JP3606674B2 - 薄切片の作製方法およびそのための装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、理科学試料分析や生体試料の顕微鏡観察等の医療分析において用いられるミクロトーム(固形試料またはカッタナイフを希望切断厚さに対応する量だけ移動させた後、カッタナイフによって固形試料を切断し、薄切片を作製する装置)に係り、切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材(テープ)を密着固定した後、薄切りを行い、薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製する装置(薄切片作製装置)において、特に、固形試料面に薄切補助部材を密着固定する方法およびそのための装置、薄切りされた薄切片を薄切補助部材に密着固定する方法およびそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄切片の作製(切り出し)作業は、作業者がミクロトームを用いて行っている(例えば、特開平6−265452号参照)。固形試料には主として生体試料をパラフィン包埋したものが用いられ、これを切断し、薄切片を作製する。この薄切片の作製工程において、重要かつ困難な作業に、切断中及び切断工程終了後の薄切片のハンドリングがある。
【0003】
図18はかかる従来の薄切片のハンドリング工程を示す斜視図である。
【0004】
まず、図18(a)に示すように、固形試料または切断刃を希望切断厚さに対応する量だけ移動させる、いわゆる送り工程が行われる。つまり、切断刃1を固形試料2の方向Aへ送り、固形試料2の薄切りを開始する。
【0005】
次に、図18(b)に示すように、作業者は片手で切断刃1を移動をさせつつ、もう一方の手でこのとき生成される薄切片4の切り始めに、水分を含ませた非常に細い筆などの治具3(他に紙製の小さい短冊に水分を含ませたものや、先端を鋭利に削った木製の鉛筆状の治具などが使用される)の先端部を接触させる。
【0006】
次に、図18(c)に示すように、そのまま切断刃1を移動させる速度と同じ速度で、薄切片4に接触させた治具3を動かしながら切断を終了させることにより、切断終了時には、一端が治具3に接触した状態の薄切片4を取り出すことができる。そして、取り出した薄切片4をガラス製のプレパラートに乗せる(一般的には取り出した薄切片4の皺や縮みを延ばす目的で一度水面に浮かべた後、プレパラートで掬い取るのであるが、どちらにしても薄切片4を、ある定まった場所へ移動させる工程が存在することに変わりはない)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の薄切片の作製方法では、次に示すような問題があった。
【0008】
作業者は片手で切断刃1を、もう一方の手で薄切片4取り出し用の治具3を同時に操作しなければならず、この状況下で非常に薄い薄切片4の切れ始めの一定の場所に、これもまた非常に小さな治具3の先端部を正確に接触させるには、高度な技術、熟練度かつ集中力を必要とする。このとき治具3先端部の薄切片4への押しつけ力が大きすぎると薄切片4が破れたり、皺になったりするという不具合が生じる。
【0009】
また、切断刃1は固形試料2の切断を開始したら常に一定の速度で移動させなければならないため〔切断刃1の移動速度(切断速度)を変化させると薄切片4の厚さむらや形状(皺、縮み)のバラツキの原因となる〕、この治具3の先端部を薄切片4の切り始めに接触させ、切断刃1を停止させることなく行わなければならない。
【0010】
仮に、薄切片4の切り始めにうまく治具3の先端部を接触させることに成功しても、両方の手の移動速度が同じでなければ薄切片4が破れてしまう。
【0011】
最後に、取り出した薄切片4をプレパラート上など他の場所に移動させる際も慎重に行わなければ、風や衝撃により薄切片4が破れる恐れがある。
【0012】
これらの一連の高度な技術を身につけること、かつ連続したものでは数百枚にも及ぶ切り出しの作業の間中、終始集中力を維持することは非常に困難である。
【0013】
本発明は、上記問題点を解決するために、薄切片の切り出しの際に薄切片に生じる皺、縮み、破れなどの不具合の発生を抑え、熟練者でなくとも容易に安定した品質の薄切片の切り出しを行うことができる薄切片の作製方法およびそのための装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、カッタナイフによって前記固形試料を切断し、薄切片を作製する方法において、前記固形試料の切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定させる工程と、前記固形試料の切断を行い、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製する工程と、前記薄切片を前記薄切補助部材から顕微鏡用スライドガラスに転写し、このスライドガラスに密着固定した薄切片を作製する工程とを施すとともに、前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工程にお いて、前記固形試料面又は薄切補助部材のうち少なくとも一方に霧状の液体を吹きつけた後、前記固形試料面に前記薄切補助部材を押しつけることにより、前記固形試料面と薄切補助部材を密着固定し、前記薄切片を前記薄切補助部材からスライドガラスへ転写する工程において、前記スライドガラス又は薄切片のうち少なくとも一方に霧状の液体を吹きつけた後、前記薄切片を前記スライドガラスに押しつけることにより、前記薄切補助部材のみを前記スライドガラスから引き剥がし、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写するようにしたものである。
