JPH1068378A - 斜板型液圧回転機 - Google Patents

斜板型液圧回転機

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Publication number
JPH1068378A
JPH1068378A JP8244301A JP24430196A JPH1068378A JP H1068378 A JPH1068378 A JP H1068378A JP 8244301 A JP8244301 A JP 8244301A JP 24430196 A JP24430196 A JP 24430196A JP H1068378 A JPH1068378 A JP H1068378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
cylinder
valve plate
swash plate
casing
Prior art date
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Pending
Application number
JP8244301A
Other languages
English (en)
Inventor
Masami Ochiai
正巳 落合
Akira Nakayama
中山  晃
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication of JPH1068378A publication Critical patent/JPH1068378A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脈動による振動や騒音等を低減でき、シリン
ダブロック等に浸食が発生するのを防止でき、ポンプ効
率や寿命を向上させる。 【解決手段】 弁板14には他側の切換弁部の外周側か
ら径方向外側に延びる切欠部17を設け、この切欠部1
7にクランク18の一端側18Aを係合させると共に、
一端側18Aと偏心した他端側にはパルスモータ19を
連結する。そして、パルスモータ19にはコントロール
ユニット20が接続され、圧力検出器からの検出信号に
基づきパルスモータ19を回転制御し、弁板14を回動
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板型油圧ポン
プ、モータ等に用いられる斜板型液圧回転機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建設機械等に搭載される油圧機
器の油圧源に用いられる油圧ポンプや、駆動源に用いら
れる油圧モータとして、斜板型液圧回転機が知られてい
る。
【0003】この種の斜板型液圧回転機として、例えば
油圧ポンプは、ケーシングと、該ケーシング内に回転自
在に設けられた回転軸と、前記ケーシング内に位置して
該回転軸と一体に回転するように設けられ、周方向に離
間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシ
リンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内
に摺動可能に挿嵌され、該シリンダブロックの回転に伴
なって軸方向に移動して作動油を吸入,吐出する複数の
ピストンと、前記ケーシングとシリンダブロックの端面
との間に設けられ、前記各シリンダと連通する吸入ポー
トと吐出ポートとが形成された弁板と、前記ケーシング
内に設けられ前記各ピストンが摺動する平滑面を有する
斜板とから大略構成されている。
【0004】そして、上述のように構成された油圧ポン
プは、エンジン等の駆動源で前記回転軸を回転駆動する
と、ケーシング内で該回転軸と共にシリンダブロックが
回転する。これにより、該シリンダブロックの各シリン
ダ内でピストンが往復動し、吸入ポートからシリンダ内
に吸込んだ作動油をピストンによって加圧して吐出ポー
トに圧油として吐出するようになっている。
【0005】ここで、シリンダブロック、ピストンおよ
び弁板の作動について説明すると、各シリンダのシリン
ダポートが弁板の吸入ポートと連通するときには、該吸
入ポートの始端から終端にかけてピストンがシリンダか
ら突出する方向に移動して前記吸入ポートから該シリン
ダ内に作動油を吸込む吸入行程となる。一方、前記各シ
リンダのシリンダポートが吐出ポートと連通するときに
は、該吐出ポートの始端から終端にかけてピストンがシ
リンダ内に進入する方向に移動して該シリンダ内の作動
油を吐出ポート内に吐出する吐出行程となる。そして、
この動作(行程)を繰返すようにシリンダブロックを回
転することにより、吸入行程で吸入ポートからシリンダ
内に吸込んだ作動油を吐出行程で加圧して吐出ポートに
吐出し、この圧油を油圧シリンダや油圧モータに供給す
るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による油圧ポンプでは、吸入行程で弁板の吸入ポ
ートを介して作動油を吸込んだシリンダ内の圧力は吐出
ポート内の圧力に比べて低圧になる。そして、各シリン
ダのシリンダポートが吐出ポートと連通するときに、該
吐出ポート内の高圧な圧油がシリンダポートを介して低
圧のシリンダ内に急激に流入(逆流)して大きな圧力変
動が生じるから、この圧力変動によってピストンに脈動
が生じ、斜板等を介してケーシングから振動や騒音が発
生するという問題がある。また、吐出ポートに接続され
