JP2000097146A - ピストン・ポンプ - Google Patents

ピストン・ポンプ

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JP2000097146A
JP2000097146A JP10265183A JP26518398A JP2000097146A JP 2000097146 A JP2000097146 A JP 2000097146A JP 10265183 A JP10265183 A JP 10265183A JP 26518398 A JP26518398 A JP 26518398A JP 2000097146 A JP2000097146 A JP 2000097146A
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JP
Japan
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notch
valve plate
port
cylinder
cylinder block
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JP10265183A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Sakairi
哲也 坂入
Haruo Kokubu
晴雄 国分
Shigetaka Nakamura
重孝 中村
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁板の吐出ポートからシリンダポートへの作
動油の流入に際し、弁板の摺動面付近における負圧の発
生を防止できるピストン・ポンプの提供。 【解決手段】 シリンダブロック6のシリンダ7に収納
され、作動油の吸入及び吐出をおこなうピストン8と、
吸入ポート5A、吐出ポート5Bを有する弁板5とを備
え、ピストン8の下死点付近の弁板5の摺動面5Dに、
吐出ポート5Bの端部から吸入ポート5A側へ延びるノ
ッチ5C1を有し、シリンダブロック6の端面6Aに、
弁板5の吸入ポート5A及び吐出ポート5Bのいずれか
に選択的に連通可能なシリンダポート7Aを有するとと
もに、上述のノッチ5C1に、吐出ポート5Bから当該
ノッチ5C1に流入する作動油を乱流に変化させる乱流
生起部5Eを設けた構成にしてある。この乱流生起部5
Eは、ノッチ5C1の壁面部の全長にわたって複数の凹
凸を連設させてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル等に
備えられるピストン・ポンプに係り、特に弁板の摺動面
に吐出ポートの端部から吸入ポートの側へ伸びるノッチ
を有するピストン・ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術として、例えば実開平
2−14475号公報に示される第1の従来技術、特開
平8−232834号公報に示される第2の従来技術、
実開昭59−167971号公報に示される第3の従来
技術がある。
【0003】上述した第1の従来技術であるピストン・
ポンプは、ポンプ騒音を低減するため、ピストンの下死
点に対応する弁板の吐出ポートの端部から吸入ポートの
側へ延びるノッチを設けた構成にしてある。この第1の
従来技術では、シリンダブロックのシリンダの開口部を
形成するシリンダポートが、弁板の吸入ポートに接続さ
れる状態から吐出ポートに接続される状態に切り換えら
れるときに、吐出ポート内の高圧の作動油をノッチを介
して流入させ、すなわち、微小な時間の範囲内ではある
がシリンダポートに対するノッチの開口面積を徐々に増
加させて、徐々にシリンダポート内に高圧の作動油を流
入させ、これによりシリンダ内の圧力変化を比較的緩や
かなものに保って、キャビテーションの発生、すなわち
ポンプ騒音及び振動の発生を抑えるようにしている。
【0004】また、上述した第2の従来技術であるアキ
シャルピストンポンプ・モータは、シリンダブロックと
摺接する弁板の高圧ポートの端部に形成した三角錐形状
のノッチの左右の溝底に、作動油の噴出方向に延びる多
数の条溝を設けた構成にしてある。この第2の従来技術
では、条溝を介して乱流の発生を抑えながら、上述の第
