JPH09240241A - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JPH09240241A
JPH09240241A JP5634196A JP5634196A JPH09240241A JP H09240241 A JPH09240241 A JP H09240241A JP 5634196 A JP5634196 A JP 5634196A JP 5634196 A JP5634196 A JP 5634196A JP H09240241 A JPH09240241 A JP H09240241A
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voltage
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Kenichi Egawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】能動型サスペンションの電源電圧低下時の車高
変動を防止しながら異常診断を行う場合の誤判断を防止
する。 【解決手段】電源電圧の低下時にマイクロコンピュータ
32をリセット状態としてもホールド回路34で圧力制
御弁及び圧力保持部との間に設けたフェイルセーフ弁
(切換弁)12を開状態に保持すると共に、これに電力
を供給する遮断リレー47をオン状態に保持し、マイク
ロコンピュータ32のリセット状態が解除されたとき
に、所定時間内の再始動時にセットされる再始動フラグ
FS及び最初の電源投入時のリセット状態でセットされ
る異常診断禁止フラグFAが共にリセットされていれば
電源投入時のリセット状態と判断して遮断リレー47及
びフェイルセーフ弁12の異常診断を行ってから、何れ
かのフラグFS,FAがセットされているときには異常
診断を行うことなく姿勢変化抑制制御を実行して、異常
診断の誤判断を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体と各車輪との
間に流体シリンダを介装し、この流体シリンダに供給す
る作動流体を圧力制御弁等の制御弁で制御することによ
り、車両の車高、ロール,ピッチ等の姿勢変化を抑制す
る能動型サスペンション装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の能動型サスペンションとしては、
本出願人等が先に提案した特開平1−145215号公
報に記載されているものがある。
【0003】この従来例は、車輪と車体との間に各々介
装された流体圧シリンダと、この各流体圧シリンダに対
する流体圧源からのライン圧を指令値に応じて個別に制
御する圧力制御弁と、流体圧源及び各圧力制御弁との間
における、供給側配管に介装したチェック弁及び戻り側
配管に介装したオペレートチェック弁で構成される圧力
保持部と、この圧力保持部のチェック弁と各圧力制御弁
との間に介装された切換弁とを備え、前記各圧力制御弁
に指令値を与える電気系の異常を検知する異常検知手段
で、異常を検知したときに、前記切換弁を前記流体圧源
からの作動流体の供給を遮断すると共に、各圧力制御弁
の供給側をオペレートチェック弁に連通させ、且つ圧力
制御弁の指令値を中立圧近傍となるように設定すること
により、制御系の異常発生時に流体圧シリンダの圧力を
中立圧に封入して車高の急変を防止するようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の能動型サスペンションにあっては、異常検知手段で
異常を検知したときに切換弁を切換えるようにしている
ので、イグニッションスイッチがオン状態であるときに
制御系が異常となったときには非常に有効であるが、イ
グニッションスイッチをオフ状態とした直後に再度イグ
ニッションスイッチをオン状態に復帰させて再始動を行
う時に例えば車載バッテリの劣化等によってスタータを
駆動することにより電源電圧が瞬間的に急激に低下した
場合には車高変動を伴うという未解決の課題がある。
【0005】すなわち、能動型サスペンションにおいて
は、特開平3−90415号公報に記載されているよう
にイグニッションスイッチをオフ状態としたときの車高
急変を防止するために、電源電圧を自己保持しておき、
この間に各圧力制御弁に対する指令値を予め設定された
中立圧と等しい値となるまで徐々に変更するようにして
いる。したがって、イグニッションスイッチがオフ状態
となった後も暫くはパイロット操作形逆止弁(オペレー
トチェック弁)は開状態を維持している。
【0006】このパイロット操作形逆止弁の開状態で、
再度イグニッションスイッチをオン状態としてからエン
ジン再始動状態としたときに、電源電圧が瞬間的に低下
すると、電源系統の異常と判断されることにより、各圧
力制御弁及び切換弁への通電が瞬時に停止される。
【0007】このとき、各圧力制御弁は各輪の流体圧シ
リンダに対して個別に設けられているのに対し、切換弁
は全輪の流体圧を扱う関係で圧力制御弁の方が切換弁よ
り流体圧応答が約200msec程度速いことに起因し
て、切換弁が切換わる前に各圧力制御弁の通電停止に応
答して流体圧シリンダをパイロット操作形逆止弁に連通
させることにより、流体圧シリンダの圧力が急激に低下
して車高が低下し、その後切換弁が切換わることによ
り、圧力制御弁の1次側圧力が低下してパイロット操作
形逆止弁が閉じ、これによってアキュムレータの蓄圧に
よって流体圧シリンダの内圧が所定の中立圧まで回復さ
れることになって車高変動を生じるという未解決の課題
がある。
【0008】この未解決の課題を解決するために、エン
ジン再始動時に切換弁を閉状態とすることなく開状態に
維持することが考えられるが、前述した従来例に示され
ているように、圧力制御弁や切換弁の作動を保証するた
めに、通常制御系の異常検出を行う異常診断処理を行っ
ており、この異常診断処理では、各制御弁の開状態及び
閉状態の異常を検出する必要があるが、エンジン再始動
時に切換弁を開状態に維持する場合には、フェイルセー
フ処理時に閉状態異常と誤判断されることになり、これ
によって切換弁が強制的に閉状態に制御されてしまい姿
勢変化抑制制御を行うことができなくなるという新たな
課題がある。
【0009】また、エンジン再始動時に、バッテリー電
圧が低下していて、スタータモータを回転駆動してもエ
ンジンが始動しない場合には、スタータモータの繰り返
しの回転駆動により、バッテリー電圧がますます低下
し、姿勢変化抑制制御処理を行う場合の電圧が不足して
車高が低下するという未解決の課題もある。
【0010】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、エンジン再始動時
における車高変動を確実に抑制することができる能動型
サスペンションを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る能動型サスペンションは、各車輪と
車体との間に介装された流体シリンダと、流体圧供給装
置に供給側管路及び戻り管路で接続され前記流体シリン
ダに供給する作動流体を制御する制御弁と、前記供給側
管路に介挿された制御弁側への流出を許容する逆止弁及
び前記戻り管路に介挿された前記逆止弁及び制御弁間の
供給圧がパイロット圧として入力され、当該パイロット
圧が設定値以下となったときに閉じるパイロット操作型
逆止弁を少なくとも有する圧力保持部と、該圧力保持部
と圧力制御弁との間に介挿した当該圧力保持部及び制御
弁間を連通状態とする第1の切換位置と圧力保持部側を
遮断し且つ圧力制御弁の入力側を共に前記パイロット操
作型逆止弁に連通状態とする第2の切換位置とを有する
切換弁と、少なくとも前記切換弁を含む制御系の異常診
断を行う異常診断手段と、常時は前記切換弁を第1の切
換位置に制御し、前記異常診断手段で制御系の異常状態
を検出したときに第2の切換位置に切換える異常制御手
段とを備えた能動型サスペンションにおいて、電源電圧
が所定値以下に低下したことを検出する電圧低下検出手
段を有し、前記異常制御手段は、前記電圧低下検出手段
で電圧低下を検出したときに前記切換弁を第1の切換位
置に保持すると共に、前記異常診断手段での当該切換弁
に対する異常診断を禁止するように構成されていること
を特徴としている。
【0012】また、請求項2に係る能動型サスペンショ
ンは、請求項1の発明において、前記異常制御手段は、
電源電圧が所定値以下の状態を所定時間継続したときに
スタータモータへの電源供給を遮断するモータ電源遮断
手段を有することを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】請求項1に係る能動型サスペンションに
よれば、イグニッションスイッチをオフ状態とした後例
えば圧力保持部を構成するパイロット操作形逆止弁が開
状態を維持している時間内にエンジン再始動させると、
スタータモータの駆動により電源電圧が低下し、これが
電圧低下検出手段で検出され、この電源電圧低下検出時
に異常制御手段で切換弁を第1の切換位置に保持して圧
力保持部及び制御弁間の連通状態を継続すると共に、前
記異常診断手段での当該切換弁に対する異常診断を禁止
することにより、異常診断手段における切換弁が第1の
切換位置に保持されていることによる異常状態の誤検出
を確実に防止して、良好な制御状態を継続することがで
きるという効果が得られる。
【0014】また、請求項2に係る能動型サスペンショ
ンによれば、バッテリ電圧が所定値以下の状態を所定時
間継続したときにモータ電源遮断手段でスタータモータ
への電源供給を遮断するので、スタータモータを回転駆
動してもエンジンが始動しない場合の電源電圧の低下を
抑制し、この間の制御電圧の低下に基づく車高低下を確
実に抑制することができるという効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態を示
す油圧回路図である。
【0016】図中、FSは流体圧供給装置であって、回
転駆動源としてのエンジン2の出力軸2aに連結されて