たホース配管等にも脈動が生じ、ホース配管側からも騒
音や振動が発生する。
【0007】また、上述のように吐出ポートからシリン
ダ内に逆流する圧油は、シリンダ内に急激に噴出するジ
ェット流となるから、このジェット流によって各シリン
ダのシリンダポートの内壁部に浸食等を生じさせること
があり、ポンプ効率や寿命が大幅に低下するという問題
がある。
【0008】そこで、脈動や浸食の発生を防止するため
の対応策として、ピストンが最大伸長した下死点位置に
あるときには、シリンダのシリンダポートは未だ吐出ポ
ートに連通せず、シリンダポートが吐出ポートに連通す
るまでの間にシリンダ内の容積が僅かに縮小され、シリ
ンダ内を予圧縮するものが知られている。
【0009】しかしながら、このような構成された従来
技術では、ポンプの容量を変化させるべく斜板を傾転さ
せたときには、下死点でのシリンダ内の容積が変化する
にも拘らず、予圧縮を行う区間は変化しない。このた
め、斜板の傾転角度によっては、予圧縮過剰や、逆に予
圧縮不足を招き、脈動や騒音を増大させるおそれがあ
る。また、吐出ポート内の圧油の圧力が変化した場合や
ポンプの回転数が変化した場合でも、予圧縮過剰や、逆
に予圧縮不足を招くことがある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、脈動による振動や騒音等を低減でき、シ
リンダブロック等に浸食が発生するのを防止できるとと
もに、ポンプ効率や寿命を確実に向上できるようにした
斜板型液圧回転機を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明が採用する斜板型液圧回転機の
構成は、ケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設
けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前
記ケーシング内に設けられ複数のシリンダが形成された
シリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ
内に摺動可能に挿嵌され該シリンダブロックの回転に伴
なって各シリンダ内を往復動する複数のピストンと、前
記ケーシングとシリンダブロックとの間に回動可能に設
けられ前記回転軸を挟んで対向する一対の給排ポート間
がそれぞれ切換弁部となった弁板と、前記ケーシング内
に設けられ前記各ピストンが摺動する平滑面を有する斜
板と、少なくとも液圧の変化に応じて前記各切換弁部の
位置を変えるため前記回転軸を中心として弁板を回動さ
せる弁板回動手段とからなる。
【0012】このように構成することにより、一の切換
弁部上にあるシリンダが低圧側の給排ポートとの連通を
断ち、高圧側の給排ポートと連通するまでの間にシリン
ダ内の容積が縮小され、シリンダ内を予圧縮して圧力を
予め高めることができる。また、弁板回動手段で弁板を
回動して各切換弁部の位置を変えることにより、予圧縮
区間を伸ばしたり、縮めたりすることができるから、シ
リンダが高圧側の給排ポートに連通したときに該ポート
内の液圧が低下する場合には予圧縮区間を伸ばすように
し、液圧が上昇する場合には予圧縮区間を短縮するよう
にすることができ、液圧の変動を低減できる。
【0013】また、請求項2に記載した発明では、前記
弁板回動手段は、前記各給排ポートのうち高圧側となる
ポート側の液圧を検出する圧力検出器と、駆動信号に応
じて前記弁板を回動する回動機構と、前記圧力検出器か
らの検出信号に基づき該回動機構に駆動信号を出力する
信号出力手段とから構成している。
【0014】このように構成することにより、高圧側の
給排ポートの液圧に応じた最適な予圧縮区間を確保する
ように回動機構で弁板を回動でき、予圧縮されたシリン
ダが高圧側の給排ポートに連通したときの液圧変動を低
減することができる。
【0015】一方、請求項3に記載した発明では、前記
ケーシングには前記斜板の傾転角を可変に制御する傾転
角可変機構を設け、前記弁板回動手段は、駆動信号に応
じて前記弁板を回動する回動機構と、前記各給排ポート
のうち高圧側となるポート側の液圧を検出する圧力検出
器と、斜板の傾転角を検出する傾転角検出器と、回転軸
の回転数を検出する回転数検出器と、該各検出器からの
検出信号に基づき前記回動機構に駆動信号を出力する信
号出力手段とから構成している。
【0016】このように構成することにより、傾転角可
変機構によって斜板の傾転角を変化できると共に、最適
な予圧縮区間を確保するように、高圧側の給排ポートの
液圧、斜板の傾転角および回転軸の回転数に応じて回動
機構で弁板を回動でき、予圧縮されたシリンダが高圧側
の給排ポートに連通したときの液圧変動を低減できる。
【0017】さらに、請求項4に記載した発明では、前
記回動機構は、前記弁板に設けられた切欠部と、該切欠
部に一端側が係合し他端側が偏心軸となった偏心部材
と、該偏心部材の偏心軸に連結され該偏心部材を介して
前記弁板を回動するアクチュエータとから構成してい
る。
【0018】このように構成することにより、アクチュ
エータで偏心部材の偏心軸を一方向または逆方向に回転
すれば、偏心部材の一端側が弁板の切欠部内に係合した
状態で弁板を周方向に押動するようになり、回転軸を中
心として弁板を回動させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0020】ここで、図1ないし図6は本発明の第1の
実施例による斜板型液圧回転機として可変容量式の斜板
型油圧ポンプを例に挙げて示している。
