JP2002242823A - アキシャルピストン型油圧ポンプ - Google Patents

アキシャルピストン型油圧ポンプ

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JP2002242823A
JP2002242823A JP2001035612A JP2001035612A JP2002242823A JP 2002242823 A JP2002242823 A JP 2002242823A JP 2001035612 A JP2001035612 A JP 2001035612A JP 2001035612 A JP2001035612 A JP 2001035612A JP 2002242823 A JP2002242823 A JP 2002242823A
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JP
Japan
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oil
pressure
cylinder
hole
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Application number
JP2001035612A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Numaguchi
和弘 沼口
Haruo Kokubu
晴雄 国分
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁板の吐出ポート内または吸入ポート内の圧
力と、シリンダ穴内の圧力との圧力差を小さくできるア
キシャルピストン型油圧ポンプの提供。 【解決手段】 吸入ポート12と、吐出ポート13と、
シリンダブロック3の回転により吐出ポート13から吸
入ポート12に向うシリンダポート4Aの移動軌道上に
位置する上死点油穴9と、吸入ポート12から吐出ポー
ト13に向うシリンダポート4Aの移動軌道上に位置す
る下死点油穴10とを有する弁板8と、上死点油穴9と
下死点油穴10とを連通させる連通路14とを備えると
ともに、連通路14に油圧を蓄える蓄圧手段を備え、こ
の蓄圧手段が上死点油穴9の近傍に配置され、下死点油
穴10側への圧油の流れを許し逆向きの流れを阻止する
第1逆止弁15と、この第1逆止弁15と下死点油穴1
0との間に配置され、下死点油穴10側への圧油の流れ
を許し逆向きの流れを阻止する第2逆止弁16とを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械等の作業
機械に備えられ、斜板型油圧ポンプ、斜軸型油圧ポンプ
等として用いられるアキシャルピストン型油圧ポンプに
関する。
【0002】
【従来の技術】作業機械に備えられるアキシャルピスト
ン型油圧ポンプでは、以下のような問題があった。
【0003】すなわち、吸入行程で弁板の吸入ポートを
介して作動油を吸い込んだシリンダ穴内の圧力は、吐出
ポート内の圧力に比べて低圧になる。また、このシリン
ダ穴内の圧力は、吸入行程を終えピストンが下死点に達
するまでの間に、シリンダ穴内の容積が僅かに拡張され
て負圧傾向になる。そしてシリンダ穴内に連設されるシ
リンダポートが吐出ポートと連通し始めるときには、こ
の吐出ポート内の高圧の圧油がシリンダポートを介して
低圧のシリンダ穴内に急激に流入(逆流)して大きな圧
力変動を生じ、この圧力変動によってピストンに脈動を
生じ、斜板等を介してケーシングから振動や騒音が発生
してしまう。また、吐出ポートに接続されたホース配管
等にも脈動が生じ、ホース配管側からも騒音や振動が発
生する。
【0004】逆に、吐出行程で吐出ポートを介して作動
油を吐出したシリンダ穴内の圧力は、吸入ポート内の圧
力に比べて高圧になる。また、このシリンダ穴内の圧力
は、吐出行程を終えピストンが上死点に達するまでの
間、シリンダ穴内の容積が僅かに縮小されて、さらに高
圧になる。そして、シリンダ穴に連設されるシリンダポ
