以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図9は、本発明に係る実施の形態の1例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の閉回路構成用ポンプを含む昇降用アクチュエータ付車両であるバックホー10は、左右一対のクローラを含む走行装置12と、走行装置12の上側に旋回可能に取り付けた旋回台14と、旋回台14の上側に取り付けたキャビン16とを備える。キャビン16は、運転席と、操作レバー等の操作部とを含む。旋回台14の上部でキャビン16の前方に掘削作業機18を取り付けている。掘削作業機18は、第1ブーム20と、第2ブーム22と、第3ブーム24とを含む。第1ブーム20の基部が旋回台14に、前後及び上下の回動可能に取り付けられている。第2ブーム22は、第1ブーム20の先端に左右の回動可能に支持され、第3ブーム24は、第2ブーム22の先端に前後及び上下の回動可能に支持されている。第1ブーム20と旋回台14との間にブームシリンダ26が取り付けられ、ブームシリンダ26の伸縮により第1ブーム20を上下回動可能としている。
第1ブーム20と第3ブーム24との間に、第2ブーム22と平行にオフセットロッド28が設けられており、第2ブーム22と第3ブーム24との間に、オフセットロッド28と略平行になるようにオフセットシリンダ30が配置されている。第3ブーム24にアーム32の一端が取り付けられ、アーム32の他端にバケット34が取り付けられている。アーム32と第3ブーム24との間に設けたアームシリンダ36の伸縮によりアーム32が回動可能となる。また、オフセットシリンダ30の伸縮により、アーム32及びバケット34は、前後方向位置関係を維持したまま左右に平行移動される。また、バケット34とアーム32の端部との間に設けたバケットシリンダ38の伸縮によりバケット34が回動可能となる。
また、キャビン16の運転席の後側にエンジン室40を設けており、エンジン室40内にエンジンと、エンジンにより駆動される、閉回路構成用ポンプである油圧ポンプ等を含む油圧回路の一部とを設けている。油圧回路を構成する複数の油圧ポンプによりブームシリンダ26等のアクチュエータである、各シリンダへの作動油の給排が行われるようにしている。また、一対のクローラは、左右の走行モータ42により互いに独立して駆動される。各走行モータ42は、油圧モータであり、油圧回路を構成する可変容積式油圧ポンプ48,50(図2)から作動油が供給されることにより駆動される。また、各走行モータ42は、可変容量モータであり、その容量を変えることで、2段階の速度変更を可能とする。
次に、図2から図5を用いて閉回路構成用ポンプを含む油圧回路を詳しく説明する。図2に示すように、エンジン43の出力軸に補助ポンプ44と、閉回路構成用ポンプであり、3以上のポートを有する多ポートポンプ45と、複数のシリンダを駆動するための複数シリンダ用ポンプ46と、それぞれ左右の走行モータ42駆動用の一対の可変容積式油圧ポンプ48、50とを連結している。この構成により、各ポンプ44,45,46,48,50は、エンジン43の駆動により駆動される。
多ポートポンプ45は、後で詳しく説明するように、ブームシリンダ26とともに、閉回路の油圧回路を構成するために使用する。また、複数シリンダ用ポンプ46に、それぞれに対応する切替バルブ52,54,56を介して、バケットシリンダ38とアームシリンダ36とオフセットシリンダ30とを接続している。
各切替バルブ52,54,56の左右受圧室は、それぞれ切替用パイロットバルブである伸縮切替弁58,60,62に接続している。また、各伸縮切替弁58,60,62は、カットオフ・走行増速弁回路64を介して補助ポンプ44の吐出口に接続している。補助ポンプ44の吸入口は、外部の油タンク66に接続している。また、各伸縮切替弁58,60,62は、運転席の周辺部にそれぞれに対応して設けられる操作部により切替可能としている。各伸縮切替弁58,60,62の切替により各切替バルブ52,54,56が切り替えられると、バケットシリンダ38とアームシリンダ36とオフセットシリンダ30との伸長及び収縮が切り替えられる。
また、多ポートポンプ45は、可動斜板式可変容量ポンプであり、可動斜板114(図3、図4)の向きを変えることにより、ブームシリンダ26の伸長及び収縮を可能としている。多ポートポンプ45の斜板の向きは、昇降切替弁68の作動により切替可能としている。昇降切替弁68は、運転席の周辺部に設けられる昇降レバー等の操作部により切替可能としている。また、後で詳しく説明するように、多ポートポンプ45に昇降切替弁68を一体に設けることにより、多ポートポンプユニット70を構成している。