【0015】
〔2〕固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、カッタナイフによって前記固形試料を切断し、薄切片を作製する方法において、前記固形試料の切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定させる工程と、前記固形試料の切断を行い、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製する工程と、前記薄切片を前記薄切補助部材から顕微鏡用スライドガラスに転写し、このスライドガラスに密着固定した薄切片を作製する工程とを施すとともに、前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工程において、前記薄切補助部材と固形試料面が引き付けあうように静電気力を作用させ、前記薄切補助部材を前記固形試料面に押し付けることにより、前記固形試料面と薄切補助部材を密着固定し、前記薄切片を前記薄切補助部材から前記スライドガラスへ転写する工程において、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみが前記スライドガラスに密着固定するように静電気力を作用させた後、押し付け、その後、前記薄切補助部材のみを前記スライドガラスから引き剥がし、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写するようにしたものである。
【0016】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の薄切片の作製方法において、前記薄切片を前記薄切補助部材から前記スライドガラスへ転写する工程において、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片を、前記スライドガラスに押しつけた後、前記薄切補助部材を吸引して前記スライドガラスから引き剥がすことにより、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写するようにしたものである。
【0017】
〔4〕固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、前記固形試料を切断し、薄切片を作製する装置において、切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定させる密着固定手段と、前記薄切補助部材が密着固定した固形試料面を薄切し、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製する切断手段と、前記薄切片を前記薄切補助部材からスライドガラスに転写し、該スライドガラスに転写した薄切片を作製する転写手段とを具備するとともに、
前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を用い、前記密着固定手段として、固形試料面に霧状の液体を吹きつける霧状液体吹きつけ装置と、前記テープ状部材を繰り出す繰り出し装置と、前記テープ状部材を固形試料面に押しつける押しつけ装置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き取り装置を備え、前記転写手段として、前記スライドガラスに霧状の液体を吹きつける霧状液体吹きつけ装置と、前記繰り出し装置と兼用される繰り出し装置と、前記押しつけ装置と兼用される押しつけ装置と、前記巻き取り装置と兼用される巻き取り装置とを具備するようにしたものである。
【0018】
〔5〕固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、前記固形試料を切断し、薄切片を作製する装置において、切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定させる密着固定手段と、前記薄切補助部材が密着固定した固形試料面を薄切し、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製する切断手段と、前記薄切片を前記薄切補助部材からスライドガラスに転写し、該スライドガラスに転写した薄切片を作製する転写手段とを具備するとともに、
