JPH10169547A - 液圧装置 - Google Patents

液圧装置

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Publication number
JPH10169547A
JPH10169547A JP8333761A JP33376196A JPH10169547A JP H10169547 A JPH10169547 A JP H10169547A JP 8333761 A JP8333761 A JP 8333761A JP 33376196 A JP33376196 A JP 33376196A JP H10169547 A JPH10169547 A JP H10169547A
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JP
Japan
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port
ports
hydraulic
piston
cylinder
Prior art date
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Application number
JP8333761A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Nakao
裕利 中尾
Kunichi Hiyoudou
訓一 兵藤
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で構成が簡単であり、安価にできなが
ら、左右の受圧面積が異なる液圧シリンダ等の外部機器
を安定して効率的に駆動できるようにする。 【解決手段】 液圧装置の弁板25に形成される流体の
吸い込み工程と吐出工程を分ける各ポートの一方(吸い
込みと吐出の工程の両ポートでもよい)を、ピストンが
回転するピッチ円Pcに沿って間隔を置いて孔25bと
25cを形成することにより、ポートXとポートZとに
分割する。そのポートXとYをシリンダ3の第2のポー
ト3bと第1のポート3aに、ポートZをタンク26に
連通すれば、シリンダロッド3cを伸長・圧縮のいずれ
の方向に駆動した場合でも、シリンダ3の左右の受圧面
積差に応じた不足流量がタンク26からポンプに補給さ
れたり、逆にそのタンク26へ余剰流量が戻されたりす
るため流量の不平衡が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液圧シリンダ等
の外部機器を駆動するための液圧ポンプ等の液圧装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の液圧装置を使用した液圧閉回路
の例を図6に示す。この液圧閉回路は、第1のポート1
aと第2のポート1bの双方から吸い込み及び吐出が可
能な液圧ポンプ1を、回転速度が制御可能な駆動モータ
2によって駆動するようにしている。その液圧ポンプ1
の第1,第2のポート1a,1bは、片ロッド形復動シ
リンダであり左右の受圧面積が異なるシリンダ(液圧ア
クチュエータ)3のヘッド側に位置する第1のポート3
aと、ロッド側に位置する第2のポート3bとに第1の
管路4と第2の管路5とによってそれぞれ連通してい
る。
【0003】また、第1の管路4と第2の管路5との間
には、液圧タンク10から第1,第2の管路4,5への
自由流れを許容する第1,第2の制御弁6,7を介挿
し、これらの第1,第2の制御弁6,7を反対側の第
2,第1の管路5,4に連通するパイロットライン9,
8のパイロット圧力によってそれぞれ制御している。
【0004】この液圧閉回路は、シリンダ3のシリンダ
ロッド3cを図6で右方へ変位させようとして、駆動モ
ータ2により液圧ポンプ1を所定の方向に回転させる
と、液圧ポンプ1の第1のポート1aから第1の管路4
を通ってシリンダ3の第1のポート3aへの流体の流れ
が生じる。このとき、第1のポート3aへ供給する流量
と第2のポート3bから排出される流量が、シリンダ3
の左右の受圧面積の差により異なるため、液圧ポンプ1
の第2のポート1bに不足流量が生じる。
【0005】また、シリンダ3のシリンダロッド3cを
図で左方に変位させようとして、駆動モータ2により液
圧ポンプ1を所定の方向に回転させると、第2のポート
