JP2009113571A - 車高調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 イグニッションオフ後において、確実に加速度センサなどの車両状態検出センサが検出する値に基づいて車高調整を行うか否かが判断できる車高調整装置を提供すること。
【解決手段】 車高制御用ECU60は、車両が停止し且つシフト位置が駐車位置となったときに前後加速度センサおよび横加速度センサが検出する検出値をブレーキ用ECU70と通信することにより取得し、メモリ60aに記憶する。そして、実際にイグニッションがオフとなったときにその記憶した値を基に車高調整の可否を判断する。よって、イグニッションオフ後にブレーキ用ECU70と通信する際の通信不良により加速度センサの検出値を取得することができなくなるような事態が起こることはない。このため車高調整の可否の判断時にその判断の基となる車両状態の検出値を確実に取得することができ、その検出値に基づいて確実に車高調整の可否を判断することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 車高制御用ECU60は、車両が停止し且つシフト位置が駐車位置となったときに前後加速度センサおよび横加速度センサが検出する検出値をブレーキ用ECU70と通信することにより取得し、メモリ60aに記憶する。そして、実際にイグニッションがオフとなったときにその記憶した値を基に車高調整の可否を判断する。よって、イグニッションオフ後にブレーキ用ECU70と通信する際の通信不良により加速度センサの検出値を取得することができなくなるような事態が起こることはない。このため車高調整の可否の判断時にその判断の基となる車両状態の検出値を確実に取得することができ、その検出値に基づいて確実に車高調整の可否を判断することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、車両の車高調整装置に関し、特に、車両のイグニッションがオフとなった後の車高調整を行い得る車高調整装置に関する。
従来より、車両の車高を調整するための車高調整装置が知られている。この車高調整装置は、車両の車高を変化させることにより車高を調整する車高調整手段と、車高調整手段の作動を制御する車高制御用ECUなどの車高調整用制御装置とを備える。車高調整装置には、運転者がフロアコンソールなどに設けられたハイトコントロールスイッチを操作することにより所望の高さに車高を調整できるマニュアル制御を可能にするものや、車両の積載荷重にかかわらず車高を一定に保つオートレベリング制御、あるいはイグニッションのオフ時などに乗員の乗降性や停止時の見栄えなどを向上させるために自動的に車高が低くなるように車高調整がなされるイグニッションオフ後制御などの設定を可能にするものがある。
特許文献1には、イグニッションオフ後制御において、イグニッションがオフとなった後も、車高調整装置に電力を供給して車高調整を行わせると共に、車高調整作動時間が所定値を超えたときは車高調整装置への電力供給を遮断して車高調整を停止させる車高調整装置が記載されている。特許文献1に記載の車高調整装置は、上記のように車高調整装置への電力供給を遮断することによりイグニッションオフ後の電力消費を節約して、バッテリ上がりなどの不具合の発生を防止することができるという効果を奏するものである。
特開昭61−21807号公報
車高調整を行う際には、現在の車両の状態が車高調整を行って良い状態であるか否かを判断する必要がある。例えば、イグニッションオフ後制御を行うか否かを判断する際に、車両が重力方向に対して傾いている場合、具体的には坂道に車両が停止しているような場合には、車両の姿勢が不安定であるため、たとえイグニッションオフ後制御の要求があったとしても、イグニッションオフ後制御による車高調整を中止する必要がある。よって、イグニッションオフ後制御による車高調整を行う際には、車高調整用制御装置は、まず加速度センサをはじめとしたイグニッションオフ後制御を行うか否かの判断をし得る車両状態を検出している車両状態検出センサにより検出された値を基に車両状態(例えば車両の傾きの度合い)を算出し、算出した車両状態から見て車両が不安定な場合(例えば車両の傾きの度合いが大きい場合)は車高調整を中止し、安定な場合(例えば車両の傾きの度合いが少ない場合)に限って車高調整を行うようにしている。
ここで、加速度センサは車高調整とは異なる車両に関するシステム、例えばABSなどの制動制御システムにも利用される。よって、加速度センサは制動手段を制御するための制御装置(ブレーキ用ECU)その他の制御装置によりその作動が制御されているものが多い。その他の車両状態検出センサにおいても車高調整とは異なる車両に関する他のシステムを制御する他の制御装置により作動が制御されているものが多い。したがって、車高制御用ECUは、他の制御装置に作動制御されている加速度センサなどの車両状態検出センサの作動制御を行うことができない。また、これらのセンサの検出値を得るためにはこれらのセンサの作動を制御しているブレーキ用ECUなどの他の制御装置と通信する必要がある。
ところが、イグニッションオフ後制御を行う場合には既にイグニッションがオフとされているから、これらのセンサの作動を制御している他の制御装置がイグニッションのオフ後に速やかに電源供給を遮断することもある。よって、車高制御用ECUが他の制御装置と通信する際に、その通信のタイミングによっては、既に通信先の他の制御装置は電源供給を遮断していることもある。この場合には、車高制御用ECUは、他の制御装置を介してそれが作動を制御している車両状態検出センサ(加速度センサなど)の検出値を得ることができない。また、上記制御装置を介さない場合においても車両状態検出センサ(加速度センサなど)への電源供給が遮断されているためにこれらのセンサが検出する検出値を得ることができない。
