JPH09281011A - 薄切片の作製方法およびそのための装置 - Google Patents

薄切片の作製方法およびそのための装置

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JPH09281011A
JPH09281011A JP9118796A JP9118796A JPH09281011A JP H09281011 A JPH09281011 A JP H09281011A JP 9118796 A JP9118796 A JP 9118796A JP 9118796 A JP9118796 A JP 9118796A JP H09281011 A JPH09281011 A JP H09281011A
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俊郎 樋口
Yoshichika Fukuda
祥慎 福田
Kenichi Kudo
謙一 工藤
Mitsunori Kokubo
光典 小久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄切片の切り出しの際に薄切片に生じる皺、
縮み、破れなどの不具合の発生を抑え、熟練者でなくと
も容易に安定した品質の薄切片の切り出しを行うことが
できる薄切片の作製方法およびそのための装置を提供す
る。 【解決手段】 固形試料2を所定の薄切片の厚さに対応
する量だけ移動し、カッタナイフ1によって固形試料2
を切断し、薄切片を作製する方法において、固形試料2
の切断工程の前に薄切片となる固形試料2面に薄切補助
部材4を密着固定させる工程と、前記固形試料2の切断
を行い、前記薄切補助部材4と密着固定した薄切片を作
製する工程と、前記薄切片を前記薄切補助部材4から顕
微鏡用スライドガラス10に転写し、このスライドガラ
ス10に密着固定した薄切片を作製する工程とを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、理科学試料分析や
生体試料の顕微鏡観察等の医療分析において用いられる
ミクロトーム(固形試料またはカッタナイフを希望切断
厚さに対応する量だけ移動させた後、カッタナイフによ
って固形試料を切断し、薄切片を作製する装置)に係
り、切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助
部材(テープ)を密着固定した後、薄切りを行い、薄切
補助部材と密着固定した薄切片を作製する装置(薄切片
作製装置)において、特に、固形試料面に薄切補助部材
を密着固定する方法およびそのための装置、薄切りされ
た薄切片を薄切補助部材に密着固定する方法およびその
ための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄切片の作製(切り出し)作業
は、作業者がミクロトームを用いて行っている(例え
ば、特開平6−265452号参照)。固形試料には主
として生体試料をパラフィン包埋したものが用いられ、
これを切断し、薄切片を作製する。この薄切片の作製工
程において、重要かつ困難な作業に、切断中及び切断工
程終了後の薄切片のハンドリングがある。
【0003】図18はかかる従来の薄切片のハンドリン
グ工程を示す斜視図である。まず、図18(a)に示す
ように、固形試料または切断刃を希望切断厚さに対応す
る量だけ移動させる、いわゆる送り工程が行われる。つ
まり、切断刃1を固形試料2の方向Aへ送り、固形試料
2の薄切りを開始する。次に、図18(b)に示すよう
に、作業者は片手で切断刃1を移動をさせつつ、もう一
方の手でこのとき生成される薄切片4の切れ始めに、水
分を含ませた非常に細い筆などの治具3(他に紙製の小
さい短冊に水分を含ませたものや、先端を鋭利に削った
木製の鉛筆状の治具などが使用される)の先端部を接触
させる。
【0004】次に、図18(c)に示すように、そのま
ま切断刃1を移動させる速度と同じ速度で、薄切片4に
接触させた治具3を動かしながら切断を終了させること
により、切断終了時には、一端が治具3に接触した状態
の薄切片4を取り出すことができる。そして、取り出し
た薄切片4をガラス製のプレパラートに乗せる(一般的
には取り出した薄切片4の皺や縮みを延ばす目的で一度
水面に浮かべた後、プレパラートで掬い取るのである
が、どちらにしても薄切片4を、ある定まった場所へ移
動させる工程が存在することに変わりはない)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の薄切片の作製方法では、次に示すような問題が
あった。作業者は片手で切断刃1を、もう一方の手で薄
切片4取り出し用の治具3を同時に操作しなければなら
ず、この状況下で非常に薄い薄切片4の切れ始めの一定
の場所に、これもまた非常に小さな治具3の先端部を正
確に接触させるには、高度な技術、熟練度かつ集中力を
必要とする。このとき治具3先端部の薄切片4への押し
つけ力が大きすぎると薄切片4が破れたり、皺になった
りするという不具合が生じる。
【0006】また、切断刃1は固形試料2の切断を開始
したら常に一定の速度で移動させなければならないため
〔切断刃1の移動速度(切断速度)を変化させると薄切
片4の厚さむらや形状(皺、縮み)のバラツキの原因と
なる〕、この治具3の先端部を薄切片4の切り始めに接
触させ、切断刃1を停止させることなく行わなければな
らない。
【0007】仮に、薄切片4の切れ始めにうまく治具3
の先端部を接触させることに成功しても、両方の手の移
動速度が同じでなければ薄切片4が破れてしまう。最後
に、取り出した薄切片4をプレパラート上など他の場所
に移動させる際も慎重に行わなければ、風や衝撃により
薄切片4が破れる恐れがある。これらの一連の高度な技
術を身につけること、かつ連続したものでは数百枚にも
及ぶ切り出しの作業の間中、終始集中力を維持すること
は非常に困難である。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するために、
薄切片の切り出しの際に薄切片に生じる皺、縮み、破れ
などの不具合の発生を抑え、熟練者でなくとも容易に安
定した品質の薄切片の切り出しを行うことができる薄切
片の作製方法およびそのための装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ
