JP3428414B2 - 車両の車高調整装置 - Google Patents

車両の車高調整装置

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JP3428414B2
JP3428414B2 JP00428198A JP428198A JP3428414B2 JP 3428414 B2 JP3428414 B2 JP 3428414B2 JP 00428198 A JP00428198 A JP 00428198A JP 428198 A JP428198 A JP 428198A JP 3428414 B2 JP3428414 B2 JP 3428414B2
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    • B60G17/015Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車高を所定の目標
車高に自動的に調整する車両の車高調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、特開平2−24
6812号公報に示されているように、車輪と車体との
間に設けられて給排される流体により車高を増減可能な
アクチュエータと、アクチュエータに対して流体を給排
可能とする流体給排手段と、車高を検出する車高検出手
段とを備え、前記検出された車高に基づいて流体給排手
段によるアクチュエータへの流体の給排を制御して同検
出された車高を所定の目標車高に一致させるようにして
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、過剰な車載荷重、流体給排手段及びアク
チュエータの能力、車高検出手段による検出車高の異常
などの理由により、流体給排手段及びアクチュエータ内
の流体圧力がある程度高くなっても、車高を目標車高ま
で上昇させることができない場合、流体給排手段及びア
クチュエータ内の流体圧力がさらに高くなったり、車高
調整のために流体給排手段及びアクチュエータが作動し
続けるので、同流体給排手段及びアクチュエータの耐久
性上好ましくない。また、たとえ目標車高にすることが
できても、アクチュエータ及び流体給排手段内の圧力が
異常に高くなり、流体給排手段及びアクチュエータの耐
久性上好ましくない。また、流体の温度が低い場合など
には前記現象は顕著であり、特に流体として温度によっ
て粘性の大きく変化する作動油を用いた場合には顕著で
あって、好ましいものではない。
【0004】
【発明の概要】本発明は、上記問題に対処するためにな
されもので、その目的は、流体給排手段及び流体アクチ
ュエータを含む流体系の耐久性を向上させる車両の車高
調整装置を提供することにある。
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】上記目的を達成するために、本発明の構成
上の特徴は、車輪と車体との間に設けられて給排される
流体により車高を増減可能なアクチュエータと、アクチ
ュエータに対して流体を給排可能とする流体給排手段
と、車高を検出する車高検出手段と、前記検出された車
高に基づいて流体給排手段によるアクチュエータへの流
体の給排を制御して同検出された車高を所定の目標車高
に一致させる車高調整制御手段とを備えた車両の車高調
整装置において、アクチュエータに供給される流体の圧
力を検出する圧力検出手段と、前記検出された圧力が
定時間にわたって続けて所定圧力を越えたとき、流体給
排手段によるアクチュエータへの流体の供給を所定時間
だけ中断して、その後に同流体の供給を許容する中断制
御手段と、中断制御手段による流体の供給中断後の流体
の供給が許容された状態で、前記検出された圧力がふた
たび所定時間にわたって続けて所定圧力を越えたとき目
標車高を車高検出手段により検出されている車高に変更
する目標車高変更手段とを設けたことにある。
【0010】これによれば、圧力検出手段により検出さ
れた圧力が所定圧力を最初に所定時間にわたって続けて
越えたときには、中断制御手段により流体給排手段から
アクチュエータへの流体の供給が所定時間だけ中断さ
れ、その後に流体の供給が許容された状態で、前記検出
された圧力が所定圧力をふたたび所定時間にわたって続
けて越えた場合にのみ、目標車高変更手段によって目標
車高が車高検出手段により検出されている車高に変更さ
れる。その結果、エンジン始動時には流体の温度が低く
て検出された車高を目標車高まで上昇させることができ
ない場合でも、前記中断後の車高調整により同検出され
た車高を目標車高まで上昇させることができることがあ
り、前記目標車高の変更が無駄に行われることを避ける
ことができる。また、これによれば、検出した圧力にノ
イズなどが混入して同圧力が瞬間的に非常に高くなるな
どの圧力の誤検出による流体供給の中断及び目標車高の
変更がむやみに行われることを避けることもできる。
【0011】また、本発明の他の構成上の特徴は、目標
車高を変更するための目標車高設定操作子と、目標車高
設定操作子の操作の検出時に、前記目標車高変更手段に
よって目標車高が変更されているかどうかには無関係
に、前記目標車高を目標車高設定操作子の操作に応じた
値に設定する目標車高設定手段とを設けたことにある。
これによれば、目標車高が前記のように変更された後で
も、目標車高設定操作子を操作すれば、変更された目標
車高が目標車高設定操作子の操作に応じた値に設定さ
れ、車高調整制御手段によって車両の実車高が乗員の意
志を反映した車高に設定できることもある。
【0012】また、本発明の他の構成上の特徴は、ア
チュエータに供給される流体の温度を検出する温度検出
手段と、前記検出された温度が第1所定温度より低い状
態から同第1所定温度より高い第2所定温度よりも高い
状態に変化したことを判定したとき、前記変更された目
標車高を前記変更前の所定の目標車高に復帰させる目標
車高復帰手段とを設けたことにある。これによれば、エ
ンジンの始動時などに流体の温度が低いために、車両の
実車高を目標車高に調整することができなかった場合に
は、同始動時に前記目標車高の変更により流体給排手段
及びアクチュエータの過負荷を回避した上で、流体の温
度が上昇した時点で車両の実車高を乗員の意図する目標
車高に調整することができる。
【0013】また、本発明の他の構成上の特徴は、ドア
(トランクを含む)の開閉状態を検出するドア開閉検出
手段又は車両の停止状態を検出する停止状態検出手段
と、ドア開閉検出手段によりドアの開状態が検出され又
は停止状態検出手段により車両の停止状態が検出され、
かつ前記車高検出手段により検出されている車高が前記
変更された目標車高よりも高くなったとき、前記変更さ
れた目標車高を前記変更前の所定の目標車高に復帰させ
る目標車高復帰手段とを設けたことにある。これにおい
ては、前述のように過剰な積載荷重により目標車高が変
更されている場合でも、車両の停止中に車両のドア(ト
ランクを含む)を開いて乗員が減少したり、荷物が下ろ
されたりして、車両の積載荷重が減少して車高の上昇制
御が可能になったとき、目標車高復帰手段により目標車
高が元に戻される。したがって、この特徴によれば、過
剰な積載荷重による流体給排手段及びアクチュエータの
過負荷を回避した上で、積載荷重が減少した場合には、
車両の実車高を乗員の意図する目標車高に調整すること
ができる。
【0014】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
目標車高復帰手段によるドア及び車高に関する復帰条件
に所定時間の継続が付加されたことにある。これによれ
ば、ドアの開状態の検出又は車高の検出にノイズの混入
などによる瞬間的な誤検出があっても、変更された目標
車高が元に戻されることがなくなるので、目標車高の復
帰に伴う流体給排手段及びアクチュエータの無駄な作動