車高制御用ECUがイグニッションオフ後制御を行うか否かを判断するために必要とされる車両状態検出センサ(加速度センサなど)の検出値を得ることができない場合には、車高制御用ECUは車高を調整してよいか否かの判断ができない。また、上記検出値を得ることができない場合は断線などによってセンサの検出異常が生じている可能性も考えられる。このような状況の下で車高調整を行うのは好ましくないから、車高調整は中止される。しかし、実際には上記したように通信のタイミングが悪かったばかりに単に車両状態検出センサ(加速度センサなど)の検出値が取得できないだけであって、車両の姿勢も安定し、センサの検出状態も正常である場合もある。すなわち、車高制御用ECUと車両状態検出センサ(加速度センサなど)の作動を制御する制御装置との間の通信のタイミングの如何により、車両状態検出センサ(加速度センサなど)が正常である場合であってもこれらのセンサから検出値を取得することができずに車高調整が中止されてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、イグニッションオフ後において、確実に加速度センサなどの車両状態検出センサが検出する値に基づいて車高調整を行うか否かが判断できる車高調整装置を提供することを目的とする。
本発明の車高調整装置は、車両の車高を制御する車高調整手段と、車高調整手段の作動を制御する車高調整用制御装置とを備える。また、本発明の車高調整用制御装置は、車両が停止しているか否かを判断する停止判断手段と、この停止判断手段によって車両が停止していると判断された場合に、車両の変速機の動力伝達状態を変更するために運転者が操作するシフトレバーの操作位置が駐車位置であるか否かを判断する駐車位置判断手段と、この駐車位置判断手段によってシフトレバーの操作位置が駐車位置であると判断された場合に、車高の調整を行うか否かを判断するために必要とされる車両状態を検出する車両状態検出手段が検出している検出値を記憶する記憶手段と、記憶手段により検出値が記憶された後に、車両のイグニッションがオフであるか否かを判断するイグニッションオフ判断手段と、イグニッションオフ判断手段により車両のイグニッションがオフであると判断された場合に、記憶手段が記憶した検出値を用いて車高の調整を行うか否かを判断する車高調整可否判断手段と、車高調整可否判断手段が車高の調整を行うと判断した場合に、車高を検出する車高検出手段が検出する車高に基づいて車高が目標車高となるように車高調整手段を制御するイグニッションオフ後車高制御手段と、を備えるものとした。この場合、上記車両状態検出手段は、上記車高調整制御装置とは異なる制御装置であって、車高調整とは異なる車両に関する他のシステムを制御する制御装置により作動が制御されるものであるのがよい。
上記発明によれば、車高調整用制御装置は、イグニッションオフ後制御を行うにあたって、まず車両が停止しているか否か、すなわち車速が0であるか否かを判断する。車両が停止していると判断した場合には、次に、変速機のシフトレバーの操作位置(以下、シフト位置と称する)が駐車(パーキング)位置であるか否かを判断する。シフト位置が駐車位置であると判断した場合には、次に車高の調整を行うか否かを判断するために必要とされる車両状態、例えば車両に作用する加速度などを検出する車両状態検出手段(例えば加速度センサ)が検出している検出値を記憶する。その後、車両のイグニッションがオフであるか否かが判断され、オフである場合には、記憶した検出値に基づいて車高の調整を行うか否かを判断する。そして、車高の調整を行うと判断した場合に、車両の車高を検出する車高検出手段が検出する車高に基づいて車高が目標車高となるように車高調整手段を制御する。このようにしてイグニッションオフ後制御がなされる。
このように本発明によれば、車高調整用制御装置は、車高調整を行うか否かの判断に用いる車両状態の検出値を、イグニッションがオフとなる前の時点(つまりイグニッションがオンである時点)であって車両が停止し且つシフト位置が駐車位置となったときに記憶しておき、実際にイグニッションがオフとなったときにその記憶した値を基に車高調整の可否を判断する。よって、イグニッションオフ後制御における車高調整の可否の判断時にその判断の基となる車両状態の検出値を確実に取得することができ、その検出値に基づいて確実に車高調整の可否を判断することができる。特に、本発明は、上記車両状態検出手段が車高調整とは異なる車両に関する他のシステムを制御する他の制御装置により作動が制御されているものである場合に有効である。すなわち、このような場合には車高調整用制御装置が上記車両状態検出手段の作動を制御できない。そのためイグニッションオフ後に車高調整用制御装置が上記他の制御装置と通信して車両状態検出手段の検出値を取得しようとしたときには上記他の制御装置は電源供給を遮断している場合もある。よって、このような場合に本発明を適用し、イグニッションがオンである時の所定の段階にて上記他の制御装置と通信して車両状態検出手段の検出値を先取りしておくことにより、その検出値を基に確実にイグニッションオフ後制御の可否判断を行うことができる。
また、上記記憶手段は、車両が停止し且つシフト位置が駐車位置であるときに車両状態検出手段が検出している検出値を記憶するものである。したがって、その後そのまま車両のイグニッションがオフとなった場合は、記憶手段が検出値を記憶したときの車両の状態とイグニッションがオフとなったときの車両の状態とは同じである。よって、記憶した検出値はイグニッションがオフとなった時点に検出されるであろう値と等しいものと推測できる。このため車高調整可否判断手段による可否判断の精度を向上させることができる。
この場合、車高調整用制御装置は、上記駐車位置検出手段によりシフト位置が駐車位置でないと判断された場合に記憶手段が記憶している検出値を解除する記憶値解除手段をさらに備えるものであるとよい。これによれば、記憶手段が一旦検出値を記憶した場合においても、シフト位置が駐車位置からそれ以外の位置に変化したときごとに記憶した検出値が解除されるので、常に最も直近にシフト位置が駐車位置となったときの検出値が記憶される。このため車高調整可否判断手段による判断の精度がより向上する。
