JPH07189887A - アキシャルピストン型ポンプ - Google Patents

アキシャルピストン型ポンプ

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Publication number
JPH07189887A
JPH07189887A JP5348136A JP34813693A JPH07189887A JP H07189887 A JPH07189887 A JP H07189887A JP 5348136 A JP5348136 A JP 5348136A JP 34813693 A JP34813693 A JP 34813693A JP H07189887 A JPH07189887 A JP H07189887A
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JP
Japan
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cylinder
port
casing
dead center
center side
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Application number
JP5348136A
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English (en)
Inventor
Seiichiro Takeshita
清一郎 竹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポンプ効率を低下させることなく、脈動によ
る振動,騒音等を防止する。 【構成】 上死点側のシリンダ8内に残存した圧油を第
2切欠溝20,連通路21,第1切欠溝19を介して下
死点側のシリンダ8内に供給すると共に、上死点側のシ
リンダ8内の圧油を細穴22によってケーシング1内に
放出する構成としている。従って、下死点側のシリンダ
8内を昇圧して吐出ポート16内の圧油が流入するのを
抑制できると共に、上死点側のシリンダ8内を確実に減
圧して該上死点側のシリンダ8内の圧油が吸入ポート1
5内に逆流するのを防止できる。また、上死点側のシリ
ンダ8内の圧油をケーシング1内に放出することによ
り、該ケーシング1内の摺接部位等を潤滑できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば斜板型ポンプ、
斜軸型ポンプ等として用いられるアキシャルピストン型
ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の作業装置用油
圧シリンダや旋回用,走行用の油圧モータに圧油を供給
する油圧ポンプとしては、ケーシングと、該ケーシング
内に回転自在に設けられた回転軸と、前記ケーシング内
に位置して該回転軸と一体に回転するように設けられ、
周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形
成されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各
シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、該シリンダブロック
の回転に伴なって軸方向に移動して作動油を吸入,吐出
する複数のピストンと、前記ケーシングとシリンダブロ
ックの端面との間に設けられ、前記各シリンダと連通す
る吸入ポートと吐出ポートとが形成された弁板とからな
るアキシャルピストン型油圧ポンプが広く知られてい
る。
【0003】そして、上述のように構成された油圧ポン
プは、エンジン等の駆動源で駆動軸を回転駆動すると、
ケーシング内で該駆動軸と共にシリンダブロックが回転
される。これにより、該シリンダブロックの各シリンダ
内でピストンが往復動され、吸入ポートからシリンダ内
に吸込んだ作動油をピストンによって加圧して吐出ポー
トに圧油として吐出するようになっている。
【0004】ここで、シリンダブロック,ピストンおよ
び弁板の作動について説明すると、各シリンダのシリン