移動し、カッタナイフによって前記固形試料を切断し、
薄切片を作製する方法において、前記固形試料の切断工
程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着
固定させる工程と、前記固形試料の切断を行い、前記薄
切補助部材と密着固定した薄切片を作製する工程と、前
記薄切片を前記薄切補助部材から顕微鏡用スライドガラ
スに転写し、このスライドガラスに密着固定した薄切片
を作製する工程とを施すようにしたものである。
【0010】〔2〕上記〔1〕記載の薄切片の作製方法
において、前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工
程において、前記固形試料面又は薄切補助部材のいずれ
か一方を低温にし、前記固形試料に前記薄切補助部材を
押しつけることにより、前記固形試料面と薄切補助部材
を密着固定し、前記薄切片を前記薄切補助部材から前記
スライドガラスへ転写する工程において、前記スライド
ガラス又は前記薄切片のいずれか一方を低温に冷却し、
前記薄切片を前記スライドガラスに押しつけることによ
り、前記薄切補助部材のみを前記スライドガラスから引
き剥がし、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写
するようにしたものである。
【0011】〔3〕上記〔1〕記載の薄切片の作製方法
において、前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工
程において、前記固形試料面又は薄切補助部材のうち少
なくとも一方に霧状の液体を吹きつけた後、前記固形試
料面に前記薄切補助部材を押しつけることにより、前記
固形試料面と薄切補助部材を密着固定し、前記薄切片を
前記薄切補助部材からスライドガラスへ転写する工程に
おいて、前記スライドガラス又は薄切片のうち少なくと
も一方に霧状の液体を吹きつけた後、前記薄切片を前記
スライドガラスに押しつけることにより、前記薄切補助
部材のみを前記スライドガラスから引き剥がし、前記薄
切片のみを前記スライドガラスに転写するようにしたも
のである。
【0012】〔4〕上記〔1〕記載の薄切片の作製方法
において、前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工
程において、前記薄切補助部材と固形試料面が引きつけ
あうように静電気力を作用させ、前記薄切補助部材を前
記固形試料面に押しつけることにより、前記固形試料面
と薄切補助部材を密着固定し、前記薄切片を前記薄切補
助部材から前記スライドガラスへ転写する工程におい
て、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみが
前記スライドガラスに密着固定するように静電気力を作
用させた後、押しつけ、その後、前記薄切補助部材のみ
を前記スライドガラスから引き剥がし、前記薄切片のみ
を前記スライドガラスに転写するようにしたものであ
る。
【0013】〔5〕上記〔1〕記載の薄切片の薄切片の
作製方法において、前記固形試料面と薄切補助部材の密
着固定工程において、前記薄切補助部材に、少なくとも
片面に粘着剤を塗布したものを用い、前記薄切補助部材
の粘着剤を塗布した面を前記固形試料面に押しつけるこ
とにより、前記固形試料面と前記薄切補助部材を密着固
定し、前記薄切片を前記薄切補助部材から前記スライド
ガラスへ転写する工程において、前記薄切補助部材に密
着固定した前記薄切片を、前記スライドガラスに押しつ
けた後、前記薄切補助部材を前記スライドガラスから引
き剥がすことにより、前記薄切片のみを前記スライドガ
ラスに転写するようにしたものである。
【0014】〔6〕上記〔1〕乃至〔5〕のうちいずれ
か1項記載の薄切片の薄切片の作製方法において、前記
薄切片を前記薄切補助部材から前記スライドガラスへ転
写する工程において、前記薄切補助部材に密着固定した
前記薄切片を、前記スライドガラスに押しつけた後、前
記薄切補助部材を吸引して前記スライドガラスから引き
剥がすことにより、前記薄切片のみを前記スライドガラ
スに転写するようにしたものである。
【0015】〔7〕上記〔1〕乃至〔6〕のうちいずれ
か1項記載の薄切片の作製方法において、前記薄切補助
部材には薄いテープ状部材を用いるようにしたものであ
る。 〔8〕固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ
移動し、前記固形試料を切断し、薄切片を作製する装置
において、切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄
切補助部材を密着固定させる密着固定手段と、前記薄切
補助部材が密着固定した固形試料面を薄切し、前記薄切
補助部材と密着固定した薄切片を作製する切断手段と、
前記薄切片を薄切補助部材から前記スライドガラスに転
写し、このスライドガラスに転写した薄切片を作製する
転写手段とを設けるようにしたものである。
【0016】
〔9〕上記〔8〕記載の薄切片の作製装置
において、前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を用
い、前記密着固定手段として、固形試料を低温に冷却す
る冷却装置と、前記テープ状部材を繰り出す繰り出し装
置と、前記テープ状部材を固形試料面に押しつける押し
つけ装置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き取り装置
を備え、前記転写手段として、前記スライドガラスを低
温に冷却する冷却装置と、前記繰り出し装置と兼用され
る繰り出し装置と、前記押しつけ装置と兼用される押し
つけ装置と、前記巻き取り装置と兼用される巻き取り装
置とを設けるようにしたものである。
【0017】〔10〕上記〔8〕記載の薄切片の作製装
置において、前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を
用い、前記密着固定手段として、固形試料面に霧状の液
体を吹きつける霧状液体吹きつけ装置と、前記テープ状
部材を繰り出す繰り出し装置と、前記テープ状部材を固
形試料面に押しつける押しつけ装置と、前記テープ状部
材を巻き取る巻き取り装置を備え、前記転写手段とし
て、前記スライドガラスに霧状の液体を吹きつける霧状
液体吹きつけ装置と、前記繰り出し装置と兼用される繰
