JPH09222247A - 無菌治療室ユニット - Google Patents

無菌治療室ユニット

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JPH09222247A
JPH09222247A JP2932896A JP2932896A JPH09222247A JP H09222247 A JPH09222247 A JP H09222247A JP 2932896 A JP2932896 A JP 2932896A JP 2932896 A JP2932896 A JP 2932896A JP H09222247 A JPH09222247 A JP H09222247A
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curtain
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Seiichi Koshitani
清一 越谷
Katsuyuki Kikuchi
克行 菊池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保菌患者に対する無菌治療環境を可能にした
医療施設向け無菌治療室ユニットを提無菌治療室ユニッ
トを提供する。 【解決手段】 内壁に清浄空気ユニットを設けベッドを
囲繞する移動自在な天板付の内側ユニットと、内側ユニ
ットを囲繞する移動自在な天板付の外側ユニットと、外
側ユニットに空調空気を供給する空調空気供給装置とを
備え、内側ユニットには、出入側と対向する位置に清浄
空気ユニットが設けられると共に、清浄空気ユニットに
向かって対向する二側部に壁部材が設けられ、清浄空気
ユニットには、空調空気供給装置から供給される空調空
気を搬送するダクトと、外側ユニットと内側ユニット内
の清浄空気を供給する循環ファンが設けられ、内側ユニ
ットの側壁部には、外側ユニット側から操作できるグロ
ーブが設けられ、内側ユニットの出入側と外側ユニット
の出入側との間には、二つのカーテンが前室を介して設
けられ、空調空気供給装置は、外側ユニットに設けら
れ、空調装置に連絡されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無菌状態での治
療、処置、移動等に適用できる無菌治療室ユニットに係
り、特に院内感染を防止し、無菌状態で感染症患者を治
療することが可能な環境を提供できる医療施設向け無菌
治療室ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、種々の化学療法、臓器移
植重傷の癌や火傷等の治療に、クリーンルームを用いた
無菌手術室や無菌病室等が利用されている。処で、クリ
ーンルームを用いた無菌手術室や無菌病室等は、建物の
中に固定されているため、例えば、病室外での治療や病
室間の移動等には別の手段を必要としていた。
【0003】そこで、従来、天板と、この天板に取り付
けられ車を備えた枠と、天板の一側壁の全面に高性能フ
ィルタを配設して成る車を備えた清浄空気ユニットと、
清浄空気ユニットを除く天板の三面から垂下されるカー
テンとで構成された無菌治療室ユニットが提案されてい
る。この無菌治療室ユニットでは、ベッドを囲った形で
配置され、ベッドに寝ている患者に対し、清浄空気ユニ
ットからクラス100程度の清浄空気を供給することが
できる。又、この状態で病室間を移動することもでき
る。
【0004】又、従来の病院内での治療環境としては、
次のようなことが知られていた。免疫力が低下している
患者(熱傷患者や白血病の患者等)の場合は、保護隔離
として室内を陽圧にして室外からの病原菌の侵入を防止
した状態とし、高性能フィルタにて清浄化して除菌した
空気を室内に吹き出すことの可能な病室(無菌病室又は
無菌治療室)に入院させて治療を行っていた。
【0005】病原菌を保菌した患者(結核等の伝染病患
者)の場合は、隔離として室内を陰圧にして室内の患者
からの病原菌が他室に拡散するのを防止することの可能
な病室(隔離室又は感染症病室)に入院させ、治療を行
っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】処で、この従来の無菌
治療室ユニットでは、清浄空気を供給する高性能フィル
タユニットが、一側壁の全面に設けられているので、ベ
ッドに寝ている患者の移動程度の実質的に治療を行わな
い場合には支障はないが、無菌治療室ユニットでの治療
を要する場合には、各種医療機器類や薬剤等を手直に置
いておくスペースが無く緊急処置に十分に対応できるも
のではなかった。