前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を用い、前記密着固定手段として、前記薄切補助部材と固形試料面が引きつけあうように静電気力を作用させる静電気発生装置と、前記テープ状部材を繰り出す繰り出し装置と、前記テープ状部材を固形試料面に押しつける押しつけ装置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き取り装置を備え、前記転写手段として、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみが前記スライドガラスに転写するように静電気を発生させる静電気発生装置と、前記繰り出し装置と兼用される繰り出し装置と、前記押しつけ装置と兼用される押しつけ装置と、前記巻き取り装置と兼用される巻き取り装置とを具備するようにしたものである。
【0019】
〔6〕上記〔4〕又は〔5〕記載の薄切片の作製装置において、密着固定手段及び転写手段の押しつけ装置は、前記薄切補助部材を前記固形試料面に押しつける機能の他に前記薄切補助部材を吸引し、前記スライドガラス面から前記薄切補助部材だけを引き剥がす機能を有するようにしたものである。
【0020】
〔7〕上記〔4〕乃至〔6〕のうちいずれか1項記載の薄切片の作製装置において、前記薄切補助部材は薄い金属性ベルトを用いるようにしたものである。
【0021】
上記のように構成したので、切断の際に薄切片に生じる皺、縮み、破れなどの不具合及び切断後の薄切片を取り出しスライドガラスに載せる際に生じる薄切片の破れ等の不具合を抑え、熟練者でなくとも容易に安定した品質の薄切片の切り出しを行うことができる。
【0022】
また、薄切片作製作業を自動化する上でも作用効果は著大であり、顕微鏡観察などに用いられる試料の作製効率の大幅な向上を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の第1実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図、図2はその組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。
【0025】
これらの図に示すように、固形試料2を所望の切断厚さに対応する量だけ送る試料送り装置3と、薄切補助部材4を希望する量だけ繰り出す繰り出し装置5と、薄切補助部材4を巻き取る巻き取り装置6と、繰り出し装置5と巻き取り装置6の間に薄切補助部材4を挟んで固形試料2に対向して位置する、薄切補助部材4を固形試料2面に押しつける押しつけ装置7と、切断を行うカッタナイフ1と、カッタナイフ1と連動して動作する顕微鏡用スライドガラス(以下、単にスライドガラスという)10を備えたスライドガラスストッカ11で構成される。押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9は転写工程時に薄切補助部材4を引きつける必要がある場合には薄切補助部材4を引きつける機能を備える。
【0026】
この装置において、希望する厚さに対応する送りを行う送り工程のための移動軸及び薄切りを行う切断工程のための移動軸を固形試料2側に取り付けるか、またはカッタナイフ1側に取り付けるかという相違点はあるが、送り工程及び切断工程時のカッタナイフ1と固形試料2の相対的な動きはどちらを移動させても同じなので、今回は、送り工程では固形試料2(以下、試料送り工程)を、切断工程ではカッタナイフ1を移動させることにしている。
【0027】
図3は本発明の第2実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。
【0028】
この実施例では、薄切補助部材4を固形試料2面に密着固定する密着固定工程(及び転写工程)時に、固形試料2を低温に冷却する冷却装置12を具備するものである。
【0029】
装置のその他の構成部分に関しては、図2に示すものと同様であり、図2と同じ符号を付して、それらの説明は省略する。
【0030】
上記したように、転写工程時に冷却装置12によりスライドガラスストッカ11内のスライドガラス10を低温に冷却しておくことにより、押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9で常温(室温)の薄切補助部材4を固形試料2面に押しつけた際、スライドガラス10面上で凍結していた水分が溶融し、再度凍結して密着固定する。その後、薄切補助部材4のみを引き剥がすことにより薄切片のみをスライドガラス10に転写することができる。
【0031】
図4は本発明の第3実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。
【0032】
この実施例では、薄切補助部材4を固形試料2面に密着固定する密着固定工程(及び転写工程)の前に、固形試料2面に霧状の液体を吹きつける霧状液体吹きつけ装置13を具備するものである。なお、霧状液体吹きつけ装置13はFの方向に回転する機構を有し、密着固定工程(及び転写工程)時には、邪魔になるので、F−の方向に回転して退避位置にある。
【0033】
装置のその他の構成部分に関しては、図2に示すものと同様であり、図2と同じ符号を付して、それらの説明は省略する。