り出し装置と、前記押しつけ装置と兼用される押しつけ
装置と、前記巻き取り装置と兼用される巻き取り装置と
を設けるようにしたものである。
【0018】〔11〕上記〔8〕記載の薄接片の作製装
置において、前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を
用い、前記密着固定手段として、前記薄切補助部材と固
形試料面が引きつけあうように静電気力を作用させる静
電気発生装置と、前記テープ状部材を繰り出す繰り出し
装置と、前記テープ状部材を固形試料面に押しつける押
しつけ装置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き取り装
置を備え、前記転写手段として、前記薄切補助部材に密
着固定した前記薄切片のみが前記スライドガラスに転写
するように静電気を発生させる静電気発生装置と、前記
繰り出し装置と兼用される繰り出し装置と、前記押しつ
け装置と兼用される押しつけ装置と、前記巻き取り装置
と兼用される巻き取り装置とを設けるようにしたもので
ある。
【0019】〔12〕上記〔8〕記載の薄接片の作製装
置において、前記薄切補助部材には、少なくとも固形試
料面側に粘着剤を塗布した薄いテープ状部材を用い、前
記密着固定手段として、前記テープ状部材を繰り出す繰
り出し装置と、前記テープ状部材を固形試料面に押しつ
ける押しつけ装置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き
取り装置を備え、前記転写手段として、前記繰り出し装
置と兼用する繰り出し装置と、前記押しつけ装置と兼用
する押しつけ装置と、前記巻き取り装置と兼用する巻き
取り装置とを設けるようにしたものである。
【0020】〔13〕上記〔8〕乃至〔12〕のうちい
ずれか1項記載の薄切片の作製装置において、密着固定
手段及び転写手段の押しつけ装置は、前記薄切補助部材
を前記固形試料面に押しつける機能の他に前記薄切補助
部材を吸引し、前記スライドガラス面から前記薄切補助
部材だけを引き剥がす機能を備えるようにしたものであ
る。
【0021】〔14〕上記〔8〕乃至〔13〕のうちい
ずれか1項記載の薄切片の作製装置において、前記薄切
補助部材は薄い金属性ベルトを用いるようにしたもので
ある。上記のように構成したので、切断の際に薄切片に
生じる皺、縮み、破れなどの不具合及び切断後の薄切片
を取り出しスライドガラスに載せる際に生じる薄切片の
破れ等の不具合を抑え、熟練者でなくとも容易に安定し
た品質の薄切片の切り出しを行うことができる。
【0022】また、薄切片作製作業を自動化する上でも
作用効果は著大であり、顕微鏡観察などに用いられる試
料の作製効率の大幅な向上を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1
実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図、図
2はその組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図
である。これらの図に示すように、固形試料2を所望の
切断厚さに対応する量だけ送る試料送り装置3と、薄切
補助部材4を希望する量だけ繰り出す繰り出し装置5
と、薄切補助部材4を巻き取る巻き取り装置6と、繰り
出し装置5と巻き取り装置6の間に薄切補助部材4を挟
んで固形試料2に対向して位置する、薄切補助部材4を
固形試料2面に押しつける押しつけ装置7と、切断を行
うカッタナイフ1と、カッタナイフ1と連動して動作す
る顕微鏡用スライドガラス(以下、単にスライドガラス
という)10を備えたスライドガラスストッカ11で構
成される。押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9は転写
工程時に薄切補助部材4を引きつける必要がある場合に
は薄切補助部材4を引きつける機能を備える。
【0024】この装置において、希望する厚さに対応す
る送りを行う送り工程のための移動軸及び薄切りを行う
切断工程のための移動軸を固形試料2側に取り付ける
か、またはカッタナイフ1側に取り付けるかという相違
点はあるが、送り工程及び切断工程時のカッタナイフ1
と固形試料2の相対的な動きはどちらを移動させても同
じなので、今回は、送り工程では固形試料2(以下、試
料送り工程)を、切断工程ではカッタナイフ1を移動さ
せることにしている。
【0025】図3は本発明の第2実施例を示す組織観察
用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。この実施
例では、薄切補助部材4を固形試料2面に密着固定する
密着固定工程(及び転写工程)時に、固形試料2を低温
に冷却する冷却装置12を具備するものである。
【0026】装置のその他の構成部分に関しては、図2
に示すものと同様であり、図2と同じ符号を付して、そ
れらの説明は省略する。上記したように、転写工程時に
冷却装置12によりスライドガラスストッカ11内のス
ライドガラス10を低温に冷却しておくことにより、押
しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9で常温(室温)の薄
切補助部材4を固形試料2面に押しつけた際、スライド
ガラス10面上で凍結していた水分が溶融し、再度凍結
して密着固定する。その後、薄切補助部材4のみを引き
剥がすことにより薄切片のみをスライドガラス10に転
写することができる。
【0027】図4は本発明の第3実施例を示す組織観察
用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。この実施
例では、薄切補助部材4を固形試料2面に密着固定する
密着固定工程(及び転写工程)の前に、固形試料2面に
霧状の液体を吹きつける霧状液体吹きつけ装置13を具
備するものである。なお、霧状液体吹きつけ装置13は
Fの方向に回転する機構を有し、密着固定工程(及び転
写工程)時には、邪魔になるので、F−の方向に回転し
て退避位置にある。
【0028】装置のその他の構成部分に関しては、図2
に示すものと同様であり、図2と同じ符号を付して、そ
れらの説明は省略する。図4において、霧状液体吹きつ
け装置13は密着固定用のものであり、固形試料2の近
くに配備している。転写工程においても霧状液体吹きつ