ダポートが弁板の吸入ポートと連通するときには、該吸
入ポートの始端から終端にかけてピストンがシリンダか
ら突出する方向に移動して前記吸入ポートから該シリン
ダ内に作動油を吸込む吸入行程となる。一方、前記各シ
リンダのシリンダポートが吐出ポートと連通するときに
は、該吐出ポートの始端から終端にかけてピストンがシ
リンダ内に進入する方向に移動して該シリンダ内の作動
油を吐出ポート内に吐出する吐出行程となる。そして、
この動作(行程)を繰返すようにシリンダブロックを回
転することにより、吸入行程で吸入ポートからシリンダ
内に吸込んだ作動油を吐出行程で加圧して吐出ポートに
吐出し、この圧油を油圧シリンダや油圧モータに供給す
るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるアキシャルピストン型油圧ポンプでは、吸
入行程で弁板の吸入ポートを介して作動油を吸込んだシ
リンダ内は低圧(負圧)となっているから、各シリンダ
のシリンダポートが吐出ポートと連通するときに、該吐
出ポート内の高圧となった圧油がシリンダポートを介し
て低圧のシリンダ内に急激に流入して大きな圧力変動を
生じてしまい、この圧力変動によって脈動を生じて振動
や騒音を発生するという問題がある。
【0006】また、各シリンダのシリンダポートが吸入
ポートと連通するときには、該シリンダ内に高圧となっ
た圧油が残存しているから、吸入ポートと連通したとき
にシリンダ内の圧油がシリンダポートを介して吸入ポー
ト内に逆流してしまい、該吸入ポートからの作動油がス
ムーズにシリンダ内に流入せず、ポンプ効率が低下して
しまうという問題がある。
【0007】さらに、上述のように吐出ポートからシリ
ンダ内に流入する圧油や、シリンダ内から吸入ポート内
に逆流する圧油は、シリンダ,吸入ポート内に急激に流
入するから、この圧油や圧油内の異物によって各シリン
ダのシリンダポート,吸入ポートの内壁部が浸食を生じ
てしまい、ポンプ効率や寿命が大幅に低下するという問
題がある。
【0008】そこで、脈動や浸食の発生を防止するため
の対応策として、例えば実開平4−95671号公報の
ように、弁板の吸入ポート終端と吐出ポート始端との間
および吐出ポート終端と吸入ポート始端との間に半径方
向に延びる微小溝を設け、各シリンダが吐出ポートに連
通したときに、該吐出ポートから流入する圧油の一部を
該微小溝を介してケーシング内に逃すことにより、シリ
ンダ内の圧力変動を緩和すると共に、各シリンダが吐出
ポートから離間したときに、該各シリンダ内に残存する
圧油を微小溝を介してケーシング内に逃す構成としたも
のが開示されている。このように構成されることによ
り、シリンダ内を減圧して吸入ポートへの圧油の逆流を
防止するようにしている。
【0009】しかし、この対応策では、各微小溝を介し
て各シリンダ内の圧油をケーシング内に逃すようにして
いるから、ポンプ効率が低下するという問題がある。特
に、吐出ポート内で高圧となった圧油をケーシング内に
逃すということは、非常に大きな損失となり、ポンプ効
率を大幅に低下させてしまう。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、ポンプ効率を低下させることなく、脈動
による振動,騒音等を防止できるようにしたアキシャル
ピストン型ポンプを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明が採用するアキシャルピストン型ポンプ
は、ケーシングと、該ケーシング内に回転自在に設けら
れた回転軸と、前記ケーシング内に位置して該回転軸と
一体に回転するように設けられ、周方向に離間して複数
のシリンダが形成されたシリンダブロックと、該シリン
ダブロックの各シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、該シ
リンダブロックの回転に伴なって軸方向に移動する複数
のピストンと、前記ケーシングとシリンダブロックの端
面との間に設けられ、前記各シリンダと連通する吸入ポ
ートと吐出ポートとが形成された弁板とからなる。
【0012】そして、本発明が採用する構成の特徴は、
前記弁板には、各シリンダのシリンダポートのうち前記
