以下、本発明の実施の形態によるサスペンション装置を、4輪自動車に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図3は第1の実施の形態を示している。図1において、左,右の液圧シリンダ(以下、前輪側の左油圧シリンダ1,前輪側の右油圧シリンダ2という)は、車両の車体100と左前輪Wfl,右前輪Wfrとの間にそれぞれ介装されている。後側の左,右の液圧シリンダ(以下、後輪側の左油圧シリンダ3,後輪側の右油圧シリンダ4という)は、車両の車体100と左後輪Wrl,右後輪Wrrとの間にそれぞれ介装されている。なお、以下の説明では、車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrl,右後輪Wrrを総称する場合に、車輪Wとして記載する。
これらの油圧シリンダ1~4は、車両の車体100(バネ上)と各車輪W(バネ下)の間を繋ぎ、車体100と各車輪Wの相対的な動きに応じて伸縮するシリンダ装置であり、前記車両の振動を緩衝する緩衝器を構成している。例えば、前輪側の左油圧シリンダ1は、有底筒状のチューブからなるシリンダ1Aと、該シリンダ1A内に摺動可能に挿嵌されたピストン1Bと、一端側がピストン1Bに固定され他端側がシリンダ1A外に突出したピストンロッド1Cとを含んで構成されている。シリンダ1A内は、ピストン1Bにより上,下の2室(即ち、上部室Aと下部室B)に画成されている。
これと同様に、他の油圧シリンダ2,3,4も、シリンダ2A,3A,4A、ピストン2B,3B,4Bおよびピストンロッド2C,3C,4Cを含んで構成されている。そして、各シリンダ2A,3A,4A内は、ピストン2B,3B,4Bによりそれぞれ上,下の2室(即ち、上部室Aと下部室B)に画成されている。
第1,第2の接続管路5,6は、前輪側の左油圧シリンダ1と右油圧シリンダ2との間にクロス配管として設けられ、両者の間をクロスで接続している。このうち第1の接続管路5は、シリンダ1A内の上部室Aとシリンダ2A内の下部室Bとの間を連通させるように、シリンダ1A,2A間を左,右方向に延びて配置されている。第2の接続管路6は、シリンダ1A内の下部室Bとシリンダ2A内の上部室Aとの間を連通させるように、シリンダ1A,2A間を左,右方向に延びて配置されている。
前輪側の左油圧シリンダ1には、上部室Aと第1の接続管路5との接続部位に減衰力制御弁7が設けられている。この減衰力制御弁7は、上部室Aから第1の接続管路5に向けて流出する圧油の減衰力制御を行い、上部室Aからの流れを減衰する減衰弁を有している。また、減衰力制御弁7は、第1の接続管路5から上部室Aに向けて圧油が流入するのを許し、逆向きの流れを阻止するチェック弁7Aを有している。
前輪側の左油圧シリンダ1には、下部室Bと第2の接続管路6との接続部位に減衰力制御弁8が設けられている。この減衰力制御弁8は、下部室Bから第2の接続管路6に向けて流出する圧油の減衰力制御を行い、下部室Bからの流れを減衰する減衰弁を有している。また、減衰力制御弁8は、第2の接続管路6から下部室Bに向けて圧油が流入するのを許し、逆向きの流れを阻止するチェック弁8Aを有している。
前輪側の右油圧シリンダ2には、上部室Aと第2の接続管路6との接続部位に減衰力制御弁9が設けられ、下部室Bと第1の接続管路5との接続部位には減衰力制御弁10が設けられている。これらの減衰力制御弁9,10は、前述した減衰力制御弁7,8と同様に上部室A,下部室Bからの流れを減衰する減衰弁を有している。また、減衰力制御弁9,10は、減衰力制御弁7,8と同様にチェック弁9A,10Aを有している。
後輪側の左油圧シリンダ3と右油圧シリンダ4との間は、クロス配管としての第1,第2の接続管路11,12によりクロスで接続されている。即ち、第1の接続管路11は、シリンダ3A内の上部室Aとシリンダ4A内の下部室Bとの間を連通させるように、シリンダ3A,4A間を左,右方向に延びて配置されている。第2の接続管路12は、シリンダ3A内の下部室Bとシリンダ4A内の上部室Aとの間を連通させるように、シリンダ3A,4A間を左,右方向に延びて配置されている。
後輪側の左油圧シリンダ3には、上部室Aと第1の接続管路11との接続部位に減衰力制御弁13が設けられ、下部室Bと第2の接続管路12との接続部位には減衰力制御弁14が設けられている。そして、これらの減衰力制御弁13,14は、前述した減衰力制御弁7,8と同様に上部室A,下部室Bからの流れを減衰する減衰弁を有している。また、減衰力制御弁13,14は、減衰力制御弁7,8と同様にチェック弁13A,14Aを有している。
後輪側の右油圧シリンダ4には、上部室Aと第2の接続管路12との接続部位に減衰力制御弁15が設けられ、下部室Bと第1の接続管路11との接続部位には減衰力制御弁16が設けられている。そして、これらの減衰力制御弁15,16は、前述した減衰力制御弁7,8と同様に上部室A,下部室Bからの流れを減衰する減衰弁を有している。また、減衰力制御弁15,16は、減衰力制御弁7,8と同様にチェック弁15A,16Aを有している。
次に、前側の連絡路17は、2つ(第1,第2)の接続管路5,6間を前輪側のブリッジバルブ18を介して連通,遮断させる管路である。前輪側のブリッジバルブ18は、2つの接続管路5,6間を連絡路17を介して連通,遮断するバルブ装置を構成している。このブリッジバルブ18は、例えば2ポート2位置の電磁式切換弁からなり、常時は閉弁位置にあるノーマルクローズ式の電磁弁(ソレノイドバルブ)である。
ブリッジバルブ18は、後述するコントローラ51からの制御信号によって励磁されると、前記閉弁位置から開弁位置へと切換えられる。ブリッジバルブ18の開弁時には、連絡路17内で圧油(作動液体)が一方向と他方向の両方向で流通可能となる。このため、ブリッジバルブ18が開弁している間は、第1,第2の接続管路5,6の間が連絡路17を介して互いに連通した状態となる。しかし、ブリッジバルブ18が閉弁位置に戻されている間は、第1,第2の接続管路5,6の間が遮断された状態となり、これによって、両者の間での連絡路17を介した圧油(作動液体)の流通は阻止される。
また、前側の連絡路17には、ブリッジバルブ18を迂回してバイパス路19が設けられ、このバイパス路19には圧油の流れを制限する絞り20が設けられている。この絞り20は、ブリッジバルブ18の前,後で連絡路17(即ち、第1,第2の接続管路5,6間)に圧力差が生じたときに、バイパス路19を介して圧油が圧力の高い方から低い方へと徐々に流通するのを許す。このため、第1,第2の接続管路5,6間の圧力差は、絞り20によりじわじわと無くされ、両者の圧力は遅延時間をもって均一化される。
一方、後側の連絡路21は、第1,第2の接続管路11,12間を後輪側のブリッジバルブ22を介して連通,遮断させる管路である。後輪側のブリッジバルブ22についても、前輪側のブリッジバルブ18と同様に構成されている。後輪側のブリッジバルブ22は、後側の連絡路21に沿って圧油(液体)が流れるのを遮断するように、常時は閉弁位置に保持されている。しかし、ブリッジバルブ22は、後述するコントローラ51からの通電により励磁されて前記閉弁位置から開弁位置に切換えられる。そして、開弁状態のブリッジバルブ22は、第1,第2の接続管路11,12の間で圧油が後側の連絡路21を介して流通するのを許す。