1bから第2の管路5を通ってシリンダ3の第2のポー
ト3bへの流れが生じる。このとき、第2のポート3b
へ供給する流量と第1のポート3aから排出される流量
が異なるため、液圧ポンプ1の第1のポート1aに余剰
流量が生じる。
【0006】この余剰流量の排出と不足流量の補給を、
液圧タンク10に接続された第1,第2の制御弁6,7
を介して第2,第1の管路5,4のパイロット圧力によ
って行なうことにより、左右の受圧面積の異なるシリン
ダ3を用いて液圧ポンプ1と、それを駆動する駆動モー
タ2によって物体の前進,後退及びその速度制御をする
ことができる。
【0007】しかしながら、このような液圧閉回路の場
合には、駆動モータ2の回転速度を速くして液圧ポンプ
1の吸上げ部の流速を速くすると、シリンダ3の左右の
受圧面積差分の不足流量を補うための制御弁7の吸上げ
からの通路圧損によって、液圧ポンプ1の吸込み部(第
2のポート1b)の圧力が異常に低下する。また、駆動
モータ2の加速度を高くした場合にも、第1,第2の管
路4,5内の流体の慣性によって、液圧ポンプ1の吸込
み部の圧力が異常に低下する。その結果、液圧ポンプ1
にキャビテーションが発生してシリンダ3が所望の速度
に達しなかったり、異常音や振動等が発生してしまうこ
とがあった。また、最悪の場合には液圧ポンプ1が破壊
に至ってしまう恐れもあった。
【0008】そこで、このような液圧ポンプを使用した
液圧閉回路には、例えば図7(図6と対応する部分には
同一の符号を付してある)に示すようなものがある。こ
の液圧閉回路は、図6に示した液圧閉回路に対し、液圧
ポンプ1の第2のポート1bの近傍に、自由流れ方向が
液圧タンク15から第2のポート1bへ向かう逆止弁1
1を配設した点のみが異なる。なお、図7では説明の都
合上、液圧タンク15と液圧タンク10とを異なる符号
で示しているが、これらは同一のものである。この液圧
閉回路によれば、シリンダ3のシリンダロッド3cを図
7で右方へ変位させようとして、駆動モータ2により液
圧ポンプ1を所定の方向に回転させると、その液圧ポン
プ1の第1のポート1aから第1の管路4を通ってシリ
ンダ3の第1のポート3aへ流体の流れが生じる。
【0009】このとき、駆動モータ2の回転速度が速い
と液圧ポンプ1の吸い込み部(第2のポート1b)の流
速も速くなり、シリンダ3の左右の受圧面積差分の不足
流量を補給するために第2の制御弁7の吸上げによって
生じる通路圧損により、液圧ポンプ1の吸い込み部(第
2のポート1b)の圧力が異常に低下しようとする。し
かしながら、その際に液圧ポンプ1の第2のポート1b
の近傍に設けた逆止弁11が、液圧タンク15から流体
を補給するように開き、液圧タンク15から第2のポー
ト1bへ向かう不足流量を補うための流れが生じるの
で、吸い込み部の圧力低下を防止することができる。
【0010】また、駆動モータ2の回転加速度が高いと
第2の管路5内の流体の慣性によって液圧ポンプ1の吸
い込み部(第2のポート1b)の圧力が異常に低下しよ
うとする。この場合も、液圧ポンプ1の第2のポート1
bの近傍に設けた逆止弁11が液圧タンク15から流体
を補給するように開くため、液圧ポンプ1の吸い込み部
の圧力低下を防止することができる。したがって、いず
れの場合も液圧ポンプ1の第2のポート1bの圧力が低
下することによって生じるキャビテーションが発生する
前に、液圧タンク15から流体が補給されて第2のポー
ト1bの圧力低下が防止されるので、騒音や振動の発生
が少ない。また、液圧ポンプ1が故障しにくい。
【0011】さらに、別の液圧閉回路例として、例えば
図8に示すようなものもある。この液圧閉回路は、図7
で説明した液圧閉回路に対し、逆止弁11と液圧タンク
15を廃止し、第1の管路4と第2の管路5にそれぞれ
互いに自由流れ方向の異なる一対ずつの逆止弁21,2
2及び23,24を並列に挿入した点のみが異なる。
【0012】この液圧閉回路は、シリンダロッド3cを
同図で左方に移動させるために液圧ポンプ1を所定の回
転方向に回転させると、その液圧ポンプ1は第1の管路
4から流体(油)を吸い込み、第2の管路5へ流体を吐き
出す。そして、第2の管路5が所定の圧力になるとシリ
ンダロッド3cが図8で左方に移動すると共に、パイロ
ットライン9のパイロット圧力により第1の制御弁6が
開き、シリンダ3の左右の受圧面積の差に応じた余剰流
量が液圧タンク10に戻される。