1の従来技術と同様にして微小な時間の範囲内で徐々に
シリンダポートに高圧の作動油を流入させ、これにより
シリンダ内の圧力変化を緩やかにして、キャビテーショ
ンの発生つまり気泡の発生を防止し、この気泡がつぶれ
るときの衝撃に伴うシリンダ壁面におけるエロージョン
の発生を防止するようにしている。
【0005】また、上述した第3の従来技術であるプラ
ンジャポンプ・モータは、高圧ポートの端部に形成した
ノッチの先端部分に、比較的大きな容積からなる拡散切
欠部を設けた構成にしてある。この第3の従来技術で
は、吐出ポートからノッチに導かれた高圧の作動油は、
それまでの通路に比べて大きな容積を有する拡散切欠部
で拡散されることによりその運動エネルギが低減され、
この状態でシリンダポートに導かれるようになってい
る。また、このとき拡散切欠部を介してシリンダポート
に流入する作動油の流入方向が、この拡散部でシリンダ
の軸方向に近づくように変えられる。これらの作用によ
り、キャビテーションの発生が防止され、シリンダ壁面
におけるエロージョンの発生が防止されるようになって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で
は、ノッチを設けたことにより、吐出ポートからノッチ
を経てシリンダポート内に高圧の作動油が衝撃的に流入
することが抑えられるので、この流入時のポンプ騒音、
及び振動の発生が、ノッチが設けられていないピストン
・ポンプに比べれば抑制される。
【0007】しかしながら、これらの従来技術のいずれ
も、吐出ポートからノッチを経てシリンダポート内に高
圧の作動油が流入する際、弁板の摺動面、すなわちシリ
ンダブロックの端面が摺動接触する弁板の表面に対し
て、ノッチの形状に依存する或る角度をもって高圧の作
動油がシリンダポート内に噴流となって流入する状態と
なる。これにより、弁板の摺動面の付近にある油が上述
の噴流に吸い込まれる状態となり、この弁板の摺動面の
付近に負圧が生じ、この負圧によりキャビテーションが
生じてしまう。つまり、気泡が発生する。この気泡がつ
ぶれるときの衝撃により、弁板の摺動面あるいはシリン
ダ壁面にエロージョンが発生してしまう懸念がある。
【0008】本発明は、上述した従来技術における実状
に鑑みてなされたもので、その目的は、弁板の吐出ポー
トからシリンダブロックのシリンダポートへの高圧の作
動油の流入に際し、弁板の摺動面付近における負圧の発
生を防止することができるピストン・ポンプを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1に係る発明は、ケーシング本体、及
びこのケーシング本体の開口端側を閉塞するリアケーシ
ングから成るケーシングと、このケーシング内に配置さ
れ、複数のシリンダを有し、回転自在なシリンダブロッ
クと、上記シリンダのそれぞれに収納され、作動油の吸
入及び吐出をおこなう複数のピストンと、上記リアケー
シングに固定され、上記シリンダブロックの端面が摺接
し、上記作動油を吸入する低圧側ポートを形成する吸入
ポート、及び上記作動油を吐出する高圧側ポートを形成
する吐出ポートを有する弁板とを備え、上記ピストンの
下死点付近の上記弁板の上記シリンダブロックの端面が
摺接する摺動面に、上記吐出ポートの端部から上記吸入
ポートの側へ延びるノッチを備え、上記シリンダブロッ
クの上記弁板に摺接する上記端面に、上記シリンダのう
ちの対応するもののそれぞれに連通し、上記シリンダブ
ロックの回転に伴って上記弁板の吸入ポート及び吐出ポ
ートのいずれかに選択的に連通可能な複数のシリンダポ
ートを有するピストン・ポンプにおいて、上記ノッチ
に、上記吐出ポートから当該ノッチに流入する作動油を
乱流に変化させる乱流生起部を設け、この乱流生起部
は、上記ノッチの壁面部の全長にわたって複数の凹凸部
を連設させてなる構成にしてある。
【0010】このように構成した請求項1に係る発明で
は、シリンダブロックの回転に伴って、シリンダブロッ
クの端面に形成されたシリンダポートが弁板の吸入ポー
トに対向する位置から吐出ポートに対向する位置に切り
換わる動作時に、弁板の摺動面に形成したノッチが、微
小な時間内ではあるが徐々にその開口面積を増加させ
る。これにより、ノッチからシリンダポートへの作動油
の衝撃的な流入が抑制され、ポンプ騒音、及び振動の発
