JP3564841B2 - 能動型サスペンション - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体と各車輪との間に流体シリンダを介装し、この流体シリンダに供給する作動流体を圧力制御弁等の制御弁で制御することにより、車両の車高、ロール,ピッチ等の姿勢変化を抑制する能動型サスペンション装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の能動型サスペンションとしては、本出願人等が先に提案した特開平1−145215号公報に記載されているものがある。
この従来例は、車輪と車体との間に各々介装された流体圧シリンダと、この各流体圧シリンダに対する流体圧源からのライン圧を指令値に応じて個別に制御する圧力制御弁と、流体圧源及び各圧力制御弁との間における、供給側配管に介装したチェック弁及び戻り側配管に介装したオペレートチェック弁で構成される圧力保持部と、この圧力保持部のチェック弁と各圧力制御弁との間に介装された切換弁とを備え、前記各圧力制御弁に指令値を与える電気系の異常を検知する異常検知手段で、異常を検知したときに、前記切換弁を前記流体圧源からの作動流体の供給を遮断すると共に、各圧力制御弁の供給側をオペレートチェック弁に連通させ、且つ圧力制御弁の指令値を中立圧近傍となるように設定することにより、制御系の異常発生時に流体圧シリンダの圧力を中立圧に封入して車高の急変を防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の能動型サスペンションにあっては、異常検知手段で異常を検知したときに切換弁を切換えるようにしているので、イグニッションスイッチがオン状態であるときに制御系が異常となったときには非常に有効であるが、イグニッションスイッチをオフ状態とした直後に再度イグニッションスイッチをオン状態に復帰させて再始動を行う時に例えば車載バッテリの劣化等によってスタータを駆動することにより電源電圧が瞬間的に急激に低下した場合には車高変動を伴うという未解決の課題がある。
【0004】
すなわち、能動型サスペンションにおいては、特開平3−90415号公報に記載されているようにイグニッションスイッチをオフ状態としたときの車高急変を防止するために、電源電圧を自己保持しておき、この間に各圧力制御弁に対する指令値を予め設定された中立圧と等しい値となるまで徐々に変更するようにしている。したがって、イグニッションスイッチがオフ状態となった後も暫くはパイロット操作形逆止弁(オペレートチェック弁)は開状態を維持している。
【0005】
このパイロット操作形逆止弁の開状態で、再度イグニッションスイッチをオン状態としてからエンジン再始動状態としたときに、電源電圧が瞬間的に低下すると、電源系統の異常と判断されることにより、各圧力制御弁及び切換弁への通電が瞬時に停止される。
このとき、各圧力制御弁は各輪の流体圧シリンダに対して個別に設けられているのに対し、切換弁は全輪の流体圧を扱う関係で圧力制御弁の方が切換弁より流体圧応答が約200msec程度速いことに起因して、切換弁が切換わる前に各圧力制御弁の通電停止に応答して流体圧シリンダをパイロット操作形逆止弁に連通させることにより、流体圧シリンダの圧力が急激に低下して車高が低下し、その後切換弁が切換わることにより、圧力制御弁の1次側圧力が低下してパイロット操作形逆止弁が閉じ、これによってアキュムレータの蓄圧によって流体圧シリンダの内圧が所定の中立圧まで回復されることになって車高変動を生じるという未解決の課題がある。
【0006】
このような、圧力制御弁と切換弁との流体圧応答差に起因する車高変動は、車両の走行中に電源電圧が急激に低下して圧力制御弁及び切換弁の通電を同時に停止する場合にも生じる。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、圧力制御弁及び切換弁の応答に差がある場合であってもこれに起因する車高変動を確実に抑制することができる能動型サスペンションを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る能動型サスペンションは、各車輪と車体との間に介装された流体圧シリンダと、該流体圧シリンダに供給する流体供給装置からの作動流体を指令値に応じて制御する圧力制御弁と、車体の姿勢変化を検出する姿勢変化検出手段と、該姿勢変化検出手段の検出値に基づいて前記圧力制御弁に対する指令値を演算して出力する姿勢変化抑制制御手段と、前記制御弁及び流体供給装置間に介装した当該圧力制御弁の供給圧が所定圧力以下となったときに前記圧力制御弁より遅い応答特性で圧力制御弁側を閉回路とする圧力保持部と、制御系の異常状態を検出する異常検出手段と、該異常検出手段が異常を検出したときに前記圧力制御弁側を圧力保持状態とする異常作動手段と、イグニッションスイッチがオフ状態となった後所定時間内にオン状態に復帰したことを検出する再始動検出手段とを備えた能動型サスペンションにおいて、前記異常作動手段は、前記圧力保持部及び前記圧力制御弁間に介装したフェイルセーフ弁を有し、前記異常検出手段で異常を検出したときに当該フェイルセーフ弁を閉状態として前記圧力保持部を圧力保持状態とするように構成されていると共に、バッテリー電圧を監視して予め設定された所定電圧よりバッテリー電圧が低下することを検出するバッテリー電圧検出手段と、該バッテリー圧検出手段がバッテリー電圧低下を検出した後に、前記イグニッションスイッチがオフ状態となってから前記再始動検出手段がイグニッションスイッチのオン状態への復帰を検出したとき、当該イグニッションスイッチの復帰後でスタータモータの駆動により前記バッテリー電圧が低下する前に、前記フェイルセーフ弁を閉状態として前記圧力保持部を圧力保持状態とすると共に、当該フェイルセーフ弁の閉状態を少なくとも所定時間保持する再始動時制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
この請求項1の発明においては、例えばエンジン始動時に電圧低下をバッテリー電圧検出手段で検出すると、イグニッションスイッチがオフ状態となった後例えば圧力保持部を構成するパイロット操作形逆止弁が開状態を維持している時間内に再度イグニッションスイッチがオン状態に復帰すると、これが再始動検出手段で検出され、再始動時制御手段でイグニッションスイッチの復帰後で前記バッテリー電圧が低下する前に、フェイルセーフ弁を閉状態として、圧力保持部を圧力保持状態とすると共に、当該フェイルセーフ弁の閉状態を少なくとも所定時間保持するので、その後にバッテリー電圧の低下等による異常が発生した場合でも制御弁及び流体圧シリンダを含む制御系は圧力変動を生じることがない。
【0009】
また、請求項2に係る能動型サスペンションは、請求項1の発明において、前記再始動時制御手段は、前記姿勢変化抑制制御手段及び制御弁間に介挿されて少なくとも前回の制御終了時の指令値を保持可能な指令値保持手段を有し、前記再始動検出手段でイグニッションスイッチのオン状態への復帰を検出したときに前記指令値保持手段で保持している指令値の更新を所定時間禁止するように構成されていることを特徴としている。
【0011】
この請求項2の発明においては、イグニッションスイッチがオフ状態となった後の制御終了時における姿勢変化抑制制御手段の指令値を指令値保持手段で保持し、この指令値保持状態で例えば圧力保持部を構成するパイロット操作形逆止弁が開状態を維持している時間内にイグニッションスイッチがオン状態に復帰すると、これが再始動検出手段で検出され、再始動時制御手段で指令値保持手段で保持している指令値の更新を所定時間禁止することにより、電源電圧の低下によって姿勢変化抑制制御手段が非作動状態となることによる制御弁に入力される指令値が変動することを防止することができ、流体圧シリンダの圧力変動を確実に阻止することができる。
【0012】
さらに、請求項3に係る能動型サスペンションは、請求項1の発明において、前記再始動時制御手段が、前記姿勢変化抑制制御手段及び制御弁間に介挿されて少なくとも前回の制御終了時の指令値を保持可能な指令値保持手段を有し、前記再始動検出手段でイグニッションスイッチのオン状態への復帰を検出し且つ前記バッテリー圧検出手段でバッテリー電圧低下を検出したときに、前記指令値保持手段で保持している指令値の更新を禁止するように構成されていることを特徴としている。
【0013】
この請求項3の発明においては、再始動時制御手段による制御弁に対する指令値の拘束が再始動検出手段でイグニッションスイッチのオン状態への復帰を検出し且つバッテリー電圧検出手段でバッテリー電圧低下を検出したときのみに限定されるので、バッテリー電圧低下を検出していないときには直ちに正常制御に移行することができ、制御性を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の請求項1の発明に対応する第1実施形態を示す油圧回路図である。図中、FSは流体圧供給装置であって、回転駆動源としてのエンジン2の出力軸2aに連結されて回転駆動され、吸込側がオイルタンク3に接続された油圧ポンプ1と、その吐出側に逆止弁4を介して接続された供給側配管5と、オイルタンク3にオイルクーラー6を介して接続された戻り側配管7とを備え、供給側配管5には脈動吸収用のアキュムレータ8が接続されていると共に、アキュムレータ8の下流側にフィルタ9が介挿されている。フィルタ9には、これと並列にフィルタの目詰まり時のバイパス流路が形成され、このバイパス流路に逆止弁10が介挿されている。