ートが吸入ポートと連通し始めるときには、シリンダ穴
内に残った高圧の圧油がシリンダポートを介して吸入ポ
ート内に逆流し、このため吸入ポートからの作動油をス
ムーズにシリンダ穴内に吸い込むことができず、ポンプ
効率が低下しやすい。
【0005】さらに、上述のように吐出ポートからシリ
ンダ穴内に逆流する圧油や、シリンダ穴内から吸入ポー
ト内に逆流する圧油は、シリンダ穴内に、あるいは吸入
ポート内に急激に噴出するジェット流を形成し、このジ
ェット流によってシリンダポート、あるいは吸入ポート
の内壁部に浸食等を生じさせてしまうことがあり、この
点からもポンプ効率が低下しやすい。また、寿命も大幅
に低下しやすくなる。
【0006】上述した問題点を解決しようとして、例え
ば特開平9−280159号公報に記載されるような技
術が提案されている。
【0007】この公報に記載される従来技術は、複数の
シリンダ穴のそれぞれに摺動自在に収納されるピストン
と、シリンダ穴内に連設されるシリンダポートとを有
し、回転自在なシリンダブロックを備えている。また、
このシリンダブロックのシリンダポートが形成されてい
る面部が摺接し、吸入ポートと、吐出ポートと、シリン
ダブロックの回転に伴って吐出ポートから吸入ポートに
向かう際のシリンダポートの移動軌道上に位置する上死
点油穴と、シリンダブロックの回転に伴って吸入ポート
から吐出ポートに向かう際のシリンダポートの移動軌道
上に位置する下死点油穴とを有する弁板を備えている。
さらに、上死点油穴と下死点油穴とを連通させる連通路
と、この連通路に設けられ、下死点油穴側への圧油の流
れを許し、逆向きの流れを阻止する逆止弁とを備えてい
る。
【0008】このように構成される従来技術では、シリ
ンダブロックに形成される複数のシリンダ穴のうち、吐
出行程により内部が高圧となった第1のシリンダ穴と、
吸入行程により内部が低圧となった第2のシリンダ穴と
を、上死点油穴と下死点油穴とを連通する連通路を介し
て一瞬連通させ、これにより第1のシリンダ穴内の高圧
となっている作動油を、低圧となっている第2のシリン
ダ穴内へと補給し、吐出ポート内または吸入ポート内の
圧力と、シリンダ穴内の圧力との圧力差を小さくするよ
うにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した公報
に記載の従来技術では、シリンダブロックの高速回転に
伴い、吐出行程を終えて内部が高圧となっている上述の
第1のシリンダ穴と、吸入行程を終えて内部が低圧とな
っている上述した第2のシリンダ穴とを、連通路を介し
て瞬間的に連通させるものであることから、必ずしも高
圧側の第1のシリンダ穴から低圧側の第2のシリンダ穴
へ十分な圧油を補給することができない。
【0010】このため吐出ポート内または吸入ポート内
の圧力と、シリンダ穴内の圧力との圧力差を十分には小
さくすることができず、これに伴って、油圧脈動を生じ
て振動や騒音が発生することが避けられず、ポンプ効率
をそれ程高くすることができず、浸食等の発生が懸念さ
れ、寿命の低下を防げない問題がある。
【0011】本発明は、上述した従来技術における実状
からなされたもので、その目的は、弁板に形成される吐
出ポート内または吸入ポート内の圧力と、シリンダ穴内
の圧力との圧力差を小さくすることのできるアキシャル
ピストン型油圧ポンプを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の請求項1に係る発明は、複数のシリンダ穴の
それぞれに摺動自在に収納されるピストンと、上記シリ
ンダ穴に連設されるシリンダポートとを有し、回転自在
なシリンダブロックと、このシリンダブロックの上記シ
リンダポートが形成されている面部が摺接し、吸入ポー
トと、吐出ポートと、上記シリンダブロックの回転に伴
って上記吐出ポートから上記吸入ポートに向かう際の上
記シリンダポートの移動軌道上に位置する上死点油穴
と、上記シリンダブロックの回転に伴って上記吸入ポー
トから上記吐出ポートに向かう際の上記シリンダポート
の移動軌道上に位置する下死点油穴とを有する弁板と、