生が抑えられる。また、このときノッチの乱流生起部に
おいて吐出ポートからノッチに流入した作動油の流れ
は、渦をまくような乱流となり、この乱流となった作動
油がシリンダポート内に導かれる。これにより、弁板の
摺動面付近にも作動油の一部を供給することができ、こ
の弁板の摺動面付近における負圧の発生を防止でき、キ
ャビテーションの発生、すなわち気泡の発生を防ぐこと
ができる。
【0011】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に係る発明において、上記ノッチの全体形状を三
角錐形状に設定したことを特徴としている。このように
構成した請求項2に係る発明では、ノッチからシリンダ
ポートに流入する作動油は乱流生起部で乱流に変化した
ものではあるが、このような乱流でありながらもノッチ
の三角錐形状に依存して比較的円滑にシリンダポートを
経てシリンダの内部に流入させることができる。
【0012】また、本発明の請求項3に係る発明は、請
求項1または2に係る発明において、上記乱流生起部
が、上記ノッチを形成した工具で形成されてなることを
特徴としている。このように構成した請求項3に係る発
明では、ノッチと、乱流生起部とが同じ工具で形成され
るので、工具の交換を要することなくこれらのノッチと
乱流生起部とを製作することができる。
【0013】また、本発明の請求項4に係る発明は、請
求項3に係る発明において、上記工具がドリルであるこ
とを特徴としている。
【0014】また、本発明の請求項5に係る発明は、請
求項3に係る発明において、上記工具がエンドミルであ
ることを特徴としている。
【0015】また、本発明の請求項6に係る発明は、請
求項1に係る発明において、上記ノッチが第1のドリル
で形成されてなり、上記乱流生起部が第2のドリルで形
成されてなることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のピストン・ポンプ
の実施形態を図に基づいて説明する。図1は本発明のピ
ストン・ポンプの一実施形態を示す縦断面図、図2は図
1に示す一実施形態に備えられる弁板を示す正面図、図
3は図1に示す一実施形態の要部を構成する弁板のノッ
チ部分を示す正面図、図4は図3のA−A断面拡大図、
図5は図1に示す一実施形態に備えられる弁板と、シリ
ンダブロックとの相対的な動作を説明する図である。
【0017】図1において、1は油圧ショベル等に備え
られるピストン・ポンプの外殻を形成するケーシングを
示している。このケーシング1は軸方向の一端側に閉塞
部2Aを有する筒状のケーシング本体2と、このケーシ
ング本体2の開口端側を閉塞するリアケーシング3とか
ら成っている。ケーシング1内にはその軸方向に回転軸
4を挿通させてあり、この回転軸4は閉塞部2A側とリ
アケーシング3側との間で回転可能に支持させてある。
回転軸4にはシリンダブロック6がスプライン結合さ
れ、このシリンダブロック6は回転軸4と一体的に回転
する。シリンダブロック6には軸心の周りに複数のシリ
ンダ7が形成され、このシリンダ7のそれぞれには、作
動油の吸入及び吐出をおこなうピストン8を収納させて
ある。
【0018】前述したリアケーシング3の内側面には弁
板5を固着させてあり、この弁板5はシリンダブロック
6の端面6Aと摺接する摺動面5Dを有する。また弁板
5には、リアケーシング3に設けた図示しない一対の流
出入通路と常時連通し、図2に示すように眉形状であっ
てタンクに連通する低圧側ポートを形成する吸入ポート
5Aと、高圧側ポートを形成する吐出ポート5Bとを形
成してある。ピストン8の下死点側に対応する弁板5の
吐出ポート5Bの端部には、吸入ポート5Aの側に延び
る三角錐形状のノッチ5C1を形成してある。
【0019】弁板5の摺動面5Dと摺接するシリンダブ
ロック6の端面6Aには、上述したシリンダ7のうちの
対応するもののそれぞれに連通し、シリンダブロック6
の回転に伴って弁板5の吸入ポート5A及び吐出ポート
5Bのいずれかに選択的に連通可能なシリンダポート7
Aを形成してある。
【0020】そして、本実施形態では特に、図3〜4に
示すように、ノッチ5C1に、吐出ポート5Bからノッ
チ5C1に流入する作動油を乱流に変化させる乱流生起
部5Eを設けてある。この乱流生起部5Eは、ノッチ5
C1の壁面部の全長にわたって複数の凹凸を連設させて