【0017】
そして、供給側配管5及び戻り側配管7の他端が圧力保持部11、フェイルセーフ弁12を介して各車輪に対応する圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート13i及び戻りポート13oに接続されている。
圧力保持部11は、供給側配管5に介挿された逆止弁14と、供給側配管5及び戻り側配管7間に介挿された、通常状態のライン圧P(kg/cm )を設定する通常ライン圧設定用リリーフ弁15と、フェイルセーフ弁12の下流側即ち圧力制御弁13FL〜13RR側のライン圧がパイロット圧Pとして供給されるパイロット操作形逆止弁16と、逆止弁14の直前に直列に介装された電磁開閉弁17及び絞り18の並列回路とを備えている。
【0018】
ここで、パイロット操作形逆止弁16は、パイロット圧Pが予め設定された所定の中立圧P以上であるときには、逆止弁機能を解除してその戻り側配管7を連通状態とする開状態となり、パイロット圧Pが中立圧P未満であるときには、逆止弁機能が作用して、その戻り側配管7を遮断する閉状態となる。また、電磁開閉弁17は、後述する制御装置3からの制御信号CSによって後述するイグニッションスイッチ40がオフ状態からオン状態に切換わったときに数秒程度の所定時間だけソレノイド17aが通電されて閉状態に制御される。
【0019】
フェイルセーフ弁12は、スプリングオフセット形の4ポート2位置電磁開閉弁で構成され、圧力保持部11の逆止弁14の下流側に接続されたPポートと、パイロット操作形逆止弁16の入力ポート16iに接続されたRポートと、圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート13iに接続されたAポートと、戻りポート13oに接続されたBポートとを有し、ソレノイド12aに後述する制御装置32から供給される制御信号CSがオフ状態であり、リターンスプリング12bによって切換えられたノーマル切換位置でPポート及びRポートが遮断され且つAポート及びBポートが互いに連通される状態となり、ソレノイド12aに供給される制御信号CSがオン状態となったオフセット切換位置でPポート及びAポートを直接連通する連通路と、Rポート及びBポート間を直接連通する連通路とが形成される。また、Rポート及びBポート間が外部の絞り12cを介して連通されている。
【0020】
圧力制御弁13FL〜13RRのそれぞれは、入力ポート13i、戻りポート13o及び制御圧ポート13cを有すると共に、制御圧ポート13cと入力ポート13i及び戻りポート13oとを遮断状態に又は制御圧ポート13cと入力ポート13i及び戻りポート13oの何れか一方とを連通させる連通状態に切換えるスプールを有し、このスプールの両端に供給圧と制御圧とがパイロット圧として供給され、さらに供給圧側パイロット圧を比例ソレノイド13sによって制御されるポペット弁で制御する構成を有し、制御圧ポート13cの圧力が常に比例ソレノイド13sに後述する制御装置32から供給される励磁電流IFL〜IRRに応じた圧力となるように制御される。
【0021】
そして、入力ポート13iはフェイルセーフ弁12のAポートに接続され、戻りポート13oはフェイルセーフ弁12のBポートに接続され、さらに制御ポート13cが各車輪と車体との間に介挿された各油圧シリンダ19FL〜19RRの圧力室19aに接続されている。
ここで、励磁電流IFL〜IRRと制御ポート13cから出力される制御油圧Pとの関係は、図2に示すように、指令値IFL〜IRRが零近傍であるときにPMIN を出力し、この状態から指令値IFL〜IRRが正方向に増加すると、これに所定の比例ゲインKをもって制御油圧Pが増加し、圧力保持部11の設定ライン圧Pで飽和する。
【0022】
そして、圧力制御弁13FL及びFRの戻りポート13o及びフェイルセーフ弁12のBポート間を連通する戻り側配管20Fには、背圧吸収用アキュムレータ21Fが接続され、圧力制御弁13RL及び13RRの戻りポート13o及びフェイルセーフ弁12のBポート間を連通する戻り側配管20Rには、背圧吸収用アキュムレータ21Rが接続され、これらによって戻り側配管20F及び20Rを流れる圧力油の管路抵抗等によって発生する背圧を吸収している。
【0023】
なお、22Fはフェイルセーフ弁12のAポート及び圧力制御弁13FL,13FRの入力ポート13i間の油圧配管に接続された蓄圧用のアキュムレータ、22Rはフェイルセーフ弁12のAポート及び圧力制御弁13RL,13RRの入力ポート13i間の油圧配管に接続された蓄圧用のアキュムレータ、23FL〜23RR及び24FL〜24RRは油圧シリンダ19FL〜19RRに入力される路面からの車両バネ下振動の高周波域の圧力変動を吸収するための減衰バルブ及びアキュムレータ、25F,25Rは戻り側配管20F,20Rの異常高圧発生時に、この異常高圧を供給側配管5側に逃がす逆止弁、26は戻り側配管20F,20Rの背圧を常に数kgf/cmに保つことにより、戻り側配管20F,20Rの油柱分離を防止するための絞りである。
【0024】
また、車体には、図3に示すように、姿勢変化検出手段としての車体に発生する横加速度を検出する横加速度センサ28と車体に発生する上下加速度を検出する上下加速度センサ29FL〜29RRとがそれぞれ適所に設けられている。
横加速度センサ28は、横加速度が零であるときに正の中立電圧Vの横加速度検出値YG0を、車両の右旋回による左方向の横加速度が生じたときに、これに比例した横加速度検出値YG0より低い横加速度検出値Yを、車両の左旋回による右方向の横加速度が生じたときに、これに比例した横加速度検出値YG0より高い横加速度検出値Yをそれぞれ出力する。
【0025】
同様に、上下加速度センサ29FL〜29RRも、上下加速度が零であるときに正の中立電圧Vの上下加速度検出値ZG0を、車体に上方に向かう加速度が生じたときに、これに比例した上下加速度検出値ZG0より低い上下加速度検出値Zを、車体に下方に向かう加速度が生じたときに、これに比例した上下加速度検出値YG0より高い上下加速度検出値Zをそれぞれ出力する。
【0026】
さらに、圧力制御弁13FL〜13RRの比例ソレノイド13sのショート、断線、後述する制御弁駆動回路33FL〜33RRの出力異常や車高センサ27FL〜27RR、加速度センサ28,29FL〜29RRの出力異常等の制御系の異常を検出する制御系異常検出手段としての異常状態検出器31が設けられている。
【0027】
そして、横加速度センサ28、上下加速度センサ29FL〜29RR及び異常状態検出器31の各検出値が制御装置32に入力される。
この制御装置32は、図3に示すように、電源供給回路33から電源が供給されるマイクロコンピュータ34と、このマイクロコンピュータ34から出力される各制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRが個別に供給される制御弁駆動回路35FL〜35RRと、同様にマイクロコンピュータ34から出力される制御信号CS及びCSが個別に供給されるフェイルセーフ弁駆動回路36A及び電磁開閉弁駆動回路36Bを備えている。
【0028】
電源供給回路33は、一端がバッテリー37に他端がバッテリー37の電源電圧をマイクロコンピュータ34の使用電圧に変換する電源回路38に接続されたイグニッションリレー39と、このイグニッションリレー39における一端がバッテリー37に接続されたリレーコイル39aの他端にコレクタを接続した2つのスイッチングトランジスタQ及びQとを備えている。
【0029】
そして、イグニッションリレー39の他端がマイクロコンピュータ34に接続され、トランジスタQのベースがイグニッションスイッチ40を介してバッテリー37に接続され、トランジスタQのベースにマイクロコンピュータ34のインタフェース回路34aからの自己保持信号SSが供給され、各トランジスタQ及びQのエミッタが接地されている。
【0030】
また、電源供給回路33は、バッテリー37及び各駆動回路35FL〜35RR、36A及び36B間に介挿された遮断リレー41を有し、この遮断リレー41のリレーコイル41aの一端がバッテリー37に、他端がリレー駆動回路38cに接続されている。