を避けることができる。
【0015】
【実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面を用い
て説明すると、図1は同実施形態に係る車両の車高調整
装置の全体を概略的に示している。
【0016】この車高調整装置は、左右前輪W1,W2
及び左右後輪W3,W4の各車輪位置にて、車高を設定
するためのアクチュエータを構成する油圧シリンダ11
a〜11dを備えている。油圧シリンダ11a〜11d
は、各車輪W1〜W4を接続したロアアーム12a〜1
2dに下端にてそれぞれ接続され、その上端面からは上
端部を車体10に固定したピストンロッド13a〜13
dが突出している。この油圧シリンダ11a〜11dに
対しては、油路P1〜P4を介して作動油が給排される
ようになっており、同作動油の給排により各車輪位置の
車高がそれぞれ増減される。
【0017】油圧シリンダ11a〜11dと車体10と
の間にはコイルスプリング14a〜14dがそれぞれ介
装され、また油路P1〜P4には可変オリフィス15a
〜15dが介装されるとともにアキュムレータ16a〜
16dがそれぞれ接続されており、同シリンダ11a〜
11dは、コイルスプリング14a〜14d、可変オリ
フィス15a〜15d及びアキュムレータ16a〜16
dと協働して各車輪W1〜W4に対して車体10を弾性
的に支承するとともに車体10の振動を減衰させるショ
ックアブソーバとしての機能も備えている。なお、可変
オリフィス15a〜15dは電気的に制御されてオリフ
ィス開度を可変にするものであるが、本発明には直接関
係しないので、同オリフィス開度の制御については説明
しない。
【0018】油路P1,P2及び油路P3,P4は油圧
シリンダ11a〜11dの反対側端にてそれぞれ共通に
接続されており、油圧シリンダ11a,11bに対する
作動油の給排が油路P1,P2を介して共通に行われる
とともに、油圧シリンダ11c,11dに対する作動油
の給排は油路P3,P4を介して共通に行われる。油路
P2,P4にはそれぞれ電磁切り換えバルブで構成した
ゲートバルブ17b,17dがそれぞれ介装されてお
り、これらのゲートバルブ17b,17dは非通電によ
り図示導通状態にあり、通電により非導通状態に切り換
えられる。これらのゲートバルブ17b,17dは車両
旋回時などの車体10にロールが発生する場合に通電さ
れて油圧シリンダ11a,11b間の連通及び油圧シリ
ンダ11c,11d間の連通をそれぞれ禁止するもので
あるが、本発明には直接関係しないので、これらのゲー
トバルブ17b,17dは常に図示導通状態にあるもの
として以降の説明を行う。また、ゲートバルブ17b,
17dが導通状態にある場合に形成されるオリフィスと
同等な管路抵抗を油路P1,P3にも付与するために、
油路P1,P3には固定オリフィス17a,17cがそ
れぞれ設けられている。
【0019】油圧給排装置は、電動モータ21により駆
動される油圧ポンプ22を備えており、同ポンプ22は
リザーバタンク23から作動油を汲み上げて、チェック
バルブ24を介して油路P5に吐出する。油路P5は油
路P6,P7に分岐され、同分岐された油路P6は油路
P1,P2の接続点に接続されているとともに、油路P
7は油路P3,P4の接続点に接続されている。油路P
6,P7には、電磁切り換えバルブで構成したレベリン
グバルブ25,26がそれぞれ介装されており、同バル
ブ25,26は、非通電により図示非導通状態に保たれ
るとともに通電により導通状態にそれぞれ切り換えられ
る。なお、レベリングバルブ25,26は、非導通状態
にある場合でも、油路P1〜P4の油圧が異常に高くな
った場合には、装置の保護のために油路P1〜P4側か
ら油路P5側への作動油の排出を許容する。
【0020】油路P5とリザーバタンク23との間に
は、排出バルブ27及びリリーフバルブ28が介装され
ている。排出バルブ27は、常時導通状態に保たれてお
り、油圧ポンプ22の吐出油圧が上昇したとき機械的に
非導通状態に切り換えられる。また、この排出バルブ2
7が導通状態に保たれているときの流路面積は、レベリ
ングバルブ25,26が導通状態にあるときの流路面積
に比べて少なくとも2倍以上大きく構成されている。リ
リーフバルブ28は、常時非導通状態に保たれていて、
油路P5の油圧が非常に高くなったときにのみ装置の保
護のために導通状態に切り換えられて、油路P5の作動
油をリザーバタンク23に排出する。
【0021】これらの電動モータ21及びレベリングバ
ルブ25,26には、電気制御装置を構成するマイクロ
コンピュータ30が接続されている。マイクロコンピュ
ータ30は、図2の「メインプログラム」(図3〜7の
サブルーチンを含む)及び図8の「駆動制御プログラ
ム」を所定の短時間毎にそれぞれ繰り返し実行して、油
圧シリンダ11a〜11dに対する作動油の給排を制御
する。このマイクロコンピュータ30には、目標車高設
定操作子31,車高センサ32a〜32c、車速センサ
33、ドアスイッチ34、圧力センサ35及び温度セン
サ36が接続されている。
【0022】目標車高設定操作子31は、乗員により操
作されて車高の高低を変更するものであり、現在の車高
を上昇側に変更するアップ操作子31aと、現在の車高
を下降側に変更するダウン操作子31bとからなる。な
お、本実施形態においては、車高は低、中、高の3段階
に変更されるものであるが、3段階以外の適宜の段階に
変更するようにしてもよい。車高センサ32a,32b
は左右前輪W1,W2位置においてロアアーム12a,
12bと車体10との間にそれぞれ設けられ、左右前輪
W1,W2位置における車体10の路面(又はばね下部
材)に対する高さをそれぞれ検出して実車高Hf1,Hf2
を表す検出信号を出力する。車高センサ32cは車体1
0の後部幅方向中心位置において同車体10とロアアー
ム12c,12dを接続したフレーム(図示しないばね
下部材に相当)との間に設けられて、車両後部の幅方向
中心位置における車体10の路面(又はばね下部材)に
対する高さを検出して実車高Hrを表す検出信号を出力
する。
【0023】車速センサ33は、車速Vを検出して同車
速Vを表す検出信号を出力する。ドアスイッチ34は、
車両のドア及びトランクの開閉を検出して同開閉状態を
表すドアスイッチ信号DSを出力するものであり、この
ドアスイッチ信号DSは車両のいずれかのドア又はトラ
ンクが開かれているときハイレベル信号”1”であると
ともに、車両の全てのドア及びトランクが閉じていると
きローレベル信号”0”である。圧力センサ35は油圧
ポンプ22から吐出された作動油の油圧Pmを検出し
て、同油圧Pmを表す検出信号を出力する。温度センサ
36は油圧ポンプ22から吐出された作動油の油温Tを
検出して、同油温Tを表す検出信号を出力する。
【0024】次に、上記のように構成した実施形態の動
作を説明する。イグニッションスイッチ(図示しない)
が投入されると、マイクロコンピュータ30は図示しな
いプログラムの実行により、後述するプログラムで用い
る各種フラグを”0”に初期設定した後、図2の「メイ
ンプログラム」及び図8の「駆動制御プログラム」を所
定の短時間毎に繰り返し実行し始める。
【0025】「メインプログラム」の実行においては、
ステップ100の開始後、ステップ102にて、車高セ
ンサ32a〜32c、車速センサ33、圧力センサ35
及び温度センサ36からの各実車高Hf1,Hf2,Hr、
車速V、油圧Pm及び油温Tを表す各検出信号を入力す
るとともに、ドアスイッチ34からドアスイッチ信号D
Sを入力する。なお、各センサ32a〜32c,33,
35,36からの各実車高Hf1,Hf2,Hr、車速V、
油圧Pm及び油温Tをそのまま用いたのでは、瞬間的な
変化を含むために適切でない場合には、これらの各実車
高Hf1,Hf2,Hr、車速V、油圧Pm及び油温Tをロ