右側連通路23は、前輪側の右油圧シリンダ2と後輪側の右油圧シリンダ4とに近い位置で前側の第1の接続管路5と後側の第1の接続管路11とを常時連通させる管路である。左側連通路24は、前輪側の左油圧シリンダ1と後輪側の左油圧シリンダ3とに近い位置で前側の第2の接続管路6と後側の第2の接続管路12とを常時連通させる管路である。
次に、右側連通路23と左側連通路24の途中にそれぞれ減衰力発生機構を介して設けられる左,右のアキュムレータ装置25について説明する。なお、左,右のアキュムレータ装置25は、右側連通路23側と左側連通路24側とで同様に構成されているので、以下の説明では、右側連通路23に接続して設けられるアキュムレータ装置25について説明し、左側連通路24に接続して設けられるアキュムレータ装置25については、その説明を省略するものとする。
アキュムレータ装置25は、右側連通路23を介して前側の第1の接続管路5と後側の第1の接続管路11とに接続して設けられている。ここで、アキュムレータ装置25は、右側連通路23の途中から分岐した導油管路26と、該導油管路26の先端側に接続して設けられた蓄圧器としてのアキュムレータ27,28と、導油管路26の途中に設けられた減衰力発生機構としての減衰バルブ29と、を含んで構成されている。
図1に示すように、減衰バルブ29は、導油管路26内をアキュムレータ27,28に向けて流通する圧油の減衰力制御を行い、右側連通路23からの圧油の流れを減衰する減衰力発生機構としての流入制御バルブ29Aと、アキュムレータ27,28から導油管路26内を右側連通路23に向けて流通する圧油の減衰力制御を行い、アキュムレータ27,28からの圧油の流れを減衰する流出制御バルブ29Bと、流入制御バルブ29Aおよび流出制御バルブ29Bと並列に接続して設けられ導油管路26内を流通する圧油の流れを制限して減衰力を発生させるオリフィス29Cと、を含んで構成されている。
減衰バルブ29は、流入制御バルブ29Aと流出制御バルブ29Bとオリフィス29Cとが互いに並列接続された弁装置として構成されている。そして、減衰バルブ29は、例えば右側連通路23とアキュムレータ27,28との間で外部から導油管路26内に向けて圧油が流入するときに、この圧油に対してオリフィス29Cと流入制御バルブ29Aとで絞り抵抗を与え所定の減衰力を発生させる。また、導油管路26(例えば、アキュムレータ27,28)から右側連通路23に向けて圧油が流出するときには、オリフィス29Cと流出制御バルブ29Bとにより圧油に絞り抵抗を与えて所定の減衰力を発生させる。
アキュムレータ装置25には、例えば導油管路26の途中位置から分岐してフィルタ30とシャット弁31とが設けられている。このシャット弁31は、システム内への注油及び分解時の油抜き作業に用いられる。シャット弁31は、例えば開弁時に作動液体の注油口となり、外部から導油管路26に向けて作動液体(圧油)を充填するように注入することができる。フィルタ30は、シャット弁31から導油管路26に向けて注入される作動液体中の異物を濾過し、作動液体の清浄化を図るものである。
圧力センサ32は、例えば導油管路26の途中に接続して設けられている。圧力センサ32は、導油管路26と右側連通路23(即ち、第1の接続管路5,11)内の圧力をシステム内圧として検出し、このシステム内圧をコントローラ51に出力する圧力出力手段を構成している。なお、圧力センサ32は、図示の位置に限らず、例えば右側連通路23(即ち、第1の接続管路5,11)との接続部位等に設ける構成としてもよい。
左側連通路24の途中にも、右側連通路23と同様に、導油管路26、アキュムレータ27,28、減衰バルブ29、フィルタ30およびシャット弁31からなるアキュムレータ装置25が設けられている。また、左側連通路24側にも、同様に圧力センサ32が設けられている。
ここで、アキュムレータ装置25(即ち、アキュムレータ27,28)に蓄圧される圧油の圧力は、図1に示すサスペンション装置のロール剛性を可変に設定するための目標圧力として設定される。当該サスペンション装置は、車両の悪路走破性と良路での操縦安定性を両立させるために、例えば左,右の液圧シリンダ1,2の上部室Aと下部室Bとをクロス配管(第1,第2の接続管路5,6)で接続した関連懸架装置として構成されている。このような関連縣架装置のシステム内圧(即ち、アキュムレータ27,28に蓄圧される圧力)は、ポンプ33から吐出される圧油の圧力により可変に設定される。
図1中に示す1つのポンプ33は、例えば電動モータ等の駆動源により回転駆動される油圧ポンプである。ポンプ33はタンク34と共に油圧源を構成し、タンク34内に貯留、収容された作動液体(作動油)を吸込んで圧油を給排管路35へと吐出する。給排管路35内に吐出された圧油は、左,右の圧力切替弁36,37により右側連通路23,左側連通路24を介して油圧シリンダ1~4に供給される。左,右の圧力切替弁36,37は、ポンプ33から液圧シリンダ(油圧シリンダ1~4)への作動液体の供給を切替える第1,第2の切替手段を構成している。
圧力切替弁36,37は、前述したブリッジバルブ18,22と同様に常時は閉弁位置にあるノーマルクローズ式の電磁弁であり、コントローラ51からの制御信号により励磁されると、閉弁位置から開弁位置に切換わる。右側の圧力切替弁36が開弁したときには、給排管路35からの圧油が右側連通路23を介してアキュムレータ27,28に供給されると共に、第1の接続管路5,11を介して油圧シリンダ1,3の上部室Aと油圧シリンダ2,4の下部室Bとに供給される。これにより、油圧シリンダ1,3の上部室Aと油圧シリンダ2,4の下部室Bとは、例えば右側のアキュムレータ装置25(アキュムレータ27,28)の蓄圧値に対応したシステム内圧でロール剛性が設定される。
左側の圧力切替弁37が開弁したときには、給排管路35からの圧油が左側連通路24を介してアキュムレータ27,28に供給されると共に、第2の接続管路6,12を介して油圧シリンダ1,3の下部室Bと油圧シリンダ2,4の上部室Aとに供給される。これにより、油圧シリンダ1,3の下部室Bと油圧シリンダ2,4の上部室Aとは、例えば左側のアキュムレータ装置25(アキュムレータ27,28)の蓄圧値に対応したシステム内圧でロール剛性が設定される。
タンク34と給排管路35との間には、給排管路35内の圧力を調整する圧力調整弁38が設けられている。この圧力調整弁38は、前述した圧力切替弁36,37と同様にノーマルクローズ式の電磁弁により構成され、コントローラ51からの制御信号により励磁されると、閉弁位置から開弁位置に切換わる。圧力調整弁38が開弁したときには、給排管路35内の圧油がタンク34に向けて排出されるため、給排管路35内の圧力(即ち、システム内圧)は低下するように調整される。一方、圧力調整弁38を閉弁し、ポンプ33を駆動したときには、ポンプ33から給排管路35内に圧油が吐出されるため、給排管路35内の圧力(即ち、システム内圧)は上昇するように調整される。