ここで、電源回路38は、図4に示すように、バッテリー電圧Vをマイクロコンピュータ34で使用する所定電圧Vに変換する安定化電源回路38aと、バッテリー37に接続された十分大きな抵抗値を有する電圧検出抵抗Rの検出電圧Vと予め設定された閾値電圧Vとを比較してV≧Vのときに例えば論理値“0”、V<Vのときに論理値“1”となるバッテリー電圧低下信号S を出力する例えばコンパレータで構成されるバッテリー電圧低下検出回路38bと、このバッテリー電圧Vが供給されて各制御弁駆動回路35FL〜35RR及び弁駆動回路36A,36Bに対するバッテリー電源の供給・遮断を行う遮断リレー41を駆動するリレー駆動回路38cと、バッテリー電圧低下検出回路38bから出力されるバッテリー電圧低下検出信号Sが入力され、これに基づいてバッテリー37の劣化状態を判断し、バッテリー37が正常状態であるときに論理値“1”、劣化状態であるときに例えば論理値“0”の制御信号CSを後述するゲート回路46に出力すると共に、リレー駆動回路38cを制御する制御信号CSを出力するバッテリー劣化判断回路38dとを備えている。
【0031】
そして、安定化電源回路38aの出力電圧Vがマイクロコンピュータ34に電源として供給されると共に、リレー駆動回路38cの出力が遮断リレー41に供給され、さらにバッテリー劣化判断回路38の制御信号CSがゲート回路46に供給される。バッテリー劣化判断回路38は、マイクロコンピュータで構成され、図5に示す処理を実行して、初期化によって後述するゲート回路46を制御する制御信号CSを、開状態を表す論理値“1”に設定すると共に、エンジン始動時即ちスタータスイッチがオン状態となっている間にバッテリー電圧低下信号Sが論理値“0”から論理値“1”に変化した時点から論理値“0”に復帰するまでの時間を計測し、この計測時間tによってバッテリー劣化状態を判断し、計測時間tが“0”即ちバッテリー電圧低下信号Sが論理値“0”を継続する場合には正常状態であると判断して制御信号CSを論理値“1”に維持するが、計測時間tが予め設定した設定時間tより短いときには軽度の劣化であると判断してイグニッションスイッチ40がオフ状態となった後にパイロット操作形逆止弁16が開状態を維持している時間に相当する所定時間T以内にイグニッションスイッチ40が再度オン状態に復帰したときに所定時間Tだけ制御信号CSを論理値“0”に設定し、計測時間tが設定時間t以上であるときには重度の劣化と判断して制御信号CSを論理値“0”に設定して処理を終了する。
【0032】
マイクロコンピュータ34は、少なくとも入出力インタフェース回路34a、演算処理装置34b及び記憶装置34cを有し、インタフェース回路34aには、その入力側に横加速度センサ28の横加速度検出値Y、上下加速度センサ29FL〜29RRの上下加速度検出値ZGFL 〜ZGRR がそれぞれA/D変換器42、43FL〜43RRを介して入力され、さらに異常状態検出器31の異常状態検出信号AS及びバッテリー電圧検出回路38bの検出信号S が直接入力され、出力側から出力される圧力指令値PFL〜PRRがD/A変換器44FL〜44RRでアナログ電圧に変換されて、ラッチ回路45FL〜45RRを介して制御弁駆動回路35FL〜35RRに供給されると共に、出力側から出力される制御信号CSがゲート回路46を介してフェイルセーフ弁駆動回路36Aに、制御信号CSが直接電磁開閉弁駆動回路36Bに供給され、さらに自己保持信号SSが電源供給回路33のトランジスタQのベースに供給される。
【0033】
演算処理装置34bは、初期状態で制御信号CS及びCSをオン状態としてから所定時間T経過後に制御信号CSをオフ状態し、その後異常状態検出器31の異常状態検出信号ASがオフ状態であるときには、正常状態であると判断して、入出力インタフェース回路34aを介して横加速度センサ28の横加速度検出値Yを読込んで、この横加速度検出値Yに基づくロール抑制圧力指令値PLを算出すると共に、上下加速度センサ29FL〜29RRの上下加速度検出値ZGFL 〜ZGRR を読込んで、この上下加速度検出値ZGFL 〜ZGRR に基づきバウンス抑制圧力指令値PBFL〜PBRRを算出し、各圧力指令値を加減算して車体の姿勢変化を抑制する圧力指令値PFL〜PRRを算出し、これら圧力指令値PFL〜PRRをインタフェース回路34aを介してD/A変換器44FL〜44RRに出力する姿勢変化抑制制御処理を実行する。
【0034】
また、演算処理装置34bは、異常状態検出器31の異常状態検出信号ASがオン状態であるときには、制御系に異常が生じたものと判断し、圧力指令値PFL〜PRRを徐々に変化させて所定の中立圧Pに一致させた後制御信号CSをオフ状態としてフェイルセーフ弁12を第2の切換位置に切換える。
記憶装置34cは、ROM,RAM等で構成され、前記演算処理装置34bの演算処理に必要なプログラムを予め記憶していると共に、演算処理装置34bの演算結果を逐次記憶する。
【0035】
なお、マイクロコンピュータ34は、バッテリー電圧検出回路38bから出力される検出信号Sがリセット信号として供給され、バッテリー電圧Vが設定電圧以下に低下している間リセットされる。
また、制御弁駆動回路35FL〜35RRのそれぞれは、例えばフローティング型の定電流回路で構成され、入力される圧力指令電圧VFL〜VRRに応じた励磁電流IFL〜IRRを各圧力制御弁13FL〜13RRの比例ソレノイド13sに供給する。また、フェイルセーフ弁駆動回路36A,電磁開閉弁駆動回路36B及びリレー駆動回路36Cのそれぞれは、入力される制御信号CS1,CS及びCSが論理値“0”であるときにフェイルセーフ弁12,電磁開閉弁17及び遮断リレー41への通電を停止し、論理値“1”であるときに所定電流値の通電を行う。
【0036】
さらに、ラッチ回路45FL〜45RRのそれぞれは、マイクロコンピュータ34から出力されるラッチ信号C がオン状態となる毎にD/A変換器44FL〜44RRの出力電圧VFL〜VRRを保持して、これを制御弁駆動回路35FL〜35RRに出力する。次に、上記実施例の動作を電源供給回路38のバッテリー劣化判断回路の処理手順を示す図5のフローチャート及びマイクロコンピュータ34の演算処理装置34bの処理手順を示す図6のフローチャートを伴って説明する。
【0037】
図5の電源供給制御処理は、例えばアクセサリースイッチがオン状態となったときに実行開始され、先ずステップS1で論理値“1”の制御信号CSをゲート回路46に出力し、次いでステップS2に移行してイグニッションスイッチ40がオン状態であるか否かを判定し、オフ状態であるときにはオン状態となるまで待機し、オン状態であるときにはステップS3に移行する。
【0038】
このステップS3では、論理値“1”の制御信号CSをリレー駆動回路38cに出力して、このリレー駆動回路38cから遮断リレー41に所定値の励磁電流を通電して、遮断リレー41を付勢状態として、各制御弁駆動回路35FL〜35RR及び弁駆動回路36A,36Bに通電を開始する。
次いで、ステップS4に移行して、バッテリー電圧低下検出回路38bの検出信号Sを読込み、次いでステップS5に移行して読込んだ検出信号Sが論理値“1”であるか否かを判定する。この判定は、バッテリー37の出力電圧Vが設定電圧V未満に低下しているか否かを判断するものであり、S=“0”であるときには、バッテリー37が正常であるものと判断してステップS6に移行し、通常のエンジン始動時のスタータ駆動によるバッテリー電圧Vが低下している時間Tが経過したか否かを判定し、所定時間Tが経過していないときには前記ステップS5に戻り、所定時間Tが経過したときには、バッテリー37が正常であるものと判断してステップS7に移行して、バッテリー37の劣化状態を表す制御フラグF1及びF2を共に“0”にセットしてからステップS16に移行する。
【0039】
一方、ステップS5の判定結果がバッテリー電圧低下検出信号Sが論理値“1”であるときには、バッテリー劣化を生じているものと判断してステップS8に移行する。このステップS8では、検出信号Sが“1”に反転したときからの経過時間を計測するタイマを起動し、次いでステップS9に移行して制御信号CSを論理値“0”に反転させ、これによってリレー駆動回路38cによる遮断リレー41への通電を停止して、各駆動回路35FL〜35RR及び36A,36Bへの通電を遮断する。
【0040】
次いで、ステップS10に移行して、バッテリー電圧低下検出信号Sを読込んでこれが論理値“0”に復帰したか否かを判定し、論理値“1”の状態を継続しているときにはそのまま待機し、論理値“0”に復帰したときにはステップS11に移行する。
このステップS11では、タイマの計測時間tを読込んでこれが予め設定した設定時間t以上であるか否かを判定し、t<tであるときには軽度のバッテリー劣化であると判断してステップS12に移行して、制御フラグF1を“1”にセットすると共に、制御フラグF2を“0”に維持してからステップS14に移行し、t≧tであるときには重度のバッテリー劣化であると判断してステップS13に移行して、制御フラグF1及びF2を共に“1”にセットし且つバッテリー劣化状態を表す表示ランプ等の警告表示部を点灯してからステップS14に移行する。
【0041】