【0007】又、ベッドに寝ている患者の頭部側の壁面
の全面に配設されている高性能フィルタユニットが、患
者に圧迫感を与えるという問題があった。更に、ベッド
に寝ている患者の頭部側の壁面の全面に高性能フィルタ
ユニットがあるため、患者が、読書をするとか音楽等を
聴く等の場合にも、照明設備や電源等を確保できないう
問題があった。
【0008】更に又、清浄空気を供給する高性能フィル
タユニットが、一側壁の全面に設けられているので、コ
ストアップとなる問題があった。又、入出時にはカーテ
ンを開閉するため、カーテンに触れ汚染させるという問
題がある。又、カーテンは何れも開閉自在となっている
ので、入室又は出室時に室内気流が乱れ、清浄度が低下
する虞があった。
【0009】一方、MRSA(メシチリン耐性黄色ブド
ウ球菌)等による感染症においては、免疫力が弱った患
者であるにもかかわらず保菌者であることから陰圧に設
定された病室に入院させざるを得なかった。加えて、こ
の従来の無菌治療室ユニットでは、室内を陰圧にするた
め、従来の医療施設における設備では外部から汚染空気
が侵入することとなり、たとえ高性能フィルタが設置さ
れた部屋であっても病室内の清浄度を無菌の治療環境に
維持することができないという問題点があった。
【0010】本発明は、斯かる従来の問題点を解決する
ために為されたもので、その目的は、治療を要する各種
医療機器類や薬剤等を手直に置いておくスペースが確保
でき、ベッドに寝ている患者に圧迫感を与えず、且つベ
ッド上の患者が使用する照明設備や電源等を確保できる
無菌治療室ユニットを提供することにある。本発明の別
の目的は、保菌患者に対する無菌治療環境を可能にした
医療施設向け無菌治療室ユニットを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内壁
に清浄空気ユニットを設けベッドを囲繞する移動自在な
天板付の内側ユニットと、この内側ユニットを囲繞する
移動自在な天板付の外側ユニットと、この外側ユニット
に空調空気を供給する空調空気供給装置とを備え、内側
ユニットには、出入側と対向する位置に清浄空気ユニッ
トが設けられると共に、清浄空気ユニットに向かって対
向する二側部に壁部材が設けられ、清浄空気ユニットに
は、空調空気供給装置から供給される空調空気を搬送す
るダクトと、外側ユニットと内側ユニット内の清浄空気
を供給する循環ファンが設けられ、内側ユニットの側壁
部には、外側ユニット側から操作できるグローブが設け
られ、内側ユニットの出入側と外側ユニットの出入側と
の間には、二つのカーテンが前室を介して設けられ、空
調空気供給装置は、外側ユニットに設けられ、空調装置
に連絡されていることを特徴とするものである。
【0012】請求項2の発明は、内壁に清浄空気ユニッ
トを設けベッドを囲繞する移動自在な天板付の内側ユニ
ットと、この内側ユニットを囲繞する移動自在な天板付
の外側ユニットと、この外側ユニットに空調空気を供給
する空調空気供給装置とを備え、内側ユニットは、天板
と、この天板に取り付けられ車を備えた枠と、天板の一
側壁側に立設され両側に断面扇形で縦長の高性能フィル
タを立設して成る車を備えた清浄空気ユニットと、清浄
空気ユニットに向かって対向する二側部に取り付けられ
る壁部材と、この壁部材に設けられ外側ユニット側から
操作できるグローブとで構成され、外側ユニットは、天
板と、この天板に取り付けられ車を備えた枠と、出入部
を除く三面に取り付けられる壁部材と、この壁部材に設
けられ外側ユニット側から操作できる内側ユニットのグ
ローブに連絡するグローブ差込口と、内側ユニット側に
取り付けられる内側出入口カーテンと、この内側出入口
カーテンとの間に前室を介して取り付けられる外側出入
口カーテンとで構成され、空調空気供給装置は、給気フ
ァンと排気ファンと高性能フィルタとで構成され、清浄
空気ユニットには、空調空気供給装置から供給される空
調空気を搬送するダクトと、外側ユニットと内側ユニッ
ト内の清浄空気を供給する循環ファンが設けられている
ことを特徴とするものである。
【0013】請求項3の発明には、請求項1又は2記載
の無菌治療室ユニットにおいて、内側ユニットと外側ユ
ニットとの間は、内側ユニットの清浄空気ユニットから
送り出される清浄空気が循環ファンによって清浄空気ユ
ニットへ戻される通路を形成することを特徴とするもの
である。請求項4の発明は、請求項2又は3の何れか記
載の無菌治療室ユニットにおいて、給気ファンに連絡す
る高性能フィルタは、ダクトを介して内側ユニットの清
浄空気ユニットと連絡していることを特徴とするもので
ある。