け装置13を使用する場合、同装置をスライドガラス1
0付近に移動させるか、スライドガラス10付近にも同
じものを配備する。
【0029】上記したように、転写工程で、霧状液体吹
きつけ装置13によりスライドガラス10に霧状の液体
を吹きつけた後、押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9
で薄切補助部材4をスライドガラス10に押しつけ、密
着固定する。その後、薄切補助部材4のみを引き剥がす
ことにより薄切片のみをスライドガラス10に転写する
ことができる。
【0030】図5は本発明の第4実施例を示す組織観察
用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図、図6はその組織
観察用薄切片の作製装置の密着固定工程(及び転写工
程)の説明図であり、図6(a)はその第1工程(密着
前工程)、図6(b)はその第2工程(密着固定工程)
を示す。この実施例では、図5に示すように、薄切補助
部材4を固形試料2面に密着固定する密着固定工程(及
び転写工程)時に薄切補助部材4と固形試料2面間が引
きつけあうように静電気を作用させる静電気発生装置1
4を具備するものである。
【0031】密着固定工程時に静電気力を利用する場合
の静電気発生装置14の詳細構成を図6(a)及び図6
(b)に示す。すなわち、薄切補助部材4の構成が、絶
縁材料(電気抵抗率が大きい材料)21上に導電性部材
22を塗布もしくはコーティングしたものを用い、固形
試料2には、ある程度の導電性を有するものを用いる。
【0032】薄切補助部材4の導電性部材22に+もし
くは−の電圧を与え、固形試料2をアース(グランド、
0V電位)することで両者間に電位差を生じさせた後、
両者を近づけることにより、固形試料2の表面には導電
性部材22に与えた電荷と逆(導電性部材22に与えた
電圧が+なら−、導電性部材22に与えた電圧が−なら
+)の電荷が発生し、互いに引きつけあう機構になって
いる。図6(b)においては、薄切補助部材4の導電性
部材22に+もしくは−の電圧を与え、固形試料2をア
ースしたが、薄切補助部材4の導電性部材22をアース
し、固形試料2に+もしくは−の電圧を与えても同様の
効果を奏する。
【0033】上記したように、密着固定工程で、静電気
発生装置14により薄切補助部材4と固形試料2面間が
引きつけあうよう静電気を作用させた後、押しつけ装置
7の押しつけ用ヘッド9で薄切補助部材4を固形試料2
面に押しつけることにより、固形試料2面に薄切補助部
材4を密着固定することができる。なお、静電気の発生
方法は前述したとおり、薄切補助部材4と固形試料2面
間の電位差を利用する。
【0034】また、転写工程で静電気発生装置14によ
り薄切補助部材4に密着固定した薄切片を分離させ、か
つ薄切片とスライドガラス10が引きつけあうよう静電
気を作用させた後、押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド
9で薄切補助部材4をスライドガラス10に押しつけ、
その後、薄切補助部材4のみを引き剥がすことにより薄
切片のみをスライドガラス10に転写することができ
る。
【0035】なお、静電気の発生方法は前述した密着固
定工程と同様に、薄切片とスライドガラス表面間の電位
差を利用する。図7は本発明の第5実施例を示す組織観
察用薄切片の密着固定工程の説明図である。この実施例
では、導電性部材23上にスライドガラス10(絶縁材
料)を密着するようにセットする。そして、前記導電性
部材23をアースし、上記第4実施例と同様の2層構造
の薄切補助部材4の導電性部材22に密着固定工程時と
は逆の電圧を与えることにより薄切補助部材4と薄切片
18を分離させ、薄切片18をスライドガラス10に転
写できる機構になっている。
【0036】装置のその他の構成部分に関しては図6に
示すものと同様であり、図6と同じ符号を付して、それ
らの説明は省略する。図8は本発明の第6実施例を示す
組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図、図9は
その組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。この
実施例では、薄切補助部材4には、少なくとも固形試料
2面側に粘着剤を塗布した薄いテープ状部材15を用
い、薄切補助部材4を固形試料2面に密着固定する密着
固定工程時に薄切補助部材4を利用するものである。
【0037】装置のその他の構成部分については図2に
示すものと同様であり、図2と同じ符号を付して、それ
らの説明は省略する。この実施例において、薄切補助部
材4として使用する薄いテープ状部材に、図10に示す
ような裏紙16の付いた粘着テープを使用する場合は、
図9に示すような装置構成とし、裏紙巻き取り装置17
により、裏紙16を巻き取る。
【0038】次に、図2〜図8に示す実施例を用いて、
スライドガラスに密着固定された組織観察用薄切片を作
製するまでを、工程の順に説明する。まず、固形試料2
をB+の方向へ、希望する切断厚さに対応する量だけ送
る(試料送り工程:図示していないがBの方向のみに動
作可能な案内面とアクチュエータを具備する)。
【0039】次に,押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド
9(押しつけ用ヘッド9はゴム、スポンジ、ウレタン
等、弾性変形に富む材質が良い)をC+の方向へ移動さ
せ(密着固定工程:図示していないがCの方向のみに動
作可能な案内面とアクチュエータを具備する)薄切補助
部材4を固形試料2面に押しつけ、密着固定する。この
密着固定工程において、薄切補助部材4を押しつけ装置
7の押しつけ用ヘッド9で固形試料2面に押しつけただ
けでは密着固定することが困難な場合は、図3〜図8に
示す実施例の密着固定方法のいずれかを用い、固形試料
2面に薄切補助部材4を密着固定する。
【0040】また、薄切補助部材4に、図8に示すよう
な、固形試料面側に粘着剤を塗布した薄いテープ状部材
15を用い、密着固定工程時に押しつけ装置7の押しつ
け用ヘッド9で薄切補助部材4を固形試料2面に押しつ
けることにより、固形試料2面に薄切補助部材4を密着
固定することができる。なお、転写工程の説明の際詳し
く述べるが、スライドガラス10への転写を考慮に入
れ、薄切補助部材4である薄いテープ状部材15と粘着