ステップS14では、制御信号CSを論理値“1”に復帰させ、これによってリレー駆動回路38cによる遮断リレー41への通電を復帰して、各駆動回路35FL〜35RR及び36A,36Bを通電状態とし、次いで、ステップS15に移行して、タイマの計測値を“0”にリセットしてからステップS16に移行する。
【0042】
ステップS16では、イグニッションスイッチ40がオフ状態となったか否かを判定し、イグニッションスイッチ40がオン状態を継続しているときにはこれがオフ状態となるまで待機し、オフ状態となったときにはステップS17に移行する。
ステップS17では、イグニッションスイッチ40がオフ状態となってから圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16が開状態を維持している可能性がある最大時間に相当する所定時間tが経過したか否かを判定し、所定時間tが経過したときにはそのまま電源供給制御処理を終了し、所定時間tが経過していないときにステップS18に移行する。
【0043】
このステップS18では、イグニッションスイッチ40が再度オン状態となったか否かを判定する。この判定は、エンジンを再始動する状態となったか否かを判定するものであり、イグニッションスイッチ40がオフ状態を継続しているときには前記ステップS17に戻り、イグニッションスイッチ40がオン状態に復帰したときにはステップS19に移行する。
【0044】
このステップS19では、制御フラグF1がバッテリー37の異常状態を表す“1”にセットされているか否かを判定し、F1=“0”であるときには、バッテリー37が正常であるものと判断して前記ステップS4に戻って処理を継続し、F1=“1”であるときにはバッテリー劣化が生じたものと判断してステップS20に移行する。
【0045】
このステップS20では、論理値“0”の制御信号CSを出力して、ゲート回路46を閉状態とし、これによってフェイルセーフ弁駆動回路36Aに対する通電を遮断し、フェイルセーフ弁12を閉状態に制御する。
次いで、ステップS21に移行して、制御フラグF2が軽度のバッテリー劣化を表す“0”にセットされているか否かを判定し、F2=“1”であるときには、重度のバッテリー劣化が生じているものと判断して、そのまま電源供給制御処理を終了し、F2=“0”であるときには軽度のバッテリー劣化であると判断してステップS22に移行して、エンジンの再始動時のスタータ駆動によるバッテリー電圧Vが低下している時間に相当する所定時間Tが経過したか否かを判定し、所定時間Tが経過していないときにはこれが経過するまで待機し、所定時間Tが経過したときにはステップS23に移行する。
【0046】
このステップS23では、論理値“1”の制御信号CSを出力して、ゲート回路46を開状態とし、これによってフェイルセーフ弁駆動回路36Aに対する通電を再開し、フェイルセーフ弁12を開状態に制御してから前記ステップS16に戻る。
ここで、図5のステップS5〜ステップS15の処理及びバッテリー電圧検出回路38bがバッテリー電圧検出手段に対応し、ステップS17及びS18の処理が再始動検出手段に対応し、ステップS19〜S23の処理が再始動時制御手段に対応している。
【0047】
一方、図6の姿勢変化抑制制御処理は、イグニッションスイッチ40がオン状態となると、電源供給回路33のトランジスタQがオン状態となり、これに応じてイグニッションリレー39がオン状態となって、安定化電源回路38aから出力される電源がマイクロコンピュータ34に供給開始されることによって実行開始されると共に、電源供給回路38からのバッテリー電圧低下検出信号Sがオン状態となっているリセット状態が解除されたときにも実行開始される。
【0048】
すなわち、先ずステップS31で制御信号CS,CSをオン状態として、フェイルセーフ弁12を開状態、電磁開閉弁17を閉状態とすると共に、自己保持信号SSをオン状態とし、さらに各圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRを中立圧Pに設定する。
次いで、ステップS32に移行して、パイロット操作形逆止弁16が全開状態となるに十分な所定時間T(数秒程度)が経過したか否かを判定し、所定時間Tが経過していないときにはこれが経過するまで待機し、所定時間Tが経過したときには、ステップS33に移行して制御信号CSをオフ状態として電磁開閉弁17を開状態としてからステップS34に移行する。
【0049】
このステップS34では、横加速度センサ28の横加速度検出値Yを読込み、次いでステップS35に移行してこの横加速度検出値Yから横加速度Yが零であるときの加速度検出値YG0を減算することにより、左旋回時の横加速度を正、右旋回時の横加速度を負とする実際の横加速度に対応した実横加速度検出値YGRを算出し、次いでステップS36に移行して実横加速度検出値YGRに所定のゲインKを乗算してロール抑制圧力指令値PLを算出し、これを記憶装置34cのロール抑制圧力指令値記憶領域に更新記憶してからロール制御処理を終了してステップS37に移行する。
【0050】
このステップS37では、上下加速度センサ29FL〜29RRの上下加速度検出値ZGFL 〜ZGRR を読込み、次いでステップS8に移行して上下加速度検出値ZGFL 〜ZGRR から上下加速度Zが零であるときの加速度検出値ZG0を減算することにより、車体が上方に移動する時の加速度を負、車体が下方に移動する時の加速度を正とする実際の上下加速度に対応した実上下加速度検出値XGRFL〜XGRRRを算出し、次いでステップS9に移行して実上下加速度検出値XGRFL〜XGRRRに所定のゲインKを乗算してバウンス抑制圧力指令値PBFL〜PBRRを算出し、これを記憶装置34cのバウンス抑制圧力指令値記憶領域に更新記憶してからバウンス制御処理を終了してステップS40に移行する。
【0051】
このステップS40では、記憶装置34cのロール抑制圧力指令値記憶領域及びバウンス抑制圧力指令値記憶領域にそれぞれ記憶されている各圧力指令値PL及びPBFL〜PBRRを読出し、これらに基づいて下記(1)〜(4)式の演算を行って各圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRを算出する。
【0052】
FL=PNF−PL+PBFL …………(1)
FR=PNF+PL+PBFR …………(2)
RL=PNR−PL+PBRL …………(3)
RR=PNR+PL+PBRR …………(4)
次いで、ステップS41に移行して、ラッチ回路45FL〜45RRに対してラッチ信号CSを出力し、これによってD/A変換器44FL〜44RRの出力電圧VFL〜VRRを保持させ、これを制御弁駆動回路35FL〜35RRに出力し、次いでステップS42に移行して、上記ステップS40で算出した圧力指令値PFL〜PRRをD/A変換器44FL〜44RRに出力してからステップS43に移行する。
【0053】
このステップS43では、各センサ27FL〜27RR、28〜30、圧力制御弁13FL〜13RR及び制御装置32を含む制御系に異常が発生したか否かを判定する。この判定は、異常状態検出器31の異常状態検出信号ASがオン状態であるか否かによって行い、異常状態検出信号ASがオン状態であるときには、制御系が異常状態となったものと判断してステップS44に移行し、各圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値Pが中立圧Pと等しいか否かを判定する。
【0054】
この判定結果がP=Pであるときには、ステップS45に移行して、制御信号CSをオフ状態としてフェイルセーフ弁12を閉じ、且つ制御信号CSをオフ状態として遮断リレー41を非付勢状態として、各制御弁35FL〜35RR及び36A〜36Cへの通電を遮断してから姿勢変化抑制制御処理を終了し、P≠PであるときにはステップS46に移行する。
【0055】
このステップS46では、各圧力指令値Pが中立圧Pを越えているか否かを判定し、P>Pであるときには、ステップS47に移行して前回の圧力指令値Pi(j−1)から所定値即ち大きな車高変化を生じない程度の値ΔPを減算して新たな圧力指令値Pi(j)を算出してこれを更新記憶すると共に、圧力制御弁13iに出力してからステップS44に戻り、P<Pであるときには、ステップS48に移行して前回の圧力指令値Pi(j−1)に所定値ΔPを加算して新たな圧力指令値Pi(j)を算出してこれを更新記憶すると共に、圧力制御弁13iに出力してからステップS44に戻る。
【0056】
一方、ステップS43の判定結果が異常状態検出信号ASがオフ状態であって制御系が正常であるときには、ステップS49に移行する。
このステップS49では、イグニッションスイッチ40がオフ状態となったか否かを判定し、オン状態を継続しているときには前記ステップS34に戻り、オフ状態となったときにはステップS50に移行する。
【0057】