左,右の車高調整管路39,40は、給排管路35の両端側に接続点35L,35Rの位置で接続されている。左側の車高調整管路39は、後述の車高調整装置41,43間を繋ぐように車両の前,後方向に延びている。左側の車高調整管路39は、ポンプ33により給排管路35から供給される圧油を後述の車高調整装置41,43に供給したり、車高調整装置41,43内の圧油を給排管路35、圧力調整弁38を介してタンク34へと排出したりする。
右側の車高調整管路40は、後述の車高調整装置42,44間を繋ぐように車両の前,後方向に延びている。右側の車高調整管路40は、ポンプ33により給排管路35から供給される圧油を後述の車高調整装置42,44に供給したり、車高調整装置42,44内の圧油を給排管路35、圧力調整弁38を介してタンク34へと排出したりする。
左前輪側(FL側)の車高調整装置41は、前輪側の左油圧シリンダ1に設けられ、例えばシリンダ1Aの外周側に付設された車高調整用の油室を備える。この車高調整装置41は、ポンプ33から給排管路35、車高調整管路39および後述の車高制御弁45を介して前記油室に供給される圧油(作動液体)により、車体100と車輪W(左前輪Wfl)との相対距離を調整可能な車高調整機構である。
右前輪側(FR側)の車高調整装置42は、前輪側の右油圧シリンダ2に設けられ、例えばシリンダ2Aの外周側に付設された車高調整用の油室を備える。この車高調整装置42は、ポンプ33から給排管路35、車高調整管路40および後述の車高制御弁46を介して前記油室に供給される圧油(作動液体)により、車体100と車輪W(右前輪Wfr)との相対距離を調整可能な車高調整機構である。
左後輪側(RL側)の車高調整装置43は、後輪側の左油圧シリンダ3と並列に設けられた車高調整用のラムシリンダを備えている。この車高調整装置43は、ポンプ33から給排管路35、車高調整管路39および後述の車高制御弁47を介して前記ラムシリンダに供給される圧油(作動液体)により、車体100と車輪W(左後輪Wrl)との相対距離を調整可能な車高調整機構である。
右後輪側(RR側)の車高調整装置44は、後輪側の右油圧シリンダ4と並列に設けられた車高調整用のラムシリンダを備えている。この車高調整装置44は、ポンプ33から給排管路35、車高調整管路40および後述の車高制御弁48を介して前記ラムシリンダに供給される圧油(作動液体)により、車体100と車輪W(右後輪Wrr)との相対距離を調整可能な車高調整機構である。
左前輪側(FL側)の車高制御弁45は、給排管路35の接続点35Lと車高調整装置41との間に位置して車高調整管路39の途中に設けられている。この車高制御弁45は、例えばノーマルクローズ式の電磁弁(ソレノイドバルブ)からなり、常時は車高調整装置41を車高調整管路39に対して遮断している。しかし、車高制御弁45は、コントローラ51からの制御信号により励磁されると、閉弁位置から開弁位置に切換わるため、車高調整装置41を車高調整管路39に対して連通させ、車高調整装置41(油室)に対する圧油の給排が行われる。
これにより、左前輪側の車高調整装置41は、ポンプ33からの圧油が車高調整管路39および車高制御弁45を介して供給されるときに、左前輪Wfl(FL)側で車体100の車高を上昇させる。一方、車高調整装置41内の圧油が車高制御弁45、車高調整管路39および給排管路35を介してタンク34側に排出されるときには、左前輪Wfl(FL)側で車体100の車高は下降(低下)される。
右前輪側(FR側)の車高制御弁46は、給排管路35の接続点35Rと車高調整装置42との間に位置して車高調整管路40の途中に設けられている。この車高制御弁46は、例えばノーマルクローズ式の電磁弁からなり、常時は車高調整装置42を車高調整管路40に対して遮断している。しかし、車高制御弁46は、コントローラ51からの制御信号により励磁されると、閉弁位置から開弁位置に切換わるため、車高調整装置42を車高調整管路40に対して連通させ、車高調整装置42(油室)に対する圧油の給排が行われる。
これにより、右前輪側の車高調整装置42は、ポンプ33からの圧油が車高調整管路40および車高制御弁46を介して供給されるときに、右前輪Wfr(FR)側で車体100の車高を上昇させる。一方、車高調整装置42内の圧油が車高制御弁46、車高調整管路40および給排管路35を介してタンク34側に排出されるときには、右前輪Wfr(FR)側で車体100の車高は下降(低下)される。
左後輪側(RL側)の車高制御弁47は、給排管路35の接続点35Lと車高調整装置43との間に位置して車高調整管路39の途中に設けられている。この車高制御弁47は、例えばノーマルクローズ式の電磁弁からなり、常時は車高調整装置43を車高調整管路39に対して遮断している。しかし、車高制御弁46は、コントローラ51からの制御信号により励磁されると、閉弁位置から開弁位置に切換わるため、車高調整装置43を車高調整管路39に対して連通させ、車高調整装置43(ラムシリンダ)に対する圧油の給排が行われる。
これにより、左後輪側の車高調整装置43は、ポンプ33からの圧油が車高調整管路39および車高制御弁47を介して供給されるときに、左後輪Wrl(RL)側で車体100の車高を上昇させる。一方、車高調整装置43内の圧油が車高制御弁47、車高調整管路39および給排管路35を介してタンク34側に排出されるときには、左後輪Wrl(RL)側で車体100の車高は下降(低下)される。
右後輪側(RR側)の車高制御弁48は、給排管路35の接続点35Rと車高調整装置44との間に位置して車高調整管路40の途中に設けられている。この車高制御弁48は、例えばノーマルクローズ式の電磁弁からなり、常時は車高調整装置44を車高調整管路40に対して遮断している。しかし、車高制御弁48は、コントローラ51からの制御信号により励磁されると、閉弁位置から開弁位置に切換わるため、車高調整装置44を車高調整管路40に対して連通させ、車高調整装置44(ラムシリンダ)に対する圧油の給排が行われる。
これにより、右後輪側の車高調整装置44は、ポンプ33からの圧油が車高調整管路40および車高制御弁48を介して供給されるときに、右後輪Wrr(RR)側で車体100の車高を上昇させる。一方、車高調整装置44内の圧油が車高制御弁48、車高調整管路40および給排管路35を介してタンク34側に排出されるときには、右後輪Wrr(RR)側で車体100の車高は下降(低下)される。
複数の車高センサ49(即ち、FL側,FR側,RL側,RR側車高センサ49)は、油圧シリンダ1~4に近い位置で車体100の車高をそれぞれ個別に検出する高さ検出器である。即ち、FL側,FR側,RL側,RR側車高センサ49は、車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrl,右後輪Wrr側で車高調整装置41~44によってそれぞれ調整される車体100の車高を個別に検出し、夫々の検出信号をコントローラ51に出力する。
圧力センサ50は、ポンプ33の吐出側に設けられた圧力検出手段である。この圧力センサ50は、例えばポンプ33の吐出圧を検出し、その検出信号をコントローラ51に出力する。なお、圧力切替弁36,37が閉弁されているときには、アキュムレータ装置25側の圧力センサ32とポンプ33側の圧力センサ50とは、圧力検出値が異なるようになる。しかし、圧力切替弁36,37が開弁されると、アキュムレータ装置25側の圧力センサ32とポンプ33側の圧力センサ50とは、両者間の管路抵抗を無視すれば、圧力検出値が実質的に等しくなる。
