JP2018043529A - サスペンションシステム - Google Patents

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Taketaka Numasawa
武尊 沼沢
毅 山崎
Takeshi Yamazaki
毅 山崎
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【課題】 元バルブ64の故障検出を適正に行う。【解決手段】 ECU100は、ポンプ装置71を非作動状態、全てのばね切替バルブ62と全てのレベリングバルブ61と全てのバイパスバルブ63と元バルブ64とが閉弁状態となるように制御した状態で、任意のバイパスバルブ63に開弁指令を出力したときの油圧センサ90によって検出される油圧の増加勾配を検出し、増加勾配(θa)が開故障判定閾値(θa2)よりも小さい場合に、元バルブ64が正常に閉弁しない開故障であると判定する。【選択図】 図1

Description

本発明は、車体と車輪保持部材との間に設けた油圧シリンダの油圧により車高を調整する車高調整機能を備えたサスペンションシステムに関する。
従来から、例えば、特許文献1に提案されているように、車体と4輪の車輪保持部材との間に設けた油圧シリンダ(ショックアブソーバ)の油圧を制御して車高を調整するサスペンションシステムが知られている。各輪の油圧シリンダは、個別制御通路を介して作動油給排装置に接続されている。このサスペンションシステムにおいては、個別制御通路を開閉する個別制御バルブおよび作動油給排装置を制御して、各油圧シリンダに作動油を供給することにより車高を上昇させ、各油圧シリンダから作動油を排出させることにより車高を下降させる。
また、各油圧シリンダには、それぞれ、ばね定数の大きい高圧アキュムレータと、ばね定数の小さい低圧アキュムレータとが連通されている。油圧シリンダと低圧アキュムレータとを連通する通路には、両者の連通を許容する状態と遮断する状態とに切り替え可能なばね切替バルブが設けられている。従って、ばね切替バルブの開閉によってホイールレートを切り替えることができる。
このサスペンションシステムにおいては、通常走行時においては、油圧シリンダに高圧アキュムレータと低圧アキュムレータとが連通されて(ばね切替バルブ:開)ホイールレートが小(ソフト)に設定される。また、急旋回時および急加減速時においては、油圧シリンダと低圧アキュムレータとの連通が遮断されて(ばね切替バルブ:閉)ホイールレートが大(ハード)に設定される。尚、ホイールレートとは、ホイール位置におけるばね定数のことであり、車輪の接地荷重の変化とその車輪における車体とホイールセンターとの上下距離の変化(ホイールトラベル)の比、すなわち、単位ホイールトラベルを生じさせるのに必要なその車輪の接地荷重変化量を表す。
特開2008−168861号公報
上記のシステムでは、車高を上昇させる場合、油圧シリンダに作動油を供給することにより油圧シリンダ内の油圧を増加させてピストンロッドを上昇させるが、このとき、低圧アキュムレータおよび高圧アキュムレータにも同時に作動油が供給される。このため、車高を上昇させるために必要となる作動油量が多く、これに伴って、車高を上昇させるために必要な時間が長くなる。
そこで、本願出願人は、油圧シリンダの作動油の給排と、低圧アキュムレータの作動油の給排とを独立して行うことができる新しいサスペンションシステムを考えた。この新しいサスペンションシステムにおいては、個別制御バルブおよびばね切替バルブをバイパスして低圧アキュムレータと作動油給排装置とを連通させるバイパス通路、および、バイパス通路を開閉するバイパスバルブを備えている。従って、バイパスバルブおよびばね切替バルブを閉弁した状態で作動油給排装置から油圧シリンダに作動油を供給することにより、低圧アキュムレータへの作動油の供給を伴わずに車高を上昇させることができる。
このようにして車高を上昇させた状態から、ばね切替バルブを開弁すると、油圧シリンダと低圧アキュムレータとが連通して、両者の差圧によって両者間を作動油が移動して車高が変動してしまう。しかし、この新しいシステムにおいては、車高上昇が完了した後、個別制御バルブおよびばね切替バルブを閉弁させた状態でバイパスバルブを開弁することにより、作動油給排装置から低圧アキュムレータのみに作動油を供給することができる。従って、低圧アキュムレータの油圧を油圧シリンダの油圧と等しくなるまで上昇させておくことによって、それ以降、ばね切替バルブを開弁しても車高が変化しないようにすることができる。
こうしたシステムにおいては、油圧シリンダや低圧アキュムレータの油圧を個々に測定する必要がある。そのために、作動給排装置から各車輪の油圧シリンダに作動油を供給する共通の通路である給排元通路に元バルブが設けられ、その元バルブよりも下流側(作動給排装置を上流側として考えた場合)に油圧センサが設けられる。
しかし、新たに追加した元バルブの故障検出を適正に行う必要がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、元バルブの故障を適正に検出することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、
車両の左右前後輪のそれぞれにおいて車輪保持部材と車体との間に設けられ、作動油を収容して前記車輪保持部材と前記車体との間の距離変化に合わせて伸縮する油圧シリンダ(20)と、
前記左右前後輪の各油圧シリンダに対応して設けられ、第1ガス室と、前記油圧シリンダに連通する第1油室とを区画して備え、前記油圧シリンダの油圧に応じて前記第1油室に収容される作動油の量が変化して油圧系のばねとして機能する第1ガスばね(31)と、
前記各油圧シリンダに対応して設けられ、第2ガス室と、前記油圧シリンダに連通する第2油室とを区画して備え、前記油圧シリンダの油圧に応じて前記第2油室に収容される作動油の量が変化して油圧系のばねとして機能する第2ガスばね(32)と、
前記各油圧シリンダに対応して設けられ、前記油圧シリンダと前記第2ガスばねとの連通を許容する状態と遮断する状態とに切り替え可能なばね切替バルブ(62)と、
前記各油圧シリンダに対して作動油の供給および排出を行うためのポンプおよびリザーバタンクを有する作動油給排装置(70)と、
前記作動油給排装置に接続され作動油の流れる流路となる給排元通路、および、前記給排元通路の開閉を行う元バルブを有する給排油圧制御回路(54,64)と、
前記各油圧シリンダに対応して設けられ、前記油圧シリンダのそれぞれと前記給排元通路とを連通させる作動油の流路である車高調整用通路、および、前記車高調整用通路の開閉を行う車高調整用バルブを有する車高調整用油圧制御回路(51,61)と、
前記各油圧シリンダに対応して設けられ、前記ばね切替バルブおよび前記車高調整用バルブをバイパスして、前記第2ガスばねのそれぞれと前記給排元通路とを連通させる作動油の流路であるバイパス通路、および、前記バイパス通路の開閉を行うバイパスバルブを有する第2ガスばね用油圧制御回路(53,63)と、
前記元バルブに対して前記油圧シリンダ側であって、前記バイパスバルブに対して前記元バルブ側であり前記車高調整用バルブに対して前記元バルブ側となる作動油の流路に設けられ、前記流路の油圧を検出する油圧センサ(90)と、
前記ポンプを非作動状態、全ての前記ばね切替バルブと全ての前記車高調整用バルブと全ての前記バイパスバルブと前記元バルブとが閉弁状態となるように制御した状態で、任意の前記バイパスバルブに開弁指令を出力したときの前記油圧センサによって検出される油圧の増加勾配(θa)を検出し、前記増加勾配(θa)が開故障判定閾値(θa2)よりも小さい場合に、前記元バルブが正常に閉弁しない開故障であると判定する開故障検出手段(100,S21〜S26)と、