また、上記車両状態検出手段は、重力方向に対する車両の傾きを表すために必要な値を検出するものであるのがよい。この場合、上記車両状態検出手段は、車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段であるとよい。加速度検出手段が検出する加速度により車両の停止時に車両が重力方向に対して傾いているか否かを判断することができる。さらに、上記加速度検出手段は、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段および車両の前後加速度を検出する前後加速度検出手段であるのがよい。両加速度検出手段により検出される両加速度に基づいて、車両の左右方向の傾きおよび前後方向の傾きを判断できる。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の車高調整装置を含む車両のサスペンション装置を示す概略図である。
この車両のサスペンション装置は、前後左右輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrを保持する車輪側部材(例えばロアアーム)11a〜11dと、車体と一体変位する車体側部材12a〜12dと、の間にそれぞれ設けられた流体圧シリンダ20a〜20dを備えている。流体圧シリンダ20a〜20dは、車体側部材12a〜12dに上端部を固定した円筒状のハウジング21a〜21dをそれぞれ備えている。ハウジング21a〜21d内には、その軸線方向に液密的に摺動するピストン22a〜22dがそれぞれ収容されている。ピストン22a〜22dは、ハウジング21a〜21d内を上油室23a〜23dおよび下油室24a〜24dにそれぞれ区画している。ピストン22a〜22dには、上油室23a〜23dおよび下油室24a〜24dを連通させるオリフィス25a〜25dが設けられている。
ピストン22a〜22dには、ピストンロッド26a〜26dの上端部がそれぞれ固定されている。ピストンロッド26a〜26dは、ピストン22a〜22dとの連結位置からハウジング21a〜21dの軸方向下方に延びている。ピストンロッド26a〜26dの下方はハウジング21a〜21dの下端部から進退可能にそれぞれ突出しており、その下端部は車輪側部材11a〜11dに接続されている。ハウジング21a〜21dの外周面と車体側部材12a〜12dとの間には図示しないコイルスプリングが設けられており、流体圧シリンダ20a〜20dは、コイルスプリングと共に車輪側部材11a〜11dに対して車体を上下に振動可能に支持する。この車体の上下方向の振動の際には、オリフィス25a〜25dを介して作動油が上下油室23a〜23d、24a〜24d間を移動することによって減衰力が付与される。
流体圧シリンダ20a〜20dの上油室23a〜23dは、可変オリフィス13a〜13dを介して個別油路L1a〜L1dの各一端にそれぞれ接続している。可変オリフィス13a〜13dは、電気的に制御されることによりそれが介挿されている通路部分の流路断面積をそれぞれ変更する。個別油路L1a〜L1dには、車体の上下動に対してばね作動をもたらすアキュムレータ14a〜14dおよびアキュムレータ15a〜15dがそれぞれ接続されている。アキュムレータ14a〜14d、15a〜15dは、ハウジングおよびハウジング内を仕切る仕切り部材を有し、各一方の室が個別油路L1a〜L1dにそれぞれ連通するとともに、各他方の室に弾性体を収容してなるもので、いずれもばね機能を備えている。なお、アキュムレータ15a〜15dのばね定数は、アキュムレータ14a〜14dのばね定数よりも大きく設定されている。
アキュムレータ15a〜15dと個別油路L1a〜L1dとの間には、ばね定数切換え用の電磁切換弁16a〜16dが介挿されている。これらの電磁切換弁16a〜16dへの通電・非通電により各個別油路L1a〜L1dとアキュムレータ15a〜15dとの連通状態が変化する。これにより流体圧シリンダ20a〜20dに作用する弾性力が制御される。
また、このサスペンション装置は、車高を調整するために、個別油路L1a〜L1dを介した流体圧シリンダ20a〜20dへの作動油の給排を制御する流体給排装置を備えている。流体給排装置は、車高を上昇させる際に流体圧シリンダ20a〜20dに作動油を供給するためのポンプ41を備えている。ポンプ41は電動モータ42によって駆動されて、リザーバ43内の作動油を汲み上げ、逆止弁44を介して共通油路L2に作動油を吐出する。共通油路L2には逆止弁44の下流側にて消音用のアキュムレータ45が接続されるとともに、アキュムレータ45が接続されている部分よりもさらに下流側にて電磁切換弁46を介して蓄圧用のアキュムレータ47が接続されている。電磁切換弁46は、通電により開状態に設定される常閉型である。
共通油路L2にはバイパス油路L2bが連通している。このバイパス油路L2bは、その一端が共通油路L2の逆止弁44が介挿されている部分とアキュムレータ45が接続されている部分との間に連通し、その他端がポンプ41の吸入口とリザーバ43とを接続する配管に連通しており、共通油路L2のポンプ41と逆止弁44との間の部分を迂回している。バイパス油路L2bには、通電により開状態に設定される常閉型の流出制御用の電磁切換弁48が介挿されている。この電磁切換弁48は、車高を下降させる際に開弁することによりバイパス油路L2bを通じて流体圧シリンダ20a〜20d内をリザーバ43に連通させる。