上記上死点油穴と上記下死点油穴とを連通させる連通路
と、この連通路に設けられ、上記下死点油穴側への圧油
の流れを許し、逆向きの流れを阻止する逆止弁とを備え
たアキシャルピストン型油圧ポンプにおいて、上記逆止
弁と上記下死点油穴との間に位置する上記連通路部分
に、上記上死点油穴を介して導かれる油圧を蓄える蓄圧
手段を備えた構成にしてある。
【0013】このように構成した請求項1に係る発明で
は、吐出行程を終えたシリンダ内に高圧の圧油が残って
いる場合でも、その高圧の圧油が上死点油穴から逆止弁
を経て連通路の蓄圧手段に排出される。このような各シ
リンダ穴内から上死点油穴への高圧の圧油の排出が連続
的におこなわれる間、蓄圧手段に油圧が蓄えられる。こ
のような蓄圧がおこなわれている間、上死点側のシリン
ダ穴内の圧力が蓄圧手段の圧力よりも低くなったとして
も、蓄圧手段の高圧の圧油の該当するシリンダ穴内への
逆流が、逆止弁によって防止される。
【0014】一方、吸入行程を終えたシリンダ穴が下死
点油穴と連通することにより、上述のようにして蓄えら
れた蓄圧手段の高圧の圧油が下死点油穴を介して該当す
るシリンダ穴に流入し、該当するシリンダ穴内が負圧に
なるのが防止される。
【0015】上述のように、シリンダ穴が上死点油穴に
連通したときシリンダ穴の高圧の圧油は蓄圧手段に排出
され、上死点側のシリンダ穴内は低圧となるので、その
後に該当するシリンダ穴が連通する吸入ポートの圧力
と、当該シリンダ穴内の圧力との圧力差を小さくするこ
とができる。また、シリンダ穴が下死点油穴に連通した
とき蓄圧手段に蓄えられた高圧の圧油がシリンダ穴内に
流入し、当該シリンダ穴の圧力が負圧になるのが防止さ
れるので、その後に下死点側のシリンダ穴が連通する吐
出ポートの圧力と、当該シリンダ穴内の圧力との圧力差
を小さくすることができる。
【0016】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明において、上記蓄圧手段が、上記上死点油穴の
近傍に配置され、上記下死点油穴側への圧油の流れを許
し、逆向きの流れを阻止する第1逆止弁と、この第1逆
止弁と上記下死点油穴との間に配置され、上記下死点油
穴側への圧油の流れを許し、逆向きの流れを阻止する第
2逆止弁とを含むことを特徴としている。
【0017】また、請求項3に係る発明は、請求項2に
係る発明において、上記連通路の上記第1逆止弁と上記
第2逆止弁との間に位置する部分の通路断面積を、他の
連通路部分の通路断面積に比べて大きく設定したことを
特徴としている。
【0018】また、請求項4に係る発明は、請求項1〜
3のいずれかに係る発明において、上記上死点油穴に油
を補給する油補給手段を設けたことを特徴としている。
【0019】また、請求項5に係る発明は、請求項4に
係る発明において、上記油補給手段が、上記上死点油穴
とタンクとを連通させるタンク管路と、このタンク管路
に設けられ、上記上死点油穴側への圧油の流れを許し、
逆向きの流れを阻止する逆止弁とを含むことを特徴とし
ている。
【0020】また、請求項6に係る発明は、請求項1〜
5のいずれかに係る発明において、上記下死点油穴に導
かれる圧油を上記吐出ポートに排出させる圧油排出手段
を設けたことを特徴としている。
【0021】また、請求項7に係る発明は、請求項6に
係る発明において、上記圧油排出手段が、上記下死点油
穴と上記吐出ポートとを連通させる油通路と、この油通
路に設けられ、吐出ポート側への圧油の流れを許し、逆
向きの流れを阻止する逆止弁とを含むことを特徴として
いる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下,本発明のアキシャルピスト
ン型油圧ポンプの実施形態を図に基づいて説明する。
【0023】図1は本発明のアキシャルピストン型油圧
ポンプの第1実施形態を示す断面図、図2は図1に示す
第1実施形態に備えられるシリンダブロックのシリンダ
ポートが形成されている端面を示す正面図、図3は図1
に示す第1実施形態に備えられる弁板・連通路等を示す
図である。