【0014】請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れ
か記載の無菌治療室ユニットにおいて、空調空気供給装
置は、外気処理空調機と排気ダクトとに連絡されること
を特徴とするものである。請求項6の発明は、請求項1
乃至5の何れか記載の無菌治療室ユニットにおいて、グ
ローブが設けられているカーテンには、蛇腹部が形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0015】請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れ
か記載の無菌治療室ユニットにおいて、清浄空気ユニッ
トは、両高性能フィルタ間にメディカルユニット、医療
ガスアウトレット、照明装置、各種スイッチ類が配設さ
れていることを特徴とするものである。
【0016】請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れ
か記載の無菌治療室ユニットにおいて、天板には、照明
装置が配設されていることを特徴とするものである。請
求項9の発明は、請求項2乃至8の何れか記載の無菌治
療室ユニットにおいて、内側出入口カーテンと外側出入
口カーテンは、左右に開閉できる蛇腹状カーテンで構成
されていることを特徴とするものである。
【0017】(作用)請求項1乃至9の発明において
は、天板の一側壁側に立設された一対の清浄空気ユニッ
トからベッドに向かって清浄空気が送り出される。そし
て、医者が、外部からグローブを介して両高性能フィル
タ間に配設されたメディカルユニット、医療ガスアウト
レット、照明装置、各種スイッチ類を操作して、ベッド
上の患者を治療することができる。
【0018】又、ベッド上の患者は、照明装置を操作し
て手元を照らして読書をすることができる。或いは、電
源にオーディオ機器を接続して音楽等を聴くことができ
る。更に、ベッド上を明るくすることができる。又、ベ
ッドを覆う内側ユニットとそれを更に覆う外側ユニット
があり、内側ユニットと外側ユニットの間に二重の蛇腹
カーテン及び天井、壁を形成して、この二重部内より空
気を吸引して、ベッドを覆う内側ユニット内部からの空
気が病室内に、若しくは、病室内の空気がベッドを覆う
内側ユニット内部に進入しないようにすることができ
る。
【0019】更に、本無菌治療室ユニット内の空気は、
循環ファンにより清浄空気ユニットを介してベッドを覆
う内側ユニットに供給され、清浄空気がベッド上を流れ
内側カーテン端部までくると外側カーテンと内部カーテ
ンの間を流れ循環ファンに戻る循環が形成されている。
一部の汚染空気は、空調空気供給装置の排気ファンにて
高性能フィルタを介し排気され、代わりに新鮮外気は高
性能フィルタを介し給気ファンにて内側ユニット内に給
気される。
【0020】又、内側ユニット、外側ユニットとも移動
式となっているので、自由に移動でき、前室と本室を離
すことができる。更に、グローブが設けてある壁部材
は、左右に開閉できる蛇腹状カーテンで構成されている
ので、グローブ位置を自由にすことができ、頭部、足部
を自由に検診できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図13は、請求項1乃至
9に記載された発明に係る無菌治療室ユニットの一実施
の形態を示すものである。図において、1は、内側ユニ
ットを表す。
【0022】この内側ユニット1は、天板2と、この天
板2に取り付けられ車5を備えた枠4と、天板2の一側
壁側に立設され両側に断面扇形で縦長の高性能フィルタ
8を立設して成る清浄空気ユニット6と、清浄空気ユニ
ット6に向かって対向する二側部に天板2から垂下され
る壁部材16,17と、壁部材16に設けられ外側ユニ
ット側から操作できるグローブ19,19とで構成され
ている。
【0023】天板2には、照明灯3が取り付けられてい
る。天板2は、内側に配される移動自在なベッド70よ
り当然に大きな面積を有している。天板2の四隅には、
車5を取り付けた枠4が取り付けてある。枠4は、横木
(図示しない)によって連結され、走行自在な籠を形成
する。清浄空気ユニット6は、天板2の横幅と同等の幅
を有する基板7と、この基板7の両側で縦方向に設置さ
れた断面扇形の高性能フィルタ8と、両高性能フィルタ
8間に設置されたメディカルユニット9、医療ガスアウ
トレット10、照明装置11を備えている。
【0024】高性能フィルタ8は、例えば、HEPAフ
ィルタ、ULPAフィルタ等のフィルタで、0.3μm
DDP粒子にて99.99%以上の集塵効率を有するも
のが使用される。又、清浄度がクラス100を維持でき
