JP3634917B2 - 粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製方法およびそのための装置 - Google Patents

粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製方法およびそのための装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、理科学試料分析や生体試料の顕微鏡観察などの医療分析において用いられるミクロトーム(固形試料または切断刃を希望切断厚さに対応する量だけ移動させた後、切断刃によって固形試料を切断し薄切片を作製する装置)に係わるもので、特に粘着テープを固形試料表面に接着した後、固形試料を希望する厚さに薄切し、粘着テープに接着固定された組織観察用の薄切片を作製する方法およびそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄切片の作製(切り出し)作業は、ミクロトームを用い作業者が行っている。固形試料には主として生体試料をパラフィン包埋したものが用いられ、これを切断し薄切片を作製する。この薄切片作製工程において、切断中および切断工程終了後の薄切片のハンドリングが重要かつ困難な作業とされているが、この作業は粘着テープを固形試料表面に接着した後、固形試料を希望する厚さに薄切し、粘着テープに接着固定された組織観察用の薄切片を作製するという方法によって比較的容易に行うことができる。
【0003】
図9は組織観察用薄切片の作製装置の構成図、図10は粘着テープが巻き取られている状態を示す斜視図、図11は組織観察用薄切片が粘着テープとともに巻き取られている状態を示す図である。
【0004】
これらの図に示すように、従来の組織観察用薄切片の作製装置は、固形試料2を希望する切断厚さに対応する量だけ送る試料送り装置3と、巻き取った状態の粘着テープ4を希望する量だけ繰り出す粘着テープ繰り出し装置5と、最終的に薄切片が接着固定された状態の粘着テープ4を巻き取る粘着テープ巻き取り装置6と、粘着テープ繰り出し装置5と粘着テープ巻き取り装置6の間に粘着テープ4を挟んで固形試料2に対向して位置する、粘着テープ4を固形試料2表面に押し付ける粘着テープ押し付け装置7と、切断を行う薄切用カッタナイフ1で構成される。
【0005】
以下、従来の粘着テープを使用した組織観察用薄切片の作製方法を図9〜図11を用いて説明する。
【0006】
(1)固形試料2をA+の方向へ希望する切断厚さに対応する量だけ送る(試料送り工程:図示していないが、Aの方向のみに動作可能な案内面とアクチュエータを具備する)。
【0007】
(2)粘着テープ押し付け装置7の押し付け用ヘッド9(押し付け用ヘッド9はゴム、スポンジ、ウレタン等、弾性変形に富む材料が良い)を、B+の方向へ移動させ(押し付け工程:図示していないが、Bの方向のみに動作可能な案内面とアクチュエータを具備する)、粘着テープ4の接着面14を固形試料2表面に押し付ける。
【0008】
(3)薄切用カッタナイフ1をC+の方向に移動させ薄切を行う(切断工程:図示していないが、Cの方向のみに動作可能な案内面とアクチュエータを具備する)。
【0009】
(4)粘着テープ繰り出し装置5により粘着テープ4を一定量繰り出し、図10に示すように裏紙12の付いた粘着テープ4を使用する場合は、裏紙巻き取り装置13により、粘着テープ繰り出しと同時に裏紙12を巻き取る。同時に粘着テープ巻き取り装置6により粘着テープ4を巻き取り、粘着テープ4が弛まないようにする。
【0010】
粘着テープ4を巻き取る際、粘着テープ4に接着固定された薄切片を保護するため、また薄切片の接着していない接着面14がテープ背面に接着してしまうことを防止する理由で、カバーフィルム15を粘着テープ4の薄切片が接着固定された面側にセットして一緒に巻き取り、次の試料送り工程に備える。また、この工程と同時に、薄切用カッタナイフ1はC−の方向に移動し、切断工程開始位置に戻る。なお、図9において、17は薄切開始位置、18は薄切終了位置である。
【0011】
以上の(1)〜(4)の工程を繰り返し行うことにより、図11に示すような粘着テープ4に接着固定された組織観察用薄切片16を作製することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の粘着テープを使用した組織観察用薄切片の作製方法では、次のような問題点がある。
【0013】