回転駆動され、吸込側がオイルタンク3に接続された油
圧ポンプ1と、その吐出側に逆止弁4を介して接続され
た供給側配管5と、オイルタンク3にオイルクーラー6
を介して接続された戻り側配管7とを備え、供給側配管
5には脈動吸収用のアキュムレータ8が接続されている
と共に、アキュムレータ8の下流側にフィルタ9が介挿
されている。フィルタ9には、これと並列にフィルタ7
の目詰まり時のバイパス流路が形成され、このバイパス
流路に逆止弁10が介挿されている。
【0017】そして、供給側配管5及び戻り側配管7の
他端が圧力保持部11、フェイルセーフ弁12を介して
各車輪に対応する圧力制御弁13FL〜13RRの入力
ポート13i及び戻りポート13oに接続されている。
【0018】圧力保持部11は、供給側配管5に介挿さ
れた逆止弁14と、供給側配管5及び戻り側配管7間に
介挿された、通常状態のライン圧PH (kg/cm2 )を設
定する通常ライン圧設定用リリーフ弁15と、フェイル
セーフ弁12の下流側即ち圧力制御弁13FL〜13R
R側のライン圧がパイロット圧PP として供給されるパ
イロット操作形逆止弁16と、逆止弁14の直前に直列
に介装された電磁開閉弁17及び絞り18の並列回路と
を備えている。
【0019】ここで、パイロット操作形逆止弁16は、
パイロット圧PP が予め設定された所定の中立圧PN
上であるときには、逆止弁機能を解除してその戻り側配
管7を連通状態とする開状態となり、パイロット圧PP
が中立圧PN 未満であるときには、逆止弁機能が作用し
て、その戻り側配管7を遮断する閉状態となる。また、
電磁開閉弁17は、後述する制御装置30からの制御信
号CS2 によって後述するイグニッションスイッチ40
がオフ状態からオン状態に切換わったときに数秒程度の
所定時間だけソレノイド17aが通電されて閉状態に制
御される。
【0020】フェイルセーフ弁12は、スプリングオフ
セット形の4ポート2位置電磁開閉弁で構成され、圧力
保持部11の逆止弁14の下流側に接続されたPポート
と、パイロット操作形逆止弁16の入力ポート16iに
接続されたRポートと、圧力制御弁13FL〜13RR
の入力ポート13iに接続されたAポートと、戻りポー
ト13oに接続されたBポートとを有し、ソレノイド1
2aに後述する制御装置32から供給される制御信号C
1 がオフ状態であり、リターンスプリング12bによ
って切換えられたノーマル切換位置でPポート及びRポ
ートが遮断され且つAポート及びBポートが互いに連通
される状態となり、ソレノイド12aに供給される制御
信号CS1 がオン状態となったオフセット切換位置でP
ポート及びAポートを直接連通する連通路と、Rポート
及びBポート間を直接連通する連通路とが形成される。
また、Rポート及びBポート間が外部の絞り12cを介
して連通されている。
【0021】圧力制御弁13FL〜13RRのそれぞれ
は、入力ポート13i、戻りポート13o及び制御圧ポ
ート13cを有すると共に、制御圧ポート13cと入力
ポート13i及び戻りポート13oとを遮断状態に又は
制御圧ポート13cと入力ポート13i及び戻りポート
13oの何れか一方とを連通させる連通状態に切換える
スプールを有し、このスプールの両端に供給圧と制御圧
とがパイロット圧として供給され、さらに供給圧側パイ
ロット圧を比例ソレノイド13sによって制御されるポ
ペット弁で制御する構成を有し、制御圧ポート13cの
圧力が常に比例ソレノイド13sに後述する制御装置3
0から供給される励磁電流IFL〜IRRに応じた圧力とな
るように制御される。
【0022】そして、入力ポート13iはフェイルセー
フ弁12のAポートに接続され、戻りポート13oはフ
ェイルセーフ弁12のBポートに接続され、さらに制御
ポート13cが各車輪と車体との間に介挿された各油圧
シリンダ19FL〜19RRの圧力室19aに接続され
ている。
【0023】ここで、励磁電流IFL〜IRRと制御ポート
13cから出力される制御油圧PCとの関係は、図2に
示すように、指令値IFL〜IRRが零近傍であるときにP
MINを出力し、この状態から指令値IFL〜IRRが正方向
に増加すると、これに所定の比例ゲインK1 をもって制
御油圧PC が増加し、圧力保持部11の設定ライン圧P
H で飽和する。
【0024】そして、圧力制御弁13FL及びFRの戻
りポート13o及びフェイルセーフ弁12のBポート間
を連通する戻り側配管20Fには、背圧吸収用アキュム
レータ21Fが接続され、圧力制御弁13RL及び13
RRの戻りポート13o及びフェイルセーフ弁12のB
ポート間を連通する戻り側配管20Rには、背圧吸収用
アキュムレータ21Rが接続され、これらによって戻り
側配管20F及び20Rを流れる圧力油の管路抵抗等に
よって発生する背圧を吸収している。
【0025】なお、22Fはフェイルセーフ弁12のA
ポート及び圧力制御弁13FL,13FRの入力ポート
13i間の油圧配管に接続された蓄圧用のアキュムレー
タ、22Rはフェイルセーフ弁12のAポート及び圧力
制御弁13RL,13RRの入力ポート13i間の油圧
配管に接続された蓄圧用のアキュムレータ、23FL〜
23RR及び24FL〜24RRは油圧シリンダ19F
L〜19RRに入力される路面からの車両バネ下振動の
高周波域の圧力変動を吸収するための減衰バルブ及びア
キュムレータ、25F,25Rは戻り側配管20F,2
0Rの異常高圧発生時に、この異常高圧を供給側配管5
側に逃がす逆止弁、26は戻り側配管20F,20Rの
背圧を常に数kgf/cm2 に保つことにより、戻り側配管2
0F,20Rの油柱分離を防止するための絞りである。
【0026】また、車体には、図3に示すように、姿勢
変化検出手段としての車体に発生する横加速度を検出す
る横加速度センサ28と車体に発生する上下加速度を検
出する上下加速度センサ29FL〜29RRとがそれぞ
れ適所に設けられている。
【0027】横加速度センサ28は、横加速度が零であ
るときに正の中立電圧VN の横加速度検出値YG0を、車
両の右旋回による左方向の横加速度が生じたときに、こ
れに比例した横加速度検出値YG0より低い横加速度検出
値YG を、車両の左旋回による右方向の横加速度が生じ
たときに、これに比例した横加速度検出値YG0より高い
横加速度検出値YG をそれぞれ出力する。
【0028】同様に、上下加速度センサ29FL〜29
RRも、上下加速度が零であるときに正の中立電圧VN
の上下加速度検出値ZG0を、車体に上方に向かう加速度
が生じたときに、これに比例した上下加速度検出値ZG0
より低い上下加速度検出値Z G を、車体に下方に向かう
加速度が生じたときに、これに比例した上下加速度検出
値ZG0より高い上下加速度検出値ZG をそれぞれ出力す
る。
【0029】そして、横加速度センサ28及び上下加速
度センサ29FL〜29RRの各検出値が制御装置30
に入力される。この制御装置30は、図3に示すよう
に、電源供給回路31から電源が供給されるマイクロコ
ンピュータ32と、このマイクロコンピュータ32から
出力される各圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧
力指令値PFL〜PRRが供給される制御弁駆動回路33
と、同様にマイクロコンピュータ32から出力される制
御信号CS1 を保持するホールド回路34と、このホー
ルド回路34のホールド信号又は制御信号CS1 に基づ
いて電源供給回路31の遮断リレー47とフェイルセー
フ弁12とを個別に駆動するスイッチングトランジスタ
36及び37と、マイクロコンピュータ32から出力さ
れる制御信号CS2 に基づいて電磁開閉弁17を駆動す
るスイッチングトランジスタ38と、制御弁駆動回路3
3の制御電流を検出する電流検出回路39及びスイッチ
ングトランジスタ36及び37のコレクタ電圧を検出す
る電圧検出回路40とを少なくとも備えている。
【0030】電源供給回路31は、バッテリー41に接
続された電源回路42と、この電源回路42の出力側に
接続された電源リレー43とを有し、電源リレー43の
出力がマイクロコンピュータ32に電源として供給され
ると共に、電源リレー43の一端が電源回路42に接続
されたリレーコイル43aが一対のスイッチングトラン
ジスタ44及び45を介して接地されている。そして、
一方のスイッチングトランジスタ44のベースはイグニ
ッションスイッチ46を介してバッテリー41に接続さ
れ、他方のスイッチングトランジスタ45のベースにマ
イクロコンピュータ32から出力される自己保持信号S
Sが供給される。
【0031】また、電源供給回路31は、バッテリー4
1とフェイルセーフ弁12、圧力制御弁13FL〜13
RR及、電磁開閉弁17及び制御弁駆動回路33との間
に介挿された遮断リレー47を有し、この遮断リレー4
7のリレーコイル47aの一端がバッテリー41に、他
端がスイッチングトランジスタ36に接続されている。
【0032】ここで、電源回路42は、図4に示すよう
に、バッテリー電圧VB をマイクロコンピュータ32で
使用する所定電圧VM に変換する安定化電源回路42a
と、バッテリー41に接続された十分大きな抵抗値を有
する電圧検出抵抗RB のバッテリ電圧VB を検出するバ
ッテリー電圧検出回路42bと、バッテリー電圧検出回
路42bで検出したバッテリー電圧VB が入力され、こ
れに基づいてバッテリー41の劣化状態を判断し、これ
に応じてマイクロコンピュータ32への電源及びリセッ
ト信号の供給及び後述するスタータ回路70への制御信
号CSR の供給を制御するバッテリー異常制御回路42
cとを備えている。
【0033】そして、安定化電源回路42aの出力電圧
M が電源リレー43を介してマイクロコンピュータ3
2に作動電源として供給されると共に、マイクロコンピ
ュータ32の記憶装置32dに直接バックアップ用電源
として供給され、さらにホールド回路34に直接制御電
源として供給される。
【0034】バッテリー異常制御回路42cは、例えば
マイクロコンピュータで構成され、図5に示す処理を実
行して、バッテリ電圧VB が第1の設定電圧VBS以上で