図1に示すように、共通油路L2は、個別油路L1a〜L1dにそれぞれ連通している。本実施形態においては個別油路L1aとL1bが合流しており、個別油路L1cとL1dとが合流しており、それぞれ合流した部位にて共通油路L2と連通している。また、各個別油路L1a〜L1dには電磁切換弁51a〜51dが介挿されている。電磁切換弁51a〜51dは、通電により開状態に設定される常閉型である。個別油路L1aと個別油路L1bとは、第1連通油路L3aにより連通されている。この第1連通油路L3aは、ポンプ41側(共通油路L2側)から見て個別油路L1aの電磁切換弁51aが介挿されている部分よりも下流側の部分と、個別油路L1bの電磁切換弁51bが介挿されている部分よりも下流側の部分とを連通している。個別油路L1cと個別油路L1dとは第2連通油路L3bにより連通されている。この第2連通油路L3bは、ポンプ41側(共通油路L2側)から見て個別油路L1cの電磁切換弁51cが介挿されている部分よりも下流側の部分と、個別油路L1dの電磁切換弁51dが介挿されている部分よりも下流側の部分とを連通している。第1連通油路L3aには、通電により開状態に設定される常閉型の電磁切換弁52aが接続されている。第2連通油路L3bには、通電により開状態に設定される常閉型の電磁切換弁52bが接続されている。これらの電磁切換弁52a,52bは、電磁切換弁16a〜16dが閉状態から開状態に切り換えられる際に通電制御されて、前記切換えに伴って発生する油路内での作動油の脈動を抑制するためのものである。
上記の構成において、本発明における車高調整手段は、個別油路L1a〜L1d、共通油路L2、バイパス油路L2b、ポンプ41,電動モータ42、リザーバ43、逆止弁44、流体圧シリンダ20a〜20d、電磁切換弁48,51a〜51d、ピストンロッド26a〜26dを備えて構成され、ポンプ41の作動および各種電磁切換弁48,51a〜51dの開閉作動により車両の車高が変化し、車高が調整される。
次に、上述した各種電気部品を制御する電気制御装置について説明する。電気制御装置は、各種油路に設けられて油圧を検出する複数の圧力センサPを備えている。圧力センサPは検出した圧力を車高調整用電子制御ユニット(以下、車高制御用ECUという)60に出力する。また、電気制御装置は車高センサ61a〜61dを有している。車高センサ61a〜61dは、車輪側部材11a〜11dと車体側部材12a〜12dの各間にそれぞれ組み付けられており、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における車高Lを検出して車高制御用ECU60に出力する。なお、車高センサとしては、サスペンションの伸縮を計測することにより車高を検出するものなど様々なものがあり、現時点において周知のセンサであるのでその具体的構造や検出方法などについての説明は省略する。
車高制御用ECU60は、車高センサ61a〜61d、各種電磁切換弁、可変オリフィス13a〜13dおよび電動モータ42に電気的に接続しており、制御指令または制御量を表す信号を対応する部品や回路に出力することによりこれらの部品の作動を制御して車高制御に関する制御を行う。この車高制御用ECU60には、車高モードスイッチ62,車高調整スイッチ(ハイトコントロールスイッチ)63が接続されている。車高モードスイッチ62は車室内に設けられ、車高の変更を自動的に行うオートモードとマニュアル制御によって行うマニュアルモードとを切換えるために運転者により操作されるものである。また、オートモードには、高速走行時に車高を低くする高速走行時制御モード、積載荷重が変化しても車高を一定の高さに保つオートレベリング制御モード、イグニッションがオフとなったときに乗降性を向上させるために車高を所定の目標車高まで低下させるイグニッションオフ後制御モードなどがあり、それぞれのモードを個別に設定できるようになっている。車高調整スイッチ63も車室内に設けられる。この車高調整スイッチ63は、前記マニュアルモードの選択時に車高の高低の程度および切換えを運転者自らが操作するためのものである。
図2は、車両に搭載されているバッテリ、車高制御用ECU60、車高制御以外の制御用ECU、例えばブレーキ用ECUおよび各種センサの電気的接続関係を示した図である。図に示すように、バッテリBTは、車高制御用ECU60の他に、車両の他のシステムを作動させるために用いられる他のECU、例えばABSなど車両の制動システムを制御するためのブレーキ用ECU70などにも電気的に接続されており、各ECUはそれぞれ独立に駆動している。ブレーキ用ECU70は、前後加速度センサ71、横加速度センサ72、ヨーレートセンサ73、車輪速センサ74に電気的に接続されており、これらのセンサに電力を供給するとともに、これらのセンサの作動を制御する。前後加速度センサ71は車両の前後方向に作用する加速度を検出して出力する。横加速度センサ72は車両の横方向(左右方向)に作用する加速度を検出して出力する。ヨーレートセンサ73は車両に作用するヨーレートを検出して出力する。車輪速センサ74は車輪の回転速度を検出して出力する。
また、車高制御用ECU60は、各油路に取付けられる圧力センサ、車高センサ61a〜61dおよびシフト位置センサ75に電気的に接続されている。シフト位置センサ75は、車両の変速機の動力伝達状態を変更するために運転者が操作するシフトレバーの操作位置(シフト位置)を検出するセンサであり、シフト位置がD(ドライブ)、N(ニュートラル)、P(駐車)、R(リバース)のいずれであるかについての情報を検出して出力する。車高制御用ECU60は、圧力センサ、車高センサ61a〜61dおよびシフト位置センサ75に電力を供給するとともに、これらのセンサの作動を制御する。また、車高制御用ECU60は、内部にメモリ60aを有する。このメモリ60aは、後述するように所定のタイミングで前後加速度センサ71および横加速度センサ72の検出値を記憶する。
図2からわかるように、前後加速度センサ71、横加速度センサ72、ヨーレートセンサ73、車輪速センサ74はブレーキ用ECU70にその作動が制御されており、車高制御用ECU60はこれらのセンサの作動を制御することができない。したがって、これらのセンサの検出値を取得するためにはブレーキ用ECU70と通信し、ブレーキ用ECU70を介して上記センサの検出値を取得する必要がある。なお、シフト位置センサ75は車高制御用ECU60やブレーキ用ECU70とは別のECUに作動を制御されていてもよい。この場合は、車高制御用ECU60は、シフト位置センサ75の作動を制御しているECUからシフト位置センサ75の検出値を取得する。