【0024】この第1実施形態は、図1に示すように、
外殻を形成するポンプケーシング1の内部に駆動軸2を
回転自在に支持させてある。この駆動軸2にはシリンダ
ブロック3を一体に設けてある。シリンダブロック3
は、駆動軸2を中心とする同心円上に、複数のシリンダ
穴4を有し、これらのシリンダ穴4には図2に示すよう
に、シリンダポート4Aを連設させてある。シリンダ穴
4のそれぞれには、ピストン5を摺動自在に収納させて
ある。斜板6の傾転角の大きさに応じてピストンストロ
ークが変化するようになっている。
【0025】また、シリンダブロック3のシリンダポー
ト4Aが形成されている面部が摺接する弁板8を設けて
ある。この弁板8には、図3に示すように、吸入ポート
12と、吐出ポート13と、シリンダブロック3の回転
に伴って吐出ポート13から吸入ポート12に向う際の
シリンダポート4Aの移動軌道上に位置する上死点油穴
9と、シリンダブロック3の回転に伴って吸入ポート1
2から吐出ポート13に向う際のシリンダポート4Aの
移動軌道上に位置する下死点油穴10とを設けてある。
【0026】上述したシリンダポート4Aは、図2に示
すように、その両端と駆動軸2の中心Oとのなす角度が
θ1となる大きさに設定してある。また、図3に示すよ
うに、吐出ポート13の上死点側に位置する端部、及び
上死点油穴9の図示左側と、駆動軸2の中心Oとのなす
角度がθ1となるように上死点油穴9の位置を設定して
ある。同様に、吸入ポート12の下死点側に位置する端
部、及び下死点油穴10の図示右側と、駆動軸2の中心
Oとのなす角度がθ1となるように下死点油穴10の位
置を設定してある。
【0027】また、図1.3に示すように、リヤケーシ
ング11内に、上死点油穴9と下死点油穴10とを連通
させる連通路14を設けてあるとともに、この連通路1
4に、上死点油穴9を介して導かれる油圧を蓄える蓄圧
手段を設けてある。この蓄圧手段は、例えば上死点油穴
9の近傍に配置され、下死点油穴10側への圧油の流れ
を許し、逆向きの流れを阻止する第1逆止弁15と、こ
の第1逆止弁15と下死点油穴10との間に位置され、
下死点油穴10側への圧油の流れを許し、逆向きの流れ
を阻止する第2逆止弁16とを含む。例えば第1逆止弁
15と第2逆止弁16との間に位置する通路部分14B
の通路断面積を、他の通路部分、すなわち上死点油穴9
と第1逆止弁15との間に位置する通路部分14A、及
び第2逆止弁16と下死点油穴10との間に位置する通
路部分14Cの通路断面積に比べて大きく設定してあ
る。
【0028】このように構成した第1実施形態では、例
えば吐出行程を終え上死点側の弁板8に達したシリンダ
穴4内に高圧の圧油が残っている場合でも、そのシリン
ダ穴4が上死点油穴9と連通したときに、シリンダ穴4
内に残っている高圧の圧油が上死点油穴9から排出さ
れ、第1逆止弁15を介して、この第1逆止弁15と第
2逆止弁16との間に位置する通路部分14Bに供給さ
れる。このような各シリンダ穴4から上死点油穴9への
高圧の圧油の排出が連続的におこなわれる間、第1逆止
弁15と第2逆止弁16との間に位置する通路部分14
Bに高圧の圧油が蓄えられる。なお、上死点油圧9に高
圧の圧油を排出したことにより上死点側のシリンダ穴4
内の圧力が第1逆止弁15、第2逆止弁16間に位置す
る通路部分14Bの圧力より低くなったとしても、通路
部分14Bに蓄えられた高圧の圧油の該当するシリンダ
穴4内への逆流が、第1逆止弁15によって防止され
る。
【0029】一方、吸入行程を終え下死点側の弁板8上
に達したシリンダ穴4Aは、ビストン5が下死点に達す
るまでの間にその容積が僅かに拡張され、負圧傾向とな
る。
【0030】しかし、このときに該当するシリンダ穴4
が下死点穴10と連通することにより、第1逆止弁15
と第2逆止弁16との間に位置する通路部分14Bに蓄
えられた圧油が第2逆止弁16、下死点油穴10を介し
て該当するシリンダ穴4に流入し、該当するシリンダ穴
4内が負圧になるのが防止される。なお、通路部分14
Bに蓄えられた高圧の圧油が下死点側のシリンダ穴4内