また、左右の走行用モータ42の容量を変えるために共通の増速切替弁72を設け、増速切替弁72を、カットオフ・走行増速弁回路64を介して、補助ポンプ44の吐出口に接続している。増速切替弁72は、走行用モータ42の容積を2段階で変化可能とする。例えば、増速切替弁72を、走行用モータ42の容積変更アクチュエータ42aに補助ポンプ44から給油されるように切り替えることで、走行用モータ42の容積が大きくなり、容積変更アクチュエータ42a内の油をタンクへ排出するように切り替えることで、走行用モータ42の容積が小さくなる。この構成により、各走行用モータ42の速度が変更可能となる。増速切替弁72は、運転席周辺部に設けたレバー等の変速操作部により切替可能としている。また、走行用モータ42は、可変容積式油圧ポンプ48,50の吐出口に、前後進切替弁74を介して接続している。前後進切替弁74は、運転席の周辺部に設けたレバー等の方向切替操作部により、可変容積式油圧ポンプ48,50の吐出口を走行用モータ42の2つのポートのいずれに接続するかを切替可能とする。この構成により、方向切替操作部の操作によって、前進と後進とにそれぞれ対応する、各走行用モータ42の正転と逆転とが変更可能となる。
また、左右の走行用モータ42に対応する各可変容積式油圧ポンプ48,50の出力を同じとすることで、車両が直進走行し、各可変容積式油圧ポンプ48,50の出力を異ならせることで、車両の旋回が可能となる。なお、図示は省略するが、旋回台14(図1)に対しキャビン16を旋回させるための旋回用モータを設け、旋回用モータに切替バルブを介して補助ポンプ44の吐出口を接続することで、キャビン16を所望の方向へ旋回可能とすることもできる。
図3は、図2の一部の回路である、カットオフ・走行増速弁回路64と、多ポートポンプユニット70とを含む油圧回路を詳しく示す図である。多ポートポンプ45は、第2ポート76と、第1ポート78と、第3ポート80との3つのポートを含む。第2ポート76は、落下防止弁82及び第1接続ポートP1を介してブームシリンダ26の、ピストンを挟んで両側に設けられた圧力室84,85のうち、片側圧力室84に接続している。また、第1ポート78は、別の落下防止弁86及び第2接続ポートP2を介してブームシリンダ26の両側の圧力室84,85のうち、他側圧力室85に接続している。他側圧力室85のピストンの受圧面側にロッド88が接続されており、これにより他側圧力室85の容積及び受圧面積は、片側圧力室84の容積及び受圧面積よりも小さくなっている。例えば、片側圧力室84と他側圧力室85との容積比は、100:64とする。また、第3ポート80は、第3接続ポートP3及びフィルタを介して、バックホー10(図1)に設けられた外部の油タンク66に接続している。
多ポートポンプユニット70は、昇降切替弁68付きの多ポートポンプ45と、落下防止弁82,86と、一対のチャージチェック弁90,92と、キャビテーション防止弁94とを含む。第1、第2、第3各接続ポートP1,P2,P3は、多ポートポンプユニット70を構成するポートブロック96の外面に開口させている。第2ポート76から落下防止弁82を介して片側圧力室84に接続する第1油路S1と、第1ポート78から別の落下防止弁86を介して他側圧力室85に接続する第2油路S2とにより、閉回路である主回路Mを構成している。
また、第1油路S1の第2ポート76と落下防止弁82との間と、第2油路S2の第1ポート78と別の落下防止弁86との間とにチャージ回路Cを接続している。一対のチャージチェック弁90,92は、チャージ回路Cに設けている。チャージチェック弁90,92は、低圧側となる第1油路S1もしくは第2油路S2が、後述するチャージ圧よりも低くなったときに、二次側が低圧側のチャージチェック弁90(または92)が開放され、チャージ回路Cが連通する。また、チャージ回路Cの一対のチャージチェック弁90,92の間に補助ポンプ44の吐出口を接続している。このために、多ポートポンプユニット70は、補助ポンプ44の吐出口に接続される第4接続ポートP4を外面に開口させており、補助ポンプ44と、チャージ回路Cの一対のチャージチェック弁90,92の間とを第4接続ポートP4を介して接続している。
また、各チャージチェック弁90,92は、高圧リリーフ弁機能を有し、高圧側となる第1油路S1もしくは第2油路S2が所定以上の高圧になることにより開放され、二次側が低圧側のチャージチェック弁90(または92)が開放され、低圧側となる第2油路S2もしくは第1油路S1に余剰圧が流されるようにしている。
また、キャビテーション防止弁94は、チェック弁であり、運転席周辺部の操作部の急操作等による過渡的な変化で多ポートポンプ45の吸い込み側が異常に低圧になることでキャビテーションが発生するのを防止すべく、多ポートポンプユニット70内の油溜まりからの油を、前記チャージチェック弁90,92と連動して低圧となる第1油路S1もしくは第2油路S2に補充可能とするために設けている。
また、第4接続ポートP4とキャビテーション防止弁94とを接続する油路に、昇降切替弁68に接続される油路を接続している。昇降切替弁68は、この実施例では、補助ポンプ44の吐出口から油の一部を、可動斜板114に連結したサーボシリンダの一方あるいは他方に供給するにあたり、運転席手元の電気スイッチで操作される3位置電磁弁を用いて電気油圧的操作可能として多ポートポンプ45の油吐出方向と吐出油量とを自在に変更する。