ある正常状態では、リセット信号RSを論理値“0”と
し、さらにスタータ回路70でのスタータモータ71の
駆動を許容する論理値“1”の制御信号CSR を出力す
るが、バッテリ電圧VB が第1の設定電圧VBS未満とな
ると、リセット信号RSを論理値“1”とし、さらにバ
ッテリ電圧VB が第1の設定電圧VBSより低い第2の設
定電圧VBA未満となる状態が所定時間継続すると、スタ
ータ回路70に対してスタータモータ71の駆動を禁止
するように制御信号CSR を論理値“0”に反転させ
る。
【0035】マイクロコンピュータ32は、少なくとも
入力インタフェース回路32a、出力インタフェース回
路32b、演算処理装置32c及び記憶装置32dを有
し、入力インタフェース回路32aには、横加速度セン
サ28の横加速度検出値YG、上下加速度センサ29F
L〜29RRの上下加速度検出値ZGFL 〜ZGRR がそれ
ぞれA/D変換器51、52FL〜52RRを介して入
力されると共に、電流検出回路39の検出信号が夫々A
/D変換器53FL〜53RRを介して、電圧検出回路
40の検出信号が直接夫々入力され、さらにイグニッシ
ョンスイッチ46のオン・オフ状態を検出する前述した
電圧検出回路40と同様の構成を有する電圧検出回路4
8の検出信号VIGが入力される。
【0036】また、出力インタフェース回路32bから
出力される圧力指令値PFL〜PRRがD/A変換器54F
L〜54RRでアナログ電圧に変換された後ラッチ回路
55で出力インタフェース回路32bから出力されるラ
ッチパルスLPが入力される毎にラッチされて制御弁駆
動回路35に供給されると共に、制御信号CS1 及びホ
ールド制御パルスCHS,CHRがホールド回路34に供給
され、さらに制御信号CS2 が直接スイッチングトラン
ジスタ38のベースに供給されると共に、自己保持信号
SSがスイッチングトランジスタ45のベースに供給さ
れ、なおさらに警告信号AS2 が警告表示装置56に供
給される。
【0037】演算処理装置32cは、電源供給回路31
の電源回路42からリセット信号RSが入力される毎に
図7のリセット処理を実行する。このリセット処理は、
リセット信号RSの入力時の状態が電源投入時のリセッ
ト状態であるか再始動時或いはバッテリ電圧低下時のリ
セット状態であるかを判別し、電源投入時のリセット状
態ではフェイルセーフ弁12及び遮断リレー47のオフ
状態異常診断、オン状態異常診断及び制御弁駆動回路3
3の異常診断を行った結果正常であるときに姿勢変化抑
制制御処理に移行し、異常であるときにフェイル処理を
実行するが、再始動時等のバッテリ電圧低下時のリセッ
ト状態ではフェイルセーフ弁12,遮断リレー47及び
制御弁駆動回路33の異常診断を行うことなく姿勢変化
抑制制御処理に移行する。
【0038】姿勢変化抑制制御処理は、図8に示すよう
に、初期状態で制御信号CS1 及びCS2 をオン状態と
してから所定時間T1 経過後に制御信号CS2 をオフ状
態し、その後電流検出回路39及び電圧検出回路40の
検出信号に基づいて同様にフェイルセーフ弁12,遮断
リレー47及び制御弁駆動回路33の異常診断を行い、
正常状態であるときには、入力インタフェース回路32
aを介して横加速度センサ28の横加速度検出値YG
読込んで、この横加速度検出値YG に基づくロール抑制
圧力指令値PLを算出すると共に、上下加速度センサ2
9FL〜29RRの上下加速度検出値ZGFL 〜ZGRR
読込んで、この上下加速度検出値ZGFL〜ZGRR に基づ
きバウンス抑制圧力指令値PBFL〜PBRRを算出し、各
圧力指令値を加減算して車体の姿勢変化を抑制する圧力
指令値PFL〜PRRを算出し、これら圧力指令値PFL〜P
RRを出力インタフェース回路32bを介してD/A変換
器54FL〜54RRに出力する姿勢変化抑制制御処理
を実行する。
【0039】また、演算処理装置32cは、フェイルセ
ーフ弁12,遮断リレー47及び制御弁駆動回路33の
異常診断結果が異常状態であるときには、制御系に異常
が生じたものと判断し、圧力指令値PFL〜PRRを徐々に
変化させて所定の中立圧PNに一致させた後制御信号C
1 をオフ状態としてフェイルセーフ弁12を第2の切
換位置に切換える。
【0040】記憶装置32dは、ROM,RAM等で構
成され、前記演算処理装置32cの演算処理に必要なプ
ログラムを予め記憶していると共に、演算処理装置32
cの演算結果を逐次記憶し、さらに電源回路42から常
時バックアップ電力が供給され、これによってリセット
処理で必要な再始動フラグFS、異常診断禁止フラグF
Aその他の必要なデータをマイクロコンピュータ32へ
の電源供給遮断された状態でも保持する。
【0041】また、制御弁駆動回路33は、図5に示す
ように、非反転入力側にD/A変換器54FL〜54R
Rの圧力指令電圧VFL〜VRRが入力されたオペアンプ6
1と、その出力電圧がベースに入力され、コレクタが圧
力制御弁13FL〜13RRの電磁ソレノイド13sを
介して正の直流電源に、エミッタがシャント抵抗62を
介して接地に接続された増幅用トランジスタ63とを有
し、トランジスタ63のエミッタ及びシャント抵抗62
間の電圧がオペアンプ61の反転入力側に帰還されたフ
ローティング型の定電流回路を4つ備えており、入力さ
れる圧力指令電圧VFL〜VRRを励磁電流IFL〜IRRに変
換して、これを各圧力制御弁13FL〜13RRの比例
ソレノイド13sに供給する。
【0042】さらに、ホールド回路34は、図3に示す
ように、マイクロコンピュータ32の出力インタフェー
ス回路32bから出力される制御信号CS1 及びホール
ド制御パルスCHSが入力されるアンドゲート34aと、
このアンドゲート34aの出力がセット端子Sにマイク
ロコンピュータ32の出力インタフェース回路32bか
ら出力されるホールド制御パルスCHRがリセット端子R
に夫々入力されるRS型フリップフロップ回路34b
と、このフリップフロップ回路34bの肯定出力端子Q
の出力信号とマイクロコンピュータ32の出力インタフ
ェース回路32bから出力される制御信号CS1 とが入
力されるオアゲート34cと、このオアゲート34cの
出力とマイクロコンピュータ32の出力インタフェース
回路32bから出力される制御信号CS0 とが入力され
るオアゲート34dとを有し、オアゲート34cから出
力されるホールド信号HSがスイッチングトランジスタ
37のベースに供給されると共に、オアゲート34dの
出力がスイッチングトランジスタ36のベースに供給さ
れている。
【0043】また、電流検出回路39は、制御弁駆動回
路33のトランジスタ63のエミッタ及びシャント抵抗
62間の電圧を検出し、実際に流れる励磁電流IFL〜I
RRに対応した検出信号をA/D変換器53FL〜53R
Rでディジタル信号に変換してマイクロコンピュータ3
2の入力インタフェース回路32aに入力する。
【0044】したがって、マイクロコンピュータ32で
出力した圧力指令値PFL〜PRRと実際の励磁電流値IFL
〜IRRとを比較することにより、制御弁駆動回路35の
異常診断を行うことができる。
【0045】さらに、電圧検出回路40は、図3に示す
ように、参照電圧VTHとスイッチングトランジスタ37
のコレクタ電圧とが入力されるコンパレータ65と、そ
のコレクタ電圧が入力される入力端子と接地間に配設さ
れ、且つフェイルセーフ弁12のソレノイドのコイル抵
抗に比べて十分大きな抵抗値を有する電圧検出抵抗66
とで構成されている。
【0046】そして、コンパレータ65は、マイクロコ
ンピュータ32からの制御信号CS 1 に応じてフェイル
セーフ弁12のソレノイドが正常に作動しているか否か
を判断するための比較信号でなる電圧検出信号VF をマ
イクロコンピュータ32の入力インタフェース回路32
aに入力する。
【0047】ここで、遮断リレー47がオン状態である
場合に、正常状態では、マイクロコンピュータ32から
論理値“0”の制御信号CS1 が出力されてトランジス
タ37がオフ状態となっているときには、コレクタ電圧
はバッテリー41のバッテリー電圧VB と同一電圧のハ
イレベルとなり、論理値“1”の制御信号CS1 が出力
されてトランジスタ37がオン状態となっているときに
は、コレクタ電圧はローレベルになる。
【0048】しかしながら、フェイルセーフ弁12のソ
レノイドが断線すると、トランジスタ37がオフ状態の
ときにコレクタ電圧がローレベルになり、一方、フェイ
ルセーフ弁12のソレノイドに短絡異常が発生すると、
トランジスタ37がオン状態のときにトランジスタ37
のコレクタ及びエミッタ間の抵抗の作用によりコレクタ
電圧がハイレベルとなる。また、遮断リレー47の接点
が閉じなくなる接点開成異常や接点が開かなくなる接点
閉成異常時にもこの異常が同様にコレクタ電圧の変化と
して現れる。
【0049】したがって、マイクロコンピュータ32で
出力した制御信号CS1 の論理値と電圧検出回路40の
検出信号VF とを比較することにより、フェイルセーフ
弁12のソレノイド及び遮断リレーの異常診断を行うこ
とができる。
【0050】なお、ラッチ回路55は、内部に安定化電
源を有し、この安定化電源に遮断リレー47を介してバ
ッテリー41の電力が供給されることにより、マイクロ
コンピュータ32とは独立してラッチ状態を保持するこ
とができるように構成されている。
【0051】また、スタータ回路70は、図3に示すよ
うに、一端が接地されたスタータモータ71の他端がコ
ンタクタ72を介し、さらに遮断リレー73を介してバ
ッテリー41に接続され、コンタクタ72を駆動するプ
ランジャ74に巻装されたプルインコイル75及びホー
ルディングコイル76の一端がスタータスイッチ77を
介してバッテリー41に接続され、プルインコイル76
の他端がスタータモータ71に接続されていると共に、
ホールディングコイル76の他端が接地された構成を有
し、遮断リレー73の一端がバッテリー41に接続され
たリレーコイル73aの他端がスイッチングトランジス
タ78のコレクタに接続され、このトランジスタ78の
エミッタが接地されていると共に、ベースに電源回路4