に流入したことにより、このシリンダ穴4内の圧力が通
路部分14Bの圧力よりも高くなったとしても、シリン
ダ穴4内の圧油の通路部分14Bへの逆流が、第2逆止
弁16によって防止される。
【0031】また、シリンダポート4Aの大きさを上述
のように設定し、上死点油穴9、下死点油穴10を上述
のように位置設定してあることから、シリンダポート4
Aが上死点油穴9に連通した状態では、シリンダポート
4Aと吐出ポート13とは遮断され、またシリンダポー
ト4Aが下死点油穴10に連通した状態では、シリンダ
ポート4Aと吸入ポート12とは遮断される。したがっ
て、吸入行程及び吐出行程を支障なく実施させることが
できる。
【0032】このように構成した第1実施形態によれ
ば、上述のように、上死点油穴9にシリンダ穴4が達し
たときに、このシリンダ穴4内の圧油を第1逆止弁15
を介して通路部分14Bに排出させ、この通路部分14
Bに油圧を蓄えさせるようにしてあるので、高圧の圧油
を排出した上死点側のシリンダ穴4内は低圧となり、そ
のシリンダ穴4が吸入ポート12に連通した際の吸入ポ
ート12の圧力と当該シリンダ穴4の圧力との圧力差を
小さくすることができる。また、下死点油穴10にシリ
ンダ穴4が達したときに、通路部分14Bに蓄えられた
油圧が第2逆止弁16を介して下死点側のシリンダ穴4
内に流入するので、シリンダ穴4内が負圧になるのが防
止され、そのシリンダ穴4が吐出ポート13に連通した
際の吐出ポート13の圧力と当該シリンダ穴4内の圧力
との圧力差を小さくすることができる。
【0033】このように、吐出ポート13内または吸入
ポート12内の圧力と、シリンダ穴4内の圧力との圧力
差を小さくすることができることにより、上死点側にお
けるシリンダ穴4から吸入ポート12への圧油の逆流、
及び下死点側における吐出ポート13からシリンダ穴4
への圧油の逆流、すなわち圧油によるジェット流の発生
を抑え、これらの圧油の逆流、ジェット流に伴う油圧脈
動の発生を抑制できる。これにより振動や騒音の発生が
抑えられるとともに、ポンプ効率を高めることができ、
吸入ポート12やシリンダポート4Aの内壁部における
浸食の発生を防止でき、耐久性を向上させることができ
る。
【0034】図4は本発明の第2実施形態の要部を形成
する弁板、連通路等を示す図である。
【0035】この第2実施形態は、上死点油穴9に油を
補給する油補給手段を備えている。この油補給手段は、
例えば上死点油穴9とタンク19とを連通させるタンク
管路17と、このタンク管路17に設けられ、上死点油
穴9側への圧油の流れを許し、逆向きの流れを阻止する
逆止弁18とを含む構成にしてある。その他の構成は、
前述した第1実施形態と同等である。
【0036】このように構成した第2実施形態は、第1
実施形態と同等の作用効果を奏する他、吸入行程の初期
段階でシリンダ穴4が上死点油穴9と連通しつつ吸入ポ
ート12に僅かに連通する状態のために、吸入ポート1
2からの油の吸い込み流量が不足しても、タンク19、
タンク管路17、逆止弁18を介して油を補給できる。
すなわち、吸入行程の初期段階でシリンダ穴4内が負圧
傾向となるのを防止でき、円滑なピストン運動を実現さ
せ、ポンプ効率を高めることに貢献する。
【0037】図5は本発明の第3実施形態の要部を形成
する弁板、連通路等を示す図である。
【0038】この第3実施形態は、下死点油穴10に導
かれる圧油を吐出ポート13に排出させる圧油排出手段
を備えている。この圧油排出手段は、例えば下死点油穴
10と吐出ポート13とを連通させる油通路20と、こ
の油通路20に設けられ、吐出ポート13側への圧油の
流れを許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁21とを
含む構成にしてある。その他の構成は、前述した第1実
施形態と同等である。
【0039】このように構成した第3実施形態では、第
1実施形態と同等の作用効果を奏する他、吐出行程の初
期段階でシリンダ穴4が下死点油穴10と連通しつつ吐
出ポート13に僅かに連通する状態のために、圧油が吐