上記構成のサスペンション装置において、車高制御用ECU60は、車高調整が可能である条件下において車高を低くするように車高調整の要求を受けた場合には、バネ定数切換え用の電磁切換弁16a〜16dに通電してこれらを閉状態に設定する。次に、電磁切換弁16a〜16dへの通電開始から所定の短時間が経過した後、車高制御用の電磁切換弁51a〜51dおよび流出制御用の電磁切換弁48に通電して、電磁切換弁51a〜51d、48を開状態に設定する。これにより、流体圧シリンダ20a〜20d内の作動油が個別油路L1a〜L1d、共通油路L2、バイパス油路L2bを介してリザーバ43に排出される。各流体圧シリンダ20a〜20d内からの作動油の排出に伴ってピストンロッド26a〜26dが各流体圧シリンダ20a〜20d内に埋没することにより、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における車高Lが徐々に低くなる。
そして、車高制御用ECU60は、車高センサ61a〜61dによって検出された各車高Lを入力して、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における各車高Lが目標の低い車高値に等しくなるまで、あるいは設定範囲内にて運転者が車高調整スイッチ63を車高DOWN側(車高を低くする側)に操作している間(マニュアル制御の場合)、電磁切換弁51a〜51d、48を開状態に維持し、電磁切換弁16a〜16dを閉状態に維持する。左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における各車高Lが目標の低い車高値に等しくなるか、あるいは運転者が車高調整スイッチを車高DOWN側に操作することを中止した場合、車高制御用の電磁切換弁51a〜51dおよび流出制御用の電磁切換弁48に対する通電を中止して、電磁切換弁51a〜51d、48を閉状態に設定する。これにより、流体圧シリンダ20a〜20d内の作動油のリザーバ43への排出が停止し、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における車高の低下が停止する。
また、車高制御用ECU60は、車高調整が可能である場合において車高を上昇させるように車高調整の要求を受けたときには、ばね定数切換え用の電磁切換弁16a〜16dに通電してこれらを閉状態に設定し、通電開始から所定の短時間が経過した後に、車高制御用の電磁切換弁51a〜51dを通電により開状態に設定するとともに、電動モータ42を作動させることによりポンプ41の作動を開始させる。ポンプ41の作動により、ポンプ41から吐出された作動油が油路L2、L1a〜L1dを介して流体圧シリンダ20a〜20dに供給される。このため各流体圧シリンダ20a〜20d内に供給される作動油によりピストンロッド26a〜26dが押しのけられ、押しのけられた分だけ各流体圧シリンダ20a〜20dより突出する。これにより左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における車高Lが徐々に高くなる。
車高制御用ECU60は、車高センサ61a〜61dによって検出された各車高Lを入力して、左右前後輪Wfr,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における各車高Lが目標の高い車高値に等しくなるまで、あるいは設定範囲内にて運転者が車高調整スイッチ63を車高UP側(車高を高くする側)に操作している間(マニュアル制御の場合)、電磁切換弁51a〜51dを開状態に維持し、ポンプ41を作動状態に維持し、且つ電磁切換弁16a〜16dを閉状態に維持する。そして、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl、Wrrの各位置における各車高Lが目標の高い車高値に等しくなるか、運転者が車高調整スイッチ63を車高UP側に操作することを中止した場合、車高制御用ECUは電磁切換弁51a〜51dへの通電を中止して電磁切換弁51a〜51dを閉状態に設定する。また、電動モータ42に対する作動制御を停止することにより、ポンプ41の作動油の吐出動作を停止する。その結果、流体圧シリンダ20a〜20dへの作動油の供給が停止し、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における車高の上昇が停止する。
本実施形態においては、車両停止後にイグニッションキーが抜かれた時に、乗降性を良好にし、且つ停止時の見栄えを良好にするために車高を所定の目標値まで低下する制御(イグニッションオフ後制御)を行うことができる。このイグニッションオフ後制御は、車高モードスイッチ62がオートモードで且つイグニッションオフ後制御を行うように設定されており、さらに車両が傾いていない状態で停車しているときにイグニッションがオフとなったことを条件に行われる。具体的には、車高制御用ECU60が図3に示すイグニッションオフ後制御プログラムを実行することによって、イグニッションオフ後制御がなされる。
車高制御用ECU60はイグニッションスイッチの投入により図3に示すイグニッションオフ後制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。このイグニッションオフ(図3ではIG_OFFと表示する)後制御プログラムの実行はステップS10(以下、S10と称する。他のステップも同様とする)にて開始され、次のS12にてイグニッションオフ後制御要求が有るか否かを判定する。この判定は車高モードスイッチ62がオートモードで且つイグニッションオフ後制御を行うように設定されているか否かにより判断される。S12の判定がNoである場合、すなわちイグニッションオフ後制御要求が無い場合は、S28に進んでこのプログラムの実行を終了する。一方、S12の判定がYesである場合、すなわちイグニッションオフ後制御要求が有る場合はS14に進み、S14にて車速Vが0であるか否かを判定する。車速Vは車輪速センサ74が検出する情報をブレーキ用ECU70を介して入力した値を基に算出される。