【0013】また、シリンダロッド3cを図8で右方に
移動させる場合も同様であり、液圧ポンプ1を所定の回
転方向に回転させると、その液圧ポンプ1は第2の管路
5から流体(油)を吸い込み、第1の管路4へ吐き出す。
そして、第1の管路4が所定の圧力になると、シリンダ
ロッド3cが図8で右方に移動すると共に、パイロット
ライン8のパイロット圧力により第2の制御弁7が開
き、シリンダ3の左右の受圧面積の差に応じた不足流量
が液圧タンク10から液圧ポンプ1に第2のポート1b
を通して還流される。この液圧閉回路によれば、第1,
第2の管路4,5の回路圧保持が良好になって第1,第
2の制御弁6,7の作動が安定し、きわめて慣性の大き
な負荷であってもシリンダ3の円滑な作動が可能にな
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示したような従来の液圧閉回路の場合には、片ロッド形
復動シリンダであるシリンダ3への供給流量と、そのシ
リンダ3から排出される排出流量との不平衡分を補うた
めに第1,第2の制御弁6,7と逆止弁11とを使用
し、その不平衡流量のセンシングに管路圧力を用いてい
るため不都合が生じることがあった。
【0015】すなわち、上記不平衡分を補う際に液圧タ
ンク15から流体を吸い上げるためには、逆止弁11と
液圧ポンプ1との間の管路の圧力が大気圧を下回り、そ
の差圧力が逆止弁11のクラッキング圧力以上にならな
ければならない。そして、その差圧だけで上記不平衡分
の流量の全てを液圧タンク15から第2のポート1bへ
流れ込ませるようにするためには、その第2のポート1
bの開口面積を大きくしなければならないので、それだ
け装置が大型化してしまうと共に、コストアップにもな
ってしまうという問題点があった。また、このように大
型化してしまうと、設置自由度があまりなくなってしま
うので好ましくないということもあった。
【0016】さらに、シリンダ3をゆっくりと移動させ
たときには、第1,第2の管路4,5の圧力、つまりパ
イロットライン8,9の圧力がシリンダ3のスティック
スリップ等により不安定になると、第1,第2の制御弁
6,7がロック状態になってバランスが崩れ、回路圧が
安定するとその制御弁6,7が開くようになるため、制
動力の発生が間欠的になり不連続になるので、負荷条件
によってはシリンダロッド3cの走行が不安定になって
しまうという問題点もあった。
【0017】一方、図8に示した液圧閉回路の場合に
は、液圧ポンプ1はその作動中において逆止弁22,2
4による背圧を受けるため、その分だけ余計な動力を必
要(動力の損失)としてしまうので効率的でないという
問題点があった。また、その背圧を持った流体(作動
油)が逆止弁22,24を通ることによって熱が発生す
るため、流体が劣化しやすいという問題点もあった。
【0018】さらにまた、本出願人が先に出願し、公開
された特開平7−127606号公報に記載されている
電気−液圧トランスミッション装置では、上述したよう
な種々の問題点を解決することができるが、この装置の
場合にはポンプ及び制御弁がそれぞれ複雑な構成である
と共に、制御系も複雑であるという問題点があった。
【0019】さらに、別の液圧装置として、吸い込みに
対し、吐き出しが二系統になるダブルデリバリと呼ばれ
る液圧装置も実用化されていて、例えば車両の左右の走
行モータに圧液を供給することなどに用いられている。
しかしながら、このような液圧装置の吐き出し流量比
は、ピストンの本数比によって決定されるので、一般の
シリンダの駆動に用いようとすると、流量比が整数比に
ならなければならず、適正にならない。これを解決する
ために、ピストンの太さを変化させることによって、一
般のシリンダの面積比に合わせる方法も考えられるが、
部品構成が複雑になってコストが高くなる。
【0020】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、比較的小型で構成が簡単であり、安価にできな
がら、左右の受圧面積が異なる液圧シリンダ等の外部機
器を安定して効率的に駆動できる液圧装置を提供するこ
とを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、複数のピストンと、その複数のピストン
をそれぞれ摺動可能に嵌入させる複数のピストン摺動孔
を有するシリンダブロックと、そのシリンダブロックに
