JP2006037900A - 液圧装置 - Google Patents

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Hiroshi Ishiyama
寛 石山
Kiminori Sano
公則 佐野
Takashi Kubo
隆 久保
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Abstract

【課題】 本発明は、シリンダヘッド側の圧力上昇を抑え、シリンダ押し下げ力をコントロールすることができる、液圧閉回路に用いる液圧装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 液圧閉回路に用いる液圧装置であって、弁板に吸い込み工程と吐出し工程とを分けるポートを設け、一方のポートをシリンダのボトム側に連結し、他方のポートをシリンダのヘッド側に連結するポートとタンクに連結するポートとに分割して設け、該シリンダのヘッド側に連結するポートとタンクに連結するポートとを絞りを挿設した接続ポートで接続させた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液圧シリンダなどを駆動するための液圧装置に関するもので、特に、閉回路で片ロッド形復動シリンダなどを駆動する、第1のポートと第2のポートの双方から吸い込み及び吐出可能なポンプなどの液圧装置に係わる。
従来より、油圧モータなど流体アクチュエータを駆動するとき、アクチュエータの排出側の圧油を液圧ポンプで直接吸い込んで、供給側に吐出するようにした双方向閉回路が使用されている。この閉回路では、戻りの流量を使用するので、省エネルギー化できるし、流量を容易にコントロールすることができるメリットがある。
しかし、この閉回路で片ロッド形復動シリンダを駆動する場合、シリンダボトム側とシリンダヘッド側の受圧面積が異なるため、ボトム側に圧油を供給し、ヘッド側から圧油を排出する場合、圧油の供給量に比べ排出量が少なく、また反対に、ヘッド側に圧油を供給し、ボトム側から圧油を排出する場合は、圧油の供給量に比べ排出量が多くなる。
このため、排出側の圧油を吸い込み、これを供給側に吐出する液圧ポンプでは、その運転がスムーズに行かない。
このような給排のアンバランスを解決するものとして、図4に示すような閉回路が知られている。この閉回路について説明すると、1は液圧ポンプであり、2は液圧ポンプ1を正逆回転するモータ、3は液圧ポンプ1から圧油を給排される片ロッド形復動シリンダである。また、4は液圧ポンプ1の一方のポートとシリンダ3のボトム側を連結する管路であり、5は他方のポートからシリンダ3のヘッド側に連結された管路である。
そして、両管路4、5は、互いに相手側の管路圧により開閉される制御弁6、7を通して自由流れを許容するように、タンク10に接続されている。しかして、シリンダ3の排出量が少ない場合は、供給側の管路4の管路圧により制御される制御弁7が開かれ、タンク10から不足流量が補給されるし、排出量が多い場合は、供給側の管路5の管路圧により制御される制御弁6が開かれ、余剰流量がタンク10に戻されることになる。なお、図中8、9は制御弁6、7を制御するパイロット管路である。
しかしながら、このような液圧閉回路においては、駆動モータ2の回転数を上げて液圧ポンプ1の吸い込み側の流速を速くすると、シリンダ3の受圧面積の差による不足流量を補給するための、制御弁7を介してタンク10から吸い上げられる液流に通路圧損が生じ
、液圧ポンプ1の吸い込み部の圧が異常に低下することがあった。
液圧ポンプ1の吸い込み部の圧が異常に低下すると、キャビテ−ションが発生して供給流量の不足を生じたり、異常音や振動が発生するという不都合があった。
このような不都合を解消する液圧装置として、複数のピストンと、その複数のピストンをそれぞれ摺動可能に嵌入させる複数のピストン摺動孔を有するシリンダブロックと、そのシリンダブロックに一体に取り付けられて回転可能に保持された回転軸と、その回転軸がシリンダブロックと共に回転した際に各ピストンを往復運動させるように変位させるカム機構と、各ピストンが往復運動した際に流体の吸い込み工程と吐出工程を分ける各ポートがそれぞれ形成された弁板とを備えた液圧装置において、
図5に示すように、上記弁板の吸い込み工程と吐出工程とを分けるポートの一方をシリンダのボトム側に連結し、他方のポートを、回転軸を中心とする回転方向に沿って間隔をおいて複数に分割し、その分割したポートの一つをシリンダのヘッド側に連結し、他方を外部タンクに連結させ、これらの各ポートの開口面積比を、シリンダの吸い込み流量と、吐出し流量と、余剰または不足流量との割合としたものが知られており、スプリットフロー方式あるいはダブルデリバリー方式と呼ばれている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この構成においては、弁板に形成する各ポートの開口面積比を、シリンダのボトム側に連結するポートとヘッド側に連結するポートの開口面積をシリンダの受圧面積比の割合にし、さらに、タンクに連結するポートの開口面積を前記シリンダの受圧面積の差になるように形成しなければならず、製作誤差によるアンバランスが生じる恐れがあった。