また、各油路S1,S2に設けた落下防止弁82,86は、例えばイグニッションスイッチ等の起動スイッチのオンオフと連動する電磁パイロット弁により切替可能で、起動スイッチがオフになることでブームシリンダ26側に溜まった圧油は多ポートポンプ45へリークすることなく、落下防止弁82,86の内部チェック弁の作用により保持される。この構成により、起動スイッチがオフになり、運転停止状態で長時間放置された場合でも、ブーム20(図1)や車体の重力によりブームシリンダ26が意図せずに伸長したり縮小することがより有効に防止される。すなわち、このような長時間の放置でも、ブーム20が徐々に落下したり、バケット34(図1)を地面に押し付け車体を持ち上げた状態で車体が徐々に落下することを、より有効に防止できる。
また、多ポートポンプユニット70の外面に、第4接続ポートP4に接続された油路と通じる第5接続ポートP5を開口させており、第5接続ポートP5と、外部の油タンク66とにカットオフ弁ユニット100を接続している。カットオフ弁ユニット100は、吐出口PAを通じて伸縮切替弁58,60,62(図2)に接続されるカットオフ弁102と、吐出口PBを通じて増速切替弁72(図2)に接続される走行増速弁104とを有するカットオフ・走行増速弁回路64を含む。カットオフ弁102は、例えば運転席周辺部に設けられる作業態勢確認レバーにより切り替えが可能である。例えば、作業態勢確認レバーを操作していない状態では、カットオフ弁102が、補助ポンプ44側からの作動油の各伸縮切替弁58,60,62への供給を不能とする。また、走行増速弁104は、図2の増速切替弁72に接続され、例えば、カットオフ弁102と同様に、作業態勢確認レバーの操作により切り換えが可能である。この構成により、起動スイッチを単にオンしただけで運転者の意図に反して車両が走行したり、バケットシリンダ38等の各部が急に作動することがより有効に防止される。
また、カットオフ弁ユニット100に、チャージ圧設定用リリーフ弁106を設けており、チャージ回路Cの油圧が予め設定される所定圧となるように規制している。リリーフ弁106は、前記切替バルブ52,54,56及び容積変更アクチュエータ42aの作動圧を所定圧に設定する役目も有する。
次に、図4から図9を用いて、本実施の形態の閉回路構成用ポンプである多ポートポンプユニット70の具体的構造を説明する。多ポートポンプユニット70は、上記の図3に示した回路構成を有する。すなわち、多ポートポンプユニット70は、ブームシリンダ26(図3)を含む閉回路を構成するように使用され、ブームシリンダ26のピストン両側の一対の圧力室84,85に選択的に作動油を給排する。なお、以下の具体的構造では、上記の図3に示した昇降切替弁68の具体構造の図示を省略しているが、昇降切替弁68は、多ポートポンプユニット70の内部に一体に設けている。
図4に示すように、多ポートポンプユニット70は、ケーシング108と、駆動軸110と、シリンダブロック112と、可動斜板114と、弁板116とを備える。ケーシング108は、ケース本体118にポートブロック96を結合固定することにより構成している。すなわち、ポートブロック96の片側にケース本体118を結合しており、ケース本体118の内側と、ポートブロック96の内面(図4の左面)に形成した孔部120との内側に、駆動軸110を回転可能に支持している。駆動軸110の先端部(図4の左端部)は、ケース本体118の外側に突出させ、この先端部にエンジン43(図3)の回転軸を動力の伝達可能に連結可能としている。例えば、エンジン43の回転軸に連結した軸部材と、駆動軸110の先端部とをスプライン結合したり、エンジン43の回転軸と駆動軸110とを歯車機構を介して動力の伝達可能に連結することもできる。
また、シリンダブロック112は、ケース本体118の内側で、駆動軸110の中間部の周囲に配置しており、シリンダブロック112の中心部に設けたスプライン孔に、駆動軸110の外周部に設けたスプライン部をスプライン係合させることで、シリンダブロック112を駆動軸110とともに回転可能としている。シリンダブロック112は、周方向の等間隔複数個所に駆動軸110と平行に設けられたシリンダ122を備え、各シリンダ122にピストン124をシリンダ122内での往復移動可能に嵌装している。
また、可動斜板114は、使用時に駆動軸110に対し傾転自在とするべくその前端を円弧形状としてケース本体118に支持され、その後端を平坦面として、各ピストン124の先端に設けられたピストンシューが押し付けられ、その一側面に、前記斜板の傾斜方向及び傾斜角度を変更するサーボシリンダ(図示せず)が連結される。このように、ケース本体118と、ケース本体118内側に配置された各要素とにより、可変容量型アキシャルピストンポンプである多ポートポンプ45を構成している。また、可動斜板114の傾斜角度の調節により、各ピストン124のストローク長が変更されて吐出油量の制御が行われて、ブームシリンダ26(図3)の伸縮スピードを変更できる。また、傾転方向を逆にすることで、吐出側と吸入側とが逆になり、ブームシリンダ26(図3)の両側の圧力室84,85の、昇圧側と降圧側とが切り換わる。