制御手段としてのコントローラ51は、例えばマイクロコンピュータにより構成されている。コントローラ51の入力側には、圧力センサ32,50、複数の車高センサ49(即ち、FL側,FR側,RL側,RR側車高センサ49)および選択スイッチ52等が接続されている。選択スイッチ52は、例えば車高調整を行う上での自動モード、または運転者が好みに応じて任意に車高を変える選択モード等の切換えを行う操作スイッチである。
ここで、選択スイッチ52を操作して車高調整を自動モードで行うように選択した場合、コントローラ51は、FL側,FR側,RL側,RR側車高センサ49から出力される車高検出信号に基づき、それぞれの車高調整装置41~44が目標車高となる設定高さに比較して高いか、低いかを比較(判定)する。この上で、コントローラ51は、その比較(判定)結果に基づいて、車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrl,右後輪Wrr側で車高調整装置41~44による車高調整を個別に行うものである。
コントローラ51の出力側は、ブリッジバルブ18,22と、ポンプ33(実際には駆動源となるモータ)と、圧力切替弁36,37、圧力調整弁38およびFL側,FR側,RL側,RR側の車高制御弁45~48等とに接続されている。また、コントローラ51は、例えばデータ通信に必要な回線網であるCAN53(Controller Area Network)等を介して他のコントローラ(図示せず)に接続されている。これにより、コントローラ51は、例えば外気温(周囲温度)、日時情報、積載重量等の荷重情報、車速情報、操舵角情報を含めた種々の車両情報をCAN53を通じて入,出力することができる。
また、コントローラ51は、ROM,RAM,不揮発性メモリ等からなるメモリ51Aを有している。このメモリ51Aには、例えば車高上げ,下げ制御を含む車高調整処理用のプログラムと、関連縣架装置のシステム内圧(即ち、アキュムレータ27,28に蓄圧される圧力)によりロール剛性の切替えを行うためのプログラムと、ブリッジバルブ18,22の切替え制御を行ためのプログラム等とが更新可能に格納されている。また、メモリ51Aには、例えば図3に示すようにロール剛性の切替えと車高の調整とが同時に指令された場合の制御処理用プログラムも格納されている。
コントローラ51は、第1,第2の切替手段(圧力切替弁36,37と圧力調整弁38)の作動・非作動および前記車高調整機構(即ち、車高調整装置41~44と車高制御弁45~48)の作動・非作動の切替えを制御する制御手段である。コントローラ51は、各車高センサ49および選択スイッチ52等からの信号に基づいて、ポンプ33の駆動制御を行うと共に、圧力切替弁36,37、圧力調整弁38および車高制御弁45~48等に制御信号を出力し、これらの弁36~38,45~48(具体的には、各ソレノイド)を個別に励磁したり、消磁したりする。これにより、圧力切替弁36,37、圧力調整弁38および車高制御弁45~48は、個別に開,閉弁されるように切換えられるものである。
第1の実施の形態によるサスペンション装置(関連縣架装置)は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、油圧シリンダ1~4は、シリンダ1A~4Aの上端側(底部側)が車両の車体100に取付けられ、ピストンロッド1C~4Cの突出端側が車輪W(左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrl,右後輪Wrr)の車軸側に取付けられる。車両の走行時には、路面の凹凸等により上,下方向の振動が発生したり、ピッチングやローリング等の揺れ振動が発生したりすると、ピストンロッド1C~4Cがシリンダ1A~4Aから伸長、縮小するように変位し、シリンダ1A~4A内をピストン1B~4Bが上,下に摺動変位する。
このため、右側連通路23、左側連通路24と左,右のアキュムレータ装置25との間を圧油が流入,出(流通)し、このときに各アキュムレータ装置25の減衰バルブ29は、内部を流通する圧油に対して絞り抵抗による減衰力を発生させ、油圧シリンダ1~4の伸縮動作を緩衝する。
ここで、アキュムレータ装置25は、アキュムレータ27,28の蓄圧値に対応したシステム内圧で圧力が設定され、これにより、サスペンション装置(関連縣架装置)のロール剛性が切替えられる。車両の運転者(操作者)が、ロール剛性選択スイッチ(図示せず)の手動操作によりモード選択し、例えば「Sport(スポーツ)」モードを選択した場合、アキュムレータ装置25のアキュムレータ27,28は、その蓄圧値が最大となって、前輪側と後輪側のロール剛性を、大きな値に設定することができる。
即ち、図1中の圧力調整弁38を閉弁したままの状態で、ポンプ33を駆動したときには、ポンプ33から給排管路35内に圧油が吐出されるため、給排管路35内の圧力は上昇するように調整される。この状態で、圧力切替弁36を開弁すると、給排管路35からの圧油が右側連通路23を介して右側のアキュムレータ27,28に供給されると共に、第1の接続管路5,11を介して油圧シリンダ1,3の上部室Aと油圧シリンダ2,4の下部室Bとに供給される。これにより、油圧シリンダ1,3の上部室Aと油圧シリンダ2,4の下部室Bとは、例えば右側のアキュムレータ装置25(アキュムレータ27,28)の蓄圧値に対応したシステム内圧で圧力が設定され、例えば「Sport(スポーツ)」モードにロール剛性は切替えられる。このときのシステム内圧は、圧力センサ32の検出圧力によりフィードバック制御される。
また、圧力切替弁37を開弁した場合も、給排管路35からの圧油が左側連通路24を介して左側のアキュムレータ27,28に供給されると共に、第2の接続管路6,12を介して油圧シリンダ2,4の上部室Aと油圧シリンダ1,3の下部室Bとに供給される。これにより、油圧シリンダ2,4の上部室Aと油圧シリンダ1,3の下部室Bとは、例えば左側のアキュムレータ装置25(アキュムレータ27,28)の蓄圧値に対応したシステム内圧で圧力が設定され、例えば「スポーツ」モードにロール剛性は切替えられる。このときのシステム内圧は、圧力センサ32の検出圧力によりフィードバック制御される。
一方、ロール剛性が「Standard(スタンダード)」モードとして選択された場合は、例えば圧力調整弁38を開弁して給排管路35内の圧力を低下させつつ、圧力切替弁36,37を開弁させることにより、アキュムレータ27,28の蓄圧値を下げる。これにより、「スタンダード」モードでは、前輪側,後輪側のロール剛性を標準的な剛性に設定することができる。また、「Comfort(コンフォート)」モードを選択した場合は、例えば圧力調整弁38を開弁して給排管路35内の圧力をさらに低下させつつ、圧力切替弁36,37を開弁させることにより、アキュムレータ27,28の蓄圧値をさらに下げる。これにより、「コンフォート」モードでは、前輪側,後輪側のロール剛性を低い剛性に設定することができる。
次に、コントローラ51によるブリッジバルブ18,22の切替え制御について説明する。