2のバッテリ異常制御回路42dからの制御信号CSR
が入力される。
【0052】次に、上記実施例の動作を電源供給回路3
1のバッテリー異常制御回路42cの処理手順を示す図
6のフローチャート及びマイクロコンピュータ32の演
算処理装置32cの処理手順を示す図7及び図8のフロ
ーチャートを伴って説明する。
【0053】先ずバッテリー異常制御回路42cでは、
例えばイグニッションスイッチ46がオン状態となった
ときに図6に示す処理を実行開始し、先ずステップS1
でスタータ回路70のスイッチングトランジスタ78に
対して論理値“1”の制御信号CSR を出力し、これに
よってトランジスタ78をオン状態として遮断リレー7
3をオン状態としてスタータモータ71を駆動可能状態
とすると共に、マイクロコンピュータ32に対して論理
値“1”のリセット信号RSを出力して、マイクロコン
ピュータ32をリセット状態に制御し、さらにバッテリ
ー異常状態を表す警告信号AS1 を論理値“0”に設定
する。
【0054】次いで、ステップS2に移行して、バッテ
リー電圧検出回路42bで検出したバッテリー電圧VB
を読込み、次いでステップS3に移行して、バッテリー
電圧VB が予め設定した第1の設定電圧VBS以下である
か否かを判定する。このとき、VB >VBSであるときに
は、バッテリー電圧VB が十分高いものと判断して、ス
テップS4に移行し、エンジン始動後であるか否かを表
す制御状態フラグFVがエンジン始動後を表す“1”に
セットされているか否かを判定し、これが“0”にリセ
ットされているときにはそのまま前記ステップS2に戻
り、“1”にセットされているときにはステップS5に
移行して、リセット信号RSを論理値“0”に反転さ
せ、次いでステップS6に移行して、警告信号AS1
論理値“0”に設定してから前記ステップS2に移行す
る。
【0055】一方、ステップS3の判定結果がVB ≦V
BSであるときにはスタータモータ71の駆動によりバッ
テリ電圧VB が低下しているものと判断してステップS
7に移行し、制御状態フラグFVを“1”にセットし、
次いでステップS8に移行して、バッテリー電圧VB
第1の設定電圧VBSより低い第2の設定電圧VBA未満で
あるか否かを判定する。この判定は、バッテリ電圧VB
の低下状態がスタータ回路70の動作に影響を与える状
態であるか否かを判断するものであり、VB >VBAであ
るときにはスタータ回路70の動作に影響がないものと
判断してステップS9に移行し、後述する重度の劣化状
態を判断する基準となるタイマを停止させてから前記ス
テップS2に戻り、VB ≦VBAであるときにはステップ
S10に移行する。
【0056】このステップS10では、タイマが起動さ
れているか否かを判定し、タイマが起動されていないと
きにはステップS11に移行してタイマを起動して計時
を開始させてからステップS12に移行し、タイマが起
動されているときには直接ステップS12に移行する。
【0057】このステップS12では、タイマのタイマ
値tM が予め設定されたバッテリ電圧正常時においてス
タータモータ71の回転によってエンジンが始動に至る
に十分な設定時間tS 以上となったか否かを判定し、t
M <tS であるときにはエンジンが始動したか又はその
途中であると判断して前記ステップS2に戻り、tM
S であるときには、エンジンが始動しなかったものと
判断して、ステップS13に移行する。
【0058】このステップS13では、スタータ回路7
0のスイッチングトランジスタ78に対する制御信号C
R を論理値“0”に反転させ、これによってトランジ
スタ78をオフ状態として遮断リレー73をオフ状態と
し、スタータモータ71へのバッテリー電源の供給を遮
断し、エンジンの始動を中止する。
【0059】次いで、ステップS14に移行して、運転
席の前面側に配設した警告表示装置56に対して論理値
“1”の警告信号AS1 を出力して、所定の警告表示を
点灯させ、バッテリー41の重度の劣化状態を運転者に
報知する。
【0060】次いでステップS15に移行して、予め設
定したエンジンの再始動によるバッテー電圧の低下への
影響が少なくなる所定時間が経過したか否かを判定し、
所定時間が経過していないときにはこれが経過するまで
待機し、所定時間が経過したときにはステップS16に
移行して、スタータ回路70に対する制御信号CSR
論理値“1”に復帰させ、これによって遮断リレー73
をオン状態に復帰させて、次いでステップS17に移行
してタイマを停止させてから前記ステップS2に戻る。
【0061】また、マイクロコンピュータ32の演算処
理装置32cでは、バッテリー異常制御回路42cから
のリセット信号RSが論理値“1”から論理値“0”に
反転した時点で図7に示すリセット処理を実行する。
【0062】このリセット処理は、先ずステップS21
で初期化処理を行って、制御信号CS0 を論理値“1”
に設定して、オアゲート34dを介してスイッチングト
ランジスタ36をオン状態とし、これによって遮断リレ
ー47をオン状態に制御すると共に、制御に必要な保持
データ以外のデータを初期設定し、次いでステップS2
2に移行して、予め記憶装置32dのRAMに予め格納
しておいたキーワードを読出し、このキーワードがRO
Mに格納されているキーワードと一致するか否かを判定
する。この判定は、マイクロコンピュータ32に対する
作動電源の遮断時に記憶装置32dでバックアップ電源
によってバックアップしている再始動フラグFS、異常
診断禁止フラグFA等のバックアップデータが正常であ
るか否かを判断するものであり、両キーワードが一致す
るときにはバックアップデータが正常であるものと判断
してステップS23に移行し、両キーワードが不一致で
あるときには、バックアップデータが異常であると判断
してステップS24に移行して、キーワードを記憶し直
してから後述するステップS26に移行する。
【0063】ステップS23では、後述する姿勢制御抑
制制御処理によって再始動フラグFSが“1”にセット
されているか否かを判定し、これが“1”にセットされ
ているときには、イグニッションスイッチをオン状態か
らオフ状態とした後圧力保持部11のパイロット操作形
逆止弁16が閉状態となる迄の時間内にエンジンが再始
動されるものと判断して直接ステップS32に移行し、
再始動フラグFSが“0”にリセットされているときに
は、エンジンの再始動状態ではないものと判断してステ
ップS25に移行する。
【0064】このステップS25では、異常診断禁止フ
ラグFAが“1”にセットされているか否かを判定し、
これが“1”にセットされているときには前記ステップ
S23と同様にステップS32に移行し、“0”にリセ
ットされているときには前回の処理が自己保持信号SS
を論理値“0”にすることによる自己保持時間の満了に
よる終了であって、今回のリセットが電源投入時のリセ
ット状態であるものと判断して、ステップS26に移行
する。
【0065】このステップS26では、異常診断禁止フ
ラグFAを“1”にセットし、次いでステップS27に
移行して、フェイルセーフ弁12及び遮断リレー47の
オフ状態での異常診断を行う。この異常診断は、制御信
号CS1 を論理値“0”とし、このときの電圧検出回路
40の検出電圧VF を読込み、これが論理値“0”であ
るときにはフェイルセーフ弁12のソレノイドの断線又
は遮断リレー47の異常であると判断してステップS2
8に移行し、論理値“1”の警告信号AS2 を警告表示
装置56に出力して、所定の警告表示を点灯させること
により、制御系の異常を運転者に報知してから処理を終
了し、検出電圧VF が論理値“1”であるときにはフェ
イルセーフ弁12のソレノイド及び遮断リレー47が正
常であると判断してステップS29に移行する。
【0066】このステップS29では、フェイルセーフ
弁12及び遮断リレー47のオン状態での異常診断を行
う。この異常診断は、制御信号CS1 を論理値“1”と
し、このときの電圧検出回路40の検出電圧VF を読込
み、これが論理値“1”であるときにはフェイルセーフ
弁12のソレノイドの短絡であると判断してステップS
28に移行し、論理値“1”の警告信号AS2 を警告表
示装置56に出力して、所定の警告表示を点灯させるこ
とにより、制御系の異常を運転者に報知してから処理を
終了し、検出電圧VF が論理値“0”であるときには正
常であると判断してステップS30に移行する。
【0067】このステップS30では、制御弁駆動回路
35の異常診断を行う。この異常診断は、制御弁駆動回
路35に対して予め設定した所定値例えば中立圧指令値
Nでなる圧力指令値PFL〜PRRを出力した後ラッチ回
路55にラッチパルスLPを出力して、制御弁駆動回路
35の出力電流を中立圧指令値PN に相当する電流値I
N に制御し、このときの電流検出回路39の検出電流I
FL〜IRRをA/D変換器53FL〜53RRを介して読
込み、これら検出電流IFL〜IRRが上記電流値IN の許
容範囲内であるか否かを判定し、検出電流IFL〜IRR
許容電流範囲より大きいときには、圧力制御弁13FL
〜13RRのソレノイド13sの短絡、トランジスタ6
3のオン状態異常等の異常が発生したものと判断し、許
容電流範囲より小さいときには、ソレノイド13sの断
線、トランジスタ63のオフ状態異常等の異常が発生し
たものと判断し、何れの場合も前記ステップS28に移
行し、検出電流IFL〜IRRが許容電流範囲内であるとき
には制御弁駆動回路35が正常であると判断してステッ
プS31に移行する。
【0068】このステップS31では、異常診断の結
果、各部に異常が発生してない正常状態であるものと判
断して、ホールド回路34に対して、ホールド開始を指
令するホールド制御パルスCHSを出力する。
【0069】このため、ホールド回路34では、前記ス
テップS29で制御信号CS1 が論理値“1”となって
いるので、アンドゲート34aの出力が論理値“1”に
反転し、これによってフリップフロップ回路34bがセ
ット状態となり、その肯定出力端子Qの出力信号が論理
値“1”となる。この出力信号がオアゲート34c及び