このステップS50では、イグニッションスイッチ40がオフ状態となった時点から予め設定した圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16が全閉状態となるに十分な所定時間Tが経過したか否かを判定し、所定時間Tが経過していないときには、ステップS51に移行して、各圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値Pが中立圧Pと等しいか否かを判定し、P=Pであるときには、直接ステップS28に移行し、P≠Pであるときには、ステップS52に移行する。
【0058】
このステップS52では、各圧力指令値Pが中立圧Pを越えているか否かを判定し、P>Pであるときには、ステップS53に移行して前回の圧力指令値Pi(j−1)から所定値即ち大きな車高変化を生じない程度の値ΔPを減算して新たな圧力指令値Pi(j)を算出してこれを更新記憶すると共に、圧力制御弁13iに出力してからステップS50に戻り、P<Pであるときには、ステップS54に移行して前回の圧力指令値Pi(j−1)に所定値ΔPを加算して新たな圧力指令値Pi(j)を算出してこれを更新記憶すると共に、圧力制御弁13iに出力してから前記ステップS50に戻る。
【0059】
一方、ステップS50で所定時間Tが経過したと判定されたときには、ステップS55に移行して自己保持信号SSをオフ状態として、電源供給回路33のトランジスタQをオフ状態としてマイクロコンピュータ34への電源の供給を遮断してから姿勢変化抑制制御処理の実行を終了する。
ここで、図5の姿勢変化抑制処理が姿勢変化抑制手段に対応し、ステップS43〜ステップS48の処理及びフェイルセーフ弁12が異常作動手段に対応している。
【0060】
したがって、今、車両が平坦な路面でイグニッションスイッチ40をオフ状態として所定時間T以上停車している状態では、エンジン2が停止しているので、流体圧供給装置FSから出力される作動油圧は零となっており、圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16が閉状態となって、圧力制御弁13FL〜13RR側の油圧制御系が閉回路となってその圧力がパイロット操作形逆止弁16の設定圧P又はこれより僅かに低下した圧力に保持されている。
【0061】
この状態で、イグニッションスイッチ40をオン状態とすることにより、マイクロコンピュータ34に電源が供給されると共に、スタータスイッチをオン状態とすることによりエンジン2が始動されて、流体圧供給装置FSの作動油圧が上昇する。
このとき、電源供給回路38では、図5の電源供給制御処理がイグニッションスイッチ40のオン状態の前にオン状態となるアクセサレリースイッチによってバッテリー電源が投入されていることにより、バッテリー劣化判断回路38dで図5の電源供給制御処理が実行開始されている。
【0062】
このため、先ず論理値“1”の制御信号CSがゲート回路46に出力されることにより、このゲート回路46が開状態に制御され、このゲート回路46を通じてのフェイルセーフ弁駆動回路36Aへの通電が可能な状態となる。
その後、イグニッションスイッチ40がオン状態となると、論理値“1”の制御信号CSがリレー駆動回路38cに出力されることにより、このリレー駆動回路38cでイグニッションリレー41が付勢され、これによってバッテリー電源Vが各制御弁駆動回路35FL〜35RR及びフェイルセーフ弁駆動回路36A,電磁開閉弁駆動回路36Bがバッテリー37に通電される。
【0063】
この状態で、スタータスイッチをオン状態としてスタータモータを駆動することにより、エンジンを始動させると、これに伴ってスタータモータの消費電力が大きいことによりバッテリー電圧Vが低下することになるが、バッテリー37が正常状態であるときには、バッテリー電圧の低下幅が小さく、安定化電源回路38aから出力される出力電圧がマイクロコンピュータ34の動作を保証し得る電圧に影響を与えることがなく、このためバッテリー電圧検出回路38bの検出信号Sは論理値“0”の状態を維持しており、マイクロコンピュータ34はリセット状態となることなく、姿勢変化抑制状態を継続する。なお、スタータスイッチをオン状態とすると、その間必要最低限の回路を除いく他の回路は通電遮断状態に制御されて、エンジンの始動が優先される。
【0064】
そして、バッテリー電圧検出回路38bの検出信号Sが論理値“0”の状態がバッテリー電圧Vが設定電圧Vより低下してから設定電圧Vに復帰するまでの最長時間に相当する所定時間Tが経過するまで維持されると、バッテリー37が正常であると判断して、制御フラグF1及びF2を正常状態を表す“0”にセットする。
【0065】
この状態が、イグニッションスイッチ40がオフ状態となるまで継続され、この間にマイクロコンピュータ34による姿勢変化抑制処理が実行される。
この姿勢変化抑制制御処理では、初期時にフェイルセーフ弁12が開状態に制御されると共に、電磁開閉弁17が閉状態に制御されることにより、流体圧供給装置FSからの作動油圧が絞り18を介してのみ逆止弁14に供給される。このため、油圧制御系の保持圧Pが中立圧Pより低下している場合には、流体圧供給装置FSの作動油圧が保持圧P以上となったときに、絞り18のみを介して閉回路内に供給されることになり、閉回路内の圧力が徐々に上昇し、これに伴って油圧シリンダ19FL〜19RRの圧力も徐々に上昇するので、車高が徐々に上昇される。
【0066】
その後、閉回路の圧力が中立圧P以上となると、パイロット操作形逆止弁16が全開状態となり、圧力保持状態が解除されるが、初期化によって圧力制御弁13FL〜13RRの制御圧Pが中立圧Pを維持しているので、油圧シリンダ19FL〜19RRの圧力は中立圧Pに維持される。
その後、所定時間Tが経過すると、演算処理装置34bによって制御信号CSがオフ状態とされるので、電磁開閉弁17が開状態となり、次いで、横加速度センサ28、上下加速度センサ29FL〜29RRの検出値に基づいてロール、バウンス等の姿勢変化を抑制するように圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRの制御が開始される。
【0067】
したがって、この停止状態から車両を走行させたときの横加速度又は上下加速度によって生じる車両のロール又はバウンスを抑制して車体をフラットな状態に維持することができる。
ところで、車両の走行中に、加速度センサ28,29FL〜29RR及び圧力制御弁13FL〜13RRに、コネクタの接触不良、電源電圧の低下等基づく一時的な異常状態が発生したときには、この異常状態が異常状態検出器31によって検出され、その異常状態検出信号ASがオン状態となる。このため、図のステップS43からステップS44〜S48の異常処理が実行され、これによって、各圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRが中立圧Pに徐々に収斂され、中立圧Pに一致したときに制御信号CSがオフ状態となって、フェイルセーフ弁12が閉状態となる。
【0068】
したがって、圧力制御弁13FL〜13RRに対する流体圧供給装置FSからの作動油圧の供給が遮断され、且つ圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート13iが絞り12cを介してパイロット操作形逆止弁16に連通される。その結果、パイロット操作形逆止弁16のパイロット圧Pも低下し、これが中立圧Pに達するとパイロット操作形逆止弁16が全閉状態となり、圧力制御弁13FL〜13RR側の油圧制御系が閉回路となり、その後戻り側配管20F,20R及び背圧吸収用アキュムレータ21F,21Rの圧力上昇に伴って、閉回路内の圧力が中立圧Pより僅かに低下する。
【0069】
この状態では、閉回路内の圧力が中立圧P近傍の一定値に保持されることにより、油圧シリンダ19FL〜19RRの圧力も中立圧P近傍の圧力となり、標準積載時の車重を目標車高に保つことが可能となる。このとき、油圧シリンダ19FL〜19RRに車輪側からばね下振動の高周波域の振動が入力されたときには、この振動入力を減衰バルブ23FL〜23RR及びアキュムレータ24FL〜24RRによって吸収することができると共に、路面の凹凸による比較的大きな振動入力が入力されたときには、これによる油圧シリンダ19FL〜19RRの圧力上昇分を圧力制御弁13FL〜13RRの制御圧ポート13c及び戻りポート13o及び逆止弁25F,25Rを介してアキュムレータ22F,22Rで吸収することができ、その結果通常の受動型サスペンションと同様の機能を発揮することができる。
【0070】
一方、車両の走行状態から車両を停止させて、イグニッションスイッチ40をオフ状態とすると、図6の処理において、ステップS49からステップS50に移行して、制御終了処理を実行する。
この制御終了処理は、所定時間Tが経過するまでの間に前述した異常状態処理と同様に、各圧力制御弁13iに対する圧力指令値Pを中立圧指令値Pに徐々に収斂させ、所定時間Tを経過すると、自己保持信号SSをオフ状態とすることにより、イグニッションリレー39をオフ状態として自ら入力電源を遮断することにより、姿勢変化抑制制御処理を終了する。
【0071】
