JP3980137B2 - 薄切片作製方法及びそのための装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、理科学試料分析や生体試料の顕微鏡観察等の医療分析において用いられるミクロトーム(固形試料又はカッタナイフを希望切断厚さに対応する量だけ移動させた後、カッタナイフによって、固形試料を切断し、薄切片を作製する装置)に係り、切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定した後、薄切を行い、薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製し、その後、前記薄切片を前記薄切補助部材から顕微鏡用スライドガラスに転写し、スライドガラスに密着固定した組織観察用薄切片を作製する方法及びそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄切片の作製(切り出し)作業は、ミクロトームを用い作業者(人間)が行っている。固形試料には主として生体試料をパラフィン、包埋したものが用いられ、これを薄切し、薄切片を作製する。この薄切片作製工程において、重要かつ、困難な作業として、切断中及び切断工程終了後の薄切片のハンドリングがある。
【0003】
以下、そのハンドリングについて、図5を参照しながら説明する。
(1)まず、図5(a)に示すように、送り工程が終了した後の切断工程でカッタナイフ101をA方向へ送り、検体を包埋した固形試料102の薄切を開始する。
(2)次に、図5(b)に示すように、作業者は片手でカッタナイフ101を移動させつつ、もう一方の手でこの時生成される薄切片104の切れ始めに、水分を含ませた非常に細い筆などの治具(他に紙製の小さい短冊に水分を含ませたものや、先端を鋭利に削った木製の鉛筆状の治具などが使用される)103の先端部を接触させる。
【0004】
(3)そのままカッタナイフ101を移動させる速度と同じ速度で薄切片104に接触させた治具103を動かしながら切断を終了させることにより、図5(c)に示すように、切断終了時には一端が治具103に接触した状態の薄切片104を取り出すことができる。
そして、取り出した薄切片104をガラス製のスライドガラス(図示なし)に載せる(一般的には取り出した薄切片のしわや縮みを伸ばす目的で、一度水面に浮かべた後スライドガラスですくい取るのであるが、どちらにしろ薄切片を、ある定まった場所へ移動させる工程が存在することに変わりはない)。
【0005】
このような困難な作業を省くために、以下に示すような方式が提案されている。
(1)被薄切(観察)対象である検体を包埋材で包埋した固形試料またはカッタナイフを、希望する薄切片の厚さに対応する量だけ移動させ(送り工程)、
(2)前記固形試料面と前記薄切補助部材を密着固定させ(密着固定工程)、
(3)前記カッタナイフによって、前記固形試料を薄切し(薄切工程)、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製し、
(4)その後、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみを顕微鏡用スライドガラス(以後、スライドガラスという)表面に密着固定させ、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写し(転写工程)、スライドガラス上に密着固定した薄切片を作製する。
【0006】
前記(1)〜(4)工程を有する薄切片作製方法が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の薄切片の作製工程においては、以下のような問題点を有する。
従来の薄切片の作製工程において、ステッピングモータを回転させることにより(トルクモータにより張力を発生させながら)、薄切工程で絶縁テープ上に切り出された薄切片を密着固定位置(薄切位置)から転写位置に移動させる。
【0008】
1枚の薄切片試料を作製した時点で、再度ステッピングモータを制御し、絶縁テープの同じ位置が密着固定位置(薄切位置)となるように、絶縁テープを巻き戻す作業を行うことにより、絶縁テープの必要最小限の長さを決定することができる。しかし、絶縁テープの同じ箇所で密着固定、薄切、転写を行うため絶縁テープの一部が傷つきやすく、また、ゴミ・埃等が付着しやすくもあり、結果として、密着固定能力が低下し易くなる。
【0009】