【0021】図において、1は斜板型油圧ポンプの外殻
をなすケーシングを示し、該ケーシング1は、筒状のケ
ーシング本体2と、該ケーシング本体2の一端側開口部
を閉塞するフロントケーシング3と、前記ケーシング本
体2の他端側開口部を閉塞するリヤケーシング4とから
構成されている。また、前記フロントケーシング3には
後述の回転軸5が挿通される挿通穴3Aが軸方向に形成
され、リヤケーシング4には回転軸5から径方向に大き
く離間した位置に小径穴4Aと大径穴4Bとからなる段
付穴が形成されている。そして、小径穴4Aには後述の
クランク18が挿着され、大径穴4Bには後述のパルス
モータ19が装着されている。
【0022】5はケーシング1に軸受6を介して回転自
在に支持された回転軸で、該回転軸5は例えばフロント
ケーシング3の挿通穴3Aを介して外部に突出し、エン
ジン等の原動機(図示せず)によって回転駆動される。
【0023】7は回転軸5とスプライン結合等の手段で
一体回転するようにケーシング1内に設けられたシリン
ダブロックを示し、該シリンダブロック7には、周方向
に離間して複数(例えば7個)のシリンダ8,8,…が
軸方向に穿設されると共に、該各シリンダ8に連通し、
前記シリンダブロック7の摺動面7A側に開口するシリ
ンダポート8Aが形成されている。そして、各シリンダ
ポート8Aは図2に示す如く長円形状をなし、シリンダ
ブロック7の周方向に一定角度αをもって延びている。
【0024】9,9,…は各シリンダ8内に摺動可能に
挿嵌された複数のピストンを示し、該各ピストン9はシ
リンダブロック7の回転に伴って各シリンダ8内を往復
動し、各シリンダ8内で吸入行程と吐出行程とを繰返す
ものである。また、該各ピストン9のシリンダブロック
7から突出した先端部には球形部9Aが形成されてい
る。
【0025】10,10,…は各ピストン9の球形部9
A外周側にそれぞれ設けられた複数個のシューで、該各
シュー10は球形部9Aに揺動自在に嵌合され、後述の
斜板11上で円運動を行うように斜板11上を摺動する
ものである。
【0026】11はフロントケーシング3とシリンダブ
ロック7との間に設けられた斜板を示し、該斜板11の
表面側(シリンダブロック7側)は各シュー10が摺接
しつつ回転する平滑面11Aとなり、裏面側はフロント
ケーシング3に形成された凹湾曲状のガイド溝12に摺
動自在に嵌合する半円柱状の傾転摺動部11Bとなって
いる。また、該斜板11には、中央部側に穿設され表面
側から裏面側に向け拡径された挿通穴11Cと、前記傾
転摺動部11Bの側面に形成され、図示しない傾転角可
変機構の一部が挿着される傾転機構挿着穴11Dとが形
成されている。そして、該斜板11は前記傾転角可変機
構で傾転角βが変更されることにより、ピストン9のス
トローク量を適宜調整して油圧ポンプの容量(吐出量)
を可変に制御するものである。
【0027】13は斜板11の平滑面11Aに固着さ
れ、各シュー10の外周側に係合する環状のシュー押え
で、該シュー押え13は斜板11の平滑面11A上で各
シュー10が円運動を行うのを許し、シリンダブロック
7の回転に伴ってピストン9が各シリンダ8内を往復動
するのを補償するものである。
【0028】14はケーシング1のリヤケーシング4の
平坦面4C上に回転軸5を中心にして回動可能に設けら
れ、一側面が摺動面14Aとなった弁板を示し、該弁板
14には図2に示す如く、低圧側の給排ポートとしての
吸入ポート15と高圧側の給排ポートとしての吐出ポー
ト16とが略対称位置となるように周方向に眉形状に伸
長して設けられている。そして、吐出ポート16には、
弁板14に対してシリンダブロック7が矢示A方向に回
転するときに、回転方向上流側となる始端側にノッチ1
6Aが配設され、該ノッチ16Aは、各シリンダ8のシ
リンダポート8Aと吐出ポート16とを徐々に連通させ
るべく略三角形状に形成されている。また、吸入ポート
15にも、回転方向上流側となる始端側に略三角形状の
ノッチ15Aが設けられている。
【0029】さらに、弁板14の吸入ポート15と吐出
ポート16との間には、ピストン9が吐出行程から吸入
行程に切換わる上死点(T.D.C.)側に一側の切換
弁部14Bが設けられると共に、該一側の切換弁部14
Bと回転軸5を挟んで対向し各ピストン9が吸入行程か
ら吐出行程に切換わる下死点(B.D.C.)側には他
側の切換弁部14Cが設けられている。そして、シリン
ダブロック7が弁板14上を矢示A方向に摺動するとき
に、各シリンダ8のシリンダポート8Aは一側の切換弁
部14B上に達すると、吐出ポート16に対する連通が
断たれ、他側の切換弁部14C上に達すると、吸入ポー
ト15に対する連通が断たれるようになっている。
【0030】ここで、ピストン9が最大縮小(上死点)
位置から最大伸長(下死点)位置へとストロークする吸
入行程では、各シリンダポート8Aが吸入ポート15と
連通し、吸入ポート15を介してシリンダ8内に作動油
が吸込まれる。そして、各ピストン9が最大伸長位置か
ら最大縮小位置へとストロークする吐出行程では、各シ
リンダポート8Aが吐出ポート16と連通し、吐出ポー
ト16を介してシリンダ8内の作動油を高圧の圧油とし
て吐出する。
【0031】また、前記吸入ポート15、吐出ポート1
6はリヤケーシング4に形成された吸入通路、吐出通路
(いずれも図示せず)に常時連通し、吐出通路はホース
配管等を介して油圧シリンダや油圧モータ(いずれも図
示せず)等に接続される。
【0032】そして、前記吸入ポート15、吐出ポート