使用する粘着テープには、少なくとも片面全面に固形試料表面に接着するための接着剤を塗布した接着面を有するものを用いることが一般的である。しかし、このような粘着テープを使用した場合、切断工程の際、固形試料表面に接着していない粘着テープ接着面が、薄切用カッタナイフの粘着テープ側面の刃先近傍に接着してしまい、結果として粘着テープが固形試料表面から剥がれてしまったり、粘着テープが皺になったり、粘着テープが破れて切断されてしまう等の不具合が生じる。このような不具合は、粘着テープ上に接着固定された薄切片の精度に影響を及ぼす。
【0014】
また、通常のミクロトームを用いた薄切片作製方法とは異なり、粘着テープを使用し連続的に薄切片を作製するため、粘着テープの切断という不具合は大きな問題であり、装置の自動化にも大きな影響を及ぼす。
【0015】
本発明は、上記問題点を除去し、固形試料の切断工程において固形試料表面に接着していない粘着テープ接着面が、薄切用カッタナイフの粘着テープ側面の刃先近傍に接着することを防止することにより、粘着テープが固形試料表面から剥がれてしまったり、粘着テープが皺になったり、粘着テープが破れて切断されてしまうなどの不具合の発生を防ぎ、粘着テープ上に接着固定された精度の高い組織観察用薄切片を安定的に作製するとともに、組織観察用薄切片の作製装置の自動化を容易にすることができる粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製方法およびそのための装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕粘着テープを固形試料表面に接着した後、固形試料を所望の厚さに薄切し、粘着テープに接着固定された組織観察用薄切片を作製する方法において、粘着テープには少なくとも片面全面に固形試料表面に接着させるための粘着剤を塗布した接着面を有するものを用い、この接着面側に固形試料を配置し、前記粘着テープの粘着剤を塗布していない非接着面側を粘着テープ押し付け装置で押し付けて、前記固形試料に前記粘着テープの接着面を押し付けた状態で、前記固形試料薄切のために前記固形試料の先端部を前記粘着テープの移動方向とは直交する方向から移動するカッタナイフで薄切し、この薄切が終了した後、前記粘着テープ押し付け装置を元の位置に戻すとともに、前記粘着テープを送ることを特徴とする。
【0017】
〔2〕粘着テープを固形試料表面に接着した後、固形試料を所望の厚さに薄切し、粘着テープに接着固定された組織観察用薄切片を作製する薄切片作製装置において、粘着テープには少なくとも片面全面に固形試料表面に接着させるための粘着剤を塗布した接着面を有するものを用い、前記固形試料を所望の薄切片厚さに対応する量だけ移動させる試料送り装置と、前記固形試料を薄切するカッタナイフと、前記粘着テープを繰り出す粘着テープ繰り出し装置と、前記粘着テープを前記固形試料表面に押し付ける粘着テープ押し付け装置と、前記粘着テープを巻き取る粘着テープ巻き取り装置とを備え、前記粘着テープの接着面側に固形試料を配置し、前記粘着テープの粘着剤を塗布していない非接着面側を粘着テープ押し付け装置で押し付けて、前記固形試料に前記粘着テープの接着面を押し付けた状態で、前記固形試料薄切のために前記固形試料の先端部を前記粘着テープの移動方向とは直交する方向から移動するカッタナイフで薄切し、この薄切が終了した後、前記粘着テープ押し付け装置を元の位置に戻し、その後、前記粘着テープを送ることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、上記のように構成したので、
(A)粘着テープを使用した組織観察用薄切片の作製工程において、固形試料の切断工程の際、固形試料表面に接着していない粘着テープ接着面が薄切用カッタナイフの粘着テープ側の刃先近傍に接着することを防ぐことにより、従来のように、粘着テープの接着面と固形試料面が剥がれたり、また、粘着テープ及び粘着テープに接着固定された薄切片が皺になったり、更には、粘着テープが破れるといった問題をなくすことができる。
【0019】
(B)上記した粘着テープの接着面と固形試料面が剥がれ、また、粘着テープ及び粘着テープに接着固定された薄切片が皺になるのを防止することにより、粘着テープ上に接着固定された精度の高い組織観察用薄切片を安定的に作製することができる。
【0020】