なるものである。加工工具として例えばドリルを用いて
ノッチ5C1を形成するが、このとき同時に同じドリル
を用いて乱流生起部5Eを形成するようにしてある。
【0021】このように構成してある本実施形態では、
回転軸4とともにシリンダブロック6が回転すると、ピ
ストン8は斜板10の傾き角度に応じたストロークを往
復動する。また、シリンダブロック6の各シリンダポー
ト7Aは弁板5の吸入ポート5A及び吐出ポート5Bと
順次接続する。これにより、作動油がリアケーシング3
の図示しないタンクに連通する流入通路を介して、弁板
5の吸入ポート5Aからシリンダ7内に吸入され、その
後シリンダ7内の作動油は弁板5の吐出ポート5Bを経
てリアケーシング3の図示しない流出通路へ吐出され
る。
【0022】上述したシリンダブロック6の各シリンダ
ポート7Aが、弁板5の吸入ポート5Aから吐出ポート
5Bに切換え接続されるときの状態を図5により説明す
る。
【0023】シリンダポート7Aが吐出ポート5Bのノ
ッチ5C1の先端と連通したとき、シリンダ7内は低圧
状態となっているため、吐出ポート5B内の高圧の作動
油がノッチ5C1を介してシリンダ7内へ流入し、この
シリンダ7内の圧力を上昇させる。この際、吐出ポート
5Bからノッチ5C1に流入した作動油は、乱流生起部
5Eを形成するノッチ5C1の全領域に設けられた凹凸
に当たって乱流に変化する。そして、乱流に変化した作
動油の大部分は、弁板5のノッチ5C1の三角錐形状に
依存して図5の矢印21で示すようにシリンダ7A内に
流入する。また、その作動油の一部は同図5の矢印20
で示すように弁板5の摺動面5D付近に流入する。
【0024】このように構成した本実施形態によれば、
シリンダブロック6の回転に伴って、シリンダブロック
6の端面6Aに形成されたシリンダポート7が弁板5の
吸入ポート5Aに対向する位置から吐出ポート5Bに対
向する位置に切り換わる動作時に、弁板5の摺動面5D
に形成したノッチ5C1が、微小な時間内ではあるが徐
々にその開口面積を増加させる。これにより、弁板5の
吐出ポート5Bからシリンダポート7Aへの作動油の衝
撃的な流入が抑制され、ポンプ騒音、及び振動の発生が
抑えられる。
【0025】またこのとき、ノッチ5C1からシリンダ
7に流入する作動油が乱流であることから、この作動油
の一部が上述した図5の矢印20で示すように弁板5の
摺動面5D付近に流入する。これにより、弁板5の摺動
面5D付近における負圧の発生を防止でき、キャビテー
ションの発生、すなわち気泡の発生を防ぐことができ
る。したがって、気泡がつぶれる時の衝撃に伴って生じ
やすいエロージョン、すなわち弁板5の摺動面5Dある
いはシリンダ7の壁面のエロージョンの発生を確実に防
ぐことができる。
【0026】また、本実施形態では、ノッチ5C1の全
体形状を三角錐形状に設定してあることから、ノッチ5
C1からシリンダポート7Aに流入する作動油は乱流生
起部5Eで乱流に変化したものではあるが、このように
乱流でありながらもノッチ5C1の三角錐形状に依存し
て比較的円滑にシリンダポート7Aを経てシリンダ7の
内部に流入させ、効率の良いピストン8の往復動を実現
させることができる。
【0027】また、ノッチ5C1と乱流生起部5Eとが
同じドリルで形成されるので、工具の交換を要すること
なくこれらのノッチ5C1と乱流生起部5Eとを製作す
ることができ、製作工数の増加を抑えることができる。
【0028】図6は本発明の別の実施形態の要部を構成
する弁板のノッチ部分を示す正面図、図7は図6のB−
B断面拡大図である。
【0029】これらの図6,7に示す別の実施形態も、
吐出ポート5Bからノッチ5C2に流入する作動油を乱
流に変化させる乱流生起部5Fを設けてある。この乱流
生起部5Fも、ノッチ5C2の壁面部の全長にわたって
複数の凹凸を連設させてなるものである。この別の実施
形態では、ノッチ5C2を形成する工具としてエンドミ
ルを用いているが、そのエンドミルで同時に全領域を階
段状に形成して乱流生起部5Eを形成するようにしてあ
る。
【0030】このように構成した別の実施形態も、前述
した図1〜5に示す実施形態と同様に、ノッチ5C2に
よって吐出ポート5Bからシリンダポート7Aへの作動
油の衝撃的な流入が抑制され、ポンプ騒音、及び振動の