一体に取り付けられて回転可能に保持された回転軸と、
その回転軸がシリンダブロックと共に回転した際に各ピ
ストンを往復運動させるように変位させるカム機構と、
各ピストンが往復運動した際に流体の吸い込み工程と吐
出工程を分ける各ポートがそれぞれ形成された流体分割
部材とを備えた液圧装置において、上記流体分割部材の
前記吸い込み工程と吐出工程を分ける各ポートのいずれ
か一方のポート又はその両方の各ポートを、ピストンの
上記回転軸を中心とする回転方向に沿って間隔を置いて
複数に分割したものである。
【0022】また、上記液圧装置において、流体分割部
材の上記吸い込み工程と吐出工程を分ける各ポートのい
ずれか一方のポートを2つに分割した際、その分割した
各ポートの開口面積比を次のA,B,Cのいずれかの分
割比にするとよい。 A.49対51 B.68対32 C.80対20
【0023】さらに、上記液圧装置において、上記カム
機構を、ピストンの往復運動のストロークを任意に可変
可能に形成するとよい。また、上記液圧装置において、
上記吸い込み工程と吐出工程を分ける各ポートのいずれ
か一方のポートを、その分割するポート数を3として第
1,第2,第3の各ポートとし、その第1のポートをピ
ストンの上死点近傍に対応させて配置すると共に、第2
のポートをピストンの下死点近傍に対応させて配置し、
その第1のポートと第2のポートを互いに連通させ、そ
の第1のポートと第2のポートの間に位置する第3のポ
ートを外部タンク又はケース内に連通させるポートにす
るとよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1はこの発明による液圧装置
を固定容量形アキシャルピストンポンプに適用した一実
施形態例を示す縦断面図、図2は同じくその液圧装置を
使用した液圧閉回路の一例を示す回路図、図3は図1の
液圧装置に設けられている流体分割部材である弁板を示
す平面図である。
【0025】図1に示す固定容量形アキシャルピストン
ポンプ(以下単にポンプと云う)30は、ケーシング3
1の内部にシリンダブロック32を回転自在に組み込ん
で、そのシリンダブロック32の中心線C上に回転軸
(主軸)33を設けて両者をスプライン結合することによ
って取り付け、駆動モータ2(図2参照)からの回転力
が回転軸33を介してシリンダブロック32に伝達され
るようにしている。
【0026】シリンダブロック32の中心から同一ピッ
チの円上には、中心線Cと平行で且つ等間隔にピストン
摺動孔である複数のシリンダボア32aを形成し、その
各シリンダボア32aにはそれぞれ往復運動するピスト
ン34を摺動自在に嵌入させている。また、ケーシング
31の内部には、回転軸33がシリンダブロック32と
共に回転した際に各ピストン34を往復運動させるよう
に変位させるカム機構を設けている。
【0027】そのカム機構は、シリンダブロック32の
中心線Cに対して任意の傾転角を持たせて斜板35をケ
ーシング31に取り付け、各ピストン34の一端に形成
した球状部34aを、環状のシュープレート36によっ
て連結されるピストンシュー37に回転自在に装着し、
ばね39によってピン38を介して斜板35の方向へ押
圧される外周面が球面状のスヘリカルワッシャ40をシ
ュープレート36を介してピストンシュー37を斜板3
5に押圧し、ピストン34を斜板35に沿わせるように
したものである。なお、スヘリカルワッシャ40の内周
面に形成した内径スプライン部40aは回転軸33の外
周面に形成した外径スプライン部33aに摺動可能に嵌
合している。
【0028】さらに、ケーシング31の右端面には、バ
ルブプレート45に固設した流体分割部材である弁板2
5が設けてあり、その弁板25は、シリンダブロック3
2の右端面と摺接し、シリンダボア32aに供給する流
体のシール部を形成している。その弁板25には、シリ
ンダボア32aと対応するピッチ円上に、詳しい説明は
後述するが、流体の吸い込み工程と吐出工程を分ける孔
である各ポート(いずれも図1には図示されていない)
がそれぞれ形成されている。
【0029】このように構成されるポンプ30は、各ピ
ストン34の一端がピストンシュー37を介して斜板3
5に沿いながら中心線Cを中心にして回転することによ
り、その各ピストン34が、図1で左右方向に往復運動
をする。そのピストン34の往復運動は、斜板35の最
大傾斜位置(図1で上側と下側のピストン34がそれぞ