(C)本発明の薄切片作製装置は、通常のミクロトームを用いた薄切片作製装置とは異なり、粘着テープを使用し連続的に薄切片を作製することができ、確実に自動化を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は第参考例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図、図2は第参考例を示す粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製装置の要部斜視図である。
【0023】
図1に示す組織観察用薄切片の作製装置において、希望する厚さに対応する送りを行う送り工程のための移動軸および薄切を行う切断工程のための移動軸を固形試料2側に取り付けるか、または、カッタナイフ1側に取り付けるかという相違点はあるが、送り工程および切断工程時のカッタナイフ1と固形試料2の相対的な動きはどちらを移動させても同じなので、ここでは、送り工程では固形試料2(以下試料送り工程)を、切断工程ではカッタナイフ1を移動させることにしている。
【0024】
ここで、使用する粘着テープ4は、図10に示すように、少なくとも片面全面に固形試料表面に接着するための接着剤を塗布した接着面14を有し、片面(粘着面側)に剥離性良好な加工を施した裏紙12を有しているものを用いる。
【0025】
このような粘着テープ4を使用した場合、従来技術において説明したように、固形試料2の切断工程において、固形試料2表面に接着していない粘着テープ接着面14が、薄切用カッタナイフ1(このカッタナイフ1は、カッタブレード19、カッタブレードホルダ20、カッタブレード押さえ21から成る)の粘着テープ4の側に位置するカッタブレード押さえ21の先端近傍22に接着されてしまう。
【0026】
第1参考例(図1参照)の組織観察用薄切片の作製装置の構成部材は、図9に示す従来の組織観察用薄切片の作製装置の構成と同様であるので、同じ部分には同じ符号を付してその説明は省略する。この第1参考例は固形試料薄切のためにカッタナイフ1(カッタブレード19、カッタブレードホルダ20、カッタブレード押さえ21から成る:図2参照)が移動を開始する開始位置17側に粘着テープ巻き取り装置6を、カッタナイフ1が薄切を終了した後、再び開始点に戻るために移動方向を180°変更する終了位置18側に粘着テープ繰り出し装置5を配備する点に特徴を有する。
【0027】
このように、粘着テープ4を固形試料表面に接着した後、固形試料2を所望の厚さに薄切し、粘着テープ4に接着固定された組織観察用薄切片を作製する際に、粘着テープ4には少なくとも片面全面に固形試料表面に接着させるための粘着剤を塗布した接着面を有するものを用い、固形試料2の薄切のためにカッタナイフ1が移動する方向に対して反対方向に前記粘着テープ4を送るようにしたので、固形試料2の切断工程の際、固形試料表面に接着していない粘着テープ接着面が薄切用カッタナイフ1の粘着テープ側の先端近傍22に接着することを防ぐことができる。したがって、従来のように、粘着テープの接着面と固形試料面が剥がれたり、また、粘着テープ及び粘着テープに接着固定された薄切片が皺になったり、更には、粘着テープが破れるといった問題をなくすことができる。
【0028】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0029】
図3は第実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。
【0030】
この実施例は第1参考例(図1)の粘着テープ繰り出し装置5と粘着テープ巻き取り装置6を、固形試料2中心と粘着テープ押し付け用ヘッド9中心を結ぶ直線を回転中心軸として時計回りに90°回転させたものである。なお、図4は本発明の第実施例を示す粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製装置の要部斜視図である。
【0031】
図5は第実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。
【0032】
この実施例は第実施例(図3)と同様に第1参考例(図1)の粘着テープ繰り出し装置5と粘着テープ巻き取り装置6を、固形試料2中心と粘着テープ押し付け用ヘッド9中心を結ぶ直線を回転中心軸として反時計回りに90°回転させたものである。なお、図6は本発明の第実施例を示す粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製装置の要部斜視図である。
【0033】