16は、弁板14に対してシリンダブロック7が回転さ
れることにより、各シリンダ8のシリンダポート8Aと
間欠的に連通し、吸入通路からの油液を各シリンダ8内
に吸入させつつ、該各シリンダ8から吐出された圧油を
吐出通路を介して油圧シリンダや油圧モータ等の油圧ア
クチュエータに供給するものである。
【0033】17は後述のクランク18とパルスモータ
19と共に回動機構を構成する切欠部を示し、該切欠部
17は弁板14の他側の切換弁部14Cの外周側に設け
られ、切換弁部14Cの外周側から径方向外側に向って
延びている。そして、切欠部17は回転軸5を中心に吐
出ポート16の始端との間に離間角度θ1 をもって形成
され、切欠部17内にはクランク18の一端側18Aが
摺動可能に係合している。また、シリンダポート8Aが
周方向に延びる角度αと離間角度θ1 とは、後述の基準
吐出圧力Po でシリンダ8内を予め吐出ポート16内の
圧力まで昇圧するために、θ1 >α/2という関係に設
定するのがよい。
【0034】18はリヤケーシング4の小径穴4A内に
回転可能に設けられたクランクを示し、該クランク18
は一端側18Aが弁板14の切欠部17に係合し、他端
側が所定寸法δだけ偏心した偏心軸となってパルスモー
タ19に連結されている。また、クランク18の一端側
18Aが図2に示す如く回転軸5側に最も接近したとき
に、切欠部17はピストン9が最大伸長した下死点位置
上に位置する。このとき、ピストン9が下死点位置にあ
るときにはシリンダポート8Aは未だ吐出ポート16に
連通せず、シリンダブロック7がさらに角度(θ1 −α
/2)分だけ回転したときに、該シリンダポート8Aは
吐出ポート16に連通する。これにより、ピストン9は
前記角度(θ1 −α/2)間でシリンダ8に僅かに縮小
し、シリンダ8内の容積が縮小することによってシリン
ダ8内は予圧縮される。
【0035】一方、クランク18を矢示B方向に回転さ
せることにより、弁板14は上死点位置と下死点位置と
を結ぶ基準線C−Cに対し矢示D1 方向に例えば5度の
範囲内で回動角φだけ回動すると共に、切欠部17と切
換弁部14Cとは図3に示すように、所定寸法δの範囲
内で下死点位置からずれる。このため、下死点位置と吐
出ポート16との間の離間角度θ2 は回動角φだけ拡が
り、シリンダ8の予圧縮区間も角度(θ2 −α/2)に
拡がると共に、シリンダ8内の圧力をより上昇させる。
【0036】19はリヤケーシング4の大径穴4B内に
設けられたアクチュエータとしてのパルスモータを示
し、該パルスモータ19は前記クランク18の偏心軸に
連結され、クランク18を矢示B方向あるいはその逆方
向に回転させる。また、パルスモータ19には後述のコ
ントロールユニット20が接続され、該コントロールユ
ニット20から出力される駆動信号によってパルスモー
タ19はその回転方向と回転角度とが制御されている。
【0037】20はマイクロコンピュ−タ等によって構
成された信号出力手段としてのコントロールユニットを
示し、該コントロールユニット20は図4に示す如くそ
の入力側が後述の圧力検出器21に接続され、出力側が
パルスモータ19に接続されている。そして、該コント
ロールユニット20はその記憶回路内に図5に示すプロ
グラム等を格納し、圧力検出器21からの検出信号に基
づき切換弁部14Cの位置を変えるべく弁板14の回動
を制御している。
【0038】即ち、吐出ポート16内の圧力が定常運転
時の基準吐出圧力Po (例えば270kg/cm2)の
ときに回動角φが0度となるように、コントロールユニ
ット20はパルスモータ19に駆動信号を出力し、吐出
ポート16内の圧力が基準吐出圧力Po よりも高くなっ
たときには、回動角φを大きくするようにパルスモータ
19を矢示B方向に回転させる。
【0039】また、吐出ポート16内の圧力が基準吐出
圧力Po よりも低くなったときには、パルスモータ19
を矢示B方向とは逆方向に回転させ、回動角φ(φは負
の値も含む)を小さくする。さらに、コントロールユニ
ット20の記憶回路にはその記憶エリア20A内に図6
に示す目標回動角マップおよび基準吐出圧力Po 等が格
納されている。
【0040】21は吐出ポート16内の圧力を検出する
圧力検出器を示し、該圧力検出器21は図4に示すよう
にコントロールユニット20の入力側に接続され、圧力
検出器21から出力される検出信号に基づきコントロー
ルユニット20は駆動信号をパルスモータ19に出力す
る。
【0041】本実施例による斜板型油圧ポンプは、上述
の如き構成を有するもので、まず、原動機によって回転
軸5を回転させると、該回転軸5にスプライン結合され
たシリンダブロック7が一体に回転される。これによ
り、各シリンダ8内に挿嵌されたピストン9はシリンダ
ブロック7と共に回転し、その球形部9Aがシュー10
を介してシュー押え13に案内されつつ、斜板11の平
滑面11A上を回転する。この際、斜板11の平滑面1
1Aは所定の傾転角βを有しているから、シリンダブロ
ック7が1回転する間に、ピストン9はシリンダ8内に
最も進入(縮小)した最大縮小位置とシリンダ8から最
も伸長した最大伸長位置との間をストロークするように
なる。
【0042】ここで、前記ピストン9が最大縮小位置か
ら最大伸長位置までストロークする半回転のうちシリン
ダポート8Aが吸入ポート15と連通する間は、該吸入
ポート15を介して吸入通路(図示せず)からシリンダ
8内に油液を吸込む吸入行程となる。一方、ピストン9
の最大伸長位置から最大縮小位置までストロークする半
回転のうちシリンダポート8Aが吐出ポート16と連通
