダ9内に摺動可能に挿嵌された複数のピ
ストンを示し、各ピストン11は、シリンダ9内に位置
する基端側が中空部11Aとなった中空状のピストンに
より構成され、この中空部11Aはピストン11内を軸
方向に延び先端側で閉塞されている。また、各ピストン
11の先端側には、シリンダ9の外部へと突出する球面
凸部11Bが設けられている。
【0023】そして、各ピストン11は、シリンダブロ
ック8の回転に伴って、シリンダブロック8のシリンダ
9内に最も進入した上死点位置(図2参照)と、シリン
ダ9から最も突出した下死点位置(図3参照)との間を
往復動するものである。
【0024】12,12,…は各ピストン11の球面凸
部11Bに揺動可能に取付けられた複数のシューで、各
シュー12は、シリンダブロック8の回転時にピストン
11の球面凸部11Bに対して揺動しつつ、後述する斜
板13の摺動面13A上を摺動するものである。
【0025】13はケーシング1内に位置してフロント
ケーシング3とシリンダブロック8との間に配設された
斜板を示し、斜板13の表面側(シリンダブロック8
側)には、各シュー12が摺動する摺動面13Aが形成
されている。また、斜板13の裏面側には、半円形状の
円弧凸面13Bが形成され、円弧凸面13Bは、フロン
トケーシング3に取付けられたクレイドル14の円弧凹
面14Aに摺動可能に係合している。
【0026】そして、斜板13は、傾転アクチュエータ
(図示せず)によってクレイドル14の円弧凹面14A
上を摺動変位し、回転軸6に対する摺動面13Aの傾き
を変化させることにより、シュー12に連結されたピス
トン11のストローク量を変化させ、油圧ポンプの容量
を可変に制御するものである。
【0027】15は各シュー12を斜板13の摺動面1
3A上で摺動可能に保持する環状のシューリテーナ、1
6はシリンダブロック8とシューリテーナ15との間に
設けられた球面ブッシュを示し、球面ブッシュ16は、
シリンダブロック8との間に縮装された圧縮ばね17に
より、シューリテーナ15を斜板13の摺動面13Aに
向けて常時付勢している。そして、シューリテーナ15
は、各シュー12を斜板13の摺動面13A側に常時押
圧し、各シュー12が摺動面13Aに沿って円を描くよ
うに摺動させる。
【0028】18はケーシング本体2の底部2Aとシリ
ンダブロック8との間に位置し、ケーシング本体2側に
固着された弁部材としての弁板で、弁板18には、回転
軸6の軸中心に対して対称となるように、眉形状をなす
一対の給排ポートとしての吸入ポート19、吐出ポート
20が形成され、吸入ポート19はケーシング本体2の
吸入通路4に常時連通し、吐出ポート20はケーシング
本体2の吐出通路5に常時連通している。
【0029】そして、吸入ポート19は、シリンダブロ
ック8が回転する間にシリンダポート10を介して各シ
リンダ9と吸入通路4との間を間欠的に連通させ、ピス
トン11が上死点位置から下死点位置に移行する間に吸
入通路4からシリンダ9内に作動油を吸入させる。ま
た、吐出ポート20は、シリンダブロック8が回転する
間にシリンダポート10を介して各シリンダ9と吐出通
路5との間を間欠的に連通させ、ピストン11が下死点
位置から上死点位置に移行する間に、シリンダ9内の作
動油を圧油として吐出通路5に吐出させる。
【0030】21はシリンダブロック8の各シリンダ9
内に設けられた容積調整部材としての筒体を示し、この
筒体21は、図2および図3に示すように、先端側から
基端側に向けて一定長さで伸長し先端側がピストン11
の中空部11A内に挿入された小径筒部22と、基端側
に位置し外周側にシリンダ9の雌ねじ部9Aに螺合する
雄ねじ部23Aが形成された大径筒部23と、後述の通
液路24とからなり、例えばアルミニウム合金等の軽量
な材料から一体形成されている。
【0031】ここで、筒体21は、大径筒部23側の雄
ねじ部23Aをシリンダ9の雌ねじ部9Aに螺着するこ
とによりシリンダブロック8内に固着され、小径筒部2
2の先端側外周はピストン11の中空部11A内に摺動
可能に挿嵌されている。そして、小径筒部22と中空部
11Aとの間には先端油室A1 が画成され、小径筒部2
2の外周面とシリンダ9の内周面との間には環状油室A
2 が画成され、これら先端油室A1 と環状油室A2 と
は、シリンダ9内に画成された液室を構成している。
【0032】24は筒体21に設けられ、前記先端油室
A1 および環状油室A2 を弁板18の吸入ポート19ま
たは吐出ポート20に連通させる通液路を示し、この通
液路24は、筒体21の内周側に形成され軸中心部を貫
通するように延びた軸方向通路25と、筒体21の小径
筒部22に穿設され径方向に延びた複数の径方向通路2
6,26,…とからなっている。そして、軸方向通路2