出ポート13からシリンダ穴4内へ流入すると共に、シ
リンダ穴4内の容積が縮小され、シリンダ穴4内が高圧
となっても、シリンダ穴4内の圧油を油通路20を介し
て吐出ポート13へ排出できる。すなわち吐出行程の初
期段階でシリンダ穴4内の圧力が過剰圧となるのを防止
でき、円滑なピストン運動を実現させ、ポンプ効率を高
めることに貢献する。
【0040】図6は本発明の第4実施形態の要部を構成
する弁板、連通路等を示す図である。
【0041】この第4実施形態は、前述した図4に示す
第2実施形態の構成と図5に示す第3実施形態の構成を
併せ持つ構成にしてある。
【0042】すなわち、上死点油穴9に油を補給する油
補給手段と、下死点油穴10に導かれる圧油を吐出ポー
ト13に排出させる圧油排出手段の双方を備えている。
【0043】油補給手段は、例えば上死点油穴9とタン
ク19とを連通させるタンク管路17と、このタンク管
路17に設けられ、上死点油穴9側への圧油の流れを許
し、逆向きの流れを阻止する逆止弁18とを含む。
【0044】圧油排出手段は、例えば下死点油穴10と
吐出ポート13とを連通させる油通路20と、この油通
路20に設けられ、吐出ポート13側への圧油の流れを
許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁21とを含む。
【0045】その他の構成は前述した第1実施形態と同
等である。
【0046】このように構成した第4実施形態では、第
1実施形態と同等の作用効果を奏するとともに、前述し
た第2実施形態及び第3実施形態と同等の作用効果を奏
する。
【0047】なお、上記各実施形態では、アキシャル型
油圧ポンプの一例として可変容量式の斜板型油圧ポンプ
を挙げたが、本発明はこれに限られず、固定容量式の斜
板型油圧ポンプや、斜軸型油圧ポンプに適用してもよ
い。
【0048】また、上記実施形態では、蓄圧手段として
2つの逆止弁15,16を設けたが、3つ以上の逆止弁
を設けるようにしてもよい。
【0049】また、上記した実施形態では、第1逆止弁
15と第2逆止弁16との間に位置する通路部分14B
の通路断面積を他の通路部分14A,14Cよりも大き
く設定してあるが、通路部分14Bを他の通路部分14
A,14Cと同じ通路断面積に設定してもよい。
【0050】
【発明の効果】本願の各請求項に係る発明によれば、吐
出ポート内または吸入ポート内の圧力と、シリンダ穴内
の圧力との圧力差を小さくすることができ、上死点側に
位置するシリンダ穴から吸入ポートへの圧油の逆流、及
び下死点側に位置する吐出ポートからシリンダ穴への圧
油の逆流、すなわち圧油によるジェット流の発生を抑
え、これらの圧油の逆流、ジェット流に伴う油圧脈動の
発生を抑制できる。これにより従来技術に比べて振動や
騒音の発生が抑えられるとともに、ポンプ効率を高める
ことができ、吸入ポートやシリンダポートの内壁部にお
ける浸食の発生を防止でき、耐久性を向上させることが
できる。
【0051】特に請求項4,5に係る発明によれば、吸
入行程の初期段階でシリンダ穴内が負圧傾向となるのを
防止でき、円滑なピストン運動を実現させ、ポンプ効率
を高めることに貢献する。
【0052】また、請求項6,7に係る発明によれば、
吐出行程の初期段階でシリンダ穴内の圧力が過剰圧とな
るのを防止でき、上述とは別の観点から円滑なピストン
運動を実現させ、ポンプ効率を高めることに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアキシャルピストン型油圧ポンプの第
1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す第1実施形態に備えられるシリンダ
ブロックのシリンダポートが形成されている端面を示す
正面図である。
【図3】図1に示す第1実施形態に備えられる弁板、連
通路等を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態の要部を形成する弁板、
連通路等を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態の要部を形成する弁板、