する間は、シリンダ8内に吸込んだ油液を加圧しつつ吐
出ポート16を介して吐出通路(図示せず)から吐出す
る吐出行程となる。このように、回転軸5を回転駆動し
てピストン9をシリンダ8内で往復動させることによ
り、吸込行程と吐出行程とが繰り返され、ポンプ作用が
行われる。
【0043】一方、ポンプの吐出容量を可変制御するに
は、傾転角可変機構(図示せず)によって斜板11をガ
イド溝12に沿って適宜に傾転させることにより、シリ
ンダ8内の押除け容量を変更して制御するようになって
いる。
【0044】次に、コントロールユニット20による弁
板14の弁板回動処理について、図5および図6を参照
しつつ詳述する。
【0045】まず、処理動作をスタートさせると、ステ
ップ1で記憶エリア20A内から基準吐出圧力Po を読
出し、ステップ2で圧力検出器21から吐出ポート16
内の圧力である吐出圧力検出値Ps を読込むと共に、回
動角検出器(図示せず)から現在の回動角φを読込む。
そして、ステップ3では吐出圧力検出値Ps と基準吐出
圧力Po との圧力差ΔP(ΔP=Ps −Po )を演算
し、ステップ4で図6に示す目標回動角マップから圧力
差ΔPに基づき目標回動角φ1 を読出す。
【0046】そして、ステップ5では目標回動角φ1 と
現在の回動角φとの角度差Δφ(Δφ=φ1 −φ)を演
算し、ステップ6で角度差Δφの絶対値|Δφ|が所定
のしきい値K以上であるか否かを判定し、「NO」と判
定したときには現在の回動角φが目標回動角φ1 に実質
的に対応しているから、ステップ10でパルスモータ1
9を停止させて弁板14をその回動角に保持するように
駆動信号を出力する。
【0047】また、ステップ6で「YES」と判定した
ときには、ステップ7に移って角度差Δφが正の値であ
るか否かを判定し、「YES」と判定したときには回動
角φが目標回動角φ1 よりも小さい値となっているか
ら、ステップ8でパルスモータ19を矢示B方向に回転
するように駆動信号を出力し、回動角φが目標回動角φ
1 に近付けるように制御する。そして、ステップ7で
「NO」と判定したときには、ステップ9に移ってパル
スモータ19を矢示B方向とは逆方向に回転するように
駆動信号を出力し、弁板14を吐出圧力検出値Ps に基
づき制御する。
【0048】このようにして、弁板14を吐出圧力検出
値Ps に対応して回動することができ、吐出ポート16
内の圧力が基準吐出圧力Po よりも高いときには、クラ
ンク18等によって弁板14は基準線C−Cに対し矢示
D1 方向に回動し、切換弁部14Cは目標回動角φ1 だ
け下死点位置から位置ずれする。これによって、シリン
ダポート8Aが下死点位置を通過して吐出ポート16と
連通するまでの予圧縮区間を長くすることができ、シリ
ンダ8内の圧力を吐出ポート16内の圧力程度まで予め
昇圧した状態でシリンダポート8Aは吐出ポート16に
連通する。
【0049】一方、吐出ポート16内の圧力が基準吐出
圧力Po よりも低いときには、弁板14は基準線C−C
に対し矢示D2 方向に回動するから、シリンダポート8
Aが下死点位置を通過して吐出ポート16と連通するま
での予圧縮区間を短縮でき、シリンダ8内の圧力が吐出
ポート16内の圧力以上に昇圧されるのを防止できる。
【0050】かくして、本実施例では、切換弁部14C
側にシリンダ8内を吐出ポート16内の圧力程度まで可
変に昇圧させる予圧縮区間を設ける構成としたから、吐
出ポート16内からシリンダ8内へと圧油が逆流するの
を抑制でき、シリンダ8内の急激な圧力変動を防止し、
シリンダ8やホース配管(図示せず)内の圧油等に脈動
が発生するのを防止できる。
【0051】また、圧力検出器21からの吐出圧力検出
値Ps に基づき弁板14を回動する構成としたから、吐
出ポート16内の圧力に対応して切換弁部14Cを最適
な位置に配置でき、シリンダ8内が予圧縮過剰や予圧縮
不足となるのを防止できる。そして、圧油の脈動による
ケーシング1等の振動や騒音を大幅に低減することがで
きる上に、吐出ポート16内の圧力損失を小さくしてポ
ンプ効率の向上を図ることができる。
【0052】また、下死点を通過したシリンダ8内に吐
出ポート16から流入する圧油を大幅に減少させること
ができるから、この圧油によるジェット流の発生がなく
なり、各シリンダ8のシリンダポート8Aがジェット流
等で浸食されるのを確実に防止でき、当該油圧ポンプの
耐久性や寿命を大幅に向上させることができる。
【0053】さらに、回動機構を切欠部17とクランク
18とパルスモータ19等とから構成したから、クラン
ク18を回転させることにより容易に弁板14を回動す
ることができると共に、クランク18とパルスモータ1
9等をリヤケーシング4内にコンパクトに装着すること
ができる。
【0054】次に、図7ないし図11は本発明の第2の
実施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施例の特徴は、信号出力手段とし
てのコントロールユニット31の入力側に圧力検出器2
1、傾転角検出器32および回転数検出器33を接続す
ると共に、出力側にパルスモータ19を接続し、コント
ロールユニット31は各検出器からの検出信号に基づき
パルスモータ19に駆動信号を出力する構成としたこと
にある。
【0055】ここで、コントロールユニット31はマイ
クロコンピュ−タ等によって構成され、その記憶回路内
に図8および図9に示すプログラム等を格納し、圧力検
出器21、傾転角検出器32および回転数検出器33か
らの各検出信号に基づき切換弁部14Cの位置を変える