また、シリンダブロック112とポートブロック96との間に、ポートブロック96に固定するように弁板116を設けている。シリンダブロック112に設けたシリンダ122の内側は、シリンダブロック112の端部に形成した連通孔126と、弁板116に形成したポートと、ポートブロック96に形成した油路とを通じて、図8に示す第1接続ポートP1と、第2接続ポートP2と、第3接続ポートP3とのいずれか1に選択的に連通可能としている。すなわち、シリンダブロック112の回転に伴って、各シリンダ122が、第1接続ポートP1と、第2接続ポートP2と、第3接続ポートP3とのいずれか1に切り換わりつつ接続されるようにしている。
また、図5、図6に示すように、ポートブロック96の内面に、駆動軸110(図4)を挿入する孔部120の中心軸を中心とする同心円上の二重の円弧溝128,130と、各円弧溝128,130の径方向中央部に設けられた円弧状突部132とを形成している。各円弧溝128,130と、円弧状突部132との周方向一部に径方向に直線状に設けられた第1油溝134を形成し、第1油溝134の径方向外端(図5の上端)を、前記キャビテーション防止弁94の一次側通路136に通じさせている。第1油溝134の深さは、各円弧溝128,130の深さよりも大きい。したがって、各円弧溝128,130と円弧状突部132とは、第1油溝134により分離されている。円弧状突部132及び各円弧溝128,130の、第1油溝134で分離された部分の周方向長さは、片側部分(図5の右側部分)で他側部分(図5の左側部分)よりも大きくしている。
また、円弧状突部132の第1油溝134よりも片側(図5の右側)に断面円弧状の第2ブロック側ポート138を形成している。また、円弧状突部132の第1油溝よりも他側(図5の左側)に、第2ブロック側ポート138よりも周方向長さが小さい、断面円弧状の第1ブロック側ポート140を形成している。また、円弧状突部132及び各円弧溝128,130の第2ブロック側ポート138側部分の、周方向に関して第1油溝134と反対側の端部に、第1油溝134と同様に径方向に伸びる直線状の第2油溝142を形成している。また、円弧状突部132及び各円弧溝128,130の第1ブロック側ポート140側部分の、周方向に関して第1油溝134と反対側の端部に、第1油溝134と同様に径方向に伸びる直線状の第3油溝144を形成している。また、ポートブロック96の内面で、孔部120周りの第2油溝142と第3油溝144との間に、第1ブロック側ポート140よりも周方向長さが小さい、断面円弧状の第3ブロック側ポート146を形成している。各ブロック側ポート138,140,146は、孔部120周りの同一ピッチ円上に形成している。
図7に示すように、ポートブロック96の内面に略円板状の弁板116を、弁板116の外端部でのピン止めにより結合固定した状態で、各油溝134,142,144を、弁板116の外周縁から各油溝134,142,144の径方向外端部が外側に外れる長さとして、ケース本体118内側の油溜まり98に連通させるようにしている。また、弁板116は、後で詳しく説明するように、中心部を中心とする同一ピッチ円上に形成された複数の第2ポート76と、同じく2個の第1ポート78と、第3ポート80とを、それぞれ厚さ方向に貫通するように形成している。ポートブロック96の内面に弁板116を固定した状態で、各第2ポート76は第2ブロック側ポート138(図6)に対向し、各第1ポート78は第1ブロック側ポート140(図6)に対向し、第3ポート80は第3ブロック側ポート146(図6)に対向する。
図8に示すように、各第2ポート76(図7)は、片側圧力室接続ポートであり、第2ブロック側ポート138を介して、ポートブロック96に形成された第1油路S1に接続される。第1油路S1は、一対のチャージチェック弁90,92の一方のチェック弁90の二次側を通過しつつ、落下防止弁82を介して第1接続ポートP1でポートブロック96の外側面に達する。第1接続ポートP1は、ポートブロック96周縁部に形成される4つの外側面のうち第1外側面に設けられ、第1接続ポートP1に、ブームシリンダ26の容積の大きい片側圧力室84(図3)に通じる配管を接続可能としている。
また、各第1ポート78(図7)は、他側圧力室接続ポートであり、第1ブロック側ポート140を介して、ポートブロック96に形成された第2油路S2に接続される。第2油路S2は、一対のチャージチェック弁90,92の他方のチェック弁92の二次側を通過しつつ、別の落下防止弁86を介して第2接続ポートP2でポートブロック96の第2外側面に達する。第2接続ポートP2に、ブームシリンダ26の容積の小さい他側圧力室85(図3)に通じる配管を接続可能としている。
また、第3ポート80(図7)は、タンク接続ポートであり、第3ブロック側ポートP3を介して、ポートブロック96に形成された第3油路S3に接続される。第3油路S3は、タンクポートである第3接続ポートP3でポートブロック96の第3外側面に達する。第3接続ポートP3に、油タンク66(図3)に通じる配管を接続可能としている。