コントローラ51は、例えばCAN53からの操舵角および車速等の情報に基づいて車両が直進状態にあると判定したときに、ロール剛性を下げるようにブリッジバルブ18,22を連通状態とする。このため、前輪側の接続管路5,6間は、連絡路17とブリッジバルブ18とを介して連通状態となる。後輪側の接続管路11,12間は、連絡路21とブリッジバルブ22とを介して連通状態となる。これにより、左,右の油圧シリンダ1,2と油圧シリンダ3,4とは、その上部室Aと下部室Bとが連通することで、路面からの入力に対し、各輪が独立して、小さな抵抗でスムーズに上下し、良好な乗心地が得られる。
一方、車両の転舵(ステアリング)を行う場合、車両の操舵に伴ってロール剛性を上げるためコントローラ51は、ブリッジバルブ18,22を閉弁位置に戻す制御を行う。これにより、第1,第2の接続管路5,6(11,12)の間は、ブリッジバルブ18,22で遮断された状態となる。このため、油圧シリンダ1~4は、車両の旋回操作に抗してロール剛性を高くすることができ、高い操縦安定性が得られる。
次に、車高調整を行う場合の処理について説明する。
例えば、左前輪Wfl(FL)側の車高調整装置41により車体100の車高を上げる場合、図1中の圧力調整弁38と圧力切替弁36,37とを閉弁したままの状態で、ポンプ33を駆動すると、ポンプ33から給排管路35内に圧油が吐出されるため、給排管路35内の圧力は上昇する。この状態で、車高制御弁45を開弁させると、ポンプ33からの圧油が車高調整管路39および車高制御弁45を介して車高調整装置41に供給される。
これにより、車高調整装置41は、左前輪Wfl(FL)側で車体100の車高を上昇させる。このとき、車高センサ49は、左前輪Wfl(FL)側での車高検出を行い、コントローラ51は車高が目標車高に達したか否かを判定し、目標車高に達するまでフィードバック制御を続ける。一方、車高を下げる場合は、ポンプ33の駆動を停止した状態で圧力調整弁38を開弁させる。これにより、車高調整装置41内の圧油は、車高制御弁45、車高調整管路39および給排管路35を介してタンク34側に排出されるので、左前輪Wfl(FL)側で車体100の車高は下降(低下)される。この場合も、コントローラ51は車高が目標車高に達するまでフィードバック制御を続ける。
また、右前輪Wfr(FR)側の車高調整装置42により車体100の車高を調整する場合、左後輪Wrl(RL)側の車高調整装置43により車体100の車高を調整する場合、および/または右後輪Wrr(RR)側の車高調整装置44により車体100の車高を調整する場合についても、車高制御弁46,47,48を開,閉することにより、前述した車高調整装置41と同様に各輪側で車高調整を行うことができる。
前述の如く、車高制御弁45~48が閉じられているときは、ポンプ33と車高制御弁45~48との間の配管(例えば、給排管路35)内の圧力を仮に下げても、車高調整装置41~44内の圧力が変化することはない。このため、車体100側の車高を維持しつつ、圧力切替弁36,37を開いたときには、ポンプ33を使用して油圧シリンダ1~4内およびアキュムレータ装置25側の内圧調整(即ち、ロール剛性の切替え)を行うことができる。
逆に、圧力切替弁36,37が閉じられているときは、ポンプ33と圧力切替弁36,37との間の配管(例えば、給排管路35)内の圧力を仮に下げても、右側連通路23および左側連通路24内の圧力(即ち、油圧シリンダ1~4内およびアキュムレータ装置25側のシステム内圧)が変化することはない。このため、油圧シリンダ1~4内およびアキュムレータ装置25側のシステム内圧(即ち、ロール剛性のモード)を維持しつつ、車高制御弁45~48を開いたときには、ポンプ33を使用して車高を変更することができる。
しかし、車体100側の車高が変わると、油圧シリンダ1~4は、シリンダ1A,2A,3A,4A内へのピストンロッド1C,2C,3C,4Cの進入体積分が変わるので、システム内圧(即ち、ロール剛性)が変動する。例えば、低車高から高車高まで車高を変更したときには、ピストンロッド1C,2C,3C,4Cがシリンダ1A,2A,3A,4Aから外側に向けて突出し、ロッド伸長分だけ内圧が下がる。
ここで、車高調整装置41を例に挙げて説明すると、左前輪Wfl(FL)側で車体100の車高を車高調整装置41により上昇または下降させるとき、油圧シリンダ1のピストンロッド1Cは、シリンダ1Aに対して伸縮するが、このときに、シリンダ1A内に充填されている圧油の量はピストンロッド1Cの進入体積分だけ変化する。このため、油圧シリンダ1(シリンダ1A)の内圧は、ピストンロッド1Cの伸縮変位に伴って変動する。そして、シリンダ1Aの内圧変動とは、油圧シリンダ1のロール剛性が変わることでもある。このことは、他の油圧シリンダ2~4(即ち、シリンダ2A,3A,4Aに対してピストンロッド2C,3C,4Cが伸縮し、シリンダ2A,3A,4Aの内圧がピストンロッド2C,3C,4Cの進入体積分だけ変化する場合)についても同様である。
換言すると、油圧シリンダ1~4によるロール剛性を切替えるときには、これに伴って車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrl,右後輪Wrr側で車体100の車高が変化する。このため、油圧シリンダ1~4によるロール剛性を切替えるときには、これに伴った車高の変化分を補正するように、車高調整装置41~44によって追加の車高調整(ロール剛性の切替えに伴った補足的な車高調整)を行う必要が生じる。後述する図3のステップ1では、このような補足的な車高調整のための車高変化分を算出している。
次に、図3は、ロール剛性の切替えと車高調整の制御とが同時に指令された場合の制御処理を示している。まず、ステップ1では、ロール剛性の切替えよりも車高調整の制御を優先させて行うため、ロール剛性の切替えによる車高変化分を演算して算出する。
次のステップ2では、ポンプ33を駆動して圧油を吐出するときの吐出圧を、車高調整の指令に基づいた目標車高に調整するために必要な圧力に設定(調整)する。この場合のポンプ33による吐出圧は、ロール剛性の切替えによる車高変化分の補正を考慮して設定(調整)する。次のステップ4では、車高が目標車高に到達するように車高制御弁45~48を開弁または閉弁する処理を行う。
例えば、車高を目標車高まで上げる場合は、ポンプ33を駆動して給排管路35内に圧油を吐出させて圧力を高めた状態で、車高制御弁45~48を開弁すると、ポンプ33からの圧油が車高調整管路39,40および車高制御弁45~48を介して車高調整装置41~44に供給される。これによって、車高調整装置41~44は、車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrl,右後輪Wrr側で車体100の車高を上昇できる。このとき、各車高センサ49は、夫々の位置で車高を検出する。
一方、車高を目標車高まで下げる場合は、ポンプ33を停止させて圧力調整弁38を開き、この状態で車高制御弁45~48を開弁する。これにより、車高調整装置41~44内の圧油は、車高制御弁45~48、車高調整管路39,40および給排管路35を介してタンク34へと排出される。これによって、車高調整装置41~44は、車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrl,右後輪Wrr側で車体100の車高を下降させることができる。このとき、各車高センサ49は、夫々の位置で車高を検出する。