これらの実施例の組織観察用薄切片の作製装置の構成も、従来例と同一であるので、同じ符号を付してその説明は省略する。
【0034】
まず、図3に示す第実施例において、粘着テープ4は切断工程時にカッタナイフ1が移動するC方向に垂直なD−方向(図4参照)の方向へ送られ、図5に示す第実施例においては、粘着テープ4はC方向に垂直なD+の方向へ送られる。
【0035】
、第実施例の場合、カッタナイフ1は固形試料薄切の際、紙面に対し奥側から手前側へ移動する。また、カッタナイフの薄切能力(切れ味)を向上させるために図8に示すように引き角θを設定することが一般的である。
【0036】
次に、第1〜第実施例の組織観察用薄切片作製装置を用いて粘着テープに接着固定された組織観察用薄切片の作製方法を説明する。
【0037】
まず、固形試料2をA+方向へ希望する切断厚さに対応する量だけ送る(試料送り工程:図示していないがAの方向のみに動作可能な案内面とアクチュエータを具備する)。
【0038】
次に、粘着テープ押し付け装置7の押し付け用ヘッド9(押し付け用ヘッド9はゴム、スポンジ、ウレタン等、弾性変形に富む材質が良い)を、B+の方向へ移動させ(押し付け工程:図示していないがBの方向のみに動作可能な案内面とアクチュエータを具備する)、粘着テープ4の接着面14を固形試料表面に押し付ける。
【0039】
次に、カッタナイフ1をC+方向に移動させ薄切を行う(切断工程:図示していないがCの方向のみに動作可能な案内面とアクチュエータを具備する)。ここで、第1〜第実施例のこの切断工程について説明する。
【0040】
本発明の実施例では、粘着テープ4は、少なくとも片面全面に固形試料表面に接着するための粘着剤を塗布した接着面14を有するものを用いる。
【0041】
まず、第1参考例の場合、粘着テープ押し付け装置7の押し付け用ヘッド9により粘着テープ4の接着面14を固形試料表面に押し付けた後、固形試料の薄切を行うため、切断工程の際の粘着テープ4は、図2に示すように固形試料2を通過前(固形試料のC+の方向)の粘着テープ接着面14には、固形試料2の薄切片16が接着しておらず、粘着テープ接着面14が露出しているが、固形試料2を通過後(固形試料のC−の方向)の粘着テープ接着面14には固形試料2の薄切片16が接着固定されており、粘着テープ接着面14の露出箇所は低減している状態となる。
【0042】
このような粘着テープ状態で薄切を行う場合、カッタナイフ1が固形試料2の薄切を開始する際のカッタナイフ1の粘着テープ側の先端近傍22の粘着テープ接着面14には、接着固定された固形試料2の薄切片16が位置する。前記薄切片16が接着固定された粘着テープ接着面14は接着力が無くなっている(もしくは非常に小さい接着力になっている)ため、前記した固形試料表面に接着していない粘着テープ接着面14が薄切用カッタナイフ1の粘着テープ側の先端近傍22に接着することを防止できるような配置となっている。
【0043】
粘着テープ4は切断工程の間中、常に粘着テープ巻き取り装置6により、テープが弛まないように一定の力でC−の方向に引っ張られている(接着面が固形試料表面に接着している間、テープに動きはない)ため、カッタナイフ1が固形試料表面の薄切を終了すると同時にC−の方向に巻き取られる。したがって固形試料2を通過前(固形試料C+の方向)の粘着テープ接着面14には、固形試料2の薄切片16が接着されてなくとも、粘着テープ接着面14が薄切用カッタナイフ1の粘着テープ側の先端近傍22に接着することはない。
【0044】
また、粘着テープ繰り出し装置5と粘着テープ巻き取り装置6を制御することにより、粘着テープ接着面14に接着固定された薄切片の間隔29(図2参照)をほぼ0にすれば、薄切片16が接着固定されていない、接着力を有する接着面14が少なくなり、よりいっそう粘着テープ4が薄切用カッタナイフ1の粘着テープ側の先端近傍22に接着することを防止することができる。
【0045】
次に、第実施例および第実施例の場合には、固形試料薄切のためにカッタナイフ1が移動を開始する開始位置17と、固形試料表面およびカッタナイフ1が薄切を終了した後、再び開始点に戻るために移動方向を180°変更する終了位置18を結ぶ直線(固形試料薄切のためにカッタナイフが移動する軌道直線)と垂直の方向に、固形試料表面を挟んで粘着テープ繰り出し装置5と粘着テープ巻き取り装置6を配備することを特徴としている。
【0046】