前記ポンプを非作動状態、全ての前記ばね切替バルブと全ての前記車高調整用バルブと前記元バルブとが閉弁状態、かつ、任意の前記バイパスバルブが開弁状態になるように制御した状態で、前記任意のバイパスバルブを閉弁した後、前記元バルブに開弁指令を出力したときの前記油圧センサによって検出される油圧の減少勾配(θb)を検出し、前記減少勾配が閉故障判定閾値(θb2)よりも小さい場合に、前記元バルブが正常に開弁しない閉故障であると判定する閉故障検出手段(100,S21、S27〜S34)とを備えたことにある。
本発明においては、車両の左右前後輪のそれぞれにおいて車輪保持部材と車体との間に油圧シリンダが設けられている。この油圧シリンダは、作動油を収容して車輪保持部材と車体との間の距離変化に合わせて伸縮する。
各油圧シリンダには、第1ガスばねと第2ガスばねとが設けられる。第1ガスばねは、第1ガス室と、油圧シリンダに連通する第1油室とを区画して備え、油圧シリンダの油圧に応じて第1油室に収容される作動油の量が変化して油圧系のばねとして機能する。第2ガスばねは、第2ガス室と、油圧シリンダに連通する第2油室とを区画して備え、油圧シリンダの油圧に応じて第2油室に収容される作動油の量が変化して油圧系のばねとして機能する。
この第2ガスばねについては、ばね切替バルブによって、油圧シリンダとの連通を許容する状態と遮断する状態とに切り替えられる。従って、ばね切替バルブが開弁されることによって、油圧シリンダは、第1ガスばねと第2ガスばねとの両方に連通した状態、つまり、ホイールレートが小さく設定された状態(ソフト)となる。また、ばね切替バルブが閉弁されることによって、油圧シリンダは、第1ガスばねと第2ガスばねとのうち、第1ガスばねにみに連通した状態、つまり、ホイールレートが高く設定された状態(ハード)となる。
油圧シリンダに収容される作動油の圧力を調整することによって、その油圧シリンダの設けられている車輪位置の車高を調整することができる。各油圧シリンダにおいては、作動油給排装置および給排油圧制御回路によって作動油の供給および排出が行なわれ、これにより車高が調整される。作動油給排装置は、作動油を油圧シリンダに供給するためのポンプ(高圧源)、および、作動油を油圧シリンダから排出するためのリザーバタンク(低圧源)を有している。給排油圧制御回路は、作動油給排装置に接続され作動油の流れる流路となる給排元通路、および、給排元通路の開閉を行う元バルブを有している。
サスペンションシステムは、各油圧シリンダに対応して設けられる、車高調整用油圧制御回路、および、第2ガスばね用油圧制御回路を備えている。車高調整用油圧制御回路は、油圧シリンダのそれぞれと給排元通路とを連通させる作動油の流路である車高調整用通路、および、車高調整用通路の開閉を行う車高調整用バルブを有する。従って、元バルブ、および、車高調整対象輪の車高調整用バルブを開弁状態にすることで、車高調整対象輪の油圧シリンダの油圧を調整して車高を調整することができる。
第2ガスばね用油圧制御回路は、ばね切替バルブおよび車高調整用バルブをバイパスして、第2ガスばねのそれぞれと給排元通路とを連通させる作動油の流路であるバイパス通路、および、バイパス通路の開閉を行うバイパスバルブを有する。従って、元バルブおよび任意のバイパスバルブを開弁状態にすることで、任意の第2ガスばねの油圧を独立して調整することができる。
任意の第2ガスばねの油圧を独立して調整する場合には、その後、油圧シリンダの油圧と第2ガスばね油圧とを同圧にしておけば、ばね切替バルブを開閉しても、車高を変化させずにホイールレートを切り替えることができる。そのために、油圧センサが設けられている。油圧センサは、元バルブに対して油圧シリンダ側であって、バイパスバルブに対して元バルブ側であり車高調整用バルブに対して元バルブ側となる作動油の流路に設けられ、その流路の油圧を検出する。この場合、元バルブおよびばね切替バルブを閉弁状態にしておけば、車高調整用バルブを開弁することにより油圧シリンダの油圧を検出することができ、バイパスバルブを開弁することにより第2ガスばねの油圧を検出することができる。
従って、例えば、車高調整時においては、ばね切替バルブおよびバイパスバルブを閉弁状態にし、元バルブおよび車高調整用バルブを開弁状態にして、作動油給排装置(ポンプ)から油圧シリンダへ作動油を供給すれば、短時間にて(少油量にて)車高を目標車高まで上昇させることができる。また、この車高調整が完了した時の油圧センサによって検出される油圧(油圧シリンダの油圧)を記憶しておけば、その後、作動油給排装置(ポンプ)を使って、第2ガスバルブの油圧を、記憶した油圧にまで上昇させることで、油圧シリンダと第2ガスばね油圧とを同圧にしておくことができる。
こうしたシステムでは、元バルブの故障が発生した場合には、油圧シリンダの油圧、および、第2ガスバルブの油圧を検出できなくなる。そこで本発明のサスペンションシステムは、開故障検出手段と閉故障検出手段とを備えている。
開故障検出手段は、ポンプを非作動状態、全てのばね切替バルブと全ての車高調整用バルブと全てのバイパスバルブと元バルブとが閉弁状態となるように制御した状態で、任意のバイパスバルブに開弁指令を出力したときの油圧センサによって検出される油圧の増加勾配を検出し、増加勾配が開故障判定閾値よりも小さい場合に、元バルブが正常に閉弁しない開故障であると判定する。
ポンプを非作動状態、全てのばね切替バルブと全ての車高調整用バルブと全てのバイパスバルブと元バルブとが閉弁状態となるように制御した状態で、任意のバイパスバルブを開弁した場合には、第2ガスばねの油圧が油圧センサに働いて、油圧センサにより検出される油圧が所定の勾配で増加するはずである。しかし、元バルブが開故障している場合には、元バルブは正常に閉弁しないため、任意のバイパスバルブを開弁したとき、第2ガスばねの作動油が元バルブから作動油給排装置(リザーバタンク)に流れてしまい、油圧センサによって検出される油圧の増加勾配が、正常時に検出される値よりも小さな値となる。開故障検出手段は、こうした油圧の増加勾配に基づいて元バルブの開故障を検出する。この場合、車高調整用バルブとばね切替バルブとが閉弁状態に維持された状態で元バルブの開故障判定を行うため、車高の変動ショックを招かない。
閉故障検出手段は、ポンプを非作動状態、全てのばね切替バルブと全ての車高調整用バルブと元バルブとが閉弁状態、かつ、任意のバイパスバルブが開弁状態になるように制御した状態で、その任意のバイパスバルブを閉弁した後、元バルブに開弁指令を出力したときの油圧センサによって検出される油圧の減少勾配を検出し、減少勾配が閉故障判定閾値よりも小さい場合に、元バルブが正常に開弁しない閉故障であると判定する。
ポンプを非作動状態、全てのばね切替バルブと全ての車高調整用バルブと元バルブとが閉弁状態、かつ、任意のバイパスバルブが開弁状態になるように制御した状態で、その任意のバイパスバルブを閉弁した後、元バルブが開弁した場合には、油圧センサの設けられている通路の作動油が作動油給排装置(リザーバタンク)に戻されるため、油圧センサにより検出される油圧が所定の勾配で減少するはずである。しかし、元バルブが閉故障している場合には、元バルブは正常に開弁しないため、元バルブに開弁指令を出力しても、油圧センサの設けられている通路に溜まっている作動油が作動油給排装置(リザーバタンク)に適正に排出されない。このため、油圧センサによって検出される油圧の減少勾配が、正常時に検出される値よりも小さな値となる。閉故障検出手段は、こうした油圧の減少勾配に基づいて元バルブの閉故障を検出する。この場合、車高調整用バルブとばね切替バルブとが閉弁状態に維持された状態で、元バルブの閉故障判定を行うため、車高の変動ショックを招かない。尚、減少勾配は、その絶対値を表すもの、つまり、減少方向の勾配を正の値として扱うものとしている。