ところで、イグニッションスイッチ40がオフ状態となると、前述した図5の電源供給制御処理において、ステップS17に移行し、圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16が開状態を維持している最長時間に対応する所定時間Tが経過する迄の間はイグニッションスイッチ40のオン状態の復帰を監視する。そして、所定時間Tの間にイグニッションスイッチ40がオン状態に復帰しないときには、そのまま電源供給制御処理を終了するが、所定時間Tが経過する前にイグニッションスイッチ40がオン状態に復帰すると、前述したように前回のイグニッションスイッチ40がオン状態となった制御開始時にバッテリー37が正常であって制御フラグF1が“0”にセットされているので、そのままステップS4に戻って、制御信号CSを論理値“1”としてゲート回路46を開状態としたままバッテリー電圧検出処理を実行する。
【0072】
このとき、バッテリー37が正常であることにより、スタータスイッチをオン状態としてスタータモータを駆動してもバッテリー電圧Vが設定電圧Vより低下しないことにより、バッテリー電圧検出回路38bの検出信号Sが論理値“0”を維持し、マイクロコンピュータ34もリセットされることなく前回の姿勢変化抑制処理を継続する。このため、フェイルセーフ弁駆動回路36Aに対する制御信号CSはオン状態を継続し、ゲート回路46も開状態であるので、フェイルセーフ弁12の通電状態が維持されて、これが開状態を継続し、正常な姿勢変化抑制制御を行うことができる。
【0073】
一方、圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16が閉じており、且つ電源供給回路38からのマイクロコンピュータ34への通電が遮断されている状態で、イグニッションスイッチ40をオン状態とすると、前述したようにバッテリー電圧検出処理が実行される。
このときに、バッテリー37が軽度の劣化状態となっているときには、図7に示すように、イグニッションスイッチ40をオン状態とした時点tではバッテリー電圧Vは図7(b)に示すように設定電圧V以上であるので、バッテリー電圧検出回路38bの検出信号Sは論理値“0”を維持するが、スタータスイッチをオン状態としてスタータモータを駆動した時点tではバッテリー電圧Vが設定電圧V以下まで低下し、バッテリー電圧検出回路38bの検出信号Sが論理値“1”に反転する。
【0074】
このため、マイクロコンピュータ34が図7(c)に示すようにリセット状態となって、これから出力される圧力指令値PFL〜PRRが“0”となると共に、遮断リレー41が図7(d)に示すように非付勢状態となり、各駆動回路35FL〜35RR及び36A,36Bへの通電が停止される。
これによって、圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRは図7(e)に示すように初期状態の中立圧指令値Pから“0”に低下し、フェイルセーフ弁12は図7(f)に示すように駆動回路36Aからの通電が遮断されることにより、開状態から閉状態に切換わる。このとき、圧力制御弁13FL〜13RRとフェイルセーフ弁12とでは前者が後者に対して例えば200msec程度応答が速く、圧力制御弁13FL〜13RRが先に制御圧ポート13cを戻りポート13oに連通し、その後にフェイルセーフ弁12が時点tで閉状態となることになる。
【0075】
しかしながら、この初期状態では、前述したように圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16が閉状態であって、フェイルセーフ弁12、圧力制御弁13FL〜13RR及び油圧シリンダ19FL〜19RRを含む油圧制御系が圧力保持状態となっているため、油圧シリンダ19FL〜19RRに圧力変動を生じることはなく、車高は図7(g)に示すように略標準車高を維持する。
【0076】
ところが、その後、エンジンが始動してスタータモータの駆動を停止して、スタータスイッチをオフ状態としてイグニッションスイッチ40のみをオン状態とすると、スタータモータの消費電力がなくなることにより、タイマのカウント値tが設定値tに達する前の時点tでバッテリー電圧Vが設定電圧Vを越えるまでに回復すると、バッテリ電圧検出回路38bの検出信号Sが論理値“0”に復帰する。
【0077】
このため、図5のステップS5〜ステップS15のバッテリー電圧検出処理で、タイマのカウント値t<tであるので、軽度のバッテリー劣化と判断されて制御フラグF1が“1”にセットされ、制御フラグF2は“0”に維持される(ステップS12)。
また、マイクロコンピュータ34のリセット状態も解除されて、バッテリー37が正常状態であるときと同様に図6の姿勢変化抑制制御処理が実行される。
【0078】
その後、イグニッションスイッチ40をオフ状態とし、このオフ状態をパイロット操作形逆止弁16が閉状態となる時間に相当する所定時間T4 が経過するまで維持したときには、図5の電源供給制御処理を終了すると共に、図6の姿勢変化抑制制御処理も終了するが、所定時間T4 内の時点t 10 イグニッションスイッチ40をオン状態に復帰させると、図5の処理において、ステップS18からステップS19に移行し、制御フラグF1が“1”にセットされていることにより、ステップS20に移行し、制御信号CSが論理値“0”に反転され、これによってゲート回路46が閉じてフェイルセーフ弁駆動回路36Aに対する制御信号CSが遮断され、これによって駆動回路36Aからのフェイルセーフ弁12への通電が遮断されることにより、200msec程度遅れた時点t11でフェイルセーフ弁12が閉状態に切換えられる。
【0079】
このように、フェイルセーフ弁12が閉状態となることにより、各圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート13i及び戻りポート13oが共に絞り12cを介して圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16に連通することになり、フェイルセーフ弁12及び圧力制御弁13FL〜13RR間のパイロット操作形逆止弁16のパイロット圧が急激にドレン圧(大気圧近傍の値)まで低下し、パイロット操作形逆止弁16が瞬間的に閉状態となる。
【0080】
その後、時点t11より僅かに遅れた時点t12でスタータスイッチをオン状態としてエンジンを再始動すると、前述したように、バッテリー37が軽度の劣化状態であるので、バッテリー電圧Vが時点tと同様に低下し、これによってマイクロコンピュータ34がリセット状態とな、遮断リレー41は付勢状態となり、各駆動回路35FL〜35RR,36A及び36Bに対する通電は停止される。
【0081】
これに応じて圧力制御弁13FL〜13RRの圧力指令値PFL〜PRRが“0”に急激に低下して、制御ポート13cと戻りポート13oとが連通することなるが、その前の時点t11でフェイルセーフ弁12が閉じて、パイロット操作形逆止弁16が閉状態となっていると共に、圧力制御弁13FL〜13RRの入力ポート13i及び出力ポート13oが連通状態となって、略同一圧力となっていることにより、従来例のように圧力制御弁13FL〜13RRの制御圧ポート13cと戻りポート13oとの連通によるパイロット操作形逆止弁16を介してタンク3に連通する連通路が形成されることを確実に防止することができ、車高変動を防止することができる。
【0082】
なお、パイロット操作形逆止弁16が閉状態となったときのフェイルセーフ弁12及び圧力制御弁13FL〜13RR間の封入圧が中立圧より高いときには、再度パイロット操作形逆止弁16が開状態となり、封入されている作動油が絞り12c及びパイロット操作形逆止弁16を介してタンク3に戻るため、封入圧が中立圧まで徐々に低下され、目標車高に維持される。
【0083】
その後、時点t13でバッテリー電圧Vが設定電圧Vを越えて回復すると、マイクロコンピュータ34のリセット状態が解除され、新たな姿勢変化抑制制御が開始されると共に、その後所定時間Tが経過した時点t14で制御信号CSが論理値“1”に反転され、これによってゲート回路46がオン状態となることにより、マイクロコンピュータ34からの論理値“1”の制御信号CSがフェイルセーフ弁駆動回路36Aに入力され、これによってフェイルセーフ弁12が通電され、これが開状態に復帰する。
【0084】
このため、流体供給装置FSから供給されるライン圧がフェイルセーフ弁12を通じて圧力制御弁13FL〜13RRに供給開始され、これに応じてパイロット操作形逆止弁16のパイロット圧が中立圧Pより高くなることにより、パイロット操作形逆止弁16が開状態となって正常制御状態に復帰する。
さらに、電源供給回路38の初期状態でのバッテリ電圧検出処理で、バッテリー37に重度の劣化状態を生じていて、タイマのカウント値tが設定値tを越えたときには、制御フラグF1及びF2が共に“1”にセットされるので、一旦イグニッションスイッチ40をオフ状態とした後所定時間T以内に再度オフ状態に復帰させたときには、制御信号CSを論理値“0”に反転させた状態でステップS21を経て電源供給制御処理を終了することにより、フェイルセーフ弁12が閉状態を継続し、前述した異常制御状態と同様の状態で車両を走行させることができる。