るようにされている。この高性能フィルタ8は、高性能
フィルタで覆われた給気ファン61にダクト12を介し
て連絡している。
【0025】高性能フィルタ8は、風量調節ダンパ15
を備えたダクト14を介して循環ファン13に連絡して
いる。メディカルユニット9には、例えば、コンセント
2個、アースターミナル2個、ナースコール(スピー
カ、メタルコンセント、マイク)、ネームプレート、T
V端子等が設置されている。
【0026】医療ガスアウトレット10には、酸素等の
ガスの取出口が設置されている。この医療ガスアウトレ
ット10は、外部に設けた医療ガスインレット(図示せ
ず)と連絡している。清浄空気ユニット6と対向する二
側面には、上下の側面パネル18を介して帯電防止ビニ
ルで形成されている壁部材16,17が吊り下げられて
いる。
【0027】壁部材16は、内側ユニット1の一側面を
覆うもので、医者がベッド70上の患者71を外側から
治療することができるように、外部から人手が入れられ
る2つのグローブ19,19と、両グローブ19,19
間に位置する透明な樹脂から成るポート20と、蛇腹状
カーテン21,21とが備えてある。両グローブ19,
19が備えてある透明なボード20は、上下の側面パネ
ル18に設けたガイドレール22,22に回転自在に嵌
入する車23を取り付けることによって、医者がグロー
ブ19,19に手を入れた状態で蛇腹状カーテン21,
21を介して左右方向に移動できるようにしてある。
【0028】ボード20の上下端部には、車23とガイ
ドレール22との隙間をシールするためのクランク状の
漏れ防止用シート24が取り付けてある。このクランク
状の漏れ防止用シート24は、開口両端側が側面パネル
18の表面をスライドするようになっている。蛇腹状カ
ーテン21,21は、枠4とボード20とに固定されて
いる。
【0029】壁部材17は、壁部材16と対向する側面
を覆うもので、両端が枠4と側面パネル18とに固定さ
れている。内側ユニット1の出入側25は、ベッド70
の搬入、搬出、医者、患者の通行等が自由にできるよう
に開口となっている。内側ユニット1の下部と病室80
の床83との間には、内側ユニット1内の空気が外部へ
押し出せるように隙間53が形成されている。
【0030】外側ユニット30は、天板31と、この天
板31に取り付けられ車33を備えた枠32と、出入部
を除く三面に天井から垂下される壁部材34,35,3
6,37,38,39,40と、壁部材35に設けられ
外側ユニット側30から操作できる内側ユニット1のグ
ローブ19,19に連絡するグローブ差込口42,42
と、内側ユニット1側に天井31側から垂下する内側出
入口カーテン48と、この内側出入口カーテン48との
間に前室51を介して天井31側から垂下する外側出入
口カーテン49とで構成されている。
【0031】天板31は、4組の枠32に対応して3枚
のプレートを取り付けることによって構成されている。
4組の枠32は、横木(図示しない)によって連結さ
れ、走行自在な籠を形成する。壁部材34,36,3
7,38,39,40は、天井31から垂下された帯電
防止ビニルで形成されている。
【0032】壁部材35は、上下の側面パネル44を介
して帯電防止ビニルで形成されている蛇腹状カーテンで
構成されている。壁部材35は、内側ユニット1の壁部
材16と対応する位置に配置されており、内側ユニット
1のグローブ19,19に医者が外側から治療すること
ができるように、外部から人手が入れられる2つのグロ
ーブ差込口42,42と医者が内部を見ることができる
ヘッドボード43とを備えた透明のボード41と、この
透明なボード41の両側に位置する蛇腹状カーテン5
0,50とが備えてある。
【0033】透明なボード41は、上下の側面パネル3
4に設けたガイドレール45,45に回転自在に嵌入す
る車46を取り付けることによって、医者がグローブ差
込口42,42からグローブ19,19に手を入れた状
態で蛇腹状カーテン50,50を介して左右方向に移動
できるようにしてある。ボード41の上下端部には、車
46とガイドレール45との隙間をシールするためのク
ランク状の漏れ防止用シート47が取り付けてある。こ
のクランク状の漏れ防止用シート47は、開口両端側が
側面パネル44の表面をスライドするようになってい
る。
【0034】内側ユニット1側に出入側25の近傍に
は、天井31側から内側出入口カーテン48が垂下され
ている。この内側出入口カーテン48は、左右に開閉す
る蛇腹状カーテンで構成されている。この内側出入口カ
ーテン48より更に外側には、前室51を介して天井3
1側から外側出入口カーテン49が垂下されている。こ