前記必要最小限の長さの絶縁テープを使用している場合は、前述のように密着固定能力が低下した時点で、前記絶縁テープを交換しなければならない。また、比較的長いロール状に巻いた絶縁テープを使用し、前記絶縁テープの同じ位置が密着固定位置(薄切位置)となるように、絶縁テープを巻き戻す作業を行わなければ固形試料面に密着固定させる部分は常に変化するが、非常に多くの絶縁テープが必要となる。
【0010】
本発明は、上記問題点を除去し、絶縁テープの異なった箇所で密着固定、薄切、転写を行うようになし、絶縁テープの一部が傷ついたり、また、ゴミ・埃等が付着することがなく、密着固定能力が保証される薄切片作製方法及びそのための装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
(1)被薄切対象である検体を包埋材で包埋した固形試料またはカッタナイフを、希望する薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、前記固形試料の薄切片となる面に薄切補助部材を密着固定させる密着固定工程と、前記カッタナイフによって前記固形試料を薄切する薄切工程と、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製し、その後、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみを顕微鏡用スライドガラス表面に密着固定させる転写工程とを有し、このスライドガラス上に密着固定した薄切片を作製する薄切片作製方法において、ロール状に巻いた薄切補助部材としての絶縁テープの送出量が可変であるステッピングモータにより、前記絶縁テープの送出量を前記工程毎に変えて送り出し、この送り出された絶縁テープをトルクモータにより一定張力で巻き取り、前記絶縁テープの固形試料面に前記薄切片を密着固定させる部分が適時変わるように搬送し、前記薄切片と前記絶縁テープを静電気により密着固定させた後、この薄切片が多面を有する回転型スライドガラスホルダの一面にセットされるスライドガラスに対向する位置にくるように前記絶縁テープを送り出し、第1の帯電装置により前記スライドガラスの表面に前記薄切片と異なる極性の電荷(−)を供給して前記スライドガラスの表面を帯電させた後、前記回転型スライドガラスホルダを回転させ、前記薄切片が密着固定された絶縁テープの薄切片の反対側に第2の帯電装置により電荷(+)を供給し、帯電させた後、さらに前記回転型スライドガラスホルダを回転させ、前記絶縁テープのみをスライドガラスから引き剥がし、前記薄切片を前記絶縁テープから前記スライドガラスに転写するようにしたことを特徴とする。
【0012】
(2)被薄切対象である検体を包埋材で包埋した固形試料またはカッタナイフを、希望する薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、前記固形試料の薄切片となる面に薄切補助部材を密着固定させる密着固定工程と、前記カッタナイフによって前記固形試料を薄切する薄切工程と、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製し、その後、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみを顕微鏡用スライドガラス表面に密着固定させる転写工程とを有し、このスライドガラス上に密着固定した薄切片を作製する薄切片作製装置において、ロール状に巻いた薄切補助部材としての絶縁テープの送出量が可変であるステッピングモータにより、前記絶縁テープの送出量を前記工程毎に変えて送り出す手段と、この送り出された絶縁テープをトルクモータにより一定張力で巻き取る手段と、前記絶縁テープの固形試料面に前記薄切片を密着固定させる部分が適時変わるように搬送する手段と、前記薄切片と前記絶縁テープを静電気により密着固定させた後、この薄切片が多面を有する回転型スライドガラスホルダの一面にセットされるスライドガラスに対向する位置にくるように前記絶縁テープを送り出し、第1の帯電装置により前記スライドガラスの表面に前記薄切片と異なる極性の電荷(−)を供給して前記スライドガラスの表面を帯電させた後、前記回転型スライドガラスホルダを回転させ、前記薄切片が密着固定された絶縁テープの薄切片の反対側に第2の帯電装置により電荷(+)を供給し、帯電させた後、さらに前記回転型スライドガラスホルダを回転させ、前記絶縁テープのみをスライドガラスから引き剥がし、前記薄切片を前記絶縁テープから前記スライドガラスに転写する転写手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す薄切片作製方法の説明図(その1)、図2はその薄切片作製方法の説明図(その2)、図3はその薄切片作製方法の説明図(その3)、図4はその薄切片作製方法の説明図(その4)である。