剤は、比較的剥がれやすい密着強度としておく必要があ
る。
【0041】次に、図9に示すように、カッタナイフ1
をD+に示す方向に移動させ薄切りを行う(切断工程:
図示していないがDの方向のみに動作可能な案内面とア
クチュエータを具備する)。切断工程の際、押しつけ装
置7の押しつけ用ヘッド9は切断の障害となるため、密
着固定工程終了時にC−の方向へ移動し、密着固定工程
開始位置に戻す。
【0042】また、薄切補助部材4は送り工程、密着固
定工程、切断工程、転写工程の間中、常に巻き取り装置
6により弛まないように一定の力でD+の方向に引っ張
られている(密着面が固形試料2面に密着固定している
間、薄切補助部材4に動きはない)ため、カッタナイフ
1が固形試料2面の薄切りを終了すると同時に、D+の
方向に巻き取られる。
【0043】採用した密着固定工程により、薄切補助部
材4の固形試料2面の密着力に差があるため、採用した
密着固定方法によって、前記D+方向への引っ張り力は
最適になるよう調整する必要がある。切断工程終了後、
更にカッタナイフ1をD+の方向へ移動させると、カッ
タナイフ1の動きに連動してスライドガラス10を備え
たスライドガラスストッカ11が固形試料2面と押しつ
け装置7の間に位置する(図13参照)。この状態で押
しつけ装置7によりスライドガラス10を押しつけた
際、薄切補助部材4に密着固定した薄切片18がスライ
ドガラス10と押しつけ用ヘッド9の間に位置するよ
う、繰り出し装置5と巻き取り装置6を制御しながら、
押しつけ装置7により薄切補助部材4に密着固定した薄
切片18(図11〜図12参照)をスライドガラス10
に押しつける。そして、押しつけ用ヘッド9をC−の方
向へ移動させる。切断工程の説明の際にも述べたが、こ
のとき、薄切補助部材4は巻き取り装置6により弛まな
いように一定の力でD+の方向に引っ張られているた
め、薄切補助部材4のみを引き剥がし、スライドガラス
10上に薄切片18のみを密着固定したままにできる
(転写工程)。
【0044】転写工程に前記のような方式を用いると、
前述したように繰り出し装置5と巻き取り装置6の制御
が必要となる。そこで、前記繰り出し装置5と巻き取り
装置6の制御なしに転写を行うには、スライドガラスス
トッカ11を図14、図15に示すような位置に配備
し、以下の工程(a)〜(c)に示す方法で転写工程を
行えばよい。
【0045】(a)図2に示す装置構成のうち、スライ
ドガラスストッカ11をB−の方向に移動させ、次に、
図14に示すように、薄切片を転写するスライドガラス
10面と固形試料2面がBの方向に関して同位置となる
ように移動する。薄切り終了後、スライドガラスストッ
カ11が固形試料2位置に到達する前(固形試料2より
もD−の位置)にスライドガラスストッカ11(カッタ
ナイフ1と連動)を停止させ転写を行う。
【0046】この場合、切断工程後に転写装置(繰り出
し装置5、押しつけ装置7、巻き取り装置6)をD−の
方向に移動させることが必要なため、転写装置はDの方
向に移動可能でなければならない。 (b)図2に示す装置構成のうち、スライドガラススト
ッカ11をB−及びE+の方向に移動させ、次に、図1
5に示すように、薄切片を転写するスライドガラス10
面と固形試料2面がBの方向に関して同位置となるよう
に、かつスライドガラスストッカ11が固形試料2(試
料送り装置3を含む)よりもEの方向に関してE+の方
向に位置するようにする。
【0047】薄切り終了後、スライドガラスストッカ1
1がD+の方向に移動し、固形試料2位置に到達したら
(固形試料2よりもE+の位置)、スライドガラススト
ッカ11(カッタナイフ1と連動)を停止させ、転写を
行う。この場合、切断工程後に転写装置(繰り出し装置
5、押しつけ装置7、巻き取り装置6)をE+の方向に
移動させることが必要なため、転写装置はEの方向に移
動可能でなければならない。
【0048】(c)図2に示す装置構成のうち、スライ
ドガラスストッカ11をB−の方向に移動させ、次に、
図14に示すように、薄切片を転写するスライドガラス
10面と固形試料2面がBの方向に関して同位置となる
ようにする。薄切終了後、試料送り装置3(及び固形試
料2)をB−の方向に移動し、スライドガラスストッカ
11がDの方向に関して固形試料2と同じ位置に到達し
ても、固形試料2に接触しないようにし、スライドガラ
ス10への転写作業を行う。
【0049】薄切補助部材4を押しつけ装置7の押しつ
け用ヘッド9でスライドガラス10に押しつけただけで
は薄切片をスライドガラス10に転写することが困難な
場合は図3〜図8に示す実施例の転写方法のいずれかを
用い、スライドガラス10に薄切片のみを転写し、密着
固定する。本発明の第5実施例を採用した場合には、薄
切補助部材4に、図8に示すように、固形試料2面側に
粘着剤を塗布した薄いテープ状部材15を用いており、
密着固定工程で薄切補助部材4の粘着面に密着固定され
た薄切片18をスライドガラス10へ転写する転写工程
には、次に示す2通りの状況が考えられる。 (1)図11に示すように、薄切補助部材4と粘着剤2
0の密着強度よりも、薄切片18とスライドガラス10
の密着強度の方を大きくし、押しつけ装置7で薄切補助
部材4をスライドガラス10に押しつけ、密着固定す
る。その後、薄切補助部材4のみを引き剥がすことによ
り薄切片18のみをスライドガラス10に転写する。 (2)図12に示すように、粘着剤20が薄切片18を
覆うようにスライドガラス10に転写する。図12
(a)はその斜視図を、図12(b)は側面図を示して
いる。
【0050】上記(1)に示す例は、薄切補助部材4と
薄切片18に対する粘着剤20の接着力および薄切片1
8とスライドガラス10の接着力を調整することが困難
であるため、上記(2)に示す例となるよう転写を行う
ことが望ましい。また、どちらの場合もスライドガラス
10に転写した薄切片18上に粘着剤20が残る。スラ
イドガラス10上の薄切片18は最終的には組織観察を
行う上で不可欠の染色を施すため、粘着剤20には染色
の前工程で使用する薬品や有機溶媒等に溶融することが
要求される。
【0051】転写作業において薄切片18のみを薄切補
助部材4からスライドガラス10に上手く転写できない
場合、押しつけ用ヘッド9の薄切補助部材4を固形試料
2面に押しつける機能の他に、薄切補助部材4を吸引し
固形試料2面から引き剥がす機能を用い、薄切補助部材
18のみを吸引し、引き剥がし、薄切片18のみをスラ