の外側出入口カーテン49は、左右に開閉する蛇腹状カ
ーテンで構成されている。
【0035】前室51の反対側の外側ユニット30の天
井31には、空調空気供給装置60が取り付けてある。
外側ユニット30の下部と病室80の床83との間に
は、病室80内の空気を吸い込むための隙間54が形成
されている。空調空気供給装置60は、給気ファン61
と排気ファン62と高性能フィルタ63とで構成されて
いる。
【0036】給気ファン61には、給気ダンパ65を備
えた給気ダクト64を介して外気処理空調機66が連絡
している。排気ファン62には、排気ダンパ68を備え
た排気ダクト67が連絡している。高性能フィルタ63
は、外側ユニット30の内側に設けられている。そし
て、給気ファン61に連絡する側では、内側ユニット1
の清浄空気ユニット6に連絡するダクト12が取り付け
られている。
【0037】内側ユニット1と外側ユニット30とに
は、図2乃至図4に示すように、内側ユニット1の清浄
空気ユニット6から供給される清浄空気がベッド70上
の患者71の頭部から足部に向かって流れ、その後に、
内側出入口カーテン48の手前側で、循環ファン13に
よる吸引力で矢印で示すように戻る流路を形成する隙間
73が設けられている。
【0038】図において、72は医療従事者を表す。
又、80は病室、81は病室内に設けられた清浄空気の
吹出口を表す。吹出口81には外気処理空調機66に連
絡する給気ダクト82が取り付けてある。内側ユニット
1と外側ユニット30に設けた左右の蛇腹状カーテン2
1,50には、貫通して出し入れできるパスボックス7
4が設けてある。
【0039】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
無菌治療室ユニットAでは、図1乃至図4に示すよう
に、給気ファン61を介して取り込まれた新鮮空気が2
つの高性能フィルタ8によって浄化されて内側ユニット
1の断面風速が少なくとも0.1m/sec以上の水平
層流になるように吹き出される(図2及び図2の白三角
の矢印参照)。そして、循環ファン13及び排気ファン
62の給気を二重の蛇腹カーテン48,49及び天井
1,31の間の隙間73より吸引するため、壁内が陰圧
となり、これによりユニット出入口下部や壁部材の隙間
53,54からユニット内空気と病室内空気を混合して
吸引することが可能となり(図2乃至図4の黒三角の矢
印参照)、出入口や小さな隙間からもユニット内空気が
漏洩することを防止できる。そのため、クラス100に
維持される。このクリーン度は、任意に設定できる。
【0040】ここで、給気ファン61により外部より新
鮮空気を導入する際、外気量は給気ダンパ65により流
量調整される。外気量として、1時間当たり本無菌治療
室ユニットAの内容積の10〜15倍を供給する。供給
される外気は、外気処理空調機66により温度調整され
た後、内側ユニット1に供給される。
【0041】排気は、外側ユニット30に設けられた排
気ファン62により行われる。排気は高性能フィルタ6
3により浄化され排気される(給気、排気の差)。排気
は排気ダンパ68により流量調整される。排気量は二重
構造の内側出入口カーテン48、外側出入口カーテン4
9及び外側ユニット30の天井31内部と病室80内と
の圧力差が1.3mmAq以上になるように排気する
(排気量は1時間当たり本無菌治療室ユニットAの内容
積の20倍程度の排気量で可能である)。
【0042】ベッド70や医療関係者72は、二重構造
の内側出入口カーテン48、外側出入口カーテン49か
ら出入する。二重構造の内側出入口カーテン48、外側
出入口カーテン49により、前室51と本室52に区分
けしている。又、内側ユニット1の天板2からは照明灯
3によって必要な光度で照らされている。
【0043】医者はグローブ差込口42,42から手を
入れてヘッドポート43でベッド70上の患者71の様
子を確認しながら適切な処置を施すことができる。この
際、患者71に対する治療に必要な機器類、ガス類等
が、メディカルユニット9、医療ガスアウトレット10
を介して接続されており、医者はグローブ19,19を
介してこれらを操作することができる。
【0044】而も、グローブ19,19が設けられてい
る透明なボード21,41は、医者の左右方向への動き
に追従して左右の蛇腹状カーテン21,44が伸び縮み
する。この際、内側ユニット1と外側ユニット30との
間には、隙間が形成されているので、図に示すように、
内外の透明なボード21,41間及び左右の蛇腹状カー
テン21,44間を清浄空気が流れる。
【0045】ベッド70上の患者71は、ベッド70上
で照明装置11のスイッチ12を操作して手元を照らし