発生が抑えられる。またこのとき、ノッチ5C2からシ
リンダ7に流入する作動油が乱流であることから、この
作動油の一部が弁板5の摺動面5D付近に流入し、この
弁板5の摺動面5D付近における負圧の発生を防止で
き、キャビテーションの発生すなわち気泡の発生を防ぐ
ことができる。したがって、前述した実施形態と同様
に、弁板5の摺動面5Dあるいはシリンダ7の壁面部に
おけるエロージョンの発生を確実に防ぐことができる。
【0031】また、前述した実施形態と同様に、ノッチ
5C2と乱流生起部5Fとが同じエンドミルで形成され
るので、工具の交換を要することなくこれらのノッチ5
2C2と乱流生起部5Fとを製作することができ、製作
工数の増加を抑えることができる。
【0032】図8は本発明のさらに別の実施形態の要部
を構成する弁板のノッチ部分を示す正面図、図9は図8
のC−C断面図である。
【0033】これらの図8,9に示すさらに別の実施形
態も、吐出ポート5Bからノッチ5C3に流入する作動
油を乱流に変化させる乱流生起部5Gを設けてある。こ
の乱流生起部5Gも、前述した2つの実施形態と同様
に、ノッチ5C3の壁面部の全長にわたって複数の凹凸
を連設してなるものである。この図8,9に示す実施形
態では、ノッチ5C3を第1のドリルで形成し、乱流生
起部5C3を第2のドリルで形成するようにしてある。
【0034】このように構成した実施形態も、前述した
図1〜5に示す実施形態と同様に、乱流生起部5Gで乱
流に変化させられた作動油の一部が弁板5の摺動面5D
付近に流入し、この弁板5の摺動面5D付近における負
圧の発生を防止でき、キャビテーションの発生すなわち
気泡の発生を防ぐことができる。したがって、前述した
図1〜5に示す実施形態と同様に、弁板5の摺動面5D
あるいはシリンダ7の壁面のエロージョンの発生を確実
に防ぐことができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の各請求項に係る
発明によれば、弁板の吐出ポートからシリンダブロック
のシリンダポートへの高圧の作動油の流入に際し、作動
油の噴流の勢いを弁板のノッチを介して弱めることがで
きるとともに、ノッチに流入した作動油を乱流生起部で
乱流に変化させることにより、ノッチからシリンダポー
トに流入する作動油の一部を、弁板の摺動面付近にも供
給することができ、これにより弁板の摺動面付近におけ
る負圧の発生を防止でき、この負圧に起因するキャビテ
ーション、つまり気泡の発生を防ぐことができ、この気
泡がつぶれる時の衝撃に伴って生じやすいエロージョ
ン、すなわち弁板の摺動面あるいはシリンダの壁面のエ
ロージョンの発生を確実に防ぐことができる。
【0036】また特に、本発明の請求項2に係る発明に
よれば、ノッチの全体形状を三角錐形状に設定してある
ことから、ノッチからシリンダポートに流入する作動油
は乱流生起部で乱流に変化したものではあるが、このよ
うに乱流でありながらノッチの三角錐形状に依存して比
較的円滑にシリンダポートを経てシリンダの内部に流入
させ、効率の良いピストンの往復動を実現させることが
できる。
【0037】また特に、本発明の請求項3に係る発明に
よれば、ノッチと乱流生起部とが同じドリルで形成され
るので、工具の交換を要することなくこれらのノッチと
乱流生起部とを製作することができ、製作工数の増加を
抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピストン・ポンプの一実施形態を示す
縦断面図である。
【図2】図1に示す一実施形態に備えられる弁板を示す
正面図である。
【図3】図1に示す一実施形態の要部を構成する弁板の
ノッチ部分を示す正面図である。
【図4】図3のA−A断面拡大図である。
【図5】図1に示す一実施形態に備えられる弁板と、シ
リンダブロックとの相対的な動作を説明する図である。
【図6】本発明の別の実施形態の要部を構成する弁板の
ノッチ部分を示す正面図である。
【図7】図6のB−B断面拡大図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態の要部を構成する
弁板のノッチ部分を示す正面図である。