第1油路S1と第2油路S2と第3油路S3との一部は、互いに略平行な略直線方向に伸びる直線部148,150,152となっており、第1接続ポートP1と第2接続ポートP2とは、ポートブロック96の幅方向(図8の左右方向)両側に位置する前記第1・第2外側面にそれぞれ形成している。また、各落下防止弁82,86は、前記第1外側面と第2外側面との間に位置する第4外側面(図8の上側面)からソレノイド部が突出するように設けている。ソレノイド部への通電により対応する第1油路S1(または第2油路S2)の内側に配置された落下防止弁82(または86)の通路が開放され、第2ポート76が第1接続ポートP1に連通されるか、または第1ポート78が第2接続ポートP2に連通されるようにしている。また、第3接続ポートP3は、前記第4外側面と平行な第3外側面(図8の下側面)に形成している。また、図8の例では、機械加工の都合上、第1油路S1の直線部148の一端を、ポートブロック96の長さ方向他側面(図8の下側面)に開口させるように形成し、この一端部をプラグ154により塞いでいる。ただし、鋳型により油路形成する手法によれば、第1油路S1の直線部148を、ポートブロック96の外側面に一端部が開口しないように形成することもできる。
図4に示すように、第3油路S3を構成する直線部152の中間部は、ポートブロック96の内面に開口させ、ポートブロック96にケース本体118を固定した状態で、ケース本体118内側の油溜まり98と通じる空間が第3油路S3に連通するようにしている。
また、図8に示すように、前記第1油路S1と第2油路S2とに交差する横通路163に配したリリーフ弁機能付のチャージチェック弁90,92は、チェック弁体158と、ポートブロック96に固定したプラグ160との間にばね157aを設け、ばね157aによりチェック弁体158をポートブロック96のシート面に向けて閉弁するように弾力を付与している。リリーフ弁体156の外端部にねじ止めした係止部材156aとチェック弁体158との間にばね157bを設け、ばね157bによりリリーフ弁体156の頭部をチェック弁体158のシート面に向けて閉弁するように弾力を付与している。第1油路S1側のチャージチェック弁90において、リリーフ弁体156とばね157bとが横断する空間は第1油路S1に通じさせている。第2油路S2側のチャージチェック弁92において、リリーフ弁体156とばね157bとが横断する空間は、第2油路S2に通じさせている。また、ポートブロック96の一対のチャージチェック弁90,92の間の横通路163に、チャージ回路用油路162を連通している。第1油路S1及び第2油路S2のうち、低圧側では、各チャージチェック弁90,92を構成するチェック弁体158がシート面から離れ、開弁されると、チャージ回路用油路162が接続される。また、チャージ回路用油路162は、前記第4外側面に設けた第4接続ポートP4に連通している。第4接続ポートP4に、補助ポンプ44(図3)の吐出口に通じる配管を接続可能としている。
また、図5に示すように、ポートブロック96の前記第1外側面に、チャージ回路用油路162(図8)に連通する第5接続ポートP5を設けている。第5接続ポートP5は、カットオフ弁ユニット100(図3)の吸入口に配管を介して接続可能としている。なお、図示の例の場合と異なり、第4接続ポートP4は、ポートブロック96の第2外側面に開口させることも可能であるし、また、この第4接続ポートP4をカットオフ弁ユニット100(図3)の吸入口に連通させ、第5接続ポートP5を補助ポンプ44(図3)の吐出口に連通させることもできる。
また、図4に示すように、チャージ回路用油路162において、チャージチェック弁90,92(図8)を配した横通路163よりもポートブロック96の長さ方向片側(図4の上側)にずれた部分から、ポートブロック96の厚さ方向(図4の左右方向)に伸びる分岐路164を分岐させている。分岐路164の終端は、ポートブロック96の内面のキャビテーション防止弁94の一次側通路136部分に通じさせている。一次側通路136にキャビテーション防止弁94を、油溜まり98から分岐路164への油流通のみ許容するようにして埋め込み、図7に示すように、ポートブロック96の内面で一次側通路136の両側に掛け渡すように抑え板166をねじ止め等により固定し、抑え板166にてキャビテーション防止弁94を抜け止めする。前述したように昇降切替弁68を急操作してチャージ回路用油路162の圧力が一時的にケース本体118内側の油溜まり98と通じる空間の圧力よりも低くなったときだけ、キャビテーション防止弁94が開弁され、油溜まり98内の作動油がチャージ回路用油路162に補充される。
また、上記の図5で示したように、第1油溝134は、ポートブロック96の内面に形成した第2油溝142及び第3油溝144とともに、弁板116とポートブロック96との間に漏れた油をケース本体118(図4)内に戻すことを可能とし、弁板116の浮き上がりを有効に防止できる。