S14の判定がNoである場合は、車両が走行している場合であるので、この場合はイグニッションオフ後制御は行わない。よって、S28に進んでこのプログラムの実行を終了する。一方、S14の判定がYesである場合はS16に進む。S16では、シフト位置センサ75が検出するシフト位置がP(駐車)位置であるか否かを判定する。S16の判定がNoである場合、すなわちシフト位置がP位置以外の位置である場合はS26に進む。S26では後述する記憶値を解除する。その後、S28に進んでこのプログラムの実行を終了する。
S16の判定がYesである場合、すなわちシフト位置がP位置である場合はS18に進む。S18では、車高制御用ECU60は、ブレーキ用ECU70と通信し、このブレーキ用ECU70を介して前後加速度センサ71および横加速度センサ72の検出値を取得し、取得した検出値をメモリ60aに記憶する。このS18においては、車高制御用ECU60は、自身によりその作動を制御することができない(自身の制御下に置かれていない)センサの値を他のECUを介して取得して、取得したセンサの検出値をメモリ60aに記憶している。ここで、他のECUにより作動が制御される(車高制御用ECU60が作動制御をすることができない)センサは種々存在するが、特に、後述するS22におけるイグニッションオフ後制御による車高調整が可能か否かを判断する上で必要とされる車両状態を検出するセンサの検出値がメモリ60aに記憶されるものであるとよい。より好ましくは、本実施形態のようにメモリ60aが加速度センサ(例えば前後加速度センサ71および横加速度センサ72)の検出値を記憶するものであるとよい。
S18にてメモリ60aが前後加速度センサ71および横加速度センサ72の検出値を記憶した後は、車高制御用ECUはS20に進み、イグニッションがオフであるか否かを判定する。S20の判定結果がNoである場合、すなわちイグニッションがオンである場合はイグニッションオフ後制御を実行する必要がないのでS28に進んでこのプログラムの実行を終了する。S20の判定結果がYesである場合、すなわちイグニッションがオフである場合はS22に進む。S22では、イグニッションオフ後制御による車高調整が可能であるか否かを判定する。
本実施形態では、イグニッションオフ後制御による車高調整が可能であるか否かを判定するにあたり、車両が重力方向に対して傾いているか否か、つまり坂道などに停止しているか否かを判定する。車両が重力方向に対して傾いているか否かは、車両に作用する加速度に基づいて判断することができる。例えば車両に前後加速度が作用していれば、車両は重力方向に対して車両前後方向に傾いており、車両に横加速度が作用していれば、車両は重力方向に対して車両幅方向(左右方向)に傾いていることになる。ここで、本実施形態において車両制御用ECU60は、メモリ60aが記憶している前後加速度および横加速度を用いて車両が重力方向に対して傾いているか否かを判断する。具体的にはS22にて車両制御用ECU60は、S18にてメモリ60aが記憶した前後加速度センサ71の検出値である加速度A1の絶対値|A1|および横加速度センサ72の検出値である加速度A2の絶対値|A2|が所定の微小な正の加速度δ未満であるか否かを判定する(|A1|<δ、|A2|<δ)。この場合、車両が前後方向に傾いた姿勢で停車している場合は前後加速度センサ71の検出値A1が大きくなり、左右方向に傾いた姿勢で停車している場合は、横加速度センサ72の検出値A2が大きくなる。したがって、前後加速度センサ71の検出値A1の絶対値がδ以上であれば車両が前後に大きく傾いており、横加速度センサ72の検出値A2の絶対値がδ以上であれば車両が左右に大きく傾いていると判断できる。また、A1,A2の絶対値がδ以下であれば、車両は左右にも前後にもほとんど傾いておらず、重力方向に対してほぼ鉛直な姿勢にて停車しているものと判断できる。本実施形態では、上記|A1|および|A2|のいずれもがδ未満である場合にのみS22における判定結果がYesとなり、それ以外はNoとなる。
S22における判定の結果がNoである場合、すなわち車両が重力方向に対して傾いていて不安定であるのでイグニッションオフ後制御を行うことができない場合には、S28に進んでこのプログラムの実行を終了する。一方、S22における判定の結果がYesである場合、すなわち車両が重力方向に対して傾いておらず、ほぼ水平状態であってイグニッションオフ後制御を行うことができる場合には、S24に進む。そして、S24にてイグニッションオフ後制御を行う。このイグニッションオフ後制御は、上述したように車高を低くする制御である。具体的には、図1に示すサスペンション装置において、バネ定数切換え用の電磁切換弁16a〜16dに通電してこれらの弁を閉状態に設定し、これらの弁への通電開始から所定の短時間が経過した後、車高制御用の電磁切換弁51a〜51dおよび流出制御用の電磁切換弁48に通電して、電磁切換弁51a〜51d、48を開状態に設定する。これにより、流体圧シリンダ20a〜20d内の作動油が個別油路L1a〜L1d、共通油路L2、バイパス油路L2bを介してリザーバ43に排出される。各流体圧シリンダ20a〜20d内からの作動油の排出に伴ってピストンロッド26a〜26dが各流体圧シリンダ20a〜20d内に埋没することにより、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における車高Lが徐々に低くなる。
そして、車高制御用ECU60は、車高センサ61a〜61dによって検出された各車高Lを入力し、入力した車高Lに基づいて、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における各車高がイグニッションオフ後制御における目標の低い車高となるまで電磁切換弁51a〜51d、48を開状態に維持し、電磁切換弁16a〜16dを閉状態に維持する。左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における各車高Lが目標の低い車高になった場合、電磁切換弁51a〜51dおよび流出制御用の電磁切換弁48に対する通電を停止して、電磁切換弁51a〜51d、48を閉状態に設定する。これにより、流体圧シリンダ20a〜20d内の作動油のリザーバ43への排出が停止し、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの各位置における車高の低下が停止する。このようにしてイグニッションオフ後制御が行われる。その後、S28に進んでこのプログラムの実行を終了する。