イドガラス10上に密着固定したままにする。
【0052】このように転写工程を行い、転写工程終了
時には、薄切片18がスライドガラス10上に密着固定
されている状態となる。ここでカッタナイフ1及びスラ
イドガラスストッカ11はD−の方向へ移動し切断工程
開始位置に戻る。図8〜図12に示すような密着固定方
法、転写方法を採用した場合、薄切補助部材4の固形試
料2面側に塗布した粘着剤20は、粘着力が低下してし
まう。または、粘着剤20が薄切片18と一緒にスライ
ドガラス10上に転写してしまう(図11、図12参
照)という理由から、一度使用した粘着部分は再使用で
きない。従って、前記カッタナイフ1及びスライドガラ
スストッカ11が切断工程開始位置に移動する工程と同
時に、繰り出し装置5及び巻き取り装置6を制御し、次
の密着固定工程の際に新しい粘着部分が固形試料2面に
密着するよう薄切補助部材としての粘着テープを一定量
繰り出す。
【0053】図3、図4、図5に示す実施例は、図8〜
図12に示す実施例とは異なり前述のようにスライドガ
ラス10に密着固定した薄切片18を1枚作製する毎に
薄切補助部材4を移動させる必要はないが、同一部分を
何度も固形試料2面に密着固定させると密着力が低下し
たり、薄切りの際に薄切補助部材4に傷が生じ、薄切補
助部材4が切れやすくなったりするため、数回に1度は
図8〜図12に示す実施例と同様に繰り出し装置5と巻
き取り装置6を制御し、薄切補助部材4を移動させるこ
とが望ましい。
【0054】また、この薄切補助部材4に薄い金属製ベ
ルトを用いることで、前記した薄切りの際に薄切補助部
材4に傷が生じるのを抑えることができ、前述の薄切補
助部材4の移動頻度を、より少なくすることができる。
以上の工程を繰り返し行うことにより、図16に示すよ
うなスライドガラス10上に密着固定された組織観察用
の薄切片18が作製できる。
【0055】薄切片18を密着固定したスライドガラス
10はスライドガラスストッカ11から作業者が取り出
してもよいが、自動的に取り出す装置を取り付けたり、
自動的に排出される機構をスライドガラスストッカ11
に具備させれば、装置の自動化を図ることができる。ま
た、薄切補助部材4の例として、薄いテープ状部材15
の他に図17に示すような薄いラベル状部材19が挙げ
られる。図17に示すような薄いラベル状部材19を用
いた場合、繰り出し装置5や巻き取り装置6は必要なく
なるが、薄いテープ状部材15に比べ、密着固定工程や
転写工程時のハンドリングが困難となる。
【0056】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0057】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、次のような効果を奏することができる。 (A)切断工程の前に次に薄切片となる固形試料面に薄
切補助部材を密着固定し、その後切断することにより、
切断の際に薄切片に生じる皺、縮み、破れなどの不具合
の発生を抑え、熟練者でなくとも容易に安定した品質の
薄切片の切出しを行うことが可能である。また、薄切片
は切断工程前に接着した薄切補助部材と一体になってい
るため、薄切り時に破れにくいことはもちろん、スライ
ドガラスに転写終了まで薄切片のみで取り扱うことがな
いため、薄切片作製作業を自動化する上でも効果的な方
法となり、顕微鏡組織観察などに用いられる薄切片試料
の作製効率の向上を図ることができる。
【0058】(B)また、薄切片作製作業を自動化する
上でも作用効果は著大であり、顕微鏡観察などに用いら
れる試料の作製効率の大幅な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す組織観察用薄切片の
作製装置の構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す組織観察用薄切片の
作製装置の要部拡大斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す組織観察用薄切片の
作製装置の要部拡大斜視図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す組織観察用薄切片の
作製装置の要部拡大斜視図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す組織観察用薄切片の
作製装置の要部拡大斜視図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す組織観察用薄切片の
作製装置の密着固定工程の説明図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す組織観察用薄切片の
密着固定工程の説明図である。
【図8】本発明の第6実施例を示す組織観察用薄切片の
作製装置の要部拡大斜視図である。
【図9】本発明の第6実施例を示す組織観察用薄切片の
作製装置の構成図である。
【図10】薄切補助部材として使用する薄いテープ状部
材に裏紙の付いた粘着テープを使用する場合を示す斜視
図である。
【図11】スライドガラス上に密着固定された組織観察
用薄切片を示す斜視図である。
【図12】スライドガラス上に密着固定された組織観察
用薄切片を粘着剤が覆う場合を示す図である。
【図13】組織観察用薄切片をスライドガラス上に転写
する状態を示す斜視図である。
【図14】組織観察用薄切片をスライドガラス上に転写
する前の状態を示す斜視図(その1)である。
【図15】組織観察用薄切片をスライドガラス上に転写
する前の状態を示す斜視図(その2)である。
【図16】組織観察用薄切片をスライドガラス上に転写
した状態を示す斜視図である。
【図17】薄切補助部材の例として、薄いラベル状部材
を用いた例を示す図である。
【図18】従来の薄切片のハンドリング工程を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 カッタナイフ 2 固形試料 3 試料送り装置 4 薄切補助部材 5 繰り出し装置 6 巻き取り装置 7 押しつけ装置 9 押しつけ用ヘッド 10 顕微鏡用スライドガラス 11 スライドガラスストッカ 12 冷却装置 13 霧状液体吹きつけ装置 14 静電気発生装置 15 薄いテープ状部材 16 裏紙 17 裏紙巻き取り装置 18 薄切片 19 ラベル状部材 20 粘着剤 21 絶縁材料 22,23 導電性部材