テープの軌道を第実施例(図3),第実施例(図5)のように設定すると、図4,図6に示すように、粘着テープ4の接着面14がカッタナイフ1の先端近傍に接着してしまう不具合発生箇所は、24,25である。しかし、カッタナイフの引き角を考慮すると、この不具合発生箇所24よりも箇所25において粘着テープ4の接着面14がカッタナイフ1の先端近傍22に接着してしまうことが多い。
【0047】
したがって、図1に示す第1参考例についての説明と同様に、箇所25の粘着テープ接着面14に固形試料2の薄切片16が接着固定されている状態とすることが有効である(固形試料2に対してのD−の方向の粘着テープ接着面14に固形試料2の薄切片16が接着固定されている状態とする)。このとき、図3,図4に示すように粘着テープ繰り出し装置5と粘着テープ巻き取り装置6を配置することが望ましい。このような構成とすることで、箇所25においても、粘着テープ4の接着面14が、カッタナイフ1の先端近傍22に接着してしまうことを防ぐことができる。
【0048】
また、図7に示すようにカッタナイフの上端部27を固形試料表面の上端部28と一致させた場合は、前記不具合発生箇所24(図4,図6)はなくなるため、やはり、箇所25の粘着テープ接着面14に固形試料2の薄切片16が接着固定されている状態とすることが有効である(固形試料に対してのD−の方向の粘着テープ接着面に固形試料の薄切片が接着固定されている状態である)。このとき、図3、図4に示すように粘着テープ繰り出し装置と粘着テープ巻き取り装置を配置することが望ましい。このような構成とすることで、箇所25においても、粘着テープ4の接着面14が、カッタナイフ1の先端近傍22に接着してしまうことを防ぐことができる。
【0049】
前述のような理由から、第1参考例(図1)もしくは第実施例(図3)の方式とすることが望ましいが、第実施例(図5)に示す方式でも、図9に示す従来の方式に比べると前記したように、固形試料表面に接着していない粘着テープ接着面14が薄切用カッタナイフ1の粘着テープ側の先端近傍22に接着することを防止する効果は大きい。
【0050】
このような方法で、固形試料を薄切した後、粘着テープ繰り出し装置5により粘着テープ4を一定量繰り出し、図10に示すような裏紙12の付いた粘着テープ4を使用する場合は、図1、図3、図5に示すような裏紙巻き取り装置13により、粘着テープ繰り出しと同時に裏紙12を巻き取る。同時に前述したように粘着テープ巻き取り装置6により粘着テープ4を巻き取りテープが弛まないようにする。
【0051】
粘着テープ4を巻き取る際、粘着テープ4に接着固定された薄切片16を保護するため、また、薄切片16の接着していない接着面14がある場合、薄切片16の接着していない接着面14がテープ背面に接着してしまうことを防止する理由でカバーフィルム15を図1、図3、図5に示すように、粘着テープ4の薄切片16が接着固定された面側にセットし一緒に巻き取り、次の試料送り工程に備える。また、この工程と同時に薄切用カッタナイフ1はC−の方向に移動し、切断工程開始位置17に戻る。
【0052】
以上の工程を繰り返し行うことにより、図11に示すような粘着テープ4に接着固定された組織観察用の薄切片16が作製できる。
【0053】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0055】
(A)粘着テープを使用した組織観察用薄切片の作製工程において、固形試料の切断工程の際、固形試料表面に接着していない粘着テープ接着面が薄切用カッタナイフの粘着テープ側の刃先近傍に接着することを防ぐことにより、従来のように、粘着テープの接着面と固形試料面が剥がれたり、また、粘着テープ及び粘着テープに接着固定された薄切片が皺になったり、更には、粘着テープが破れるといった問題を解決することができる。
【0056】
(B)上記した粘着テープの接着面と固形試料面が剥がれ、また、粘着テープ及び粘着テープに接着固定された薄切片が皺になるのを防止することにより、粘着テープ上に接着固定された精度の高い組織観察用薄切片を安定的に作製することができる。
【0057】
(C)本発明の薄切片作製装置は、通常のミクロトームを用いた薄切片作製装置とは異なり、粘着テープを使用し連続的に薄切片を作製することができ、確実に自動化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1参考例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。
【図2】参考例を示す粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製装置の要部斜視図である。