5は、シリンダポート10を介して先端油室A1 を弁板
18の吸入ポート19または吐出ポート20に連通さ
せ、各径方向通路26は、環状油室A2 と軸方向通路2
5との間を常時連通させるものである。ここで、各径方
向通路26は、図2に示すように、ピストン11が上死
点位置に達した状態でも、該ピストン11によって閉塞
されないように、大径筒部23の近傍に穿設されてい
る。
【0033】本実施例による斜板式油圧ポンプは上述の
如き構成を有するもので、以下、その作動について説明
する。
【0034】まず、原動機によって回転軸6を回転駆動
すると、シリンダブロック8が回転軸6と一体的に回転
する。このとき、各シリンダ9内に挿嵌されたピストン
11がシリンダブロック8と共に回転し、各ピストン1
1の球面凸部11Bに取付けられたシュー12が、斜板
13の摺動面13A上を摺動する。そして、シリンダブ
ロック8が回転する間に、各ピストン11は、シリンダ
9内に最も進入した上死点位置と、シリンダ9から最も
突出した下死点位置との間で往復動する。
【0035】ここで、ピストン11が上死点位置から下
死点位置に移行する吸入行程では、シリンダケーシング
1の吸入通路4、弁板18の吸入ポート19、シリンダ
ポート10、筒体21の軸方向通路25を通じて、作動
油がピストン11の中空部11A内に画成された先端油
室A1 内に吸入される。このとき、軸方向通路25を通
じて先端油室A1 内に吸入される作動油の一部が、径方
向通路26を通じて環状油室A2 内に導かれることによ
り、環状油室A2 内が負圧となるのを防止でき、ピスト
ン11は円滑に上死点位置から下死点位置に移行するこ
とができる。
【0036】次に、ピストン11が下死点位置から上死
点位置に移行する吐出行程では、ピストン11の中空部
11Aに対する筒体21の進入体積が増大していき、こ
の進入体積に相当する作動油が、先端油室A1 から筒体
21の軸方向通路25、シリンダポート10、弁板18
の吐出ポート20を通じ、高圧の圧油として吐出通路5
に吐出される。このとき、環状油室A2 内の作動油は、
径方向通路26を通じて軸方向通路25に吐出されるか
ら、ピストン11は円滑に下死点位置から上死点位置に
移行することができる。
【0037】そして、ピストン11が図2に示す上死点
位置に達したときには、筒体21の小径筒部22がピス
トン11の中空部11Aのほぼ全域に進入し、先端油室
A1内に吸入された作動油のほとんどが高圧の圧油とし
て吐出される。従って、ピストン11に設けた中空部1
1Aの容積分だけ、シリンダ9内のデッドボリュームが
増大してしまう不具合を確実に防止できる。
【0038】かくして、本実施例では、各ピストン11
を中空部11Aを有する中空状のピストンにより構成す
ると共に、シリンダブロック8の各シリンダ9内に、先
端側がピストン11の中空部11A内に摺動可能に挿入
される筒体21を設ける構成としたから、ピストン11
に設けた中空部11Aの容積分だけシリンダ9内のデッ
ドボリュームが増大するのを防止できる。これにより、
吸入行程から吐出行程への切換時にシリンダ9が高圧な
吐出ポート20に連通したときに、吐出ポート20から
シリンダ内に逆流する圧油の流量を低減でき、このとき
の吐出脈動を抑えることにより、油圧ポンプの作動時に
おける騒音を低減することができる。
【0039】また、中空部11Aを設けることにより各
ピストン11を軽量化することができるから、シリンダ
ブロック8の回転時に各ピストン11に作用する慣性
力、遠心力を低減することができる。このため、各ピス
トン11に作用する慣性力、遠心力に起因して生じるシ
リンダブロック8の振動を抑え、シリンダブロック8と
弁板18との摺動面からの圧油の漏れを抑えることがで
き、油圧ポンプの信頼性、耐久性を向上させることがで
きる。
【0040】さらに、筒体21の大径筒部23に雄ねじ
部23Aを設け、この雄ねじ部23Aを各シリンダ9に
設けた雌ねじ部9Aに螺合させることにより、容易にシ
リンダ9内に筒体21を配設し、この筒体21の先端側
をピストン11の中空部11A内に挿入することができ
るから、例えばピストン11の中空部11A内に充填物
を充填する必要がなく、ピストン11の製造コストを低
減することができる。
【0041】次に、図4は本発明による変形例を示し、
本変形例では液圧回転機として斜軸式油圧ポンプを例示
している。なお、本変形例では、前記実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。
【0042】図において、31は斜軸式油圧ポンプのケ
ーシングを示し、ケーシング31は筒状のケーシング本
体31Aと、ケーシング本体31Aのヘッド側端面に固
着されたヘッドケーシング31Bとからなっている。3