吸入ポートの終端側に位置するシリンダポートと吸入ポ
ートとの連通が絶たれたときに該シリンダポートと連通
する第1切欠溝と、前記吐出ポートの終端側に位置する
シリンダポートと吐出ポートとの連通が絶たれたときに
該シリンダポートと連通する第2切欠溝とを設け、該第
1切欠溝と第2切欠溝とは連通路を介して常時連通する
ようにしたことにある。
【0013】また、前記連通路は弁板のシリンダブロッ
クとの摺接面に設けてもよい。
【0014】さらに、前記連通路はシリンダブロックの
端面に設けてもよい。
【0015】一方、前記弁板には、前記シリンダポート
と前記第2切欠溝との連通が絶たれたときに、該シリン
ダポートと前記ケーシング内とを連通する細穴を設ける
のが好ましい。
【0016】
【作用】上記構成により、各シリンダのシリンダポート
のうち弁板の吸入ポート終端側に位置するシリンダポー
トが該吸入ポートとの連通が絶たれると共に、吐出ポー
トの終端側に位置するシリンダポートが該吐出ポートと
の連通が絶たれると、吸入ポートから油液を吸込んで低
圧(負圧)となったシリンダのシリンダポートが第1切
欠溝に連通し、内部に残存した圧油により高圧となった
シリンダのシリンダポートが第2切欠溝に連通する。こ
れにより、高圧となったシリンダ内の油液が前記第2切
欠溝,連通路,第1切欠溝を介して低圧となったシリン
ダ内に流入する。よって、低圧となったシリンダ内は高
圧となったシリンダから供給された圧油により昇圧さ
れ、吐出ポート内との圧力差が小さくなり、高圧となっ
たシリンダ内は圧油の放出により減圧され、吸入ポート
内との圧力差が小さくなる。
【0017】また、弁板にシリンダのシリンダポートと
第2切欠溝との連通が絶たれたときに、該シリンダとケ
ーシング内とを連通する細穴を設けることにより、前記
第2切欠溝を通過した後にシリンダ内に残った圧油が細
穴を介してケーシング内に逃される。よって、該シリン
ダ内がより減圧されて吸入ポートへの圧油の逆流が防止
されると共に、細穴からケーシング内に放出された油液
により摺動部等の潤滑がなされる。
【0018】
【実施例】以下、図1ないし図7に本発明の実施例によ
るアキシャルピストン型ポンプとして容量可変式の斜板
型油圧ポンプを例に挙げて説明する。
【0019】まず、図1ないし図5に第1の実施例を示
す。
【0020】図において、1は斜板型油圧ポンプの外殻
をなすケーシングを示し、該ケーシング1は、筒状のケ
ーシング本体2と、該ケーシング本体2の一端側開口部
を閉塞するフロントケーシング3と、前記ケーシング本
体2の他端側開口部を閉塞するリヤケーシング4とから
構成されている。また、前記フロントケーシング3に
は、後述の回転軸5が挿通される挿通穴3Aが軸方向に
形成されている。
【0021】5はケーシング1に軸受6を介して回転自
在に支持された回転軸で、該回転軸5はケーシング1の
フロントケーシング3の挿通穴3Aを介して外部に突出
している。
【0022】7はケーシング1内に位置して回転軸5と
スプライン結合によって一体回転するように設けられた
シリンダブロックを示し、該シリンダブロック7には、
周方向に離間して複数のシリンダ8(1個のみ図示)が
軸方向に穿設され、該各シリンダ8には、前記シリンダ
ブロック7の摺動面7Aに開口するシリンダポート8A
が形成されている。また、9,9,…は各シリンダ8内
に往復動可能に挿嵌された複数のピストンを示し、該各
ピストン9のシリンダブロック7から突出した先端部に
は球形部9Aが形成されている。
【0023】10,10,…は各ピストン9の球形部9
A外周側にそれぞれ設けられた複数個のシューで、該各
シュー10は球形部9Aと摺動自在に嵌合し、該球形部
9Aを介してピストン9を揺動自在に支持している。
【0024】11はフロントケーシング3とシリンダブ
ロック7との間に設けられた斜板を示し、該斜板11の
表面側(シリンダブロック7側)は各シュー10が摺接
しつつ回転する摺動面11Aとなり、裏面側はフロント
ケーシング3に形成された凹湾曲状のガイド溝12に摺
動自在に嵌合する半円柱状の摺動部11Bとなってい
る。また、該斜板11には、中央に位置して表面側から
裏面側に向け拡径して穿設された挿通穴11Cと、前記