次のステップ4では、車高センサ49による検出車高が目標車高に到達しているか否かを判定する。ステップ4で「NO」と判定する間は、目標車高に到達していないので、例えばステップ2に戻り、これ以降の処理を続行する。しかし、ステップ4で「YES」と判定したときには、目標車高に到達しているので、次のステップ5において、全ての車高制御弁45~48を閉弁させる。また、ステップ5では車高調整を完了させるため、圧力調整弁38を開いて給排管路35内の圧力を低下させ、ポンプ下流室(タンク34内)を大気圧にし、この状態で圧力調整弁38を閉じる。
次のステップ6では、ポンプ33の吐出圧を、ロール剛性の切替えに必要な圧力に設定(調整)する。次のステップ7では、ロール剛性の切替えのために、右側連通路23および/または左側連通路24と給排管路35との間を連通させる圧力切替弁36および/または圧力切替弁37を開弁または閉弁させる処理を行う。
次のステップ8では、例えば圧力センサ32による検出圧力(即ち、アキュムレータ27,28に蓄圧された圧油の圧力であるシステム内圧)が、サスペンション装置のロール剛性を切替えるための目標圧力に到達し、例えば「スポーツ」モード、「スタンダード」モードまたは「コンフォート」モードの何れかにロール剛性は切替えられているか否かを判定する。このときのシステム内圧は、圧力センサ32の検出圧力によりフィードバック制御される。
ステップ8で「NO」と判定する間は、ロール剛性の切替えが完了していないので、例えばステップ6に戻り、これ以降の処理を続行する。しかし、ステップ8で「YES」と判定したときには、ロール剛性の切替えが完了しているので、次のステップ9に移って全ての圧力切替弁36,37を閉弁させた後に、図3の処理(即ち、ロール剛性の切替えと車高調整の制御とが同時に指令された場合の制御処理)を終了させる。
ところで、ロール剛性の切替えと車高調整の制御とが同時に指令された場合に両方を同時に行うと、下記のような問題が生じる。例えば、車高調整で低車高から高車高まで変更させる場合は、油圧シリンダ1~4は、ピストンロッド1C,2C,3C,4Cがシリンダ1A,2A,3A,4Aから外側に向けて突出し、ロッド伸長分だけ内圧が下がる。
これと同時に、油圧シリンダ1~4によるロール剛性のモードを、例えば「スポーツ」モード(高内圧)に変更したい場合、油圧シリンダ1~4は、車高上げにより内圧が下がる分、低車高時における「スポーツ」モードのロール剛性の内圧よりも高い圧力までポンプ33で上げる必要がある。よって、ポンプ33を高圧まで上げられる高性能ポンプにする必要があり、高スペック、高コストで、大型のポンプにしなければならない。
そこで、第1の実施の形態では、ポンプ33を高性能ポンプに変更することなく、これまで通りの油圧システムを用いて、ロール剛性の切替えと車高調整の制御とが同時に指令された場合に、まず車高制御を行った後に、ロール剛性の切替え(モード変更の制御)を行うように、前述の如き図3に示す処理手順を採用している。
第1の実施の形態では、図3に示す処理手順を採用することにより、まず、車高調整(例えば、車高を上げる制御)を行う。このとき、ステップ1,2の処理では、ピストンロッド1C,2C,3C,4Cがシリンダ1A,2A,3A,4Aから外側に向けて突出し、ロッド伸長分だけ内圧が下がるが、その補正も含めてポンプ33の吐出圧を調整しておく。そして、ステップ2~4の処理で、目標車高(例えば、高車高)になってから、例えばステップ6の処理で、油圧シリンダ1~4によるロール剛性のモード(例えば、スポーツモード)に必要な内圧までポンプ33で圧力を上昇させる。
これにより、油圧シリンダ1~4側のシステム内圧を、例えば「スポーツ」モード設定の内圧以上にポンプ33で上げる必要がなくなり、ポンプ33の低圧化、低スペック化が可能となる。この結果、低コスト化、軽量化、小型化、さらに低圧な制御が可能となり、信頼性も向上させることができる。
従って、第1の実施の形態によれば、コントローラ51は、ロール剛性の切替えと車高調整の制御とが同時に指令された場合に、図3に示す処理手順で車高調整の制御を優先させた後に、ロール剛性の切替え制御を行うようにしている。換言すると、車高調整装置41~44の作動中(車高調整弁45~48が開弁している間)は、第1,第2の切替手段(圧力切替弁36,37)を閉弁させて作動させないか、または非作動状態(即ち、閉弁状態)に切替える構成としている。
このため、ロール剛性の切替えと車高調整の制御とが同時に指令されたときには、車高調整の制御を優先させることにより、低いスペックのポンプ33で制御が可能となり、低コスト化と軽量化を図ることができる。また、モード変更時の内圧を下げることが可能となり、信頼性を向上できる。そして、1つのポンプ33で車高調整と、ロール剛性の切替え(相互連携の制御)とを行うことができ、サスペンション装置の簡素化を図り、信頼性を確保することができる。
次に、図4は第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、ロール剛性の切替え制御途中で車高調整の制御が指令されたときに、ロール剛性の切替えを中断して車高調整の制御を優先させる構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
ここで、図4は、ロール剛性の切替え制御途中で車高調整の制御が指令された場合の制御処理を示しており、このプログラムは、例えば図2に示すコントローラ51のメモリ51Aに格納されている。図4の処理動作がスタートすると、ステップ11では、ロール剛性の切替え制御中に車高調整の指令があったか否かを判定する。ステップ11で「NO」と判定するときには、ステップ24に移ってリターンする。
ステップ11で「YES」と判定したときには、車高調整の制御を優先させるため、ロール剛性の切替えを途中で止めるように、次のステップ12でポンプ33の吐出圧調整を中断させる。そして、次のステップ13では、全ての圧力切替弁36,37を閉弁させる。また、ステップ14では、内圧調整のために圧力調整弁38を開いて給排管路35内の圧力を低下させ、ポンプ下流室(タンク34内)を大気圧にし、この状態で圧力調整弁38を閉じる。
次のステップ15では、ロール剛性の切替えによる残りの圧力変化に対する車高変化分を演算して算出する。次のステップ16では、ポンプ33を駆動して圧油を吐出するときの吐出圧を、車高調整の指令に基づいた目標車高に調整するために必要な圧力に設定(調整)する。この場合のポンプ33による吐出圧は、ロール剛性の切替えによる車高変化分の補正を考慮して設定(調整)する。次のステップ17では、車高が目標車高に到達するように車高制御弁45~48を開弁または閉弁する処理を行う。これにより、車高調整装置41~44を作動させて車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrl,右後輪Wrr側で車体100の車高を調整する。