2はケーシング本体31Aに軸受33,33を介して回
転可能に支持された回転軸で、回転軸32には、ケーシ
ング本体31A内に位置してドライブディスク32Aが
一体的に設けられている。
【0043】34はシリンダブロックを示し、シリンダ
ブロック34の中心部にはセンタシャフト35が設けら
れ、センタシャフト35の球面凸部35Aは、ドライブ
ディスク32Aの中心部に揺動可能に連結されている。
また、シリンダブロック34の周方向には、センタシャ
フト35を中心として一定の間隔をもって複数のシリン
ダ36(1個のみ図示)が軸方向に穿設され、シリンダ
36はシリンダブロック34の底部側に形成されたシリ
ンダポート37に連通している。
【0044】そして、シリンダ36の内周側には雌ねじ
部36Aが形成され、この雌ねじ部36Aに筒体21の
大径筒部23に形成された雄ねじ部23Aを螺着するこ
とにより、シリンダ36内に筒体21が固着されてい
る。
【0045】38,38,…はシリンダブロック34の
各シリンダ36内に摺動可能に設けられたピストンを示
し、各ピストン38は、シリンダ36内に位置する基端
側が中空部38Aとなった中空状のピストンにより構成
され、該ピストン38の先端側には、ドライブディスク
32Aに揺動可能に連結された球面凸部38Bが設けら
れている。
【0046】ここで、ピストン38の中空部38A内に
は、筒体21の小径筒部22の先端側外周が摺動可能に
挿嵌され、小径筒部22と中空部38Aとの間には先端
油室A1 が画成され、小径筒部22の外周面とシリンダ
36の内周面との間には環状油室A2 が画成されてい
る。そして、筒体21の軸方向通路25は先端油室A1
とシリンダポート37との間を常時連通し、各径方向通
路26は環状油室A2 と軸方向通路25との間を常時連
通している。
【0047】39はヘッドケーシング31Bとシリンダ
ブロック34との間に位置し、ヘッドケーシング31B
に設けられた弁板で、弁板39には眉形状をなす吸入ポ
ートと吐出ポート(いずれも図示せず)とが形成されて
いる。
【0048】本変形例は上述の如き構成を有するもの
で、シリンダブロック34の回転に伴って各ピストン3
8が上死点位置から下死点位置に移行する吸入行程で
は、ピストン38の中空部38A内に画成された先端油
室A1 内に、筒体21の軸方向通路25を通じて作動油
が吸入されると共に、先端油室A1 内に吸入される作動
油の一部が、径方向通路26を通じて環状油室A2 内に
導入される。
【0049】また、各ピストン38が下死点位置から上
死点位置に移行する吐出行程では、先端油室A1 および
環状油室A2 内に吸入された作動油が、筒体21の軸方
向通路25および各径方向通路26等を通じ、高圧の圧
油として吐出ポートに吐出される。
【0050】そして、本変形例においても、ピストン3
8の中空部38A内に筒体21の先端側が挿入されるこ
とにより、中空部38Aの容積分だけシリンダ36内の
デッドボリュームが増大するのを防止できるから、吸入
行程から吐出行程への切換時にシリンダ36が高圧な吐
出ポートに連通したときに、吐出ポートからシリンダ3
6内に逆流する圧油の流量を低減でき、このときの吐出
脈動を抑えることができる。
【0051】また、中空部38Aを設けることにより各
ピストン38を軽量化することができるから、シリンダ
ブロック34の回転時に各ピストン38に作用する慣性
力、遠心力を低減することができ、シリンダブロック3
4が回転時に大きな振動を生じるのを防止できる。
【0052】なお、前記実施例および変形例では、筒体
21の大径筒部23に雄ねじ部23Aを設け、この雄ね
じ部23Aをシリンダ9(36)の内周側に設けた雌ね
じ部9A(36A)に螺着する場合を例に挙げたが、本
発明はこれに限るものではなく、例えば大径筒部23を
シリンダ9(36)の内周側に圧入することにより、シ
リンダ9(36)内に筒体21を固着してもよい。
【0053】また、前記実施例および変形例では、アキ
シャルピストン型の液圧回転機に適用した場合を例に挙
げたが、本発明はこれに限らず、例えばラジアルピスト
ン型の液圧回転機にも適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、ピストンを、シリンダブロックのシリンダ内に位
置する側が中空部となった中空状のピストンにより構成
すると共に、シリンダブロックの各シリンダ内に、ピス
トンとシリンダとの間に画成される液室の容積を調整す
るため、先端側がピストンの中空部内に挿入される容積
調整部材を設ける構成としたから、ピストンがシリンダ
内で往復動するときに、ピストンの中空部内に容積調整
部材の先端側が挿入されることにより、ピストンの中空