34dを介してスイッチングトランジスタ37及び36
に供給されるので、これらトランジスタ37及び36が
フリップフロップ回路34bがリセット状態となるまで
オン状態を継続する。
【0070】次いで、ステップS32に移行して、図8
に示す姿勢変化抑制制御処理を起動してから処理を終了
する。この図8の姿勢変化抑制制御処理は、先ずステッ
プS41で制御信号CS2 をオン状態として、フェイル
セーフ弁12を開状態、電磁開閉弁17を閉状態とする
と共に、自己保持信号SSをオン状態とし、さらに各圧
力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値PFL
RRを中立圧PN に設定して出力すると共に、ラッチパ
ルスLPを出力して、D/A変換器54FL〜54RR
から出力される中立圧PN 相当のアナログ電圧をラッチ
回路55でラッチさせる。
【0071】次いで、ステップS42に移行して、パイ
ロット操作形逆止弁16が全開状態となるに十分な所定
時間T1 (数秒程度)が経過したか否かを判定し、所定
時間T1 が経過していないときにはこれが経過するまで
待機し、所定時間T1 が経過したときには、ステップS
43に移行して制御信号CS2 を論理値“0”として電
磁開閉弁17を開状態としてからステップS44に移行
する。
【0072】このステップS44では、横加速度センサ
28の横加速度検出値YG を読込み、次いでステップS
45に移行してこの横加速度検出値YG から横加速度Y
G が零であるときの加速度検出値YG0を減算することに
より、左旋回時の横加速度を正、右旋回時の横加速度を
負とする実際の横加速度に対応した実横加速度検出値Y
GRを算出し、次いでステップS46に移行して実横加速
度検出値YGRに所定のゲインKY を乗算してロール抑制
圧力指令値PLを算出し、これを記憶装置32dのロー
ル抑制圧力指令値記憶領域に更新記憶してからロール制
御処理を終了してステップS47に移行する。
【0073】このステップS47では、上下加速度セン
サ29FL〜29RRの上下加速度検出値ZGFL 〜Z
GRR を読込み、次いでステップS48に移行して上下加
速度検出値ZGFL 〜ZGRR から上下加速度ZG が零であ
るときの加速度検出値ZG0を減算することにより、車体
が上方に移動する時の加速度を負、車体が下方に移動す
る時の加速度を正とする実際の上下加速度に対応した実
上下加速度検出値XGRFL〜XGRRRを算出し、次いでステ
ップS49に移行して実上下加速度検出値XGRFL〜X
GRRRに所定のゲインKZ を乗算してバウンス抑制圧力指
令値PBFL〜PBRRを算出し、これを記憶装置32dの
バウンス抑制圧力指令値記憶領域に更新記憶してからバ
ウンス制御処理を終了してステップS50に移行する。
【0074】このステップS50では、記憶装置32d
のロール抑制圧力指令値記憶領域及びバウンス抑制圧力
指令値記憶領域にそれぞれ記憶されている各圧力指令値
PL及びPBFL〜PBRRを読出し、これらに基づいて下
記(1)〜(4)式の演算を行って各圧力制御弁13F
L〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRを算出す
る。
【0075】 PFL=PNF−PL+PBFL …………(1) PFR=PNF+PL+PBFR …………(2) PRL=PNR−PL+PBRL …………(3) PRR=PNR+PL+PBRR …………(4) 次いで、ステップS51に移行して、ラッチ回路55に
対してラッチパルスLPを出力して、D/A変換器54
FL〜54RRのアナログ電圧VFL〜VRRをラッチさ
せ、次いでステップS52に移行して、上記ステップS
50で算出した圧力指令値PFL〜PRRをD/A変換器5
4FL〜54RRに出力してからステップS53に移行
する。
【0076】このステップS53では、各センサ28,
29FL〜29RR、圧力制御弁13FL〜13RR及
び制御装置32を含む制御系に異常が発生したか否かを
判定する。この判定は、前述したリセット処理における
ステップS28と同様のフェイルセーフ弁12及び遮断
リレー47のオン状態異常診断を行うと共に、電流検出
回路39の検出電流IFL〜IRRが現在の圧力指令値PFL
〜PRRに対応した許容電流範囲内であるか否かによって
制御弁駆動回路33の異常診断を行い、さらに横加速度
センサ28、上下加速度センサ29FL〜29RRの異
常診断を行う。
【0077】そして、これら制御系の異常診断を行った
結果、異常と判断されたときには、ステップS54に移
行して、論理値“1”の警告信号AS2 を警告表示装置
56に出力して、所定の警告表示を行うことにより、運
転者に制御系の異常を報知してからステップS55に移
行する。
【0078】このステップS55では、各圧力制御弁1
3i(i=FL,FR,RL,RR)に対する圧力指令
値Pi が中立圧PN と等しいか否かを判定する。この判
定結果がPi =PN であるときには、ステップS56に
移行して、ホール状態の解除を指令するホールド制御パ
ルスCHRをホールド回路34に出力し、これによってフ
リップフロップ回路34bをリセット状態とし、その肯
定出力信号を論理値“0”に反転させてからステップS
57に移行する。
【0079】このステップS57では、制御信号CS0
及びCS1 を共に論理値“0”に反転させ、これによっ
て遮断リレー47を非付勢状態として、各制御弁35F
L〜35RR及び36A〜36Cへの通電を遮断すると
共に、フェイルセーフ弁12を閉状態に切換えてから姿
勢変化抑制制御処理を終了する。
【0080】また、ステップS55の判定結果がPi
N であるときにはステップS58に移行し、各圧力指
令値Pi が中立圧PN を越えているか否かを判定し、P
i >PN であるときには、ステップS59に移行して前
回の圧力指令値Pi(j-1)から所定値即ち大きな車高変化
を生じない程度の値ΔPを減算して新たな圧力指令値P
i(j)を算出してこれを更新記憶すると共に、圧力制御弁
13iに出力し、次いでステップS61でラッチパルス
LPをラッチ回路55に出力してからステップS54に
戻り、Pi <PN であるときには、ステップS60に移
行して前回の圧力指令値Pi(j-1)に所定値ΔPを加算し
て新たな圧力指令値Pi(j)を算出してこれを更新記憶す
ると共に、圧力制御弁13iに出力してから前記ステッ
プS61に移行する。
【0081】一方、前記ステップS53の異常診断結果
が正常であるときには、ステップS62に移行し、イグ
ニッションスイッチ46がオフ状態となったか否かを判
定し、オン状態を継続しているときには前記ステップS
44に戻り、オフ状態となったときにはステップS63
に移行する。
【0082】このステップS63では、イグニッション
スイッチ46がオフ状態となった時点から予め設定した
圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16が全閉状
態となるに十分な所定時間T2 が経過したか否かを判定
し、所定時間T2 が経過していないときには、ステップ
S64に移行して、各圧力制御弁13FL〜13RRに
対する圧力指令値Pi が中立圧PN と等しいか否かを判
定し、Pi =PN であるときには、直接前記ステップS
63に戻り、Pi ≠PN であるときには、ステップS6
5に移行する。
【0083】このステップS65では、各圧力指令値P
i が中立圧PN を越えているか否かを判定し、Pi >P
N であるときには、ステップS66に移行して前回の圧
力指令値Pi(j-1)から所定値即ち大きな車高変化を生じ
ない程度の値ΔPを減算して新たな圧力指令値Pi(j)
算出してこれを更新記憶すると共に、圧力制御弁13i
に出力してからステップS68に移行し、Pi <PN
あるときには、ステップS67に移行して前回の圧力指
令値Pi(j-1)に所定値ΔPを加算して新たな圧力指令値
i(j)を算出してこれを更新記憶すると共に、圧力制御
弁13iに出力してからステップS68に移行する。
【0084】ステップS68では、ラッチ回路55に対
してラッチパルスLPを出力し、次いでステップS69
に移行して、イグニッションスイッチ46がオン状態に
復帰したか否かを判定し、イグニッションスイッチ46
がオフ状態を継続しているときには、前記ステップS6
3に戻り、オフ状態からオン状態に復帰したときにはス
テップS70に移行して、記憶装置32dの所定バック
アップデータ記憶領域に形成されたフラグ格納領域に格
納される再始動状態を表す再始動フラグFSを“1”に
セットしてから処理を終了する。
【0085】一方、ステップS63で所定時間T2 が経
過したと判定されたときには、ステップS71に移行し
て、ホールド状態の解除を指令するホールド制御パルス
HRをホールド回路34に出力してフリップフロップ回
路34bをリセットし、次いでステップS72に移行し
て、制御信号CS0 及びCS1 を論理値“0”に反転さ
せて、スイッチングトランジスタ36及び37をオフ状
態とし、遮断リレー47をオフ状態とすると共にフェイ
ルセーフ弁12を閉状態とする。
【0086】次いで、ステップS73に移行して、再始
動フラグFSを“0”にリセットし、次いでステップS
74に移行して異常診断禁止フラグFAを“0”にリセ
ットしてからステップS75に移行して自己保持信号S
Sをオフ状態として、電源供給回路31のトランジスタ
45をオフ状態としてマイクロコンピュータ32への電
源の供給を遮断して姿勢変化抑制制御処理の実行を終了
する。
【0087】なお、図6の処理、図7のステップS22
〜S26の処理及び図8のステップS53〜S61,S
69,S70の処理が異常制御手段に対応している。し
たがって、今、車両が平坦な路面でイグニッションスイ
ッチ46、スタータスイッチ77及びアクセサリースイ
ッチをオフ状態として所定時間T2 以上停車している状
態では、エンジン2が停止しているので、流体圧供給装
置FSから出力される作動油圧は零となっており、圧力
保持部11のパイロット操作形逆止弁16が閉状態とな