また、この構成においては、建設機械のブームシリンダのような大荷重を受けるシリンダに適用した場合、流体の圧縮性により流量バランスがくずれ、異常高圧や低圧が発生してシリンダをスムーズにコントロールすることが難しくなる。さらに、ショベルで整地作業を行う際、バケットを地面に当てがい、ブームシリンダを縮め、車体をジャッキアップさせて転圧する作業があるが、このようなときにも必要以上に圧力が上昇していた。
特開平10−169547号公報(図1、2、3、第2〜5頁)
本発明は、前述した従来型の不都合な点に鑑みなされたものであって、シリンダヘッド側の圧力上昇を抑え、シリンダ押し下げ力をコントロールすることができる、液圧閉回路に用いる液圧装置を得ることを目的とする。
アキシャルピストンポンプの弁板に、吸い込み工程と吐出し工程とを分けるポートを設け、一方のポートをシリンダのボトム側に連結し、他方のポートをシリンダのヘッド側に連結するポートとタンクに連結するポートとに分割して設け、該シリンダのヘッド側に連結するポートとタンクに連結するポートとを絞りを挿設した接続ポートにより接続させるようにした。また、片ロッド形複動シリンダを駆動する液圧閉回路に、前記の弁板を有するアキシャルピストンポンプを使用した。
弁板に分割して設けるポートのうち、シリンダヘッド側に連結するポートと、タンクに連結するポートとを絞りを介して連通させたので、絞りを介して圧力差を緩和し、流体の圧縮性による異常高圧及び低圧の発生を抑えるとともに、シリンダヘッド側の圧力上昇を抑え、シリンダの押し下げ力をスムーズにコントロールできるようになった。
以下図に沿って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明に実施するアキシャルピストンポンプ(以下単にポンプとする)の縦断面図、図2は同ポンプを使用した液圧回路図、図3は同ポンプに用いた弁板の平面図である。
なお、図1、図2に示す構成は前記した特許文献1に示されたものと同等である。
図において11はポンプを示す。12はポンプケーシングであって、その一端には取り付け板13を固定している。14はポンプケーシング12の内部に回転自在に組み込まれたシリンダブロックであり、その中心軸線に沿って嵌め入れられた回転軸15とスプライン係合して取り付けられ、駆動モータ2の回転力が回転軸15を介して伝達される。
このシリンダブロック14の同一ピッチの円周上には、等間隔で中心線と平行な複数のピストン摺動孔が形成されており、この各摺動孔にはそれぞれ往復動するピストン16が摺動自在に嵌入されている。また、16’はピストン16の一端に形成されている球状部であって、該球状部16’はピストンシュー17に回転自在に装着されており、ピストンシュー17の動きにより、ピストン16がピストン摺動孔に押し込まれ、また、引き出されるようになっている。
また、回転軸15によりシリンダブロック14が回転したとき、ピストン16を往復動させるようにカム機構18が設けられている。19はケーシング12に固定された傾斜板であって、前記各ピストンシュー17が接面して摺動回転するようになっている。
20は前記各ピストンシュー17を連結するリング状のシュープレートであり、該シュープレート20は、外周面が球状に形成され、回転軸15にスプライン係合して装着されているスヘリカルワッシャー21に冠装されている。
22はシリンダブロック14内に内装されたバネであり、23は、バネ22によってスヘリカルワッシャー21を常時傾斜板19側に押圧するピンである。
24は、ピストン16の往復動に対応して、吸い込み工程と吐出し工程とを分けるポートが形成された弁板であり、該弁板24は取り付け板13に固定されている。そして、この弁板24はシリンダブロック14の端面と摺接しており、シリンダ摺動孔に供給する流体のシール部を形成している。
この構成により、ピストン16は吐出工程においては、吐出流体の吐出圧力によって傾斜板19側に押圧され、吸い込み工程では、ピストンシュー17、シュープレート20、スヘリカルワッシャー21、ピン23を介し、バネ22によって傾斜板19側に押し当てられ、常に傾斜板19に添うことになる。