れ図示してある位置)を境にして、前進(往)と後退
(復)が行なわれる。そして、そのピストン34の前進
と後退に対応させて流体の吐出と吸い込みを分ける役割
を果たすのが弁板25である。
【0030】流体の吐出工程では、ピストン34は、そ
の吐出圧力により斜板35の方向に押圧され、吸入工程
ではピン38を介してばね39の付勢力によって斜板3
5の方向に押圧されているスヘリカルワッシャ40に内
周面が摺接しているシュープレート36がピストンシュ
ー37を斜板35に押圧することにより、斜板35に沿
っている。
【0031】そして、1本のピストン34に注目する
と、それが中心線Cを中心にして半回転している間は流
体をシリンダブロック32内へ吸い込む方向に移動し、
残る半回転の間はその流体を吐出する方向に移動するこ
とになる。したがって、回転軸33が連続回転すること
により、連続的なポンプ作用が行なわれる。
【0032】このポンプ30は、例えば図2に示すよう
な液圧閉回路に使用する。そのポンプ30は、吸い込み
工程と吐出工程を分ける一方の側のポートX及びZのX
ポート側を、シリンダ3のロッド側の第2のポート3b
へ、ポートZをタンク26へ連通し、他方の側のポート
Yをシリンダ3のヘッド側の第1のポート3aへ連通さ
せている。
【0033】図3は、ポンプ30に設けられている弁板
25とそこに形成されているポートX,Y,Zの外部と
の接続を示す概略図である。弁板25は、図示のような
円盤形状をしており、そこにはピストン34の回転軸3
3を中心とする回転方向に沿い、シリンダボア32a
(図1)の孔中心と対応するピッチ円Pc上に、その略
片側半分に吸い込み工程と吐出工程を分ける一方の側の
ポートとなるポートYを円弧状の孔25aで形成してい
る。
【0034】また、それと反対側の略片側半分に、他方
の側のポートとなるポートXとポートZをピッチ円Pc
上に間隔を置いて、それぞれ円弧状の孔25b,25c
により分割して形成している。そして、この実施の形態
では、ポートXの孔25bとポートZの孔25cの孔面
積(開口面積)の分割比を、例えば68対32にしてい
る。
【0035】そのポートXは、シリンダ3のロッド側の
第2のポート3bへ、ポートYはシリンダ3のヘッド側
の第1のポート3aへそれぞれ連通しており、さらにポ
ートZはタンク26へ連通している。なお、ポートXの
孔25bとポートZの孔25cの孔面積の分割比は、ピ
ストン34の変位量によって決定するので、ピッチ円P
cに対し、斜板傾転軸方向からの矢視図への投影長さの
分割比によって表わすことができるので、上記の比率
(68対32)以外の任意の分割比にもできる。また、
ポートY側の孔25aを分割するようにしてもよい。
【0036】今、仮りに図2に示したシリンダ3が、そ
の両側の受圧面積比がJISに規定されているB系列の
シリンダ(受圧面積比が68対32)であったとする
と、ポンプ30をシリンダ3のシリンダロッド3cが同
図で右方に移動するように駆動すると、そのときポート
XとポートZから吸い込んだ流体をポートYに吐出する
ので、シリンダロッド3cの前進(図2で右方向への移
動)による流量の不平衡は補償される。
【0037】すなわち、仮りにヘッド側の第1のポート
3aに供給するのに必要な流量を100とすると、ロッ
ド側の第2のポート3bから還流する流量は68であ
り、タンク26から吸い上げる流量は32となる。これ
らの流量は、図3に示した弁板25によって分割される
ピストン34のストローク比(流量比)によって釣り合
っている。同様に、JISのA(49対51),C(8
0対20)に適合する上記ストローク比を得ることもで
きるし、それ以外に装置の特性上必要なストローク比と
することも、それらに応じた弁板を設計することによっ
て容易に対応することができる。
【0038】このポンプ30を使用した図2の液圧閉回
路によれば、駆動モータ2を逆回転させることにより回
転軸33(図1)を逆方向に回転させると、シリンダロ
ッド3cが同図で左方に移動するが、その際にもポンプ
30から吐出される流体の吐出流量と、そのポンプ30
へ吸い込まれる流体の吸込流量との不平衡は生じない。
このように、このポンプ30によれば、図2に示したよ
うな簡単な液圧閉回路を構成しても、シリンダ3の駆動
時にポンプ30へ吸い込まれる流体の吸込流量とそのポ
ンプ30から吐出される吐出流量とに不平衡が生じない