ーパスフィルタ処理して用いるようにする。次に、ステ
ップ104にて実車高Hf1,Hf2を平均することにより
車両前部の実車高Hf(=(Hf1+Hf2)/2)を計算
する。そして、ステップ106の「開始判定ルーチ
ン」、ステップ108の「車高変更ルーチン」、ステッ
プ110の「前輪目標車高変更ルーチン」、ステップ1
12の「後輪目標車高変更ルーチン」及びステップ11
4の「目標車高復帰ルーチン」を実行して、ステップ1
16にてこの「メインプログラム」の実行を終了する。
【0026】「開始判定ルーチン」は図3にその詳細が
示されているように、ステップ200にて開始され、ス
テップ202にて、前記検出された車両の前部における
実車高Hfから同前部の目標車高Hf*を減算することに
より車高偏差ΔHf(=Hf−Hf*)を計算する。な
お、この目標車高Hf*は、後述する処理により目標車高
設定操作子31の操作により変更されるもので、同操作
子31の操作前にはマイクロコンピュータ30内の不揮
発性メモリに記憶されていて以前に設定された値を示し
ている。次に、ステップ204にて、車高偏差ΔHfの
絶対値|ΔHf|が予め定めた正のしきい値Hth1 より
も大きいか否かを判定する。前記絶対値|ΔHf|がし
きい値Hth1 以下であれば、ステップ204にて「N
O」と判定して、プログラムをステップ212に進め
る。
【0027】ステップ212においては、前記検出され
た車両の後部における実車高Hrから同後部の目標車高
Hr*を減算することにより車高偏差ΔHr(=Hr−H
r*)を計算する。この目標車高Hr*も前記目標車高Hf*
と同時に変更されるもので、目標車高設定操作子31の
操作前には不揮発性メモリに記憶されていて以前に設定
された値を示している。そして、ステップ214にて、
車高偏差ΔHrの絶対値|ΔHr|が予め定めた正のし
きい値Hth2 より大きいか否かを判定する。前記絶対値
|ΔHr|がしきい値Hth2 以下であれば、ステップ2
14にて「NO」と判定して、ステップ222にてこの
「開始判定ルーチン」の実行を終了する。
【0028】前記「開始判定ルーチン」の実行後、マイ
クロコンピュータ30は、図4の「車高変更ルーチン」
をステップ300にて開始し、ステップ302にて中断
フラグSTPが”1”であるか否かを判定する。この中
断フラグSTPは、”1”により車高調整制御の中断を
指示するもので、最初”0”に設定されているので、ス
テップ302においては「NO」と判定して、プログラ
ムをステップ304,306に進める。ステップ304
においては変更中フラグCFが”0”であるか否かを判
定し、ステップ306においては変更開始フラグCS
が”1”であるか否かを判定する。変更中フラグCF
は”1”により車高調整の制御中であることを表し、変
更開始フラグCSは”1”により車高調整を開始するこ
とを表すもので、最初共に”0”に設定されているの
で、ステップ304,306にてそれぞれ「YES」、
「NO」と判定して、ステップ322にてこの「車高変
更ルーチン」の実行が終了される。
【0029】このような「メインプログラム」の実行と
並行して、マイクロコンピュータ30は図8の駆動制御
プログラムを実行している。この駆動制御プログラムの
実行は、ステップ600にて開始され、ステップ602
〜618の処理により、車体10の前部及び後部をそれ
ぞれ上昇及び下降制御することを表す前部上昇フラグF
U、前部下降フラグFD、後部上昇フラグRU及び後部
下降フラグRDの設定状態に応じて電動モータ21及び
レベリングバルブ25,26をそれぞれ制御する。この
場合、前記初期設定により各フラグFU,FD,RU,
RDはすべて”0”に保たれているので、ステップ60
2,604の処理により電動モータ21を停止制御し、
ステップ608,610の処理によりレベリングバルブ
25を非通電状態に制御し、かつステップ614,61
6の処理によりレベリングバルブ26を非通電状態に制
御する。その結果、油圧シリンダ11a,11b内の作
動油が保持されるとともに、油圧シリンダ11c,11
d内の作動油も保持され、車体10の前部及び後部の車
高は以前の状態に維持される。
【0030】次に、乗員の増減、荷物の増減などによ
り、車両の前部及び後部の実車高Hf,Hrが変化した
場合に説明する。車両の前部の実車高Hfが高く又は低
くなり、車高偏差ΔHfの絶対値|ΔHf|がしきい値
Hth1よりも大きくなると、図3の「開始判定ルーチ
ン」のステップ204にて「YES」と判定し、ステッ
プ206にて下記数1の演算の実行により車高偏差ΔH
fの累算値ΔHfaを計算する。
【0031】
【数1】ΔHfa=ΔHfa+ΔHf そして、累算値ΔHfaの絶対値|ΔHfa|が正の所定値
ΔH1よりも大きくなるまで、ステップ208にて「N
O」と判定し続ける。この場合、累算値ΔHfaは初期に
「0」にクリアされているもので、前記ステップ206
の処理は所定時間毎に実行されるので、前記累算値ΔH
faは車高偏差ΔHf(実車高Hfの目標車高Hf*からの
ずれ量)を積分したことになる。そして、この累算値Δ
Hfaの絶対値|ΔHfa|が所定値ΔH1より大きくなる
と、ステップ208にて「YES」と判定して、ステッ
プ210にて変更開始フラグCSを”1”に設定すると
ともに、累算値ΔHfaを「0」にクリアする。
【0032】また、車両の後部の実車高Hrが高く又は
低くなり、車高偏差ΔHrの絶対値|ΔHr|がしきい
値Hth2 より大きくなると、ステップ214にて「YE
S」と判定し、ステップ216にて下記数2の演算の実
行により車高偏差ΔHrの累算値ΔHraを計算する。
【0033】
【数2】ΔHra=ΔHra+ΔHr そして、累算値ΔHraの絶対値|ΔHra|が正の所定値
ΔH2より大きくなるまで、ステップ218にて「N
O」と判定し続ける。この場合、累算値ΔHraは初期に
「0」にクリアされているもので、前記ステップ216
の処理は所定時間毎に実行されるので、前記累算値ΔH
raは車高偏差ΔHr(実車高Hrの目標車高Hr*からの
ずれ量)を積分したことになる。そして、この累算値Δ
Hraの絶対値|ΔHra|が正の所定値ΔH2より大きく
なると、ステップ218にて「YES」と判定して、ス
テップ220にて変更開始フラグCSを”1”に設定す
るとともに、累算値ΔHraを「0」にクリアする。
【0034】このように変更開始フラグCSが”1”に
設定された後、前記図4の「車高変更ルーチン」のステ
ップ306にて「YES」と判定されて、ステップ30
8にて変更開始制御処理を実行する。この変更開始制御
処理では、前部上昇フラグFU、前部下降フラグFD、
後部上昇フラグRU及び後部下降フラグRDのうちのい
ずれか1つ又は2つが”1”に設定される。具体的に
は、実車高Hf,Hrが目標車高Hf*,Hr*から共に上
又は下にずれた場合には、前部上昇フラグFU及び後部
上昇フラグRUが共に”1”に設定されて前部下降フラ
グFD及び後部下降フラグRDが共に”0”に保たれる
か、前部下降フラグFD及び後部下降フラグRDが共
に”1”に設定されて前部上昇フラグFU及び後部上昇
フラグRUが共に”0”に保たれる。また、実車高H
f,Hrのいずれか一方が目標車高Hf*,Hr*から上又
は下にずれた場合には、前部上昇フラグFU、前部下降
フラグFD、後部上昇フラグRU及び後部下降フラグR
Dのうちのいずれか一つが”1”に設定され、他のフラ
グは”0”に保たれる。ただし、前部上昇フラグFU又
は後部上昇フラグRUと、前部下降フラグFD又は後部
下降フラグRDとが同時に”1”に設定されることはな
い。
【0035】前記ステップ308の処理後、ステップ3
10にて変更開始フラグCSを”0”に戻すとともに、
変更中フラグCFを”1”に設定して、ステップ322
にてこの「車高変更ルーチン」の実行を終了する。
【0036】この状態で、図8の駆動制御プログラムが