したがって、シリンダブロック14を回転すると、ピストンシュー17が傾斜板19の傾斜面に添って動き、ピストン16はピストン摺動孔内を往復動することになる。図1において上側に位置するピストン16は吐出工程を終えて下死点に至った状態であり、下側に位置するピストン16は吸い込み工程を終えて上死点に至った状態を示している。
さて、図3に本発明による液圧ポンプ11の弁板24の平面図を示している。25は弁板24に、シリンダブロック14の中心線を中心として円弧状に形成された吐出工程と吸い込み工程とを分けるポートであって、一方のポート25aは、約半円周の長さに形成され、片ロッド形復動シリンダ3のボトム側に連結されている。
25bと25cは分割された他方のポートであって、そのうちの一方のポート25bは片ロッド形複動シリンダ3のヘッド側に連結され、他方のポート25cはタンク10に連通されている。
これらのポート25aと25bとは、片ロッド形復動シリンダ3のボトム側とヘッド側との受圧面積比と同じ割合の開口面積比となっており、ポート25cの開口面積は前記シリンダ3の受圧面積比の差になるようになっている。
26は、吸い込み工程と吐出工程とを分ける分割されたポート25の内、片ロッド形複動シリンダ3のヘッド側に連結されたポート25bとタンク10に連結されたポート25cとを接続する接続ポートであり、該接続ポート26には絞り27が挿設されている。
この接続ポート26の作用について説明すると、例えば、図2においてシリンダ3をピストンが右方(ロッドを縮める側)に移動するように作動する場合で、ジャッキアップ作業を行うと、シリンダ3のヘッド側の流体には流体の圧縮性による高圧が発生する。
この高圧は、連結管路を通して、弁板24の片ロッド形複動シリンダ3のヘッド側に連結されたポート25bに掛かることになり、該ポート25bが高圧となるが、ポート25bとタンク10に連結されたポート25cとを、絞り27を挿設した接続ポート26により接続しているので、ポート25bの圧力上昇は絞り27を介して抑えられ、シリンダ3によるブーム押し下げ力をコントロールすることができる。
このように、絞り27を挿設した接続ポート26により、片ロッド形複動シリンダ3のヘッド側に連結するポート25bとタンク10に連結するポート25cを接続したので、絞り27を介して両ポート25bと25cとの圧力差は緩和される。したがって、仮に各ポート25a、25b、25cの開口面積比に製作上誤差が生じていたとしても、あるいは、流体の圧縮性により流量バランスがくずれ、異常圧が発生したとしても、接続ポート26により吸収されることになる。
もちろん、絞り27はシリンダ3が最大圧の所定の作業、つまり、前記したジャッキアップ作業を行う圧力に対応できる経路設定になっている。
本発明を実施するアキシャルピストンポンプの縦断面図。 同ポンプを使用した液圧閉回路図。 同ポンプに用いた弁板の平面図。 従来例を示す液圧閉回路の概略図。 従来例を示す弁板の平面図。
符号の説明
1 液圧ポンプ 2 駆動モータ
3 シリンダ 4 連結管路
5 連結管路 6 制御弁
7 制御弁 8 パイロット管路
9 パイロット管路 10 タンク
11 液圧ポンプ 12 ケーシング
13 取り付け板 14 シリンダブロック
15 回転軸 16 ピストン
17 ピストンシュー 18 カム機構
19 傾斜板 20 シュープレート
21 スヘリカルワッシャー 22 バネ
23 ピン 24 弁板
25 ポート 26 接続ポート
27 絞り

Claims (2)

  1. アキシャルピストンポンプの弁板に、吸い込み工程と吐出し工程とを分けるポートを設け、一方のポートをシリンダのボトム側に連結し、他方のポートをシリンダのヘッド側に連結するポートとタンクに連結するポートとに分割して設け、該シリンダのヘッド側に連結するポートとタンクに連結するポートとを絞りを挿設した接続ポートにより接続させたことを特徴とする液圧装置。
  2. 片ロッド形復動シリンダを駆動する液圧閉回路に使用するアキシャルピストンポンプの弁板に、吸い込み工程と吐出し工程とを分けるポートを設け、一方のポートをシリンダのボトム側に連結し、他方のポートをシリンダのヘッド側に連結するポートとタンクに連結するポートとに分割して設け、該シリンダのヘッド側に連結するポートとタンクに連結するポートとを絞りを挿設した接続ポートにより接続させたことを特徴とする液圧装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103498781A (zh) * 2013-10-15 2014-01-08 贺文模 一种无阀片斜盘式压缩机
US8790091B2 (en) 2011-05-26 2014-07-29 Caterpillar Inc. Pump having port plate pressure control

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