ので、シリンダ3を円滑に駆動することができ、装置全
体を小型で安価にすることができる。
【0039】図4はこの発明による液圧装置を可変容量
形アキシャルピストンポンプ(以下単にポンプ50と云
う)に適用した例を示す縦断面図である。なお、この図
4において図1と対応する部分には同一の符号を付して
ある。このポンプ50は、図1で説明した固定容量形ア
キシャルピストンポンプ30に対して、斜板55の傾斜
角度を任意に変更することができるようにした点のみが
異なる。
【0040】すなわち、ケーシング31の上部に、制御
シリンダ51をバルブプレート52に固設された制御シ
リンダガイド53に摺動自在に挿着し、制御シリンダ5
1の左端面を斜板55の上端部に圧接させている。ま
た、ケーシング31の下部には、バイアスシリンダ54
をばね56の付勢力により斜板55に圧接するように設
け、このバイアスシリンダ54と制御シリンダ51とに
よって斜板55の傾きを制御するようにしている。
【0041】このポンプ50にも、ピストン34の前進
と後退に対応させて流体の吐出と吸い込みを分割する弁
板25が取り付けられている。したがって、回転軸33
の回転速度を制御することによってシリンダロッド(図
2の3cを参照)が移動する速度を制御するとき、ポン
プ50から吐出される流体の吐出流量と、そのポンプ5
0へ吸い込まれる流体の吸込流量との間に不平衡が生じ
ない。
【0042】また、斜板55の傾斜角度を変えることに
よってピストン34のストロークを変化させてシリンダ
の速度を制御する場合も、弁板25によって分割される
流量比(ピストン34のストローク比)はそのまま変わ
ることはないので、同様にポンプ50から吐出される流
体の吐出流量と、ポンプ50へ吸い込まれる流体の吸込
流量との間に不平衡は生じない。
【0043】ところで、弁板25で分割する流量比を例
えば68対32としたときには、その流量を分割する図
3で説明した弁板25のポートXとポートZには、それ
ぞれ異なる圧力が発生する。したがって、それらの圧力
により、図4のピストン34が斜板55に押し付けられ
る力が斜板傾転軸に対して非対称となることにより、そ
れによって制御シリンダ51による斜板傾斜角操作に支
障を来すモーメントが発生する。そこで、このようなモ
ーメントの発生を防止するため、弁板25上の吸い込み
工程と吐出工程を分ける各ポートのいずれかの側のポー
ト(同一工程のポート)を複数に分割するときには、図
5に示す弁板25′のようにするとよい。
【0044】すなわち、吸い込み工程と吐出工程を分け
る各ポートの分割するいずれかの側のポートを、ピスト
ン34の上死点近傍と、下死点近傍と、その上死点と下
死点の中間の3つにポートX1 ,X2 ,Z′に分割して
形成し、その上死点近傍のポートX1 と下死点近傍のポ
ートX2 とを互いに連通させて、それらをシリンダ3の
ロッド側の第2のポート3bへ連通し、中間のポート
Z′をタンク26へ連通させる。
【0045】このようにすれば、ポートX1 とポートX
2 とは互いに連通しているので、通常の場合において弁
板25により同一工程(吸い込み工程あるいは吐出工
程)のポートを分割したときには、その各ポートで異な
る圧力になることによって上述したようなモーメントが
発生するが、そのモーメントの発生を抑えることができ
る。
【0046】また、このように弁板25′上の同一工程
側のポートを3つに分割するようにした場合には、通常
の場合にはその中間のポートZ′には、ポンプ50の回
転軸33(図4参照)の回転に伴ってピストン34があ
る程度の変位速度をもって急激につながるため流体に脈
動が生じ、このような脈動が生じた流体がシリンダ3に
供給されると、それによってシリンダロッド3cが安定
した速度で移動することができなくなったり、装置が振
動したり、騒音を発したりしやすい。
【0047】しかしながら、この実施の形態によるポン
プ50は、上述したように中間のポートZ′をタンク2
6(ケース内であってもよい)へ連通させているので、
上述したような流体の脈動が生じないので、シリンダロ
ッド3cを安定した速度でスムーズに移動させることが
できる。また、装置が振動したり、騒音を発したりする
ようなこともない。
【0048】なお、弁板25,25′に形成する各ポー
トは、吸い込み工程と吐出工程を分ける各ポートの双方
について、それらをそれぞれ複数に分割し、その各同一
工程(吸い込み工程及び吐出工程)のポートの分割する