実行されると、前部上昇フラグFU及び後部上昇フラグ
RUのうちの両方又は一方が”1”に設定されていれ
ば、ステップ602,606の処理により電動モータ2
1を回転駆動する。これにより、油圧ポンプ22はリザ
ーバ23から作動油を汲み上げて油路P5に吐出すると
ともに、この吐出油圧により排出バルブ27は非導通状
態に切換えられる。このとき、前部上昇フラグFUが”
1”であれば、ステップ608,612の処理によりレ
ベリングバルブ25を通電制御するので、前記吐出され
た作動油は油路P6,P1,P2を介して油圧シリンダ
11a,11bに供給されて、同シリンダ11a,11
bは車体10の左右前輪W1,W2位置を上昇させ始め
る。また、後部上昇フラグRUが”1”であれば、ステ
ップ614,618の処理によりレベリングバルブ26
を通電制御するので、前記吐出された作動油は油路P
7,P3,P4を介して油圧シリンダ11c,11dに
供給されて、同シリンダ11c,11dは車体10の左
右後輪W3,W4位置を上昇させ始める。
【0037】一方、前部下降フラグFD及び後部下降フ
ラグRDのうちの両方又は一方が”1”に設定されてい
るときには、前部上昇フラグFU及び後部上昇フラグR
Uは”0”に保たれているので、ステップ602,60
4の処理により電動モータ21は停止制御される。これ
により、油圧ポンプ22は作動油を吐出しないので、排
出バルブ27は導通状態に保たれる。このとき、前部下
降フラグFDが”1”であれば、ステップ608,61
2の処理によりレベリングバルブ25を通電制御するの
で、油圧シリンダ11a,11b内の作動油は油路P
1,P2,P6,P5及び排出バルブ27を介してリザ
ーバ23に排出されて、車体10の左右前輪W1,W2
位置は下降し始める。また、後部下降フラグRDが”
1”であれば、ステップ614,618の処理によりレ
ベリングバルブ26を通電制御するので、油圧シリンダ
11c,11d内の作動油は油路P3,P4,P7,P
5及び排出バルブ27を介してリザーバ23に排出され
て、車体10の左右後輪W3,W4位置は下降し始め
る。
【0038】このようにして、車体10の一部又は全部
が上昇又は下降し始めると、前記図4のステップ310
の処理により変更中フラグCFが”1”に設定されてい
るので、ステップ304にて「NO」と判定し始め、ス
テップ312の変更終了制御処理を実行し始める。この
変更終了制御処理においては、車高を上又は下に変更中
である車両の前部又は後部の実車高Hf,Hrと目標車
高Hf*,Hr*とをそれぞれ比較し、実車高Hfが目標車
高Hf*にほぼ一致し又は実車高Hrが目標車高Hr*にほ
ぼ一致した時点で、前部上昇フラグFU、前部下降フラ
グFD、後部上昇フラグRU及び後部下降フラグRDの
うちの前記ほぼ一致した実車高Hf,Hrに対応したフ
ラグが”0”に戻される。そして、前記全てのフラグF
U,FD,RU,RDが”0”に戻された時点で、ステ
ップ314にて「YES」と判定して、ステップ316
にて変更中フラグCFを”0”に戻す。すなわち、前部
上昇フラグFU及び後部上昇フラグRUが共に”1”に
設定されたり、前部下降フラグFD及び後部下降フラグ
RDが共に”1”に設定された場合には、車体10の前
部及び後部の実車高Hf,Hrと目標車高Hf*,Hr*と
が同時にほぼ一致しない限り、一致した側のフラグの
み”0”に戻されて一致しない側のフラグは”1”に保
たれ、両方がほぼ一致した後に変更中フラグCFは”
0”に戻される。
【0039】そして、前部上昇フラグFU、前部下降フ
ラグFD、後部上昇フラグRU及び後部下降フラグRD
が”0”に戻されると、前述した最初の状態と同様に、
図8の駆動制御プログラムの実行により、各輪位置の車
高が目標車高に維持される。
【0040】その結果、車両前部の車高偏差ΔHfの絶
対値|ΔHf|がしきい値Hth1 よりも大きい状態が続
いて累算値ΔHfaが所定値ΔH1を越えたり、車両後部
の車高偏差ΔHrの絶対値|ΔHr|がしきい値Hth2
よりも大きい状態が続いて累算値ΔHraが所定値ΔH2
を越えると、車高調整が開始されて、車両の前部又は後
部の実車高Hf,Hrが自動的に目標車高Hf*,Hr*に
調整される。
【0041】次に、ステップ110,112の「前輪目
標車高変更ルーチン」及び「後輪目標車高変更ルーチ
ン」の処理について説明する。これらのルーチンの処理
は、車載荷重の過剰、油圧ポンプ22を含む油圧系の故
障、作動油の温度が低いなどの理由により、車両の前部
及び後部の実車高Hf,Hrを目標車高Hf*,Hr*まで
上昇させることができない場合に目標車高Hf*,Hr*を
変更する処理である。
【0042】「前輪目標車高変更ルーチン」は図5に詳
細に示されており、その実行がステップ400にて開始
され、ステップ402にて中断フラグSTPが”1”で
あるか否かを判定する。この中断フラグSTPは前述の
ように最初”0”に設定されており、後述するステップ
430の処理によりはじめて”1”に設定されて車高調
整の中断を指示するものである。したがって、この場
合、中断フラグSTPは”0”であり、ステップ402
にて「NO」と判定してプログラムをステップ410に
進める。ステップ410においては、前部上昇フラグF
Uが”1”であるか否か、すなわち車体10の前部を上
昇制御中であるか否かを判定する。いま、車体10の前
部を上昇制御中でなければ、ステップ410にて「N
O」と判定して、ステップ438にてこの「前輪目標車
高変更ルーチン」の実行を終了する。一方、車体10の
前部を上昇制御中であれば、ステップ410にて「YE
S」と判定してプログラムをステップ412に進める。
【0043】ステップ412においては、前記入力した
油温Tに基づいて油圧ポンプ22から前輪W1,W2用
の油圧シリンダ11a,11bまでの作動油の圧力損失
Pafすなわち油圧ポンプ22から油圧シリンダ11a,
11bまでの作動油の圧力低下を決定する。この場合、
マイクロコンピュータ30に設けられて油温Tに応じて
変化する圧力損失Pafを表す油温−圧力損失テーブル
(図9の実線参照)が参照されて、前記入力した油温T
に対応した圧力損失Pafが導出される。なお、プログラ
ムの簡単化などのために、この圧力損失Paf及び後輪W
3,W4側用の圧力損失Parを油温Tに応じて変化しな
い一定値として扱うようにしてもよい。
【0044】次に、ステップ414にて油圧ポンプ22
の吐出油圧を表す前記入力した油圧Pmから前記油圧損
失Pafを減算して油圧シリンダ11a,11b内の油圧
Pf=Pm−Paf(以下、シリンダ油圧という)を計算
し、ステップ416にて前記計算した油圧Pfが所定油
圧Pf0よりも大きいか否かを判定する。なお、この所定
油圧Pf0は油圧ポンプ22を含む油圧系に過大な負荷が
かかる程度の値に設定されている。いま、シリンダ油圧
Pfが所定油圧Pf0以下であれば、ステップ416にて
「NO」と判定して、ステップ438にてこの「前輪目
標車高変更ルーチン」の実行を終了する。
【0045】一方、シリンダ油圧Pfが所定油圧Pf0を
越えていれば、ステップ416にて「YES」と判定
し、ステップ418にてタイマカウント値TMfに
「1」を加算してプログラムをステップ420に進め
る。ステップ420においては、前記入力した油温Tが
所定油温T0よりも大きいか否かを判定する。入力油温
Tが所定油温T0よりも大きければ、ステップ420に
おける「YES」との判定のもとに、ステップ422に
てタイマカウント値TMfが所定値TMf1よりも大きい
か否かを判定する。入力油温Tが所定油温T0以下であ
れば、ステップ420における「NO」との判定のもと
に、ステップ424にてタイマカウント値TMfが所定
値TMf2よりも大きいか否かを判定する。この場合、所
定値TMf1は所定値TMf2よりも小さな値に設定されて
おり、例えば所定値TMf1は1秒に相当する値に設定さ