次のステップ18では、車高センサ49による検出車高が目標車高に到達しているか否かを判定する。ステップ18で「NO」と判定する間は、目標車高に到達していないので、例えばステップ16に戻り、これ以降の処理を続行する。しかし、ステップ18で「YES」と判定したときには、目標車高に到達しているので、次のステップ19において、全ての車高制御弁45~48を閉弁させる。また、ステップ19では車高調整を完了させるため、圧力調整弁38を開いて給排管路35内の圧力を低下させ、ポンプ下流室(タンク34内)を大気圧にし、この状態で圧力調整弁38を閉じる。
次のステップ20では、ポンプ33の吐出圧を、ロール剛性の切替えに必要な圧力に設定(調整)する。次のステップ21では、ロール剛性の切替えのために、右側連通路23および/または左側連通路24と給排管路35との間を連通させる圧力切替弁36および/または圧力切替弁37を開弁または閉弁させる処理を行う。
次のステップ22では、例えば圧力センサ32による検出圧力(即ち、アキュムレータ27,28に蓄圧された圧油の圧力であるシステム内圧)が、サスペンション装置のロール剛性を切替えるための目標圧力に到達し、例えば「スポーツ」モード、「スタンダード」モードまたは「コンフォート」モードの何れかにロール剛性は切替えられているか否かを判定する。このときのシステム内圧は、圧力センサ32の検出圧力によりフィードバック制御される。
ステップ22で「NO」と判定する間は、ロール剛性の切替えが完了していないので、例えばステップ20に戻り、これ以降の処理を続行する。しかし、ステップ22で「YES」と判定したときには、ロール剛性の切替えが完了しているので、次のステップ23に移って全ての圧力切替弁36,37を閉弁させた後に、図4の処理(即ち、ロール剛性の切替え途中に車高調整が指令された場合の制御処理)を終了させる。
かくして、第2の実施の形態によれば、ロール剛性のモード切替え途中に車高変更(調整)が指令された場合に、ロール剛性の切替え(変更)を一時中断し、車高調整の制御を優先させる構成としている。そして、ロール剛性の切替えを中断したときには、このときのシステム内圧の変化による車高変化量を算出し、この変化量の算出(補正)分も考慮して、実車高が設定車高になるように、車高調整装置41~44を作動させて車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrl,右後輪Wrr側で車体100の車高を調整する。
即ち、ポンプ33からの圧油で車高調整装置41~44を作動させるように車高制御弁45~48を開弁または閉弁し、車体100側の車高を目標車高に到達させるように制御し、目標車高に到達後は、ロール剛性のモード切替えを行い、目標のロール剛性モードとなるようシステム内圧を制御する。このように、ロール剛性のモード切替えを車高調整制御の後回しにすることで、例えばロール剛性をスポーツモードに切替える場合でも、ポンプ33の吐出圧をシステム内圧の設定圧を超える圧力まで上げる必要がなくなる。
これにより、第2の実施の形態でも、車高調整の制御を優先させることによって、前記第1の実施の形態と同様に、低いスペックのポンプ33で制御が可能となり、低コスト化と軽量化を図ることができる。そして、1つのポンプ33で車高調整と、ロール剛性の切替え(相互連携の制御)とを行うことができ、サスペンション装置の簡素化を図り、信頼性を確保することができる。
次に、図5は第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、ロール剛性の切替え(剛性モードの変更)後に、それに伴って車高の変化が生じたときに、これを補正するための車高調整制御を行う構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
ここで、図5は、ロール剛性の切替えが指令された場合の制御処理を示しており、このプログラムは、例えば図2に示すコントローラ51のメモリ51Aに格納されている。コントローラ51(制御手段)は、圧力切替弁36,37(第1,第2の切替手段)が動作した後、車高センサ49(車高検出手段)の検出結果に応じて車高調整機構(車高調整装置41~44、車高調整弁45~48)を動作させる構成としている。
図5の処理動作がスタートすると、ステップ31では、ロール剛性の切替えを行うため、右側連通路23および/または左側連通路24と給排管路35との間を連通させる圧力切替弁36および/または圧力切替弁37を開弁させる処理を行う。次のステップ32では、ポンプ33の吐出圧を、ロール剛性の切替えに必要な圧力に設定(調整)する。具体的には、圧力センサ32による検出圧力に基づいて、アキュムレータ27,28に蓄圧された圧油の圧力(システム内圧)が、サスペンション装置のロール剛性を切替えるための目標圧力に到達するように、このときのシステム内圧を圧力センサ32の検出圧力に従ってフィードバック制御する。
次のステップ33では、ロール剛性の切替えが完了したか否かを判定する。具体的には、圧力センサ32による検出圧力(即ち、アキュムレータ27,28に蓄圧された圧油の圧力であるシステム内圧)が、例えば「スポーツ」モード、「スタンダード」モードまたは「コンフォート」モードの何れかにロール剛性が切替えられているか否かを判定する。ステップ33で「NO」と判定する間は、ロール剛性の切替えが完了していないので、例えばステップ31に戻り、これ以降の処理を続行する。しかし、ステップ33で「YES」と判定したときには、ロール剛性の切替えが完了しているので、次のステップ34に移って全ての圧力切替弁36,37を閉弁させる。
次のステップ35では、前記ステップ31~33の処理(ロール剛性の切替え処理)に伴って油圧シリンダ1~4の内圧が変動し、これによる付随的な車高の変化が生じているので、このときの車高補正量を車高センサ49による検出高さに基づいて算出する。
次のステップ36では、前記車高補正量分の車高調整を行うために車高制御弁45~48の少なくとも何れか1つまたは複数の制御弁を開弁させる。次のステップ37では、ポンプ33の吐出圧を、前記車高補正のための圧力に設定(調整)する。これにより、車高調整装置41~44を作動させて車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrlおよび/または右後輪Wrr側で車体100の車高を調整する。
次のステップ38では、車高センサ49による検出車高が目標車高(前記車高補正量)に到達しているか否かを判定する。ステップ38で「NO」と判定する間は、前記車高補正量に到達していないので、例えばステップ36に戻り、これ以降の処理を続行する。しかし、ステップ38で「YES」と判定したときには、前記車高補正量分だけの車高調整が行われているので、次のステップ39において、全ての車高制御弁45~48を閉弁させる。これにより、図5の処理(即ち、ロール剛性の切替えが指令された場合の制御処理)を終了させる。