従来において、車高制御用ECUがイグニッションオフ後制御による車高調整を行うか否かを判断する場合には、車高制御用ECUはイグニッションのオフが確認されてから(つまりイグニッションオフ後に)加速度センサなどの検出値を入力し、その検出値に基づいて車高調整の可否を判断していた。ここで、加速度センサなどが車高制御用ECUにより作動制御されていない場合には、車高制御用ECUは加速度センサの作動を制御している制御装置と通信し、その制御装置を介して加速度センサの検出値を取得する必要がある。しかし、上記通信のタイミングによっては既にその制御装置への電源供給が遮断されていることも起こり得る。上記制御装置への電源供給が遮断されている場合には、車高制御用ECUが加速度センサの検出値を取得することができない。
図4は、イグニッション(IG)のオン・オフ状態と、車高制御用ECU60が検知するバッテリBTの電圧VBTの経時的変化と、ブレーキ用ECU70の通電電圧VBRの経時変化を併記したグラフである。図4に示すように時刻t0にてイグニッションがオンからオフに変化すると、その時点から車高制御用ECU60はバッテリBTの電圧降下を検知する。時刻t2にて車高制御用ECU60が検知するバッテリ電圧VBTが通常の電圧VTから所定の電圧V0まで降下すると、車高制御用ECU60はイグニッションがオンからオフになったと判断する。従来においてはその後(つまりt2後)にブレーキ用ECU70から加速度センサの検出値を入力する。しかし、時刻t2よりも前の時刻t1のときにブレーキ用ECU70がイグニッションのオフを受けて電源の供給を遮断し、時刻t2のときには既にその作動が停止している場合は、車高制御用ECU60はブレーキ用ECU70を介して加速度センサの検出値を取得することができない。
車高制御用ECU60が加速度センサ71,72の検出値を取得することができない場合は、車両の姿勢(傾き)を判断することができない。また、加速度センサ71,72の異常が発生している可能性もある。このような理由のために、加速度センサ71,72の検出値が取得できない場合はイグニッションオフ後制御が行われない。しかし、実際には上述したように加速度センサ71,72の異常などは起こっておらず、単に加速度センサ71,72の検出値を取得するタイミングがブレーキ用ECU70が電力供給を遮断するタイミングよりも遅かっただけである場合もある。このような場合にまでイグニッションオフ後制御を中止することは好ましくない。
これに対して本実施形態においては上述したように、イグニッションのオフが確認された後に車高調整を行うか否かを判断するにあたって、イグニッションがオフとなる前の所定のタイミングで予め前後加速度センサ71の検出値A1および横加速度センサ72の検出値A2を記憶手段(メモリ60a)に事前に記憶しておき、イグニッションがオフとなった後におけるイグニッションオフ後制御可否判断時には記憶手段に記憶された検出値A1,A2を用いてイグニッションオフ後制御を行うか否かを判断している。ここで、イグニッションがオフとなる前の所定のタイミングとは、本実施形態において具体的には、車高調整要求が有り、車速が0であり、シフト位置がP(駐車)位置となるタイミングである。
したがって、イグニッションオフ後制御可否判断時に、その判断の基となる前後加速度センサ71の検出値や横加速度センサ72の検出値が取得できていない事態が回避される。このため確実にこれらのセンサの検出値に基づいて車高調整を行うか否かを判断することができる。
以上のように、本実施形態の車高調整装置において、車高制御用ECU60は、車両が停止しているか否かを判断する停止判断手段(S14)と、停止判断手段により車両が停止していると判断された場合にシフト位置が駐車位置であるか否かを判断する駐車位置判断手段(S16)と、駐車位置判断手段によってシフト位置が駐車位置であると判断された場合に前後加速度センサ71の検出値A1および横加速度センサ72の検出値A2を記憶する記憶手段(メモリ60aおよびS18)と、メモリ60aに検出値A1,A2が記憶された後に車両のイグニッションがオフであるか否かを判断するイグニッションオフ判断手段(S20)と、イグニッションオフ判断手段により車両のイグニッションがオフであると判断された場合にメモリ60aが記憶した検出値A1,A2に基づいて車高の調整を行うか否かを判断する車高調整可否判断手段(S22)と、車高調整可否判断手段が車高の調整を行うと判断した場合に車高センサ61a〜61dが検出する車高Lに基づいて車高がイグニッションオフ後制御における目標の低い車高となるように車高調整手段(個別油路L1a〜L1d、共通油路L2、バイパス油路L2b、ポンプ41,電動モータ42、リザーバ43、逆止弁44、流体圧シリンダ20a〜20d、電磁切換弁48,51a〜51d、ピストンロッド26a〜26d)を制御するイグニッションオフ後車高制御手段(S24)と、を備える。すなわち、車高制御用ECU60は、車高調整を行うか否かの判断に用いる車両状態(加速度)の検出値を、イグニッションがオフとなる前の時点(つまりイグニッションがオンである時点)であって車両が停止し且つシフト位置が駐車位置となったときにブレーキ用ECU70と通信することにより取得し、その取得した値をメモリ60aに記憶しておく。そして、実際にイグニッションがオフとなったときにその記憶した値を基に車高調整の可否を判断する。よって、従来のようにイグニッションオフ後にブレーキ用ECU70と通信する際の通信不良により加速度センサの検出値を取得することができなくなるような事態が起こることはない。このため車高調整の可否の判断時にその判断の基となる車両状態の検出値を確実に取得することができ、その検出値に基づいて確実に車高調整の可否を判断することができる。