【0034】
図4において、霧状液体吹きつけ装置13は密着固定用のものであり、固形試料2の近くに配備している。転写工程においても霧状液体吹きつけ装置13を使用する場合、同装置をスライドガラス10付近に移動させるか、スライドガラス10付近にも同じものを配備する。
【0035】
上記したように、転写工程で、霧状液体吹きつけ装置13によりスライドガラス10に霧状の液体を吹きつけた後、押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9で薄切補助部材4をスライドガラス10に押しつけ、密着固定する。その後、薄切補助部材4のみを引き剥がすことにより薄切片のみをスライドガラス10に転写することができる。
【0036】
図5は本発明の第4実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図、図6はその組織観察用薄切片の作製装置の密着固定工程(及び転写工程)の説明図であり、図6(a)はその第1工程(密着前工程)、図6(b)はその第2工程(密着固定工程)を示す。
【0037】
この実施例では、図5に示すように、薄切補助部材4を固形試料2面に密着固定する密着固定工程(及び転写工程)時に薄切補助部材4と固形試料2面間が引きつけあうように静電気を作用させる静電気発生装置14を具備するものである。
【0038】
密着固定工程時に静電気力を利用する場合の静電気発生装置14の詳細構成を図6(a)及び図6(b)に示す。すなわち、薄切補助部材4の構成が、絶縁材料(電気抵抗率が大きい材料)21上に導電性部材22を塗布もしくはコーティングしたものを用い、固形試料2には、ある程度の導電性を有するものを用いる。
【0039】
薄切補助部材4の導電性部材22に+もしくは−の電圧を与え、固形試料2をアース(グランド、0V電位)することで両者間に電位差を生じさせた後、両者を近づけることにより、固形試料2の表面には導電性部材22に与えた電荷と逆(導電性部材22に与えた電圧が+なら−、導電性部材22に与えた電圧が−なら+)の電荷が発生し、互いに引きつけあう機構になっている。図6(b)においては、薄切補助部材4の導電性部材22に+もしくは−の電圧を与え、固形試料2をアースしたが、薄切補助部材4の導電性部材22をアースし、固形試料2に+もしくは−の電圧を与えても同様の効果を奏する。
【0040】
上記したように、密着固定工程で、静電気発生装置14により薄切補助部材4と固形試料2面間が引きつけあうよう静電気を作用させた後、押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9で薄切補助部材4を固形試料2面に押しつけることにより、固形試料2面に薄切補助部材4を密着固定することができる。
【0041】
なお、静電気の発生方法は前述したとおり、薄切補助部材4と固形試料2面間の電位差を利用する。
【0042】
また、転写工程で静電気発生装置14により薄切補助部材4に密着固定した薄切片を分離させ、かつ薄切片とスライドガラス10が引きつけあうよう静電気を作用させた後、押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9で薄切補助部材4をスライドガラス10に押しつけ、その後、薄切補助部材4のみを引き剥がすことにより薄切片のみをスライドガラス10に転写することができる。
【0043】
なお、静電気の発生方法は前述した密着固定工程と同様に、薄切片とスライドガラス表面間の電位差を利用する。
【0044】
図7は本発明の第5実施例を示す組織観察用薄切片の密着固定工程の説明図である。
【0045】
この実施例では、導電性部材23上にスライドガラス10(絶縁材料)を密着するようにセットする。そして、前記導電性部材23をアースし、上記第4実施例と同様の2層構造の薄切補助部材4の導電性部材22に密着固定工程時とは逆の電圧を与えることにより薄切補助部材4と薄切片18を分離させ、薄切片18をスライドガラス10に転写できる機構になっている。
【0046】
装置のその他の構成部分に関しては図6に示すものと同様であり、図6と同じ符号を付して、それらの説明は省略する。
【0047】
図8は本発明の第6実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図、図9はその組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。
【0048】
この実施例では、薄切補助部材4には、少なくとも固形試料2面側に粘着剤を塗布した薄いテープ状部材15を用い、薄切補助部材4を固形試料2面に密着固定する密着固定工程時に薄切補助部材4を利用するものである。
【0049】
装置のその他の構成部分については図2に示すものと同様であり、図2と同じ符号を付して、それらの説明は省略する。
【0050】
この実施例において、薄切補助部材4として使用する薄いテープ状部材に、図10に示すような裏紙16の付いた粘着テープを使用する場合は、図9に示すような装置構成とし、裏紙巻き取り装置17により、裏紙16を巻き取る。