読書をすることができる。更に、CD等の電源をメディ
カルユニット9の空いているコンセントに差し込み、音
楽等を聞くことができる。以上のように、本実施の形態
によれば、ベッド70の頭上側に一対の高性能フィルタ
8を設けると共にその間にメディカルユニット9、医療
ガスアウトレット10を配設したので、医者がグローブ
19,19に手を入れた状態で必要とされる治療を充分
に施すことができる。
【0046】又、ベッド70上の患者71は、読書や音
楽鑑賞をすることが可能となる。更に、清浄空気ユニッ
ト6は、基板7の両側で縦方向に設置された断面扇形の
高性能フィルタ8を用いているので、従来のように一直
壁面全面に高性能フィルタを配設したものに比して大幅
にコスト低減することが可能となる。尚、本発明は上記
実施の形態に限らず、二重構造の内側出入口カーテン4
8と外側出入口カーテン49に脱衣エリアを設けること
もできる。
【0047】又、必要に応じて、本無菌治療室ユニット
A内にトイレ、洗面、シャワーユニット、無菌水供給装
置等の衛生設備を設置することもできる。更に、給排気
ダクト、医療ガス配管等ユーティリティ配管を取り外
し、部位毎に分割、移動、保管が可能になっている。
又、隔壁部材は、透明材料を用いたが、不透明材料で構
成しても良い。
【0048】更に、清浄空気ユニット6は、内側ユニッ
ト6と一体にした場合について説明したが、分離可能な
ものとしても良い。又、グローブ19,19は、一方に
のみ設けたが、対向する壁部材にも設けても良い。更
に、壁部材は、カーテンを採用したが、取外自在な板材
で構成しても良い。
【0049】
【発明の効果】以上のように、請求項1乃至9の発明に
よれば、ユニットの給排気量の差よりユニット内の空気
が病室内に漏れることがない。又、循環ファン及び排気
ファンの給気を二重の蛇腹カーテン及び天井内部より吸
引するため、壁内が陰圧となり、これによりユニット出
入口下部の開口部や壁部材の隙間からユニット内空気と
病室内空気を混合して吸引することが可能となり、出入
口や小さな隙間からもユニット内空気が漏洩することを
防止できる。
【0050】従来の室内を陰圧にするような病室の場合
には、内部を無菌状態に維持することができなかった
が、このユニットによれば外部の汚染空気の流入及びユ
ニット内の空気の流出を防止可能であり、感染患者の無
菌治療を実現することができる。又、ベッド上の患者の
頭上側から足下側に向かって一対の清浄空気ユニットか
らベッドに向かって清浄空気が送り出されるので、全面
に設置した高性能フィルタと同様に清浄度を確保するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至9に記載された発明に係る無菌治
療室ユニットの一実施の形態を示す概略図である。
【図2】図1の無菌治療室ユニットを平面的に見た概略
図である。
【図3】図1の無菌治療室ユニットを側面的に見た概略
図である。
【図4】図1の無菌治療室ユニットを縦断面的に見た概
略図である。
【図5】図1の無菌治療室ユニットの外観を示す側面図
である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図5のイ部矢視図である。
【図8】図5のロ、ハ部矢視図である。
【図9】図5のニ部矢視断面図である。
【図10】図6のホ部矢視断面図である。
【図11】図6のヘ部矢視断面図である。
【図12】図1の無菌治療室ユニットを用いた治療状況
を示す説明図である。
【図13】図12のト部拡大図である。
【符号の説明】
1 内側ユニット 2、31 天板 3 照明灯 4、32 枠 5、33 車 6 清浄空気ユニット 8 高性能フィルタ 9 メディカルユニット 10 医療ガスアウトレット 11 照明装置 14 ダクト 16、17、34,35,36,37,38,39,4
0 壁部材 19,19 グローブ 20 ポート 21,21,50 蛇腹状カーテン 21,21とが備えてある。 30 外側ユニット 42,42 グローブ差込口 48 内側出入口カーテン 49 外側出入口カーテン 51 前室 60 空調空気供給装置 61 給気ファン 62 排気ファン 63 高性能フィルタ 70 ベッド

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内壁に清浄空気ユニットを設けベッドを
    囲繞する移動自在な天板付の内側ユニットと、この内側
    ユニットを囲繞する移動自在な天板付の外側ユニット
    と、この外側ユニットに空調空気を供給する空調空気供
    給装置とを備え、 内側ユニットには、出入側と対向する位置に清浄空気ユ