べく弁板14の回動を制御している。
【0056】即ち、当該ポンプが定常運転時の基準吐出
圧力Po 、基準傾転角βo および基準回転数No のとき
に回動角φが0度となるようにパルスモータ19に駆動
信号を出力し、吐出圧力、傾転角や回転数が各基準値か
ら変動したときには切換弁部14Cを基準線C−Cに対
し矢示D1 ,D2 方向に移動すべくパルスモータ19に
駆動信号を出力する。
【0057】また、コントロールユニット31の記憶回
路にはその記憶エリア31A内に第1の実施例で図6に
示した圧力差に対する目標回動角マップ、図10に示す
傾転角度差に対する目標回動角マップ、図11に示す回
転数差に対する目標回動角マップ、基準吐出圧力Po 、
基準傾転角βo および基準回転数No 等が格納されてい
る。 また、斜板11の傾転角βを検出する傾転角検出
器32および回転軸5の回転数Nを検出する回転数検出
器33は、圧力検出器21と共にコントロールユニット
31の入力側に接続されている。
【0058】本実施例による斜板型油圧ポンプは、上述
の如き構成を有するもので、その基本動作については第
1の実施例によるものと格別差異はない。
【0059】次に、コントロールユニット31による弁
板14の弁板回動処理について、図8ないし図11を参
照しつつ詳述する。
【0060】まず、処理動作をスタートさせると、ステ
ップ21で回動角検出器(図示せず)から現在の回動角
φを読込み、ステップ22で目標回動角φx の算出処理
を図9に示す如く行い、圧力検出器21、傾転角検出器
32および回転数検出器33からの各検出信号に基づい
て目標回動角φx を演算する。そして、ステップ23で
は目標回動角φx と現在の回動角φとの角度差Δφ(Δ
φ=φx −φ)を演算し、ステップ24で角度差Δφの
絶対値|Δφ|が所定のしきい値K以上であるか否かを
判定し、「NO」と判定したときには現在の回動角φが
目標回動角φxに実質的に対応しているから、ステップ
28でパルスモータ19を停止させて弁板14をその回
動角に保持するように駆動信号を出力する。
【0061】また、ステップ24で「YES」と判定し
たときには、ステップ25に移って角度差Δφが正の値
であるか否かを判定し、「YES」と判定したときには
回動角φが目標回動角φx よりも小さい値となっている
から、ステップ26でパルスモータ19を矢示B方向に
回転するように駆動信号を出力し、回動角φを目標回動
角φx に近付けるように制御する。そして、ステップ2
5で「NO」と判定したときには、ステップ27に移っ
てパルスモータ19を矢示B方向とは逆方向に回転する
ように駆動信号を出力する。
【0062】ここで、図9に示す目標回動角φx 算出処
理では、ステップ31で記憶エリア31A内から基準吐
出圧力Po 、基準傾転角βo および基準回転数No を読
出し、ステップ32で圧力検出器21から吐出ポート1
6内の圧力である吐出圧力検出値Ps と傾転角検出器3
2から斜板11の傾転角度である傾転角検出値βs と、
回転数検出器33から回転軸5の回転数である回転数検
出値Ns とを読込む。
【0063】次に、ステップ33では吐出圧力検出値P
s と基準吐出圧力Po との圧力差ΔP(ΔP=Ps −P
o )と、傾転角検出値βs と基準傾転角βo との傾転角
度差Δβ(Δβ=βs −βo )と、回転数検出値Ns と
基準回転数No との回転数差ΔN(ΔN=Ns −No )
とを演算し、ステップ34で第1の実施例で図6に示し
た圧力差に対する目標回動角マップから圧力差ΔPに基
づいた目標回動角φ1を読出し、図10に示す傾転角度
差に対する目標回動角マップから傾転角度差Δβに基づ
き目標回動角φ2 を読出すと共に、図11に示す回転数
差に対する目標回動角マップから回転数差ΔNに基づき
目標回動角φ3 を読出す。
【0064】次に、ステップ35では各目標回動角φ1
,φ2 ,φ3 の相加平均をとり、吐出圧力検出値Ps
、傾転角検出値βs および回転数検出値Ns に基づく
目標回動角φx を、
【0065】
【数1】 として演算する。
【0066】このようにして、弁板14を吐出圧力検出
値Ps 、傾転角検出値βs および回転数検出値Ns に対
応して回動することができ、吐出ポート16内の圧力が
基準吐出圧力Po よりも高圧のときには、クランク18
等によって弁板14は基準線C−Cに対し矢示D1 方向
に回動し、切換弁部14Cは目標回動角φx だけ下死点
位置から位置ずれする。
【0067】これによって、最適な予圧縮区間を与える
ことができ、シリンダ8内の圧力を吐出ポート16内の
圧力程度まで予め昇圧した状態でシリンダポート8Aは
吐出ポート16に連通すると共に、予圧縮過剰や予圧縮
不足となるのを防止できる。また、吐出ポート16内の
圧力が基準吐出圧力Po よりも低圧のときには、弁板1
4は基準線C−Cに対し矢示D2 方向に回動し、切換弁
部14Cは目標回動角φx だけ下死点位置から位置ずれ
することによって、最適な予圧縮区間を与えることがで
きる。
【0068】一方、斜板11の傾転角度が基準傾転角β
o よりも大きいときには、下死点位置近傍におけるシリ
ンダ8内の容積は基準傾転角βo で作動しているときに
比べて大きくなるから、予圧縮によってシリンダ8内の
容積が僅かに縮小してもシリンダ8内の圧力が吐出ポー
ト16内の圧力程度に達することができないおそれがあ
る。
【0069】そこで、このときには弁板14を傾転角検
出器32からの傾転角検出値βs に基づき基準線C−C
に対し矢示D1 方向に回動し、切換弁部14Cを目標回