次に、図9を用いて弁板116に形成する複数のポート76,78,80の形状をさらに詳しく説明する。なお、図9に破線で符号138,140を付した部分は、弁板116をポートブロック96(図5等)に固定した状態で、ポートブロック96に形成したブロック側ポート138,140の位置を表している。弁板116は、鉛合金等のポートブロック96を構成する金属と異なる金属により構成している。また、弁板116は、同一のピッチ円上に、第2ブロック側ポート138と通じる3個の第2ポート76と、第1ブロック側ポート140と通じる2個の第1ポート78と、第3ブロック側ポート146(図6)と通じる1個の第3ポート80とを形成している。また、シリンダブロック112(図4)の回転に伴って、各シリンダ122(図4)が、第2ポート76と、第1ポート78と、第3ポート80との間を循環して連通する。
弁板116のシリンダブロック112(図4)と対向する側の面で、第2ポート76の開口端のうち、図9に矢印α方向で示すシリンダブロック112の回転方向後側に位置する1の第2ポート76の回転方向後側端部と、第1ポート78の開口端のうち、シリンダブロック112の回転方向(図9の矢印α方向)に関して後側に位置する1の第1ポート78の回転方向後側端部と、第3ポート80の開口端のうち、回転方向(図9の矢印α方向)後側端部とに、それぞれ切欠である断面略三角形状のノッチ168を形成している。すなわち、複数のノッチ168は、対応するポートのシリンダ122(図4)と対向する側の開口端の、シリンダブロック112の回転方向同じ側の端部に設けている。
ノッチ168は、対応するポートの端部からノッチ168の先端に向かうほど、幅及び深さが小さくなっており、周方向に対し直交する方向に切断した場合の断面積は、先端に向かうほど徐々に小さくなっている。なお、ノッチ168の形状は図示の例に限定するものではなく、先端に向かうほど徐々に小さくなる形状であればよい。また、油タンク66に接続される第3ポート80に形成したノッチ168と、第2ポート76に形成したノッチ168とは、ピッチ円の中心Oに関して対称な位置に設けるとともに、互いのピッチ円方向の長さ、すなわち、シリンダブロック112の回転方向長さを略同じとしている。したがって、第2ポート76及び第3ポート80のノッチ168の周方向両端のピッチ円中心Oに対する中心角θ1、θ3は略同じとなる。また、第2ポート76と第3ポート80とのシリンダブロック112回転方向後側端部は、シリンダブロック112の回転に伴う、ピストン上死点位置またはピストン下死点位置のいずれかに対向する。例えば、第2ポート76に接続したブームシリンダ26の片側圧力室84(図3)から作動油を排出する場合、第2ポート76のノッチ168側端部にピストン上死点位置が対向し、第3ポート80のノッチ168側端部にピストン下死点位置が対向する。逆に、第2ポート76に接続したブームシリンダ26の片側圧力室84に作動油を供給する場合、第2ポート76のノッチ168側端部にピストン下死点位置が対向し、第3ポート80のノッチ168側端部にピストン上死点位置が対向する。したがって、第1ポート78のノッチ168側端部は、ピストン上死点位置及び下死点位置の間の中間付近に対向する。さらに、第1ポート78に設けられるノッチ168の、シリンダブロック112の回転方向長さは、第2ポート76及び第3ポート80に設けられるノッチ168の、シリンダブロック112の回転方向長さよりも小さくしている。したがって、第1ポート78のノッチ168の周方向両端のピッチ円中心Oに対する中心角θ2は、第2ポート76及び第3ポート80の場合の中心角θ1、θ3よりも小さい。
また、図3のブームシリンダ26は、使用時に、自重及び負荷による重力によりピストンに片側に変位する方向、すなわち、縮小または伸長する方向の力が付与される。
上記の多ポートポンプ45によれば、多ポートポンプ45とブームシリンダ26とを含む部分により閉油圧回路を構成できる。このため、閉油圧回路で生じた余剰油を多ポートポンプ45を介して油タンク66に排出しつつ、配管の損失低減を図れる。また、弁板116に形成した各ポート76,78,80のシリンダ122と対向する側の開口端の、シリンダブロック112の回転方向同じ側の端部に設けられ、先端に向かうほど徐々に小さくなるノッチ168を備え、各ポート76,78,80の、ピストン上死点位置に設けられるノッチ168と、ピストン下死点位置に設けられるノッチ168との、シリンダブロック112の回転方向長さを略同じとし、ピストン上死点位置及び下死点位置の間位置に設けられるノッチ168の、シリンダブロック112の回転方向長さは、ピストン上死点位置に設けられるノッチ168と、ピストン下死点位置に設けられるノッチ168との、シリンダブロック112の回転方向長さよりも小さくしている。このため、シリンダブロック112の回転に伴って吐出側となるポートから吐出側となるシリンダ122内に高圧の作動油が流入する場合に、ノッチ168の大きさが、シリンダブロック112の回転に伴ってポートの端部に向かって徐々に大きくなる。この結果、高圧の作動油がシリンダ122内に急に流入することを防止して、キャビテーションの発生と、ポンプ騒音及び振動の低減を図れる。