【0051】
次に、図2〜図8に示す実施例を用いて、スライドガラスに密着固定された組織観察用薄切片を作製するまでを、工程の順に説明する。
【0052】
まず、固形試料2をB+の方向へ、希望する切断厚さに対応する量だけ送る(試料送り工程:図示していないがBの方向のみに動作可能な案内面とアクチュエータを具備する)。
【0053】
次に,押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9(押しつけ用ヘッド9はゴム、スポンジ、ウレタン等、弾性変形に富む材質が良い)をC+の方向へ移動させ(密着固定工程:図示していないがCの方向のみに動作可能な案内面とアクチュエータを具備する)薄切補助部材4を固形試料2面に押しつけ、密着固定する。この密着固定工程において、薄切補助部材4を押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9で固形試料2面に押しつけただけでは密着固定することが困難な場合は、図3〜図8に示す実施例の密着固定方法のいずれかを用い、固形試料2面に薄切補助部材4を密着固定する。
【0054】
また、薄切補助部材4に、図8に示すような、固形試料面側に粘着剤を塗布した薄いテープ状部材15を用い、密着固定工程時に押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9で薄切補助部材4を固形試料2面に押しつけることにより、固形試料2面に薄切補助部材4を密着固定することができる。
【0055】
なお、転写工程の説明の際詳しく述べるが、スライドガラス10への転写を考慮に入れ、薄切補助部材4である薄いテープ状部材15と粘着剤は、比較的剥がれやすい密着強度としておく必要がある。
【0056】
次に、図9に示すように、カッタナイフ1をD+に示す方向に移動させ薄切りを行う(切断工程:図示していないがDの方向のみに動作可能な案内面とアクチュエータを具備する)。切断工程の際、押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9は切断の障害となるため、密着固定工程終了時にC−の方向へ移動し、密着固定工程開始位置に戻す。
【0057】
また、薄切補助部材4は送り工程、密着固定工程、切断工程、転写工程の間中、常に巻き取り装置6により弛まないように一定の力でD+の方向に引っ張られている(密着面が固形試料2面に密着固定している間、薄切補助部材4に動きはない)ため、カッタナイフ1が固形試料2面の薄切りを終了すると同時に、D+の方向に巻き取られる。
【0058】
採用した密着固定工程により、薄切補助部材4の固形試料2面の密着力に差があるため、採用した密着固定方法によって、前記D+方向への引っ張り力は最適になるよう調整する必要がある。
【0059】
切断工程終了後、更にカッタナイフ1をD+の方向へ移動させると、カッタナイフ1の動きに連動してスライドガラス10を備えたスライドガラスストッカ11が固形試料2面と押しつけ装置7の間に位置する(図13参照)。この状態で押しつけ装置7によりスライドガラス10を押しつけた際、薄切補助部材4に密着固定した薄切片18がスライドガラス10と押しつけ用ヘッド9の間に位置するよう、繰り出し装置5と巻き取り装置6を制御しながら、押しつけ装置7により薄切補助部材4に密着固定した薄切片18(図11〜図12参照)をスライドガラス10に押しつける。そして、押しつけ用ヘッド9をC−の方向へ移動させる。切断工程の説明の際にも述べたが、このとき、薄切補助部材4は巻き取り装置6により弛まないように一定の力でD+の方向に引っ張られているため、薄切補助部材4のみを引き剥がし、スライドガラス10上に薄切片18のみを密着固定したままにできる(転写工程)。
【0060】
転写工程に前記のような方式を用いると、前述したように繰り出し装置5と巻き取り装置6の制御が必要となる。そこで、前記繰り出し装置5と巻き取り装置6の制御なしに転写を行うには、スライドガラスストッカ11を図14、図15に示すような位置に配備し、以下の工程(a)〜(c)に示す方法で転写工程を行えばよい。
【0061】
(a)図2に示す装置構成のうち、スライドガラスストッカ11をB−の方向に移動させ、次に、図14に示すように、薄切片を転写するスライドガラス10面と固形試料2面がBの方向に関して同位置となるように移動する。
【0062】
薄切り終了後、スライドガラスストッカ11が固形試料2位置に到達する前(固形試料2よりもD−の位置)にスライドガラスストッカ11(カッタナイフ1と連動)を停止させ転写を行う。
【0063】
この場合、切断工程後に転写装置(繰り出し装置5、押しつけ装置7、巻き取り装置6)をD−の方向に移動させることが必要なため、転写装置はDの方向に移動可能でなければならない。
【0064】
(b)図2に示す装置構成のうち、スライドガラスストッカ11をB−及びE+の方向に移動させ、次に、図15に示すように、薄切片を転写するスライドガラス10面と固形試料2面がBの方向に関して同位置となるように、かつスライドガラスストッカ11が固形試料2(試料送り装置3を含む)よりもEの方向に関してE+の方向に位置するようにする。