部内に形成されるデッドボリュームを小さくすることが
できる。これにより、吸入行程から吐出行程への切換時
にシリンダが高圧な吐出ポートに連通したときに、吐出
ポートからシリンダ内に逆流する圧油の流量を低減で
き、このときの吐出脈動を抑えることにより、作動時の
騒音を低減することができる。
【0055】また、各ピストンは中空部を設けることに
より軽量化されているから、シリンダブロックの回転時
に各ピストンに作用する慣性力、遠心力を小さくでき
る。このため、各ピストンに作用する慣性力、遠心力に
起因して生じるシリンダブロックの振動を抑え、シリン
ダブロックと弁板との摺動面からの圧油の漏れを抑える
ことができ、液圧回転機の信頼性、耐久性を向上させる
ことができる。
【0056】また、請求項2の発明によれば、容積調整
部材には、シリンダ内の液室を弁部材の給排ポートに対
して連通させる通液路を設ける構成としたから、ピスト
ンがシリンダ内で往復動する間に、シリンダ内の液室を
通液路を介して弁部材の給排ポートに対して連通させる
ことができる。従って、吸入行程時には容積調整部材の
通液路を通じてシリンダ内の液室内に作動油が吸入さ
れ、吐出行程時には液室内の作動油を通液路を通じて高
圧の圧油として吐出することができる。
【0057】さらに、請求項3の発明によれば、容積調
整部材の基端側に設けた雄ねじ部を各シリンダの雌ねじ
部に螺合するだけで容易にシリンダ内に容積調整部材を
配設し、この容積調整部材の先端側をピストンの中空部
内に挿入することができる。従って、例えばピストンの
中空部内に充填物を充填する必要がなく、製造コストを
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による斜板式油圧ポンプを示す
縦断面図である。
【図2】図1中のピストン、筒体等をピストンが上死点
位置に達した状態で示す要部拡大断面図である。
【図3】ピストンが下上死点位置に達した状態を示す、
図2と同様の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の変形例による斜軸式油圧ポンプを示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 6 回転軸 8 シリンダブロック 9 シリンダ 9A 雌ねじ部 11 ピストン 11A 中空部 18 弁板(弁部材) 21 筒体(容積調整部材) 23A 雄ねじ部 24 通液路 25 軸方向通路 26 径方向通路 A1 先端油室(液室) A2 環状油室(液室)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、前記ケーシングに回転可
    能に支持された回転軸と、前記ケーシング内に前記回転
    軸と一体的に回転するように設けられ、複数のシリンダ
    が穿設されたシリンダブロックと、前記シリンダブロッ
    クの各シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、前記シリンダ
    ブロックの回転に伴って各シリンダ内を往復動する複数
    のピストンと、前記ケーシングとシリンダブロックとの
    間に設けられ、前記シリンダブロックの各シリンダと間
    欠的に連通する一対の給排ポートが形成された弁部材と
    からなる液圧回転機において、 前記各ピストンは前記シリンダ内に位置する側が中空部
    となった中空状のピストンにより構成し、前記シリンダ
    ブロックの各シリンダ内には、前記ピストンとシリンダ
    との間に画成される液室の容積を調整するため、先端側
    が前記中空部内に挿入され、基端側が前記シリンダブロ
    ックに固着された容積調整部材を設ける構成としたこと
    を特徴とする液圧回転機。
  2. 【請求項2】 前記容積調整部材には、前記シリンダ内
    の液室を前記弁部材の給排ポートに対して連通させる通
    液路を設ける構成としてなる請求項1に記載の液圧回転
    機。
  3. 【請求項3】 前記シリンダブロックの各シリンダ内に
    は前記弁部材の近傍に位置して雌ねじ部を設け、前記容
    積調整部材の基端側には前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ
    部を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の液
    圧回転機。
JP9249681A 1997-08-29 1997-08-29 液圧回転機 Pending JPH1182289A (ja)

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