【0085】
このバッテリー37の重度の劣化状態では、ステップS13で制御フラグF1及びF2を“1”にセットすると共に、バッテリー劣化を表示する警告表示部が点灯されることにより、乗員にバッテリー劣化状態を報知することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、バッテリー37の劣化状態を軽度と重度とに分けて検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、バッテリー電圧Vが設定電圧Vより低下した場合にはバッテリー劣化状態であると判断して、再始動時のイグニッションスイッチ40をオン状態としたときに所定時間だけ制御信号CSを論理値“0”に制御するか又は制御信号CSを論理値“0”に保持するようにしてもよい。
【0086】
また、上記第1の実施形態においては、イグニッションスイッチ20を再度オン状態に復帰させた時点で制御信号CSを論理値“0”に反転させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、イグニッションスイッチ40をオフ状態にした時点或いはイグニッションスイッチ40を再度オン状態に復帰させてからマイクロコンピュータ34がリセット状態となる時点よりフェイルセーフ弁12の圧力制御弁13FL〜13RRに対する応答遅れ時間分早い時点で制御信号CSを論理値“0”に反転させるようにしてもよい。
【0087】
次に、本発明の第2の実施形態を図8及び図9について説明する。
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態における電源供給回路38で行う電源供給制御処理内に再始動時のフェイルセーフ弁12の開閉制御処理を含ませた場合に代えて、図6の姿勢変化抑制制御処理内に再始動時のフェイルセーフ弁開閉制御を含ませるようにしたものである。
【0088】
この第2の実施形態では、電源供給回路38が、図8に示すように、安定化電源回路38aと、バッテリー電圧検出回路38bと、初期状態でリセットされ、バッテリー電圧検出回路38bの検出信号Sが論理値“1”となったときにセットされるフリップフロップ回路38eとで単にバッテリー電圧Vが設定電圧V以下に低下したことを検出する回路構成とされ、フリップフロップ回路38eの肯定出力端子からバッテリー電圧低下時に論理値“1”となるバッテリー電圧低下判定信号Sが出力されるように構成され、このバッテリー電圧低下判定信号Sがマイクロコンピュータ34の入出力インタフェース回路34aに入力され、これに応じてゲート回路46が省略されている。
【0089】
また、マイクロコンピュータの入出力インタフェース回路34aから出力される制御信号CSが夫々遮断リレー41を駆動するリレー駆動回路38cに供給されると共に、演算処理装置34bで実行される姿勢変化抑制制御処理が図9に示すように変更されている。この姿勢変化抑制制御処理は、ステップS31の初期化処理に制御信号CSを論理値“1”に設定する処理が追加されているが、ステップS32〜ステップS55までは前述した図6の姿勢変化抑制制御処理と全く同様の処理を行い、さらにステップS51の判定結果がP=Pであるとき、及びステップS53及びステップS54の処理が終了したときに夫々ステップS56に移行し、イグニッションスイッチ40が再度オン状態に復帰したか否かを判定し、イグニッションスイッチ40がオフ状態を継続するときには前記ステップS50に戻り、オフ状態からオン状態に復帰したときにはステップS57に移行する。
【0090】
このステップS57では、電源供給回路38のフリップフロップ回路38eから出力されるバッテリー電圧低下判定信号Sを読込み、次いでステップS58に移行してバッテリー電圧低下判定信号Sが論理値“1”であるか否かを判定する。
この判定結果がS=“0”であるときにはバッテリー37が正常であるものと判断して前記ステップS34に戻り、S=“1”であるときにはバッテリー37が劣化状態であると判断してステップS59に移行する。
【0091】
このステップS59では、制御信号CSを論理値“0”に反転させてフェイルセーフ弁駆動回路36Aのフェイルセーフ弁12への通電を遮断させ、次いでステップS60に移行して、フェイルセーフ弁12の圧力制御弁13FL〜13RRに対する応答遅れ時間例えば200msecより長い所定時間T(例えば500msec程度)が経過したか否かを判定し、所定時間Tが経過していないときにはこれが経過するまで待機し、所定時間Tが経過したときにはステップS61に移行する。
【0092】
このステップS61では、圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRを“0”に設定し、次いでステップS62に移行して論理値“0”の制御信号CSを出力して、リレー駆動回路36Cの遮断リレー41への通電を遮断して、各弁駆動回路35FL〜35RR,36A〜36Cへのバッテリー電圧の供給を遮断してから姿勢変化抑制制御処理を終了する。
【0093】
この第2の実施形態によると、電源供給回路38のバッテリー電圧検出回路38bでバッテリー電圧低下を検出したときにフリップフロップ回路38eがセットされてバッテリー電圧低下判定信号Sが論理値“1”となることにより、一旦イグニッションスイッチ40をオフ状態した後に圧力保持部11のパイロット操作形逆止弁16が閉となる時間に相当する所定時間Tが経過する前にオン状態に復帰したときに、先ずフェイルセーフ弁12が閉状態に制御され、その後フェイルセーフ弁12の圧力制御弁13FL〜13RRに対する応答遅れ時間より長い所定時間Tが経過したときに圧力制御弁13FL〜13RRに対する圧力指令値PFL〜PRRが“0”に設定され、且つ遮断リレー41が非付勢状態に制御されて各駆動回路35FL〜35RR,36A〜36Cに対する通電が停止されるので、フェイルセーフ弁12が閉状態となってから圧力制御弁13FL〜13RRの制御圧ポート13c及び戻りポート13oが連通状態となり、前述した第1の実施形態と全く同様の作用効果を得ることができる。
【0094】
次に、本発明の第3の実施形態を図10及び図11について説明する。
この第3の実施形態は、上記第1及び第2の実施形態では、圧力制御弁13FL〜13RRの制御圧ポート13c及び戻りポートが連通状態となる前にフェイルセーフ弁12を閉状態とする場合に代えて、圧力制御弁13FL〜13RRに対する励磁電流を維持するようにしたものである。
【0095】
すなわち、第3の実施形態では、図10に示すように、ラッチ回路45FL〜45RR及び制御弁駆動回路35FL〜35RRに対してエンジン始動時にバッテリー電圧Vが優先的に供給するように構成し、且つラッチ回路45FL〜45RRに対するラッチ信号CSをアンドゲート47を介して供給するようにし、さらに電源供給回路38を図8と同様に構成すると共に、マイクロコンピュータ34での姿勢変化抑制制御処理を図11に示すように前記第2実施形態における図9の処理において、ステップS57以降の処理が省略され、これに代えて論理値“1”の再始動検出信号RSを出力してからステップS34に戻るステップS65が設けられている。
【0096】
そして、電源供給回路38のフリップフロップ回路38eのバッテリー電圧低下判定信号Sと、マイクロコンピュータ34から出力される再始動検出信号RSがアンドゲート48に供給され、このアンドゲート48の出力信号がスタータモータ駆動時のバッテリー電圧低下時間に相当する時間幅のパルス信号を形成する単安定回路49にトリガー信号として入力され、この単安定回路49の出力パルス信号SMがアンドゲート47の反転入力側に供給されている。
【0097】
この第3の実施形態によると、イグニッションスイッチ40をオフ状態とした後に所定時間Tが経過する前にイグニッションスイッチ40が再度オン状態に復帰したときには、マイクロコンピュータ34から論理値“1”の再始動検出信号RSがナンドゲート48に出力される。
このとき、電源供給回路38のバッテリー電圧低下判定信号Sが論理値“0”であるバッテリー正常時には、アンドゲート48の出力信号は論理値“0”を維持するので、単安定回路49の出力パルス信号SMも論理値“0”を維持するので、アンドゲート47の出力はマイクロコンピュータ34から出力されるラッチ信号CSに応じたパルス信号となり、これに応じてラッチ回路45FL〜45RRでマイクロコンピュータ34から出力される圧力制御指令値PFL〜PRRをラッチする。
【0098】