【0065】
薄切り終了後、スライドガラスストッカ11がD+の方向に移動し、固形試料2位置に到達したら(固形試料2よりもE+の位置)、スライドガラスストッカ11(カッタナイフ1と連動)を停止させ、転写を行う。
【0066】
この場合、切断工程後に転写装置(繰り出し装置5、押しつけ装置7、巻き取り装置6)をE+の方向に移動させることが必要なため、転写装置はEの方向に移動可能でなければならない。
【0067】
(c)図2に示す装置構成のうち、スライドガラスストッカ11をB−の方向に移動させ、次に、図14に示すように、薄切片を転写するスライドガラス10面と固形試料2面がBの方向に関して同位置となるようにする。
【0068】
薄切終了後、試料送り装置3(及び固形試料2)をB−の方向に移動し、スライドガラスストッカ11がDの方向に関して固形試料2と同じ位置に到達しても、固形試料2に接触しないようにし、スライドガラス10への転写作業を行う。
【0069】
薄切補助部材4を押しつけ装置7の押しつけ用ヘッド9でスライドガラス10に押しつけただけでは薄切片をスライドガラス10に転写することが困難な場合は図3〜図8に示す実施例の転写方法のいずれかを用い、スライドガラス10に薄切片のみを転写し、密着固定する。
【0070】
本発明の第5実施例を採用した場合には、薄切補助部材4に、図8に示すように、固形試料2面側に粘着剤を塗布した薄いテープ状部材15を用いており、密着固定工程で薄切補助部材4の粘着面に密着固定された薄切片18をスライドガラス10へ転写する転写工程には、次に示す2通りの状況が考えられる。
(1)図11に示すように、薄切補助部材4と粘着剤20の密着強度よりも、薄切片18とスライドガラス10の密着強度の方を大きくし、押しつけ装置7で薄切補助部材4をスライドガラス10に押しつけ、密着固定する。その後、薄切補助部材4のみを引き剥がすことにより薄切片18のみをスライドガラス10に転写する。
(2)図12に示すように、粘着剤20が薄切片18を覆うようにスライドガラス10に転写する。図12(a)はその斜視図を、図12(b)は側面図を示している。
【0071】
上記(1)に示す例は、薄切補助部材4と薄切片18に対する粘着剤20の接着力および薄切片18とスライドガラス10の接着力を調整することが困難であるため、上記(2)に示す例となるよう転写を行うことが望ましい。また、どちらの場合もスライドガラス10に転写した薄切片18上に粘着剤20が残る。スライドガラス10上の薄切片18は最終的には組織観察を行う上で不可欠の染色を施すため、粘着剤20には染色の前工程で使用する薬品や有機溶媒等に溶融することが要求される。
【0072】
転写作業において薄切片18のみを薄切補助部材4からスライドガラス10に上手く転写できない場合、押しつけ用ヘッド9の薄切補助部材4を固形試料2面に押しつける機能の他に、薄切補助部材4を吸引し固形試料2面から引き剥がす機能を用い、薄切補助部材18のみを吸引し、引き剥がし、薄切片18のみをスライドガラス10上に密着固定したままにする。
【0073】
このように転写工程を行い、転写工程終了時には、薄切片18がスライドガラス10上に密着固定されている状態となる。ここでカッタナイフ1及びスライドガラスストッカ11はD−の方向へ移動し切断工程開始位置に戻る。
【0074】
図8〜図12に示すような密着固定方法、転写方法を採用した場合、薄切補助部材4の固形試料2面側に塗布した粘着剤20は、粘着力が低下してしまう。または、粘着剤20が薄切片18と一緒にスライドガラス10上に転写してしまう(図11、図12参照)という理由から、一度使用した粘着部分は再使用できない。従って、前記カッタナイフ1及びスライドガラスストッカ11が切断工程開始位置に移動する工程と同時に、繰り出し装置5及び巻き取り装置6を制御し、次の密着固定工程の際に新しい粘着部分が固形試料2面に密着するよう薄切補助部材としての粘着テープを一定量繰り出す。
【0075】
図3、図4、図5に示す実施例は、図8〜図12に示す実施例とは異なり前述のようにスライドガラス10に密着固定した薄切片18を1枚作製する毎に薄切補助部材4を移動させる必要はないが、同一部分を何度も固形試料2面に密着固定させると密着力が低下したり、薄切りの際に薄切補助部材4に傷が生じ、薄切補助部材4が切れやすくなったりするため、数回に1度は図8〜図12に示す実施例と同様に繰り出し装置5と巻き取り装置6を制御し、薄切補助部材4を移動させることが望ましい。
【0076】
また、この薄切補助部材4に薄い金属製ベルトを用いることで、前記した薄切りの際に薄切補助部材4に傷が生じるのを抑えることができ、前述の薄切補助部材4の移動頻度を、より少なくすることができる。
【0077】
以上の工程を繰り返し行うことにより、図16に示すようなスライドガラス10上に密着固定された組織観察用の薄切片18が作製できる。
【0078】
薄切片18を密着固定したスライドガラス10はスライドガラスストッカ11から作業者が取り出してもよいが、自動的に取り出す装置を取り付けたり、自動的に排出される機構をスライドガラスストッカ11に具備させれば、装置の自動化を図ることができる。
【0079】