摺動部11Bの側面に形成され、図示しない傾転駆動機
構の一部が挿着される傾転機構挿着穴11Dとが形成さ
れている。そして、該斜板11は、前記傾転駆動機構に
よって傾転角が変更されることにより、各ピストン9の
ストローク量を適宜調整して油圧ポンプの容量を可変制
御するものである。
【0025】また、13は各シュー10の外周側に係合
しつつ前記斜板11の摺動面11Aに固着された環状の
案内レールで、該案内レール13は、環状軌道に沿って
各シュー10を斜板11の摺動面11A上で案内するも
のである。
【0026】14はケーシング1のリヤケーシング4に
固定され、一側面が切換摺接面14Aとなった弁板を示
し、該弁板14には、図2,図3に示す如く、眉形状の
吸入ポート15と吐出ポート16とが略対称位置となる
ように周方向に伸長して設けられている。また、該吐出
ポート16には弁板14に対してシリンダブロック7が
矢示A方向に回転するときに、回転方向上流側となる始
端側に周方向に伸長するノッチ16Aが形成され、該ノ
ッチ16Aは、各シリンダ8のシリンダポート8Aと吐
出ポート16とを徐々に連通させるべく略三角形状に形
成されている。また、前記吸入ポート15,吐出ポート
16はリヤケーシング4に形成された吸入通路17,吐
出通路18に常時連通している。
【0027】そして、前記吸入ポート15,吐出ポート
16は、弁板14に対してシリンダブロック7が回転さ
れることにより、各シリンダ8のシリンダポート8Aと
間欠的に連通し、吸入通路17を介して供給された油液
を各シリンダ8内に流入させつつ、該各シリンダ8から
吐出された圧油を吐出通路18を介して油圧シリンダ等
に供給するものである。
【0028】19は弁板14の切換摺接面14Aに位置
して吸入ポート15終端側と吐出ポート16始端側との
間に形成された第1切欠溝を示し、該第1切欠溝19は
径方向に伸長して形成され、その内周端は吸入ポート1
5の終端側に位置するシリンダ8のシリンダポート8A
が該吸入ポート15との連通が絶たれたときに、該シリ
ンダポート8Aに連通しうる位置に配置されている。
【0029】20は弁板14の切換摺接面14Aに位置
して吐出ポート16終端側と吸入ポート15始端側との
間に形成された第2切欠溝を示し、該第2切欠溝20は
径方向に伸長して形成され、その内周端は吐出ポート1
6の終端側に位置するシリンダ8のシリンダポート8A
が該吐出ポート16との連通が絶たれたときに、該シリ
ンダポート8Aに連通しうる位置に配置されている。
【0030】また、21は切換摺接面14Aの吸入ポー
ト15外周側に形成された連通路を示し、該連通路21
は、その両端側が第1切欠溝19,第2切欠溝20の外
周端に接続され、これにより、該第1切欠溝19と第2
切欠溝20とを常時連通している。
【0031】ここで、第1切欠溝19,第2切欠溝2
0,連通路21は、それぞれ内部を連通する油液の脈動
を低減させるために絞りとして作用しうる流路面積に設
定され、これによって、容積フィルタ効果をより高めて
いる。なお、容積フィルタ効果とは、容積と絞りとによ
って定まる関係から生じる脈動低減効果をいうものであ
る。
【0032】22は弁板14の吸入ポート15始端側近
傍に設けられた細穴で、該細穴22の一端側は、矢示A
方向に移動するシリンダポート8Aが第2切欠溝20か
ら離間したときに、該シリンダポート8Aに連通しうる
位置に開口し、他端側はL字状に屈曲してケーシング1
内に開口している。
【0033】本実施例による斜板型油圧ポンプは、上述
の如き構成を有するもので、まず、駆動源によって回転
軸5を回転させると、該回転軸5にスプライン結合され
たシリンダブロック7が一体に回転される。これによ
り、各シリンダ8内に挿嵌されたピストン9はシリンダ
ブロック7と共に回転し、その球形部9Aがシュー10
を介して案内レール13に案内された状態で摺動面11
A上を回転する。この際、斜板11の摺動面11Aは所
定の傾転角を有しているから、シリンダブロック7が1
回転する間に、ピストン9はシリンダ8内に最も進入し
た上死点位置とシリンダ8から最も伸長した下死点位置
との間をストロークするようになる。
【0034】ここで、前記各ピストン9が上死点位置か
ら下死点位置までストロークする半回転の間は、シリン