れて、所定値TMf2は3秒に相当する値に設定されてい
る。また、前記タイマカウント値TMfは最初「0」に
設定されているので、シリンダ油圧Pfが所定油圧Pf0
を越えて間もない状態では、ステップ422又はステッ
プ424にて「NO」と判定されて、ステップ438に
てこの「前輪用目標車高変更ルーチン」の実行を終了す
る。
【0046】そして、このシリンダ油圧Pfが所定油圧
Pf0を越えた状態が続き、ステップ418の処理により
増加するタイマカウント値TMfが所定値TMf1(又は
所定値TMf2)よりも大きくなると、ステップ422
(又はステップ424)にて「YES」と判定し、ステ
ップ426にてタイマカウント値TMfを「0」にクリ
アした後、ステップ428にて初回フラグILが”0”
であるか否かを判定する。この初回フラグILも最初”
0”に設定されているので、ステップ428にて「YE
S」と判定し、ステップ430にて中断フラグSTP
を”1”に設定し、ステップ432にて初回フラグIL
を”1”に変更し、リピートタイマカウント値RTMf
を「0」に初期設定して、ステップ438にてこの「前
輪目標車高変更ルーチン」の実行を終了する。
【0047】このような状態で、図4の「車高変更ルー
チン」が実行されると、ステップ302にて「YES」
と判定されるので、プログラムをステップ318の変更
中断制御処理に進める。この変更中断制御処理において
は、図8の駆動制御プログラムにて車体10の前部及び
後部を上昇及び下降させるために利用される前部上昇フ
ラグFU、前部下降フラグFD、後部上昇フラグRU及
び後部下降フラグRDの全てを”0”に戻す。したがっ
て、この場合には、図8の駆動制御プログラムが実行さ
れた時点で、車体10の前部又は後部の車高を上昇制御
中であっても、同上昇制御は全て中断される。なお、こ
のことは、電動モータ21及び油圧ポンプ22の停止を
意味する。前記ステップ318の処理後、ステップ32
0にて前記車高の上昇制御中に”1”に設定されていた
変更中フラグCFは”0”に変更されるとともに、変更
開始フラグCSが”1”に変更される。
【0048】また、前記中断フラグSTPが”1”の状
態で、図5の「前輪目標車高変更ルーチン」が実行され
ると、ステップ402にて「YES」と判定してプログ
ラムをステップ404,406の処理に進める。ステッ
プ404においては前記ステップ434の処理により
「0」に初期設定したリピートタイマカウント値RTM
fに「1」を加算し、ステップ406においては同加算
されたリピートタイマカウント値RTMfが所定値RT
Mf0(例えば2秒程度の所定時間に相当する値)を越え
たか否かを判定する。そして、リピートタイマカウント
値RTMfが所定値RTMf0以下であれば、ステップ4
06にて「NO」と判定して中断フラグSTPを”1”
に保ち続ける。したがって、前記車体10の前部の車高
の上昇制御が中断されてから前記所定時間の間は、同中
断が続行される。
【0049】一方、前記所定時間が経過してリピートタ
イマカウント値RTMfが所定値RTMf0を越えると、
ステップ406にて「YES」と判定して、ステップ4
08にて中断フラグSTPを”0”に戻す。これによ
り、次に図4の「車高変更ルーチン」が実行された際に
は、ステップ302にてふたたび「NO」と判定される
ようになり、ステップ304以降の処理が実行される。
この場合、前記中断中のステップ320の処理により変
更中フラグCFは”0”に設定されているとともに開始
フラグCSは”1”に設定されているので、以降、ステ
ップ304〜316からなる車高の調整制御、詳しくは
車両前部の上昇制御が再開される。
【0050】また、前記図5の「前輪目標車高変更ルー
チン」のステップ408の処理後、ステップ410以降
の処理が再び実行される。ステップ410〜426の処
理は前述したとおりである。しかし、これらのステップ
410〜426の処理によってプログラムがステップ4
28まで進められた場合には、初回フラグILが前記ス
テップ432の処理により”1”に設定されているの
で、ステップ428にて「NO」と判定してプログラム
をステップ436に進める。ステップ436において
は、車両前部の目標車高Hf*を前記入力されて現在の車
両前部の実車高Hfに設定する。これにより、以降の図
3の「開始判定ルーチン」においては、この変更された
目標車高Hf*から実車高Hfが所定量だけずれた場合に
車高調整の開始の指示が出され、同指示に応答して、図
4の「車高変更ルーチン」の処理により車両前部の実車
高Hfは前記変更された目標車高Hf*に調整されること
になる。
【0051】「後輪目標車高変更ルーチン」について説
明すると、同ルーチンは図6に詳細に示されており、ス
テップ450〜488からなる処理により、車両後部に
関して前記「前輪目標車高変更ルーチン」と同様な処理
が実行されるので、詳しい説明を省略する。ただし、こ
の「後輪目標車高変更ルーチン」においては、前記「前
輪目標車高変更ルーチン」に利用されている車両前部に
関するリピートタイマカウント値RTMf、同カウント
値RTMfに対する所定値RTMf0、前部上昇フラグF
U、油圧ポンプ22から油圧シリンダ11a,11bま
での作動油の圧力損失Paf、同シリンダ11a,11b
内の油圧Pf、同油圧Pfに対する所定油圧Pf0、タイ
マカウント値TMf、同カウント値TMに対する所定値
TMf1,TMf2、車両前部の目標車高Hf*及び同前部の
実車高Hfに代えて、車両後部に関するリピートタイマ
カウント値RTMr、同カウント値RTMrに対する所
定値RTMr0、後部上昇フラグRU、油圧ポンプ22か
ら油圧シリンダ11c,11dまでの作動油の圧力損失
Par、同シリンダ11c,11d内の油圧Pr、同油圧
Prに対する所定油圧Pr0、タイマカウント値TMr、
同カウント値TMに対する所定値TMr1,TMr2、車両
後部の目標車高Hr*及び同後部の実車高Hrが用いられ
る。この場合、所定値RTMr0も2秒程度の時間に相当
する値に設定されており、油圧ポンプ22から油圧シリ
ンダ11c,11dまでの作動油の圧力損失Parは図9
の破線に示す特性に従って油温Tに応じて決定されるも
のであり、所定油圧Pr0も油圧ポンプ22を含む油圧系
に過大な負荷がかかる程度の値に設定されており、所定
値TMr1は所定値TMr2よりも小さな値に設定されてお
り、例えば所定値TMr1は1秒程度に相当する値に設定
され、所定値TMr2は3秒程度の値に設定されている。
【0052】このように動作する「前輪目標車高変更ル
ーチン」及び「後輪目標車高変更ルーチン」の機能につ
いてまとめて述べると、ステップ412〜416,43
6及びステップ462〜466,486の処理により、
過剰な車載荷重、油圧ポンプ22、油圧シリンダ11a
〜11dなどの油圧系の能力、車高センサ32a〜32
cによる検出車高Hf1,Hf2,Hrの異常などの理由に
より、油圧シリンダ11a〜11dに供給される作動油
の油圧Pf,Prが高くなっても、車両の前部又は後部
の実車高Hf,Hrを目標車高Hf*,Hr*まで上昇させ
ることができない場合には、シリンダ油圧Pf,Prが
所定油圧Pf0,Pr0を越えたことを条件に、目標車高H
f*,Hr*を現在の実車高Hf,Hrにそれぞれ車高に変
更する。これにより、「開始判定ルーチン」、「車高変
更ルーチン」及び「駆動制御プログラム」の実行によっ
て車両の前部及び後部の実車高Hf,Hrを目標車高H
f*,Hr*に一致させることができるようになるので、油
圧ポンプ22、油圧シリンダ11a〜11dなどの油圧
系の油圧が非常に高くなったり、電動モータ21及び油
圧ポンプ22が長時間作動し続けることを避けることが
できるので、電動モータ21、油圧ポンプ22、油圧シ
リンダ11a〜11dなどの油圧系の各部品の耐久性が
向上する。
【0053】また、ステップ402〜408,428〜
436及びステップ452〜458,478〜486の