しかも、ピストン上死点位置及び下死点位置の中間付近に設けられるノッチ168形成部分では、ピストン上死点位置及び下死点位置の間位置に設けるノッチ168形成部分の場合よりも、対向するピストン124の移動速度が速く、シリンダ122内への作動油の流入速度が高くなる。このため、ノッチ168の長さを小さくすることで、ノッチ168形成効果である、キャビテーションの発生抑制と、ポンプ騒音及び振動の低減とをより有効に図れる。この結果、本実施形態のように、ポート76,78,80が3以上である複数ポートポンプである、多ポートポンプユニット70を構成する場合に、ポンプ騒音及び振動の低減を図れる。
また、第2ポート76に接続したブームシリンダ26の片側圧力室84に作動油を供給する場合、第3ポート80に対向するシリンダ122内は、吸い込み工程となり、上死点から下死点側に移動するが、ピストン124のストローク速度が零付近から徐々に高くなる部分でノッチ168がシリンダ122に対向するので、油タンク66内のヘッド圧でシリンダ122内の負圧が急に増大することがなく、第3ポート80周辺部での圧力変化が緩やかになり、キャビテーションの発生をより有効に抑制できる。なお、第1ポート78のノッチ168部分は、ピストンストロークが高い部分でシリンダ122に対向するが、ノッチ168の形成効果を高くできない場合でも、チャージ回路Cの機能により効果不足を補いやすい。
また、ブームシリンダ26は、使用時に前記重力によりピストン124に片側に変位する方向の力が付与される。このため、位置エネルギを利用して、ブームシリンダ26を構成する一方の圧力室84(または85)から排出される作動油のエネルギを、他方の圧力室85(または84)への作動油の吸入のためのエネルギに利用することができ、多ポートポンプ45がモータの如き動作をすることにより、これに連結されたエンジン43等の動力源の消費エネルギの低減を図れる。
なお、図9に示す例では、弁板116に形成する第2ポート76を3に分割し、第1ポート78を2に分割しているが、これは弁板116の強度をより有効に高くするためであり、弁板116の強度上問題なければ、第2ポート76及び第1ポート78をそれぞれ1ずつ設けて、ポートブロック96に形成したブロック側ポート138,140,146と略同じ形状にすることもできる。また、各ポート76,78,80を図示の例以外の数に分離することもできる。
図10に示す例では、上記の実施の形態において、弁板116(図9等)を省略し、ポートブロック96の内面に直接にシリンダブロック112を回転摺動自在に載置するものであって、その内面に形成した各ブロック側ポート138,140,146の、シリンダ122(図4)と対向する側の開口端部に、上記の弁板116に形成したノッチ168と同様の長さ関係を有するノッチ170を形成している。この場合、ポートブロック96に形成した各ブロック側ポート138,140,146は、ポートに対応する。すなわち、油タンク66に接続される第3ブロック側ポート146に形成したノッチ170と、第2ブロック側ポート138に形成したノッチ170とは、シリンダブロック112の回転方向長さを略同じとしている。また、第1ブロック側ポート140に設けられるノッチ170の、シリンダブロック112の回転方向長さは、第2ブロック側ポート138及び第3ブロック側ポート140に設けられるノッチ170の、シリンダブロック112の回転方向長さよりも小さくしている。その他の構成及び作用は、上記の図1から図9に示した構成と同様である。なお、弁板116を省略する場合、シリンダブロック112の回転により、シリンダブロック112とポートブロック96とが摺接するため、互いの凝着を防止すべく異種金属により構成することが好ましい。
図11は、ポートブロックに形成する、複数のポートの別例の第1例を示す図である。図11に示す構成例の場合は、ポートブロック96に形成する複数のブロック側ポート138,140,146のうち、第1ブロック側ポート140と第3ブロック側ポート146との位置関係を上記の図10の構成の場合と逆にしている。これに伴って、第1ブロック側ポート140に設けるノッチ170がピストン124(図4)の上死点または下死点位置に対向し、第3ブロック側ポート146に設けるノッチ170がピストン124の上死点と下死点との間位置に対向する。このため、第2ブロック側ポート138及び第1ブロック側ポート140に設けるノッチ170の、シリンダブロック112(図4)の回転方向長さを略同じとし、第3ブロック側ポート146に設けるノッチ170の、シリンダブロック112の回転方向長さを、第2ブロック側ポート138及び第1ブロック側ポート140に設けるノッチ170の、シリンダブロック112の回転方向長さよりも小さくしている。