【図3】本発明の第実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。
【図4】本発明の第実施例を示す粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製装置の要部斜視図である。
【図5】本発明の第実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。
【図6】本発明の第実施例を示す粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製装置の要部斜視図である。
【図7】図8においてカッタナイフの上端を固形試料の上端と一致させた例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第及び第実施例の粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製装置の要部斜視図である。
【図9】組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。
【図10】粘着テープが巻き取られている状態を示す斜視図である。
【図11】組織観察用薄切片が粘着テープとともに巻き取られている状態を示す図である。
【符号の説明】
1 カッタナイフ
2 固形試料
3 試料送り装置
4 粘着テープ
5 粘着テープ繰り出し装置
6 粘着テープ巻き取り装置
7 粘着テープ押し付け装置
9 押し付け用ヘッド
12 裏紙
13 裏紙巻き取り装置
14 粘着テープ接着面
15 カバーフィルム
16 粘着テープに接着固定された組織観察用の薄切片
17 薄切開始位置(切断工程開始位置)
18 薄切終了位置(切断工程終了位置)
19 カッタブレード
20 カッタブレードホルダ
21 カッタブレード押さえ
22 カッタナイフ先端近傍
24,25 不具合発生箇所
27 カッタナイフ上端部
28 固形試料表面の上端部
29 粘着テープ接着面に接着固定された薄切片の間隔
A 試料移動方向
B 押し付け用ヘッド移動方向
C カッタナイフ移動方向
D 粘着テープ移動方向
θ 引き角

Claims (2)

  1. 粘着テープを固形試料表面に接着した後、固形試料を所望の厚さに薄切し、粘着テープに接着固定された組織観察用薄切片を作製する方法において、
    粘着テープには少なくとも片面全面に固形試料表面に接着させるための粘着剤を塗布した接着面を有するものを用い、該接着面側に固形試料を配置し、前記粘着テープの粘着剤を塗布していない非接着面側を粘着テープ押し付け装置で押し付けて、前記固形試料に前記粘着テープの接着面を押し付けた状態で、前記固形試料薄切のために前記固形試料の先端部を前記粘着テープの移動方向とは直交する方向から移動するカッタナイフで薄切し、該薄切が終了した後、前記粘着テープ押し付け装置を元の位置に戻すとともに、前記粘着テープを送ことを特徴とする粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製方法。
  2. 粘着テープを固形試料表面に接着した後、固形試料を所望の厚さに薄切し、粘着テープに接着固定された組織観察用薄切片を作製する薄切片作製装置において、
    粘着テープには少なくとも片面全面に固形試料表面に接着させるための粘着剤を塗布した接着面を有するものを用い、
    前記固形試料を所望の薄切片厚さに対応する量だけ移動させる試料送り装置と、
    前記固形試料を薄切するカッタナイフと、
    前記粘着テープを繰り出す粘着テープ繰り出し装置と、
    前記粘着テープを前記固形試料表面に押し付ける粘着テープ押し付け装置と、
    前記粘着テープを巻き取る粘着テープ巻き取り装置とを備え、
    前記粘着テープの接着面側に固形試料を配置し、前記粘着テープの粘着剤を塗布していない非接着面側を粘着テープ押し付け装置で押し付けて、前記固形試料に前記粘着テープの接着面を押し付けた状態で、前記固形試料薄切のために前記固形試料の先端部を前記粘着テープの移動方向とは直交する方向から移動するカッタナイフで薄切し、該薄切が終了した後、前記粘着テープ押し付け装置を元の位置に戻し、その後、前記粘着テープを送るように構成したことを特徴とする粘着テープを用いた組織観察用薄切片作製装置。
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