処理により、シリンダ油圧Pf,Prが最初に所定油圧
Pf0,Pr0を越えたときには、電動モータ21及び油圧
ポンプ22の作動が中断されて油圧シリンダ11a〜1
1dに対する作動油の供給が中断され、その後に同モー
タ21及び同ポンプ22の作動により同油圧シリンダ1
1a〜11dに作動油が供給された状態で、シリンダ油
圧Pf,Prがふたたび所定油圧Pf0,Pr0を越えた場
合にのみ、前記目標車高Hf*,Hr*の変更が行われる。
これにより、エンジン始動時に油温Tが低くて実車高H
f,Hrを目標車高Hf*,Hr*まで上昇させることがで
きない場合には、前記中断後の車高調整により実車高H
f,Hrを目標車高Hf*,Hr*まで上昇させることがで
きることがあり、前記目標車高Hf*,Hr*の変更が無駄
に行われることを避けることができる。
【0054】また、これらの目標車高Hf*,Hr*の変更
においては、ステップ418〜426及びステップ46
8〜476の処理により、前記目標車高変更手段による
目標車高の変更条件に、シリンダ油圧Pf,Prが所定
時間にわたって続けて所定油圧Pf0,Pr0を越えたこと
を条件に、目標車高Hf*,Hr*は現在の実車高Hf,H
rにそれぞれ変更される。したがって、圧力センサ35
及び温度センサ36の異常、又は両センサ35,36の
検出信号にノイズなどが混入して、シリンダ油圧Pf,
Prが瞬間的に非常に高くなるなどの同油圧Pf,Pr
の誤検出があっても、前記目標車高Hf*,Hr*の変更を
避けることができる。
【0055】さらに、ステップ420〜422及びステ
ップ470〜472の処理により、前記所定時間の計測
に利用されるタイマカウント値TMf,TMrは、油温
Tが所定温度T0よりも高いときには所定値TMf1,T
Mr1と比較され、油温Tが所定温度T0以下のときには
所定値TMf2,TMr2と比較される。そして、所定値T
Mf1,TMr1と所定値TMf2,TMr2との関係は、TM
f1<TMf2及びTMr1<TMr2のように設定されている
ので、油温Tが低いときには、高いときに比べて、シリ
ンダ油圧Pf,Prが長い時間にわたって所定油圧Pf
0,Pr0を続けて越え続けないと目標車高Hf*,Hr*が
変更されることはない。その結果、油温Tが低い状態で
も、前記目標車高Hf*,Hr*の変更がむやみに行われる
ことを避けることができる。
【0056】なお、上記のような「前輪目標車高変更ル
ーチン」及び「後輪目標車高変更ルーチン」において、
ステップ402〜408,428〜434及びステップ
452〜458,478〜484の処理を省略して車高
の中断制御を省略してもよい。また、ステップ428〜
434,478〜484の処理中に中断回数をカウント
する処理及び同カウント値が所定値に達したことを判定
する処理を含ませて、前記中断が所定回数だけ行われた
後に、ステップ436,486の目標車高Hf*,Hr*の
変更処理が実行されるようにしてもよい。
【0057】また、ステップ420,424及びステッ
プ470,474の処理を省略して、油温Tとは無関係
に、タイマカウント値TMf,TMrが所定値TMf1,
TMr1をそれぞれ越えたことを条件に、ステップ42
6,476以降の処理が実行されるようにして、目標車
高Hf*,Hr*の変更処理が実行されるようにしてもよ
い。さらに、前記ステップ420,424及びステップ
470,474の省略後、ステップ418,422間及
びステップ468,472間に油温Tの上昇に従って連
続的に減少する所定値TMf1,TMr1を決定するテーブ
ルなどを含む手段を用いた処理を追加して、油温Tが低
下するに従って連続的に増加する時間にわたってシリン
ダ油圧Pf,Prが所定油圧Pf0,Pr0を越え続けない
と目標車高Hf*,Hr*が変更されないようにしてもよ
い。
【0058】
【0059】次に、ステップ114の「目標車高復帰ル
ーチン」について説明する。この「目標車高復帰ルーチ
ン」は、前記変更された目標車高Hf*,Hr*を目標車高
設定操作子31の操作に応じて目標車高Hf*,Hr*を設
定し直したり、所定の条件のもとに前記変更された目標
車高Hf*,Hr*を変更前の値に戻すルーチンであり、そ
の実行は図7に詳細に示されているようにステップ50
0にて開始される。
【0060】ステップ502〜508の処理は、目標車
高設定操作子31のアップ操作子31a又はダウン操作
子31bがオン操作されたとき、前記目標車高Hf*,H
r*の変更とは無関係に、目標車高Hf*,Hr*を前記いず
れかの操作子31a,31bのオン操作に応じた値に設
定するものである。
【0061】具体的には、ステップ502にて目標車高
設定操作子31のアップ操作子31a又はダウン操作子
31bがオン操作されたか否かを判定し、両操作子31
a,31bがオン操作されなければ、ステップ502に
て「NO」と判定してプログラムをステップ510以降
に進める。この場合、車両の前部及び後部の各目標車高
Hf*,Hr*は、以前に設定又は変更されて不揮発性メモ
リに記憶されている値に維持される。
【0062】一方、両操作子31a,31bのいずれか
がオン操作されたときには、ステップ502における
「YES」との判定のもとに、ステップ504にて両目
標車高Hf*,Hr*が変更される。アップ操作子31aが
オン操作された場合には、同操作毎に、両目標車高Hf
*,Hr*が予め定められている最大値に達するまで1段
階高い値にそれぞれ変更される。ダウン操作子31bが
オン操作された場合には、同操作毎に、両目標車高Hf
*,Hr*が予め定められている最小値に達するまで1段
階低い値にそれぞれ変更される。前記ステップ504の
処理後、ステップ506にて変更中フラグCFが”0”
に設定されるとともに開始フラグCSが”1”に設定さ
れる。これらのフラグCF,CSの設定により、図4の
「車高変更ルーチン」が実行された際には、ステップ3
04〜316の処理により、車体10の前部及び後部が
上昇又は下降制御されて、実車高Hf,Hrが前記設定
された目標車高Hf*,Hr*に調整される。
【0063】これにより、目標車高Hf*,Hr*が前記の
ように変更された後でも、目標車高設定操作子31を操
作すれば、変更された目標車高Hf*,Hr*が目標車高設
定操作子31の操作に応じた値に設定されるので、車両
の実車高Hf,Hrが乗員の意志を反映した車高に設定
できることもある。
【0064】前記ステップ506の処理後、ステップ5
08にて旧目標車高Hf*O,Hr*Oを前記新たに設定さ
れた目標車高Hf*,Hr*に変更して不揮発性メモリに更
新記憶しておく。この処理は、前記「前輪目標車高変更
ルーチン」又は「後輪目標車高変更ルーチン」の実行に
より変更された目標車高Hf*,Hr*を変更前の値に戻す
ために、元の目標車高Hf*,Hr*を旧目標車高Hf*O,
Hr*Oとして保存しておくためである。
【0065】ステップ510〜520の処理は、前記目
標車高Hf*,Hr*の変更が以前の低かった油温Tに起因
している場合には、油温Tの上昇時に同目標車高Hf*,
Hr*の変更を解除するものである。具体的には、ステッ
プ510において、解除履歴フラグEHFが”0”であ
り、かつ油温Tが所定温度Tc(車体10の前部及び後
部を上昇させるのに支障となる予め決められた低温)未
満であるかを判定する。解除履歴フラグEHFは、”
1”によりこの解除処理によって目標車高Hf*,Hr*の
変更が過去に一度解除されたことを表すもので、イグニ
ッションスイッチの投入直後には上述の初期設定によ
り”0”に設定されている。したがって、イグニッショ
ンスイッチの投入直後のステップ510においては、油
温Tが所定温度Tc未満であれば「YES」と判定し
て、ステップ512にて圧力制限フラグPOFを”1”
に設定する。この圧力制限フラグPOFは、”1”によ
り、油温Tが低かったために車体10の前部及び後部を