図11に示す構成例の場合、第2ブロック側ポート138に接続したブームシリンダ26(図3)の片側圧力室84に作動油を供給する場合、第3ブロック側ポート146に対向するシリンダ122(図4)は、上死点と下死点とから大きく外れた、ピストン速度が高い部分で、ノッチ170と対向するため、第3ブロック側ポート146周辺部での圧力変化が高くなり、キャビテーションの発生抑制効果が、上記の図9、10に示す場合よりも劣る可能性がある。ただし、ブーム20(図1)の加工時や、掘削時等の、第3ブロック側ポート146をシリンダ122からの吐出用として利用する場合に、第3ブロック側ポート146と対向するピストン速度が小さくなるので、シリンダ122から排出される作動油による異音を小さくしやすい。その他の構成及び作用は、上記の図1から図9または図10に示した構成と同様である。なお、図11では、ブロック側ポート138,140,146にノッチ170を設ける場合を説明したが、図1から図9に示した構成のように弁板116を設ける場合に、弁板116に設ける第1ポート78及び第3ポート80の位置関係及びノッチ168の大きさの関係を、図11の構成の場合と同様に、逆にすることもできる。また、このように図1から図9に示した構成の弁板116に設ける第1ポート78及び第3ポート80の位置関係及びノッチ168の大きさの関係を、図11の構成の場合と同様に、逆にした場合に、第2ポート76や第1ポート78を、図9のように複数ずつに分割してもよいし、また、図11のようにそれぞれ1つずつのみとしてもよい。
図12は、ポートブロックに形成する、複数のポートの別例の第2例を示す図である。図12に示す構成例の場合は、ポートブロック96に形成する第3ブロック側ポートを2の第3ブロック側ポート146aに分離し、分離した2の第3ブロック側ポート146aの間に第1ブロック側ポート140を設けている。すなわち、第3ブロック側ポート146aは、シリンダブロック112(図4)の回転方向に2個に分離して配置された分離ポートであり、シリンダブロック112の回転方向に関して2個の分離ポートの間に第1ブロック側ポート140が配置されている。これにより、ポンプ軸である駆動軸110(図4参照)の回転軸線と可動斜板114(図4参照)の傾転中心との両方を含む仮想平面に対して2つの第3ブロック側ポート146aの形状が上下で対称となるので、ブームシリンダ26(図3参照)を伸長及び収縮させるときに発生する可動斜板114の傾転モーメントが安定し、可動斜板114を操作する昇降切替弁68(図3参照)の上昇位置もしくは下降位置の保持力を低減でき、両方位置の保持力を略均等にできる。また、これに伴って、第1ブロック側ポート140に設けるノッチ170が、ピストン124(図4)の上死点と下死点との間位置の、上記の各構成例の場合よりも上死点側または下死点側に寄った位置に対向する。このため、各ポート138,140,146aに形成するノッチ170が極度に短くなることを防止でき、各ノッチ170の形状精度を確保しやすくできる。その他の構成及び作用は、上記の図10または図1から図9に示した構成と同様である。なお、図12では、ブロック側ポート138,140,146aにノッチ170を設ける場合を説明したが、図1から図9に示した構成のように弁板116を設ける場合に、図12の構成と同様に、弁板116に設ける第3ポートを2つに分離して、分離した2つの第3ポートの間に第1ポート78を配置することもできる。
また、図示は省略するが、図12の構成例において、弁板116またはポートブロック96に形成する複数のポートのうち、第1ポートまたは第1ブロック側ポートを2のポートに分離し、分離した2の第1ポートまたは第1ブロック側ポートの間に第3ポートまたは第3ブロック側ポートを設けることもできる。すなわち、第1ポートは、シリンダブロック112の回転方向に2個に分離して配置された分離ポートとし、シリンダブロック112の回転方向に関して2個の分離ポートの間に第3ポートを配置することもできる。
なお、上記の図3の回路では、多ポートポンプユニット70と、カットオフ弁ユニット100とを互いに別体の部材としている。ただし、図13に別例の第1例の回路として示すように、多ポートポンプユニット70に、カットオフ弁ユニット100を一体に設けた一体ユニットとし、多ポートポンプユニット70とカットオフ弁ユニット100とを接続する配管を省略することもできる。また、図13に示す回路では、多ポートポンプユニット70の内部に、図3のカットオフ弁ユニット100に設けていたチャージ圧設定用リリーフ弁106と同様の機能を有するリリーフ弁106aを、キャビテーション防止弁94と並列接続して設けている。図13の回路において、その他の構成及び作用は、図3の回路の場合と同様である。
また、図14に示す別例の第2例の回路のように、補助ポンプ44の吸入口と油タンク66とを接続する油路から分岐する分岐路172に、多ポートポンプユニット70の第3接続ポートP3を接続することもできる。このように構成した場合、ブームシリンダ26の縮小に伴って第3ポート80から第3接続ポートP3を通じて排出される作動油が補助ポンプ44側に図14に矢印βで示す方向に送られるので、補助ポンプ44を駆動するためのエンジン43の駆動力の低減を図れ、更なる省エネルギ化を図りやすい。図14の回路において、その他の構成及び作用は、図3の回路の場合と同様である。