【0014】
これらの図において、1はカッタナイフ、2は固形試料、4は薄切片、5は薄切補助部材(絶縁テープ)、6は薄切補助部材のガイド、7は帯電装置(固形試料面帯電用電極)、8は第1の帯電装置(薄切補助部材帯電用電極)、9は帯電装置(スライドガラス帯電用電極)、10は第2の帯電装置(薄切補助部材帯電用電極)、11は薄切補助部材(絶縁テープ)の送り出し装置としてのステッピングモータであり、特に、薄切補助部材(絶縁テープ)の送出量(長さ)が一定でない送り出し装置としてのステッピングモータ、12は薄切補助部材(絶縁テープ)に一定の張力を与える(Fに示す方向)張力発生装置としてのトルクモータ、13は試料送り用のアクチュエータ、14はスライドガラス、15はスライドガラスホルダ、16は固形試料の薄切片となる面(固形試料面)である。
【0015】
ここで、密着固定工程で固形試料面16と薄切補助部材5を密着固定させる方法及び転写工程で薄切補助部材5からスライドガラス14に薄切片4を転写する方法に関しては特に問わないが、ここでは静電気を利用した方法を例に挙げて説明する。
図2において、固形試料2は、Y方向のみに移動可能なガイド(図示なし)に拘束され、試料送り用のアクチュエータ13によりY方向への移動が可能である。カッタナイフ1、帯電装置(固形試料面帯電用電極)7、第1の帯電装置(薄切補助部材帯電用電極)8及び薄切補助部材用のガイド6は、X方向のみに移動可能な同一のベース(図示なし)上に載っている。
【0016】
また、固形試料2と対向する位置に薄切補助部材(絶縁テープ)5、この絶縁テープ5に一定の張力を与える張力発生装置としてトルクモータ12(Fに示す方向)、絶縁テープ5の送り出し装置としてステッピングモータ11(E+に示す方向に回転することにより絶縁テープを送り出す)を配備し、加えて、スライドガラス14を保持するスライドガラスホルダ15、帯電装置9(スライドガラス帯電用電極)、帯電装置10(第2の薄切補助部材帯電用電極)を具備する。
【0017】
次に、本発明の実施例の薄切片作製方法を図1乃至図4を参照しながら工程の順に説明する。
(1)まず、図1に示すように、X軸方向に移動可能な同一ベース(図示なし)上に固定されたカッタナイフ1とガイド6、帯電装置7、帯電装置8を配置し、固形試料2の薄切片4となる面16へ、対向する場所に位置する帯電装置7によって正もしくは負の電荷を供給し(付着させ)、帯電させる〔極性は正、負どちらでも構わないがここでは正(+)に帯電させることとする〕。
【0018】
(2)次に、同一ベース(図示なし)上に固定されたカッタナイフ1とガイド6、帯電装置7、第1の帯電装置8を、図2に示す位置へ移動(X−方向)する。
(3)次に、固形試料2を希望する薄切厚さに対応する量だけY+方向に移動し〔送り工程〕、密着固定工程に備える。
【0019】
(4)固形試料2と対向する場所に薄切補助部材となる絶縁テープ5を挟んで位置する第1の帯電装置8により、絶縁テープ5の前記固形試料面16と反対側に、すでに帯電させてある固形試料面16と異なる極性の電荷(−)を供給し(付着させ)、帯電させることにより、前記固形試料面16と前記絶縁テープ5を密着固定させる(密着固定工程)。
【0020】
(5)次に、カッタナイフ1をX+の方向に移動させ固形試料2を薄切する。固形試料2には前記(1)〜(4)の工程において絶縁テープ5が密着固定しているため、図3に示すように、薄切された薄切片4を絶縁テープ5上に取り出すことができる〔薄切工程〕。
その後、絶縁テープ5上の薄切片4がスライドガラス14bに対向する位置にくるように、前記ステッピングモータ11により絶縁テープ5を送り出す。
【0021】
(6)次に、帯電装置9によりスライドガラス14aの表面に、薄切片4と異なる極性の電荷(−)を供給し(付着させ)、帯電させた後、図4に示すように、スライドガラスホルダ15をBの方向に回転させ、転写工程に備える。なお、本工程を、前記(5)の工程と同時に行うことにより、薄切片作製のサイクルタイムを短縮し、高能率化を図ることができる。
【0022】
(7)次に、第2の帯電装置10により、薄切片4が密着固定された絶縁テープ5の薄切片4と反対側に前記密着固定工程において固形試料面16に供給したものと同じ極性に電荷(+)を供給し、帯電させた後、スライドガラスホルダ15をさらにBの方向に回転させることにより、絶縁テープ5のみをスライドガラス14から引き剥がし、前記薄切片4を前記絶縁テープ5から前記スライドガラス14に転写することができる(転写工程)。