目標車高Hf*,Hr*まで上昇させることができなかった
可能性のあることを示すものである。一方、イグニッシ
ョンスイッチの投入直後に油温Tが所定温度Tc以上で
あればステップ510にて「NO」と判定され、その
後、油温Tは通常上昇するものであるので、この圧力制
限フラグPOFは”1”に設定されることなく”0”に
保たれる。
【0066】前記ステップ510,512の処理後、ス
テップ514にて圧力制限フラグPOFが”1”である
か否かを判定する。圧力制限フラグPOFが”0”に保
たれていれば、ステップ514にて「NO」と判定し
て、ステップ516〜520の処理を行うことなくプロ
グラムをステップ522に進める。一方、イグニッショ
ンスイッチの投入直後に油温Tが低いために圧力制限フ
ラグPOFが”1”に設定されていれば、ステップ51
4における「YES」との判定のもとに、ステップ51
6にて油温Tが所定温度Tc以上であるか否かを判定す
る。油温Tが所定温度Tcに達しない間、ステップ51
6にて「NO」と判定し続けてプログラムをステップ5
22に進め続ける。そして、油温Tが上昇して所定温度
Tcに達すると、ステップ516にて「YES」と判定
してプログラムをステップ518,520に進める。ス
テップ518においては、解除履歴フラグEHFを”
1”に設定するとともに、圧力制限フラグPOFを”
0”に戻す。ステップ520においては、目標車高Hf
*,Hr*を旧目標車高Hf*O,Hr*Oにそれぞれ変更す
る。
【0067】このような処理により、イグニッションス
イッチの投入直後に油温Tが所定温度Tc未満であった
ために上述の「前輪目標車高変更ルーチン」又は「後輪
目標車高変更ルーチン」の処理によって目標車高Hf*,
Hr*が変更されていた場合には、同変更されていた目標
車高Hf*,Hr*は、油温Tが上昇した時点で変更前の目
標車高Hf*,Hr*に戻される。したがって、エンジンの
始動時などに作動油の油温Tが低いために、車両の前部
及び後部の実車高Hf,Hrを目標車高Hf*,Hr*に調
整することができなかった場合には、同始動時に前記目
標車高Hf*,Hr*の変更により電動モータ21,油圧ポ
ンプ22及び油圧シリンダ11a〜11dなどの油圧系
の過負荷を回避した上で、油温Tが上昇した時点で車両
の前部及び後部の実車高Hf,Hrを乗員の意図する目
標車高に調整することができる。また、解除履歴フラグ
EHFを用いて油圧制限の解除すなわち目標車高Hf*,
Hr*の復帰を1回に制限した理由は、温度センサ36な
どの異常により車体10の前部及び後部を上昇させるこ
とができなかった場合に、前記油圧制限の解除を何度も
行わないようにするためである。
【0068】ステップ522〜536の処理は、過剰な
積載荷重のために目標車高Hf*,Hr*が変更された場合
において、その後の積載荷重の減少により目標車高Hf
*,Hr*をもとに戻すための処理である。具体的には、
ステップ522において車速Vが所定車速V0未満であ
るかを判定し、ステップ524においてドアスイッチ信
号DSが”1”であるかを判定し、ステップ526にお
いて車両後部の実車高Hrと目標車高Hr*との車高差H
r−Hr*が所定値ΔHrc以上であるかを判定する。ステ
ップ522の判定処理は、車両が停止状態にあるか否か
を判定するものであって所定車速V0は5km/h程度
の極低速に設定されている。なお、前記車速Vの判定に
代えて、変速機がパーキングポジションにあるかなどの
他の車両の停止状態を判定する処理を用いることもでき
る。ステップ524の処理は、トランクを含む車両のド
アのいずれかが開かれて、車両の乗員、荷物などの減少
の可能性のあったことを判定するものである。ステップ
526の処理は、車両の積載荷重の減少による車体10
の後部の上昇を検出するもので、所定値ΔHrcは比較的
小さな値に設定されている。
【0069】車速Vが所定車速V0未満でなく、または
ドアスイッチ信号DSが”1”でなく、または車高差H
r−Hr*が所定値ΔHrc以上でなければ、ステップ52
2〜526のいずれかにて「NO」と判定され、ステッ
プ528にてタイマカウント値TMCを「0」にクリア
して、ステップ538にてこの「目標車高復帰ルーチ
ン」の実行を終了する。一方、車速Vが所定車速V0未
満で、かつドアスイッチ信号DSが”1”で、かつ車高
差Hr−Hr*が所定値ΔHrc以上であれば、ステップ5
22〜526にて全て「YES」と判定されて、ステッ
プ530にてタイマカウント値TMCに「1」を加算し
て、プログラムをステップ532に進める。ステップ5
32においては、タイマカウント値TMCが所定値TM
Co以上であるか否かを判定して、同カウント値TMC
が所定値TMCo未満であるかぎり、同ステップ532
にて「NO」と判定してステップ538にてこの「目標
車高復帰ルーチン」の実行を終了する。
【0070】そして、タイマカウント値TMCが所定値
TMCo以上になると、ステップ532にて「YES」
と判定して、プログラムをステップ534,536に進
める。ステップ534においてはタイマカウント値TM
Cを「0」にクリアし、ステップ536においては目標
車高Hf*,Hr*を旧目標車高Hf*O,Hr*Oにそれぞれ
変更する。
【0071】このようなステップ522〜526,53
6の処理により、過剰な積載荷重のために上述の「前輪
目標車高変更ルーチン」又は「後輪目標車高変更ルーチ
ン」の処理によって目標車高Hf*,Hr*が変更されてい
た場合には、車両が停止し、トランクを含むドアのいず
れかが開かれて、乗員、積載荷物の減少により車体10
の後部が前記変更されていた目標車高Hf*,Hr*より上
昇したことを条件に、前記変更されていた目標車高Hf
*,Hr*が変更前の目標車高Hf*,Hr*に戻される。し
たがって、過剰な積載荷重による電動モータ21、油圧
ポンプ22及び油圧シリンダ11a〜11dなどの油圧
系の過負荷を回避した上で、積載荷重が減少した場合に
は、車両の前部及び後部の実車高Hf,Hrを乗員の意
図する目標車高に調整することができる。また、ステッ
プ528〜534の処理により、前記乗員、積載荷物の
減少が所定値TMCoに対応した時間だけ連続して判定
され続けられない限り、目標車高Hf*,Hr*の復帰を行
わないようにしたので、車速センサ33、ドアステップ
34及び車高センサ32cの各検出にノイズの混入など
による瞬間的な誤検出があっても、変更された目標車高
Hf*,Hr*がもとに戻されることがなくなるので、目標
車高Hf*,Hr*の復帰に伴う電動モータ21及び油圧ポ
ンプ22などの無駄な作動を避けることができる。
【0072】なお、上記「目標車高復帰ルーチン」にお
いては、車速Vが所定車速V0未満であること、ドアス
イッチ信号DSが”1”であること、及び車高差Hr−
Hr*が所定値ΔHrc以上であることが所定時間にわたっ
て連続して成立したときに、はじめて目標車高Hf*,H
r*を変更するようにした。しかし、これらの条件は、プ
ログラムの制約などにより適宜省略できるものであり、
例えばステップ528〜534の処理を省略して時間の
条件を外すこともできる。また、ドアは車両の停止中に
開かれるものであるし、乗員、積載荷物の減少は車両の
停止中に生じるものであるので、ステップ522,52
4のいずれか一方の判定処理を省略してもよい。また、
前記ステップ526の判定処理においては、車両後部の
実車高Hrの上昇のみを判定条件としたが、これに代え
て又はこれに加えて車両前部の実車高Hfの上昇を判定
条件としてもよい。すなわち、車両前部の実車高Hfと
目標車高Hf*との車高差Hf−Hf*が所定値ΔHfc以上
であるかを判定するようにしてもよい。
【0073】なお、上記実施形態においては、乗員が目
標車高Hf*,Hr*を変更する場合、車高設定操作子31
の操作により同目標車高Hf*,Hr*を1段階ずつ上昇及