しかしながら、バッテリー37が劣化状態となると、バッテリー電圧低下判定信号Sが論理値“1”に反転することになるので、マイクロコンピュータ34から論理値“1”の再始動検出信号RSが出力されたときに、アンドゲート48の出力信号が論理値“1”に反転し、これが単安定回路49に供給されることにより、その出力パルス信号SMが所定時間Tだけ論理値“1”となり、これがアンドゲート47の反転入力側に供給されることにより、アンドゲート47の出力信号は論理値“0”を維持することになり、ラッチ回路45FL〜45RRでの前回のラッチ状態が所定時間Tだけ継続される。
【0099】
このため、エンジン再始動時のステータモータ駆動によってバッテリー電圧Vが低下し、マイクロコンピュータ34がリセット状態となって、圧力指令値PFL〜PRRが“0”となった場合でも、制御弁駆動回路35FL〜35RRからはその直前の圧力指令値PFL〜PRRに応じた励磁電流IFL〜IRRが圧力制御弁13FL〜13RRに供給されることになり、エンジン再始動時に圧力制御弁13FL〜13RRの制御状態が継続され、制御圧ポート13cと戻りポート13oとが連通されることを防止することができるので、前述した第1及び第2の実施形態と同様に車高変動を確実に防止することができる。
【0100】
なお、上記各実施形態においては、圧力保持部11内に電磁開閉弁17と絞り18の並列回路を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、流体圧供給装置FSと圧力制御弁13FL〜13RRとの間の供給側配管5の何れかの個所に設ければよく、さらに電磁開閉弁17に代えてパイロット操作形開閉弁を適用するようにしてもよい。
【0101】
さらに、上記各実施形態においては、各圧力制御弁に対して共通の圧力保持部11及びフェイルセーフ弁12を設けた場合について説明したが、これに限らず圧力保持部11及びフェイルセーフ弁12を個別に設けるようにしてもよい。
またさらに、油圧サスペンションの制御弁としては上記圧力制御弁13FL〜13RRに限定されるものではなく、他の流量制御型サーボ弁等を適用し得るものである。
【0102】
また、上記実施形態においては、作動流体として作動油を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、圧縮率の少ない流体であれば任意の作動流体を適用し得る。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る能動型サスペンションによれば、イグニッションスイッチがオフ状態となった後例えば圧力保持部を構成するパイロット操作形逆止弁が開状態を維持している時間内にオン状態に復帰すると、これが再始動検出手段で検出され、再始動時制御手段でイグニッションスイッチの復帰後で前記バッテリー電圧が低下する前に、フェイルセーフ弁を閉状態として、圧力保持部を圧力保持状態とすると共に、当該フェイルセーフ弁状態を少なくとも所定時間保持するので、その後にバッテリー電圧の低下等による異常が発生した場合でも制御弁及び流体圧シリンダを含む制御系は圧力変動を生じることがないという効果が得られる。
【0104】
また、請求項2に係る能動型サスペンションによれば、イグニッションスイッチがオフ状態となった後の制御終了時における姿勢変化抑制制御手段の指令値を指令値保持手段で保持し、この指令値保持状態で例えば圧力保持部を構成するパイロット操作形逆止弁が開状態を維持している時間内にイグニッションスイッチがオン状態に復帰すると、これが再始動検出手段で検出され、再始動時制御手段で指令値保持手段で保持している指令値の更新を所定時間禁止することにより、電源電圧の低下によって姿勢変化抑制制御手段が非作動状態となることによる制御弁に入力される指令値が変動することを防止することができ、流体圧シリンダの圧力変動を確実に阻止することができるという効果が得られる。
【0105】
さらに、請求項3に係る能動型サスペンションによれば、再始動時制御手段による制御弁に対する指令値の拘束が再始動検出手段でイグニッションスイッチのオン状態への復帰を検出し且つバッテリー電圧検出手段でバッテリー電圧低下を検出したときのみに限定されるので、バッテリー電圧低下を検出していないときには直ちに正常制御に移行することができ、制御性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】圧力制御弁の指令電流に対する制御圧の関係を示す特性線図である。
【図3】制御装置の一例を示すブロック図である。
【図4】制御装置の電源供給装置の一例を示すブロック図である。
【図5】電源供給装置の電源供給制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】マイクロコンピュータの姿勢変化抑制制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の動作の説明に供するタイムチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態における電源供給装置の一例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるマイクロコンピュータの姿勢変化抑制制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3の実施形態におけるマイクロコンピュータの姿勢変化抑制制御処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
FS 流体圧供給装置
2 エンジン
5 供給側配管
7 戻り側配管
11 圧力保持部
12 フェイルセーフ弁
13FL〜13RR 圧力制御弁
14 逆止弁
16 パイロット操作形逆止弁
19FL〜19RR 油圧シリンダ(流体シリンダ)
31 異常状態検出器(制御系異常検出手段)
32 制御装置
34 マイクロコンピュータ
35FL〜35RR 制御弁駆動回路
36A フェイルセーフ弁駆動回路
38 電源供給装置
38a 安定化電源回路
38b バッテリー電圧検出回路
38c リレー駆動回路
38d バッテリー劣化判断回路
38e フリップフロップ回路
45FL〜45RR ラッチ回路
46 ゲート回路
47,48 アンドゲート
49 単安定回路

Claims (3)

  1. 各車輪と車体との間に介装された流体圧シリンダと、該流体圧シリンダに供給する流体供給装置からの作動流体を指令値に応じて制御する圧力制御弁と、車体の姿勢変化を検出する姿勢変化検出手段と、該姿勢変化検出手段の検出値に基づいて前記圧力制御弁に対する指令値を演算して出力する姿勢変化抑制制御手段と、前記制御弁及び流体供給装置間に介装した当該圧力制御弁の供給圧が所定圧力以下となったときに前記圧力制御弁より遅い応答特性で圧力制御弁側を閉回路とする圧力保持部と、制御系の異常状態を検出する異常検出手段と、該異常検出手段が異常を検出したときに前記圧力制御弁側を圧力保持状態とする異常作動手段と、イグニッションスイッチがオフ状態となった後所定時間内にオン状態に復帰したことを検出する再始動検出手段とを備えた能動型サスペンションにおいて、
    前記異常作動手段は、前記圧力保持部及び前記圧力制御弁間に介装したフェイルセーフ弁を有し、前記異常検出手段で異常を検出したときに当該フェイルセーフ弁を閉状態として前記圧力保持部を圧力保持状態とするように構成されていると共に、バッテリー電圧を監視して予め設定された所定電圧よりバッテリー電圧が低下することを検出するバッテリー電圧検出手段と、該バッテリー圧検出手段がバッテリー電圧低下を検出した後に、前記イグニッションスイッチがオフ状態となってから前記再始動検出手段がイグニッションスイッチのオン状態への復帰を検出したとき、当該イグニッションスイッチの復帰後でスタータモータの駆動により前記バッテリー電圧が低下する前に、前記フェイルセーフ弁を閉状態として前記圧力保持部を圧力保持状態とすると共に、当該フェイルセーフ弁の閉状態を少なくとも所定時間保持する再始動時制御手段とを備えたことを特徴とする能動型サスペンション。
  2. 前記再始動時制御手段は、前記姿勢変化抑制制御手段及び制御弁間に介挿されて少なくとも前回の制御終了時の指令値を保持可能な指令値保持手段を有し、前記再始動検出手段でイグニッションスイッチのオン状態への復帰を検出したときに前記指令値保持手段で保持している指令値の更新を所定時間禁止するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の能動型サスペンション。
  3. 前記再始動時制御手段は、前記姿勢変化抑制制御手段及び制御弁間に介挿されて少なくとも前回の制御終了時の指令値を保持可能な指令値保持手段を有し、前記再始動検出手段でイグニッションスイッチのオン状態への復帰を検出し且つ前記バッテリー圧検出手段でバッテリー電圧低下を検出したときに、前記指令値保持手段で保持している指令値の更新を禁止するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の能動型サスペンション。
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