連通路等を示す図である。
【図6】本発明の第4実施形態の要部を形成する弁板、
連通路等を示す図である。
【符号の説明】
1 ポンプケーシング 2 駆動軸 3 シリンダブロック 4 シリンダ穴 4A シリンダポート 5 ピストン 6 斜板 8 弁板 9 上死点油穴 10 下死点油穴 11 リヤケーシング 12 吸入ポート 13 吐出ポート 14 連通路 14A 通路部分 14B 通路部分 14C 通路部分 15 第1逆止弁(蓄圧手段) 16 第2逆止弁(蓄圧手段) 17 タンク管路(油補給手段) 18 逆止弁(油補給手段) 19 タンク 20 油通路(圧油排出手段) 21 逆止弁(圧油排出手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダ穴のそれぞれに摺動自在
    に収納されるピストンと、上記シリンダ穴に連設される
    シリンダポートとを有し、回転自在なシリンダブロック
    と、 このシリンダブロックの上記シリンダポートが形成され
    ている面部が摺接し、吸入ポートと、吐出ポートと、上
    記シリンダブロックの回転に伴って上記吐出ポートから
    上記吸入ポートに向かう際の上記シリンダポートの移動
    軌道上に位置する上死点油穴と、上記シリンダブロック
    の回転に伴って上記吸入ポートから上記吐出ポートに向
    かう際の上記シリンダポートの移動軌道上に位置する下
    死点油穴とを有する弁板と、 上記上死点油穴と上記下死点油穴とを連通させる連通路
    と、この連通路に設けられ、上記下死点油穴側への圧油
    の流れを許し、逆向きの流れを阻止する逆止弁とを備え
    たアキシャルピストン型油圧ポンプにおいて、 上記逆止弁と上記下死点油穴との間に位置する上記連通
    路部分に、上記上死点油穴を介して導かれる油圧を蓄え
    る蓄圧手段を備えたことを特徴とするアキシャルピスト
    ン型油圧ポンプ。
  2. 【請求項2】 上記蓄圧手段が、上記上死点油穴の近傍
    に配置され、上記下死点油穴側への圧油の流れを許し、
    逆向きの流れを阻止する第1逆止弁と、この第1逆止弁
    と上記下死点油穴との間に配置され、上記下死点油穴側
    への圧油の流れを許し、逆向きの流れを阻止する第2逆
    止弁とを含むことを特徴とする請求項1記載のアキシャ
    ルピストン型油圧ポンプ。
  3. 【請求項3】 上記連通路の上記第1逆止弁と上記第2
    逆止弁との間に位置する部分の通路断面積を、他の連通
    路部分の通路断面積に比べて大きく設定したことを特徴
    とする請求項2記載のアキシャルピストン型油圧ポン
    プ。
  4. 【請求項4】 上記上死点油穴に油を補給する油補給手
    段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のアキシャルピストン型油圧ポンプ。
  5. 【請求項5】 上記油補給手段が、上記上死点油穴とタ
    ンクとを連通させるタンク管路と、このタンク管路に設
    けられ、上記上死点油穴側への圧油の流れを許し、逆向
    きの流れを阻止する逆止弁とを含むことを特徴とする請
    求項4記載のアキシャルピストン型油圧ポンプ。
  6. 【請求項6】 上記下死点油穴に導かれる圧油を上記吐
    出ポートに排出させる圧油排出手段を設けたことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のアキシャルピス
    トン型油圧ポンプ。
  7. 【請求項7】 上記圧油排出手段が、上記下死点油穴と
    上記吐出ポートとを連通させる油通路と、この油通路に
    設けられ、吐出ポート側への圧油の流れを許し、逆向き
    の流れを阻止する逆止弁とを含むことを特徴とする請求
    項6記載のアキシャルピストン型油圧ポンプ。
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