ダポート8Aは吸入ポート15と連通し、該吸入ポート
15を介して吸入通路17からシリンダ8内に油液を吸
込む吸入行程となる。一方、ピストン9の下死点位置か
ら上死点位置までストロークする半回転の間は、シリン
ダポート8Aは吐出ポート16と連通し、シリンダ8内
に吸込んだ油液を加圧しつつ吐出ポート16を介して吐
出通路18から吐出する吐出行程となる。このように、
回転軸5を回転駆動してピストン9をシリンダ8内で往
復動させることにより、吸込行程と吐出行程とが繰り返
えされ、ポンプ作用が行なわれる。
【0035】一方、ポンプの吐出容量を可変制御するに
は、傾転駆動機構によって斜板11をガイド溝12に沿
って適宜傾転させることにより、シリンダ8内の押除け
容量を変更して制御するようになっている。
【0036】次に、第1切欠溝19,第2切欠溝20,
連通路21,細穴22の作動について、図3ないし図5
を参照しつつ詳述する。
【0037】まず、吸入ポート15の終端側に位置する
(下死点側)シリンダ8のシリンダポート8Aが矢示A
方向に移動されると、図3に示すように、該シリンダポ
ート8Aと吸入ポート15との連通が絶たれ、第1切欠
溝19と連通される。また、このときに吐出ポート16
の終端側(上死点側)に位置するシリンダポート8Aも
同様に矢示A方向に移動して吐出ポート16との連通が
絶たれ、第2切欠溝20と連通される状態となる。ここ
で、吸入ポート15から離間して下死点側にあるシリン
ダ8内は、該吸入ポート15を介して油液を吸込んで低
圧(負圧)となっており、一方、吐出ポート16から離
間して上死点側にあるシリンダ8内は、そのシリンダポ
ート8A内に残存した圧油によって高圧となっている。
従って、上死点側のシリンダポート8A内に残存した圧
油は、第2切欠溝20から連通路21,第1切欠溝19
を介して下死点側のシリンダ8内に流入するようにな
り、上死点側のシリンダ8内は圧油の放出によって減圧
され、下死点側のシリンダ8内は上死点側のシリンダ8
から供給された圧油によって昇圧される。
【0038】次に、各シリンダ8が図3の状態から図4
の状態へとさらに矢示A方向に移動すると、図4に示す
ように、下死点側にあるシリンダ8のシリンダポート8
Aが吐出ポート16のノッチ16A先端に連通する。こ
のときには、第1に、下死点側のシリンダ8内は、上死
点側のシリンダ8から供給された圧油によって予め昇圧
されて吐出ポート16との圧力差が小さくなっており、
第2に、第1切欠溝19,連通路21,第2切欠溝20
を介して上死点側のシリンダ8内と連通しているから、
該上死点側のシリンダ8と第1切欠溝19,連通路21
および第2切欠溝20からなる流路との容積差と、第1
切欠溝19,連通路21,第2切欠溝20が絞りとして
作用することにより容積フィルタ効果を得ている。これ
によって、吐出ポート16からノッチ16Aを介して下
死点側のシリンダ8内に流入する圧油の流入量は大幅に
低減されると共に、脈動が低減され、該吐出ポート16
内の急激な圧力低下が防止される。
【0039】一方、各シリンダ8が図4の状態から図5
の状態へとさらに矢示A方向に移動すると、図5に示す
如く、上死点側にあるシリンダ8は、そのシリンダポー
ト8Aが第2切欠溝20と離間すると共に細穴22に連
通し、該細穴22を介して内部に残存した圧油をケーシ
ング1内に放出する。これにより、該上死点側のシリン
ダ8内はさらに減圧されて吸入ポート15との圧力差が
小さくなり、よって、上死点側のシリンダ8内にある油
液は、該吸入ポート15内に逆流するのが防止される。
また、細穴22からケーシング1内に放出された油液
は、該ケーシング1内の各摺動部位等を潤滑し、図示し
ないタンクに戻される。
【0040】かくして、本実施例では、第1に、上死点
側のシリンダ8内に残存した圧油を、第2切欠溝20,
連通路21,第1切欠溝19を介して下死点側のシリン
ダ8内に供給することにより、下死点側のシリンダ8内
を予め昇圧させており、第2に、シリンダ8と第1切欠
溝19,連通路21および第2切欠溝20からなる流路
との容積差と、第1切欠溝19,連通路21,第2切欠
溝20が絞りとして作用することによる容積フィルタ効
果によって、吐出ポート16内の圧油の流入を抑制する