って、圧力制御弁13FL〜13RR側の油圧制御系が
閉回路となってその圧力がパイロット操作形逆止弁16
の設定圧PN 又はこれより僅かに低下した圧力に保持さ
れている。
【0088】また、マイクロコンピュータ32では電源
の供給が遮断されていると共に、前回のイグニッション
スイッチ26をオフ状態とした後の処理終了時に異常診
断禁止フラグFA及び再始動フラグFSが図9(k)及
び(l)に示すように共に“0”にリセットされてお
り、さらにホールド回路34のフリップフロップ回路3
4bがリセットされて、オアゲート34cから出力され
るホールド信号HSが図9(j)に示すように論理値
“0”に維持されている。
【0089】この状態で、図9(a)に示すように、イ
グニッションスイッチ46を時点t 1 でオン状態とする
と、これによって電源供給回路31のバッテリー異常制
御回路42cで図6の処理が実行開始されて、先ず制御
信号CSR 及びリセット信号RSが図9(c)及び
(e)に示すように共に論理値“1”に設定されると共
に、警告信号AS1 が論理値“0”に設定される。
【0090】このため、論理値“1”の制御信号CSR
がスタータ回路70のスイッチングトランジスタ78の
ベースに供給されることにより、このトランジスタ78
がオン状態となって、遮断リレー73が付勢状態とな
り、コンタクタ72に対向する入力端子にバッテリー電
圧が印加され、スタータモータ71を回転駆動すること
が可能な状態となる。
【0091】一方、イグニッションスイッチ46がオン
状態となることにより、スイッチングトランジスタ44
がオン状態となって電源リレー43がオン状態となって
マイクロコンピュータ32に安定化電源回路42aから
の制御電力が供給されるが、リセット信号RSがオン状
態となっているため、マイクロコンピュータ32では図
7及び図8の処理を開始しないリセット状態を維持して
いる。
【0092】この状態から、時点t2 でスタータスイッ
チ77をオン状態とすると、これによってスタータモー
タ71が始動されることにより、バッテリー電圧VB
図9(b)に示すように、第2の設定値VBA以下に急激
に低下することになる。なお、スタータスイッチをオン
状態とすると、その間必要最低限の回路を除く他の回路
は通電遮断状態に制御されて、エンジンの始動が優先さ
れる。
【0093】このため、図6の処理で、ステップS3か
らステップS7に移行して制御状態フラグFVが“1”
にセットされ、次いでステップS8を経てステップS1
0に移行し、タイマが停止状態であるので、ステップS
11に移行してタイマを起動してカウントを開始させ、
次いでステップS12に移行するが、タイマが起動され
た直後であるので、タイマ値tM は設定値tS 未満であ
るので、ステップS2に戻る。
【0094】この状態で、スタータモータ71が正常に
始動されると、これによってバッテリー電圧VB が回復
し、時点t3 で第2の設定値以上となるとステップS9
に移行してタイマがクリアされて停止される。
【0095】その後、時点t4 でバッテリー電圧VB
第1の設定値VBS以上となると、ステップS3からステ
ップS4に移行し、制御状態フラグFVが“1”にセッ
トされていることにより、ステップS5に移行して、リ
セット信号RSが論理値“0”に反転され、これによっ
てマイクロコンピュータ32が作動状態となる。
【0096】このため、マイクロコンピュータ32で図
7の処理が実行開始され、制御信号CS0 を論理値
“1”として、遮断リレー47をオン状態に制御し、こ
れによってフェイルセーフ弁12、圧力制御弁13FL
〜13RR及び電磁開閉弁17に対してバッテリー41
の電力を印加し、且つ所定の初期化処理が行われる(ス
テップS21)。
【0097】次いで、キーワードチェックが行われて、
記憶装置32dにバックアップされている再始動フラグ
FS及び異常診断禁止フラグFAが正常であるか否かを
判定し(ステップS22)、正常であるときには図9
(k)及び(l)に示すように、再始動フラグFS及び
異常診断禁止フラグFAが“0”にリセットされている
ことにより、電源投入時のリセット状態であると判断し
て異常診断禁止フラグFAを図9(j)に示すように
“1”にセットする(ステップS25)。
【0098】次いで、図9(m)に示すようにフェイル
セーフ弁12及び遮断リレー47のオフ状態異常診断を
実行する(ステップS26)。このオフ状態異常診断
は、電圧検出回路40の電圧検出値VF を読込み、これ
が論理値“1”であるときにはバッテリー電圧VB がフ
ェイルセーフ弁12のソレノイドを介してスイッチング
トランジスタ37のコレクタに印加されており遮断リレ
ー47が正常で且つソレノイドに断線異常が発生してい
ない正常状態であると判断して時点t5 で次のオン状態
異常診断を開始する(ステップS28)。
【0099】このオン状態異常診断では、先ず、図9
(g)に示すようにホールド回路34に対して論理値
“1”の制御信号CS1 を出力し、これによってスイッ
チングトランジスタ37をオン状態として、フェイルセ
ーフ弁12のソレノイドに通電を開始してこれを開状態
に制御し、この状態で電圧検出回路40の検出信号VF
を読込み、これが論理値“0”であるときにはソレノイ
ドに短絡異常が発生していない正常状態であると判断し
て次の駆動回路異常診断を開始する(ステップS2
9)。
【0100】この駆動回路異常診断では、所定値例えば
中立圧PN 相当の圧力指令値PFL〜PRRを制御弁駆動回
路33にD/A変換器54FL〜54RRを介して出力
すると共に、ラッチ回路55にラッチパルスLPを出力
し、このときの電流検出回路39の電流検出値IFL〜I
RRを読込み、これらが圧力指令値PFL〜PRRに相当する
電流値IN の許容範囲内であるか否かを判定し、許容範
囲内であるときには制御弁駆動回路33が正常状態であ
ると判断して、ホールド制御信号CHSを図9(h)に示
すように時点t6 で所定時間論理値“1”とする。
【0101】このようにホールド制御信号CHSが論理値
“1”となると、その前の時点t5で制御信号CS1
論理値“1”となっていることからアンドゲート34a
の出力が論理値“1”に反転し(ステップS30)、こ
れによってフリップフロップ回路34bがセット状態と
なり、その肯定出力が論理値“1”に反転し、これがオ
アゲート34c及び34dを介してスイッチングトラン
ジスタ37及び36に供給される。
【0102】したがって、これらトランジスタ37及び
36は、マイクロコンピュータ32がリセット状態とな
ってもフリップフロップ回路34bがリセット状態とな
るまでオン状態を継続することになる。
【0103】なお、以上のリセット処理は、エンジン始
動による流体圧供給装置FSの吐出圧が中立圧に達する
前の極短時間で終了し、圧力保持部11は圧力保持状態
を継続している。
【0104】そして、時点t6 で、図8の姿勢変化抑制
処理が実行される。この姿勢変化抑制制御処理では、初
期時に制御信号CS2 を図9(p)に示すように論理値
“1”として電磁開閉弁17を閉状態に制御することに
より、流体圧供給装置FSからの作動油圧が絞り18を
介してのみ逆止弁14に供給される。このため、油圧制
御系の保持圧PH が中立圧PN より低下している場合に
は、流体圧供給装置FSの作動油圧が保持圧PH 以上と
なったときに、絞り18のみを介して閉回路内に供給さ
れることになり、閉回路内の圧力が徐々に上昇し、これ
に伴って油圧シリンダ19FL〜19RRの圧力も徐々
に上昇するので、車高が徐々に上昇される。
【0105】その後、閉回路の圧力が中立圧PN 以上と
なると、パイロット操作形逆止弁16が全開状態とな
り、圧力保持状態が解除されるが、初期化によって圧力
制御弁13FL〜13RRの制御圧PC が中立圧PN
維持しているので、油圧シリンダ19FL〜19RRの
圧力は中立圧PN に維持される。
【0106】その後、所定時間T1 が経過する時点t7
で、演算処理装置34cによって制御信号CS2 が図9
(p)に示すように論理値“0”に反転されるので、電
磁開閉弁17が開状態となり、次いで、横加速度センサ
28、上下加速度センサ29FL〜29RRの検出値に
基づいてロール、バウンス等の姿勢変化を抑制するよう
に圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値P
FL〜PRRの制御が開始される。
【0107】したがって、この停止状態から車両を走行
させたときの横加速度又は上下加速度によって生じる車
両のロール又はバウンスを抑制して車体をフラットな状
態に維持することができる。
【0108】ところで、車両の走行中に、加速度センサ
28,29FL〜29RR及び圧力制御弁13FL〜1
3RR等の制御系に、コネクタの接触不良、電源電圧の
低下等に基づく異常状態が発生したときには、S52か
らステップS43〜S59の異常処理が実行され、これ
によって、各圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧
力指令値PFL〜PRRが中立圧PN に徐々に収斂されると
共に、この圧力指令値PFL〜PRRが順次ラッチ回路55
でラッチされ、中立圧PN に一致したときにホールド制
御パルスCHRが出力されてホールド回路34のフリップ
フロップ回路34bがリセット状態となり、その肯定出
力が論理値“0”に復帰されると共に、制御信号CS0
及びCS1 が共に論理値“0”に復帰されてフェイルセ
ーフ弁12が閉状態となると共に、圧力制御弁13FL
〜13RRへの通電が遮断される。
【0109】したがって、圧力制御弁13FL〜13R
Rに対する流体圧供給装置FSからの作動油圧の供給が
遮断され、且つ圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポ
ート13iが絞り12cを介してパイロット操作形逆止
弁16に連通される。その結果、パイロット操作形逆止
弁16のパイロット圧PP も低下し、これが中立圧P N
に達するとパイロット操作形逆止弁16が全閉状態とな
り、圧力制御弁13FL〜13RR側の油圧制御系が閉