動角φx だけ下死点位置から位置ずれさせることによっ
て、予圧縮区間を長くすることができ、シリンダ8内の
圧力を吐出ポート16内の圧力程度まで予め昇圧した状
態でシリンダポート8Aは吐出ポート16に連通でき
る。
【0070】また、斜板11の傾転角度が基準傾転角β
o よりも小さいときには、弁板14を基準線C−Cに対
し矢示D2 方向に回動し、切換弁部14Cを目標回動角
φxだけ下死点位置から位置ずれさせることによって、
最適な予圧縮区間を与えることができる。
【0071】さらに、回転軸5の回転数が基準回転数N
o よりも低いときには、予圧縮に要する時間が長くなる
から、その時間内にシリンダ8とピストン9との隙間あ
るいはシリンダブロック7と弁板14との摺動面7A,
14A間から圧油が漏れるリーク量は増大する。このた
め、シリンダ8内の圧力が吐出ポート16内の圧力程度
に達することができないおそれがある。
【0072】そこで、このときには弁板14を回転数検
出器33からの回転数検出値Ns に基づき基準線C−C
に対し矢示D1 方向に回動し、切換弁部14Cを目標回
動角φx だけ下死点位置から位置ずれさせることによっ
て、予圧縮区間を長くすることができ、シリンダ8内の
圧力を吐出ポート16内の圧力程度まで予め昇圧した状
態でシリンダポート8Aは吐出ポート16に連通でき
る。
【0073】また、回転軸5の回転数が基準回転数No
よりも高いときには、弁板14を基準線C−Cに対し矢
示D2 方向に回動し、切換弁部14Cを目標回動角φx
だけ下死点位置から位置ずれさせることによって、最適
な予圧縮区間を与えることができる。
【0074】かくして、このように構成される本実施例
においても、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を
得ることができるが、特に本実施例では、弁板14を吐
出圧力検出値Ps 、傾転角検出値βs および回転数検出
値Ns に応じて回動する構成としたから、吐出ポート1
6内の圧力、斜板11の傾転角または回転軸5の回転数
が変化したときでも、切換弁部14Cを最適な位置に配
置でき、シリンダ8内が予圧縮過剰や予圧縮不足となる
のを防止できる。
【0075】なお、前記各実施例では、斜板型液圧回転
機として可変容量式の斜板型油圧ポンプを用いた場合を
例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、固定容
量式の斜板型油圧ポンプに適用してもよく、本発明の斜
板型液圧回転機を油圧モータ等の回転機として使用する
こともできる。
【0076】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、液圧の変化に応じて回転軸を中心に弁板を回動さ
せる弁板回動手段を備える構成としたから、下死点側の
切換弁部上でシリンダ内の圧力を予め高める予圧縮区間
を伸ばしたり、縮めたりすることができ、シリンダ内の
圧力が高圧側の給排ポート内の圧力よりも低いときに
は、予圧縮区間を長くし、シリンダ内の圧力が高圧側の
給排ポート内の圧力よりも高いときには、予圧縮区間を
短くすることができる。そして、シリンダ内の圧力を高
圧側の給排ポート内に近い圧力レベルまで昇圧させた状
態で、シリンダと給排ポートとを連通させることがで
き、給排ポートから高圧の液体が逆流するのを抑制で
き、給排ポートやシリンダ内の急激な圧力変化を防止で
きると共に、シリンダやホース配管内の油液等に脈動が
発生するのを低減でき、圧力損失を小さくしてポンプ効
率の向上を図ることができる。
【0077】さらに、各シリンダが高圧側の給排ポート
に連通し始めるときに各シリンダ内や給排ポートへと圧
油が噴出するのを抑えることができ、これらの圧油によ
るジェット流の発生を防ぐことによって、各シリンダの
シリンダポートや給排ポートの内壁部が浸食されるのを
確実に防止でき、耐久性や寿命を大幅に延ばすことがで
きると共に、振動や騒音の発生を確実に防ぐことができ
る。
【0078】そして、請求項2に記載の発明によれば、
前記弁板回動手段を、高圧側の給排ポートの液圧を検出
する圧力検出器と、駆動信号に応じて前記弁板を回動す
る回動機構と、前記圧力検出器からの検出信号に基づき
回動機構に駆動信号を出力する信号出力手段とから構成
したから、高圧側の給排ポート内の圧力に応じて弁板を
回動し、シリンダ内の圧力が高圧側の給排ポート内の圧
力程度まで確実に昇圧できる。
【0079】また、請求項3に記載の発明によれば、ケ
ーシングには斜板の傾転角を可変に制御する傾転可変機
構を設け、前記弁板回動手段を、駆動信号に応じて前記
弁板を回動する回動機構と、圧力検出器と傾転角検出器
と回転数検出器とからの検出信号に基づき回動機構に駆
動信号を出力する信号出力手段とから構成したから、弁
板を高圧側の給排ポート側の液圧や斜板の傾転角または
回転軸の回転数に基づいて回動することができ、液圧や
傾転角または回転数が変化することによってシリンダ内
と高圧側の給排ポート内との圧力差が変化しても、シリ
ンダ内の圧力が高圧側の給排ポート内の圧力程度まで確
実に昇圧できる。
【0080】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
前記回動機構は、前記弁板に設けられた切欠部と、該切
欠部に一端側が係合し他端側が偏心軸となった偏心部材
と、該偏心部材の偏心軸に連結され該偏心部材を介して
前記弁板を回動するアクチュエータとから構成したか
ら、アクチュエータで偏心部材を回転することによって