ようにしている。従って、吐出ポート16内が急激に圧
力低下するのを防止して脈動の発生を防止でき、振動や
騒音を大幅に低減することができる上に、吐出ポート1
6からの圧油の流出を実質的に零とすることができ、圧
力損失を小さくしてポンプ効率の向上を図ることができ
る。さらに、シリンダ8内への圧油の流入を抑制でき、
圧油によるシリンダポート8Aの浸食を防止でき、寿命
やポンプ効率を向上することができる。
【0041】また、上死点側のシリンダ8内に残存する
圧油を下死点側のシリンダ8に供給しても、まだ該上死
点側のシリンダ8内に残存している圧油を細穴22を介
してケーシング1内に放出することにより、該上死点側
のシリンダ8内を減圧することができる。この結果、吸
入ポート15への油液の逆流を防止することができ、該
吸入ポート15から上死点側のシリンダ8内にスムーズ
に油液を流入させて、ポンプ効率を向上することができ
る。また、このときのケーシング1内への油液の放出量
を上死点側のシリンダ8内に残存した圧油の一部だけと
することにより、ポンプ効率の向上を図りつつ、ケーシ
ング1内の摺動部位等の潤滑を行なうことができる。
【0042】次に、図6および図7は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、連通路をシリンダブロ
ック側に形成したことにある。また、本実施例による弁
板には連通路は設けられていない。なお、実施例では、
前述した図1ないし図5に示す第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。
【0043】図において、31はシリンダブロック7の
摺動面7Aに設けられた本実施例による連通路を示し、
該連通路31は、図7に示す如く、前記摺動面7Aの外
周側に位置して円環状に切欠かれており、これによっ
て、シリンダブロック7が弁板14に対して回転したと
きでも、該弁板14に形成された第1切欠溝19,第2
切欠溝20と連通できるようになっている。また、該連
通路31も、第1の実施例による連通路21と同様に、
絞りとして作用しうる流路面積に設定されている。
【0044】かくして、このように構成された本実施例
においても前記第1の実施例と同様の作用効果を得るこ
とができる。
【0045】なお、前記各実施例では、アキシャルピス
トン型ポンプとして容量可変式の斜板型油圧ポンプを用
いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、固定容量式の斜板型油圧ポンプに適用してもよく、
斜軸型油圧ポンプに適用してもよい。
【0046】さらに、前記各実施例では、各シリンダ8
のシリンダポート8Aを円形に形成した場合を例に挙げ
て図示したが、楕円形状または長円形状等としてもよ
い。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば、弁
板に各シリンダのシリンダポートのうち前記吸入ポート
の終端側に位置するシリンダポートと吸入ポートとの連
通が絶たれたときに該シリンダポートと連通する第1切
欠溝と、前記吐出ポートの終端側に位置するシリンダポ
ートと吐出ポートとの連通が絶たれたときに該シリンダ
ポートと連通する第2切欠溝とを設け、該第1切欠溝と
第2切欠溝とは連通路を介して常時連通する構成として
いるから、各シリンダポートのうち弁板の吸入ポート終
端側に位置するシリンダポートと該吸入ポートとの連通
が絶たれると共に、吐出ポートの終端側に位置するシリ
ンダポートと該吐出ポートとの連通が絶たれたときに、
吸入ポートから油液を吸込んで低圧(負圧)となったシ
リンダを第1切欠溝に連通させ、内部に残存した圧油に
より高圧となったシリンダを第2切欠溝に連通させるこ
とにより、高圧となったシリンダ内の油液を前記第2切
欠溝,連通路,第1切欠溝を介して低圧となったシリン
ダ内に流入させつつ、第2切欠溝,連通路,第1切欠溝
により絞り作用によって脈動を低減することができる。
【0048】この結果、低圧となったシリンダ内を高圧
となったシリンダから供給された圧油によって昇圧して
吐出ポート内との圧力差を小さくすることができ、吐出
ポートからシリンダ内に流入する圧油の流入量を削減し