回路となり、その後戻り側配管20F,20R及び背圧
吸収用アキュムレータ21F,21Rの圧力上昇に伴っ
て、閉回路内の圧力が中立圧PN より僅かに低下する。
【0110】この状態では、閉回路内の圧力が中立圧P
N 近傍の一定値に保持されることにより、油圧シリンダ
19FL〜19RRの圧力も中立圧PN 近傍の圧力とな
り、標準積載時の車重を目標車高に保つことが可能とな
る。このとき、油圧シリンダ19FL〜19RRに車輪
側からばね下振動の高周波域の振動が入力されたときに
は、この振動入力を減衰バルブ23FL〜23RR及び
アキュムレータ24FL〜24RRによって吸収するこ
とができると共に、路面の凹凸による比較的大きな振動
入力が入力されたときには、これによる油圧シリンダ1
9FL〜19RRの圧力上昇分を圧力制御弁13FL〜
13RRの制御圧ポート13c及び戻りポート13o及
び逆止弁25F,25Rを介してアキュムレータ22
F,22Rで吸収することができ、その結果通常の受動
型サスペンションと同様の機能を発揮することができ
る。
【0111】一方、車両の走行状態から車両を停止させ
て、時点t10でイグニッションスイッチ46をオフ状態
とすると、バッテリー異常制御回路42cでは図6の処
理を終了するが、マイクロコンピュータ32では自己保
持信号SSが論理値“1”を継続するので、図8の処理
を継続し、ステップS60からステップS61を経てス
テップS62に移行して、制御終了処理を実行する。
【0112】この制御終了処理は、所定時間T2 が経過
するまでの間に前述した異常状態処理と同様に、各圧力
制御弁13iに対する圧力指令値Pi を中立圧指令値P
N に徐々に収斂させ、所定時間T2 を経過すると、自己
保持信号SSをオフ状態とすることにより、電源リレー
43をオフ状態として自ら入力電源を遮断することによ
り、姿勢変化抑制制御処理を終了する。
【0113】ところで、イグニッションスイッチ46を
オフ状態としてから所定時間T2 が経過する前にエンジ
ンを再始動するために、時点t11でイグニッションスイ
ッチ46を再度オン状態に復帰させると、ステップS6
6からステップS67に移行して、再始動フラグFSを
“1”にセットした後姿勢変化抑制制御処理を終了す
る。
【0114】一方、イグニッションスイッチ46のオン
状態によってバッテリー異常制御回路42cでバッテリ
ー異常制御処理が実行開始されることにより、時点t11
より僅かに遅れた時点でリセット信号RSが論理値
“1”となってマイクロコンピュータ32はリセット状
態を継続する。
【0115】しかしながら、この状態では、前述したよ
うに、ホールド回路34のフリップフロップ回路34b
がセット状態を維持するため、スイッチングトランジス
タ37及び36はオン状態を継続することから、フェイ
ルセーフ弁12のソレノイドに対する通電状態は維持さ
れてフェイルセーフ弁12は開状態を維持すると共に、
遮断リレー47もオン状態を維持するので、フェイルセ
ーフ弁12、圧力制御弁13FL〜13RR、電磁開閉
弁17及び制御弁駆動回路33への通電状態が維持され
る。
【0116】また、マイクロコンピュータ32は姿勢変
化抑制制御処理を終了した時点で、出力側インタフェー
ス回路32bから出力される各圧力制御弁13FL〜1
3RRに対する圧力指令値PFL(n) 〜PRR(n) も“0”
となるが、ラッチ回路55では、マイクロコンピュータ
32からのラッチ制御信号LSが入力されないことによ
り、前回制御終了処理におけるイグニッションスイッチ
46がオン状態となる直前のD/A変換器54FL〜5
4RRの中立圧PN に近い圧力指令値PFL(n-1) 〜PRR
(n-1) に対応する出力電圧VFL(n-1) 〜VRR(n-1) を保
持している。
【0117】したがって、制御弁駆動回路33からは中
立電流値IN に近い制御電流IFL〜IRRが圧力制御弁1
3FL〜13RRに継続して出力され、これら圧力制御
弁13FL〜13RRから中立圧PN 近傍の制御圧が油
圧シリンダ19FL〜19RRに供給されて車高が変動
することなく一定値に維持される。
【0118】その後、時点t12でスタータスイッチ77
をオン状態としてスタータモータ71を回転駆動する
と、前述した時点t2 と同様にバッテリー電圧VB が低
下し、次いで時点t13でバッテリー電圧VB が第1の設
定値VBS以上に復帰すると、バッテリー異常制御回路4
2cから出力されるリセット信号RSが論理値“0”に
反転し、これによってマイクロコンピュータ32のリセ
ット状態が解除されることにより、演算処理装置32c
で図7のリセット処理が実行開始される。
【0119】このリセット処理では、前述したようにイ
グニッションスイッチ46のオン状態への復帰時に再始
動フラグFSが“1”にセットされており、これがバッ
クアップされているので、電源電圧低下によるリセット
状態であると判断してステップS23から直接ステップ
S31に移行し、直ちに図8の姿勢変化抑制制御が開始
される。このため、リセット処理におけるステップS2
6,S27及びS28の異常診断処理が実行されないこ
とになり、特にステップS26のフェイルセーフ弁12
のオフ状態異常診断でフェイルセーフ弁12のオン状態
が継続していることによる誤診断を生じて異常終了処理
が行われることを確実に回避することができる。
【0120】その後、時点t14でイグニッションスイッ
チ46をオフ状態とすると、図8の姿勢変化抑制制御処
理におていステップS62からステップS63を経てス
テップS64〜S69の終了処理によって圧力制御弁1
3FL〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRが中立
圧PN に一致するように徐々に変化され、これに応じて
油圧シリンダ19FL〜19RRの圧力が徐々に中立圧
に移行して、車高が目標車高となる。
【0121】このイグニッションスイッチ46のオフ状
態を継続して、時点t15で所定時間T2 が経過すると、
ステップS63からステップS71に移行して、図9
(i)に示すように、ホールド制御パルスCHRがホール
ド回路34のフリップフロップ回路34bのリセット端
子Rに出力されることにより、このフリップフロップ回
路34bがリセットされてその肯定出力が論理値“0”
に反転される(ステップS71)。
【0122】次いで、制御信号CS0 及びCS1 が共に
論理値“0”に反転されることにより、スイッチングト
ランジスタ36及び37がオフ状態となり、これによっ
て遮断リレー47がオフ状態となると共に、フェイルセ
ーフ弁12が閉じ、これによって各圧力制御弁13FL
〜13RRの入力ポート13iがパイロット操作形逆止
弁16に連通されることにより、そのパイロット圧PP
が中立圧PN に低下するとパイロット操作形逆止弁16
が閉じて、圧力保持状態となる。
【0123】これと同時に、再始動フラグFS及び異常
診断禁止フラグFAが図9(k)及び(l)に示すよう
に共に“0”にリセットされ(ステップS73,S7
4),次いで自己保持信号SSを論理値“0”に反転さ
せて、スイッチングトランジスタ45をオフ状態とする
ことにより、電源リレー43がオフ状態となってマイク
ロコンピュータ32に供給される制御電力が遮断され
る。
【0124】また、イグニッションスイッチ46がオン
状態であるときに、何らかの原因でバッテリー電圧VB
が低下したときには、再始動フラグFSは“0”にリセ
ットされた状態を継続するが、最初のイグニッションス
イッチ46のオン時における時点t4 で異常診断禁止フ
ラグFAが“1”にセットされているので、バッテリー
電圧の低下をバッテリー異常制御回路42cで検出し、
これに応じてリセット信号RSが論理値“1”に反転さ
れた後、バッテリー電圧VB が第1の設定電圧VBS以上
に復帰して、リセット信号RSが論理値“0”に反転さ
れたときに、マイクロコンピュータ32の演算処理装置
32cで図7のリセット処理が実行されると、再始動フ
ラグFSは“0”にリセットされているが、異常診断禁
止フラグFAが“1”にセットされていることにより、
上述した再始動時のリセット時と同様に、異常診断処理
を行うことなく、姿勢変化抑制制御処理に移行し、フェ
イルセーフ弁12のオフ状態異常診断処理での誤診断に
よる異常終了処理を確実に回避することができる。
【0125】さらに、マイクロコンピュータ32の演算
処理装置32cで図7のリセット処理が実行されたとき
に、記憶装置32dにバックアップされて記憶されてい
る所定のキーワードがROMに格納されているキーワー
ドと一致しないときには、バックアップデータが異常で
あるものと判断して、フラグ判定を行うことなく、キー
ワードを再記憶させてからステップS26に移行して異
常診断禁止フラグFAを“1”にセットする。
【0126】この場合のバックアップデータの異常は、
イグニッションスイッチ46がオン状態となっていると
きに生じる可能性は殆どなく、車両を長期間使用しない
ときやバッテリー41の電圧が極端に低下している場合
に生じるものであり、最初にイグニッションスイッチ4
6をオン状態としたときに検出されるので、ステップS
27,S29,S30の異常診断処理を実行しても何ら
問題がなく、寧ろ異常診断処理を行った方が好ましい。
【0127】また、電源投入時のイグニッションスイッ
チ46のオン時にバッテリー電圧V B が図9(b)で破
線図示のように低下している状態で、スタータスイッチ
77をオン状態として、スタータモータ71を回転駆動
したときに駆動電圧が足りなくてエンジンが始動しない
場合には、スタータモータ71の負荷が大きい状態を継
続することにより、バッテリー電圧VB は第2の設定電
圧VBAより低下したままとなる。
【0128】このときには、バッテリー異常制御回路4
2cで図6の処理を実行したときには、時点t2 でステ
ップS7からステップS10を経てステップS11に移
行してタイマを起動してカウントアップを開始し、その
後タイマのカウント値tM が図9(d)で破線図示のよ
うに増加して予め設定した設定値tS 以上となる時点t