従って、本発明のサスペンションシステムによれば、車高の変動ショックを招くことなく元バルブの故障を検出することができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成要件に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るサスペンションシステムの概略を示す全体構成図である。 車高上昇制御ルーチンを表すフローチャートである。 車高上昇制御時における、各バルブおよびポンプ装置の作動状態と、油圧および車高の推移を表すグラフである。 元バルブ故障判定ルーチンを表すフローチャートである。 元バルブ故障判定時における、各バルブおよびポンプ装置の作動状態と、油圧および車高の推移を表すグラフである。 元バルブの開故障を判定する判定閾値を表すグラフである。 元バルブの閉故障を判定する判定閾値を表すグラフである。 フラッシング処理を表すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態のサスペンションシステム1の概略を示す全体構成図である。
サスペンションシステム1は、左右前後輪WFL,WFR,WRL,WRRの各々と車体とを離接可能に連結するサスペンション装置10FL,10FR,10RL,10RRと、車高を調整する際にサスペンション装置10FL,10FR,10RL,10RRに対して作動油の供給および排出を行うための作動油給排装置70と、サスペンション装置10FL,10FR,10RL,10RRと作動油給排装置70との間に設けられる油圧制御回路50と、システム全体の作動を制御する電子制御ユニット100(ECU100呼ぶ)とを備える。
以下、符号末尾に付した記号に関して、FLは左前輪に対応して設けられる部材であること、FRは右前輪に対応して設けられる部材であること、RLは左後輪に対応して設けられる部材であること、RRは右後輪に対応して設けられる部材であることを表すが、明細書中において、対応する車輪を特定する必要がない場合には、末尾の記号を省略する。
サスペンション装置10は、左右前後輪Wのそれぞれを保持する車輪保持部材11(例えば、ロアアーム)、および、各車輪保持部材11と車体との間に設けられる油圧シリンダ20を備えている。尚、図示しないが、各車輪保持部材11と車体との間には、油圧シリンダ20と並列にサスペンションスプリング(コイルスプリング)が設けられている。油圧シリンダ20は、ショックアブソーバとして機能し、車輪保持部材11と車体との間の距離変化に合わせて伸縮する。
各油圧シリンダ20は、互いに構造が同じであって、それぞれ、ハウジング21と、ハウジング21の内部にハウジング21に対して相対移動可能に嵌合されたピストン22と、ピストン22からハウジング21の外部まで延びたピストンロッド23とを備えている。ハウジング21は、車輪保持部材11に連結され、ピストンロッド23は、車体に連結されている。ハウジング21は、ピストン22によって2つの油室24a,24bに仕切られている。ピストン22には、油室24a,24bを連通させる連通路25が形成され、連通路25には絞り(図示略)が形成されている。この絞りによって、ピストン22のハウジング21に対する相対移動速度に応じた減衰力が発生する。
各油圧シリンダ20の油室24aには、それぞれ、作動油の流れる通路である個別給排通路51が接続されている。油圧シリンダ20は、個別給排通路51から供給される作動油の圧力によって車輪保持部材11と車体とを離間させる方向の力を発生させる。従って、油圧シリンダ20は、個別給排通路51から供給される作動油の圧力が高いほど、車輪保持部材11と車体との距離を大きくして車高を上昇させる。
各個別給排通路51には、油圧シリンダ20に近い側から順に、主アキュムレータ31およびレベリングバルブ61が接続されている。主アキュムレータ31は、サスペンションスプリング(コイルスプリング)とは別に設けられた油圧系のガスばねとして機能する。
個別給排通路51は、本発明の車高調整用通路に相当する。主アキュムレータ31は、本発明の第1ガスばねに相当する。レベリングバルブ61は、本発明の車高調整用バルブに相当する。従って、個別給排通路51とレベリングバルブ61とからなる構成が、本発明の車高調整用油圧制御回路に相当する。
主アキュムレータ31は、ハウジング31aと、そのハウジング31a内を2つの容量変化室に仕切る仕切り部材31bとを備え、仕切り部材31bによって仕切られた一方の容量変化室である油室31cに個別給排通路51が連通し、他方の容量変化室であるガス室31dに弾性体であるガス(例えば、窒素ガス)が充填されて構成されている。主アキュムレータ31は、油室31cの容積の増加に起因してガス室31dの容積が減少する。従って、主アキュムレータ31は、油圧シリンダ20の油圧に応じて油室31cに収容される作動油の量が変化して、油圧シリンダ20の伸縮動作に弾性力を発生させる油圧系のガスばねとして機能する。主アキュムレータ31の油室31cは、常時、油圧シリンダ20の油室24aに連通している。
レベリングバルブ61は、車高調整時に作動して、個別給排通路51を開閉する常閉式の電磁開閉弁である。
各個別給排通路51には、レベリングバルブ61と油圧シリンダ20との間となる位置において、個別レート切替通路52が分岐して接続される。個別レート切替通路52には、個別給排通路51との接続位置に近い側から順に、ばね切替バルブ62および副アキュムレータ32が接続されている。
副アキュムレータ32は、本発明の第2ガスばねに相当する。
副アキュムレータ32は、ハウジング32aと、そのハウジング32a内を2つの容量変化室に仕切る仕切り部材32bとを備え、仕切り部材32bによって仕切られた一方の容量変化室である油室32cに個別レート切替通路52が連通し、他方の容量変化室であるガス室32dに弾性体であるガス(例えば、窒素ガス)が充填されて構成されている。副アキュムレータ32は、油室32cの容積の増加に起因してガス室32dの容積が減少する。従って、副アキュムレータ32は、油圧シリンダ20の油圧に応じて油室32cに収容される作動油の量が変化して、油圧シリンダ20の伸縮動作に弾性力を発生させる油圧系のガスばねとして機能する。
副アキュムレータ32は、主アキュムレータ31よりもばね定数が小さい。主アキュムレータ31および副アキュムレータ32は、ベローズ式、ブラダ式、および、ピストン式など任意の形式のものを採用することができる。本実施形態では、主アキュムレータ31には、高圧縮圧力時の耐ガス透過性に優れた金属ベローズ式アキュムレータが採用される。また、副アキュムレータ32には、比較的大きな容量を確保でき耐ガス透過性に優れた樹脂膜入りブラダ式アキュムレータが採用される。
ばね切替バルブ62は、ホイールレートの切り替え時に作動する常開式の電磁開閉弁である。ばね切替バルブ62が開弁している状態においては、油圧シリンダ20に対して主アキュムレータ31と副アキュムレータ32とが並列に接続され、ばね切替バルブ62が閉弁している状態においては、油圧シリンダ20と副アキュムレータ32との連通が遮断される(主アキュムレータ31と副アキュムレータ32との連通が遮断されると表現することもできる)。以下、主アキュムレータ31を高ガスばね31と呼び、副アキュムレータ32を低ガスばね32と呼ぶ。