フロントページの続き (72)発明者 工藤 謙一 東京都豊島区巣鴨5−15−16 (72)発明者 小久保 光典 静岡県三島市清住町8−22 東芝アパート 233

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形試料を所定の薄切片の厚さに対応す
    る量だけ移動し、カッタナイフによって前記固形試料を
    切断し、薄切片を作製する方法において、(a)前記固
    形試料の切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切
    補助部材を密着固定させる工程と、(b)前記固形試料
    の切断を行い、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片
    を作製する工程と、(c)前記薄切片を前記薄切補助部
    材から顕微鏡用スライドガラスに転写し、該スライドガ
    ラスに密着固定した薄切片を作製する工程とを施すこと
    を特徴とする薄切片の作製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄切片の作製方法におい
    て、 前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工程におい
    て、前記固形試料面又は薄切補助部材のいずれか一方を
    低温にし、前記固形試料に前記薄切補助部材を押しつけ
    ることにより、前記固形試料面と薄切補助部材を密着固
    定し、 前記薄切片を前記薄切補助部材から前記スライドガラス
    へ転写する工程において、前記スライドガラス又は前記
    薄切片のいずれか一方を低温に冷却し、前記薄切片を前
    記スライドガラスに押しつけることにより、前記薄切補
    助部材のみを前記スライドガラスから引き剥がし、前記
    薄切片のみを前記スライドガラスに転写するようにした
    ことを特徴とする薄切片の作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の薄切片の作製方法におい
    て、 前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工程におい
    て、前記固形試料面又は薄切補助部材のうち少なくとも
    一方に霧状の液体を吹きつけた後、前記固形試料面に前
    記薄切補助部材を押しつけることにより、前記固形試料
    面と薄切補助部材を密着固定し、 前記薄切片を前記薄切補助部材からスライドガラスへ転
    写する工程において、前記スライドガラス又は薄切片の
    うち少なくとも一方に霧状の液体を吹きつけた後、前記
    薄切片を前記スライドガラスに押しつけることにより、
    前記薄切補助部材のみを前記スライドガラスから引き剥
    がし、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写する
    ようにしたことを特徴とする薄切片の作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の薄切片の作製方法におい
    て、 前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工程におい
    て、前記薄切補助部材と固形試料面が引き付けあうよう
    に静電気力を作用させ、前記薄切補助部材を前記固形試
    料面に押し付けることにより、前記固形試料面と薄切補
    助部材を密着固定し、 前記薄切片を前記薄切補助部材から前記スライドガラス
    へ転写する工程において、前記薄切補助部材に密着固定
    した前記薄切片のみが前記スライドガラスに密着固定す
    るように静電気力を作用させた後、押し付け、その後、
    前記薄切補助部材のみを前記スライドガラスから引き剥
    がし、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写する
    ようにしたことを特徴とする薄切片の作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の薄切片の作製方法におい
    て、 前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工程におい
    て、前記薄切補助部材に、少なくとも片面に粘着剤を塗
    布したものを用い、前記薄切補助部材の粘着剤を塗布し
    た面を前記固形試料面に押しつけることにより、前記固
    形試料面と前記薄切補助部材を密着固定し、 前記薄切片を前記薄切補助部材から前記スライドガラス
    へ転写する工程において、前記薄切補助部材に密着固定
    した前記薄切片を、前記スライドガラスに押しつけた
    後、前記薄切補助部材を前記スライドガラスから引き剥
    がすことにより、前記薄切片のみを前記スライドガラス
    に転写するようにしたことを特徴とする薄切片の作製方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のうちいずれか1項記載
    の薄切片の作製方法において、前記薄切片を前記薄切補
    助部材から前記スライドガラスへ転写する工程におい
    て、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片を、前
    記スライドガラスに押しつけた後、前記薄切補助部材を
    吸引して前記スライドガラスから引き剥がすことによ
    り、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写するよ
    うにしたことを特徴とする薄切片の作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のうちいずれか1項記載
    の薄切片の作製方法において、前記薄切補助部材には薄
    いテープ状部材を用いることを特徴とする薄切片の作製
    方法。
  8. 【請求項8】 固形試料を所定の薄切片の厚さに対応す
    る量だけ移動し、前記固形試料を切断し、薄切片を作製
    する装置において、(a)切断工程の前に薄切片となる