また、薄切補助部材4の例として、薄いテープ状部材15の他に図17に示すような薄いラベル状部材19が挙げられる。図17に示すような薄いラベル状部材19を用いた場合、繰り出し装置5や巻き取り装置6は必要なくなるが、薄いテープ状部材15に比べ、密着固定工程や転写工程時のハンドリングが困難となる。
【0080】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0081】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0082】
(A)切断工程の前に次に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定し、その後切断することにより、切断の際に薄切片に生じる皺、縮み、破れなどの不具合の発生を抑え、熟練者でなくとも容易に安定した品質の薄切片の切出しを行うことが可能である。また、薄切片は切断工程前に接着した薄切補助部材と一体になっているため、薄切り時に破れにくいことはもちろん、スライドガラスに転写終了まで薄切片のみで取り扱うことがないため、薄切片作製作業を自動化する上でも効果的な方法となり、顕微鏡組織観察などに用いられる薄切片試料の作製効率の向上を図ることができる。
【0083】
(B)また、薄切片作製作業を自動化する上でも作用効果は著大であり、顕微鏡観察などに用いられる試料の作製効率の大幅な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の密着固定工程の説明図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す組織観察用薄切片の密着固定工程の説明図である。
【図8】本発明の第6実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の要部拡大斜視図である。
【図9】本発明の第6実施例を示す組織観察用薄切片の作製装置の構成図である。
【図10】薄切補助部材として使用する薄いテープ状部材に裏紙の付いた粘着テープを使用する場合を示す斜視図である。
【図11】スライドガラス上に密着固定された組織観察用薄切片を示す斜視図である。
【図12】スライドガラス上に密着固定された組織観察用薄切片を粘着剤が覆う場合を示す図である。
【図13】組織観察用薄切片をスライドガラス上に転写する状態を示す斜視図である。
【図14】組織観察用薄切片をスライドガラス上に転写する前の状態を示す斜視図(その1)である。
【図15】組織観察用薄切片をスライドガラス上に転写する前の状態を示す斜視図(その2)である。
【図16】組織観察用薄切片をスライドガラス上に転写した状態を示す斜視図である。
【図17】薄切補助部材の例として、薄いラベル状部材を用いた例を示す図である。
【図18】従来の薄切片のハンドリング工程を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 カッタナイフ
2 固形試料
3 試料送り装置
4 薄切補助部材
5 繰り出し装置
6 巻き取り装置
7 押しつけ装置
9 押しつけ用ヘッド
10 顕微鏡用スライドガラス
11 スライドガラスストッカ
12 冷却装置
13 霧状液体吹きつけ装置
14 静電気発生装置
15 薄いテープ状部材
16 裏紙
17 裏紙巻き取り装置
18 薄切片
19 ラベル状部材
20 粘着剤
21 絶縁材料
22,23 導電性部材
Claims (7)
- 固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、カッタナイフによって前記固形試料を切断し、薄切片を作製する方法において、
(a)前記固形試料の切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定させる工程と、
(b)前記固形試料の切断を行い、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製する工程と、
(c)前記薄切片を前記薄切補助部材から顕微鏡用スライドガラスに転写し、該スライドガラスに密着固定した薄切片を作製する工程とを施すとともに、
前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工程において、前記固形試料面又は薄切補助部材のうち少なくとも一方に霧状の液体を吹きつけた後、前記固形試料面に前記薄切補助部材を押しつけることにより、前記固形試料面と薄切補助部材を密着固定し、
前記薄切片を前記薄切補助部材からスライドガラスへ転写する工程において、前記スライドガラス又は薄切片のうち少なくとも一方に霧状の液体を吹きつけた後、前記薄切片を前記スライドガラスに押しつけることにより、前記薄切補助部材のみを前記スライドガラスから引き剥がし、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写するようにしたことを特徴とする薄切片の作製方法。 - 固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、カッタナイフによって前記固形試料を切断し、薄切片を作製する方法において、