このように、サスペンション装置10は、車輪保持部材11と、油圧シリンダ20と、油圧シリンダ20に並列に接続される高ガスばね61および低ガスばね62から構成されている。
各個別給排通路51は、それぞれ、共通給排通路54に接続される。共通給排通路54は、作動油給排装置70に接続されており、作動油給排装置70から作動油を各個別給排通路51に供給する通路でもあり、各個別給排通路51から作動油を作動油給排装置70に戻す通路でもある。
共通給排通路54には、常閉式の電磁開閉弁である元バルブ64が設けられている。従って、元バルブ64が開弁されている状態においてのみ、各個別給排通路51と作動油給排装置70とが連通し、元バルブ64が閉弁されている状態においては、各個別給排通路51と作動油給排装置70との連通が遮断される。
尚、図1においては、共通給排通路54は、元バルブ64の下流側で、左右前輪の個別給排通路51FL,51FRに連通される通路と、左右後輪の個別給排通路51RL,51RRに連通される通路とに分岐しているが、必ずしもこのように分岐させる必要はない。例えば、各個別給排通路51FL,51FR,51RL,51RRが直接、4輪共通の共通給排通路54に連通されているなど、作動油給排装置70から各個別給排通路51までの作動油の通路(つまり共通給排通路54)は任意に構成できるものである。
共通給排通路54は、本発明の給排元通路に相当する。この共通給排通路54および元バルブ64からなる構成が、本発明の給排油圧制御回路に相当する。
油圧制御回路50には、レベリングバルブ61、および、ばね切替バルブ62をバイパスして、低ガスばね32を共通給排通路54に連通させる個別バイパス通路53が設けられている。各個別バイパス通路53には、それぞれ、バイパスバルブ63が設けられている。このバイパスバルブ63は、常閉式の電磁開閉弁である。従って、バイパスバルブ63が開弁されている状態においては、レベリングバルブ61、および、ばね切替バルブ62の状態に関係なく、低ガスばね32が共通給排通路54に連通する。この個別バイパス通路53およびバイパスバルブ63からなる構成が、本発明の第2ガスばね用油圧制御回路に相当する。
作動油給排装置70は、高圧源としてのポンプ装置71と、低圧源としてのリザーバタンク72とを備えている。ポンプ装置71は、ポンプ71a、および、ポンプ71aを駆動するポンプモータ71bを備えている。ポンプ装置71は、リザーバタンク72の作動油をくみ上げて共通給排通路54に供給する。作動油給排装置70は、ポンプ装置71の下流側となる共通給排通路54であって、元バルブ64よりも上流側となる位置にチェックバルブ73(逆止弁)とリターンバルブ74とを並列に備えている。
リターンバルブ74は、ポンプ装置71から元バルブ64への作動油の供給と、元バルブ64からリザーバタンク72への作動油の排出とを切り替えるバルブである。リターンバルブ74は、通常、スプリングの力により元バルブ64とリザーバタンク72との間の通路が開いた状態となっており、ポンプ装置71が駆動されると、その吐出圧と共通給排通路54の油圧との差圧によって弁体が押されて元バルブ64とリザーバタンク72との間の通路を閉じる。これにより、チェックバルブ73が開弁してポンプ装置71から吐出された作動油が、開弁された元バルブ64に流れる。
尚、本実施形態の作動油給排装置70は、軽量化を図るために、ポンプ装置71によって加圧された油圧を蓄圧する蓄圧用アキュムレータを備えていない。
また、共通給排通路54には、元バルブ64の下流側の油圧を検出するための油圧センサ90が設けられている。この油圧センサ90は、元バルブ64、4つのレベリングバルブ61、および、4つのバイパスバルブ63で囲まれる作動油の流路ならどこに設けられていてもよい。つまり、油圧センサ90は、元バルブ64に対して油圧シリンダ20側であって、4つのバイパスバルブ63に対して元バルブ64側でありレベリングバルブ61に対して元バルブ64側となる作動油の流路に設けられていればよい。従って、この油圧センサ90によれば、元バルブ64を閉弁した状態で、任意の車輪のレベリングバルブ61を開弁した場合には、その車輪の油圧シリンダ20の油圧を検出することができ、任意の車輪のバイパスバルブ63を開弁した場合には、その車輪の低ガスばね32の油圧を検出ことができる。
このように、油圧制御回路50は、共通給排通路54と、元バルブ64と、個別給排通路51と、レベリングバルブ61と、個別レート切替通路52と、ばね切替バルブ62と、個別バイパス通路53と、バイパスバルブ63とから構成されている。
ECU100は、マイクロコンピュータおよび駆動回路(モータ駆動回路、および、電磁弁駆動回路)を主要部として備えている。本明細書において、マイクロコンピュータは、CPUとROM及びRAM等の記憶装置を含み、CPUはROMに格納されたインストラクション(プログラム)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。
ECU100には、油圧制御回路50に設けられた各種の電磁弁(レベリングバルブ61、ばね切替バルブ62、バイパスバルブ63、および、元バルブ64)と、作動油給排装置70に設けられたポンプモータ71bと、油圧センサ90とが接続されている。更に、ECU100には、車両運動状態を検出する運動検出センサ110と、ドライバーの操作を検出する操作検出センサ120と、報知器130とが接続されている。
運動検出センサ110としては、例えば、車速を検出する車速センサ、前後左右輪位置ごとに車高を検出する車高センサ、車体の上下方向の加速度を検出する上下加速度センサ、車体のヨーレートを検出するヨーレートセンサ、および、車体の前後左右方向の加速度を検出する水平加速度センサなどである。車高センサは、例えば、各車輪Wを保持する車輪保持部材11と、その車輪位置における車体との間の距離を車高として検出する。
操作検出センサ120としては、ブレーキペダルの踏み込みストロークを検出するストロークセンサ、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ、および、トランスファのレンジ状態を検出するトランスファセンサなどである。尚、ECU100は、運動検出センサ110および操作検出センサ120を直接的に接続している必要はなく、それらのセンサを接続している他の車載ECU(例えば、エンジンECU、ブレーキECU、および、ステアリングECUなど)から検出信号を入力してもよい。また、ECU100は、操作検出センサ120として車高選択スイッチと、車高調整オフスイッチとを接続している。
車高選択スイッチは、ドライバーの操作によって、目標車高を、ノーマル車高、ロー車高、および、ハイ車高の3通りにて選択するスイッチである。車高調整オフスイッチは、ドライバーの操作によって、車高制御を禁止するスイッチである。
報知器130は、例えば、運転席正面に配置されたメータディスプレイに設けられ、異常が検出されたときに、その異常の種類に応じたアイコンを表示する。本実施形態のサスペンションシステムにおいては、システム内に異常が検出された場合に、ECU100からの指令によって報知器130が作動して、ドライバーに対して異常を報知する。
ECU100は、運動検出センサ110および操作検出センサ120によって検出された検出信号に基づいて、ホイールレート切替制御、および、車高制御を実施する。