かくして、このように構成される第3の実施の形態では、システム内圧をポンプ33で変えてロール剛性のモード切替えを行い、このときの内圧変化に伴って油圧シリンダ1~4の内圧が変動し、これによる付随的な車高の変化が生じているので、このときの車高補正量を車高センサ49による検出高さに基づいて算出し、付随的な車高補正を行うようにしている。このため、システム内圧を変えてロール剛性を切替えるシステムにおいて、その課題であるロール剛性の変更に伴う車高の変動を抑えることができ、ロール剛性の切替えを行ったときにも、その車高を本来の目標車高(設定値)に調整することができる。
次に、図6は第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、ロール剛性の切替え(モード変更)に伴った内圧変動による車高変化分を予め推定演算して求め、推定演算値に基づいた車高調整の制御を、ロール剛性の切替え(モード変更)前に行う構成としたことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
ここで、図6は、ロール剛性の切替え制御が指令された場合の制御処理を示しており、このプログラムは、例えば図2に示すコントローラ51のメモリ51Aに格納されている。図6の処理動作がスタートすると、ステップ41では、ロール剛性の切替えに伴った内圧変動による車高変化分を車高補正量として推定演算する。次のステップ42では、前記車高補正量分の車高調整を行うために車高制御弁45~48の少なくとも何れか1つまたは複数の制御弁を開弁させる。
次のステップ43では、ポンプ33の吐出圧を、前記車高補正のための圧力に設定(調整)する。これにより、車高調整装置41~44を作動させて車両の左前輪Wfl,右前輪Wfr,左後輪Wrlおよび/または右後輪Wrr側で車体100の車高を調整する。次のステップ44では、車高センサ49による検出車高が目標車高(前記車高補正量)に到達しているか否かを判定する。ステップ44で「NO」と判定する間は、前記車高補正量に到達していないので、例えばステップ42に戻り、これ以降の処理を続行する。しかし、ステップ44で「YES」と判定したときには、前記車高補正量分だけの車高調整が行われているので、次のステップ45において、全ての車高制御弁45~48を閉弁させる。
次のステップ46では、ロール剛性の切替え(モード変更)を行うために、右側連通路23および/または左側連通路24と給排管路35との間を連通させる圧力切替弁36および/または圧力切替弁37を開弁させる処理を行う。次のステップ47では、ポンプ33の吐出圧を、ロール剛性の切替えに必要な圧力に設定(調整)する。具体的には、サスペンション装置のロール剛性が、例えば「スポーツ」モード、「スタンダード」モードまたは「コンフォート」モードの何れかに切替えられている場合に、例えば圧力センサ32による検出圧力(即ち、アキュムレータ27,28に蓄圧された圧油の圧力であるシステム内圧)が、該当する剛性モードに対応する目標圧力となるように、前記システム内圧を圧力センサ32の検出圧力によりフィードバック制御する。
次のステップ48では、ロール剛性の切替えが完了したか否かを判定する。具体的には、圧力センサ32による検出圧力が、サスペンション装置のロール剛性を切替えるための目標圧力に到達し、例えば「スポーツ」モード、「スタンダード」モードまたは「コンフォート」モードの何れかにロール剛性は切替えられているか否かを判定する。ステップ48で「NO」と判定する間は、ロール剛性の切替えが完了していないので、例えばステップ46に戻り、これ以降の処理を続行する。しかし、ステップ48で「YES」と判定したときには、ロール剛性の切替えが完了しているので、次のステップ49に移って全ての圧力切替弁36,37を閉弁させた後に、図6の処理(即ち、ロール剛性の切替えが指令された場合の制御処理)を終了させる。
かくして、第4の実施の形態によれば、ロール剛性のモード切替指令に対して内圧調整より先に、ロール剛性の切替えに伴った内圧変動による車高変化分を推定して車高制御でその変化分を補正し、その後、システム内圧を変化させてロール剛性のモード切替えを行う構成としている。このため、システム内圧を変えてロール剛性を切替えるシステムにおいて、その課題であるロール剛性の変更に伴う車高の変動を抑えることができ、ロール剛性の切替えを行ったときにも、その車高を本来の目標車高(設定値)に調整することができる。
なお、前記第1の実施の形態では、前輪側の車高調整装置41,42と後輪側の車高調整装置43,44とを異なるタイプの車高調整機構により構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、前輪側と後輪側の車高調整装置を同じタイプの車高調整機構により構成してもよい。この点は第2~第4の実施の形態についても同様である。
また、前記実施の形態では、油圧シリンダ1~4のシリンダ1A~4Aからピストンロッド1C~4Cが下向きに突出する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明のサスペンション装置はこれに限るものではなく、例えば各液圧シリンダのピストンロッドはシリンダから上向きに突出する構成としたものでもよい。
さらに、前記実施の形態では、油圧シリンダ1~4のシリンダ1A~4A内にピストン1B~4Bを設け、シリンダ1A~4A内を上,下の2室(上部室Aと下部室B)に画成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は図示のものに限られるものではなく、例えばピストン1B~4Bにそれぞれ絞りを設け、この絞りを介して上部室Aと下部室Bとの間を流通する圧油(液体)により減衰力を発生させる構成としてもよい。
次に、上記実施の形態に含まれるサスペンション装置として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様としては、左,右の車輪と車体との間にそれぞれ介装され、シリンダ内がピストンにより上部室と下部室とに画成された左,右の液圧シリンダと、該左,右の液圧シリンダ間を、一方の液圧シリンダの上部室が他方の液圧シリンダの下部室に連通し前記他方の液圧シリンダの上部室が前記一方の液圧シリンダの下部室に連通するようにクロスで接続してなる第1,第2の接続管路と、前記液圧シリンダに前記第1,第2の接続管路を介して作動液体を供給する1つのポンプと、前記液圧シリンダに設けられ、前記ポンプから供給される前記作動液体により前記車輪と車体との相対距離を調整可能な車高調整機構と、前記ポンプから前記液圧シリンダへの作動液体の供給を切替える第1,第2の切替手段と、前記第1,第2の切替手段の作動・非作動および前記車高調整機構の作動・非作動の切替えを制御する制御手段と、を有するサスペンション装置であって、前記制御手段は、前記車高調整機構の作動中は、前記第1,第2の切替手段を作動させないか、または非作動状態に切替えることを特徴としている。
サスペンション装置の第2の態様としては、前記第1の態様において、前記車体の車高を検出する車高検出手段を有し、前記制御手段は、前記第1,第2の切替手段が動作した後、前記車高検出手段の検出結果に応じて前記車高調整機構を動作させることを特徴としている。サスペンション装置の第3の態様としては、前記第1または第2の態様において、前記第1,第2の接続管路には、前記左,右のシリンダ間を連通,遮断するブリッジバルブをさらに備えることを特徴としている。