    ニットが設けられると共に、清浄空気ユニットに向かっ
    て対向する二側部に壁部材が設けられ、 清浄空気ユニットには、空調空気供給装置から供給され
    る空調空気を搬送するダクトと、外側ユニットと内側ユ
    ニット内の清浄空気を供給する循環ファンが設けられ、 内側ユニットの側壁部には、外側ユニット側から操作で
    きるグローブが設けられ、 内側ユニットの出入側と外側ユニットの出入側との間に
    は、二つのカーテンが前室を介して設けられ、 空調空気供給装置は、外側ユニットに設けられ、空調装
    置に連絡されていることを特徴とする無菌治療室ユニッ
    ト。
  2. 【請求項2】 内壁に清浄空気ユニットを設けベッドを
    囲繞する移動自在な天板付の内側ユニットと、この内側
    ユニットを囲繞する移動自在な天板付の外側ユニット
    と、この外側ユニットに空調空気を供給する空調空気供
    給装置とを備え、 内側ユニットは、天板と、この天板に取り付けられ車を
    備えた枠と、天板の一側壁側に立設され両側に断面扇形
    で縦長の高性能フィルタを立設して成る車を備えた清浄
    空気ユニットと、清浄空気ユニットに向かって対向する
    二側部に取り付けられる壁部材と、この壁部材に設けら
    れ外側ユニット側から操作できるグローブとで構成さ
    れ、 外側ユニットは、天板と、この天板に取り付けられ車を
    備えた枠と、出入部を除く三面に取り付けられる壁部材
    と、この壁部材に設けられ外側ユニット側から操作でき
    る内側ユニットのグローブに連絡するグローブ差込口
    と、内側ユニット側に取り付けられる内側出入口カーテ
    ンと、この内側出入口カーテンとの間に前室を介して取
    り付けられる外側出入口カーテンとで構成され、 空調空気供給装置は、給気ファンと排気ファンと高性能
    フィルタとで構成され、 清浄空気ユニットには、空調
    空気供給装置から供給される空調空気を搬送するダクト
    と、外側ユニットと内側ユニット内の清浄空気を供給す
    る循環ファンが設けられていることを特徴とする無菌治
    療室ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の無菌治療室ユニッ
    トにおいて、 内側ユニットと外側ユニットとの間は、内側ユニットの
    清浄空気ユニットから送り出される清浄空気が循環ファ
    ンによって清浄空気ユニットへ戻される通路を形成する
    ことを特徴とする無菌治療室ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3の何れか記載の無菌治療
    室ユニットにおいて、 給気ファンに連絡する高性能フィルタは、ダクトを介し
    て内側ユニットの清浄空気ユニットと連絡していること
    を特徴とする無菌治療室ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか記載の無菌治療
    室ユニットにおいて、 空調空気供給装置は、外気処理空調機と排気ダクトとに
    連絡されることを特徴とする無菌治療室ユニット。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか記載の無菌治療
    室ユニットにおいて、 グローブが設けられているカーテンには、蛇腹部が形成
    されていることを特徴とする無菌治療室ユニット。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか記載の無菌治療
    室ユニットにおいて、 清浄空気ユニットは、両高性能フィルタ間にメディカル
    ユニット、医療ガスアウトレット、照明装置、各種スイ
    ッチ類が配設されていることを特徴とする無菌治療室ユ
    ニット。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか記載の無菌治療
    室ユニットにおいて、 天板には、照明装置が配設されていることを特徴とする
    無菌治療室ユニット。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至8の何れか記載の無菌治療
    室ユニットにおいて、 内側出入口カーテンと外側出入口カーテンは、左右に開
    閉できる蛇腹状カーテンで構成されていることを特徴と
    する無菌治療室ユニット。
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