流量比を任意に設定し、その分割したポートの余りとな
る1つのポートをタンク26に連通するようにすれば、
そのポンプにより複数のシリンダを同時に駆動するよう
にしても、そのポンプの流体の吸込流量と吐き出し流量
とに不均衡が生じない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、小型で構成が簡単であり、安価な液圧装置でありな
がら、左右の受圧面積が異なる液圧シリンダ等の外部機
器を安定して効率的に駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による液圧装置を固定容量形アキシャ
ルピストンポンプに適用した一実施形態例を示す縦断面
図である。
【図2】同じくその液圧装置を使用した液圧閉回路の一
例を示す回路図である。
【図3】図1の液圧装置に設けられている流体分割部材
である弁板を示す平面図である。
【図4】この発明による液圧装置を可変容量形アキシャ
ルピストンポンプに適用した例を示す図1と同様な縦断
面図である。
【図5】弁板に形成する流体分割用の孔の好ましい形状
例を示す平面図である。
【図6】従来の液圧装置を使用した液圧閉回路の例を示
す回路図である。
【図7】従来の液圧装置を使用した液圧閉回路の異なる
例を示す回路図である。
【図8】従来の液圧装置を使用した液圧閉回路のさらに
異なる例を示す回路図である。
【符号の説明】
25,25′:弁板(流体分割部材) 25a,25b,25c:孔 26:タンク 30:固定容量形アキシャルピストンポンプ(液圧装置) 32:シリンダブロック 32a:シリンダボア(ピストン摺動孔) 33:回転軸 35,55:斜板 50:可変容量形アキシャルピストンポンプ(液圧装置) 51:制御シリンダ 54:バイアスシリンダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のピストンと、その複数のピストン
    をそれぞれ摺動可能に嵌入させる複数のピストン摺動孔
    を有するシリンダブロックと、該シリンダブロックに取
    り付けられて回転可能に保持された回転軸と、該回転軸
    が前記シリンダブロックと共に回転した際に前記各ピス
    トンを往復運動させるように変位させるカム機構と、前
    記各ピストンが往復運動した際に流体の吸い込み工程と
    吐出工程を分ける各ポートがそれぞれ形成された流体分
    割部材とを備えた液圧装置において、 前記流体分割部材の前記吸い込み工程と吐出工程を分け
    る各ポートのいずれか一方のポート又はその両方の各ポ
    ートを、前記ピストンの前記回転軸を中心とする回転方
    向に沿って間隔を置いて複数に分割したことを特徴とす
    る液圧装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液圧装置において、前記
    流体分割部材の前記吸い込み工程と吐出工程を分ける各
    ポートのいずれか一方のポートを2つに分割した際、そ
    の分割した各ポートの開口面積比を次のA,B,Cのい
    ずれかの分割比としたことを特徴とする液圧装置。 A.49対51 B.68対32 C.80対20
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の液圧装置におい
    て、前記カム機構は、前記ピストンの往復運動のストロ
    ークを任意に可変可能に形成されていることを特徴とす
    る液圧装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の液圧装置において、前記
    吸い込み工程と吐出工程を分ける各ポートのいずれか一
    方のポートを、その分割するポート数を3として第1,
    第2,第3の各ポートとし、その第1のポートを前記ピ
    ストンの上死点近傍に対応させて配置すると共に、第2
    のポートを前記ピストンの下死点近傍に対応させて配置
    し、該第1のポートと第2のポートを互いに連通させ、
    その第1のポートと第2のポートの間に位置する第3の
    ポートを外部タンク又はケース内に連通させるポートと
    したことを特徴とする液圧装置。
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