また、車高制御用ECU60は、車両停止時且つシフト位置が駐車位置であるときに前後加速度センサ71および横加速度センサ72の検出値を記憶する。したがって、その後そのまま車両のイグニッションがオフとなった場合は、記憶手段(メモリ60a)が検出値を記憶したときの車両の傾きとイグニッションをオフとしたときの車両の傾きとは同じである。よって、記憶した検出値はイグニッションがオフとなった時点に検出される値と等しいものと推測できる。このため車高調整可否判断手段による判断の精度を向上させることができる。
また、車高制御用ECU60はさらに、上記駐車位置検出手段によりフト位置が駐車位置でないと判断された場合に記憶手段が記憶している検出値を解除する記憶値解除手段(S26)を備える。これによれば、例えば車両が停止し、シフト位置が駐車位置となり、その後イグニッションをオフさせることなくシフト位置が駐車位置以外の位置になったときは、記憶手段が記憶している検出値が解除される。そして、再度シフト位置が駐車位置となったときには、そのときに前後加速度センサ71および横加速度センサ72が検出している検出値をブレーキ用ECU70を介して取得し、取得した検出値がメモリ60aに記憶される。このようにして常に最も直近にシフト位置が駐車位置となったときにおける加速度センサ71,72の検出値が記憶されため、車高調整可否判断手段による判断の精度がより向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、本発明を適用するにあたって、サスペンション装置は油空圧式(ハイドロニューマチック式)でも空圧式でもよく、どのようなタイプのサスペンション装置を使用してもよい。また、上記実施形態においては車高制御用ECU60がブレーキ用ECU70を介してイグニッションオフ後制御可否判断の基となるセンサの検出値を取得する例を示したが、ブレーキ用ECUに限らず、車高制御用ECU以外の他のECUを介して検出値を取得する場合においても本発明を適用できる。また、上記実施形態においては加速度センサの検出値を基にイグニッションオフ後制御の可否を判断しているが、これに限らず、車高調整を行うか否かを判断するために必要とされる車両状態を検出するセンサの検出値を基にしてイグニッションオフ後制御の可否を判断してもよい。この場合、車両の安定性を表す値を検出するセンサの検出値を基にしてイグニッションオフ後制御の可否を判断するのがよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいていかなる変更も可能である。
20a,20b,20c,20d…流体圧シリンダ、26a,26b,26c,26d…ピストンロッド、41…ポンプ、43…リザーバ、44…逆止弁、48…電磁切換弁、51a,51b,51c,51d…電磁切換弁、60…車高制御用ECU(車高調整用制御装置)、60a…メモリ、61a,61b,61c,61d…車高センサ、70…ブレーキ用ECU、71…前後加速度センサ(車両状態検出手段)、72…横加速度センサ(車両状態検出手段)、73…ヨーレートセンサ、74…車輪速センサ、75…シフト位置センサ、BT…バッテリ、L1a,L1b,L1c,L1d…個別油路、L2…共通油路、L2b…バイパス油路
Claims (4)
- 車両の車高を変化させることにより車高を調整する車高調整手段と、前記車高調整手段の作動を制御する車高調整用制御装置とを備える車高調整装置において、
前記車高調整用制御装置は、
車両が停止しているか否かを判断する停止判断手段と、
前記停止判断手段により車両が停止していると判断された場合に、車両の変速機の動力伝達状態を変更するために運転者が操作するシフトレバーの操作位置が駐車位置であるか否かを判断する駐車位置判断手段と、
前記駐車位置判断手段によって前記シフトレバーの操作位置が駐車位置であると判断された場合に、車高の調整を行うか否かを判断するために必要とされる車両状態を検出する車両状態検出手段が検出している検出値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により前記検出値が記憶された後に、車両のイグニッションがオフであるか否かを判断するイグニッションオフ判断手段と、
前記イグニッションオフ判断手段により車両のイグニッションがオフであると判断された場合に、前記記憶手段が記憶した検出値に基づいて車高の調整を行うか否かを判断する車高調整可否判断手段と、
前記車高調整可否判断手段が車高の調整を行うと判断した場合に、車高を検出する車高検出手段が検出する車高に基づいて車高が目標車高となるように前記車高調整手段を制御するイグニッションオフ後車高制御手段と、
を備えることを特徴とする、車高調整装置。 - 請求項1に記載の車高調整装置において、
前記車両状態検出手段は、前記車高調整用制御装置とは異なった制御装置であって、車高の調整とは異なる車両に関する他のシステムを制御する制御装置により作動が制御されるものであることを特徴とする、車高調整装置。 - 請求項1または2に記載の車高調整装置において、
前記車両状態検出手段は、重力方向に対する車両の傾きを表すために必要な値を検出することを特徴とする、車高調整装置。 - 請求項3に記載の車高調整装置において、
前記車両状態検出手段は、車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段であることを特徴とする、車高調整装置。
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JP2015105008A (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-08 | アイシン精機株式会社 | 車高調整装置 |
-
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- 2007-11-05 JP JP2007286981A patent/JP2009113571A/ja active Pending
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