3 ′で制御信号CSR が図9(c)に示すように論理値
“0”に反転し、これによってスタータ回路70のスイ
ッチングトランジスタ78がオフ状態となることによ
り、遮断リレー73がオフ状態となってスタータモータ
71への電力の供給が遮断される。
【0129】このため、バッテリー電圧VB は図9
(b)で破線図示の如く略スタータモータ71の駆動開
始前の状態に復帰することになり、マイクロコンピュー
タ32での姿勢変化抑制制御を維持することが可能な状
態となり、図10に示すように、車高が僅かに変動する
が、直ぐ元の状態に復帰し、車高低下を防止することが
できる。
【0130】因みに、バッテリー電圧VB が低下し過ぎ
て、エンジン始動ができずにスタータモータ71の回転
駆動を継続すると、バッテリー電圧が極端に低下して、
図10(a)で破線図示のように電源供給回路31で形
成する制御電圧がマイクロコンピュータ32の動作を保
証する電圧以下となると、マイクロコンピュータ32か
ら出力される圧力指令値PFL〜PRRが実際の指令値より
低下することになり、これが制御弁駆動回路33に供給
されて、この駆動回路33から出力される励磁電流IFL
〜IRRが低下して、圧力制御弁13FL〜13RRの制
御圧が低下することにより、油圧シリンダ19FL〜1
9RRの内圧が低下して車高が図10(b)で破線図示
のように低下してしまう。
【0131】以上のように、上記実施形態によれば、最
初にイグニッションスイッチ46をオン状態としたとき
の電源投入時リセットが解除されたときのみフェイルセ
ーフ弁12、圧力制御弁駆動回路33の異常診断を行う
が、それ以外にバッテリ電圧VB の低下によってマイク
ロコンピュータ32がリセット状態となった後これが解
除されたたときには、その間に遮断リレー47がオン状
態を継続し且つフェイルセーフ弁12が開状態を継続
し、さらにラッチ回路55でリセット状態となる前の圧
力指令値PFL〜PRRに対応するD/A変換器54FL〜
54RRの出力電圧VFL〜VRRをラッチして車高変動を
抑制している状態であるので、異常診断を禁止すること
により、異常診断での誤判断を確実に防止することがで
きる。
【0132】しかも、最初にイグニッションスイッチ4
6をオン状態としてスタータモータ71を回転駆動した
ときにエンジンが始動せず、バッテリー電圧が低下して
マイクロコンピュータの動作を保証できなくなる場合に
は、スタータモータへの電源系統を遮断してバッテリー
電圧の低下を防止するようにしているので、エンジンが
始動しない状態での車高低下を確実に防止することがで
きる。
【0133】なお、上記実施形態においては、マイクロ
コンピュータ32の演算処理装置32cで図7のリセッ
ト処理を実行したときに、ステップS27で遮断リレー
47を予めオン状態とした状態で、フェイルセーフ弁1
2のソレノイドの断線異常を検出する場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、ホールド回路
34のオアゲート34dを省略して、オアゲート34c
の出力信号HSでスイッチングトランジスタ36及び3
7を同時に制御し、且つスイッチングトランジスタ36
のコレクタ電圧を電圧検出回路40と同一構成を有する
電圧検出回路で検出してマイクロコンピュータ32に入
力し、さらに電圧検出回路40でフェイルセーフ弁12
と遮断リレー47間の電圧を検出することにより、制御
信号CS 1 を論理値“0”に維持している遮断状態で、
スイッチングトランジスタ36のコレクタ電圧が高レベ
ルで且つスイッチングトランジスタ37のコレクタ電圧
が低レベルであるときに遮断リレー47が正常であると
判断し、トランジスタ36のコレクタ電圧が低レベルで
あるときにはリレーコイルの断線異常、トランジスタ3
7のコレクタ電圧が高レベルであるときにリレー接点の
焼付き等による接点異常であると判断すると共に、制御
信号CS1 を論理値“1”としたときに電圧検出回路4
0の検出信号VF が論理値“0”であるときに正常であ
ると判断し、論理値“1”であるときにはフェイルセー
フ弁12のソレノイドの断線による異常であると判断す
るようにしてもよい。
【0134】また、上記実施形態においては、バッテリ
ー電圧VB が第2の設定電圧VBAを低下している時間が
所定時間tS 以上であるときにスタータモータ71への
電源供給を遮断するようにした場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、第2の設定電圧V
BAを正常状態におけるスタータモータ71の回転駆動で
低下する電圧より低い電圧に設定し、この設定電圧を下
回ったときにスタータモータ71への電源供給を手段す
るようにしてもよい。
【0135】さらに、上記実施形態においては、バッテ
リー電圧VB が第2の設定電圧VBA以下となった状態を
所定時間tS だけ継続したときにスタータモータ71に
対する電源供給を所定時間遮断する場合について説明し
たが、これに限らず、バッテリー異常と判断してステッ
プS12からステップS13に移行する回数を計数し、
これが所定回数に達したスタータモータ71への電源供
給を遮断状態に保持したり、ステップS12からステッ
プS13に移行したとき直ちにスタータモータ71への
電源供給を遮断状態に保持するようにしてもよい。
【0136】さらにまた、上記実施形態においては、圧
力保持部11内に電磁開閉弁17と絞り18の並列回路
を設けた場合について説明したが、これに限定されるも
のではなく、流体圧供給装置FSと圧力制御弁13FL
〜13RRとの間の供給側配管5の何れかの個所に設け
ればよく、さらに電磁開閉弁17に代えてパイロット操
作形開閉弁を適用するようにしてもよい。
【0137】なおさらに、上記実施形態においては、各
圧力制御弁に対して共通の圧力保持部11及びフェイル
セーフ弁12を設けた場合について説明したが、これに
限らず、圧力保持部11及びフェイルセーフ弁12を個
別に設けるようにしてもよい。
【0138】また、油圧サスペンションの制御弁として
は上記圧力制御弁13FL〜13RRに限定されるもの
ではなく、他の流量制御型サーボ弁等を適用し得るもの
である。
【0139】さらに、上記実施形態においては、作動流
体として作動油を適用した場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、圧縮率の少ない流体であ
れば任意の作動流体を適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図2】圧力制御弁の指令電流に対する制御圧の関係を
示す特性線図である。
【図3】制御装置の一例を示すブロック図である。
【図4】制御装置の電源供給装置の一例を示すブロック
図である。
【図5】制御弁駆動回路の一例を示すブロック図であ
る。
【図6】電源供給装置の電源供給制御処理の一例を示す
フローチャートである。
【図7】マイクロコンピュータのリセット処理の一例を
示すフローチャートである。
【図8】マイクロコンピュータの姿勢変化抑制制御処理
の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の動作の説明に供するタイムチャートで
ある。
【図10】本発明のバッテリ電圧低下時の動作の説明に
供するタイムチャートである。
【符号の説明】
FS 流体圧供給装置 2 エンジン 5 供給側配管 7 戻り側配管 11 圧力保持部 12 フェイルセーフ弁 13FL〜13RR 圧力制御弁 14 逆止弁 16 パイロット操作形逆止弁 19FL〜19RR 油圧シリンダ(流体シリンダ) 30 制御装置 31 電源供給回路 32 マイクロコンピュータ 33 制御弁駆動回路 34 ホールド回路 36,37 スイッチングトランジスタ 39 電流検出回路 40 電圧検出回路 42 電源回路 42a 安定化電源回路 42b バッテリー電圧検出回路 42c バッテリー異常制御回路 55 ラッチ回路 70 スタータ回路 71 スタータモータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪と車体との間に介装された流体シ
    リンダと、流体圧供給装置に供給側管路及び戻り管路で
    接続され前記流体シリンダに供給する作動流体を制御す
    る制御弁と、前記供給側管路に介挿された制御弁側への
    流出を許容する逆止弁及び前記戻り管路に介挿された前
    記逆止弁及び制御弁間の供給圧がパイロット圧として入
    力され、当該パイロット圧が設定値以下となったときに
    閉じるパイロット操作型逆止弁を少なくとも有する圧力
    保持部と、該圧力保持部と圧力制御弁との間に介挿した
    当該圧力保持部及び制御弁間を連通状態とする第1の切
    換位置と圧力保持部側を遮断し且つ圧力制御弁の入力側
    を共に前記パイロット操作型逆止弁に連通状態とする第
    2の切換位置とを有する切換弁と、少なくとも前記切換
    弁を含む制御系の異常診断を行う異常診断手段と、常時
    は前記切換弁を第1の切換位置に制御し、前記異常診断
    手段で制御系の異常状態を検出したときに第2の切換位
    置に切換える異常制御手段とを備えた能動型サスペンシ
    ョンにおいて、電源電圧が所定値以下に低下したことを
    検出する電圧低下検出手段を有し、前記異常制御手段
    は、前記電圧低下検出手段で電圧低下を検出したときに
    前記切換弁を第1の切換位置に保持すると共に、前記異
    常診断手段での当該切換弁に対する異常診断を禁止する
    ように構成されていることを特徴とする能動型サスペン
    ション。
  2. 【請求項2】 前記異常制御手段は、電源電圧が所定値
    以下の状態を所定時間継続したときにスタータモータへ
    の電源供給を遮断するモータ電源遮断手段を有すること
    を特徴とする請求項1記載の能動型サスペンション。
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