<ホイールレート切替制御>
まず、ホイールレート切替制御について説明する。本実施形態のサスペンションシステムにおいては、各車輪Wごとに、当該車輪位置における低ガスばね32と油圧シリンダ20との連通および遮断を切り替えることにより、当該車輪Wのホイールレートを切り替えることができる。つまり、ばね切替バルブ62の開閉制御によって、油圧シリンダ20と低ガスばね32との連通状態/遮断状態(高ガスばね31と低ガスばね32との連通状態/遮断状態と表現することもできる)を切り替えることにより、ホイールレートを小(ソフト)/大(ハード)に切り替えることができる。
例えば、ECU100は、基本的には、4輪Wのばね切替バルブ62を開弁状態に維持することにより、ホイールレートを小(ソフト)に設定して乗り心地を確保する。また、ECU100は、運動検出センサ110および操作検出センサ120によって、車両旋回時のロール運動、あるいは、車両制動時のピッチ運動などの車体の姿勢変化が検出(あるいは予測)されたときに、姿勢変化状況に応じた車輪W(例えば、左右前輪)のばね切替バルブ62を閉弁することにより、当該車輪Wの油圧シリンダ20から低ガスばね32を切り離してホイールレートを増加させる(ハード)。これにより、車体のロール運動およびピッチ運動(車体の姿勢変化)を抑制することができる。
<車高制御>
次に、車高制御について説明する。ECU100は、車高選択スイッチによって選択された車高と、運動検出センサ110および操作検出センサ120によって検出された信号に基づいて、作動油給排装置70および各種電磁弁61,62,63,64を制御することにより、前後左右輪Wそれぞれの油圧シリンダ20の作動油の供給・排出・保持を切り替えて車高を調整する。
例えば、ECU100は、乗員数および積載量などの荷重条件に関わらず、常にドライバーの選択した車高を維持するオートレベリング制御を実施する。また、ECU100は、車速に応じて最適な目標車高を設定する機能を有している。例えば、ECU100は、ドライバーのスイッチ操作によってロー車高、ハイ車高が選択されている場合には、車速が予め設定された閾値よりも増加すると、ドライバーの選択車高を解除して、目標車高をノーマル車高に変更する。また、ECU100は、高速走行時には、ドライバーの選択車高を解除して、目標車高を予め設定された高速走行用ロー車高に変更する。また、ECU100は、トランスファセンサによって検出されるトランスファの設定がL4レンジ(オフロード走行用レンジ)である場合には、車速が予め設定された車速以上になると、目標車高をハイ車高に切り替える。
ECU100は、車高センサによって検出された車高(実車高)が目標車高と一致するように作動油給排装置70と、レベリングバルブ61、切替バルブ62、バイパスバルブ63、および、元バルブ64とを駆動制御する。尚、ECU100は、レベリングバルブ61、切替バルブ62、バイパスバルブ63、および、元バルブ64の状態を切り替える場合、これらのバルブに対して開弁指令、あるいは、閉弁指令を出力する。開弁指令は、バルブを開弁するための駆動信号であって、常閉式電磁弁(NC)に対しては駆動信号の出力オンを表し、常開式電磁弁(NO)に対しては駆動信号の出力オフを表す。また、閉弁指令は、バルブを閉弁するための駆動信号であって、常閉式電磁弁に対しては駆動信号の出力オフを表し、常開式電磁弁に対しては駆動信号の出力オンを表す。
ECU100は、車高を変更する必要が生じた場合、以下のようにして車高を調整する。まず、車高を上昇させるときの制御について説明する。ここでは、1輪についての車高制御について説明する。図2は、ECU100の実施する車高上昇制御ルーチンを表す。ECU100は、車高上昇要求が発生すると、車高上昇制御ルーチンを開始する。車高上昇要求は、例えば、車高センサによって検出される車高Lx(以下、実車高Lxと呼ぶ)と目標車高L0との偏差(L0−Lx)が許容値を超えた場合に発生する。
車高上昇制御ルーチンが開始されると、ECU100は、ステップS11において、バイパスバルブ63を閉弁状態に維持したまま、元バルブ64およびレベリングバルブ61に開弁指令を出力して、元バルブ64およびレベリングバルブ61を閉弁状態から開弁状態に切り替えるとともに、ばね切替バルブ62に閉弁指令を出力して、ばね切替バルブ62を開弁状態から閉弁状態に切り替える。
続いて、ECU100は、ステップS12において、ポンプ装置71を起動させる。これにより、リザーバタンク72に溜まっている作動油が油圧制御回路50を介して、油圧シリンダ20および高ガスばね31に供給される。これにより、当該車輪Wの車高が上昇する。この場合、低ガスばね32には作動油が供給されないため、少ない油量で早く車高を上昇させることができる。
ECU100は、ステップS13において、車高センサによって検出された実車高Lxが目標車高L0に達するまで待機し、実車高Lxが目標車高L0に達すると(S13:Yes)、ステップS14において、その時点における油圧センサ90の検出値を車高調整完了圧力P0として記憶する。この車高調整完了圧力P0は、車高調整対象輪の油圧シリンダ20および高ガスばね31の油圧と等しい。
図3は、各バルブの開閉タイミングと、油圧および車高との推移を表すグラフである。時刻t1において、車高上昇制御サブルーチンが開始されると、油圧シリンダ20の油圧(破線にて示す)は、上昇を開始する。この油圧シリンダ20の油圧は、油圧センサ90によって検出される検出値Px(実線にて示す)と等しい。この車高上昇制御サブルーチンにおいては、低ガスばね32が油圧シリンダ20から切り離されているため、低ガスばね32の油圧は、上昇しない。
この図3の例では、時刻t2に実車高Lxが目標車高L0に達する。このときの油圧センサ90の検出値Pxが、車高調整完了圧力P0として記憶される。
続いて、ECU100は、ステップS15において、元バルブ64、および、ばね切替バルブ62の状態を維持したまま、レベリングバルブ61に閉弁指令を出力してレベリングバルブ61を開弁状態から閉弁状態に切り替えるとともに、バイパスバルブ63に開弁指令を出力してバイパスバルブ63を閉弁状態から開弁状態に切り替える。これにより、油圧シリンダ20および高ガスばね31の油圧が保持された状態で、リザーバタンク72に溜まっている作動油が、元バルブ64およびバイパスバルブ63を介して、低ガスばね32に供給される。
続いて、ECU100は、ステップS16において、油圧センサ90の検出値Px(実油圧Pxと呼ぶ)が車高調整完了圧力P0に達するまで待機する。つまり、低ガスばね32の油圧が、当該車輪Wの油圧シリンダ20および高ガスばね31の油圧と等しくなるまで待機する。実油圧Pxが車高調整完了圧力P0に達するタイミングは、図3において、時刻t3にあたる。
ECU100は、実油圧Pxが車高調整完了圧力P0に達すると(S16:Yes)、ステップS17において、元バルブ64、および、レベリングバルブ61の状態を維持したまま、バイパスバルブ63に閉弁指令を出力してバイパスバルブ63を開弁状態から閉弁状態に切り替えるとともに、ばね切替バルブ62に開弁指令を出力してばね切替バルブ62を閉弁状態から開弁状態に切り替える。これにより、油圧シリンダ20、高ガスばね31、および、低ガスばね32は、互いに連通状態になる。
続いて、ECU100は、ステップS18において、ポンプ装置71の作動を停止させる。これにより、共通給排通路54は、ほぼ大気圧にまで低下する。続いて、ECU100は、ステップS19において、元バルブ64に閉弁指令を出力して元バルブ64を開弁状態から閉弁状態に切り替えて本ルーチンを終了する。