【0023】
なお、前記(4)の工程で述べた第1の帯電装置8による電荷供給時にCに示す方向に絶縁テープを小さな力で固形試料面に押し付けると、密着固定の確実性が向上する。同じように(7)の工程で述べた第2の帯電装置10による電荷供給時にDに示すように絶縁テープを小さなスライドガラス14面に押し付けると転写の確実性が向上する。
【0024】
また、印加電圧の極性を変更可能な帯電装置を使用し、かつ、図2に示すZ+方向(紙面に向かって手前方向)、もしくはZ−方向(紙面奥行き方向)に帯電装置の移動機構を設ければ、前記帯電装置7と前記第1の帯電装置8の2つの帯電装置を1つの帯電装置に変更することも可能であり、同じように帯電装置9と第2の帯電装置10の2つの帯電装置を1つの帯電装置に変更することも可能である。
【0025】
しかし、前述のような帯電装置の移動機構が必要であり、加えて印加電圧の極性を変更可能な帯電装置を使用しなければならないため装置及び制御が複雑になる(印加電圧の極性を変更することは技術的に困難ではないが、前述のように極性変更の頻度が多いと、帯電装置の寿命の面から考えると現状ではあまりよい方法とはいえない)。
【0026】
上記したように、絶縁テープ5は絶縁テープ5に一定の張力を与えるトルクモータ12から絶縁テープ用ガイド6を経て絶縁テープ5の送り出し装置のステッピングモータ11に至る長さを有するものならば使用可能である。しかし、前記長さのものの場合、密着工程時に固形試料面16に張り付ける箇所が常に一定となる。そうすると、前記絶縁テープ5の一定の箇所は薄切工程時及び転写工程においても使用されるため、絶縁テープ5が傷ついたり、ゴミ・埃等が付着しやすく、使用頻度が多くなると、密着固定能力が低下し、前述の薄切片作製がうまく行われないという結果が生じる。
【0027】
そのためには使用頻度が多くなり、絶縁テープ5の密着固定能力が低下した時点で、前記絶縁テープ5を交換すればよいのだが、薄切補助部材に前記長さの数倍の長さのものをロール状に巻いた絶縁テープ5を用い、前記絶縁テープ5の固形試料面16に密着固定させる部分が適時変わるように、前記ロール状の絶縁テープ5を送り出し用ステッピングモータ11を用いて送ると、前述の不具合点を解消することができる。なお、前記送りは毎回少しずつ移動させてもよいし、数回の薄切片試料作製後、移動させてもよい。また送り方向に関しても、E+方向もしくはE−方向のどちらでも構わない。
【0028】
上記のように、この実施例では、薄切片の切り出しに用いる絶縁テープの送りを工夫した。
つまり、前記絶縁テープ固形試料面に密着固定させる部分が適時変わるように前記ロール状の絶縁テープを送ることにより、絶縁テープ交換の手間を省くとともに、効率よく絶縁テープを使用することができる。この絶縁テープは基本的に使い捨てであるため、絶縁テープの消費量を最小限に抑えることで、薄切片試料を1枚作製するのに要するコストを抑えることができる。
【0029】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0030】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、
(A)絶縁テープの固形試料面に密着固定させる部分が適時変わるように前記ロール状の絶縁テープを送ることにより、絶縁テープ交換の手間を省くとともに、効率よく絶縁テープを使用することができる。
【0031】
(B)絶縁テープ固形試料面に密着固定させる部分が適時変わるように前記ロール状の絶縁テープを送ることにより、絶縁テープ交換の手間を省くとともに、効率よく絶縁テープを使用することができる。この絶縁テープは基本的に使い捨てであるため、絶縁テープの消費量を最小限に抑えることで、薄切片試料を1枚作製するのに要するコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す薄切片作製方法の説明図(その1)である。
【図2】本発明の実施例を示す薄切片作製方法の説明図(その2)である。
【図3】本発明の実施例を示す薄切片作製方法の説明図(その3)である。
【図4】本発明の実施例を示す薄切片作製方法の説明図(その4)である。
【図5】従来の薄切片作製方法の説明図である。
【符号の説明】
1 カッタナイフ
2 固形試料
4 薄切片
5 薄切補助部材(絶縁テープ)
6 薄切補助部材のガイド
7 帯電装置(固形試料面帯電用電極)
8 第1の帯電装置(薄切補助部材帯電用電極)
9 帯電装置(スライドガラス帯電用電極)
10 第2の帯電装置(薄切補助部材帯電用電極)