    固形試料面に薄切補助部材を密着固定させる密着固定手
    段と、(b)前記薄切補助部材が密着固定した固形試料
    面を薄切し、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を
    作製する切断手段と、(c)前記薄切片を前記薄切補助
    部材からスライドガラスに転写し、該スライドガラスに
    転写した薄切片を作製する転写手段とを具備することを
    特徴とする薄切片の作製装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の薄切片の作製装置におい
    て、前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を用い、前
    記密着固定手段として、固形試料を低温に冷却する冷却
    装置と、前記テープ状部材を繰り出す繰り出し装置と、
    前記テープ状部材を固形試料面に押しつける押しつけ装
    置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き取り装置を備
    え、前記転写手段として、前記スライドガラスを低温に
    冷却する冷却装置と、前記繰り出し装置と兼用される繰
    り出し装置と、前記押しつけ装置と兼用される押しつけ
    装置と、前記巻き取り装置と兼用される巻き取り装置と
    を具備することを特徴とする薄切片の作製装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の薄切片の作製装置にお
    いて、前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を用い、
    前記密着固定手段として、固形試料面に霧状の液体を吹
    きつける霧状液体吹きつけ装置と、前記テープ状部材を
    繰り出す繰り出し装置と、前記テープ状部材を固形試料
    面に押しつける押しつけ装置と、前記テープ状部材を巻
    き取る巻き取り装置を備え、前記転写手段として、前記
    スライドガラスに霧状の液体を吹きつける霧状液体吹き
    つけ装置と、前記繰り出し装置と兼用される繰り出し装
    置と、前記押しつけ装置と兼用される押しつけ装置と、
    前記巻き取り装置と兼用される巻き取り装置とを具備す
    ることを特徴とする薄切片の作製装置。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の薄接片の作製装置にお
    いて、前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を用い、
    前記密着固定手段として、前記薄切補助部材と固形試料
    面が引きつけあうように静電気力を作用させる静電気発
    生装置と、前記テープ状部材を繰り出す繰り出し装置
    と、前記テープ状部材を固形試料面に押しつける押しつ
    け装置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き取り装置を
    備え、前記転写手段として、前記薄切補助部材に密着固
    定した前記薄切片のみが前記スライドガラスに転写する
    ように静電気を発生させる静電気発生装置と、前記繰り
    出し装置と兼用される繰り出し装置と、前記押しつけ装
    置と兼用される押しつけ装置と、前記巻き取り装置と兼
    用される巻き取り装置とを具備することを特徴とする薄
    切片の作製装置。
  12. 【請求項12】 請求項8記載の薄接片の作製装置にお
    いて、前記薄切補助部材には、少なくとも固形試料面側
    に粘着剤を塗布した薄いテープ状部材を用い、前記密着
    固定手段として、前記テープ状部材を繰り出す繰り出し
    装置と、前記テープ状部材を固形試料面に押しつける押
    しつけ装置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き取り装
    置を備え、前記転写手段として、前記繰り出し装置と兼
    用する繰り出し装置と、前記押しつけ装置と兼用する押
    しつけ装置と、前記巻き取り装置と兼用する巻き取り装
    置とを具備することを特徴とする薄切片の作製装置。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至12のうちいずれか1項
    記載の薄切片の作製装置において、密着固定手段及び転
    写手段の押しつけ装置は、前記薄切補助部材を前記固形
    試料面に押しつける機能の他に前記薄切補助部材を吸引
    し、前記スライドガラス面から前記薄切補助部材だけを
    引き剥がす機能を有することを特徴とする薄切片の作製
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至13のうちいずれか1項
    記載の薄切片の作製装置において、前記薄切補助部材は
    薄い金属性ベルトを用いることを特徴とする薄切片の作
    製装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007171160A (ja) * 2005-11-28 2007-07-05 Tadafumi Kawamoto 生物組織薄切片作製法及び粘着性プラスチックフィルム
JP2009168809A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Leica Biosystems Nussloch Gmbh ミクロトームによる組織切片の作成方法及び装置

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JP2007171160A (ja) * 2005-11-28 2007-07-05 Tadafumi Kawamoto 生物組織薄切片作製法及び粘着性プラスチックフィルム
JP2009168809A (ja) * 2008-01-10 2009-07-30 Leica Biosystems Nussloch Gmbh ミクロトームによる組織切片の作成方法及び装置

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