この車高上昇制御ルーチンによれば、車高を上昇させるときには、低ガスばね32に作動油が供給されず、車高が目標車高にまで上昇した後に低ガスばね32に作動油が供給されるため、車高を上昇させるために必要な油量を最小にすることができる。また、車高を早く目標車高にまで上昇させることができる。また、車高が目標車高にまで上昇した後に、低ガスばね32と高ガスばね31とが同圧となるように低ガスばね32に作動油が供給されるため、ばね切替バルブ62の開弁動作による車高変動を防止することができる。
尚、4輪同時に車高を上昇させる場合には、ECU100は、4輪同時にステップS11の処理を開始し(元バルブ64の開弁動作については共通)、その後、各輪Wごとに、実車高Lxが目標車高L0に到達したときに、車高調整完了圧力P0を記憶して、レベリングバルブ61を閉弁する。そして、4輪全てについて実車高Lxが目標車高L0に到達した後に、1輪ずつ、バイパスバルブ63を開弁して、実油圧Pxが車高調整完了圧力P0に到達するまで、低ガスばね32に作動油を供給すればよい。
次に、車高を下降させるときの制御について説明する。ECU100は、車高センサによって検出される実車高Lxと目標車高L0との偏差(Lx−L0)が許容値を超えた場合に車高下降制御を実施する。例えば、ECU100は、ポンプ装置71の作動を停止した状態で、レベリングバルブ61および元バルブ64を閉弁状態から開弁状態に切り替える。これにより、油圧シリンダ20および高ガスばね31の作動油が、油圧制御回路50を介してリザーバタンク72に排出される。従って、油圧シリンダ20が収縮して、当該車輪Wの車高が低下する。ECU100は、実車高Lxが目標車高L0に低下するまで待機し、実車高Lxが目標車高L0以下に達すると、レベリングバルブ61および元バルブ64を開弁状態から閉弁状態に切り替える。これにより、車高を目標車高L0にまで低下させることができる。
この場合、車高上昇制御と同様に、油圧シリンダ20から低ガスばね32を切り離して(ばね切替バルブ62を閉弁状態にして)、油圧シリンダ20から作動油を排出してもよいし、油圧シリンダ20と低ガスばね32とを連通した状態で油圧シリンダ20から作動油を排出してもよい。前者の場合には、車高制御の終了後、低ガスばね32から作動油を排出させて油圧調整を行う必要があるが、後者の場合には、低ガスばね32の油圧調整を行う必要はない。
<元バルブ故障判定処理>
次に、元バルブ64の故障判定処理について説明する。図4は、ECU100が実施する元バルブ故障判定ルーチンである。ECU100は、上述した車高上昇制御を実施する前に、元バルブ故障判定ルーチンを実施する。元バルブ故障判定ルーチンが起動すると、ECU100は、ステップS21において、元バルブ64および4輪のレベリングバルブ61を閉弁状態に維持して、4輪のばね切替バルブ62に閉弁指令を出力してばね切替バルブ62を開弁状態から閉弁状態にし、更に、任意の車輪(以下、この車輪を特定輪と呼ぶ)のバイパスバルブ63に開弁指令を出力してバイパスバルブ63を閉弁状態から開弁状態に切り替える。この特定輪は、車高上昇制御の対象となる車輪とするとよい。特定輪は、1輪でよいが、複数輪であっても構わない。
この場合、ECU100は、ポンプ装置71を非作動状態、全てのばね切替バルブ62と全てのレベリングバルブ61と全てのバイパスバルブ63と元バルブ64とが閉弁状態となるように制御した状態で、特定輪のバイパスバルブ63に開弁指令を出力する。従って、全てのばね切替バルブ62を開弁状態から閉弁状態に切り替えるタイミングは、特定車輪のバイパスバルブ63に開弁指令を出力するタイミング以前であればよい。
ステップS21の処理が行われる前までは、共通給排通路54は、ほぼ大気圧に維持されている。そして、ステップS21の処理によって、特定輪の低ガスばね32の作動油が共通給排通路54に供給され、油圧センサ90によって検出される実油圧Pxが増加する。例えば、図5に示すように、時刻t11において、ステップS21の処理が実施されると、そのタイミングで実油圧Pxが増加し、その後、一定値に保持される。この実油圧Pxは、元バルブ64が正常に閉弁していれば、所定の増加勾配で増加する。しかし、元バルブ64が正常に閉弁していなければ、作動油が元バルブ64を通過してリザーバタンク72に排出されるため、実油圧Pxの増加勾配は小さくなる。従って、この実油圧Pxの増加勾配を検出することにより、元バルブ64の開故障を検出することができる。
元バルブ64の開故障とは、元バルブ64に閉弁指令を出力しても、元バルブ64が閉弁しない故障を意味する。元バルブ64は、常閉式の電磁開閉弁である。従って、開故障は、元バルブ64への開弁用の駆動信号を停止しても、弁体が閉弁しない、つまり、弁体が開きっぱなしとなる故障である。これに対して、後述する元バルブ64の閉故障とは、元バルブ64に対して開弁指令を出力しても、元バルブ64が開弁しない故障を意味する。つまり、閉故障は、元バルブ64に開弁用の駆動信号を出力しても弁体が開弁しない、つまり、弁体が閉じっぱなしとなる故障である。
図6は、元バルブ64の開故障を判定する閾値を表す特性図である。この特性図は、ステップS21の処理が実施されたときの、油圧センサ90によって検出される実油圧Pxの増加勾配θa(時間経過に対する実油圧Pxの増加勾配)を表している。実油圧Pxの増加勾配θaが正常判定閾値θa1以上である場合には、元バルブ64は開故障していないと推定することができる。また、実油圧Pxの増加勾配θaが正常判定閾値θa1未満であって、開故障判定閾値θa2以上である場合には、元バルブ64は漏れ気味状態であると推定することができる。また、実油圧Pxの増加勾配θaが開故障判定閾値θa2未満の場合には、元バルブ64は開故障していると推定することができる。
そこで、ECU100は、元バルブ64の開故障を検出するために、ステップS22において、特定輪のバイパスバルブ63を開弁したときの実油圧Pxの増加勾配θaを演算する。例えば、ECU100は、所定時間のあいだ油圧センサ90によって検出される実油圧Pxを繰り返しサンプリングし、サンプリングした実油圧Pxの推移に基づいて、バイパスバルブ63を開弁したときの実油圧Pxの増加勾配θaを演算する。
ECU100は、増加勾配θaを演算すると、続くステップS23において、増加勾配θaが正常判定閾値θa1以上である否かについて判定する。増加勾配θaが正常判定閾値θa1以上である場合(S23:Yes)、ECU100は、その処理をステップS27に進め、増加勾配θaが正常判定閾値θa1未満である場合(S23:No)、ECU100は、その処理をステップS24に進める。
まず、増加勾配θaが正常判定閾値θa1未満である場合について説明する。ECU100は、増加勾配θaが正常判定閾値θa1未満である場合、ステップS24において、増加勾配θaが開故障判定閾値θa2以上であるか否かについて判定する。この開故障判定閾値θa2は、正常判定閾値θa1よりも小さな値に設定されている。
ECU100は、増加勾配θaが開故障判定閾値θa2以上である場合(S24:Yes)、ステップS25において、元バルブ64が漏れ気味状態であると判定する。一方、増加勾配θaが開故障判定閾値θa2未満である場合(S24:No)、ステップS26において、元バルブ64が開故障であると判定する。こうして、ステップS25あるいはステップS26の判定が終了すると、ECU100は、本ルーチンを終了する。