び下降させるようにしたが、車高設定操作子31として
高、中、低に対応した複数の操作子を設け、各操作子の
操作時に目標車高Hf*,Hr*がそれぞれ高、中、低に対
応する値に設定されるようにしてもよい。
【0074】また、上記実施形態においては、車高セン
サ32a〜32cを車体10の前部に2つ、後部に1つ
設けるようにしたが、車高センサを前部及び後部に1つ
ずつ設けて、各1つずつ設けた車高センサにより車体1
0の前部及び後部の実車高Hf,Hrを検出するように
してもよい。また、車高センサを左右後輪W3,W4位
置にも1つずつ設けて、同センサにより検出された各車
高を平均して車体10の後部の車高を検出するようにし
てもよい。さらに、上記実施形態においては、車体10
の前部及び後部の実車高Hf,Hrを目標車高Hf*,H
r*に設定制御するようにしたが、各車輪位置毎に実車高
を検出して、各車輪位置毎に車体10を目標車高にそれ
ぞれ設定制御するようにしてもよい。
【0075】また、上記実施形態においては、本発明を
作動油を用いた油圧式車高調整装置に適用した例につい
て説明したが、本発明は、他の流体、例えば空気を用い
たエア式の車高調整装置にも適用できる。この場合、油
圧ポンプ22及び油圧シリンダ11a〜11dを空気圧
ポンプ及び空気圧シリンダに代えることをはじめとし
て、他の各種バルブ25〜28等も空気式のものに代え
るようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に車両の車高調整装置の全
体概略図である。
【図2】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
るメインプログラムのフローチャートである。
【図3】 図2の開始判定ルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。
【図4】 図2の車高変更ルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。
【図5】 図2の前輪目標車高変更ルーチンの詳細を示
すフローチャートである。
【図6】 図2の後輪目標車高変更ルーチンの詳細を示
すフローチャートである。
【図7】 図2の目標車高復帰ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図8】 図1のマイクロコンピュータにより実行され
る駆動制御プログラムの
【図9】 油温と圧力損失の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
W1〜W4…車輪、P1〜P7…油路、10…車体、1
1a〜11d…油圧シリンダ、21…電動モータ、22
…油圧ポンプ、25,26…レベリングバルブ、27…
排出バルブ、30…マイクロコンピュータ、31…目標
車高設定操作子、32a〜32c…車高センサ、33…
車速センサ、34…ドアスイッチ、35…圧力センサ、
36…温度センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−38222(JP,A) 特開 昭61−163010(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 1/00 - 25/00 F15B 20/00 - 21/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪と車体との間に設けられて給排される
    流体により車高を増減可能なアクチュエータと、 前記アクチュエータに対して流体を給排可能とする流体
    給排手段と、 車高を検出する車高検出手段と、 前記検出された車高に基づいて前記流体給排手段による
    前記アクチュエータへの流体の給排を制御して同検出さ
    れた車高を所定の目標車高に一致させる車高調整制御手
    段とを備えた車両の車高調整装置において、 前記アクチュエータに供給される流体の圧力を検出する
    圧力検出手段と、 前記検出された圧力が所定時間にわたって続けて所定圧
    力を越えたとき、前記流体給排手段によるアクチュエー
    タへの流体の供給を所定時間だけ中断して、その後に同
    流体の供給を許容する中断制御手段と、 前記中断制御手段による流体の供給中断後の流体の供給
    が許容された状態で、前記検出された圧力がふたたび所
    定時間にわたって続けて所定圧力を越えたとき前記目標
    車高を前記車高検出手段により検出されている車高に変
    更する目標車高変更手段とを設けたことを特徴とする車
    両の車高調整装置。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載した車両の車高調整装
    置において、 目標車高を変更するための目標車高設定操作子と、 前記目標車高設定操作子の操作の検出時に、前記目標車
    高変更手段によって目標車高が変更されているかどうか
    には無関係に、前記目標車高を前記目標車高設定操作子
    の操作に応じた値に設定する目標車高設定手段とを設け
    たことを特徴とする車両の車高調整装置。
  3. 【請求項3】前記請求項1に記載した車両の車高調整装
    置において、 前記アクチュエータに供給される流体の温度を検出する
    温度検出手段と、 前記検出された温度が第1所定温度より低い状態から同
    第1所定温度より高い第2所定温度よりも高い状態に変
    化したことを判定したとき、前記変更された目標車高を
    前記変更前の所定の目標車高に復帰させる目標車高復帰
    手段とを設けたことを特徴とする車両の車高調整装置。
  4. 【請求項4】前記請求項1に記載した車両の車高調整装
    置において、 ドアの開閉状態を検出するドア開閉検出手段と、 前記ドア開閉検出手段によりドアの開状態が検出され、
    かつ前記車高検出手段により検出されている車高が前記
    変更された目標車高よりも高くなったとき、前記変更さ
    れた目標車高を前記変更前の所定の目標車高に復帰させ
    る目標車高復帰手段とを設けたことを特徴とする車両の
    車高調整装置。
  5. 【請求項5】前記請求項1に記載した車両の車高調整装
    置において、 ドアの開閉状態を検出するドア開閉検出手段と、 前記ドア開閉検出手段によりドアの開状態が検出され、
    かつ前記車高検出手段により検出されている車高が前記
    変更された目標車高よりも高い状態が所定時間以上続い
    たとき、前記変更された目標車高を前記変更前の所定の
    目標車高に復帰させる目標車高復帰手段とを設けたこと
    を特徴とする車両の車高調整装置。
  6. 【請求項6】前記請求項1に記載した車両の車高調整装
    置において、 車両の停止状態を検出する停止状態検出手段と、 前記停止状態検出手段により車両の停止状態が検出さ
    れ、かつ前記車高検出手段により検出されている車高が
    前記変更された目標車高よりも高くなったとき、前記変
    更された目標車高を前記変更前の所定の目標車高に復帰
    させる目標車高復帰手段とを設けたことを特徴とする車
    両の車高調整装置。
  7. 【請求項7】前記請求項1に記載した車両の車高調整装
    置において、 車両の停止状態を検出する停止状態検出手段と、 前記停止状態検出手段により車両の停止状態が検出さ
    れ、かつ前記車高検出手段により検出されている車高が
    前記変更された目標車高よりも高い状態が所定時間以上
    続いたとき、前記変更された目標車高を前記変更前の所
    定の目標車高に復帰させる目標車高復帰手段とを設けた
    ことを特徴とする車両の車高調整装置。
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