容易に弁板を回動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による斜板型油圧ポンプ
を示す縦断面図である。
【図2】弁板およびクランク等を示す図1中の矢示 II
− II 方向拡大断面図である。
【図3】弁板が回動した状態を示す図2と同様の拡大断
面図である。
【図4】本発明の第1の実施例による斜板型油圧ポンプ
の制御ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施例による弁板を回動すると
きの処理を示す流れ図である。
【図6】本発明の第1の実施例によるコントロールユニ
ット内に格納された吐出圧力に対する目標回動角マップ
の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施例による斜板型油圧ポンプ
の制御ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施例による弁板を回動すると
きの処理を示す流れ図である。
【図9】本発明の第2の実施例による斜板型油圧ポンプ
の目標回動角算出処理を示す流れ図である。
【図10】本発明の第2の実施例によるコントロールユ
ニット内に格納された傾転角に対する目標回動角マップ
の説明図である。
【図11】本発明の第2の実施例によるコントロールユ
ニット内に格納された回転数に対する目標回動角マップ
の説明図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 5 回転軸 7 シリンダブロック 8 シリンダ 8A シリンダポート 9 ピストン 11 斜板 11A 平滑面 14 弁板 14B 一側の切換弁部 14C 他側の切換弁部 15 吸入ポート(給排ポート) 16 吐出ポート(給排ポート) 17 切欠部 18 クランク(偏心部材) 18A 一端側 19 パルスモータ(アクチュエータ) 20,31 コントロールユニット(信号出力手段) 21 圧力検出器 32 傾転角検出器 33 回転数検出器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシング内に回転可
    能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するよ
    うに前記ケーシング内に設けられ複数のシリンダが形成
    されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シ
    リンダ内に摺動可能に挿嵌され該シリンダブロックの回
    転に伴なって各シリンダ内を往復動する複数のピストン
    と、前記ケーシングとシリンダブロックとの間に回動可
    能に設けられ前記回転軸を挟んで対向する一対の給排ポ
    ート間がそれぞれ切換弁部となった弁板と、前記ケーシ
    ング内に設けられ前記各ピストンが摺動する平滑面を有
    する斜板と、少なくとも液圧の変化に応じて前記各切換
    弁部の位置を変えるため前記回転軸を中心として弁板を
    回動させる弁板回動手段とから構成してなる斜板型液圧
    回転機。
  2. 【請求項2】 前記弁板回動手段は、前記各給排ポート
    のうち高圧側となるポート側の液圧を検出する圧力検出
    器と、駆動信号に応じて前記弁板を回動する回動機構
    と、前記圧力検出器からの検出信号に基づき該回動機構
    に駆動信号を出力する信号出力手段とから構成してなる
    請求項1に記載の斜板型液圧回転機。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングには前記斜板の傾転角を
    可変に制御する傾転角可変機構を設け、前記弁板回動手
    段は、駆動信号に応じて前記弁板を回動する回動機構
    と、前記各給排ポートのうち高圧側となるポート側の液
    圧を検出する圧力検出器と、斜板の傾転角を検出する傾
    転角検出器と、回転軸の回転数を検出する回転数検出器
    と、該各検出器からの検出信号に基づき前記回動機構に
    駆動信号を出力する信号出力手段とから構成してなる請
    求項1に記載の斜板型液圧回転機。
  4. 【請求項4】 前記回動機構は、前記弁板に設けられた
    切欠部と、該切欠部に一端側が係合し他端側が偏心軸と
    なった偏心部材と、該偏心部材の偏心軸に連結され該偏
    心部材を介して前記弁板を回動するアクチュエータとか
    ら構成してなる請求項2または3に記載の斜板型液圧回
    転機。
JP8244301A 1996-08-27 1996-08-27 斜板型液圧回転機 Pending JPH1068378A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009068336A (ja) * 2007-09-10 2009-04-02 Hitachi Constr Mach Co Ltd アキシャルピストン式油圧ポンプ
KR20160133143A (ko) * 2015-05-12 2016-11-22 현대중공업 주식회사 밸브 플레이트 및 이를 포함하는 건설기계의 유압 장치
CN112576470A (zh) * 2020-12-10 2021-03-30 山东泰丰智能控制股份有限公司 一种轴向柱塞泵回程盘的辅助机构

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