11 薄切補助部材(絶縁テープ)の送出量が一定でない送り出し装置(ステッピングモータ)
12 薄切補助部材(絶縁テープ)に一定の張力を与える張力発生装置(トルクモータ)
13 試料送り用のアクチュエータ
14,14a,14b スライドガラス
15 スライドガラスホルダ
16 固形試料面(固形試料の薄切片となる面)
Claims (2)
- 被薄切対象である検体を包埋材で包埋した固形試料またはカッタナイフを、希望する薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、前記固形試料の薄切片となる面に薄切補助部材を密着固定させる密着固定工程と、前記カッタナイフによって前記固形試料を薄切する薄切工程と、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製し、その後、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみを顕微鏡用スライドガラス表面に密着固定させる転写工程とを有し、該スライドガラス上に密着固定した薄切片を作製する薄切片作製方法において、
(a)ロール状に巻いた薄切補助部材としての絶縁テープの送出量が可変であるステッピングモータにより、前記絶縁テープの送出量を前記工程毎に変えて送り出し、
(b)該送り出された絶縁テープをトルクモータにより一定張力で巻き取り、
(c)前記絶縁テープの固形試料面に前記薄切片を密着固定させる部分が適時変わるように搬送し、
(d)前記薄切片と前記絶縁テープを静電気により密着固定させた後、該薄切片が多面を有する回転型スライドガラスホルダの一面にセットされるスライドガラスに対向する位置にくるように前記絶縁テープを送り出し、第1の帯電装置により前記スライドガラスの表面に前記薄切片と異なる極性の電荷(−)を供給して前記スライドガラスの表面を帯電させた後、前記回転型スライドガラスホルダを回転させ、前記薄切片が密着固定された絶縁テープの薄切片の反対側に第2の帯電装置により電荷(+)を供給し、帯電させた後、さらに前記回転型スライドガラスホルダを回転させ、前記絶縁テープのみをスライドガラスから引き剥がし、前記薄切片を前記絶縁テープから前記スライドガラスに転写するようにしたことを特徴とする薄切片作製方法。 - 被薄切対象である検体を包埋材で包埋した固形試料またはカッタナイフを、希望する薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、前記固形試料の薄切片となる面に薄切補助部材を密着固定させる密着固定工程と、前記カッタナイフによって前記固形試料を薄切する薄切工程と、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製し、その後、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみを顕微鏡用スライドガラス表面に密着固定させる転写工程とを有し、該スライドガラス上に密着固定した薄切片を作製する薄切片作製装置において、
(a)ロール状に巻いた薄切補助部材としての絶縁テープの送出量が可変であるステッピングモータにより、前記絶縁テープの送出量を前記工程毎に変えて送り出す手段と、
(b)該送り出された絶縁テープをトルクモータにより一定張力で巻き取る手段と、
(c)前記絶縁テープの固形試料面に前記薄切片を密着固定させる部分が適時変わるように搬送する手段と、
(d)前記薄切片と前記絶縁テープを静電気により密着固定させた後、該薄切片が多面を有する回転型スライドガラスホルダの一面にセットされるスライドガラスに対向する位置にくるように前記絶縁テープを送り出し、第1の帯電装置により前記スライドガラスの表面に前記薄切片と異なる極性の電荷(−)を供給して前記スライドガラスの表面を帯電させた後、前記回転型スライドガラスホルダを回転させ、前記薄切片が密着固定された絶縁テープの薄切片の反対側に第2の帯電装置により電荷(+)を供給し、帯電させた後、さらに前記回転型スライドガラスホルダを回転させ、前記絶縁テープのみをスライドガラスから引き剥がし、前記薄切片を前記絶縁テープから前記スライドガラスに転写する転写手段とを具備することを特徴とする薄切片作製装置。
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- 1997-11-07 JP JP30511497A patent/JP3980137B2/ja not_active Expired - Lifetime
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