一方、増加勾配θaが正常判定閾値θa1以上である場合(S23:Yes)、ECU100は、ステップS27において、特定輪のバイパスバルブ63に閉弁指令を出力して、そのバイパスバルブ63を開弁状態から閉弁状態に切り替える。続いて、ECU100は、ステップS28において、元バルブ64に開弁指令を出力して元バルブ64を閉弁状態から開弁状態に切り替える。
つまり、ECU100は、ポンプ装置71を非作動状態、全てのばね切替バルブ62と全てのレベリングバルブ61と元バルブ64とが閉弁状態、かつ、特定輪のバイパスバルブ63が開弁状態になるように制御した状態で、特定輪のバイパスバルブ63に閉弁指令を出力した後、元バルブ64に開弁指令を出力する。
従って、ステップS28の処理によって、共通給排通路54の作動油が元バルブ64を通過してリザーバタンク72に排出されるため、油圧センサ90によって検出される実油圧Pxは減少する。例えば、図5に示すように、時刻t12において、元バルブ64が開弁すると、そのタイミングで実油圧Pxが減少し、その後、一定値(大気圧)に保持される。この実油圧Pxは、元バルブ64が正常に開弁すれば、所定の減圧勾配で減圧する。しかし、元バルブ64に開弁指令を出力しても、元バルブ64が正常に開弁しなければ、作動油が元バルブ64を適正に通過しないため、実油圧Pxの減少勾配は小さくなる。従って、この実油圧Pxの減少勾配を検出することにより、元バルブ64の閉故障を検出することができる。
図7は、元バルブ64の閉故障を判定する閾値を表す特性図である。この特性図は、ステップS28の処理が実施されたときの、油圧センサ90によって検出される実油圧Pxの減少勾配θb(時間経過に対する実油圧Pxの減少勾配)を表している。以下、減少勾配θbについては、その絶対値を使って大小関係を表す。実油圧Pxの減少勾配θbが正常判定閾値θb1以上である場合には、元バルブ64は閉故障していないと推定することができる。また、実油圧Pxの減少勾配θbが正常判定閾値θb1未満であって、閉故障判定閾値θb2以上である場合には、元バルブ64は詰まり気味状態であると推定することができる。また、実油圧Pxの減少勾配θbが閉故障判定閾値θb2未満の場合には、元バルブ64は閉故障していると推定することができる。
そこで、ECU100は、元バルブ64の閉故障を検出するために、ステップS29において、元バルブ64に開弁指令を出力したときの実油圧Pxの減少勾配θbを演算する。例えば、ECU100は、所定時間のあいだ油圧センサ90によって検出される実油圧Pxを繰り返しサンプリングし、サンプリングした実油圧Pxの推移に基づいて、元バルブ64に開弁指令を出力したときの実油圧Pxの減少勾配θbを演算する。
ECU100は、減少勾配θbを演算すると、続くステップS30において、減少勾配θb(減少勾配θbの絶対値)が正常判定閾値θb1以上である否かについて判定する。減少勾配θbが正常判定閾値θb1以上である場合(S30:Yes)、ECU100は、ステップS31において、元バルブ64は正常状態(開故障でもなく閉故障でもない)であると判定する。
一方、減少勾配θbが正常判定閾値θb1未満である場合(S30:No)、ECU100は、ステップS32において、減少勾配θbが閉故障判定閾値θb2以上であるか否かについて判定する。この閉故障判定閾値θb2は、正常判定閾値θb1よりも小さな値に設定されている。
ECU100は、減少勾配θbが閉故障判定閾値θb2以上である場合(S32:Yes)、ステップS33において、元バルブ64が詰まり気味状態であると判定する。一方、減少勾配θbが閉故障判定閾値θb2未満である場合(S32:No)、ステップS34において、元バルブ64が閉故障であると判定する。こうして、ステップS31、あるいは、ステップS33、あるいは、ステップS34の判定が終了すると、ECU100は、本ルーチンを終了する(図5:時刻t13)。ECU100は、本ルーチンを終了すると、続けて車高上昇制御を開始する(図5:時刻t14)。
<故障判定結果に対する処理>
元バルブ64が正常状態であると判定された場合、元バルブ64を開弁状態にしてポンプ装置71を作動させることができる。従って、ECU100は、元バルブ故障判定ルーチンが終了すると上述した車高制御をそのまま実施する。
一方、元バルブ64が閉故障している場合には、ポンプ装置71と元バルブ64との間の作動油の通路が密閉室となるため、ポンプ装置71を作動させると、その通路が異常高圧となる。従って、ECU100は、元バルブ64が閉故障していると判定した場合には、ポンプ装置71を作動させない。また、ECU100は、報知器130を作動させて、ドライバーに対して故障が発生したことを知らせる。
また、元バルブ64が完全な閉故障ではなく、詰まり気味状態である場合には、ポンプ装置71の負荷(ポンプモータ71bの負荷)が増えるため、ポンプモータ71bの過熱のおそれがある。そこで、ECU100は、元バルブ64が詰まり気味状態であると判定した場合には、所定時間内に車高上昇制御を行うことが許可される上限回数を少なくする。例えば、ECU100は、元バルブ64が正常状態であると判定した場合には、所定時間内に車高上昇制御を行うことができる最大回数をm回としているが、元バルブ64が詰まり気味状態であると判定した場合には、所定時間内に車高調整を行うことができる最大回数をn回とする(m>n)。従って、ポンプモータ71bの過熱保護を図ることができる。
また、ECU100は、ステップS26において元バルブ64が開故障であると判定した場合、報知器130を作動させて、ドライバーに対して故障が発生したことを知らせる。また、元バルブ64が開故障である場合には、ポンプ装置71を作動させなければ、油圧センサ90による高ガスばね31および低ガスばね32のそれぞれの油圧検出を行うことができなくなる。そのため、ECU100は、車高制御を実施する際には、ばね切替バルブ62を開弁状態に維持して実施する。
また、ECU100は、元バルブ64が漏れ気味であると判定した場合、および、元バルブ64が開故障していると判定した場合、元バルブ64に異物が巻き込まれていると考えられるため、以下のフラッシング処理を行う。
<フラッシング>
図8は、ECU100の実施するフラッシング処理を表すタイミングチャートである。ECU100は、フラッシング処理を開始すると、まず、全てのレベリングバルブ61を閉弁状態に維持したまま、全てのばね切替バルブ62に閉弁指令を出力してばね切替バルブ62を開弁状態から閉弁状態に切り替え、任意の1輪(以下、この車輪を特定輪と呼ぶ)のバイパスバルブ63に開弁指令を出力してバイパスバルブ63を閉弁状態から開弁状態に切り替え、元バルブ64に開弁指令を出力して元バルブ64を閉弁状態から開弁状態に切り替える。また、ECU100は、ポンプ装置71を作動させる。これらの処理は、図8における時刻t21において行われる。
これにより、時刻t21において、油圧センサ90によって検出される実油圧Pxが、低ガスばね32の油圧と等しい値になるまで上昇する。従って、ポンプ装置71を作動させることにより、低ガスばね32の油圧を測定することができる。ECU100は、この実油圧Pxをフラッシング開始油圧Pfとして記憶する。ECU100は、フラッシング開始油圧Pfを記憶したら、ポンプ装置71を停止させる(時刻t22)。続いて、ECU100は、元バルブ64に対して、所定の周期で開弁指令と閉弁指令とを交互に出力する(開弁指令→閉弁指令→開弁指令→閉弁指令→・・・)。このとき、特定輪の低ガスばね32の作動油が元バルブ64を通過してリザーバタンク72に排出される。これにより、元バルブ64に巻き込まれている異物を洗い流すことができる。