(a)前記固形試料の切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定させる工程と、
(b)前記固形試料の切断を行い、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製する工程と、
(c)前記薄切片を前記薄切補助部材から顕微鏡用スライドガラスに転写し、該スライドガラスに密着固定した薄切片を作製する工程とを施すとともに、
前記固形試料面と薄切補助部材の密着固定工程において、前記薄切補助部材と固形試料面が引き付けあうように静電気力を作用させ、前記薄切補助部材を前記固形試料面に押し付けることにより、前記固形試料面と薄切補助部材を密着固定し、
前記薄切片を前記薄切補助部材から前記スライドガラスへ転写する工程において、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみが前記スライドガラスに密着固定するように静電気力を作用させた後、押し付け、その後、前記薄切補助部材のみを前記スライドガラスから引き剥がし、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写するようにしたことを特徴とする薄切片の作製方法。 - 請求項1又は2記載の薄切片の作製方法において、前記薄切片を前記薄切補助部材から前記スライドガラスへ転写する工程において、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片を、前記スライドガラスに押しつけた後、前記薄切補助部材を吸引して前記スライドガラスから引き剥がすことにより、前記薄切片のみを前記スライドガラスに転写するようにしたことを特徴とする薄切片の作製方法。
- 固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、前記固形試料を切断し、薄切片を作製する装置において、
(a)切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定させる密着固定手段と、
(b)前記薄切補助部材が密着固定した固形試料面を薄切し、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製する切断手段と、
(c)前記薄切片を前記薄切補助部材からスライドガラスに転写し、該スライドガラスに転写した薄切片を作製する転写手段とを具備するとともに、
前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を用い、前記密着固定手段として、固形試料面に霧状の液体を吹きつける霧状液体吹きつけ装置と、前記テープ状部材を繰り出す繰り出し装置と、前記テープ状部材を固形試料面に押しつける押しつけ装置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き取り装置を備え、前記転写手段として、前記スライドガラスに霧状の液体を吹きつける霧状液体吹きつけ装置と、前記繰り出し装置と兼用される繰り出し装置と、前記押しつけ装置と兼用される押しつけ装置と、前記巻き取り装置と兼用される巻き取り装置とを具備することを特徴とする薄切片の作製装置。 - 固形試料を所定の薄切片の厚さに対応する量だけ移動し、前記固形試料を切断し、薄切片を作製する装置において、
(a)切断工程の前に薄切片となる固形試料面に薄切補助部材を密着固定させる密着固定手段と、
(b)前記薄切補助部材が密着固定した固形試料面を薄切し、前記薄切補助部材と密着固定した薄切片を作製する切断手段と、
(c)前記薄切片を前記薄切補助部材からスライドガラスに転写し、該スライドガラスに転写した薄切片を作製する転写手段とを具備するとともに、
前記薄切補助部材には薄いテープ状部材を用い、前記密着固定手段として、前記薄切補助部材と固形試料面が引きつけあうように静電気力を作用させる静電気発生装置と、前記テープ状部材を繰り出す繰り出し装置と、前記テープ状部材を固形試料面に押しつける押しつけ装置と、前記テープ状部材を巻き取る巻き取り装置を備え、前記転写手段として、前記薄切補助部材に密着固定した前記薄切片のみが前記スライドガラスに転写するように静電気を発生させる静電気発生装置と、前記繰り出し装置と兼用される繰り出し装置と、前記押しつけ装置と兼用される押しつけ装置と、前記巻き取り装置と兼用される巻き取り装置とを具備することを特徴とする薄切片の作製装置。 - 請求項4又は5記載の薄切片の作製装置において、密着固定手段及び転写手段の押しつけ装置は、前記薄切補助部材を前記固形試料面に押しつける機能の他に前記薄切補助部材を吸引し、前記スライドガラス面から前記薄切補助部材だけを引き剥がす機能を有することを特徴とする薄切片の作製装置。
- 請求項4乃至6のうちいずれか1項記載の薄切片の作製装置において、前記薄切補助部材は薄い金属性ベルトを用いることを特徴とする薄切片の作製装置。
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