【図9】図8のC−C断面拡大図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ケーシング本体 3 リアケーシング 4 回転軸 5 弁板 5A 吸入ポート 5B 吐出ポート 5C1 ノッチ 5C2 ノッチ 5C3 ノッチ 5D 摺動面 5E 乱流生起部 5F 乱流生起部 5G 乱流生起部 6 シリンダブロック 6A 端面 7 シリンダ 7A シリンダポート 8 ピストン 8A シュー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 重孝 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3H070 AA01 BB04 CC01 CC04 CC07 DD68

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング本体、及びこのケーシング本
    体の開口端側を閉塞するリアケーシングから成るケーシ
    ングと、このケーシング内に配置され、複数のシリンダ
    を有し、回転自在なシリンダブロックと、上記シリンダ
    のそれぞれに収納され、作動油の吸入及び吐出をおこな
    う複数のピストンと、上記リアケーシングに固定され、
    上記シリンダブロックの端面が摺接し、上記作動油を吸
    入する低圧側ポートを形成する吸入ポート、及び上記作
    動油を吐出する高圧側ポートを形成する吐出ポートを有
    する弁板とを備え、 上記ピストンの下死点付近の上記弁板の上記シリンダブ
    ロックの端面が摺接する摺動面に、上記吐出ポートの端
    部から上記吸入ポートの側へ延びるノッチを備え、 上記シリンダブロックの上記弁板に摺接する上記端面
    に、上記シリンダのうちの対応するもののそれぞれに連
    通し、上記シリンダブロックの回転に伴って上記弁板の
    吸入ポート及び吐出ポートのいずれかに選択的に連通可
    能な複数のシリンダポートを有するピストン・ポンプに
    おいて、 上記ノッチに、上記吐出ポートから当該ノッチに流入す
    る作動油を乱流に変化させる乱流生起部を設け、この乱
    流生起部は、上記ノッチの壁面部の全長にわたって複数
    の凹凸部を連設させてなることを特徴とするピストン・
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 上記ノッチの全体形状を三角錐形状に設
    定したことを特徴とする請求項1記載のピストン・ポン
    プ。
  3. 【請求項3】 上記乱流生起部が、上記ノッチを形成し
    た工具で形成されてなることを特徴とする請求項1また
    は2記載のピストン・ポンプ。
  4. 【請求項4】 上記工具がドリルであることを特徴とす
    る請求項3記載のピストン・ポンプ。
  5. 【請求項5】 上記工具がエンドミルであることを特徴
    とする請求項3記載のピストン・ポンプ。
  6. 【請求項6】 上記ノッチが第1のドリルで形成されて
    なり、上記乱流生起部が第2のドリルで形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1記載のピストン・ポンプ。
JP10265183A 1998-09-18 1998-09-18 ピストン・ポンプ Pending JP2000097146A (ja)

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JP10265183A JP2000097146A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 ピストン・ポンプ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1293305C (zh) * 2003-11-12 2007-01-03 浙江大学 抗气泡析出的柱塞泵配流盘
CN100447410C (zh) * 2003-09-17 2008-12-31 Ts株式会社 轴向活塞型液压泵
JP2019138231A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 豊興工業株式会社 液圧ポンプ

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