ECU100は、実油圧Pxが大気圧相当の値にまで低下したことを検出すると(時刻t23)、元バルブ64に出力していた指令を開弁指令に固定するとともに、ポンプ装置71を作動させる。これにより、ポンプ装置71から特定輪の低ガスばね32への作動油の供給(蓄圧)が開始される。
ECU100は、実油圧Pxがフラッシング開始油圧Pfに上昇するまで待機し、実油圧Pxがフラッシング開始油圧Pfにまで上昇すると(時刻t24)、特定輪のバイパスバルブ63に閉弁指令を出力してバイパスバルブ63を開弁状態から閉弁状態に切り替えるとともに、ばね切替バルブ62に開弁指令を出力してばね切替バルブ62を閉弁状態から開弁状態に切り替える。また、ECU100は、それと同時に、ポンプ装置71を停止させる。最後に、ECU100は、元バルブ64に閉弁指令を出力して、フラッシング処理を終了する。
このフラッシング処理によれば、レベリングバルブ61を開弁状態にしないため、車高を変化させることなく実施することができる。また、元バルブ64を閉弁できなくても、ポンプ装置71を作動させるため(時刻t21)、油圧センサ90によって低ガスばね32の油圧測定を行うことができる。
以上説明した本実施形態のサスペンションシステムによれば、個別バイパス通路53とバイパスバルブ63とを備えているため、油圧シリンダ20および高ガスばね31に対する作動油の供給/排出と、低ガスばね32に対する作動油の供給/排出とを互いに独立して行うことができる。これにより、低ガスばね32を除いた油圧系統を使って車高調整を行うことができるため、少ない油量で早く車高を上昇させることができる。
これに伴って、作動油給排装置70における作動油の必要供給流量を少なくすることができるため、その構成を簡易にすることができる。例えば、ポンプ71aの吐出流量を少なくすることができる。また、従来装置のようにポンプの吐出流量を補うための蓄圧用アキュムレータ等を設ける必要がなくなる。これらの結果、作動油給排装置70の軽量化を図ることができる。
また、車高調整後に、低ガスばね32の油圧が油圧シリンダ20の油圧と等しくなるように調整されるため、ばね切替バルブ62を開弁してホイールレートを切り替えても車高変動を発生しないようにすることができる。
また、元バルブ64の故障判定処理によって、元バルブ64の故障の種類(開故障、閉故障)、および、異常傾向(詰まり気味、漏れ気味)を特定して検出することができる。また、故障の種類、および、異常傾向に応じた対応処理を実施するため、サスペンションシステムの信頼性を向上させることができる。
また、元バルブ64の故障判定処理時においては、レベリングバルブ61およびばね切替バルブ62を閉弁状態に維持するため、車高の変動を招かない。
以上、本実施形態に係るサスペンションシステムについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、各輪Wの油圧シリンダ20に対応して設けられるガスばねの数は2つであるが(高ガスばね31、低ガスばね32)、更に、別のガスばねが設けられていてもよい。例えば、油圧回路の圧力が異常上昇した場合に圧力を逃がすためのリリーフ用ガスばねが油圧シリンダ20に常時連通されている構成であってもよい。
1…サスペンションシステム、10…サスペンション装置、11…車輪保持部材、20…油圧シリンダ、21…ハウジング、22…ピストン、31…主アキュムレータ(高ガスばね)、32…副アキュムレータ(低ガスばね)、50…油圧制御回路、51…個別給排通路、52…個別レート切替通路、53…個別バイパス通路、54…共通給排通路、61…レベリングバルブ、62…ばね切替バルブ、63…バイパスバルブ、64…元バルブ、70…作動油給排装置、71…ポンプ装置、71a…ポンプ、71b…ポンプモータ、72…リザーバタンク、73…チェックバルブ、74…リターンバルブ、90…油圧センサ、100…電子制御ユニット(ECU)、110…運動検出センサ、120…操作検出センサ、W…車輪。

Claims (1)

  1. 車両の左右前後輪のそれぞれにおいて車輪保持部材と車体との間に設けられ、作動油を収容して前記車輪保持部材と前記車体との間の距離変化に合わせて伸縮する油圧シリンダと、
    前記左右前後輪の各油圧シリンダに対応して設けられ、第1ガス室と、前記油圧シリンダに連通する第1油室とを区画して備え、前記油圧シリンダの油圧に応じて前記第1油室に収容される作動油の量が変化して油圧系のばねとして機能する第1ガスばねと、
    前記各油圧シリンダに対応して設けられ、第2ガス室と、前記油圧シリンダに連通する第2油室とを区画して備え、前記油圧シリンダの油圧に応じて前記第2油室に収容される作動油の量が変化して油圧系のばねとして機能する第2ガスばねと、
    前記各油圧シリンダに対応して設けられ、前記油圧シリンダと前記第2ガスばねとの連通を許容する状態と遮断する状態とに切り替え可能なばね切替バルブと、
    前記各油圧シリンダに対して作動油の供給および排出を行うためのポンプおよびリザーバタンクを有する作動油給排装置と、
    前記作動油給排装置に接続され作動油の流れる流路となる給排元通路、および、前記給排元通路の開閉を行う元バルブを有する給排油圧制御回路と、
    前記各油圧シリンダに対応して設けられ、前記油圧シリンダのそれぞれと前記給排元通路とを連通させる作動油の流路である車高調整用通路、および、前記車高調整用通路の開閉を行う車高調整用バルブを有する車高調整用油圧制御回路と、
    前記各油圧シリンダに対応して設けられ、前記ばね切替バルブおよび前記車高調整用バルブをバイパスして、前記第2ガスばねのそれぞれと前記給排元通路とを連通させる作動油の流路であるバイパス通路、および、前記バイパス通路の開閉を行うバイパスバルブを有する第2ガスばね用油圧制御回路と、
    前記元バルブに対して前記油圧シリンダ側であって、前記バイパスバルブに対して前記元バルブ側であり前記車高調整用バルブに対して前記元バルブ側となる作動油の流路に設けられ、前記流路の油圧を検出する油圧センサと、
    前記ポンプを非作動状態、全ての前記ばね切替バルブと全ての前記車高調整用バルブと全ての前記バイパスバルブと前記元バルブとが閉弁状態となるように制御した状態で、任意の前記バイパスバルブに開弁指令を出力したときの前記油圧センサによって検出される油圧の増加勾配を検出し、前記増加勾配が開故障判定閾値よりも小さい場合に、前記元バルブが正常に閉弁しない開故障であると判定する開故障検出手段と、
    前記ポンプを非作動状態、全ての前記ばね切替バルブと全ての前記車高調整用バルブと前記元バルブとが閉弁状態、かつ、任意の前記バイパスバルブが開弁状態になるように制御した状態で、前記任意のバイパスバルブを閉弁した後、前記元バルブに開弁指令を出力したときの前記油圧センサによって検出される油圧の減少勾配を検出し、前記減少勾配が閉故障判定閾値よりも小さい場合に、前記元バルブが正常に開弁しない閉故障であると判定する閉故障検出手段と
    を備えたサスペンションシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019073228A (ja) * 2017-10-19 2019-05-16 トヨタ自動車株式会社 サスペンションシステム
JP2020093777A (ja) * 2018-11-30 2020-06-18 日本車輌製造株式会社 搬送台車

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