て、吐出ポート内の急激な圧力低下を防止でき、圧力変
動による振動や騒音の発生を防止することができる。ま
た、高圧となったシリンダ内を圧油の放出により減圧し
て吸入ポート内との圧力差を小さくすることができるか
ら、シリンダから吸入ポートへの圧油の逆流を防止する
ことができる。
【0049】さらに、弁板に各シリンダのシリンダポー
トと第2切欠溝との連通が絶たれたときに、該シリンダ
ポートとケーシング内とを連通する細穴を設けることに
より、前記第2切欠溝を通過した後にシリンダ内に残っ
た圧油を細穴を介してケーシング内に放出することがで
き、該シリンダ内をより減圧して吸入ポートへの圧油の
逆流をより確実に防止でき、ポンプ効率を向上できる上
に、細穴からケーシング内に放出された油液により摺動
部等を潤滑することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による斜板型油圧ポンプ
を示す縦断面図である。
【図2】図1中の弁板等を拡大して示す要部拡大縦断面
図である。
【図3】図2中の矢示 III−III 方向から見た横断面図
である。
【図4】下死点側のシリンダポートを吐出ポートのノッ
チと第1切欠溝に連通させ、上死点側のシリンダポート
を第2切欠溝に連通させた状態を示す図3と同様位置の
横断面図である。
【図5】下死点側のシリンダポートを吐出ポートだけに
連通させ、上死点側のシリンダポートを細溝に連通させ
た状態を示す図3と同様位置の横断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例による斜板型油圧ポンプ
の要部を示す図2と同様位置の要部拡大縦断面図であ
る。
【図7】図6中の矢示 VII−VII 方向から見た横断面図
である。
【符号の説明】
1 ケーシング 5 回転軸 7 シリンダブロック 8 シリンダ 8A シリンダポート 9 ピストン 14 弁板 15 吸入ポート 16 吐出ポート 19 第1切欠溝 20 第2切欠溝 21,31 連通路 22 細穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシング内に回転自
    在に設けられた回転軸と、前記ケーシング内に位置して
    該回転軸と一体に回転するように設けられ、周方向に離
    間して複数のシリンダが形成されたシリンダブロック
    と、該シリンダブロックの各シリンダ内に摺動可能に挿
    嵌され、該シリンダブロックの回転に伴なって軸方向に
    移動する複数のピストンと、前記ケーシングとシリンダ
    ブロックの端面との間に設けられ、前記各シリンダと連
    通する吸入ポートと吐出ポートとが形成された弁板とか
    らなるアキシャルピストン型ポンプにおいて、前記弁板
    には、各シリンダのシリンダポートのうち前記吸入ポー
    トの終端側に位置するシリンダポートと吸入ポートとの
    連通が絶たれたときに該シリンダポートと連通する第1
    切欠溝と、前記吐出ポートの終端側に位置するシリンダ
    ポートと吐出ポートとの連通が絶たれたときに該シリン
    ダポートと連通する第2切欠溝とを設け、該第1切欠溝
    と第2切欠溝とは連通路を介して常時連通する構成とし
    たことを特徴とするアキシャルピストン型ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記連通路は弁板のシリンダブロックと
    の摺接面に設けてなる請求項1に記載のアキシャルピス
    トン型ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記連通路はシリンダブロックの端面に
    設けてなる請求項1に記載のアキシャルピストン型ポン
    プ。
  4. 【請求項4】 前記弁板には、前記シリンダポートと前
    記第2切欠溝との連通が絶たれたときに、該シリンダポ
    ートと前記ケーシング内とを連通する細穴を設けてなる
    請求項1,2または3に記載のアキシャルピストン型ポ
    ンプ。
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